JP4186113B2 - 中空糸膜型人工肺 - Google Patents

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Description

本発明は、中空糸膜を用いてガス交換を行う中空糸膜型人工肺に関し、特に、中空糸束体中に形成される液体流路の形状、およびその液体流路の形状に適した作動条件の設定に関する。
中空糸膜に対し血液を垂直に流す事が可能な人工肺は、血液側境膜抵抗の有効破壊により、効率の良いガス交換、および低い圧力損失を実現でき、基本性能面では高効率であることが知られている。従来の中空糸型ガス交換部およびその製造方法について、図9を参照して以下に説明する。
図9に示す中空糸型ガス交換部においては、多数の中空糸膜1を直方体形状に一方向に揃えて配列して、中空糸束体が構成されている。なお図示の便宜上、各中空糸膜1の径は、実際の寸法より大きく誇張して記載されている。各中空糸膜1の両端1aが位置する端部には、ポッティング材2a、2bが充填され、各中空糸膜1が相互に移動しないように固定されている。また中空糸束体の両側部には、ポッティング材2c〜2dが充填されている。図10にその平面図を示し、図10におけるB−B断面を図11に示す。
中空糸膜1の両端は、ポッティング材2aおよび2bが充填された面において開口しており、酸素ガスの導入が可能となっている。中空糸膜1に直交するように、ポッティング材2a〜2dにより上下方向に形成された内腔が、方形断面の液体流路4を形成している。
この液体流路4を通して、中空糸膜に垂直に血液を流すことが可能である。
このような中空糸型ガス交換部を有する中空糸膜型人工肺を、図12に示す。中空糸束体はハウジング5内に配置されている。ハウジング5に設けられたガス導入口6から導入された酸素ガスは、中空糸束体の各中空糸膜1の内部を通過して、ガス導出口7から導出される。血液導入口8から導入された血液は、中空糸束体の各中空糸膜1に対して垂直に流れて、血液導出口9から導出される。そしてガスが中空糸束体の内部を通過し、血液が中空糸外側を流れることによってガス交換が行われる(例えば、特許文献1および2参照)。
特開平11−47565号公報 特公平6−96098号公報
上記従来例の構成の中空糸膜型人工肺においては、ポッティング材2a〜2dにより中空糸束体を区切って形成される液体流路が方形断面を有する。そのため、血液の流動状態が不均一であり、特に四隅に血液の滞留部を生じ易い。そのため、中空糸膜の効率を最大限に生かしたガス交換が行われ難く、また血栓の形成を生じやすい、という欠点がある。
また、従来の液体流路が方形断面を有する中空糸型ガス交換部を形成する工程においては、多孔質中空糸膜を方形のハウジング中に配置し、四方の面にそれぞれポッティング材を充填する。その際、ポッティング材の充填は、中空糸束体の四方の面に対して個別に実施しなければならず、製造工程が煩雑である。
以上の欠点を解消するために、液体流路を円形断面に形成することが有効であると考えられ、後述するように、本発明者らにより円形断面による効果が実証された。しかしながら、単に円形断面を採用しただけでは、必ずしも実用上、好適な動作が得られるわけではなく、特定の条件で中空糸膜型人工肺を作動させることが必要であることが判った。
本発明は、中空糸束体中に形成される液体流路が血液の流動に適した円形断面を有し、かつその液体流路の形状に適した作動条件に設定された中空糸膜型人工肺を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡略化された効率のよい製造工程により中空糸型ガス交換部を作製することができる中空糸膜型人工肺の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の中空糸膜型人工肺は、複数の多孔質中空糸膜を一方向、または直交あるいは斜交する二方向に配列して形成された中空糸束体と、前記中空糸膜に実質的に直交するように形成された液体流路とを備え、前記液体流路を通して血液を流動させ、かつ、前記中空糸膜の内腔にガスを流動させることによりガス交換を行わせるように構成される。
上記課題を解決するために、前記液体流路は、液体の流動方向における断面が、前記中空糸膜の両端部を含む領域に充填されたポッティング材により、実質的に円形に形成されてなることを特徴とする。
また、本発明の中空糸膜型人工肺の製造方法は、上記構成の中空糸膜型人工肺を製造する方法であって、前記中空糸膜を一方向、または直交あるいは斜交する二方向に配列して中空糸束体を形成し、前記中空糸束体における前記中空糸膜に平行で且つ血流方向に直交する面内で前記中空糸束体を回転させながら、前記ポッティング材を遠心充填する工程を含む。
上記構成の中空糸膜型人工肺によれば、血液の流路が略円形断面であることにより、血液滞留部が発生し難く、血栓の形成が軽減される。更に、血液の流れやガス交換等の作動条件が最適化されて、中空糸膜の効率を十分に高めたガス交換能が得られ、かつ血液充填量が低減された、得られるガス交換能に対して十分に小型化が可能な中空糸膜型人工肺を実現することができる。また、流路を円形断面とすることで、ポッティング工程が簡便になる。
また上記製造方法によれば、ポッティング材を遠心充填することにより、略円形断面の流路を容易に形成できる。すなわち、一度のポッティング材充填工程により、中空糸束体の四方の端部を固定することができ、製造工程を大幅に簡略化することが可能である。
上記構成の本発明の中空糸膜型人工肺において、前記ポッティング材が、(前記中空糸束体における)前記中空糸膜に平行で且つ血流方向に直交する面内で前記中空糸束体を回転させながら、(前記ポッティング材を)遠心充填することによって、前記液体流路が形成された構成とすることができる。
好ましくは、前記液体流路における血液平均流速Vmが、175〜250cm/minの範囲内に設定され、前記中空糸束体の有効膜面積Seが0.35〜0.40m 2 の範囲内に設定される。ただし、血液平均流速Vm=(血液流量B/平均流路断面積Sm)であって、血液流量Bは前記液体流路中を流れる血液の流量(L/min)であり、平均流路断面積Sm(cm 2 )は、前記液体流路の開口面積をSo(cm 2 )とし、前記液体流路の容積中で前記中空糸膜が占める体積割合である中空糸充填率をPfとして、Sm=So(1−Pf)で表される。有効膜面積Seは、中空糸膜の外表面のうち、血液と接触可能なように前記液体流路内に配置された部分の面積である。
また、好ましくは、有効膜面積Seを横軸とし、血液平均流速Vmを縦軸とする座標における4つの座標点P1〜P4、
P1:(Se=0.35、Vm=240)
P2:(Se=0.40、Vm=175)
P3:(Se=0.40、Vm=240)
P4:(Se=0.35、Vm=250)
を直線で結んだ領域内に収まるように、有効膜面積Seおよび血液平均流速Vmが設定される。それにより、高いガス交換能と小さな血液充填量の条件を、ともに充足することが可能である。
以下に、本発明の一実施の形態における中空糸膜型人工肺について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、中空糸膜型人工肺を構成する中空糸型ガス交換部を示す斜視図である。
図1に示した中空糸型ガス交換部は、多数の中空糸膜1を束ねて形成された中空糸束体と、中空糸束体の端部に充填固化されたポッティング材2からなる。この構造は、多数の中空糸膜1を適宜配列して中空糸束体を形成し、その中空糸束体の側端部にポッティング材2を充填し固化することにより作製される。ポッティング材2は、中空糸束体を構成する各中空糸膜1の両端1aが位置する面を含む、中空糸束体の四方の側端部を覆うように充填される。それにより、各中空糸膜1は相互に移動しないように固定される。また、ポッティング材2により四方の側端部が覆われて形成された液体流路3は、その内腔が実質的に円形の断面を有し、従って全体としては円柱形状である。円柱形状の軸方向が流動方向となる。この中空糸型ガス交換部の平面形状を図2に、図2におけるA−A断面を図3に示す。
中空糸膜1の両端1aは、ポッティング材2の外側面において開口しており、酸素ガスの導入が可能である。液体流路3を形成するポッティング材2の内腔は、中空糸膜1からなる中空糸束体を上下方向に貫通する。すなわち、液体流路3を通して血液を流すことにより、血流は中空糸膜1に直交した流れになる。
この例では、多数の中空糸膜1が、一方向に揃えて配列し密に束ねられて、中空糸束体を構成している。なお図示の便宜上、各中空糸膜1の径は、実際の寸法より大きく誇張して記載されている。中空糸膜1の配列は一方向に限られず、使用方法に応じて例えば、直交あるいは斜交する二方向に配列した構成とすることもできる。その場合、各中空糸膜1の開口端の配置が図1〜3と相違するが、液体流路3は、ポッティング材2により同様に形成され、血流は中空糸膜1に直交する。
本実施の形態の中空糸型ガス交換部は、図12に示した従来例の装置と同様の直方体形状のハウジング3内に配置され、本実施の形態における中空糸膜型人工肺が構成される。
上記構成の中空糸型ガス交換部においては、血液の流路が実質的に円形断面であるため、血液の流動状態が均一であり、従来例の矩形断面流路の四隅のような血液滞留部の発生が軽減される。その結果、高効率のガス交換能が得られ、また血栓の形成が軽減される。
ところで、中空糸膜型人工肺のガス交換部の基本性能は、ガス交換能、圧力損失、および血液充填量により評価することができる。ガス交換能は、血液がガス交換部を通過するときのガスと血液の間での酸素移動量あるいは炭酸ガス移動量で示され、ガス交換能が大きいほど高性能である。圧力損失は、ガス交換部を通過する前後での血液の圧力の差であり、この値が高いと、溶血や血流抵抗等の問題が生じ易くなるため、圧力損失が小さいことが望ましい。血液充填量は、人工肺の作動に際して、ガス交換部のモジュール内に充填される血液の容積であり、血液充填量が小さいほど患者への負担が少ないので、望ましい。
上述の基本性能は、ガス交換部の設計因子である、有効膜面積Se、および血液平均流速Vmにより決定される。有効膜面積Seとは、中空糸膜の外表面のうち、血液と接触するように液体流路内に配置された部分の面積をいう。血液平均流速Vmとは、液体流路を流れる血液の平均流速であり、
血液平均流速Vm=血液流量B/平均流路断面積Sm (1)
で表される。この式において、血液流量Bは、液体流路中を流れる血液の流量(L/min)である。平均流路断面積Sm(cm2)は、液体流路の断面における中空糸膜が占める面積を除外した、実際に血流に寄与する部分の面積を表す。液体流路の開口面積(断面積)をSo(cm2)とし、中空糸充填率をPfとすれば、
平均流路断面積Sm=開口面積So(1−中空糸充填率Pf) (2)
で表される。中空糸充填率Pfは、液体流路の容積中で中空糸膜が占める体積割合である。
上述のガス交換部の基本性能に関して、本実施の形態における略円形の流路断面を有する中空糸型ガス交換部(以下「円形モジュール」と称する)を、従来例の方形の流路断面を有する中空糸型ガス交換部(以下「方形モジュール」と称する)と比較した結果について、図4および図5を参照して説明する。図4において、横軸は血液平均流速、縦軸は酸素移動量であり、曲線a(実線)は円形モジュールの場合、曲線b(波線)は方形モジュールの場合を示す。図5において、横軸は血液平均流速、縦軸は圧力損失であり、曲線aは円形モジュールの場合、曲線bは方形モジュールの場合を示す。測定は、標準静脈血としてへパリン加牛血液(Hb:12.0±1g/dl、温度:37.0±1℃、SO2:65.0±5%、PCO2:6±0.7kPa、B.E,:0±5mmol/L)を各モジュールに流して血液処理を行い、ガス交換能と圧力損失を測定した。V/Q比すなわち、酸素流量/血液流量は、1/1とし、酸素濃度FiO2は1.0とした。
図4からは、血液平均流速の大きさに関わらず、円形モジュールの場合は方形モジュールの場合よりも酸素移動量が大きく、従ってガス交換能が高いことが判る。図5からは、血液平均流速の大きさに関わらず、円形モジュールの場合は方形モジュールの場合よりも圧力損失が小さいことが判る。従って、円形モジュールは、基本性能のうち、ガス交換能および圧力損失に関して方形モジュールよりも優れていることは明らかである。
ただし、中空糸型ガス交換部の基本性能としては、血液充填量も考慮に入れる必要があり、血液充填量と他の性能との関係を考慮しなければならない。本実施の形態は、上述のような円形モジュールの利点に基づき、さらに、方形モジュールでは達成困難な程度に血液充填量の小さい、小型の中空糸膜型人工肺を実現したものである。
まず、図6および図7を参照して、有効膜面積Seおよび血液平均流速Vmと、基本性能との関係について説明する。図6における横軸は有効膜面積Se、図7における横軸は血液平均流速Vmを示す。図6および図7とも、直線aはガス交換能、直線bは圧力損失、直線cは血液充填量を示す。縦軸は、上に行くほど性能が良好または状態的に望ましいことを示す。
図6に示すように、有効膜面積Seを大きくする程、ガス交換能aは高くなって良好である。ところが、圧力損失bは高くなり、また血液充填量cは大きくなって、ともに性能が低下する。また図7に示すように、血液平均流速Vmを大きくする程、ガス交換能aは高くなり、血液充填量cは小さくできて、ともに性能が向上する。ところが、圧力損失bは高くなって性能が低下する。
以上のように、基本性能に係わる要因に対して、有効膜面積Seと血液平均流速Vmとは、一部において相反する影響を与える。そのため、円形モジュールの特徴を活かし、基本性能全てについて満足できる特性を得るためには、有効膜面積Seおよび血液平均流速Vmを、特定の値の領域内に制限することが有効であることが判った。その条件を検討するための実験を、次のようにして行った。
まず、ガス交換能の基準値を酸素化能に基づいて設定した。すなわち、実用上適用可能な血液流量の範囲内において、要求される酸素化能の下限値を、65ml/min・L・m2と設定した。また、圧力損失の基準値としては、実用上許容可能な上限値を、9.33kPaと設定した。そして、各基準値を満足するための有効膜面積Seと血液平均流速Vmの値の範囲を測定した。その結果を図8に示す。
図8における横軸は、有効膜面積Se(m2)であり、縦軸は血液平均流速Vm(cm/min)である。曲線a1は、酸素化能の基準値を満足するための、有効膜面積Seに対する血液平均流速Vmの下限値を示す。すなわち、各有効膜面積Seに対して、血液平均流速Vmが曲線a1以上の領域にあれば、酸素化能は基準値以上の値を得ることができる。また曲線a2は、圧力損失の基準値を満足するための、有効膜面積Seに対する血液平均流速Vmの上限値を示す。すなわち、各有効膜面積Seに対して、血液平均流速Vmが曲線a2以下の領域にあれば、圧力損失は基準値未満に抑制される。なお、従来の方形モジュールに関する同様の測定値を、波線で示す。曲線b1は、酸素化能の基準値を満足するための、有効膜面積Seに対する血液平均流速Vmの下限値を示す。また曲線b2は、圧力損失の基準値を満足するための、有効膜面積Seに対する血液平均流速Vmの上限値を示す。但し、従来の方形モジュールについて、このような条件に設定することが知られていた訳ではなく、円形モジュールとの比較のために測定した結果を示しただけである。
図8からは、略円形の流路断面を有する中空糸型ガス交換部が、酸素化能および圧力損失について基準値を満足する値を得るためには、曲線a1以上で曲線a2以下の領域に動作条件が設定される必要があることが判る。従って、有効膜面積Seは0.35m2以上に設定されることが望ましい。血液平均流速Vmは、250cm/min以下であることが望ましい。
更に、血液充填量はできる限り少なく抑制することが望ましいので、これを考慮する。血液充填量は、有効膜面積Seと相関を持ち、有効膜面積Seが小さい程血液充填量は小さくなる。実験の結果、円形モジュールの場合、有効膜面積Seを0.40m2以下にすれば、血液充填量は実用的に問題のない範囲に抑制されることが判った。それに対応させて図8の曲線a1に基づいて酸素可能を考慮すれば、血液平均流速Vmは175cm/min以上であることが望ましい。
以上の結果から、血液平均流速Vmが、175〜250cm/minの範囲内、中空糸束体の有効膜面積Seが0.35〜0.40m2の範囲内に設定されれば、血液充填量が十分に小さく、実用上満足できるガス交換能および圧力損失が得られることが判る。
更に、有効膜面積Seと血液平均流速Vmが、下記の4つの点を直線で結んだ領域内に設定されれば、基本性能を全て充足した小型の中空糸膜型人工肺を実現できる。
P1:(Se=0.35、Vm=240)
P2:(Se=0.40、Vm=175)
P3:(Se=0.40、Vm=240)
P4:(Se=0.35、Vm=250)
より好ましくは、有効膜面積Seを0.38m2以下にすれば、血液充填量はより十分に小さい範囲に抑制される。この範囲であれば、酸素化能および圧力損失について基準値を満足し、かつ血液充填量が従来の方形モジュールでは実現不能な範囲まで小さくなり、より小型化を図ることができる。この条件においては、上記のP2、P3は、下記のP2’、P3’で置き換えられる。
P2’:(Se=0.38、Vm=195)
P3’:(Se=0.38、Vm=243)
次に、上記構成の中空糸型ガス交換部を形成する方法について説明する。まず、一方向に揃えられた中空糸膜を密に束ねて中空糸束体を形成する。次に、ハウジング3内に中空糸束を収容した後、ポッティング材を遠心充填する。すなわち、中空糸束体における中空糸膜に平行で且つ液体流路方向に直交する面内で、図2に示す中心Cの周りに中空糸束体を回転させながら、ポッティング材の充填を行う。それにより、ポッティング材は、円形断面の内腔を形成するように充填される。
この方法によれば、略円形断面の流路を容易に形成できる。また、一度のポッティング材充填工程により、中空糸束体の四方を固定することができ、製造工程を大幅に簡略化することが可能である。図9に示した従来例の中空糸型ガス交換部の構造の場合に、中空糸束体の一辺に対するポッティング材充填に要する時間をt時間とすると、1個のモジュールに対するポッティング材充填にはt×4=4t時間を要していた。これに対して、本実施の形態の方法によれば、1個のモジュールについて、ポッティング材充填の工程を3t時間短縮できた。
なお、この方法によるポッティング材の充填工程においては、中空糸充填率(PF)は0.40〜0.60とし、また遠心力は150〜250Gとすることが望ましい。
本発明の中空糸膜型人工肺によれば、血液滞留部が発生し難く、血栓の形成が軽減される。更に、作動条件が最適化されて、得られるガス交換能に対して十分に小型化が可能な中空糸膜型人工肺を実現することができる。
また上記製造方法によれば、略円形断面の流路を容易に形成でき、また、一度のポッティング材充填工程により、中空糸束体の四方の端部を固定することができて、製造工程を大幅に簡略化することが可能である。
本発明の一実施の形態における中空糸膜型人工肺を構成する中空糸型ガス交換部を示す斜視図 図1の中空糸型ガス交換部の平面図 図2のA−Aにおける断面図 中空糸型ガス交換部における血液平均流速と酸素移動量の関係を示すグラフ 中空糸型ガス交換部における血液平均流速と圧力損失の関係を示すグラフ 中空糸型ガス交換部の有効膜面積Seと基本性能との関係を示す図 中空糸型ガス交換部の血液平均流速Vmと基本性能との関係を示す図 中空糸膜型人工肺の実用的な特性を満足する有効膜面積Seと血液平均流速Vmの設定範囲を示すグラフ 従来例の中空糸膜型人工肺を構成する中空糸型ガス交換部を示す斜視図 図9の中空糸型ガス交換部の平面図 図10のB−Bにおける断面図 中空糸型ガス交換部を有する中空糸膜型人工肺の構造の一例を示す断面図
符号の説明
1 中空糸膜
2、2a、2b、2c、2d ポッティング材
3、4 液体流路
5 ハウジング
6 ガス導入口
7 ガス導出口
8 血液導入口
9 血液導出口

Claims (5)

  1. 複数の多孔質中空糸膜を一方向、または直交あるいは斜交する二方向に配列して形成された中空糸束体と、前記中空糸膜に実質的に直交するように形成された液体流路とを備え、前記液体流路を通して血液を流動させ、かつ、前記中空糸膜の内腔にガスを流動させることによりガス交換を行わせるように構成された中空糸膜型人工肺において、
    前記液体流路は、液体の流動方向における断面が、前記中空糸膜の両端部を含む領域に充填されたポッティング材により、実質的に円形に形成されてなることを特徴とする中空糸膜型人工肺。
  2. 前記ポッティング材が、前記中空糸膜に平行で且つ血流方向に直交する面内で前記中空糸束体を回転させながら、遠心充填することによって、前記液体流路が形成された請求項1記載の中空糸膜型人工肺。
  3. 前記液体流路における血液平均流速Vmが、175〜250cm/minの範囲内に設定され、
    前記中空糸束体の有効膜面積Seが0.35〜0.40m 2 の範囲内に設定された請求項1記載の中空糸膜型人工肺。
    ただし、血液平均流速Vm=(血液流量B/平均流路断面積Sm)であって、血液流量Bは前記液体流路中を流れる血液の流量(L/min)であり、平均流路断面積Sm(cm 2 )は、前記液体流路の開口面積をSo(cm 2 )とし、前記液体流路の容積中で前記中空糸膜が占める体積割合である中空糸充填率をPfとして、Sm=So(1−Pf)で表される。有効膜面積Seは、中空糸膜の外表面のうち、血液と接触可能なように前記液体流路内に配置された部分の面積である。
  4. 前記有効膜面積Seを横軸とし、前記血液平均流速Vmを縦軸とする座標における4つの座標点P1〜P4、
    P1:(Se=0.35、Vm=240)
    P2:(Se=0.40、Vm=175)
    P3:(Se=0.40、Vm=240)
    P4:(Se=0.35、Vm=250)
    を直線で結んだ領域内に収まるように、前記有効膜面積Seおよび前記血液平均流速Vmが設定された請求項に記載の中空糸膜型人工肺。
  5. 請求項1に記載の中空糸膜型人工肺を製造する方法であって、
    前記中空糸膜を一方向、または直交あるいは斜交する二方向に配列して中空糸束体を形成し、前記中空糸束体における前記中空糸膜に平行で且つ血流方向に直交する面内で前記中空糸束体を回転させながら、前記ポッティング材を遠心充填する工程を含むことを特徴とする中空糸膜型人工肺の製造方法。
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