JPH08173527A - 血液浄化器用ケーシング - Google Patents

血液浄化器用ケーシング

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JPH08173527A
JPH08173527A JP32336194A JP32336194A JPH08173527A JP H08173527 A JPH08173527 A JP H08173527A JP 32336194 A JP32336194 A JP 32336194A JP 32336194 A JP32336194 A JP 32336194A JP H08173527 A JPH08173527 A JP H08173527A
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wall
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central
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Kazuya Sakamoto
和也 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、透析液の滞留防止、クリ
アランス向上、信頼性向上を企図する血液浄化器用ケー
シングを提供することにある。 【構成】 この発明の血液浄化用ケーシングは、ケーシ
ング中央部とケーシング端部との間に存する移行部の内
壁の傾斜角を、液導出入口からその反対側へと移るにつ
れて増加させ、あるいは減少させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は血液浄化器用ケーシン
グに関し、更に詳しくは、血液の滞留がなく、クリアラ
ンスが向上し、信頼性の向上した血液浄化器用ケーシン
グを提供することにある。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、血
液浄化器用ケーシングとして、図8に示すようなケーシ
ングが知られていた。図8は、血液浄化器用ケーシング
の内壁面のみを示した図である。血液浄化器用ケーシン
グ1は、ケーシング中央部2と、前記ケーシング中央部
2の中心軸線aに直交する前記ケーシング中央部2の内
部断面積bよりも大きな内部断面積cを有し、かつ液導
出入孔3を備えたケーシング端部4と、前記ケーシング
端部4からケーシング中央部2に移行する移行部5とを
有する。
【0003】この血液浄化器用ケーシング1において
は、図9に示すように、前記移行部5の内壁がなすテー
パ面6の傾斜角θ、すなわち前記移行部5の内壁を通っ
て前記中心軸線aと交差する外挿線dと、前記ケーシン
グ中央部2の中心軸線aを含む面とケーシング中央部2
の内壁との交差により形成される直線eとのなす角θ
は、移行部5の内周全体に亙って実質的に一定である。
【0004】この血液浄化器用ケーシング1は、血液浄
化器のケーシングとして使用される。
【0005】図10は、このような血液浄化器用ケーシ
ングを備えてなる血液浄化器の一例を示した図である。
血液浄化器7は、血液浄化器用ケーシング1と、血液浄
化器用ケーシング1内に収容され、血液浄化器用ケーシ
ング1の両端の開口部8において樹脂9で固定され、か
つ前記樹脂9により形成される端面10に開口端を有す
る中空糸膜11と、前記開口部8に装着され、中央部に
血液導出入口12を有する蓋部材16とを有してなる。
【0006】この血液浄化器による血液の処理は以下の
ように行なわれる。すなわち、一方の、すなわち図10
では図示されていないほうの血液導出入口から血液が導
入されると、導入された血液は中空糸膜11の中空部内
を流れて、反対側のもう一方の血液導出入口12から導
出される。この間、前記中空糸膜11の外側には、前記
液導出入孔3から導入された透析液が血液とは逆方向に
流れ、中空糸膜11の壁を通して透析が行なわれる。
【0007】このような従来の血液浄化器用ケーシング
を備えた血液浄化器においては、前記液導出入孔3から
導入された透析液は、前記ケーシング端部3の内壁と、
前記中空糸膜11の集合体である中空糸束の外周との間
に形成される間隙を流れ、中空糸束の外周から中空糸束
の内部方向へと徐々に流入する。そして、最終的にはケ
ーシングの他端方向へと流れる。
【0008】このような血液浄化器においては、前記液
導出入孔3から離れるにつれて中空糸束の外周における
透析液の流速が低下し、前記液導出入孔3から離れた部
分で透析液が滞留するという問題があった。この滞留に
より、液導出入孔3から離れた部分の中空糸膜がその性
能を十分に発揮できず、また血液浄化器のクリアランス
性能のばらつきの原因となるという問題があった。
【0009】また、一方、液導出入孔3に近い部分にお
いては流れが速く、中空糸膜が流れの影響を直接受けて
振動し、これにより中空糸膜の強度の劣化が早くなり、
最終的には中空糸膜が破れたり切れたりするなど信頼性
が低いという問題もあった。
【0010】この発明は、かかる事情に基づいてなされ
た。すなわち、この発明の目的は、前記課題を解決する
ことにある。この発明の目的は、透析液の滞留を防止す
ることができ、クリアランスの向上、信頼性の向上を達
成することのできる血液浄化器用ケーシングを提供する
ことにある。
【0011】
【前記課題を解決するための手段】上記課題を解決する
ために本発明者らが鋭意検討した結果、特定の内壁面形
状を有する血液浄化器用ケーシングを採用することによ
って、透析液の滞留を防止することができ、クリアラン
スの向上、信頼性の向上を達成することができることを
見出してこの発明を完成した。
【0012】すなわち、前記課題を解決するためのこの
発明の第1の態様は、ケーシング中央部と、前記ケーシ
ング中央部の中心軸線に直交する内部断面積よりも大き
な内部断面積を有し、かつ液導入孔を備えたケーシング
端部と、前記ケーシング端部からケーシング中央部に移
行する移行部とを有する血液浄化器用ケーシングにおい
て、前記ケーシングの中心軸線に対する移行部内壁の傾
斜角が、前記ケーシング中央部の軸線と液導入孔の中心
軸線とで区画される仮想面を前記ケーシング中央部の軸
線を軸にして180度回転させるにつれて、連続的に増
加しまたは減少するように、前記移行部の内壁が形成さ
れてなることを特徴とする血液浄化器用ケーシングであ
り、第2の態様は、前記第1の態様において、前記傾斜
角の最大値が45〜75°の範囲内にあり、前記傾斜角
の最小値が10〜35°の範囲内にある血液浄化器用ケ
ーシングであり、第3の態様は、前記第2の態様におい
て、液導入孔とは反対側の移行部内壁の傾斜角が前記最
大値を有する血液浄化器用ケーシングであり、第4の態
様は、前記第2の態様において、液導入孔とは反対側の
移行部内壁の傾斜角が前記最小値を有する血液浄化器用
ケーシングであり、第5の態様は、ケーシング中央部
と、前記ケーシング中央部の軸線に直交する内部断面積
よりも大きな内部断面積を有し、かつ液導入孔を備えた
ケーシング端部と、前記ケーシング端部からケーシング
中央部に移行する移行部とを有する血液浄化器用ケーシ
ングにおいて、前記ケーシング中央部から移行部へ移行
する起点と前記ケーシング端部から移行部へ移行する起
点との中心軸線方向に沿う長さが、前記ケーシング中央
部の軸線と液導入孔の中心軸線とで区画される仮想面を
ケーシング中央部の軸線を軸にして180度回転させる
につれて、連続的に増加しまたは減少するように、前記
移行部の内壁が形成されてなることを特徴とする血液浄
化器用ケーシングである。
【0013】
【作用】この発明の血液浄化器用ケーシングの作用を説
明する。
【0014】この発明の血液浄化器用ケーシングは、血
液浄化器のケーシングとして使用される。すなわち、内
部に中空糸膜を装填され、血液導出入口を有する蓋部材
を両端に装着されて使用される。
【0015】ケーシング端部の液導入口から透析液等が
導入される。導入された液は、前記ケーシング端部また
は移行部の内壁と、前記中空糸膜の集合体である中空糸
束の外周との間に形成される間隙を流れると共に、前記
中空糸束の外周から中空糸束の内部方向へと徐々に流入
する。
【0016】このとき、前記間隙を流れる液の実質的な
流量は、前記液導入口付近で最大であり、液導入口から
離れるに従って次第に減少する。
【0017】この発明の構成によると、前記ケーシング
端部または移行部の内壁と、前記中空糸膜の集合体であ
る中空糸束の外周との間に形成される間隙が、前記液導
入口から離れるに従って次第に狭くなってことにより導
入された透析液等の流量減少による流速低下が防止さ
れ、滞留の発生が防止される。
【0018】
【実施例】以下、この発明について実施例を用いて詳細
に説明する。
【0019】(実施例1)図1は、この発明の一実施例
である血液洗浄器用ケーシングの血液導入側の端部付近
を示す断面図である。
【0020】この血液洗浄器用ケーシング1Aは、ケー
シング中央部2と、ケーシング端部4と、前記ケーシン
グ端部4からケーシング中央部2に移行する移行部5と
を有する。前記ケーシング中央部2と前記ケーシング端
部4は、その中心軸線aを互いに共有する。前記中心軸
線aに直交する内部断面積は、ケーシング中央部2より
も前記ケーシング端部4の方が大きく、前記移行部5の
内壁は傾斜面に形成されている。
【0021】ここで、前記ケーシング中央部2の中心軸
線aと液導入孔3の中心軸線fとで区画される面を想定
し、これを仮想面と称する。この仮想面は、前記移行部
5の内壁13との交差により直線gおよび直線hを形成
する。この実施例においては、図1において、前記ケー
シング中央部2の内壁と前記中心軸線aとは平行であ
り、このような直線g,hと前記中心軸線aとのなす角
を、前記移行部内壁13の傾斜角θとする。
【0022】この仮想面を、前記ケーシング中央部2の
中心軸線aと液導入孔3の中心軸線fとを有する平面を
回転開始面として、前記中心軸線aを軸にして180度
回転させると、この平面と交差する前記移行部5の内壁
13の部分も前記中心軸線aを軸にして回転する。この
平面により特定される移行部5の内壁13の傾斜角θ
は、前記回転にしたがって、連続的に増加する。
【0023】この実施例においては、前記仮想面が前記
液導入孔3の中心軸線fを含む平面であるとき、移動部
内壁13の傾斜角は最大値および最小値をとる。すなわ
ち、前記移行部内壁13の前記液導入孔3に最も近い部
分における傾斜角が最小であり、移動部内壁13の前記
液導入孔3から最も離れた部分における傾斜角が最大で
ある。
【0024】一般に、この発明における傾斜角の最大値
は30〜90°の範囲内であることが好ましく、特に4
5〜75°の範囲内であることが好ましい。傾斜角の最
小値は5〜45°の範囲内であることが好ましく、特に
10〜35°の範囲内であることが好ましい。
【0025】また、最大値/最小値の比は、1.5〜4
の範囲内であることが好ましく、特に2〜3の範囲内で
あることが好ましい。
【0026】この実施例における移行部5の内壁13の
形状を、図2および図3を参照して説明する。図2は、
前記血液洗浄器用ケーシング1Aを端部開口部の方向か
ら見た図であり、液導入孔3を上方に向け、前記中心軸
線aは紙面の表裏方向に伸びている。
【0027】前記中心軸線aを含む面を中心軸線aを境
界として2分割して考えると、例えば、前記ケーシング
中央部2の中心軸線aと液導入孔3の中心軸線fとを含
む面は、図2に示すように面と面とに分割される。
そして、面による前記血液洗浄器用ケーシング1Aの
内周面の断面は、図3のに示す形状である。図3にお
いて、左側の直線部はケーシング端部3の内壁面を示
し、右側の直線部はケーシング中央部2の内壁面を示
す。一方、面による前記血液洗浄器用ケーシング1A
の内周面の断面は、図3のに示す形状である。同様
に、図2における面、面および面による前記血液
洗浄器用ケーシング1Aの内周面の断面は、それぞれ図
3の、およびに示す形状である。
【0028】図2において、前記中心軸線aに端部を有
する仮想的な半平面を中心軸線aを軸にしてからの
方向に回転させると、傾斜角は図3に示すように連続的
に増大する。
【0029】この実施例の血液洗浄器用ケーシング1A
において、ケーシング端部3から移行部4へ移行する起
点Aは、中心軸線aと直交する同一平面上に存在する。
一方、ケーシング中央部2から移行部4へ移行する起点
Bは、中心軸線aと直交する一つの平面上には存在せ
ず、前記中心軸線aに端部を有する半平面を中心軸線a
を軸に図2におけるからの方向に回転させるに従っ
て、前記起点Aと近い位置になる。すなわち、起点Aと
起点Bとの距離Hは減少する。
【0030】この実施例における血液洗浄器用ケーシン
グ1Aの内壁面には、図4に示すように、液導入孔3の
内側開口部に対向して遮蔽板15が設けられている。こ
のような遮蔽板を設けると、血液洗浄器用ケーシングの
移行部内壁の形状による滞留防止効果との相乗効果によ
り、さらに透析液の滞留の防止効果に優れる。かかる遮
蔽板としては、中空糸膜に透析液が直接あたるのを防止
することができる限り、その形状、大きさ等に制限はな
い。
【0031】(実施例2)図5は、この発明の他の実施
例である血液洗浄器用ケーシング1Bの、中心軸線を含
む面による断面図である。この発明における血液洗浄器
用ケーシングの移行部内壁面の形状としては、このよう
な形状であっても良い。この血液洗浄器用ケーシング1
Bは、実施例1に示した血液洗浄器用ケーシング1Aと
同様に、ケーシング中央部2と、前記ケーシング中央部
2の軸線に直交する内部断面積よりも大きな内部断面積
を有し、かつ液導入孔3を備えたケーシング端部4と、
前記ケーシング端部4からケーシング中央部2に移行す
る移行部5とを有する。
【0032】そして、前記ケーシング端部4から移行部
5へ移行する起点Aと、前記ケーシング中央部2から移
行部5へ移行する起点Bとの中心軸線方向に沿う長さH
は、前記ケーシング中央部の中心軸線aと液導入孔3の
中心軸線とを含む面を前記ケーシング中央部の軸線を軸
にして、液導入口の中心線およびケーシング中央部2の
中心軸線とで区画される面を回転開始面として180度
回転させるにつれて、連続的に減少するようになってい
る。
【0033】なお、この実施例2に対する変形例とし
て、前記ケーシング中央部2から移行部5へ移行する起
点Bとの中心軸線方向に沿う長さHは、前記ケーシング
中央部の中心軸線aと液導入孔3の中心軸線とを含む面
を前記ケーシング中央部の軸線を軸にして、液導入口の
中心線およびケーシング中央部2の中心軸線とで区画さ
れる面を回転開始面として180度回転させるにつれ
て、連続的に増加するようにしても良い。この場合、い
ずれの起点Aも中心軸線aと直交する同一平面上に存在
するようにしておくのが望ましい。
【0034】(実施例3)図6は、この発明の更に他の
実施例である血液洗浄器用ケーシング1Cの血液導入側
の端部付近を示す断面図である。
【0035】この血液洗浄器用ケーシング1Cも、実施
例1に示した血液洗浄器用ケーシング1Aと同様に、ケ
ーシング中央部2と、前記ケーシング中央部2の軸線に
直交する内部断面積よりも大きな内部断面積を有し、か
つ液導入孔3を備えたケーシング端部4と、前記ケーシ
ング端部4からケーシング中央部2に移行する移行部5
とを有する。
【0036】ケーシング中央部2の中心軸線と液導入孔
3の中心軸線とで区画される仮想面を、中心軸線aを軸
にして、液導入孔3の中心軸線を含む面を回転開始面と
して、180度回転させると、これに伴って、移行部5
の内壁13の傾斜角が、連続的に増加し、あるいは連続
的に減少する点についても実施例1におけるのと同様で
ある。
【0037】この実施例においては、前記仮想面が前記
液導入孔3の中心軸線fを含む状態にあるとき、前記移
行部5の内壁13の前記液導入孔3に最も近い部分にお
いて、傾斜角は最大であり、逆に前記移動部内壁13の
前記液導入孔3から最も離れた部分において、傾斜角は
最小である。
【0038】この実施例における移行部5の内壁13の
形状を、図2および図7を参照して説明する。実施例1
におけるのと同様に、この血液洗浄器用ケーシング1C
を端部の開口部の方向から見ると、図2にようになる。
【0039】実施例1におけるのと同様に、前記中心軸
線aを含む面を中心軸線aを境界として2分割して考え
る。そして、前記中心軸線aに端部を有する半平面を中
心軸線aを軸にして図2におけるからの方向に回転
させると、傾斜角は連続的に減少する。
【0040】図7に示すように、この実施例において
は、ケーシング端部3から移行部4へ移行する起点Aの
位置は一定ではないが、ケーシング中央部2から移行部
4へ移行する起点Bの位置は一定である。すなわち、い
ずれの起点Bも中心軸線aと直交する同一平面上に存在
する。
【0041】前記起点Aは、前記中心軸線aに端部を有
する半平面を中心軸線aを軸に図2におけるからの
方向に回転させるに従って、前記起点Bと離れた位置に
なる。すなわち、起点Aと起点Bとの距離Hは増大す
る。
【0042】この発明において、液導入孔とは反対側の
移行部内壁において、その傾斜角が最小値を有する場合
には、ケーシング中央部から移行部へ移行する起点が中
心軸線と直交する同一平面上に存在することが好まし
い。
【0043】(使用方法等)この発明の血液洗浄器用ケ
ーシングは、従来の血液洗浄器用ケーシングと同様に血
液浄化器のケーシングとして用いられる。すなわち、図
10に示すように内部には複数の中空糸膜が装填され、
両端には血液導出入口を有する蓋部材が装着される。こ
の血液洗浄器用ケーシングを備えた血液洗浄器は、従来
の血液洗浄器と同様な条件で使用することができる。
【0044】内部に装填する中空糸膜の種類は、特に制
限はなく、再生セルロース膜等の従来それ自体公知であ
る中空糸膜を適宜に選択して使用することができる。こ
の発明の血液洗浄器用ケーシングは、血液透析器に特に
好適に使用することができるが、これに制限されること
なく、装填する中空糸膜の種類を選択することにより、
血液中のガス交換等にも好適に適用することができる。
【0045】(評価試験)この発明の血液洗浄器用ケー
シングの性能を評価するために、液導入孔近傍における
傾斜角が最小であり、液挿入孔とは反対側の移行部内壁
の傾斜角が最大である前記実施例1に示したタイプの血
液洗浄器用ケーシングと(試験例1〜5)、液導入孔近
傍における傾斜角が最大であり、液導入孔とは反対側の
移行部内壁の傾斜角が最小である前記実施例3に示した
タイプの血液浄化器用ケーシング(試験例6,7)と、
移行部の内周面全体に亙って傾斜角が一定である従来の
血液浄化器用ケーシング(試験例8〜10)とを用いて
評価試験を行った。
【0046】上記の血液洗浄器用ケーシングは、いずれ
も長さ280mm、内径31mmであり、内部に再生セ
ルロース膜製の中空糸膜をそれぞれ7200本装填し
た。このようにして作製した血液透析器を用いて、クレ
アチニンクリアランスを測定した。
【0047】クリアランスの測定は、ダイアライザー性
能評価基準(日本人工臓器学会、昭和57年9月)のク
リアランス(ダイアリザンス)測定法、シングルパス方
式に従って行った。
【0048】試験例1〜7における傾斜角の最大値およ
び最小値は以下の通りである。なお、最大値および最小
値は、先ず液導入孔近傍における最大値または最小値を
示し、次いで液導入孔とは反対側における最大値または
最小値を示す順で示した。
【0049】 試験例1;最小値15° 最大値45° 試験例2;最小値30° 最大値60° 試験例3;最小値45° 最大値75° 試験例4;最小値15° 最大値60° 試験例5;最小値30° 最大値75° 試験例6;最大値45° 最小値15° 試験例7;最大値60° 最小値30° また、試験例8〜10における傾斜角は以下の通りであ
る。. 試験例8;30° 試験例9;45° 試験例10;6
0° この評価試験の結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】この発明によると、液の滞留を防止する
ことができ、特にケーシング端部または移行部の内壁
と、前記中空糸膜の集合体である中空糸束の外周との間
に形成される間隙における液の滞留を効果的に防止する
ことができる血液浄化器用ケーシングを提供することが
できる。
【0052】この発明によると、血液透析器のケーシン
グとして使用することにより極めてクリアランス性能に
優れた透析が可能となる血液浄化器用ケーシングを提供
することができる。
【0053】この発明によると、中空糸膜の振動を押さ
え、耐久性に優れた血液浄化器を作製することができる
血液浄化器用ケーシングを提供することができる。
【0054】また、この発明によると、透析液等の液の
滞留が防止されることから、中空糸膜を粗の状態に充填
する必要がなく、従来より多くの中空糸膜を密に充填す
ることができる。これによって、より効率的な血液洗浄
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例である血液洗浄器
用ケーシングを示す概略断面図である。
【図2】図2は、血液洗浄器用ケーシングの内面形状を
説明するための説明図である。
【図3】図3は、この発明の一実施例である血液洗浄器
用ケーシングの内面形状を説明するための説明図であ
る。
【図4】図4は、実施例1における遮蔽部材を示す概略
図である。
【図5】図5は、この発明の他の実施例である血液洗浄
器用ケーシングを示す概略断面図である。
【図6】図6は、この発明の他の実施例である血液洗浄
器用ケーシングを示す概略断面図である。
【図7】図7は、この発明の一実施例である血液洗浄器
用ケーシングの内面形状を説明するための説明図であ
る。
【図8】図8は、従来の血液浄化器用ケーシングの内壁
面のみを示す説明図である。
【図9】図9は、従来の血液浄化器用ケーシングの血液
導入側の端部付近を示す概略断面図である。
【図10】図10は、従来の血液浄化器用ケーシングを
備えた血液浄化器の一例を示す概略説明図である。
【符合の説明】
1・・・血液洗浄器用ケーシング、2・・・ケーシング
中央部、3・・・液導入孔、4・・・ケーシング端部、
5・・・移行部、7・・・血液洗浄器、8・・・開口
部、9・・・樹脂、10・・・開口端面、11・・・中
空糸膜、12・・・血液導出入口、13・・・移行部内
壁、14・・・ケーシング中央部内壁、15・・・遮蔽
部材、16・・・蓋部材、a・・・ケーシング中央部の
中心軸線、f・・・液導入孔の中心軸線。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング中央部と、前記ケーシング中
    央部の中心軸線に直交する内部断面積よりも大きな内部
    断面積を有し、かつ液導入孔を備えたケーシング端部
    と、前記ケーシング端部からケーシング中央部に移行す
    る移行部とを有する血液浄化器用ケーシングにおいて、 前記ケーシングの中心軸線に対する移行部内壁の傾斜角
    が、前記ケーシング中央部の軸線と液導入孔の中心軸線
    とで区画される仮想面を前記ケーシング中央部の軸線を
    軸にして180度回転させるにつれて、連続的に増加し
    または減少するように、前記移行部の内壁が形成されて
    なることを特徴とする血液浄化器用ケーシング。
  2. 【請求項2】 前記傾斜角の最大値が45〜75°の範
    囲内にあり、前記傾斜角の最小値が10〜35°の範囲
    内にある前記請求項1に記載の血液浄化器用ケーシン
    グ。
  3. 【請求項3】 液導入孔とは反対側の移行部内壁の傾斜
    角が前記最大値を有する前記請求項2に記載の血液浄化
    器用ケーシング。
  4. 【請求項4】 液導入孔とは反対側の移行部内壁の傾斜
    角が前記最小値を有する前記請求項2に記載の血液浄化
    器用ケーシング。
  5. 【請求項5】 ケーシング中央部と、前記ケーシング中
    央部の軸線に直交する内部断面積よりも大きな内部断面
    積を有し、かつ液導入孔を備えたケーシング端部と、前
    記ケーシング端部からケーシング中央部に移行する移行
    部とを有する血液浄化器用ケーシングにおいて、 前記ケーシング中央部から移行部へ移行する起点と前記
    ケーシング端部から移行部へ移行する起点との中心軸線
    方向に沿う長さが、前記ケーシング中央部の軸線と液導
    入孔の中心軸線とで区画される仮想面をケーシング中央
    部の軸線を軸にして180度回転させるにつれて、連続
    的に増加しまたは減少するように、前記移行部の内壁が
    形成されてなることを特徴とする血液浄化器用ケーシン
    グ。
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JP2016193178A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 東レ株式会社 浄化カラム

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