JPH08178136A - 合成樹脂管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】配管施工の際に管の表面に傷が付くのを防止す
ると共に、融着接続作業において管表面の切削加工が必
ず行われるようにした融着接続が可能な熱可塑性合成樹
脂管を提供するものである。 【構成】管の最外層が熱可塑性合成樹脂層からなり、こ
の最外層表面に複数条の軸線方向に延びる突起を設けた
ことを特徴とする合成樹脂管であって、この突起は、管
の外表面に幅寸法が０．５ないし５ｍｍで且つ高さ寸法
が２ないし１０ｍｍであることを特徴とする合成樹脂管
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、管の最外層がポリエチ
レンやポリブチレン樹脂等の熱可塑性合成樹脂で設けら
れた融着接合が可能な合成樹脂管に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、屋内給水給湯配管用にポリブチレ
ン管が、ガスの埋設配管用にポリエチレン管が用いられ
ている。この種の熱可塑性合成樹脂管の接続は金属製メ
カニカル継手を用いて接続する場合と、管と同じ合成樹
脂製の継手を用い加熱によって一体に融着接続する場合
とがあるが、この融着によって接続する方法は接続強度
やシール性において最も優れており、また施工性が良い
ので普及しつつある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この様に合成樹脂管は
軽くて取扱い易く施工性がよいが、柔らかいので傷がつ
き易い欠点がある。実際の工事現場において長尺の合成
樹脂管が引き回されると、管表面がこすれて傷が付き、
管の肉厚が部分的に薄くなったりあるいは管の端部の接
続部に軸方向の傷が付くと管の円筒状体が悪くなったり
して良好な接続状態が得られない場合があり、接続完了
後傷の部分から漏れる場合がある。また一方、合成樹脂
管を融着接続する場合は、良好な接続状態を得るため
に、予め管表面を薄く削って管表面の紫外線による劣化
層や油脂付着分等を取り除いてから合成樹脂製の継手と
融着接続が行われる。この管表面を薄く削る切削作業を
省略して接続された場合は完全な融着接続が行われな
い。しかし接続後において、この管表面を削る作業を行
ってから融着接続を行ってあるかどうかの確認が困難
で、忘れていたりあるいは省略されている場合も起こり
得る。従って本発明は配管施工の際に管の表面に傷が付
くのを防止すると共に、融着接続作業において管表面の
切削加工が必ず行われるようにした融着接続が可能な熱
可塑性合成樹脂管を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、管の最
外層が熱可塑性合成樹脂層からなり、この最外層表面に
複数条の軸線方向に延びる突起を設けたことを特徴とす
る合成樹脂管である。上記において突起は、管の外表面
に幅寸法が０．３ないし５ｍｍで且つ高さ寸法が２ない
し１０ｍｍであることを特徴とする合成樹脂管である。
上記において管は２層でも３層でも良く、またこの複数
層の内層管が金属管であっても良い。

【０００５】

【作用】本発明は上記の構成のごとく、最外層表面に複
数条の軸線方向に延びる突起を設けてあるから、配管施
工作業において管を引き回したりしても複数条の突起に
よって管表面が保護されるので管表面に傷が付かない。
また管を融着接続する際、必ずこの突起を削らないと継
手内に挿入できないから、必ず突起を削る作業が必要
で、管表面の切削加工が同時に行われる。従って切削加
工を省略したり、あるいは忘れたりして切削しないまま
で融着が行われる様なことがなく、確実な融着接続作業
が行われる。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１は本発明の実施例を示すポリブチレン製の管Ａ
で、外径が２４ｍｍ、内径が１６ｍｍの管表面に幅寸法
１ｍｍで高さ寸法が５．０ｍｍの突起Ｂを管の円周上軸
線方向に４条設けたものである。一般に合成樹脂の熱伝
導率は金属等に比べてはるかに小さく、この突起Ｂによ
って内部流体の熱が放熱されるようなことがない。突起
Ｂの大きさは管径の大きさにもよるが、幅寸法が０．３
ｍｍないし５ｍｍで高さ寸法が２ｍｍないし１０ｍｍが
適当で、これより大きくても切削作業が困難となった
り、小さくても効果がなくなったりするので良くない。
図２に示す管Ｃのように、突起の本数は管を平面上に置
いたとき管Ｃの表面が平面に当たらないような突起Ｄの
本数、高さを定めるのが最も理想的であるが、平面上表
面が当たる部分があっても良い。

【０００７】図３のごとく鞘管Ｅ］内に挿入して配管さ
れる場合は、鞘管Ｅと管Ａの表面との間が複数個所に区
切られた空間Ｆを形成するので、この空間が空気の断熱
層となり、例えば給水給湯配管において管表面に断熱材
を巻かなくても断熱性が良い。また鞘管Ｅと内挿管Ａと
の間が直接接触せず、突起Ｂによってクッションの役目
を行うので、例えば内挿管Ａの振動等に伴う異常音の発
生が防止される。図４は内層が架橋ポリエチレン製の樹
脂層Ｇで、外層が非架橋ポルエチレン製の樹脂層Ｈで形
成した２層の合成樹脂管で、外層の非架橋ポリエチレン
層Ｈに４層の突起を軸線方向に形成してある。この様に
内層管が架橋ポリエチレン管Ｇで融着接続が行えない管
であっても、外層が熱可塑性を有する非架橋ポリエチレ
ン層Ｈであるから、融着接続が行える。

【０００８】図５は本発明の樹脂管を融着接続する際
に、樹脂管Ａの端部接続部を切削加工して継手Ｉの接続
部に挿入した状態を締めす。融着接続時において、樹脂
管Ａを継手Ｉ内に挿入しようとすると、突起Ｂが邪魔に
なって挿入できないが、接続するためには必ず樹脂管Ａ
の突起Ｂを削る必要があり、このため継手内に挿入する
際、突起と共に管表面の切削加工が必ず行われる。また
地面上で管Ａを引き回しても複数条の突起Ｂが管の表面
を保護するので、管表面に傷が付かない。

【０００９】

【発明の効果】以上の説明の通り、本発明の合成樹脂管
は管表面への傷付を防止すると共に、融着接続する際に
必ず管表面の切削加工が行われ、完全な融着接続が行わ
れるものである。また鞘間内に挿入して配管された場合
は断熱効果が大きく得られ、更に異常音の発生も防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第一実施例を示す合成樹脂管の斜視
図である。

【図２】 本発明の別の実施例を示す合成樹脂管の断面
図である。

【図３】 図１の樹脂管を鞘間内に挿入した状態を示す
断面図である。

【図４】 本発明の別の実施例を示す合成樹脂管の斜視
図である。

【図５】 本発明の合成樹脂管を継手と接続する状態を
示す部分断面図である。

【符号の説明】

Ａ、Ｃ 合成樹脂管 Ｂ、Ｄ 突起 Ｅ 鞘管 Ｉ 継手

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管の最外層が熱可塑性合成樹脂層からな
   り、この最外層表面に複数条の軸線方向に延びる突起を
   設けたことを特徴とする合成樹脂管。
2. 【請求項２】 前記突起は、管の外表面に幅寸法が０．
   ３ないし５ｍｍで且つ高さ寸法が２ないし１０ｍｍであ
   ることを特徴とする合成樹脂管。