JPH08184253A - スプリングユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 復帰手段であるコイルスプリングをユニット
化することにより、種々の回転部材の自閉装置として適
用することができる汎用性のあるスプリングユニットと
する。 【構成】 円筒状の外枠に対して、ねじりコイルばねを
介して回転軸を回転可能に装着し、該外枠の外方に突出
するよう該回転部材の先端部側に突出軸部を形成し、外
枠および突出軸部を多角形状に形成し、該突出軸部を所
定方向に回転させてねじりコイルばねを捩ることによ
り、該ねじりコイルばねに復帰力を持たせるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ドア等に使
用され自動的に閉じる自動復帰型ヒンジとして用いられ
る復帰手段をユニット化したスプリングユニットに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】今日においては、開放したドア（扉）を
自動的に閉じるようにするため、ドアクローザが多く用
いられている。このドアクローザは、ドアヒンジの他に
ドアの上部片隅に取付けられている。従って、ドア全体
の美的感覚からは、好ましくなく、インテリアの装飾に
力が注がれている今日においては、ドアクローザは大型
でありごつい感じを有しインテリアとして不向きであ
り、かつ価格も高価なものであるという欠点を有してい
る。

【０００３】このような状況のもとで、ドアクローザに
代わるものとして、最近はスプリングヒンジを用いるよ
うになっている。

【０００４】このスプリングヒンジとは、ヒンジの軸部
を円筒形とし、該軸部内に復帰手段であるコイルスプリ
ングを内蔵させたものであって、例えば、該スプリング
ヒンジをドアに取付け、ドア開放の際に該スプリングヒ
ンジのコイルスプリングが捩られることにより、その復
帰力を利用してドアを自動的に閉じようとするものであ
る。

【０００５】このスプリングヒンジをドアに使用すれ
ば、前述したドアクローザは全く必要がなく、ドアのイ
ンテリアとして非常によいものとなる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記スプリン
グヒンジは、回転による復帰力を持たせるためコイルス
プリングをヒンジの軸部内に取付けるには複雑で簡単に
は取付けられないという課題を有している。

【０００７】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あって、復帰手段であるコイルスプリングをユニット化
とすることにより、ワンタッチでヒンジの軸部内に組込
むことができ、組立て作業が簡単であるとともに、ユニ
ット化とすることにより、フロアヒンジとしても利用す
ることができ、その他、種々の回転部材に適用すること
ができる汎用性のあるスプリングユニットを提供するこ
とを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、外周面が多角形状をし、一側側に開口部
（１８）を有し、他側側に閉塞部（２０）を有する円筒
状の外枠（１２）と、該外枠（１２）に回転可能に装着
されて該外枠（１２）の外方に突出し外周面が多角形状
をした突出軸部（３６）を有する回転軸（１４）と、前
記外枠（１２）内に装着されて前記回転軸（１４）の所
定方向回転の際に復帰力を発生するばね手段（１６）
と、から構成されたスプリングユニットとした。

【０００９】前記外枠（１２）の内周面に軸中心方向に
突出するストッパ（２４）が形成され、前記回転軸（１
４）の大径軸部（２８）の外周面に突状（２８ａ）を形
成することにより、前記ストッパ（２４）により回転軸
（１４）の回転範囲を自在に規制するようにする。

【００１０】

【作用】回転軸（１４）の突出軸部（３６）を所定方向
に回転させると、ねじりコイルばね（１６）はより捩ら
れるため、該ねじりコイルばね（１６）は復帰しようと
する復帰力を備え、回転軸（１４）は逆回転されること
により自閉装置として機能する。また、外枠（１２）に
形成されているストッパ（２４）の長さにより回転軸
（１４）の回転角度を調整することができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図面に示す一実施例に基づき
詳細に説明する。図１は本発明に係るスプリングユニッ
ト（１０）の斜視図、図２は該スプリングユニット（１
０）の分解斜視図、図３はスプリングユニット（１０）
の拡大断面図、図４は側面図、図５は外枠の側面図、図
６は回転範囲を示した組合わせ図、図７はスプリングユ
ニット（１０）の適用例の一つでヒンジの軸部内に内蔵
した例を示す分解斜視図、図８はフロアヒンジ等に適用
した例を示すドアの正面図を示している。

【００１２】このスプリングユニット（１０）は、外枠
（１２）と、回転軸（１４）と、ねじりコイルばね（１
６）とを有している。

【００１３】外枠（１２）は、一端が開放する開口部
（１８）、他端が閉塞する閉塞部（２０）を有するシリ
ンダ形状をし、外周面は六角形状をしている。開口部
（１８）の内面には雌ねじ（２２）が形成されており、
また、図５に示すように該開口部（１８）側における内
周面にほぼ１２０度の角度の範囲で軸中心方向に突出す
る突条のストッパ（２４）が形成されている。

【００１４】前記回転軸（１４）は、小径軸部（２６）
と大径軸部（２８）とを有しており、該小径軸部（２
６）に合成樹脂製のブッシュ（３０）が回転可能に嵌め
込まれ、小径軸部（２６）の先端側が前記外枠（１２）
の閉塞部（２０）に形成されている軸受け部（２０ａ）
において枢支されている。大径軸部（２８）側において
は、軸受け部材（３２）を介して、前記外枠（１２）の
開口部（１８）においてねじリング（３４）が螺入さ
れ、該ねじリング（３４）は、前記回転軸（１４）が外
枠（１２）から抜け落ちるのを防止するストッパとして
の機能を有する。前記大径軸部（２８）には、前記外枠
（１２）のストッパ（２４）によって回転軸（１４）の
回転が規制される突条（２８ａ）が形成されている。

【００１５】図６は、前記外枠（１２）と回転軸（１
４）との回転角度の一例を示した図であり、該回転軸
（１４）は、（ａ）に示す位置から回転軸（１４）を左
方向（反時計方向）に回転させると、（ｂ）に示すよう
に外枠（１２）のストッパ（２４）に突条（２８ａ）が
衝突し、回転軸（１４）はそれ以上回転せず制止され
る。そして、（ｂ）の位置より回転力を除くと、該回転
軸（１４）は、ねじりコイルばね（１６）の復帰力によ
り逆回転し、（ａ）に示す位置に戻る。

【００１６】この外枠（１２）に形成されているストッ
パ（２４）の長さにより回転軸（１４）の回転角度を調
整することができる。

【００１７】また、前記回転軸（１４）は、図１および
図３に示すように外枠（１２）より外方に突出する突出
軸部（３６）を有している。該突出軸部（３６）の外周
面は、図示の例では六角形に形成されている。

【００１８】前記ねじりコイルばね（１６）は、その一
端（３８）は前記回転軸（１４）の大径軸部（２８）に
形成された係止溝（４２）着脱自在に支持され、また、
その他端（４０）は前記外枠（１２）の閉塞部側に形成
された嵌入口（４４）に着脱可能に支持されている。従
って、回転軸（１４）を所定方向に回転させると、ねじ
りコイルばね（１６）はより捩られるため、該ねじりコ
イルばね（１６）は復帰しようとする復帰力を備えるこ
とになる。

【００１９】図示されているねじりコイルばね（１６）
は、断面が四角形状の角ねじを例示しているが、断面が
円形のコイルばねを使用してもよく、また、コイル状の
ばねに限らず、断面リング状をした板ばねを用いてもよ
く、要は、回転軸（１４）を所定方向に回転させること
により、復帰力を蓄えるような手段であればよい。

【００２０】当然のことながら、前記ねじりコイルばね
（１６）の復帰力は、断面の大きさとか、コイルの巻数
によって自在に変更可能である。

【００２１】図７は、ヒンジにスプリングユニット（１
０）を応用した例を示すものであって、（５０）は内ウ
イングであり、該内ウイング（５０）は、軸部となる円
筒部（５２）を有し、該円筒部（５２）は、前記スプリ
ングユニット（１０）が挿入される六角形状の挿入孔
（５４）を有している。（５６）は既知の回転ダンパユ
ニットであり、本発明のスプリングユニット（１０）と
組合わせることにより自動復帰型のダンパヒンジが得ら
れる。該回転ダンパユニット（５６）の外観形状はスプ
リングユニット（１０）の形状と同一である。最も、該
回転ダンパユニット（５６）を本発明のスプリングユニ
ット（１０）とすることもできる。（５８）は弾発スプ
リングである。

【００２２】（６０）は外ウイングであって、両側に嵌
入孔（６２，６２）が形成されている軸受け部（６４，
６４）を有している。

【００２３】前記内ウイング（５０）の円筒部（５２）
の挿入孔（５４）に、前記弾発スプリング（５８）を中
央にして一方側から回転ダンパユニット（５６）を、他
方側から本発明に係るスプリングユニット（１０）をそ
れぞれ挿入する。そして、前記弾発スプリング（５８）
を圧縮するようにして前記回転ダンパユニット（５６）
の回転軸が突出している突出軸部（５６ａ）およびスプ
リングユニット（１０）の突出軸部（３６）が前記挿入
孔（５４）内に収納されるよう挿入し、前記外ウイング
（６０）の各軸受け部（６４，６４）を前記各突出軸部
（３６，５６ａ）の端面と一致するようにすると、前記
圧縮された弾発スプリング（５８）の弾発力により回転
ダンパユニット（５６）およびスプリングユニット（１
０）は外方向に付勢され、前記各嵌入孔（６２，６２）
内に前記各突出軸部（３６，５６ａ）が自然に嵌入す
る。従って、回転ダンパユニット（５６）およびスプリ
ングユニット（１０）が共にユニット化されているの
で、そのヒンジの組立ては非常に簡単であり、ワンタッ
チで行なうことができる。

【００２４】そして、例えば、図７に示すヒンジがドア
に取付けられている場合、該ドアを開ける際には、回転
ダンパユニット（５６）のダンパ機能が一方向の回転に
は作用しないが、スプリングユニット（１０）のねじり
コイルばね（１６）を捩る方向に回転させながら、ドア
を開ける。このときは、該ドアの開ける力は、該ねじり
コイルばね（１６）の復帰力に抗して開けるだけであ
る。

【００２５】次に、開けたドアから手を離すと、ねじり
コイルばね（１６）は、所定角度捩られているので、そ
の復帰力によりドアは閉じる方向に動作するが、この場
合、前記回転ダンパユニット（５６）のダンパ機能が働
き、該ドアは、ゆっくりと静かに閉じることとなる。

【００２６】図８は、本発明のスプリングユニット（１
０）をドアのフロアヒンジとして用いた例を示してい
る。この場合も前述した例と同様、フロア側または天井
側のいずれか一方に前記回転ダンパユニット（５６）を
用いるようにすれば、該ドアはダンパ作用により閉じる
ときには静かに閉まる。最も、フロア側および天井側の
両方に本発明に係るスプリングユニット（１０）を用い
るようにしてもよいことは勿論のことである。

【００２７】この実施例において、本発明に係るスプリ
ングユニット（１０）の適用例としてドアヒンジに使用
する場合を述べたが、本発明においては、これに限定さ
れるものではなく、例えば、自動車のボンネットカバ
ー、トランクカバー等のヒンジに利用してもよく、その
他、各種自閉動作を行なう手段に対して利用することが
可能である。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、復
帰力を有するスプリングを簡単な構成でユニット化する
ようにしたので、ドアヒンジの他、各種の自閉手段とし
て応用範囲が広く、かつ簡単に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るスプリングユニットの斜視図であ
る。

【図２】図１におけるスプリングユニットの分解斜視図
である。

【図３】スプリングユニットの拡大断面図である。

【図４】図３におけるスプリングユニットの右側面図で
ある。

【図５】外枠の側面図である。

【図６】外枠と回転軸との関係を示した組合わせ図であ
り、（ａ）は回転前であり、（ｂ）は最大回転時を示し
ている。

【図７】本発明に係るスプリングユニットをヒンジに適
用した一例を示した分解斜視図である。

【図８】本発明のスプリングユニットをドアのフロアヒ
ンジとして応用した例を示す概略図である。

【符号の説明】

１０ スプリングユニット １２ 外枠 １４ 回転軸 １６ ねじりコイルばね １８ 開口部 ２０ 閉塞部 ２４ ストッパ ２６ 小径軸部 ２８ 大径軸部 ２８ａ 突条 ３２ 軸受け部材 ３４ ねじリング ３６ 突出軸部 ３８ 一端 ４０ 他端 ４２ 係止溝 ４４ 嵌入口

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面が多角形状をし、一側側に開口部
   （１８）を有し、他側側に閉塞部（２０）を有する円筒
   状の外枠（１２）と、 該外枠（１２）に回転可能に装着されて該外枠（１２）
   の外方に突出し外周面が多角形状をした突出軸部（３
   ６）を有する回転軸（１４）と、 前記外枠（１２）内に装着されて前記回転軸（１４）の
   所定方向回転の際に復帰力を発生するばね手段（１６）
   と、を有することを特徴とするスプリングユニット。
2. 【請求項２】 前記ばね手段（１６）がねじりコイルば
   ねであることを特徴とする請求項１に記載のスプリング
   ユニット。
3. 【請求項３】 前記外枠（１２）の開口部（１８）にリ
   ング状の軸受け部材（３２）を介して、ねじリング（３
   ４）を螺入することにより、前記回転軸（１４）が外枠
   （１２）から抜けるのを防止するようにしたことを特徴
   とする請求項１に記載のスプリングユニット。
4. 【請求項４】 前記回転軸（１４）が、小径軸部（２
   ６）と大径軸部（２８）より構成され、前記ねじりコイ
   ルばね（１６）の一端（３８）が大径軸部（２８）に形
   成されている係止溝（４２）に支持され、他端（４０）
   が外枠（１２）の閉塞部（２０）に形成されている嵌入
   口（４４）に支持され、回転軸（１４）の回転によりね
   じりコイルばね（１６）が捩られることを特徴とする請
   求項２に記載のスプリングユニット。
5. 【請求項５】 前記外枠（１２）の内周面に軸中心方向
   に突出するストッパ（２４）が形成され、前記回転軸
   （１４）の大径軸部（２８）の外周面に突状（２８ａ）
   が形成され、前記ストッパ（２４）により回転軸（１
   ４）の回転範囲が規制されることを特徴とする請求項４
   に記載のスプリングユニット。