JPH08171148A - 原稿読取装置 - Google Patents

原稿読取装置

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JPH08171148A
JPH08171148A JP7174930A JP17493095A JPH08171148A JP H08171148 A JPH08171148 A JP H08171148A JP 7174930 A JP7174930 A JP 7174930A JP 17493095 A JP17493095 A JP 17493095A JP H08171148 A JPH08171148 A JP H08171148A
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projection light
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JP7174930A
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English (en)
Inventor
Yoshiya Imoto
善弥 伊本
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムプロジェクタの透過原稿を照明する
投影用光源からの出射光量を増加させなくても、透明な
原稿台上に配置した拡散透過原稿を照明する投影光量を
大幅に増加できるようにすること。 【解決手段】 原稿台A1の原稿の反射光を読み取る反
射原稿読取装置Aと、補正部材保持部材58に保持され
た投影光補正部材および透過原稿Fの投影光を出射する
フィルムプロジェクタPと、原稿台A1上に着脱自在に
載置されるミラーユニットMとを備えた原稿読取装置U
において、前記複数の投影光補正部材のうちの1個は凹
レンズにより構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿読取装置に関
し、特に複写機等の反射原稿読取装置の上面に設けられ
た透明な原稿台上に着脱自在に装着されるミラーユニッ
トおよびそのミラーユニットに透明なネガフィルムまた
はポジフィルム等の透過原稿像を投影する透過原稿投影
装置を備え、前記反射原稿読取装置により、前記透過原
稿像も読み取れるようにした原稿読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機は最初は反射原稿の画像を記録す
るために使用されていたが、最近のデジタルカラー複写
機では、フィルム画像を投影するフィルムプロジェク
タ、およびミラーユニットを複写機に設置し、前記フィ
ルムプロジェクタから投影されたフィルム画像を複写機
の原稿読取部で読み取らせ、その画像の複写を行うよう
にしたもの(すなわち、原稿読取装置)が頻繁に使用さ
れるようになっている。このような原稿読取装置では、
複写機の透明な原稿台上に配置した透過原稿も前記フィ
ルムプロジェクタによる照明により複写することが可能
である。特に、デジタル複写機では、デジタル処理機能
により、ネガ・ポジ反転ができるので、ネガフィルムお
よびポジフィルムのいずれも複写することができる。た
だし、それらの良好な複写を行うためには、それらの投
影画像の読取時のカラーバランス等の調節を変える必要
がある。
【0003】例えば、ポジフィルムを投影した時に比較
して、ネガフィルムを投影したときは、ネガベースフィ
ルムがオレンジ色を有している。このようなカラーバラ
ンスの違いを補正して投影画像を読み取る必要がある。
このようなカラーバランスを補正する従来の技術として
下記の技術が知られている。 (J01)特開平2−93451号公報記載の技術 この公報には、投影光色補正用のフィルタを切り換える
補正フィルタ切換装置が示されている。また、前記投影
画像を複写できる装置において、フィルムの曲がりによ
る結像位置のずれを補償するための技術として、下記の
技術が知られている。 (J02)特開平2−275915号公報記載の技術 この公報には、投影レンズを前後に動かして、焦点合わ
せを行う、オートフォーカス機構が設けられている。ま
た、フィルムプロジェクタは、反射原稿に比べて濃度レ
ンジの広いフィルム等の透過原稿に対応する必要がある
ので、ハロゲンランプのように、ランプ印加電圧によっ
て投影光量を4倍程度に変更できる機構を持っている。
【0004】ところで従来、前記複写機等の反射原稿読
取装置の反射原稿読取方法としては、ロッドレンズアレ
イおよび密着型読取センサを用いる方法および縮小光学
系でセンサに結像する方法の2つの方法が知られてい
る。そして、前記各反射原稿読取方法を採用した複写機
と組み合わせるフィルムプロジェクタに要求される機能
は異なっている。すなわち、フィルムプロジェクタには
次の(a),(b)に示す2種類があり、それらに要求さ
れる機能には相違がある。 (a)ロッドレンズアレイおよび密着型読取センサを用
いる複写機に組み合わせるフィルムプロジェクタ。 (b)縮小光学系でセンサに結像する複写機に組み合わ
せるフィルムプロジェクタ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記(a)のフィルム
プロジェクタを複写機に取り付けた場合、複写機のロッ
ドレンズアレイにフィルムプロジェクタからの投影光束
のような指向性のある光が入射すると、ロッドレンズア
レイのレンズ素子のどの位置に光線が入射するかによ
り、大幅な読取光量ムラが発生してしまう。この問題点
を解決するため、従来下記の技術が知られている。 (J03)特開昭63−127654号公報記載の技術 この公報には、プラテンガラス(透明な原稿台)上に弱
い光拡散部材を設け、投影拘束の指向性を無くすこと
で、上記読取光量ムラを抑えている。しかしこの方法で
は、もともと、ロッドレンズアレイ自体、レンズ素子の
間に当たった光がはねられてしまうことから、入射光に
対する利用効率が低いのに、前記光拡散部材により、さ
らに光量ロスが発生するという問題点がある。
【0006】このため、前記(a)のフィルムプロジェ
クタでは、フィルムプロジェクタに大きな光量が必要に
なり、400W程度のランプを必要としている。このよ
うな大きな投影光量を空間に放射するため、オペレータ
や装置周囲にいる人のアイハザード(目の障害)に対す
る対策(防眩対策)が必要になる。しかし、原稿台上に
フィルム映像を拡大投影するためサイズの大きなミラー
ユニットおよび取り外し可能なフレネルレンズ(フィー
ルドレンズ)を使用している。このため、投影光路を覆
いつくすことが難しく、現実にはアイハザードの対策は
行われていない。また、前記(a)の方法では、読取系
の焦点深度が浅いことから、前記拡散部材の平面度、投
影像の像面湾曲の許容度が小さいという問題点もある。
【0007】ところが、前記(b)のフィルムプロジェ
クタでは、前述の(a)のフィルムプロジェクタのよう
な問題点は無い。すなわち、前記(b)のフィルムプロ
ジェクタと組み合わされる複写機では縮小型センサの画
素面積当たりの感度が高いことや投影光学系の指向性の
ある投影光束を、フィールドレンズを介して、結像レン
ズに効率良く入光させること等もあり、フィルムプロジ
ェクタの投影光量は、前記(a)のフィルムプロジェク
タの1/30程度で充分である。このため、(b)のフ
ィルムプロジェクタと複写機との組み合わせにおいては
前記アイハザードの問題点も発生しない。
【0008】しかし、前記(b)のフィルムプロジェク
タにおいて、複写機の透明な原稿台上に拡散透過原稿
(拡散シートにより挟まれた透過原稿をビニール袋で密
閉したもの)を配置し、前記フィルムプロジェクタの投
影光で照射して複写する場合には問題が発生する。つま
り、本来はロス無く読取レンズに入射するはずの光束が
前記拡散透過原稿での拡散効果によって、読取光量が1
/100程度になってしまうのである。前記拡散透過原
稿というのは、4inch×5inchサイズなどの大版フィル
ム原稿を保存しておく形態として、人間が観察しやすい
ように拡散シートで挟んでゴミ・ホコリがつかないよう
にビニールの袋に密閉したものである。こうしたもの
は、ゴミの無い状態で密閉したものであるため、安易に
袋から出せず、拡散シートが入った状態のままでコピー
を取りたいという要求が強い。なお、こうした、拡散シ
ート入りの透明原稿は、ほとんどポジ原稿である。
【0009】前述のように前記(b)のフィルムプロジ
ェクタでは、拡散透過原稿の読取光量が極端に低下して
しまうため、このような原稿に対して満足な読取ができ
ないというデメリットがある。なお、前記(a)のフィ
ルムプロジェクタでは、前記ロッドレンズアレイによる
読取光量ムラ対策のために入れた光拡散部材により、元
々拡散された光をロッドレンズアレイで読み取っている
ので、拡散透過原稿によって生じる二次拡散による拡散
状態の変化は少なく、読取光量の低下は少ない。しかな
がら、透過原稿フィルムと一緒にパッケージされている
拡散シートのキメの粗さに起因して、読取画質の粒状性
はあまり良好でない。
【0010】ところで、フィルムプロジェクタは、最初
ロッドレンズアレイおよび密着型イメージセンサを用い
た複写機に合わせた前記(a)のフィルムプロジェクタ
が製作され、その後、縮小光学系および縮小型センサを
用いた複写機に合わせて、前記(a)のフィルムプロジ
ェクタに小変更を施した前記(b)のフィルムプロジェ
クタが製作されたという歴史的経緯がある。このため
(b)のフィルムプロジェクタでは、多くの光量を必要
とする(a)のフィルムプロジェクタから必要光量の少
ない(b)のフィルムプロジェクタに変更したことによ
り余った光量を次のように割り振っている。 (c1)投影光色の3色カラーバランスを揃えるために、
色ガラスフィルタにより、R,G,Bの光量をカットす
る。 (c2)投影フィルムの前段に拡散面を設け、フレネルレ
ンズのピッチに起因する光量ムラの発生を防止する(特
開昭63−124021号公報参照)。 (c3)ランプの定格を400Wから250Wに下げて、
省電力化をはかると同時に、投影フィルム面の温度上昇
を緩和する。
【0011】前記(c1)〜(c3)の中で、前記(c1)の
カラーバランスの補正は、これを行わなくても、センサ
の各色出力に対するゲインを調整することで、そこそこ
の読取をできる。実際に、複写機本体の反射原稿読取で
は、照明としてリニアハロゲンランプを使用しているの
で、B(Blue、青)の光量が弱いが、これに対し、Bの
センサ出力のゲインを高く調整することで補い、そこそ
この読取を行っている。なお、この場合、Bのセンサ出
力のS/N比は他の色よりも悪くなっている。また、透
過原稿フィルムの場合、濃度レンジが反射原稿に比べて
広いことと、特にネガモードの場合には、高濃度画像情
報をネガ・ポジ変換によって低濃度画像情報に変換する
ため、ノイズが強調されることとなり、反射原稿に比
べ、よりS/N比の良好な読取が必要となる。このた
め、読取光のカラーバランスを良好にして、各読取色と
も、読取センサのS/N比性能を充分に活用できる状態
にしておくことが、必要になる。
【0012】本発明は前述の事情に鑑み、下記(O01)
の記載内容を課題とする。 (O01)フィルムプロジェクタの透過原稿を照明する投
影用光源からの出射光量を増加させなくても、透明な原
稿台上に配置した拡散透過原稿を照明する投影光量を大
幅に増加できるようにすること。 (O02)拡散シートと一体にパッケージされた拡散透過
原稿の、拡散シートに起因する読取画質の粒状性の悪さ
を改善すること。 (O03)フィルムプロジェクタからの出射光によるアイ
ハザードの問題の発生を少なくすること。
【0013】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。な
お、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0014】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明の原稿読取装置(U)は、下記の要件
を備えたことを特徴とする。 (Y01)照明光を反射する反射原稿が下向きに載置され
る透明な原稿台(A1)ならびにこの原稿台(A1)の下
方に配置された反射原稿照明装置(2)及び前記原稿の
反射光をイメージセンサ(7)に結像させる結像レンズ
(6)を有する反射型原稿読取装置(A)、(Y02)透
過原稿(F)を着脱自在に装着可能な透過原稿装着部、
この透過原稿装着部に装着された透過原稿(F)を照明
する投影用光源(53)、この投影用光源(53)およ
び前記透明原稿装着部の間に配置されて前記投影用光源
(53)から出射する投影光の特性を補正する投影光補
正部材(PF,NF,Ro)を複数保持する補正部材保
持部材(58)、前記複数の投影光補正部材(PF,N
F,Ro)のうちの選択された所定の1個の投影光補正
部材(PF,NF,Ro)を前記投影光の光路中に移動
させる補正部材交換装置(58,61〜66)、および
前記透過原稿(F)の像の投影を行う投影レンズ(5
0)を有するフィルムプロジェクタ(P)、(Y03)前
記原稿台(A1)上に着脱自在に載置されるとともに、
前記フィルムプロジェクタ(P)から出射する投影光を
下方に反射するミラー(94)、このミラー(94)の
反射光を前記反射原稿読取装置(A)に向けて収束させ
るフレネルレンズ(95)を有し、前記フレネルレンズ
(95)および原稿台(A1)の間に透過原稿(F)を
配置可能に構成されたミラーユニット(M)、(Y04)
前記原稿台上に配置された拡散透過原稿の読取りが可能
な光量が得られ且つ他の投影光補正部材(PF,NF)
に比べて数10倍の透過光量が得られる1つの光透過率
の高い投影光補正部材(Ro)を有する前記複数の投影
光補正部材(PF,NF,Ro)。
【0015】(第2発明)また、本出願の第2発明の原
稿読取装置(U)は、前記第1発明の原稿読取装置
(U)において、下記の要件を備えたことを特徴とす
る、(Y05)前記投影レンズ(50)の光軸方向の位置
を調節するレンズ位置調節装置(P1)を有する前記フ
ィルムプロジェクタ(P)、(Y06)1つの投影光補正
部材(Ro)が凹レンズにより構成された前記複数の投
影光補正部材(PF,NF,Ro)。
【0016】(第3発明)また、本出願の第3発明の原
稿読取装置(U)は、前記第1または2発明の原稿読取
装置(U)において、下記の要件を備えたことを特徴と
する、(Y07)前記フレネルレンズ(95)の上側に着
脱自在に装着される拡散板アタッチメント(101)を
有する前記ミラーユニット(M)。
【0017】(第4発明)また、本出願の第4発明の原
稿読取装置(U)は、前記第1〜3発明のいずれかの原
稿読取装置(U)において、下記の要件を備えたことを
特徴とする、(Y08)前記イメージセンサ(7)の読取
信号のゲイン調整回路(28)のゲインを設定する手
段、すなわちゲイン設定手段、(Y09)被拡散性の透過
原稿(F)を読み取る通常の透過原稿読取モードと拡散
透過原稿読取モードとを選択可能な読取モード選択手
段、(Y010)前記拡散透過原稿読取モードが選択され
たときに前記ゲイン調整回路(28)のゲインを再設定
する手段、すなわちゲイン再設定手段。
【0018】(第5発明)また、本出願の第5発明の原
稿読取装置(U)は、照明光を反射する反射原稿が下向
きに載置される透明な原稿台(A1)ならびにこの原稿
台(A1)の下方に配置された反射原稿照明装置(2)
及び前記原稿の反射光をイメージセンサ(7)に結像さ
せる結像レンズ(6)を有する反射型原稿読取装置
(A)において、下記の要件を備えたことを特徴とす
る、(Y011)前記透明な原稿台上の所定の位置に位置
決め載置される光学部材(M)の側縁が当接する、前記
光学部材の側縁位置決め部材。
【0019】前記光学部材(M)としては、ミラーユニ
ット、光拡散板、または色の基準原稿(カラー画像を読
み取る場合にR(赤)、G(緑)、B(青)の読み取り
信号のゲインを調節するために使用する原稿)等用いる
ことが可能である。
【0020】(第6発明)また、本出願の第6発明の原
稿読取装置(U)は、前記第5発明において、下記の要
件を備えたことを特徴とする、(Y012)位置決め載置
された光学部材(M)が前記透明な原稿台(A1)上の
所定の位置に設置されたか否かを検出する光学部材装着
状態検出手段。
【0021】(第7発明)また、本出願の第7発明の原
稿読取装置(U)は、前記第6発明において、下記の要
件を備えたことを特徴とする、(Y013)位置決め載置
された光学部材(M)の前記下方のイメージセンサ
(7)に面する所定部分に設けられた位置検出パターン
が所定位置で読取られるか否かにより、前記光学部材
(M)が前記透明な原稿台上の所定の位置に使用状態で
設置されたか否かを検出する光学部材装着状態検出手
段。
【0022】
【作用】次に、前述の特徴を備えた本発明の作用を説明
する。 (第1発明の作用)前述の特徴を備えた本出願の第1発
明の原稿読取装置(U)は、反射原稿読取装置(A)
と、フィルムプロジェクタ(P)と、ミラーユニット
(M)とを備えている。 (反射原稿読取装置(A)による反射原稿読取時の作
用)前記反射原稿読取装置(A)の反射原稿照明装置
(2)は、透明な原稿台(A1)上に下向きに載置され
た反射原稿を、原稿台(A1)の下方から照明する。結
像レンズ(6)は、前記照明された原稿の反射光をイメ
ージセンサ(7)に結像させる。イメージセンサ(7)
は結像した原稿画像を読み取り、電気信号に変換して出
力する。
【0023】(フィルムプロジェクタ(P)に装着した
透過原稿フィルム読取時の作用)前記フィルムプロジェ
クタ(P)の透過原稿装着部には、透過原稿(F)が着
脱自在に装着される。前記透過原稿装着部に装着された
透過原稿(F)を照明する投影用光源(53)と前記透
明原稿装着部との間に配置された補正部材保持部材(5
8)は、前記投影用光源(53)から出射する投影光の
特性を補正する投影光補正部材(PF,NF,Ro)を
複数保持する。補正部材交換装置(58,61〜66)
は、前記複数の投影光補正部材(PF,NF,Ro)の
うちの選択された所定の1個の投影光補正部材(PF,
NF,Ro)を前記投影光の光路中に移動させる。した
がって、前記投影用光源(53)から出射する投影光は
前記選択された所定の投影光補正部材(PF,NF,R
o)によりカラーバランス等の特性が補正されてから透
過原稿(F)を照明する。透過原稿(F)を透過した投
影光は、レンズ位置調節装置(P1)によって光軸方向
の位置が調節される投影レンズ(50)により収束位置
が調整される。この投影光は、前記原稿台(A1)上に
着脱自在に載置されたミラーユニット(M)のミラー
(94)により下方に反射し、フレネルレンズ(95)
により前記透明な原稿台(A1)上面(前記反射原稿読
取位置)に収束し、透過原稿像を結像する。この透過原
稿像は、前記反射原稿読取装置(A)により読み取られ
る。
【0024】(原稿台(A1)上に置かれた透過原稿読
取時の作用)前記透明な原稿台(A1)上に透過原稿を
配置し、その上にミラーユニット(M)のフレネルレン
ズ(95)を配置する。そして、フレネルレンズ(9
5)の上側には拡散板アタッチメント(101)を装着
する。前記フィルムプロジェクタ(P)の透過原稿装着
部には、透過原稿を装着せず、補正部材交換装置(5
8,61〜66)は、補正部材保持部材(58)に保持
された投影光補正部材(PF,NF,Ro)のうちの、
他の投影光補正部材(PF,NF)に比べて数10倍の
透過光量が得られる1つの光透過率の高い投影光補正部
材(Ro)を投影光光路に移動させる。前記光透過率の
高い投影光補正部材(Ro)は、原稿台上に配置された
拡散透過原稿の読取りが可能な光量が得られる。すなわ
ち、投影光補正部材(PF,NF,Ro)のうちの前記
光透過率の高い投影光補正部材(Ro)を使用すること
により、他の投影光補正部材(投影光のカラーバランス
調整用の色ガラス、光の指向性調整用の拡散面等を有す
る投影光補正部材PF,NF)に比べて、フィルムプロ
ジェクタ(P)から出射する投影光の光量を増加させ
る。
【0025】前記光量の増加した投影光は、前記原稿台
(A1)上に着脱自在に載置されたミラーユニット
(M)のミラー(94)により下方に反射し、フレネル
レンズ(95)を透過して、前記透明な原稿台(A1)
上面(前記反射原稿読取位置)の透過原稿像を照明す
る。前記原稿台(A1)上の透過原稿が拡散シート入り
透過原稿である場合には、その拡散シートによって投影
光は散乱される。この散乱した原稿の透過光はその出射
方向が拡散される。前述のように、拡散光となった投影
光により照明された原稿台(A1)上の透過原稿(FL)
は、前記反射原稿読取装置(A)により読み取られる。
【0026】(第2発明の作用)また、本出願の第2発
明の原稿読取装置(U)では、前記フィルムプロジェク
タ(P)のレンズ位置調節装置(P1)は、前記投影レ
ンズ(50)の光軸方向の位置を調節する。この位置調
節が行われる投影レンズ(50)により、透過原稿
(F)を透過した投影光は、収束位置が調整される。ま
た、補正部材交換装置(58,61〜66)は、補正部
材保持部材(58)に保持された投影光補正部材(P
F,NF,Ro)のうちの、他の投影光補正部材(P
F,NF)に比べて数10倍の透過光量が得られる凹レ
ンズ(Ro)を投影光光路に移動させる。前記凹レンズ
(Ro)の投影光光路への移動および投影レンズ(5
0)の位置調節によって投影光の前記透明な原稿台(A
1)上面(前記反射原稿読取位置)の透過原稿像の単位
面積当たりの投影光量が増加する。したがって、前記透
明な原稿台(A1)上面(前記反射原稿読取位置)の透
過原稿が拡散シート入り透過原稿である場合でも、十分
な照明光量を得ることができる。
【0027】(第3発明の作用)また、本出願の第3発
明の原稿読取装置(U)では、フィルムプロジェクタ
(P)に装着した透過原稿を読み取る場合には前記拡散
板アタッチメント(101)を取り外した状態で読取
り、原稿台(A1)上に置いた透過原稿(拡散シート入
り透過原稿を含む)を読み取る場合には、前記拡散板ア
タッチメント(101)を前記ミラーユニット(M)の
拡散板アタッチメント装着部(93a,99,100)
に装着した状態で読み取る。原稿台(A1)上に置いた
透過原稿(拡散シート入り透過原稿を含む)を読み取る
場合には、前記凹レンズ(Ro)の投影光光路への移動
および投影レンズ(50)の位置調節によって投影光の
前記拡散板アタッチメント(101)への投影面積を縮
小させて、拡散板アタッチメント(101)上の単位面
積当たりの投影光量を増加させる。前記光量が増加した
投影光は、拡散板アタッチメント(101)によりほぼ
均一に拡散されて面光源となる。面光源となった投影光
は、フレネルレンズ(95)を透過して、前記透明な原
稿台(A1)上面(前記反射原稿読取位置)の透過原稿
像を均一に照明する。前記原稿台(A1)上の透過原稿
が拡散シート入り透過原稿である場合には、その拡散シ
ートによって投影光は二次散乱される。この二次散乱し
た原稿の透過光はその出射方向が均一に拡散される。仮
に、シート入り拡散原稿に入射する投影光の指向性が強
い場合は、拡散板シートの拡散粒子が比較的粗いので、
拡散シート入り原稿の透過光の方向にムラが生じるが、
前記拡散板アタッチメント(101)により均一に拡散
された投影光は前記二次散乱によって出射方向にムラが
生じることはない。前述のように、均一な拡散光となっ
た投影光により照明された原稿台(A1)上の透過原稿
(FL)は、前記反射原稿読取装置(A)により読み取
られる。仮に、シート入り拡散原稿に入射する投影光の
指向性が強い場合は、拡散板シートの拡散粒子が比較的
粗いので、拡散シート入り原稿の透過光の方向にムラが
生じるが、前記拡散板アタッチメント(101)により
均一に拡散された投影光は前記二次散乱によって出射方
向にムラが生じることはない。また、拡散板アタッチメ
ントを入れることで、この種の原稿読取装置において、
原稿の有る状態と無い状態との光量差が小さくなるの
で、原稿を入れない標準状態で、ゲインバランス補正、
シェーディングデータ補正を行うことができる。
【0028】(第4発明の作用)また、本出願の第4発
明の原稿読取装置(U)では、前記イメージセンサ
(7)の読取信号のゲイン調整回路(28)のゲイン
は、読み取る原稿の種類に応じてゲイン設定手段により
設定される。被拡散性の透過原稿(F)を読み取る通常
の透過原稿読取モードと拡散透過原稿読取モードとが選
択可能な読取モード選択手段により、前記拡散透過原稿
読取モードが選択されたとき、ゲイン再設定手段は、前
記ゲイン調整回路(28)のゲインを再設定する。この
ため、読取色による出力バランスが、通常の透過原稿読
取モードに比べ異なる拡散透過原稿読取モードにおい
て、適切なゲインで拡散透過原稿の読み取りを行うこと
ができる。
【0029】(第5発明の作用)また、本出願の第5発
明の原稿読取装置(U)では、透明な原稿台(A1)上
に反射原稿が下向きに載置される。この反射原稿は、原
稿台(A1)の下方に配置された反射原稿照明装置
(2)により照明され、その照明光を反射する。前記原
稿の反射光は、結像レンズ(6)によりイメージセンサ
(7)に結像され、原稿面の画像が読み取られる。前記
透明な原稿台(A1)上に、ミラーユニット、光拡散
板、または色の基準原稿等の光学部材(M)等を載置し
て使用する場合、光学部材(M)は、その側縁が側縁位
置決め部材に当接することにより、前記透明な原稿台上
の所定の位置に位置決め載置される。
【0030】(第6発明の作用)また、本出願の第6発
明の原稿読取装置(U)では、光学部材装着状態検出手
段は、前記光学部材(M)が透明な原稿台(A1)上の
所定の位置に設置されたか否かを検出する。前記光学部
材(M)が所定の位置に設置されているか否かの検出信
号は、前記否の場合には、そのことをユーザに知らせる
ために使用することができる。その場合、ユーザは光学
部材(M)を所定の正しい位置に設置することができ
る。また、前記検出信号が前記否の場合には、原稿読取
装置の所定の動作の開始を禁止するのにも使用すること
が可能である。
【0031】(第7発明の作用)また、本出願の第7発
明の原稿読取装置(U)では、光学部材装着状態検出手
段は、位置決め載置された光学部材(M)の前記下方の
イメージセンサ(7)に面する所定部分に設けられた位
置検出パターンが所定位置で読取られるか否かにより、
前記光学部材(M)が前記透明な原稿台上の所定の位置
に使用状態で設置されたか否かを検出する。このよう
に、透明な原稿台(A1)下方に配置されたイメージセ
ンサ(7)を用いることにより、別途新たな検出用の部
材を設けることなく、光学部材(M)の設置状態を検出
することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(本発明の実施態様1)また、本発明の原稿読取装置
(U)の実施態様1は、前記第1〜4発明のいずれかの
原稿読取装置(U)において、下記の要件を備えたこと
を特徴とする、(Y001)前記ミラーユニット(M)が
前記透明な原稿台(A1)上に所定の位置に使用状態で
設置されたことを検出するミラーユニット装着状態検出
手段。
【0033】(本発明の実施態様1の作用)前述の特徴
を備えた本発明の実施態様1の原稿読取装置(U)で
は、ミラーユニット装着状態検出手段は、前記ミラーユ
ニット(M)が前記透明な原稿台(A1)上に所定の位
置に使用状態で設置されたことを検出する。このため、
設置状態が不備のために、フィルムプロジェクタ(P)
から出射する強い投影光が近傍の人に照射されるという
ような事態の発生を防止することが可能となる。
【0034】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施例の
原稿読取装置を説明するが、本発明は以下の実施に限定
されるものではない。 (実施例1)図1は本発明の実施例1の原稿読取装置U
の全体説明図である。図2は同実施例1の主要部の説明
図である。図3は同実施例1のフィルムプロジェクタの
斜視図である。図4は同実施例1における投影光補正部
材およびそれを保持する補正部材保持部材の説明図であ
る。図5は前記図4のV−V線断面の説明図である。図
6は同実施例1におけるフィルムプロジェクタおよびミ
ラーユニットの光学系の説明図で、フィルムプロジェク
タに装着した透過原稿フィルムを読み取る状態を示す図
である。図7は同実施例1におけるフィルムプロジェク
タおよびミラーユニットの光学系の説明図で、ミラーユ
ニット下側のプラテンガラス(透過原稿台)上に配置し
た拡散透過原稿を読み取る状態を示す図である。
【0035】図1において、原稿読取装置Uは、上面に
プラテンガラス(透明な原稿台)A1を有する反射原稿
読取装置としてのデジタルカラー複写機(以下、単に
「複写機」ともいう)A、この複写機Aの上端に設置さ
れたフィルムプロジェクタP、および前記プラテンガラ
スA1上に着脱自在に装着されるミラーユニットMを備
えている。
【0036】(K1)複写機の構成 次に複写機Aについて説明する。前記複写機Aは、前記
プラテンガラスA1の下方に順次配置された画像読取部
としてのイメージインプットターミナルIIT(以下、
単に「IIT」ともいう)、及び画像記録用作動部とし
てのイメージアウトプットターミナルIOT(以下、単
に「IOT」ともいう)を有している。
【0037】前記画像読取部としてのIIT(イメージ
インプットターミナル)は前記プラテンガラスA1の下
方に、露光走査光学系1を有している。露光走査光学系
1は、フルレートキャリッジに搭載された反射原稿照明
用光源(反射原稿照明装置)2および第1ミラー3を有
している。また露光走査光学系1は、前記フルレートキ
ャリッジの移動速度の1/2の速度で移動するハーフレ
ートキャリッジに搭載された第2ミラー4および第3ミ
ラー5を有している。また、露光走査光学系1は、II
Tのフレームに支持された結像レンズ6を有している。
結像レンズ6は、プラテンガラスA1上の反射原稿から
反射してさらに順次、前記第1,2,3ミラーで反射し
た原稿反射光を固体撮像装置(CCDセンサ)により構
成されたイメージセンサ7に収束させる機能を有してい
る。イメージセンサ7は、その撮像面上に収束された原
稿反射光を電気信号に変換する機能を有している。ま
た、IITは、前記イメージセンサ7で得られる電気信
号を読出し、画像データとして出力する信号処理部S
と、原稿読取装置Uのユーザーが作動モードの選択等を
行うために操作するユーザインターフェースUIとを有
している。なお、ユーザインターフェースUIは表示部
(図示せず)を有しており、その表示部には図14に示
すような表示等が行われるように構成されている。な
お、図14については後述する。
【0038】前記信号処理部Sは、アナログ回路S1、
デジタル補正回路S2、および、IPS(Image Process
ing System )を有している。アナログ回路S1は、前記
イメージセンサ7からの出力信号のゲイン調整、オフセ
ット調整、A/D変換等を行う機能を有している。ま
た、デジタル補正回路S2は、前記アナログ回路S1から
の出力信号にシェーディング補正、ギャップ補正(縮小
光学系を用いたラインセンサの読取画素列間ギャップに
起因するカラーレジストレーションの補正)等を行う機
能を有している。また、前記IPSは、前記デジタル補
正回路S2からの出力信号に対して、色補正、ENL(E
qual Neutral Lightness (等価中性明度)に変換する
LUT(Look Up Table)、すなわち、読取データのガ
ンマ補正、色階調補正を行うLUTで、ネガ/ポジ反転
もここで行う)を用いた補正等を行う機能を有してい
る。また、前記信号処理部Sは、前記各回路S1、S2、
IPSの動作制御を行うIPS(Image Processing Sys
tem )CPU、前記露光走査光学系1の作動モータの制
御を行うモータコントロール用CPU、およびメインC
PU等を有している。メインCPUは、前記ユーザーイ
ンターフェースUIの操作信号に応じて、前記IPSC
PU、モータコントロール用CPU、、およびフィルム
プロジェクタPの動作を制御する機能を有している。な
お、信号処理部Sについては後で詳述する。
【0039】前記画像記録用作動部としてのIOT(イ
メージアウトプットターミナル)は、前記画像処理回路
IPSから出力される画像信号に応じてレーザ駆動信号
を出力するレーザ駆動回路11、ゼログラフィー装置
G、前記ゼログラフィー装置Gに画像記録用のシートを
供給する用紙供給装置H、加熱定着装置12等を有して
いる。前記加熱定着装置12は、加熱ローラ12aおよ
び加圧ローラ12bを有している。前記ゼログラフィー
装置Gは、レーザビームを用いた光学式書き込み走査装
置(すなわち、潜像書込装置)13、レーザビームによ
って静電潜像が書き込まれる感光ドラム(潜像担持体)
14、その周囲に配置された帯電用チャージャ15、Y
(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ク
ロ)の各色のトナーで現像する現像ユニット(すなわ
ち、現像装置)16Y,16M,16C,16K、転写
ドラム17、転写用チャージャ(転写器)18およびク
リーナユニット19等から構成されている。
【0040】前記用紙供給装置Hは、シート(用紙)の
種類に対応した複数の給紙トレー20a〜20e、及び前
記給紙トレー20a〜20eからシートを取り出して転写
ドラム吸着位置17aに搬送する用紙搬送装置21等を
備えている。
【0041】前記IIT(イメージインプットターミナ
ル)で読取った原稿画像は、ゼログラフィー装置Gによ
り転写ドラム17に吸着されたシート上に未定着トナー
像として形成される。カラー画像の場合、転写ドラム1
7に吸着されたシートは、4回転する間にY,M,C,
Kの各色のトナー像が転写される。前記未定着トナー像
が形成されたシートは、転写ドラム17から剥離され
て、前記加熱定着装置12に搬送される。加熱定着装置
12は、前記シート上の未定着トナー像を加熱定着す
る。定着されたシート(画像が記録されたシート)は、
シート排出路22、排出ローラ23を通って排出トレイ
24に排出される。
【0042】次に前記複写機Aの前記信号処理部Sの構
成を説明する。図2において、信号処理回路とともに示
す前記イメージセンサ7は、R,G,Bの3色に対応し
た図示しない3本のラインセンサ7R,7G,7Bを有し
ており、各ラインセンサ7R,7G,7Bの検出信号は、
奇数(Odd)番目および偶数(Even)番目の光電変換
素子で別々の信号処理回路(OddチャンネルおよびEve
nチャンネル)によって処理されるように構成されてい
る。このように、奇数番目の光電変換素子用の信号処理
回路であるOddチャンネルと偶数番目の光電変換素子用
の信号処理回路であるEvenチャンネルの2本が設けら
れている理由は、ラインセンサの1列に並んだ光電変換
素子の一側に奇数番目の光電変換素子の信号引き出し線
を配置し、他側に偶数番目の光電変換素子の引き出し線
を配置しているからである。前記、各色の信号処理回路
は同様に構成されているので、図2には1色分の信号処
理回路を示し、それについて説明する。
【0043】図2において、イメージセンサ7の3本の
各ラインセンサ7R,7G,7B(図示せず)で検出され
た信号は、OddチャンネルおよびEvenチャンネルにお
いてそれぞれ増幅回路26で所定レベルに増幅された
後、サンプルホールド回路27においてサンプルホール
ドパルスによりノイズを除去して波形処理が行われる。
【0044】前記イメージセンサ7の各光電変換素子の
特性は素子毎に異なるために、同一の濃度の原稿を読み
取っても、素子毎に出力(検出信号の大きさ)が異な
る。したがって、その検出信号をそのまま出力すると、
記録画像にスジやムラが生じる。このため、各種の信号
補正処理を行う必要がある。そこでまず、前記サンプル
ホールド回路27の出力は、AGC(Automatic Gain C
ontroler、ゲイン調整回路)28において、所定のゲイ
ンで増幅される。このAGC28のゲインは原稿の濃度
(明暗)に応じて最適の読取が行えるようにするため
に、次のようにして決定される。
【0045】まず、原稿読取に先立って、反射原稿用の
設定では、白の基準面からの反射光量を読み取って各光
電変換素子毎の出力信号(明出力)を取得し、透過原稿
用の設定では、フィルムを入れない状態での透過光量を
読みとって、この取得信号レベルに応じてAGC28の
標準のゲインを設定する。この標準のゲインに対して、
濃度レンジの広い透過原稿の場合には、原稿の濃度(明
暗)に応じて使用する1.4倍、2倍、2.8倍の高ゲイ
ンを設定し、これらの設定ゲインのデジタル値は、IP
SCPUのNVM(不揮発性メモリ)に記憶される。I
PSCPUに記憶されたAGC(ゲイン調整回路)28
のゲインのデジタル値は、原稿読取時に振分回路30に
入力される。振り分け回路30は、奇数番目の光電変換
素子に対応するOddチャンネル用および偶数番目の光電
変換素子に対応するEvenチャンネル用の、各AGC2
8のゲインのデジタル値を各チャンネル用のD/Aコン
バータ31(図2参照)に出力する。Oddチャンネルお
よびEvenチャンネルの各D/Aコンバータ31は、前
記振分回路30の出力信号を内蔵のジスタに記憶し、そ
のレジスタの記憶データをD/A変換して、前記AGC
28のゲイン信号を出力する。
【0046】前記AGC(ゲイン調整回路)28の出力
信号は、AOC(Automatic OfsetControler、オフセッ
ト調整回路)32において、所定のオフセットレベルで
オフセットされる。前記AOC(オフセット調整回路)
32の出力信号はA/Dコンバータ34によりA/D変
換される。この実施例では原稿濃度はA/Dコンバータ
34により0〜255の256階調のデータに変換され
る。そして、前記AOC32は原稿の黒を読み取ったと
きのA/Dコンバータ34の出力が10となるようにA
GC28の出力信号をオフセットするための回路であ
る。この場合、原稿の黒を読み取った場合のA/Dコン
バータ34のデジタル出力信号は10となるので、実際
の原稿の読取時のシェーディング補正では、前記A/D
コンバータ34のデジタル出力信号から10を引いた値
を原稿読み取り信号(暗補正読取信号)として、シェー
ディング補正を行えば良い。しかしながら、実際には本
実施例では、原稿の読取時には前記A/Dコンバータ3
4のデジタル出力信号から8を引いた値を原稿読み取り
信号(暗補正読取信号)として、シェーディング補正を
行っている。このように、原稿の黒を読み取った場合の
A/Dコンバータ34のデジタル出力信号の目標値を8
ではなく、10としているのは、CCDの読取特性が、
暗部分で非線形なのでそれを補正するためである。
【0047】前記オフセットレベルは、原稿の読取に先
だってランプを消灯した状態で、原稿台1の下方で外来
光の侵入しない位置に移動させたイメージセンサ7の出
力信号のA/Dコンバータ34の出力信号が10となる
ように設定される。前記オフセットレベルは、前記AG
C28の標準のゲイン、1.4倍、2倍、2.8倍の高ゲ
インに対して設定され、これらの設定オフセットレベル
のデジタル値は、IPSCPUのNVM(不揮発性メモ
リ)に記憶される。実際の原稿読取時には、IPSCP
Uに記憶されたAOCオフセット調整回路)32のオフ
セットのデジタル値は、原稿読取時に振分回路30に入
力される。振り分け回路30は、奇数番目の光電変換素
子に対応するOddチャンネル用および偶数番目の光電変
換素子に対応するEvenチャンネル用の、各AOC32
のオフセットのデジタル値を各チャンネル用のD/Aコ
ンバータ33(図2参照)に出力する。Oddチャンネル
およびEvenチャンネルの各D/Aコンバータ33は、
前記振分回路30の出力信号をレジスタに記憶し、その
レジスタの記憶データをD/A変換して、前記AOC3
2のオフセット信号を出力する。
【0048】前述したように、イメージセンサ7の原稿
読取信号は、1列に並んだ各色RGB毎のラインセンサ
の奇数番目の光電変換素子と偶数番目の光電変換素子と
で別々に読出される。そして図2に示すように、読出さ
れた原稿読取信号は、OddチャンネルおよびEvenチャ
ンネルに別れたアナログ回路S1により処理されて、前
記A/Dコンバータ34によりA/D変換される。この
A/D変換されたOddチャンネルおよびEvenチャンネ
ルの2列の原稿読取データは、OEマージ部35で合流
して番号順に並んだ1列の原稿読取データとされる。こ
の1列の原稿読取データは、シェーディング補正回路3
6でシェーディング補正されて、IPS(Image Proces
sing System )IPSに入力される。
【0049】前記IPSは、入力されたR,G,Bの各
色毎の原稿読取信号に、カラー画像の再現性を高めるた
めの種々のデータ処理を施して、前記IOTに記録用画
像データとして出力する。IPSが行うデータ処理とし
ては、例えば、次のような処理がある。 (a)ENL変換(Equivalent Neutral Lightness、す
なわち、等価中性明度変換)、(b)UCR(Under Col
or Removal、すなわち、下色除去)、(c)TRC(Ton
e Reproduction Controle、すなわち、色調補正制御) なお、前記IPSのデータ処理方法は、例えば、特開平
2−275915号公報に詳しく説明されている。
【0050】(K2)フィルムプロジェクタPの構成 第3図に示されているように、フィルムプロジェクタP
のハウジング41には、動作確認ランプ42、マニュア
ルランプスイッチ43、オートフォーカス/マニュアル
フォーカス切り換えスイッチ(AF/MF切り換えスイ
ッチ)44、およびマニュアルフォーカス操作スイッチ
(M/F操作スイッチ)45a,45bが設けられてい
る。また、ハウジン41は開閉自在な開閉部46を備え
ている。この開閉部46の上面と側面とには、原稿フィ
ルムFを保持したフィルム保持ケース47を縦または横
方向からフィルムプロジェクタP内に挿入するための孔
(フィルム装着部)48,49がそれぞれ形成されてい
る。これら孔48,49の反対側にもフィルム保持ケー
ス47が突出することができる孔(図示されない)が形
成されている。
【0051】このように、フィルム保持ケース47の挿
入方向を縦または横方向に切り替えることができるよう
にすることにより、そのフィルム保持ケース47に保持
されたフィルム(すなわち、透過原稿)Fに記録されて
いる画像をコピー用紙のフォームに対してコピー画像を
所望の向きに設定してコピーすることができるようにな
る。すなわち、複写機Aにおいて、例えばA3のコピー
用紙のように向きが一方向にしか設定することができな
い場合に、そのコピー用紙の向きに対して同じ向きまた
は直交する向きのうち所望の向きにコピーすることがで
きるようになる。またコピー用紙の一部にコメントを書
いて残りの部分にフィルム画像(すなわち、透過原稿画
像)Fのコピーをするような場合、そのコメントの向き
に合わせて画像をコピーすることもできるようになる。
【0052】開閉部46は蝶番によってハウジング41
に回動可能に取り付けられるか、あるいはハウジング4
1に着脱自在に取り付けるようになっている。開閉部4
6を開閉自在にすることにより、孔48,49からハウ
ジング41内に小さな異物が侵入したときに容易にこの
異物を取り除くことができるようにしている。このフィ
ルム保持ケース47に保持されるフィルム(透過原稿)
Fには、ネガフィルム又はポジフィルムがある。したが
って、フィルムプロジェクタPはこれらのネガまたはポ
ジの両フィルムに対応することができるようにしてい
る。また、このフィルムプロジェクタPでは、6cm×6
cmや4inch×5inchのサイズの大きなフィルム(透過原
稿)FLを使用する場合、それらの大サイズのフィルム
FLはプラテンガラスA1上に密着するように配置され、
その上にミラーユニットMが配置される。このプラテン
ガラスA1上では拡散透過原稿を使用することが可能で
ある。したがって、フィルムFLは拡散透過フィルム
(拡散透過原稿)を含む。
【0053】第2図に示されているように、ハウジング
41の図において右側面には投影レンズ50を保持する
投影レンズ保持部材51が摺動自在に支持されている。
また、ハウジング41内にはリフレクタ52およびハロ
ゲンランプ等からなる光源ランプ53が投影レンズ50
と同軸の光軸L上に配設されている。ランプ53の近傍
には、このランプ53を冷却するために冷却用ファン5
4が設けられている。更に、ランプ53右方には、この
ランプ53からの光を収束するための非球面レンズによ
り構成された第1コンデンサレンズ55、所定の波長の
光線をカットするための熱線吸収フィルタ56および凸
レンズにより構成された第2コンデンサレンズ57がそ
れぞれ投影レンズ50と同軸の光軸L上に配設されてい
る。
【0054】第2コンデンサレンズ57の右方には、使
用される原稿フィルムFに応じて投影光の特性(分光特
性、拡散特性、投影光束の広がり角等)を補正する複数
の投影光補正部材を支持する補正部材保持部材58が配
置されている。図4,5に示すように、補正部材保持部
材58は、周囲に歯車58aが設けられ、且つ、3個の
円形の補正部材保持孔58b,58c,58dが形成され
た円板により形成されている。前記補正部材保持孔58
b、58cおよび58dにはそれぞれ、投影光補正部材と
してのポジ補正フィルタPF、ネガ補正フィルタNF、
および凹レンズRoが保持されている。
【0055】図5から分かるように、前記各補正部材保
持孔58b、58cおよび58dの内側面には雌ネジが形
成されており、前記ポジ補正フィルタPF、ネガ補正フ
ィルタNF、および凹レンズRo等の投影光補正部材を
支持する円筒部材59の外周面には雄ネジ59aが形成
されている。したがって、前記各投影光補正部材PF、
NF、およびRoは、それを支持する円筒部材59の前
記雄ネジ59aを前記各補正部材保持孔58b、58cお
よび58dの内側面の雌ネジと螺合させることにより、
補正部材保持部材58に着脱自在に保持されるようにな
っている。
【0056】前記ポジ補正フィルタPFは、前記フィル
ム保持ケース47(図2,3参照)にポジフィルムの透
過原稿が装着された場合に使用される投影光補正部材で
あり、カラー調整を行うための複数の色ガラスを重ねて
構成されている。ネガ補正フィルタNFは、前記フィル
ム保持ケース47にネガフィルムの透過原稿が装着され
た場合に使用される投影光補正部材であり、ポジ補正フ
ィルタPFと同様に複数の色ガラスにより構成されてい
る。前記各補正フィルタ(投影光補正部材)PF,NF
の色ガラスの一面には光拡散面が形成されている。この
ように光拡散面を形成することにより、光源を面光源に
広げることができ、ミラーユニットMのフレネルレンズ
(後述)の周期構造が読取信号に影となって重畳する現
象を緩和することができる。なお、前記各補正フィルタ
(投影光補正部材)PF,NFについては、後で詳述す
る。前記凹レンズRoは、前記プラテンガラス(透明な
原稿台)A1上に拡散透過原稿FLを配置した場合に使用
される投影光補正部材である。この凹レンズRoを光路
に挿入することにより、ポジ補正フィルタPFを挿入し
た状態に比べ、分光特性の光量増、拡散面のロスが無く
なること、光束を狭める効果を合わせて大幅な光量アッ
プを達成でき、拡散透過原稿に応じた読取光量を確保で
きる。
【0057】図2,4において、前記補正部材保持部材
58と、その外周に形成された前記歯車58aに噛み合
う歯車減速装置61と、この歯車減速装置61に回転力
を伝達する補正部材交換モータ62と、補正部材保持部
材58の回転位置を検出する第1〜第3位置検出センサ
63〜65と、前記補正部材交換モータ62を制御する
保持部材位置制御装置66とにより、補正部材交換装置
(58〜66)が構成されている。
【0058】図6のフィルムプロジェクタPおよびミラ
ーユニットMの光学系の説明図において、光軸L上に
は、ポジ補正フィルタPFが配置されており、ネガ補正
フィルタNFおよび凹レンズRoが順次配置可能なこと
が示されている。また、図7のフィルムプロジェクタP
およびミラーユニットMの光学系の説明図において、光
軸L上には、凹レンズRoが配置されており、このと
き、プラテンガラスA1上の透過原稿FLを照明する光束
を絞って、照明光量を増加するために、投影レンズ50
の位置を移動させている。これについては、後で詳述す
る。
【0059】前記補正部材交換装置が設けられている理
由は次のとおりである。前述したように、フィルムプロ
ジェクタPに光源ランプ43として一般に用いられてい
るハロゲンランプは、可視光域で赤が強く青が弱いとい
う分光特性を有しているので、フィルム画像の映写光の
R、G、Bの比がアンバランスになってしまう。またネ
ガフィルムの場合、ベースの色がオレンジ色をしている
ため、映写光の色が赤が強く青が弱いという特性が一層
顕著になる。このため、ハロゲンランプによりフィルム
画像を映写した映写光をフィルムの種類に関係なく一律
に読み取ろうとした場合、色によって光量が異なること
から、読取り系のレンジから色によっては逸脱してしま
い、良好な読取りを行うことができなくなる。そこで、
カラーバランスおよび投影光量等を調節する前記補正部
材交換装置が、良好な読取を行うために設けられている
のである。
【0060】図8はポジ補正フィルタPFの透過光の分
光特性を示す図であり、図9はネガ補正フィルタNFの
透過光の分光特性を示す図である。ネガフィルムFをS
/N比良く読み取るためには、ネガのベースフィルムの
オレンジ色とハロゲンランプの青が弱い特性を打ち消
し、カラーバランスの良い分光特性にする必要がある。
そのため、ポジ補正フィルタPFに比べて青の強い特性
をネガ補正フィルタNFに与えている。ネガ補正フィル
タNFは、M30とB410の2種の色ガラスフィルタ
を組み合わせている。元々、青が弱く、赤が強い極端な
特性を打ち消すには、分光特性曲線で左上がりの特性曲
線で補正を行うので、400nm〜500nmの青の領
域の光量のうち、500nmに近い側をもカットする補
正フィルタ(投影光補正部材)にする必要がある。この
結果、カラーバランスを調整するには、光量を残してお
こうとする青の領域の光量をも削ってしまう結果にな
り、トータルの投影光量も減少している。
【0061】これに対して、ポジ補正フィルタPFで
は、ハロゲンランプ53の持つ色温度3000K前後の
青の弱い特性を補正するのみであるので、ネガに比べ
て、厚さの薄いM30とLB200の色ガラスを組み合
わせたものである。さらに、これだけでは、ネガのオレ
ンジ色で透過率の低いベースフィルムを読んだ状態と比
較して、光量が大きすぎるので、ポジのフィルタにND
フィルタを加え、ネガ読取時とポジ読取時の光量のバラ
ンスがとれるようにしている。なお、このように補正フ
ィルタ(投影光補正部材)として、3種類の色ガラスを
組み合わせて使うことで、個々の色ガラスの分光特性が
バラついたときの、全体の特性のバラつきを、各ガラス
の厚みを相互に変えることで、調整することができる。
【0062】このような補正フィルタを使うことによっ
て、複写機Aの反射原稿読取モード(リニアハロゲンラ
ンプを使って、反射原稿を照明するモード)に比べ、S
/N比を良好に読み取ることができ、濃度レンジの大き
い原稿フィルムFに対し、より良好な読取を行うことが
できる。前述のようにして分光特性、拡散特性を補正さ
れた光束は、原稿フィルムFを読み取る透過原稿読取モ
ードでは、ポジ補正フィルタPFおよびネガ補正フィル
タNFと投影レンズ50との間にセットされた原稿フィ
ルムFに照射され、この照明された原稿フィルムFの像
は、投影レンズ50により、約7倍に拡大され、プラテ
ンガラスA1上に像を結ぶようになっている。
【0063】前記図2,3に示すフィルム保持ケース4
7が孔(透過原稿装着部)48または49からハウジン
グ1内に挿入されたとき、このフィルム保持ケース47
に支持された原稿フィルムFは補正部材保持部材58の
右側に隣接して装着される。原稿フィルムFの装着位置
の近傍には、この原稿フィルムFを冷却するためのフィ
ルム冷却用ファン67が設けられている。
【0064】図10は本実施例の原稿読取装置における
レンズ位置調節装置P1の説明図である。図2,10に
おいて、前記投影レンズ保持部材51にはオートフォー
カスセンサ用発光器71および受光器72が支持されて
おり、それらは投影レンズ保持部材51が光軸L方向に
移動するとき一体的に移動する。受光器72は一対の受
光素子72a,72a(図10参照)から構成されてお
り、ハウジングに対して固定支持される原稿フィルムF
と、ハウジング41に対して光軸L方向に移動する投影
レンズ保持部材51との距離が所定値のときに、前記発
光器71から出射してフィルムFで反射した光を等量づ
つ受光するように配置されている。前記投影レンズ保持
部材51上の一対の受光素子72a,72aは、それらの
検出光量が等しいとき、前記原稿フィルムFの投影画像
が前記複写機AのプラテンガラスA1上に結像するよう
に、配置されている。
【0065】投影レンズ保持部材51にはラック73が
取り付けられており、このラック73に噛み合うピニオ
ン74は、焦点調整モータ75によって回転駆動され
る。また、前記焦点調整モータ75の回転動作は、レン
ズ位置制御回路76によって制御される。したがって、
焦点調整モータ75を駆動したとき、回転するピニオン
74と噛み合うラック73およびラック73を取り付け
た投影レンズ保持部材51は、光軸L方向に移動するよ
うになっている。前記符号50,51、71〜76で示
された要素等から本実施例1のレンズ位置調節装置P1
が構成されている。
【0066】次に図10により、前記レンズ位置調節装
置P1のレンズ位置制御回路76について説明する。レ
ンズ位置制御回路76は初期設定では、複写機Aのユー
ザインターフェースUIの操作部材によりフィルムプロ
ジェクタモード(すなわち、透過原稿読取モード、以
下、単に「FPモード」ともいう)が選択されると、自
動的にオートフォーカスモード(以下、単に「AFモー
ド」ともいう)で作動するように構成されている。FP
モード(透過原稿読取モード)が選択された時には前記
発光器71が自動的に点灯する。このFPモードにおい
て、原稿フィルムFが入っているフィルム保持ケース4
7をフィルムプロジェクタPに装着して原稿フィルムF
を所定の位置に正確にセットすると、発光器71からの
光が原稿フィルムFで反射して受光器72の2個の受光
素子72a,72aに入射する。
【0067】2個の受光素子72a,72aはそれぞれ入
射光量に応じた大きさの電圧を発生し、その信号をレン
ズ位置制御回路76の一対の2値化回路77,78およ
び減算回路79に出力する。2値化回路77,78の出
力信号はOR回路81に送られ、このOR回路81が出
力するフィルムセット信号81a(=「1」=「HIG
H」)が一対のAND回路82,83に入力される。
【0068】また、複写機Aから、AF指令信号(オー
トフォーカス指令信号)AFCがAND回路82に入力
されている。AND回路82にAF指令信号AFC(=
「1」)と前記フィルムセット信号81a(=「1」)
とがともに入力されると、AND回路82はモータ駆動
回路84にモータ駆動許可信号82aを出力するように
構成されている。一方減算回路79は、2個の受光素子
72a,72aの信号差を演算し、その差分信号79aを
演算回路85に出力する。差分信号79aが0でない場
合(ピントが合っていない場合)、演算回路85はモー
タ駆動量制御信号85aをモータ駆動回路84に出力す
る。
【0069】モータ駆動回路84は、AND回路82か
らからのモータ駆動許可信号82aにより作動し、モー
タ駆動量制御信号85aに基づいて2個の受光素子72
a,72aからの信号差(すなわち、前記差分信号)79
aが小さくなる方向に焦点調整モータ75を駆動する。
なお、このとき、前記減算回路79からの差分信号79
aは2値化回路86にも入力されており、2値化回路8
6は、ピント不合格信号を86aを出力する。ピント不
合格信号を86aが入力されたAND回路83は、複写
機AにFP状態信号(フィルムプロジェクタ状態信号)
FPC(=「1」)を出力する。
【0070】焦点調整モータ75の駆動により、レンズ
保持部材51が光軸L方向に移動すると、これに連動し
て発光器71および受光器72が光軸L方向に移動す
る。このとき、発光器71および受光器72と原稿フィ
ルムFとの距離が変化するので、発光器71から出射し
て原稿フィルムFで反射する反射光の方向が変化する。
その結果、2個の受光素子72a,72aが受光する反射
光量の差が小さくなるように変化する。そして、2個の
受光素子72a,72aの受光量の差が0になると、演算
回路85はモータ駆動量制御信号85aを出力しなくな
り、モータ駆動回路84は焦点調整モータ75を停止さ
せる。この焦点調整モータ75が停止したとき、すなわ
ち、2個の受光素子72a,72aの検出光量の差が0と
なったとき、ピントが正確に合った状態となる。
【0071】減算回路79からの出力が0になると、2
値化回路86からピント合致信号86bが出力される。
AND回路83は前記ピント合致信号86bとフィルム
セット信号81aとの論理積により複写機AにFP状態
信号(フィルムプロジェクタ状態信号)FPC(=
「0」)を出力する。またOR回路81からのフィルム
セット信号81aにより、ランプ用電源87が作動し、
ランプ13が点灯する。これにより、フィルムプロジェ
クタP内にセットされている前記原稿フィルムFの画像
がミラーユニットMに投影されるようになる。
【0072】前記ランプ用電源87は、前記図2に示す
フィルムプロジェクタPのハウジング41に設けた前記
マニュアルランプスイッチ43によっても作動するよう
に構成されている。また、オートフォーカス/マニュア
ルフォーカス切り換えスイッチ(AF/MF切り換えス
イッチ)44をMF側に切り換えると、焦点調整をマニ
ュアルで行えるように構成されている。焦点のマニュア
ル調整においては、前記ハウジング41上の操作スイッ
チ45a,45bのいずれかを押すと、演算回路85は、
押された方のスイッチに対応して投影レンズ50が移動
するようにモータ駆動量制御信号85aを出力する。こ
のモータ駆動量制御信号85aに基づいてモータ駆動回
路84は焦点調整モータ75を駆動する。操作者は、プ
ラテンガラスA1上に配置した白紙等に映写される原稿
画像を見ながら、ピントが合ったときに、操作スイッチ
45a,45bの操作を解除すれば、焦点調整モータ75
が停止し、投影レンズ50はピントの合った位置にセッ
トされる。
【0073】(K3)ミラーユニットMの構成 次に、図1,2および図11〜13によりミラーユニッ
トMについて説明する。図11は本実施例の原稿読取装
置におけるミラーユニットMの分解斜視図である。図1
2は折り畳んだ状態のミラーユニットMをプラテンガラ
スA1上に載置した状態の説明図で、図12Aは斜視
図、図12Bは前記図12Aの矢印XIIBからみた図で
ある。図13は使用状態のミラーユニットMをプラテン
ガラスA1上に載置した状態の説明図で、図13Aは斜
視図、図13Bは前記図13Aの矢印XIIIBからみた
図である。ミラーユニットMは、ヒンジ91により相対
的に回動可能に連結されたミラー支持枠92およびレン
ズ支持枠93を有している。ミラー支持枠92の下面に
は、ミラー94が支持されている。
【0074】レンズ支持枠93は、前記プラテンガラス
A1上の所定位置に載置される部材であり、その上面は
拡散板アタッチメント装着面93a(図11参照)を形
成している。また、レンズ支持枠93は一側部に2個の
半円状の被位置決め用突起93bが設けられている。そ
して、前記プラテンガラスA1上には前記レンズ支持枠
93の被位置決め用突起93bと嵌合する半円状の位置
決め凹部Daを有する厚さ1mmのシート状の位置決め
部材Dが固定されている。前記ミラーユニットMのレン
ズ支持枠93は、プラテンガラスA1上の所定位置に置
かれた透過原稿(拡散透過原稿を含む)FLの上から、
プラテンガラスA1上の所定位置(前記被位置決め用突
起93bと位置決め凹部Daとが嵌合する位置)に載置さ
れる。前記レンズ支持枠93は、その中央部分にフレネ
ルレンズ95を支持している。前記レンズ支持枠93の
一側部(前記被位置決め用突起93bが設けられた側部
と反対側)には細長いガイド溝96が設けられ、このガ
イド溝96には、前記ミラー支持枠92の一側部に回転
自在に連結されたアーム97の下端部の被ガイドピン9
8がスライド可能に係合している。そして、前記被ガイ
ドピン98が前記ガイド溝96の前記ヒンジ91側の端
部に位置するとき(図13A参照)に、前記レンズ支持
枠93およびミラー支持枠92は所定の角度(例えば、
45度)に保持されるようになっている。
【0075】前記レンズ支持枠93には、前記ヒンジ9
1と反対側の部分に2個の位置決め孔99,99が形成
されている。また、前記レンズ支持枠93は、前記ヒン
ジ91が設けられている側の端部分の厚みが他の部分よ
りも分厚く形成されて、その厚みが変化する部分には段
部が形成されている。前記段部により拡散板アタッチメ
ント位置決め端面100が形成されている。前記符号9
3a,99,100で示された要素から拡散板アタッチ
メント装着部が構成されている。前記拡散板アタッチメ
ント位置決め端面100の高さと同一の厚みを有する拡
散板アタッチメント101は、光を拡散透過させる透過
拡散部分102とその周囲の枠部材103とから構成さ
れている。
【0076】前記拡散板アタッチメント101は、前記
レンズ支持枠93の下側で前記プラテンガラスA1上に
配置された透過原稿FLが拡散透過原稿である場合に使
用する部材である。この拡散板アタッチメント101の
前記枠部材103の一端側部分の下面には、2個の被位
置決めピン104,104(図11参照)が設けられて
いる。この被位置決めピン104が設けられた側と反対
側部分の端面は、前記拡散板アタッチメント位置決め端
面100と当接する被位置決め端面105(図11参
照)として形成されている。また、この拡散板アタッチ
メント101の外形は、前記レンズ支持枠93の厚みの
薄い部分の外形と略同一の長方形に形成されている。し
たがって、この拡散板アタッチメント101を前記レン
ズ支持枠93の厚みの薄い部分上に載置して前記2個の
被位置決めピン104,104を、レンズ支持枠93の
位置決め孔99,99に係合させると、拡散板アタッチ
メント101の前記被位置決め端面105は、前記レン
ズ支持枠93の拡散板アタッチメント位置決め端面10
0に当接して位置決め固定される。
【0077】ところで、前述したように、前記拡散板ア
タッチメント位置決め端面100の高さは拡散板アタッ
チメント101の厚みと同一であり、且つ拡散板アタッ
チメント101の形状はレンズ支持枠93の厚みの薄い
部分(すなわち、拡散板アタッチメント101が載置さ
れている部分)と同一形状である。したがって、前記レ
ンズ支持枠93上に拡散板アタッチメント101を載置
した状態で、前記ミラー支持枠92を回動させて前記拡
散板アタッチメント101上に重ねることができる。こ
の重ねた状態がミラーユニットMの収納状態(図12A
参照)である。したがって、ミラーユニットMを使用し
ない場合は、前記収納状態としておくことができる。
【0078】図12Aは前記ミラーユニットMを折り畳
んだ収納状態でプラテンガラスA1上に設置した場合の
斜視図であり、図12Bは前記図12Aの矢印XIIBか
ら見た図である。図12Aから分かるように、ミラー支
持枠92のヒンジ91側の外側面にはバーコード状パタ
ーン106が印刷されている。前記ミラーユニットMを
折り畳んだ状態で下方(矢印XIIB方向)から見た場
合、図12Bのようであり、前記バーコード状パターン
106はほとんど見えない。
【0079】図13Aは前記ミラーユニットMを開いた
使用状態でプラテンガラスA1上に設置した場合の斜視
図であり、図13Bは前記図13Aの矢印XIIIBから
見た図である。図13Aから分かるように、前記ミラー
ユニットMを開いた使用状態で下方(矢印XIIIB方
向)から見た場合、図13Bのようであり、前記バーコ
ード状パターン106が見える。したがって、前記ミラ
ーユニットMを開いた使用状態でプラテンガラスA1上
の所定位置に設置して、前記複写機Aの露光走査光学系
1(図1,2参照)を所定の位置(ミラーユニットMが
正しい位置にセットされている場合にバーコード状パタ
ーン106が読み取れる位置)に移動させて前記バーコ
ード状パターン106を読み取らせることにより、ミラ
ーユニットMが正しくセットされているか否かを判断す
ることができる。
【0080】前記ミラーユニットMが正しい位置にセッ
トされているか否かを検出するための読取パターンは、
他の画像と区別できる特徴のあるパターンであること、
1ラインの読取でデータ採取できる1次元パターンであ
ることが望ましい。また、ミラーユニットMが180°
回転した向きにセットされていても判断できるように、
左右非対象である方がよい。
【0081】(実施例1の作用)通常の反射原稿を複写
する場合は、前記フィルムプロジェクタPおよびミラー
ユニットMは使用せずに、複写機Aのみで複写を行う。
この場合の作用は従来と同様であるので、説明は省略す
る。次に、フィルムプロジェクタPおよびミラーユニッ
トMを使用して、小サイズ(35mmサイズ)透過型原
稿フィルムFまたは大サイズ(4inch×5inchサイズ)
の透過型原稿フィルムFLの読取を行う場合について説
明する。前記小サイズ(35mmサイズ)の原稿フィル
ムFは、フィルムプロジェクタPに装着して読み取ら
れ、大サイズ(4×5inchサイズ)の透過原稿または拡
散透過原稿FLは、プラテンガラスA1上に載置して読み
取られる。前記フィルムプロジェクタPは通常複写機A
の所定位置に設置されたままであるが、前記ミラーユニ
ットMは使用する度にプラテンガラスA1上の所定位置
に設置しなければならない。前記小サイズの原稿フィル
ムFの読取の際には、ミラーユニットMをプラテンガラ
スA1上の所定位置に設置するだけであるが、前記大サ
イズの透過型原稿フィルムまたは拡散透過原稿FLの読
取の際にはミラーユニットMをプラテンガラスA1上の
透過原稿FLの上から所定位置に設置する必要がある。
【0082】(フィルムプロジェクタPに装着される透
過原稿フィルムFの読取時の作用)図14はユーザイン
ターフェースUIの表示部に表示されるFPモード(透
過原稿読取モード)時のモード選択画面の説明図で、図
14Aは最初のモード選択画面であり、図14Bは前記
図14Aのモード選択画面で拡散シート入り透過原稿読
取モードを選択したときに表示される画面である。図1
5は前記図14Aのモード選択画面で通常のFPモード
(フィルムプロジェクタPに装着した透過原稿フィルム
Fを読み取るモード)が選択された時に実行される読取
前の補正ルーチンの説明図である。
【0083】次にまず、小サイズの透過原稿フィルムF
を読み取る場合について説明する。この場合、拡散板ア
タッチメント101を外したミラーユニットMをプラテ
ンガラスA1上の所定位置に設置する。この状態で、フ
ィルムプロジェクタPに原稿フィルムFを装着せずに、
且つ、ポジ補正フィルタPFを光軸L上に配置した状態
で、ユーザインターフェースUIからFPモード(フィ
ルムプロジェクタモード)を選択すると、図14Aに示
すFPモードのモード選択画面(タッチスクリーン)が
表示される。このモード選択画面で通常のFPモードま
たは拡散シート入り透過原稿読取モードを選択すると、
どちらのモードを選択しても図14Bに示す選択画面が
表示される。図14Bのタッチスクリーン画面で、オペ
レータが指先によりシェーディングを選択すると、AG
C、AOC、シェーディングデータ採取の処理(図15
に示す読取前の補正ルーチン)が自動的に行われる。こ
の補正ルーチンはメインCPUのROMに記憶されたプ
ログラムに従って実行される。
【0084】次に図15の補正ルーチンを説明する。ス
テップST1において、ポジ補正フィルタPFを光路
(すなわち、光軸L上)に挿入する。この処理は前記保
持部材位置制御装置66により前記補正部材交換モータ
62を駆動し、前記補正部材保持部材58の回転位置を
検出する第1〜第3位置検出センサ63〜65を用いて
行う。次にステップST2において、ハロゲンランプ
(投影用光源)53の電圧を下げて点灯する。そして、
露光走査光学系1を投影エリア(ミラーユニットMの下
方位置)に移動する。次にステップST3において、C
CDセンサにより構成されたイメージセンサ7の3色出
力毎に、標準の明るさの原稿フィルム用のアンプゲイン
とオフセットレベルを設定する。
【0085】次にステップST4において、イメージセ
ンサ7の3色出力毎に、暗い原稿フィルム用の高い設定
のAGC28のゲインとAOC32のオフセットレベル
を3段階設定する。すなわち、濃度の高い原稿フィルム
Fに対応するため、予め記憶させているゲインの設定特
性を元にして、1.4倍、2倍、2.8倍の高ゲインの設
定を決め、このゲイン設定に合わせたオフセットレベル
の設定を行う。なお、ここで設定した4段階のゲイン
(1.0倍、1.4倍、2.0倍、2.8倍)およびオフセ
ットレベルは、実際の透過原稿読取時に、原稿フィルム
に合わせて選択されることになる。ゲインおよびオフセ
ットレベルの選択は、原稿フィルムが装着されたとき、
前走査によりフィルムの濃度測定を行い、原稿フィルム
の明暗に応じて行う。
【0086】次にステップST5において、イメージセ
ンサ7の3色出力毎に、原稿フィルムF,FLが置かれ
ていない標準状態で、シェーディング補正用の明補正用
データを採取し、ラインメモリ29(図2参照)に記憶
させる。
【0087】次に、フィルムプロジェクタPに原稿フィ
ルムFを装着すると、フィルムプロジェクタのフィルム
検出センサがによりレンズ位置調節装置のオートフォー
カスモードが自動的に作動する。すなわち、FPモード
(透過原稿読取モード)が選択された時には前記発光器
71が自動的に点灯し、発光器71からの光が原稿フィ
ルムFで反射して受光器72の2個の受光素子72a,
72aに入射する。そして、2個の受光素子72a,72
aの受光量が等しくなるように、前記投影レンズ50を
保持する投影レンズ保持部材51が光軸L方向に移動調
節される。そして、前記2個の受光素子72a,72aの
受光量が等しくなると、焦点が合ったものとして、前記
投影用光源としてのハロゲンランプ53が点灯する。
【0088】この状態でユーザインターフェースUIの
種類選択キーにより原稿フィルムFの種類(ネガまたは
ポジ)を指定すると、自動的に前記補正部材保持部材5
8が回転して前記指定した原稿フィルムの種類に対応し
たポジ補正フィルタPFまたはネガ補正フィルタNFが
光軸L上に移動する。そこで、複写機Aのユーザインタ
ーフェースUIのコピースタートキーを押すと、前記原
稿フィルムFの読取が開始される。このとき、前記フィ
ルムプロジェクタPに装着された原稿フィルムFに対応
した投影光補正部材(ポジまたはネガ補正フィルタPF
またはNF)により分光特性、拡散特性を補正された光
束により照明された原稿フィルムFの投影光は、投影レ
ンズ50により拡大されて、フレネルレンズ95下側の
プラテンガラスA1上に像を結ぶ。
【0089】このときの投影レンズ50と、原稿フィル
ムFおよびプラテンガラスA1との距離は図6に示す寸
法となるように設定されている。図6において、投影レ
ンズ50と原稿フィルムFとの距離は126mm、投影
レンズ50とプラテンガラスA1との距離は882mm
である。このため、原稿フィルムFは、7(=882/
126)倍に拡大されることになる。この原稿フィルム
Fの拡大像は、前記露光走査光学系1でイメージセンサ
7の各色毎に設けられたラインセンサ7R,7B,7Cに
より読み取られ、前記信号処理部S(図1参照)のAG
C(ゲイン調整回路)28、AOC(オフセット調整回
路)32でゲインおよび信号レベルが調整されて、シェ
ーディング補正回路36でシェーディング補正される。
シェーディング補正された原稿フィルムFの画像読取信
号は、IPSでデータ処理(例えば、ENL変換(等価
中性明度変換)、UCR(下色除去)、TRC(色調補
正制御)等)されてから、前記IOTのレーザ駆動回路
11(図1参照)に出力される。
【0090】(拡散透過原稿読取の場合の作用)次にプ
ラテンガラスA1上に拡散透過原稿FLを配置した場合に
ついて説明する。前記拡散透過原稿FLの読取時にはフ
ィルムプロジェクタPから出射する照明光量が大きいの
で、アイハザードの問題点が生じる。すなわち、前記ミ
ラーユニットMがプラテンガラスA1上の正しい位置に
正しい姿勢で設置されていな場合には、前記フィルムプ
ロジェクタPから出射する大光量の投影光がミラーユニ
ットMに入射せずに隣接場所に居る人に投影されるおそ
れがある。このため、拡散透過原稿FLの読取の場合に
は、AGC28のゲイン、AOC32のオフセットレベ
ル、シェーディング補正回路36で使用するデータ採取
等の前に、ミラーユニットMの位置および姿勢のチェッ
クを行う。拡散板アタッチメント101を装着したミラ
ーユニットMをプラテンガラスA1上の所定位置に設置
した状態で、ユーザインターフェースUIからFPモー
ド(フィルムプロジェクタモード)を選択すると、図1
4Aに示すFPモードのモード選択(タッチスクリーン
画面)画面が表示される。このモード選択画面で拡散シ
ート入り透過原稿読取モードを選択すると、図14Bの
画面となる。ここでシェーディングを選択すると、シェ
ーディング補正用データ等の採取に先立って、図16に
示すミラーユニットMのセット状態チェックルーチンを
実行する。
【0091】図16に示すミラーユニットMのセット状
態チェックルーチンはメインCPUのROMに記憶され
たプログラムに従って実行される。図16のステップS
T11において、拡散シート入りの透過原稿読取モードで
のシェーディング補正が選択されたか否か判断する。ノ
ー(N)の場合はステップST11を繰り返し実行する。
イエス(Y)の場合は次のステップST12に移る。ステ
ップST12において、ミラーユニットMの下方の所定位
置で、反射原稿用のランプ2を点灯し、バーコード状パ
ターン106を読み取る。次にステップST13におい
て、バーコード状パターン106が有ったか否か判断す
る。ノー(N)の場合はステップST14に移る。ステッ
プST14において、ミラーユニットMが正しくセットさ
れていないことを警告するメッセージをユーザインター
フェースUIの表示部に表示する。すなわち、前記図1
4Bの表示画面の上部に警告メッセージを付加して、前
記図14Bの「取消し」または「シェーディング」のい
ずれかが選択されるのを待つ。すなわち、前記ステップ
ST11の前に戻る。
【0092】ステップST13においてイエス(Y)の場
合はステップST15に移る。ステップST15において、
ユーザインターフェースUIの表示部に表示されている
警告メッセージを消す。拡散シート入り透過原稿読取モ
ードでは、後述するように、フィルムプロジェクタPか
らの出射光量が、前記フィルムプロジェクタPに装着す
る原稿フィルムFの読取の場合に比べて50倍となって
いる。このため、投影光束が周囲の人に照射されるとア
イハザードの問題が生じる。しかしながら、本実施例で
は、前述のステップST12〜ステップST14により、ミ
ラーユニットMを確実に正確な位置に正確な姿勢(ミラ
ーユニットが開かれた状態)でセットできるので、フィ
ルムプロジェクタPからの出射光は、ミラーユニットM
によりプラテンガラスA1下方に向けられる。このた
め、大光量の投影光が周囲の人に照射されることはな
い。
【0093】前記図16に示すミラーユニットMのセッ
ト状態チェックルーチンに続いて、図17に示す読取前
の補正ルーチンが実行される。次に、ステップST16〜
ステップST26の読取前の補正ルーチンについて説明す
る。ステップST16において、ユーザインターフェース
UIの表示部において、拡散板アタッチメント101を
前記フレネルレンズ95の上側に装着すること、およ
び、装着完了入力スイッチ(図示せず)を表示するとと
もに装着完了ならば前記装着完了入力スイッチの表示部
分を選択する(タッチする)ことを指示する。次にステ
ップST17において、拡散板アタッチメント101の装
着が完了したか否か判断する。この判断は前記装着完了
入力スイッチの表示部分が選択(タッチ)されたか否か
により判断する。ノー(N)の場合は前記ステップST
16に戻り、イエス(Y)の場合は次のステップST18に
移る。前記ステップST16,ST17において、拡散板ア
タッチメント101の装着を確実に行うようにしている
が、その理由を次に説明する。
【0094】拡散シート入り透過原稿読取モードでは、
前記投影光補正部材として、ポジ補正フィルタPFまた
はネガ補正フィルタNFの代わりに、読取光量を大幅に
アップさせるために、凹レンズRoを使用する。このた
め、前記各フィルタPFおよびNFを構成する色ガラス
の表面には拡散処理が施されていたのに、凹レンズRo
には拡散処理が施されていない。この場合、次の問題点
が発生する。すなわち、 問題点(a):フレネルレンズ95の周期構造の影が読
取画像に重畳する。 問題点(b):投影光が拡散光でなくなったために、指
向性が強くなり、拡散シート入り透過原稿を読み取る
際、キメの粗い拡散シートで拡散され、前述した読取画
像の粒状性の悪さがさらに悪くなる。 問題点(c):拡散シート入り透過原稿はほとんどの場
合ポジフィルムであるが、拡散シート入り透過原稿読取
モード時にポジ補正フィルタPFを光路から退避させた
ことで、投影光色が変化し、また照明光量の分布状態も
変化する。このため、ポジ補正フィルタPFを入れた状
態を基準とした読取を行うと、ゲイン調整によるカラー
バランス補正、シェーディング補正等が適切に行えなく
なる。
【0095】前記ステップST16,ST17において、拡
散板アタッチメント101の装着を確実に行うことによ
り、拡散透過原稿FLを照射する投影光の指向性がなく
なるため、フレネルレンズ95の周期構造の影響を除去
することができる。すなわち、前記問題点(a)を解決
することができる。また、前記拡散透過原稿(拡散シー
ト入り透過原稿)FLを読み取った際の、読取粒状性の
悪化は拡散シートのキメの粗さと投影光の指向性により
生じるが、前記拡散板アタッチメント101の装着を確
実に行うことにより、読取粒状性を改善することができ
る。すなわち、前記問題点(b)を解決することができ
る。次にこの理由を図20,21により説明する。
【0096】図20において、フィルムプロジェクタP
から出射した投影光の指向性が強いため、拡散シート入
り透過原稿FLに入っている拡散シートの粒子には、限
られた方向から光が入射するので、散乱される光の方向
は、マクロに見るとランダムだが、個々の粒子による散
乱光の方向は限られた方向となっている。このため、粒
子毎の散乱光が、結像レンズ6に入射するかしないかに
よって、大きな粒状性の差が生じてしまう。しかも読取
のフォーカスがその拡散面に合っているので、ここでの
粒子単位の光量の大小が粒状性の悪さとして現れてしま
う。
【0097】しかし、図21に示すように、拡散板アタ
ッチメント101を置くことにより、フィルムプロジェ
クタPから出射する指向性の強い投影光は、拡散板アタ
ッチメント101により拡散され、指向性の弱い光に変
えられる。これにより、拡散シート入り透過原稿FL
は、指向性の低い様々な方向の光により照明される。こ
のため、拡散シート入り透過原稿FLの拡散シートの1
つの粒子には様々な方向からの光が当たり、この粒子に
より2次散乱された散乱光の方向は比較的方向性がな
く、一様に近くなる。このため、散乱光のうち、結像レ
ンズ6に到達する光の割合は、各粒子毎の差がなくな
り、読取粒状性が改善される。すなわち、前記問題点
(b)が解決される。なおこの際、拡散板アタッチメン
ト101の拡散特性は、拡散シート入り透過原稿の拡散
シートと同程度の強さが良い。拡散性が弱いと、拡散シ
ートでの2次散乱の方が強く、粒状性の悪化が起こって
しまう。また、拡散性が強いと、光量の低下が著しくな
ってしまう。
【0098】次に、前記ステップST16,ST17で拡散
板アタッチメント101を確実に装着してから、後述の
ステップST23〜ST25を行うことにより、前記問題点
(c)が解決できることを説明する。前記問題点(c)を
解決するためには、前記ポジ補正フィルタを投影光路か
ら退避させて、凹レンズRoを投影光路に挿入した状態
での、投影光色により、シェーディングデータの採取、
AGC28のゲインの調整を行えば良い。しかし、拡散
シート入り透過原稿読取モードでの投影光量はフィルム
プロジェクタP内に装着した原稿フィルムFの読取時の
100倍程度強くなっているので、通常ではイメージセ
ンサ7の出力が飽和してしまう。また、拡散シート入り
透過原稿を入れることで、光量が1/100以下に下が
ってしまうので、拡散シートが入っていない状態でシェ
ーディング補正データの採取をしても意味がなくなる。
【0099】ところで、本実施例の投影光学系の中に、
拡散部材が入ることによる読取光量低下の原因は、前述
したように、プラテンガラスA1上の拡散シート入り透
過原稿で拡散された光束の結像レンズ6に入射する割合
が減少するためである。したがって、プラテンガラスA
1上に拡散部材が1枚入った場合と2枚入った場合とで
の結像レンズ6への入射光量の変化は少ない。したがっ
て、プラテンガラスA1上側において、拡散板アタッチ
メント101のみが入った状態と、拡散板アタッチメン
ト101および拡散シート入り透過原稿の両方が入った
場合とでは、結像レンズ6への入射光量の差はさほど大
きくない。このため、拡散シート入り透過原稿読取モー
ドにおいて、拡散板アタッチメント101を常に挿入し
ておくことにより、拡散シート入り透過原稿の有無にか
かわらず、比較的同じような光量での読取が可能であ
る。
【0100】したがって、拡散板アタッチメント101
を挿入している状態で、補正ルーチンを実施し、カラー
バランスおよび光量分布に合わせたAGC28のゲイン
の決定およびシェーディングデータの採取を行い、それ
らのデータを使って、拡散板アタッチメント101と拡
散シート入り透過原稿の双方が投影光路に入った状態で
の原稿読取を行えば、投影光補正部材としてのポジ補正
フィルタPF等の無い状態での、投影光の青成分が弱い
状態に合わせたカラーバランス補正を行った読取を行う
ことが可能となる。
【0101】この場合、投影光のカラーバランスの違い
は、RGBの各々の色の読取信号を増幅する各AGC2
8のゲインの設定により吸収することになる。すなわ
ち、投影光補正部材として、凹レンズを使用した場合、
B(青)の光量はR(赤)、G(緑)の光量の1/2程
度となるので、B(青)のAGC28のゲインをR,G
のAGC28のゲインの2倍に設定する。このように、
青のゲインを高めに設定するため、ゲインの調整範囲が
狭くなるので、高い設定のアンプゲインは1.4倍の1
段階のみとする。イメージセンサ7のB(青)の出力は
1/3程度となるためBのS/N比が悪くなるが、反射
原稿読取の際には、リニアハロゲンランプを使って青成
分の少ないカラーバランスで読取を行っているし、Bの
出力はコピー出力のY(黄色)画像に対応するので、青
信号のノイズが増えても、ノイズの影響は比較的軽微で
ある。また、拡散シート入りの透過原稿は、ほとんどが
ポジであるため、前述したネガ・ポジ変換でのS/N比
の悪化の心配は少なく、よって、この青成分の弱い光色
でも、そこそこの読取画質は維持できる。すなわち、前
記ステップST16,ST17において、拡散板アタッチメ
ント101の装着を確実に行うことにより、実際の原稿
読取時に合わせたカラーバランス補正を行うことが可能
となるので、前記問題点(c)を解決することができ
る。
【0102】前記ステップST16,ST17で拡散板アタ
ッチメント101を確実に装着してから、次のステップ
ST18において反射原稿用ランプを消灯する。次のステ
ップST19においてフィルムプロジェクタP内に原稿フ
ィルムFが無いか否か判断する。この判断は、前記レン
ズ位置調節装置P1のオートフォーカス機構を用いて行
う。すなわち、前記発光器71を点灯し、発光器71か
らの光が原稿フィルムFで反射して受光器72の2個の
受光素子72a,72aに等しい量で入射するか否かを判
断する。もし、2個の受光素子72a,72aの受光量が
等しくなったとすれば、フィルムプロジェクタP内に原
稿フィルムFが有るということになり、前記受光量が等
しくならなければ原稿フィルムFが無いということにな
る。ステップST19において、ノー(N)の場合(すな
わち、原稿フィルム有りの場合)はステップST20に移
る。ステップST20において、ユーザインターフェース
UIの表示部に、フィルムプロジェクタP内の原稿フィ
ルムFを除去することを指示する。それから、前記ステ
ップST11に戻る。
【0103】次に前記ステップST19,ST20の処理を
行う理由を説明する。前述のフィルムプロジェクタP内
に装着された原稿フィルムFを読み取る場合のように、
前記投影光路中に配置された補正部材保持部材58に、
ポジ補正フィルタPFまたはネガ補正フィルタNFが挿
入されている場合には、前記フィルタPFまたはNFに
よって投影光量が1/50に減少する。このため、その
右側に原稿フィルムFが挿入されていても、原稿フィル
ムFが熱により損傷することはない。ところが、この拡
散シート入りの透過原稿読取モードでは、補正部材保持
部材58に保持された投影光補正部材PF,NF,Ro
のうち、凹レンズRoが投影光路に挿入して使用され
る。この場合に原稿フィルムFが投影光路中に有ると、
原稿フィルムFに通常の50倍の光量が入射することに
なり、熱により損傷を受ける。前記ステップST19,S
T20は前記熱による原稿フィルムFの損傷を避けるた
め、すなわち、原稿フィルムFの保護のために行うので
ある。
【0104】前記ステップST19においてイエス(Y)
の場合は、次のステップST21に移る。ステップST21
において、凹レンズ(投影光補正部材)Roを投影光路
に移動させる。そして、投影レンズ50を前方に移動さ
せる。すなわち、通常は図6に示す位置に配置されてい
る投影レンズ50を57mm前方に移動させて図7に示
す位置に移動する。このステップST21は、プラテンガ
ラスA1上にセットした拡散シート入り透過原稿FLを読
み取る場合、それを照明する投影光束が拡散されてしま
い、読取光量が非拡散透過原稿FLの場合の約1/10
0に低下するので、読取光量を増加させるために実行す
る。ここで、前記プラテンガラス上に非拡散透過原稿F
Lを置く場合に比べて拡散シート入り透過原稿FLを置い
た場合に読取光量が1/100に低下する理由を説明す
る。図19は、プラテンガラスA1上に置かれたフレネ
ルレンズ95による結像光束の集光の様子を示す。フィ
ルムプロジェクタPからの投影光束は、プラテンガラス
A1上に置かれたフレネルレンズ95により、偏向さ
れ、露光走査光学系1の結像レンズ6の開口に集光さ
れ、イメージセンサ7に結像される。
【0105】しかし、ここでプラテンガラスA1上に拡
散透過原稿FL等の拡散性部材が有った場合、図20に
示すように、その拡散性部材によって投影光束が広い立
体角にわたって拡散する。このため、結像レンズ6の開
口には極一部の光しか到達せず、読取光量が、拡散性部
材の無い場合に比べて約1/100になるのである。そ
こで、前記拡散シート入り透過原稿FLを読み取る場
合、前記光量低下を補うために、拡散シート入りの透過
原稿読取モードにおいて、拡散透過原稿FLを照明する
投影光量を約100倍増加させる必要がある。この10
0倍の光量差は、絞りで調整するには、7絞り強にもな
り、元々の投影レンズ50がF2.8程度なので、7絞
りも開けることは不可能である。また、光源のハロゲン
ランプ53の印加電圧により光量を調整する場合には、
4.5倍も印加電圧を上げる必要があり、これは、実用
的ではない。
【0106】ところで、前記分光特性、拡散特性等の補
正のために一般に使用されている投影光補正部材として
のポジ補正フィルタPFは、緑の光量で1/15〜1/
20カットしており、且つ、ポジ補正フィルタPFの拡
散面で光量が約1/3にカットされている。すなわち、
投影光量は前記ポジ補正フィルタPFによって約1/5
0になっている。したがって、このポジ補正フィルタP
Fを光軸Lから退避させて、そのまま透過させれば、拡
散板アタッチメント101に投影される光量を50倍増
加させることができる。
【0107】さらに、前述のオートフォーカス装置に使
っている投影レンズ50の前後移動機能を使って、投影
レンズ50を図6に示す位置から57mm前方の図7示
す位置に移動させることにより、投影倍率を小さくし、
投影光束が照射する面積を絞ることにより、単位投影面
積当たりの光量を増加させることができる。この際、投
影レンズ50が前方に移動することにより、コンデンサ
レンズ55,57の集光目標位置が変わるが、前記投影
光補正部材として、凹レンズRoを入れて集光位置を調
節することができる。すなわち、図7に示すように、投
影レンズ50を57mm前方に移動させて、その投影レ
ンズ50の光入射面に、前記凹レンズRoを通過した投
影光を集光させる。この場合、凹レンズRoによる投影
光束の曲がりを無視すれば、拡散シート入り透過原稿F
Lの位置における投影光束の直径の比は、投影レンズ5
0の移動前が、7:1(882:126、図6参照)に
対して、投影レンズ50の移動後が、4.5:1(82
5:183、図7参照)となる。この場合、投影光束の
面積が1/2.4となり、光量は2.4倍に増加する。実
際には結像レンズ6の入射瞳によりケラレる光束もある
が、2倍程度までは増加する。
【0108】こうして、ポジ補正フィルタPFが入った
モードに比べて、100倍の光量増加が達成でき、拡散
透過原稿(拡散シート入りの透過原稿)FLを読み取る
のに十分な光量レベルを達成できる。つまり、拡散シー
ト入りの透過原稿読取モードが選択された場合、投影光
補正部材として配置された透明な凹レンズRoを投影光
路に挿入し、投影レンズ50の位置を光源のハロゲンラ
ンプ53から遠ざける方向に移動させることにより(す
なわち、前記ステップST21の処理により)、通常のポ
ジフィルム読取時に比較して100倍の光量を得ること
ができる。
【0109】次にステップST22において、読取フィル
ムに合わせた光学調整幅を残すためランプ電圧を下げた
状態で点灯する。そして、露光走査光学系1を投影エリ
ア(ミラーユニットMの下方位置)に移動する。次にス
テップST23において、CCDセンサの3色出力毎に、
標準の明るさの原稿フィルム用のAGC28のゲインと
AOC32のオフセットレベルを設定する。なお、ゲイ
ンが大き過ぎまたは小さ過ぎの場合は、ハロゲンランプ
53の設定電圧を5%(光量にして15%)程度増減さ
せてゲインの設定を行う。このときのハロゲンランプの
設定電圧、ゲイン、およびオフセット値はIPSCPU
のNVM(不揮発性メモリ)に記憶される。次にステッ
プST24において、イメージセンサ7の3色出力毎に、
暗い原稿フィルム用の高い設定のAGC28のゲインと
AOC32のオフセットレベルを1段階設定する。すな
わち、濃度の高い原稿フィルムFに対応するため、予め
記憶させているゲインの設定特性を元にして、1.4倍
の高ゲインの設定と、このゲイン設定に合わせたオフセ
ットレベルの設定を行う。なお、ここで設定したゲイン
およびオフセットレベルは、実際の透過原稿読取時に、
原稿フィルムに合わせて選択されることになる。これに
ついては後述する。
【0110】次にステップST25において、CCDセン
サにより構成されたイメージセンサ7の3色出力毎に、
拡散透過原稿FLも何もおかれていない標準状態で、シ
ェーディング補正用の明補正用データを採取する。次に
ステップST26において、前記採取した明補正データ
を、ラインメモリ29に記憶させる。
【0111】次に図18に示すステップST31におい
て、コピーができるようになったことをユーザインター
フェースUIに表示する。この表示は例えば、図14A
の表示部分「拡散シート入り透過原稿読取モード」を反
転表示した表示により行う。次にステップST32におい
て、コピースタートキーがONされたか否かを判断す
る。ノー(N)の場合はステップST32を繰り返し実行
する。すなわち、コピー待ち状態に入る。この状態でユ
ーザが拡散シート入り透過原稿FLをミラーユニットM
の下側のプラテンガラスA1上にセットした状態でユー
ザインターフェースのコピースタートキーを押すと、前
記ステップST32においてイエス(Y)となる。イエス
(Y)の場合は次のステップST33に移る。
【0112】ステップST33においてミラーユニットM
の前記バーコードを読取る。次にステップST34におい
てミラーユニットMの設定位置が正しいか否か判断す
る。ノー(N)の場合はステップST35においてユーザ
インターフェースUIに警告メッセージ(ミラーユニッ
トMの位置が正しく設定することを指示するメッセー
ジ)を表示してから、前記ステップST33に戻る。前記
ステップST34においてイエス(Y)の場合は次のステ
ップST36において前記警告メッセージを消してからス
テップST37に移る。
【0113】ステップST37において、コピーに先だっ
て自動濃度調整のための画像のサンプリングのための走
査(A/Eスキャン)を行う。次に、ステップST38に
おいて、前記A/Eスキャンの結果により、前記原稿に
合わせたゲインおよびオフセットレベルの選択が行われ
る。次にステップST39において、拡散透過原稿FLに
合わせて投影光量、AGC28のゲインおよびAOCの
オフセットレベルが調節された状態でのコピーが実行さ
れる。
【0114】(実施例2)次に、図22により本発明の
実施例2の原稿読取装置について説明する。図22は本
発明の実施例2の原稿読取装置におけるミラーユニット
Mの分解斜視図で、前記実施例1の図11に対応する図
である。なお、この実施例2の説明において、前記実施
例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付
して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下
記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前
記実施例1と同様に構成されている。 (S01)この実施例2の原稿読取装置は、ミラーユニッ
トMの構成が実施例1と相違している。すなわち、この
実施例2ではミラーユニットMのレンズ支持枠93に、
前記実施例1の2個の位置決め孔99の代わりに長方形
の位置決め孔99′が形成されている。また、拡散板ア
タッチメント101の枠部材103の一端側部分の下面
に、前記実施例1の2個の被位置決めピン104,10
4の代わりに長方形の位置決め突起104′が設けられ
ている。前記長方形の位置決め孔99′と位置決め突起
104′とは嵌合する形状を有している。また、前記実
施例1では、ミラー支持枠92のヒンジ91側の外側面
にバーコード状パターン106が印刷されていたのに対
し、この実施例2では、ヒンジ部分に加え前記位置決め
突起104′の下面にもバーコード状パターン106′
が印刷されている。
【0115】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01) 前記実施例1のバーコード状パターン106
および実施例2のバーコード状パターン106′を同時
に使用することが可能である。その場合、バーコード状
パターン106によってミラーユニットMの位置および
姿勢を検出することができ、バーコード状パターン10
6′によって拡散板アタッチメント101の装着を検出
することが可能である。
【0116】
【発明の効果】前述の本発明の原稿読取装置は、下記の
効果を奏することができる。 (E01)フィルムプロジェクタの透過原稿を照明する投
影用光源からの出射光量を増加させることなく、透明な
原稿台上に配置した拡散透過原稿を照明する投影光量を
大幅に増加させることができる。 (E02)拡散シートと一体にパッケージされた拡散透過
原稿の、拡散シートに起因する読取画質の粒状性の悪さ
を改善することができる。 (E03)ミラーユニットが所定の位置にセットされたこ
とを検出することができるので、フィルムプロジェクタ
からの出射光をミラーユニットMに投影することができ
るようになり、アイハザードの問題の発生を少なくする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1の原稿読取装置Uの
全体説明図である。
【図2】 図2は同実施例1の主要部の説明図である。
【図3】 図3は同実施例1のフィルムプロジェクタの
斜視図である。
【図4】 図4は同実施例1における投影光補正部材お
よびそれを保持する補正部材保持部材の説明図である。
【図5】 図5は前記図4のV−V線断面の説明図であ
る。
【図6】 図6は同実施例1におけるフィルムプロジェ
クタおよびミラーユニットの光学系の説明図で、フィル
ムプロジェクタに装着した透過原稿フィルムを読み取る
状態を示す図である。
【図7】 図7は同実施例1におけるフィルムプロジェ
クタおよびミラーユニットの光学系の説明図で、ミラー
ユニット下側に配置した拡散透過原稿を読み取る状態を
示す図である。
【図8】 図8はポジ補正フィルタPFの透過光の分光
特性を示す図である。
【図9】 図9はネガ補正フィルタNFの透過光の分光
特性を示す図である。
【図10】 図10は本実施例の原稿読取装置における
レンズ位置調節装置の説明図である。本発明のXの一実
施例が組み込まれた…装置の全体図である。
【図11】 図11は本実施例の原稿読取装置における
ミラーユニットMの分解斜視図である。
【図12】 図12は折り畳んだ状態のミラーユニット
MをプラテンガラスA1上に載置した状態の説明図で、
図12Aは斜視図、図12Bは前記図12Aの矢印XII
Bからみた図である。
【図13】 図13は使用状態のミラーユニットMをプ
ラテンガラスA1上に載置した状態の説明図で、図13
Aは斜視図、図13Bは前記図13Aの矢印XIIIBか
らみた図である。
【図14】 図14はユーザインターフェースUIの表
示部に表示されるFPモード(透過原稿読取モード)時
のモード選択画面の説明図で、図14Aは最初のモード
選択画面であり、図14Bは前記図14Aのモード選択
画面で拡散シート入り透過原稿読取モードを選択したと
きに表示される画面である。
【図15】 図15は前記図14Aのモード選択画面で
通常のFPモード(フィルムプロジェクタPに装着した
透過原稿フィルムFを読み取るモード)が選択された時
に実行される読取前の補正ルーチンの説明図である。
【図16】 図16は、前記図14Bの画面でシェーデ
ィングを選択した場合に、シェーディング補正用データ
等の採取に先立って、実行されるミラーユニットMのセ
ット状態チェックルーチンを示す図である。
【図17】 図17は前記図16に示すミラーユニット
Mのセット状態チェックルーチンに続いて実行されるプ
ラテンガラスA1上の原稿読取前の補正ルーチンを示す
である。
【図18】 図18は前記図17の補正ルーチンに続い
て実行されるコピールーチンを示す図である。
【図19】図19は、プラテンガラスA1上に置かれた
フレネルレンズ95による結像光束の集光の様子を示す
図である。
【図20】 図20は拡散板アタッチメント101が無
い場合に、指向性の強い投影光が拡散シート入り透過原
稿に入っている拡散シートの粒子により散乱される光の
方向が限られた方向となることを説明する図である。
【図21】 図21は拡散板アタッチメント101を置
いた場合に、拡散板アタッチメント101により指向性
を弱められた投影光が拡散シート入り透過原稿の拡散シ
ートの各粒子により2次散乱され、その散乱光の方向が
比較的方向性がなく、一様に近くなることを説明する図
である。
【図22】 図22は本発明の実施例2の原稿読取装置
におけるミラーユニットMの分解斜視図で、前記実施例
1の図11に対応する図である。
【符号の説明】
A…反射原稿読取装置(複写機)、A1…透明な原稿台
(プラテンガラス)、F…透過原稿(原稿フィルム)、
FL…透過原稿(拡散シート入り透過原稿)、M…ミラ
ーユニット、P…フィルムプロジェクタ、P1…レンズ
位置調節装置、Ro…凹レンズ、U…原稿読取装置、
(PF,NF,Ro)…投影光補正部材、2…反射原稿
証明装置(反射原稿照明用光源)、6…結像レンズ、7
…イメージセンサ、50…投影レンズ、53…投影用光
源(ハロゲンランプ)、58…補正部材保持部材、(5
8,61〜66)…補正部材交換装置、94…ミラー、
95…フレネルレンズ、101…拡散板アタッチメン
ト、(93a,99,100)…拡散板アタッチメント
装着部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする原
    稿読取装置、(Y01)照明光を反射する反射原稿が下向
    きに載置される透明な原稿台ならびにこの原稿台の下方
    に配置された反射原稿照明装置及び前記原稿の反射光を
    イメージセンサに結像させる結像レンズを有する反射型
    原稿読取装置、(Y02)透過原稿を着脱自在に装着可能
    な透過原稿装着部、この透過原稿装着部に装着された透
    過原稿を照明する投影用光源、この投影用光源および前
    記透明原稿装着部の間に配置されて前記投影用光源から
    出射する投影光の特性を補正する投影光補正部材を複数
    保持する補正部材保持部材、前記複数の投影光補正部材
    のうちの選択された所定の1個の投影光補正部材を前記
    投影光の光路中に移動させる補正部材交換装置、および
    前記透過原稿の像の投影を行う投影レンズを有するフィ
    ルムプロジェクタ、(Y03)前記原稿台上に着脱自在に
    載置されるとともに、前記フィルムプロジェクタから出
    射する投影光を下方に反射するミラー、このミラーの反
    射光を前記反射原稿読取装置に向けて収束させるフレネ
    ルレンズを有し、前記フレネルレンズおよび原稿台の間
    に透過原稿を配置可能に構成されたミラーユニット、
    (Y04)前記原稿台上に配置された拡散透過原稿の読取
    りが可能な光量が得られ且つ他の投影光補正部材に比べ
    て数10倍の透過光量が得られる1つの光透過率の高い
    投影光補正部材を有する前記複数の投影光補正部材。
  2. 【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の原稿読取装置、(Y05)前記投影レンズの
    光軸方向の位置を調節するレンズ位置調節装置を有する
    前記フィルムプロジェクタ、(Y06)1つの投影光補正
    部材が凹レンズにより構成された前記複数の投影光補正
    部材。
  3. 【請求項3】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1または2記載の原稿読取装置、(Y07)前記フレ
    ネルレンズの上側に着脱自在に装着される拡散板アタッ
    チメントを有する前記ミラーユニット、
  4. 【請求項4】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか記載の原稿読取装置、(Y08)前
    記イメージセンサの読取信号のゲイン調整回路のゲイン
    を設定する手段、(Y09)被拡散性の透過原稿を読み取
    る通常の透過原稿読取モードと拡散透過原稿読取モード
    とを選択可能な読取モード選択手段、(Y010)前記拡
    散透過原稿読取モードが選択されたときに前記ゲイン調
    整回路のゲインを再設定する手段。
  5. 【請求項5】 照明光を反射する反射原稿が下向きに載
    置される透明な原稿台ならびにこの原稿台の下方に配置
    された反射原稿照明装置及び前記原稿の反射光をイメー
    ジセンサに結像させる結像レンズを有する原稿読取装置
    において、下記の要件を備えたことを特徴とする原稿読
    取装置、(Y011)前記透明な原稿台上の所定の位置に
    位置決め載置される光学部材の側縁が当接する、前記光
    学部材の側縁位置決め部材。
  6. 【請求項6】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項5記載の原稿読取装置、(Y012)位置決め載置さ
    れた光学部材が前記透明な原稿台上の所定の位置に設置
    されたか否かを検出する光学部材装着状態検出手段。
  7. 【請求項7】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項6記載の原稿読取装置、(Y013)位置決め載置さ
    れた光学部材の前記下方の原稿読取装置に面する所定部
    分に設けられた位置検出パターンが所定位置で読取れる
    か否かにより、前記光学部材が前記透明な原稿台上の所
    定の位置に使用状態で設置されたか否かを検出する光学
    部材装着状態検出手段。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7564599B2 (en) 2006-07-18 2009-07-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Image scanning apparatus, image forming apparatus and image scanning method
JP2013117616A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Sharp Corp 光走査装置、及び画像形成装置
US8953010B2 (en) 2011-12-02 2015-02-10 Sharp Kabushiki Kaisha Light scanning device and image forming apparatus

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JP2013117616A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Sharp Corp 光走査装置、及び画像形成装置
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