JPH08176696A - ダイヤモンド分散セラミックス複合焼結体の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド分散セラミックス複合焼結体の製造方法

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JPH08176696A
JPH08176696A JP6339304A JP33930494A JPH08176696A JP H08176696 A JPH08176696 A JP H08176696A JP 6339304 A JP6339304 A JP 6339304A JP 33930494 A JP33930494 A JP 33930494A JP H08176696 A JPH08176696 A JP H08176696A
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metal
sintered body
powder
carbide
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JP6339304A
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English (en)
Inventor
Masami Uzawa
正美 鵜沢
Makoto Kyoda
誠 鏡田
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Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度、硬度、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れた
焼結材料の製造方法を提供する。 【構成】 10〜60体積%のダイヤモンド粒子の分散
相と、残部が周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物
1種以上の硬質基材相からなる焼結体に於いて、該炭化
物が周期律表4a,5a,6a族の金属の粉末1種以上
とダイヤモンド粒子のみからなる混合物を加圧焼成する
ことによって得られる焼結体中に形成されたダイヤモン
ド分散セラミックス複合焼結体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた耐摩耗性と強靱性
を有するセラミックス基複合焼結体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】ダイヤモンドは最高硬度の物質であり、実
用材料としても高耐摩耗性及び高熱伝導性を備えた優れ
た材料ある。工業的にはダイヤモンド粉末をCo等の結
合金属と共にダイヤモンドの安定な存在領域である超高
圧高温下で製造されたダイヤモンド焼結体が使用されて
いる。しかしながらダイヤモンド焼結体はダイヤモンド
固有のすぐれた性質を備えているものの充分な靱性がな
いために、例えば衝撃の加わる用途等での活用は制約さ
れているのが現状である。このような実用材料としての
靱性の改善を行う上で、基材相としてセラミックスを用
い、分散相としてダイヤモンド粒子からなる複合焼結体
が考案された。セラミックスにはダイヤモンドの高硬
度、高熱伝導性を損なわない為にも、製造時に於ける焼
成雰囲気の適性からも炭化物や窒化物が主に選択されて
いる。この様なダイヤモンド分散セラミックス焼結体を
製造する場合、炭化物や窒化物といったセラミックスを
焼結する為には概ね1500℃以上の温度を要するが、
この温度では、常圧近傍の圧力に於けるダイヤモンドが
瞬時に相転移を起こし黒鉛化するので特開昭53−13
9607号等にあるように、ダイヤモンドが高温で安定
に存在できる超高圧、例えば55000kg/cm2
1500℃の条件で焼結体が製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】超高圧でのダイヤモン
ド分散セラミックス焼結体の製造は、ダイヤモンド焼結
体製造と同様、装置上及び生産性の点から実用材料とし
ては高価なものになる。又、このような方法で製造され
た複合焼結体は耐摩耗材料や工具材料として用いた場
合、基材から分散ダイヤモンド粒子の脱落が生じやす
く、材料としてダイヤモンド本来の特性効果を十分発現
するには至っていないのが現状である。この発明は、従
来のダイヤモンド安定領域よりも低い加圧下にて比較的
容易に製造でき、かつその特性効果を最大限に発揮でき
るダイヤモンド分散セラミックス複合焼結体の製造方法
について応えるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題解決の為、本発
明者は鋭意検討を行った結果、ダイヤモンド−金属炭化
物からなる複合焼結体の金属炭化物を、金属粉末とダイ
ヤモンド粒子を原料とし、焼結に至る加圧焼成過程中で
固相反応によって直接形成させることにより、ダイヤモ
ンドの非安定領域と言われているような著しく低い圧力
でもダイヤモンド粒子が金属炭化物中に均一に分散され
た緻密な複合体を製造できることがわかった。
【0005】即ち、この発明は、10〜60体積%のダ
イヤモンド粒子の分散相と残部が周期律表4a,5a,
6a族の金属の炭化物の基材相からなる焼結体に於い
て、該炭化物が、周期律表4a,5a,6a族の金属の
粉末とダイヤモンド粒子のみからなる混合物を加圧焼成
することによって焼結体中に形成されることを特徴とす
るダイヤモンド分散セラミックス複合焼結体の製造方法
である。
【0006】原料としては、最終的な焼結体に於いて、
金属として留まらずその全てが金属炭化物を形成するも
のとして、金属炭化物を40〜90体積%の成分割合で
過不足無く形成可能な量の周期律表4a,5a,6a族
の金属粉末を用いる。この原料金属には容易に炭化を生
じるものが好ましい。その為には、炭化物の標準生成自
由エネルギー(△Gf゜[Kcal/g・mol炭
素])が、常温あるいは焼結時の温度の基で、0以下と
なるものが良く、これらの条件を満たす金属としては周
期律表4a,5a,6a族の遷移金属、即ちTi、Z
r、Hf、Ta、V、W、Cr、Moが該当する。又、
金属炭化物形成の為の炭素源となるダイヤモンド粒子を
金属粉末と炭化物形成に寄与する分の量、これに最終的
な焼結体に於いて炭化物形成に寄与せずにダイヤモンド
粒子として分散相に留まる分が10〜60体積%となる
ような合計量のダイヤモンド粒子を用いる。尚、使用す
る金属粉末の粒径及びダイヤモンド粒子の粒径は、何れ
も概ね0.1〜数十μm程度のもので対応できる。
【0007】具体的な各原料の配合重量としては、金属
粉末量は、(100・Mm・ρc−A・Mm・ρc)・
100/(A・Mc・ρd−A・Mm・ρc−A・ρc
・α・Md+100・ρc・Mm+100・ρc・α・
Md)重量%となり、100からこの金属粉末の値を引
いた値が原料として用いるダイヤモンドの重量%とな
る。ここでMmは用いた金属のモル質量(g/mo
l)、Mdはダイヤモンド粒子のモル質量、Mcは最終
的に形成される金属炭化物のモル質量、ρcは同じ金属
炭化物の理論密度、ρdはダイヤモンドの密度、Aは焼
結体中のダイヤモンド分散相の存在量(体積%)で10
≦A≦60である。又、αは焼結体中に形成された金属
炭化物の分子式MCα(M:金属、C:炭素)で表され
るαであり、0<α≦1である。α値の例として、金属
がTiならその炭化物はTiCとなりこの場合α=1で
ある。又、金属がMoではその金属炭化物の組成式はM
2CとなるがこれはMoC0.5と記載でき、α=0.5
となる。
【0008】前記原料を混合したものを、粉体混合物、
或いは金型成形等によって成形物にし、加圧焼成により
焼結を行う。通常は加圧焼成の前に、真空中若しくは水
素雰囲気中で、およそ600℃以下で仮焼成を行う。仮
焼成の目的は、原料や成形物に含まれる水分や不純物等
を焼結前に分解除去することにあり、仮焼成後の成形物
中には金属とダイヤモンドが原料調整段階と同じ成分割
合で依然未反応の状態で留まっている。
【0009】次いでこの成形物を加圧焼成する。加圧焼
成中に被焼成物は金属炭化物を生成し緻密化が進行す
る。加圧焼成の条件としては、用いた金属と同じ種類の
金属の炭化物のみを焼結する際の温度とほぼ同じかそれ
以下の温度、例えば、1300℃〜1450℃程度で、
概ね1000kg/cm2以上の圧力を加えて、Ar等
の不活性ガス中または真空中、あるいは、被焼成物が外
気と接触できないようなシールドされた状態で行うこと
で対応できる。この加圧焼成は、公知の技術である熱間
等方加圧や超高圧加熱等の手法を用いて行うことができ
る。このような加圧焼成により金属炭化物とダイヤモン
ドを構成成分とする複合焼結体を得ることができる。
【0010】また、この発明に於いては、基材相を構成
する金属炭化物は二種類以上の金属炭化物より成る場合
も適応できる。その焼結体中での存在状態は、複数種の
金属炭化物の混合物からなる場合、一端形成された複数
の金属炭化物が固溶体となったものの場合、或いはその
両者が共存している場合の何れであっても良い。このよ
うな状態の基材相は、焼結体中における含有量が40〜
90体積%であって、前記手法に於いて金属原料として
周期律表4a,5a,6a族から選ばれた2種以上の金
属の粉末を用いることによりダイヤモンド分散セラミッ
クス複合焼結体を製造することができる。
【0011】
【作用】この発明に於けるダイヤモンド粒子原料は、そ
れ自体焼結体中にダイヤモンド粒子として留まるもの
と、金属炭化物形成の為の炭素源となるものの二通りの
作用を示す。前者即ち、焼結体中に分散相として存在す
るダイヤモンド粒子は、固有の特性である最強の硬度に
よって優れた耐摩耗性を発揮し、又、基材となる金属炭
化物結合相中に分散されることによって粒子分散強化に
よる材料としての靱性を飛躍的に向上させる。それ故、
本発明では焼結体中のダイヤモンド粒子の含有量を10
〜60体積%とするのは、10体積%以下の場合にはダ
イヤモンドの絶対量不足から良好な耐摩耗性を得ること
ができないため好ましくない。60体積%以上の場合に
はダイヤモンド相中に金属炭化物相が独立して存在する
傾向が強くなり、金属炭化物が連続して結合した相を形
成しなくなり基材相の結合状態の低下を引き起こすこと
によって、焼結材料としての強度が著しく低下したり、
緻密化の進展が阻害されることも生じる為、好ましくな
い。
【0012】一方後者、即ち、金属の炭化反応に寄与す
るダイヤモンド粉末原料は、このダイヤモンド粉末と金
属粉末が加熱加圧下に於いて、固相反応し、反応生成物
として金属炭化物を形成する。金属炭化物の形成機構は
明確には把握しがたい点があるが、次のように推測され
る。まず、金属炭化物が焼結を開始するよりも低い温度
でダイヤモンドと金属との接触面に金属炭化物核が生
じ、ここを通じてダイヤモンドから金属への拡散が支配
的となって炭化物相領域が金属粒子中心部に向かって拡
大していくものと考えられる。この現象は昇温と共に顕
著になるが、この間も金属は本質的には結晶状態であり
液相になることはない。ダイヤモンドについては金属へ
の拡散が優先的に生じる。従って、ダイヤモンドとして
の安定存在領域から外れる低い圧力下に於いても、この
発明でのダイヤモンドは黒鉛への転移に向かう前に、直
接、金属への拡散種として寄与する。仮に黒鉛への転移
化が生じる場合でも、ダイヤモンドの構造から外れた直
後から安定な変態となる前の過程に於いてその全てが金
属への拡散種となるものと考えられる。
【0013】金属内部で形成されたばかりの金属炭化物
は、表面近傍の炭化物に比較し、より低い炭化状態の金
属炭化物が生じている可能性があるが、加熱の進展と共
にこれら炭化物は最も安定な組成物、例えば分子式Ti
C、ZrC、HfC、VC、NbC、TaC、WC、M
2C等で表されるものに移行する。この炭化反応は全
ての金属が炭化されるまで続くが、本発明では、焼成時
の加圧による作用として反応物質相互間の接触面積の増
大が常に保たれている為、炭化反応は、温度及び/また
は時間的な遅延を殆ど生じることなく速やかに進行し、
概ね焼結開始段階前に終了する。その後の焼成段階に入
ると、形成された金属炭化物が焼結を起こす。この炭化
物焼結に際しても加圧による効果が見られ、第一に、加
圧により外部エネルギーが焼成物に蓄積されることに基
づく焼結の初期駆動力の高揚、第二に、より強固な高緻
密体を形成する上での焼結機構、即ち物質移動として粘
性流動機構が支配的になることによって難焼結性物質を
も緻密化しうる高い緻密化作用をもたらす。このような
緻密化が行われた焼結体は、破壊源となり得る内部空隙
を殆ど含まず、かつ粒成長を抑制することができるので
極めて高い強度の焼結体を得ることができる。
【0014】更に、得られた焼結体は、ダイヤモンドを
炭素源とする金属炭化物相と未反応部分のダイヤモンド
からなるものと考えられる為、従来技術の範疇に入る金
属炭化物粉末とダイヤモンド粉末を原料として焼結体を
製造した場合に見られるようなダイヤモンド粒子が本質
的には反応せずに独立した相として、焼結した金属炭化
物結晶間に、単に周囲から物理的な力で押し挟まれた状
態で存在しているだけではない。即ち、本発明に於ける
全ての基材相はダイヤモンドと金属との反応生成物とし
て存在できるものであり、換言すれば金属と接触してい
たダイヤモンドが部分的に金属炭化物になっているとの
見方もでき、この場合、両者間には明確な粒界が存在す
ることはなく、界面相当部分にはダイヤモンド粒子がそ
の周囲の金属炭化物相と強固な結合力を有した連続的な
構造を持つ可能性が推定される。このため、全体として
ダイヤモンド粒子はより強固に焼結体中に保持されるこ
とになる。
【0015】又、この発明に於いて、2種以上の金属粉
末とダイヤモンド粒子を原料とし、焼結体を製造する場
合でも、焼成体は本質的には金属炭化物とダイヤモンド
からなり、異種金属同志が合金化合物を形成することは
ない。これは、個々の金属がダイヤモンドと炭化反応を
行って金属炭化物を生成する生成エネルギーの方が合金
化合物を生成するエネルギーよりも低い為に、金属炭化
物生成が優先して起こる為である。これらの各炭化物は
加熱の進行と共に固溶体を形成することもあるが、この
場合緻密化過程中に於ける金属炭化物の粒成長をより一
層抑制し、その結果、焼結体強度がさらに向上する。
【0016】
【実施例】この発明を実施例によって、より詳しく説明
する。
【0017】(実施例1) 本発明による試料1とし
て、平均粒径19μmの金属チタン粉末及び平均粒径1
5μmのダイヤモンド粒子を、Tiの全てが炭化され反
応後の焼結体組成がTiCとダイヤモンドがそれぞれ5
0体積%となるように配合した原料、即ち重量比換算で
金属チタン粉末46.61重量%、ダイヤモンド粒子5
3.39重量%を原料として、有機溶媒を用いて湿式混
合する。湿式混合後真空乾燥させた混合粉末を、平板形
状に金型成形し、得られた成形物を600℃の真空中で
仮焼成した後、加圧焼成することにより焼結体を作製し
た。この加圧焼成は、ピストンシリンダー型高温高圧発
生装置を用い、最高温度1300℃、最高圧力1000
0kg/cm2で15分間保持して行った。粉末X線回
折により、この焼結体の結晶相を確認したところ、結晶
相はTiCとダイヤモンドからなり、金属チタンやグラ
ファイトは検出されなかった。また、この焼結体の機械
的性状として3点曲げ強度及びビッカース硬度の測定を
行った。その結果、ビッカース硬度は7000、3点曲
げ強度は120kg/mm2であった。更に、この焼結
体の表面をダイヤモンド砥石を用い、ホイール径200
mm、切り込み5μm、回転数2700回転の条件で加
工した。加工後の表面のダイヤモンド粒子の脱落状況を
観察することにより焼結体組織中でのダイヤモンドの保
持力を調べた。その結果、焼結体の表面に於けるダイヤ
モンド粒子の脱落はほとんど起こっておらず、ダイヤモ
ンド粒子に対する高い保持力を確認した。これらの結果
は表1に示す。また、本発明による試料2〜3として、
前記と同様の金属チタン粉末及びダイヤモンド粒子を用
い、その原料配合割合を変えて表1に示す成分組成の焼
結体を前記と同様の方法で作製した。これらの焼結体に
ついても粉末X線回折により結晶相の確認を行ったが、
結晶相は何れもTiCとダイヤモンドからなり、金属チ
タンやグラファイトは検出されなかった。また、機械的
性状及び焼結体組織のダイヤモンドの保持力も前記と同
様の方法にて調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0018】
【表1】
【0019】(実施例2) 本発明による試料4〜6と
して平均粒径10μmの金属ジルコニウム粉末及び平均
粒径15μmのダイヤモンド粒子を用い、炭化反応後の
焼結体成分割合が表1に示したものとなるように配合を
行った原料を、[実施例1]と同様の方法で焼結体を製
造した。これらの焼結体についても粉末X線回折により
結晶相の確認を行ったが、結晶相は何れもZrCとダイ
ヤモンドからなり金属ジルコニウムやグラファイトは検
出されなかった。また、焼結体組織のダイヤモンドの保
持力も含め、焼結体の機械的性状を(実施例1)と同様
の方法にて調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0020】(実施例3) 本発明による試料7〜9と
して、平均粒径15μmの金属タンタル粉末及び平均粒
径15μmのダイヤモンド粒子を用い、炭化反応後の焼
結体成分割合が表1に示したものとなるように配合を行
った原料を、加圧焼成の最高温度のみ1350℃とし、
他は(実施例1)と同様の方法で焼結体を製造した。こ
れらの焼結体についても粉末X線回折により結晶相の確
認を行ったが、結晶相は何れもTaCとダイヤモンドか
らなり、金属タンタル及びグラファイトは検出されなか
った。また、焼結体組織のダイヤモンド粒子の保持力も
含め、焼結体の機械的性状を(実施例1)と同様の方法
にて調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0021】(実施例4) 本発明による試料10〜1
2として、平均粒径0.7μmの金属タングステン粉末
と平均粒径15μmのダイヤモンド粉末を用い、炭化反
応後の焼結体成分割合が表1に示したものとなるように
配合を行った原料を、加圧焼成の最高温度のみ1500
℃とし、他は(実施例1)と同様の方法で焼結体を製造
した。これらの焼結体についても粉末X線回折により結
晶相の確認を行ったが、結晶相は何れもWCとダイヤモ
ンドからなり、金属タングステンやグラファイトは検出
されなかった。また、焼結体組織のダイヤモンド粒子の
保持力も含め、焼結体の機械的性状を(実施例1)と同
様の方法にて調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0022】(実施例5) 本発明による試料13〜1
5として、平均粒径25μmの金属バナジウム粉末と平
均粒径15μmのダイヤモンド粒子を用い、炭化反応後
の焼結体成分割合が表1に示したものとなるように配合
を行った原料を、加圧焼成の最高温度のみ1400℃と
し、他は(実施例1)と同様の方法で焼結体を製造し
た。これらの焼結体についても粉末X線回折により結晶
相の確認を行ったが結晶相は何れもVCとダイヤモンド
からなり、金属バナジウムやグラファイトは検出されな
かった。また、焼結体組織のダイヤモンド粒子の保持力
も含め、焼結体の機械的性状を(実施例1)と同様の方
法にて調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0023】(実施例6) 本発明による試料16〜1
8として、平均粒径10μmの金属ニオブ粉末と平均粒
径15μmのダイヤモンド粒子を用い、炭化反応後の焼
結体成分割合が表1に示したものとなるように配合を行
った原料を、加圧焼成の最高温度のみ1400℃とし、
他は(実施例1)と同様の方法で焼結体を製造した。こ
れらの焼結体についても粉末X線回折により結晶相の確
認を行ったが、結晶相は何れもVCとダイヤモンドから
なり、金属ニオブやグラファイトは検出されなかった。
また、焼結体組織のダイヤモンド粒子の保持力も含め、
焼結体の機械的性状を(実施例1)と同様の方法にて調
べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0024】(実施例7) 本発明による試料19〜2
1として、平均粒径0.7μmの金属モリブデン粉末と
平均粒径15μmのダイヤモンド粒子を用い、炭化反応
後の焼結体成分割合が表1に示したものとなるように配
合を行った原料を、加圧焼成の最高温度のみ1400℃
とし、他は(実施例1)と同様の方法で焼結体を製造し
た。これらの焼結体についても粉末X線回折により結晶
相の確認を行ったが、結晶相は何れもMo2Cとダイヤ
モンドからなり、金属モリブデンやグラファイトは検出
されなかった。また、焼結体組織のダイヤモンド粒子の
保持力も含め、焼結体の機械的性状を(実施例1)と同
様の方法にて調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0025】(実施例8) 本発明による試料22〜2
4として、平均粒径5.7μmの金属ハフニウム粉末と
平均粒径15μmのダイヤモンド粒子を用い、炭化反応
後の焼結体成分割合が表1に示したものとなるように配
合を行った原料を、加圧焼成の最高温度のみ1350℃
とし、他は(実施例1)と同様の方法で焼結体を製造し
た。これらの焼結体についても粉末X線回折により結晶
相の確認を行ったが、結晶相は何れもHfCとダイヤモ
ンドからなり、金属ハフニウムやグラファイトは検出さ
れなかった。また、焼結体組織のダイヤモンド粒子の保
持力も含め、焼結体の機械的性状を(実施例1)と同様
の方法にて調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0026】(実施例9) 本発明による試料25〜2
7として、平均粒径1.8μmの金属クロム粉末と平均
粒径15μmのダイヤモンド粒子を用い、炭化反応後の
焼結体成分割合が表1に示したものとなるよう配合を行
った原料を、加圧焼成の最高温度のみ1350℃とし、
他は(実施例1)と同様の方法で焼結体を製造した。こ
れらの焼結体についても粉末X線回折により結晶相の確
認を行ったが、結晶相は何れもCr32とダイヤモンド
からなり、金属クロムやグラファイトは検出されなかっ
た。また、焼結体組織のダイヤモンド粒子の保持力も含
め、焼結体の機械的性状を(実施例1)と同様の方法に
て調べた。その結果も表1に合わせて記す。
【0027】(実施例10) 本発明による試料28〜
30として、平均粒径19μmの金属チタン粉末及び平
均粒径15μmのダイヤモンド粒子を用い、Tiの全て
が炭化された反応後の焼結体成分割合がTiCとダイヤ
モンドがそれぞれ50体積%になるように配合を行っ
て、加圧焼成の最高圧力を50000kg/cm2、5
000kg/cm2、及び1000kg/cm2とし、5
0000kg/cm2と5000kg/cm2の場合は
(実施例1)と同様の方法でそれぞれ焼結体を製造し
た。又、1000kg/cm2の場合は、所定の配合を
行った原料混合物から(実施例1)と同様に仮焼成した
成形物を作製し、この仮焼成後の成形物をパイレックス
(商品名)ガラス容器中に入れ、容器内部を真空脱気を
行って密封する。密封した容器を熱間等方加圧(HI
P)装置内に設置し、アルゴンガスを圧力媒体とし、約
900℃迄は数気圧程度以下に保ち、それ以上の温度か
ら実質的な加圧を行って最高圧力1000kg/c
2、最高温度1300℃で60分保持することにより
焼結体を製造した。これらの焼結体についても粉末X線
回折により結晶相の確認を行ったが、結晶相は何れもT
iCとダイヤモンドからなり、金属チタンやグラファイ
トは検出されなかった。また、焼結体組織のダイヤモン
ド粒子の保持力も含め、焼結体の機械的性状を(実施例
1)と同様の方法にて調べた。その結果も表1に合わせ
て記す。
【0028】また、この発明の範囲から外れる場合とし
て次に比較例1を示す。 (比較例1) この発明の範囲から外れる例の参考試料
1として、平均粒径19μmの金属チタン及び平均粒径
15μmのダイヤモンド粒子を用い、反応後の焼結体組
成が炭化チタン10体積%とダイヤモンド90体積%を
含有したものとなるように配合を行って、有機溶媒中で
湿式混合する。湿式混合後真空乾燥させた混合粉末を平
板形状に金型成形し、得られた成形物を600℃の真空
中で仮焼成する。次いで、仮焼成後の成形物を加圧焼成
する。この加圧焼成はピストンシリンダー型高温高圧発
生装置を用い、最高温度1300℃、最高圧力1000
0kg/cm2で15分間保持して行った。得られた焼
成体は殆ど緻密化せず、又この焼成体の結晶相を粉末X
線回折により調べたが、結晶相としてはTiCとダイヤ
モンドに加えてグラファイト相も見られた。また、この
発明の範囲から外れる例の参考試料2として、平均粒径
15μmのダイヤモンド粒子50体積%と平均粒径1.
5μmの炭化チタン粉末(TiC)50体積%用い、こ
の原料配合物を有機溶媒中で湿式混合する。湿式混合後
真空乾燥させた混合粉末を平板形状に金型成形し、得ら
れた成形物を600℃の真空中で仮焼成する。次いで、
仮焼成後の成形物を加圧焼成する。この加圧焼成はピス
トンシリンダー型高温高圧発生装置を用い、最高温度1
300℃、最高圧力10000kg/cm2で15分間
保持して行った。得られた焼結体の結晶相を粉末X線回
折により調べたが、結晶相としてはTiCとダイヤモン
ドに加えてグラファイト相が存在した。また、焼結体組
織のダイヤモンド粒子の保持力も(実施例1)と同様に
調べたが、かなりのダイヤモンド粒子の脱落が生じた。
更に、この発明の範囲から外れる例の参考試料3とし
て、粒径19μmの金属チタン及び粒径15μmのダイ
ヤモンド粒子を用い、焼成条件以外の方法は(実施例
1)の試料1と同様の原料配合及び作製手順で行った。
焼成条件は、加圧焼成を行わず、真空中で最高温度13
00℃で60分常圧焼成した。得られた焼成物は緻密化
しなかった。この焼成物を粉末X線回折により調べた
が、結晶相としてはTiC、大量のグラファイト及び少
量ダイヤモンドが存在した。
【0029】(実施例11) 次に、本発明による試料
30〜31として、平均粒径19μmの金属チタン粉
末、平均粒径15μmの金属タンタル粉末及び平均粒径
15μmのダイヤモンド粒子を用い、焼結体成分割合が
表2に示したものとなるよう配合し、この配合した原料
を有機溶媒中でそれぞれ湿式混合する。湿式混合後真空
乾燥させた混合粉末を平板形状に金型成形し、得られた
各成形物を600℃の真空中で仮焼成した後、加圧焼成
することにより焼結体を製造した。この加圧焼成は何れ
もピストンシリンダー型高温高圧発生装置を用い、最高
温度1300℃、最高圧力10000kg/cm2で1
5分間保持して行った。これらの焼結体について粉末X
線回折により結晶相の確認を行ったが、何れの例でも結
晶相はTiC、TaC及びダイヤモンドからなり、金属
チタン、金属タンタル、チタンとタンタルとの合金、チ
タンとタンタルと炭素からなる化合物、及びグラファイ
トは検出されなかった。また、焼結体組織のダイヤモン
ド粒子の保持力も含め、焼結体の機械的性状を(実施例
1)と同様の方法で調べた。その結果を表2に合わせて
記す。
【0030】
【表2】
【0031】(実施例12) 本発明による試料32〜
39として、平均粒径19μmの金属チタン粉末、平均
粒径10μmの金属ジルコニウム粉末、平均粒径0.7
μmの金属タングステン粉末、平均粒径15μmの金属
タンタル粉末、平均粒径25μmの金属バナジウム粉
末、平均粒径10μmの金属ニオブ粉末、平均粒径0.
7μmの金属モリブデン粉末、平均粒径5.7μmの金
属ハフニウム粉末及び平均粒径1.8μmの金属クロム
粉末の何れか2種と平均粒径15μmのダイヤモンド粒
子を用い、焼結体成分割合が表2に示したものとなるよ
う配合を行った原料を加圧焼成の最高温度を表2に示す
値とし、他は(実施例1)と同様の方法でそれぞれ焼結
体を製造した。これらの焼結体についても粉末X線回折
により結晶相の確認を行った。結晶相は何れも金属炭化
物及び/又は金属炭化物固溶体と、ダイヤモンドからな
り、金属単体や合金、グラファイトは検出されなかっ
た。また、ここで製造した焼結体の機械的性状及び組織
中でのダイヤモンドの保持力も(実施例1)と同様の方
法にて調べた。その結果も表2に合わせて記す。尚、参
考のため、この発明の範囲から外れる場合として次に比
較例2を示す。
【0032】(比較例2) 本発明の範囲から外れる例
の参考試料4〜5として、平均粒径19μmの金属チタ
ン粉末、平均粒径10μmの金属ジルコニウムと平均粒
径15μmのダイヤモンド粒子を用い、表2に示す本発
明の範囲から外れた焼結体成分割合を持つように配合を
行って、(実施例1)と同様の方法でそれぞれ焼結体を
製造した。これらの焼結体についても粉末X線回折によ
り結晶相の確認を行った。その結果、参考試料4ではダ
イヤモンドと金属炭化物相の他に、少量のグラファイト
相が見られた。又、これらの参考試料についても焼結体
の機械的性状及び組織中でのダイヤモンドの保持力を
(実施例1)と同様の方法で調べた。その結果は表2に
示す。
【0033】
【発明の効果】この発明による方法によれば、ダイヤモ
ンドの安定領域といった超高圧よりもはるかに低い圧力
でもダイヤモンド分散セラミックス複合焼結体を製造す
ることが可能となる為、製造装置上の制約が緩和できる
と共により安価な実用部材を製造できる可能性が高い。
更に、この方法で製造された焼結体は構成成分に基因し
た優れた耐摩耗性や耐酸化を中心とする化学的安定性、
及びその組織構造に基因した高靱性、高強度に加えて、
生成過程に基因する強固な分散粒子保持力を有するの
で、特に耐衝撃性も要求される耐摩耗部材、或いは金属
被削材を主な対象とする切削工具部材等に活用できる。
また、この方法は、一般に同様な超高圧加熱が必要とさ
れる他の分散種を用いたセラミックス基複合焼結体の製
造にも適用できる可能性がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 26/00 A 29/06 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10〜60体積%のダイヤモンド粒子の
    分散相と残部が周期律表4a,5a,6a族の金属の炭
    化物の基材相からなる焼結体であって、該炭化物が、周
    期律表4a,5a,6a族の金属の粉末とダイヤモンド
    粒子のみからなる混合物を加圧焼成することによって焼
    結体中に形成されることを特徴とするダイヤモンド分散
    セラミックス複合焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属の粉末が周期律表4a,5a,
    6a族から選択された2種以上の金属からなることを特
    徴とする請求項1記載のダイヤモンド分散セラミックス
    複合焼結体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001032947A1 (fr) 1999-10-29 2001-05-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Matiere composite contenant des particules ultra-dures
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