JPH08170295A - 耐熱シ−ト - Google Patents

耐熱シ−ト

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Publication number
JPH08170295A
JPH08170295A JP6314723A JP31472394A JPH08170295A JP H08170295 A JPH08170295 A JP H08170295A JP 6314723 A JP6314723 A JP 6314723A JP 31472394 A JP31472394 A JP 31472394A JP H08170295 A JPH08170295 A JP H08170295A
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JP
Japan
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component
melt
sheet
heat
fiber
Prior art date
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Pending
Application number
JP6314723A
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English (en)
Inventor
Kenji Nishiomote
憲二 西面
Tomoyasu Sonedaka
友康 曽根高
Mamoru Okamura
守 岡村
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度に優れ、高温における形態安定性
に優れた溶融異方性ポリエステル繊維シ−トおよびその
効果的な製造方法を提供する。 【構成】 溶液対数粘度1〜15dl/gの溶融異方性
ポリエステル繊維状物(成分A)3〜95重量%と、溶
液対数粘度15dl/g以上の溶融異方性ポリエステル
繊維状物(成分B)5〜97重量%からなり、かつ平均
裂断長が3km以上である優れた耐熱シ−ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融異方性ポリエステ
ル繊維状物からなる耐熱シ−ト、特に250℃以上の高
温における形態安定性、引裂強度(引裂強度等)の機械
的強力に優れた耐熱シ−ト及びその製造方法を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】溶融異方性ポリエステル繊維が耐熱性、
非吸水性等に優れていることは従来から知られており、
該繊維を用いたシ−トは電気絶縁、建材等の分野におけ
る活用が期待されている。耐熱性、非吸水性等の点から
は溶融異方性ポリエステル繊維状物のみからシ−トを形
成することが好ましく、特公平6−33595号公報に
は、溶融異方性ポリエステルからなるパルプと短繊維を
用いて湿式抄紙し、繊維同志を融着させたシ−トが提示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公平6−33595
号公報に提示された耐熱シ−トは、非吸水性等の優れた
性能を発揮するものの機械的強力が低く、特に250℃
以上の高温における形態安定性に問題があった。溶融異
方性ポリエステル繊維は、紡糸時に高度に配向結晶化し
て高強力高弾性率を示すようになるが、繊維を融着させ
ると結晶性が破壊されて強力が低下し、形態安定性も損
なわれることとなる。また、熱プレス等により紙力を高
めることも提示されているが、高温で処理を行うとさら
に結晶性が破壊されるため、150℃程度以下でカレン
ダ処理を行う必要があった。従って、熱プレス処理によ
る強度向上もそれほど期待できず、また形態安定性に劣
るために200℃以上のような高温条件下での使用には
問題が生じる。本発明は、上記の問題を解決し、強度が
高く、かつ200℃以上、特に250℃以上の高温にお
いても形態安定性に優れる溶融異方性ポリエステル繊維
からなる耐熱シ−ト及びその優れた製造方法を提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、溶液対数
粘度1〜15dl/gの溶融異方性ポリエステル繊維状
物(成分A)3〜95重量%と、溶液対数粘度15dl
/g以上の溶融異方性ポリエステル繊維状物(成分B)
5〜97重量%からなり、かつ平均裂断長が3km以上
である耐熱シ−ト、および溶融異方性ポリエステル紡糸
原糸からなる繊維状物3〜95重量%と、熱処理を施し
た溶融異方性ポリエステル繊維状物5〜97重量%を用
いて繊維シ−トを製造し、かかる繊維シ−トに150〜
280℃の熱プレス処理を施す耐熱シ−トの製造方法を
見出だした。本発明にいう溶融異方性とは、溶融相にお
いて光学異方性を示すものである。このような特性は、
公知の方法、例えばホットステ−ジにのせた試料を窒素
雰囲気下で昇温加熱し、その透過光を観察することによ
り容易に認定することができる。本発明に用いられる溶
融異方性芳香族ポリエステルは、例えば芳香族ジオ−
ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸
等より得られるポリマ−であり、好適には化1及び化2
に示される反復構成単位の組み合わせからなるポリマ−
が挙げられる。
【0005】
【化1】
【0006】
【化2】
【0007】特に好ましくは、パラヒドロキシ安息香酸
(a)と2−ヒドロキシ6−ナフトエ酸(b)の構成単
位からなる部分が80モル%以上である溶融異方性芳香族
ポリエステルであり、特にaとbの合計量に対するb成
分が5〜45モル%である芳香族ポリエステルが好まし
い。本発明で使用するポリマ−には、本発明の効果を損
なわない範囲内で、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリ
オレフィン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアリレ−ト、ポリ
アミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステルエ
−テルケトン、フッソ樹脂等の熱可塑性ポリマ−を添加
してもよい。また適宜、酸化チタン、カオリン、シリ
カ、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、顔料、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいても良い。
【0008】溶融異方性ポリエステルは、本来融点が高
く剛直で非吸水性であるため、溶融異方性ポリエステル
のみからなる繊維シ−トを得ることは極めて困難であ
る。従って、シ−ト成型性の比較的高い繊維状物、すな
わち比較的分子量の低いポリマ−から構成された繊維状
物を用いる必要がある。分子量の低いポリマ−からなる
繊維状物は、一般に分子量の高いものに比して融点が低
くかつ柔軟性に優れているため、シ−ト成型用に適して
いる。以上のことから、溶液対数粘度1〜15dl/
g、好ましくは2〜10dl/gの溶融異方性ポリエス
テル繊維状物(成分A)、具体的には紡糸原糸からなる
繊維状物等を使用する必要がある。
【0009】本発明でいう紡糸原糸とは、ポリエステル
を溶融紡糸した後、固相重合等の重合度を高める処理を
行っていないものをいう。従って、本発明の紡糸原糸に
は、実質的に重合度を変化させない処理を施したものも
含まれる。繊維状物の形態としては、フィラメント、カ
ットファイバ−、叩解物等が挙げられるが特に限定され
るものではなく、用いるシ−ト成型法により適宜繊維状
物の形態を選択すればよい。シ−ト成型性の点からは、
パルプ状物すなわち繊維叩解物や極細繊維(直接紡糸
法、海島繊維分割法等)を用いるのが好ましい。パルプ
状物は柔軟性に優れ、繊維同志の結合性も優れているた
め、特に湿式法でシ−トを成型する場合に好適に使用で
きる。勿論、パルプ状物とカットファイバ−を併用する
ことも可能である。
【0010】パルプ状物としては、3d未満程度のカッ
トファイバ−をリファイナ−等で叩解、粉砕したものが
好適に挙げられる。また、溶融異方性ポリエステル成分
を島成分とする海島繊維を製造し、かかる繊維を長さ5
mm以下にカットする前又はカットした後に、溶媒処
理、アルカリ処理等により海成分を除去して島成分を分
割したもの等も好適に使用できる。海島繊維の繊維断面
における島数は40〜1000個程度、特に70〜300 個が好ま
しい。かかる島数は、Aポリマ−及びBポリマ−の混練
割合、紡糸温度、射出剪断速度、ドラフト、溶融粘度な
どを調節することにより変えることができる。例えば、
両成分の溶融粘度差を大きくすることにより、島数を減
少させることができる。なお本発明でいう海島繊維と
は、押出により成形され、かつ島成分が繊維軸方向にあ
る程度連続しているものであればよく、直径や断面形状
等の形態は特に限定されない。具体的には、繊維状、ス
トランド状、ペレット等が挙げられる。チップ状にする
場合には、紡糸を行う必要がなく、工程性、効率性の点
で好ましい。
【0011】湿式不織布を製造する場合には、分散性及
び紙力の点から繊維長0.5〜5mm、直径0.01〜
10μm、アスペクト比500〜1500のものが好ま
しく、特に、繊維長1〜3mm、直径0.1〜5μm、
アスペクト比800〜1200程度のパルプ状物が好ま
しい。カット長が長すぎるとパルプ状物が絡まりやすく
水分散性が低下し、逆にカット長が短すぎるとパルプ状
物間の絡まりが少なすぎて紙に加工したときに十分な強
度が得られない。得られたパルプ状物に分散剤を添加す
ることも可能である。また、パルプ状物の分散性を高め
るために、ドライ、ウエットあるいは分散剤を添加した
ウエットの状態で、パルパ−、リファイナ−、ビ−タ−
等にかけてパルプ状物間の絡まりを低下させることも可
能である。なお、本発明でいうアスペクト比とはパルプ
状物の繊維長Aを該パルプ状物の横断面面積と同じ面積
を有する円の直径Bで徐したものである。
【0012】乾式不織布とする場合には、1〜5d、繊
維長15〜110mm程度のクリンプまたはノ−クリン
プ綿を通常の乾式法でカ−ドをかけ、ニ−ドルパンチ法
や水絡法でラップを作成し、熱プレス処理を行うことに
よりシ−トを作成できる。
【0013】かかる成分Aのみからシ−トを構成するこ
とは可能であり、さらに熱プレス処理を施して機械的強
度を向上させることもできる。しかしながら、成分Aの
みで構成されたシ−トは、150〜200℃程度の温度
条件下では優れた耐熱性および形態安定性を保持できる
ものの、さらに温度が上昇するとシ−トに波打ち・カ−
ル等の変形が生じるため、熱プレス処理もそれ以下の温
度で行う必要があり、さらに、繊維状物を融着させてシ
−トを一体化している場合には、繊維状物の結晶性が破
壊されて繊維状物そのものの強度が著しく低下している
ため、熱プレス処理による強度向上もそれほど期待でき
なかった。以上のように、成分Aのみを用いたシ−ト
は、機械的強度が低く、さらに、200℃以上、特に2
50℃以上のような高温における形態安定性に劣る問題
があった。
【0014】本発明者等は、以上のことを鑑み、溶液対
数粘度15dl/g以上の繊維状物(成分B)を5〜9
7重量%/シ−ト全重量、好ましくは7〜50重量%、
さらに好ましくは10〜30重量%配合することが重要
であることを見出だした。すなわち、成分Aが融着して
繊維を結合させる温度にまで加熱しても、重合度および
融点の高い成分Bは融着が生じにくく、優れた引裂強度
及び形態安定性を保持することが可能となる。B成分の
配合量が少量であっても、シ−トの諸性能を著しく改善
することができる。B成分の配合割合が高すぎるとコス
ト的に不利であるのみでなく、柔軟性および繊維間の接
着強力が不足して、シ−ト成型性、機械的強度の点で問
題が生じる。逆に成分Bが少なすぎると、形態安定性、
引裂強度の点で不十分となる。
【0015】B成分の形態は、溶融異方性ポリエステル
のカットファイバ−またはフィラメントが好ましい。パ
ルプ状物とした場合は、繊維間接着性の点からは好まし
いが、シ−トの高強度化、形態安定性を高めるという効
果が損なわれる場合がある。勿論、パルプ状物、カット
ファイバ−等を併用してもかまわない。なお、本発明で
いう溶液対数粘度とは、試料をペンタフルオロフェノ−
ルに60〜100℃で0.1重量%溶解し、60℃の恒
温槽中でウペロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel)を
測定し、Cをポリマ−濃度(g/l)とするとき、ηi
nh=ln(ηrel)/Cより算出される値であり、
繊維を構成するポリマ−の重合度を示す目安となる。成
分Aの繊維状物は、60〜80℃程度のペンタフルオロ
フェノ−ルに比較的容易に溶解するが、成分Bの繊維状
物はほとんど溶解しないため100℃程度以上の温度に
高めて溶解する必要がある。従って、60〜80℃のペ
ンタフルオロフェノ−ルにより成分Aを十分抽出すれ
ば、繊維シ−トにおける成分Aと成分Bの配合割合を求
めることもできる。
【0016】成分Bの具体例としては、紡糸原糸(その
カットファイバ−、叩解物等を含む)に熱処理等を施し
てポリマ−の重合度を高めたものが好適に使用できる。
原料ポリマ−を溶融紡糸した場合、紡糸前後でポリマ−
の分子量は実質的に変化しないが、得られた繊維状物を
熱処理すると固相重合により重合度及び溶液対数粘度が
大きくなる。熱処理熱処理を施す紡糸原糸としては、成
分Aを用いても、また他の構成からなるものを用いても
よい。成分Aは80〜120量体程度、成分Bは250
〜350量体程度のものが好ましいが、ポリマ−の重合
度を厳密に測定するのは極めて困難であるため、本発明
においては、溶液対数粘度により配合成分を規定する。
【0017】熱の供給は、加熱板、赤外線ヒ−タ−等に
より熱輻射を利用する方法、熱ロ−ラ−、プレ−ト等に
接触させて行う方法、高周波等を利用した内部加熱方法
等がある。加熱媒体として用いる気体は、窒素等の不活
性ガスあるいは窒素と酸素、炭酸ガスなどの混合気体お
よび空気などが用いられる。熱処理雰囲気は露点が-10
℃以下、好ましくは-40 ℃以下の気体中が良い。好まし
い熱処理条件は融点Tmに対して、Tm−60℃〜Tm
+20℃の温度範囲で、Tm−40℃から順次昇温して
いく温度パタ−ンである。
【0018】熱処理は、目的により緊張下あるいは無緊
張下のどちらで行っても良い。また、形状は、カセ状、
チ−ズ状、トウ状(金網に乗せて処理する)、ペレット
状、ストランド状等で行われれる。好ましい熱処理条件
は、融点Tmに対して、Tm−60℃からTm+20℃の温
度範囲で、Tm−40℃の温度から順次昇温していくパタ
−ンである。なお、本発明にいう融点とは、示差走査熱
量計で試料を昇温した場合に、最大吸熱ピ−クの現れる
温度をいう。かかる熱処理によりポリマ−の重合度が高
まるが、たとえば、上記化2における(a)および
(b)で構成された溶融異方性ポリエステル繊維を30
0℃程度で熱処理した場合、100量体(重量平均分子
量15000程度)だったポリマ−が、固相重合により
300量体程度のものとなる。
【0019】シ−ト化は公知の方法で行うことができ、
乾式不織布、スパンレ−ス、ニ−ドルフェルト、スパン
ボンド等あらゆる形態のシ−トとすることができる。湿
式不織布を製造する場合には、B成分として3d以下で
かつ繊維長2〜10mm程度のカットファイバ−を使用
することが好ましい。また、アスペクト比は130〜5
00、より好ましくは250〜300とする。乾式不織
布とする場合には、成分Aと同様に1〜5d、繊維長1
5〜110mm程度のクリンプまたはノ−クリンプのも
のが好ましい。また、本発明を損なわない範囲内で、他
の繊維、接着剤等が配合されていてもよい。
【0020】成分Aおよび成分Bよりなるシ−トを目的
によりそのまま用いることも可能であるが、熱プレス処
理により、紙の表面の艶だしを行なうと同時に強度を高
め、高温における形態安定性を著しく向上させることが
できる。熱プレス条件は、用途、目的により適宜設定す
ればよいが、温度が低すぎると機械的強度、電気的特性
が不十分となり、また高すぎると成分Aのみでなく成分
Bも熱劣化が生じて、シ−トの性能が低下することとな
る。従って、熱プレス温度は150〜280℃、好まし
くは180〜260℃、特に200〜250℃程度が好
ましく、線圧50〜200kg/cm、特に80〜15
0kg/cmとするのが好ましい。かかる高温で熱プレ
ス処理をおこなっても、成分Bが実質的に溶融せず熱に
より結晶化が進行するため、優れた機械的強度及び形態
安定性を有する耐熱シ−トを得ることができる。
【0021】熱プレス処理は、特にその手段を限定され
るものでなく、シ−ト表面を熱圧処理できるものであれ
ばよい。処理される部分は、シ−ト全面または一部分の
どちらでもよく、ロ−ル表面は、フラットであっても凹
凸を有するものであってもよい。一般のカレンダ処理等
を施すことにより達成できる。かかる熱プレス処理によ
り、平均裂断長3km以上、特に4km以上の優れた機
械的強度を有するとともに、250℃以上の高温におい
ても形態安定性に優れた耐熱シ−トを得ることができ
る。
【0022】なお、本発明にいう平均裂断長とは、幅1
5mm、長さ3cm程度のの試験片の裂断長をJIS
P8113に準じて測定し、タテ方向およびヨコ方向の
裂断長を相加平均したものである。さらに、本発明の耐
熱シ−トは成分Bが配合されているため、優れた引裂強
度を得ることができる。引裂強度は、シ−ト成型法によ
り大きく左右されるが、湿式法の場合は70g以上、と
くに80g以上、乾式の場合には1600g以上の優れ
た平均引裂強度を得ることができる。なお、平均引裂強
度とは、タテ方向及びヨコ方向のシ−トの引裂強度の相
加平均である。また、本発明における優れた形態安定性
とは、280℃の熱風処理により波うち、カ−ル等がほ
とんど生じないことを意味しており、熱風処理前後のシ
−トの厚さを測定することにより評価できる。
【0023】本発明の耐熱シ−トは、溶融異方性芳香族
ポリエステルが有する優れた特徴すなわち高強力高弾性
率、非吸湿性、耐熱性、耐薬品性等の性能を十分に発揮
し、さらに高温での形態安定性に優れたいるため、様々
な分野で用いることができる。例えば産業資材用途等で
広く用いられ、特にブレ−キライニング、クラッチフェ
−シング、軸受け等の摩耗材、パッキング材、ガスケッ
ト材、フィルタ−,研磨材、絶縁紙、耐熱紙、スピ−カ
−コ−ン、ワイピングクロス、樹脂強化剤等に好適であ
る。本発明の耐熱シ−トは、上記の用途に限られるもの
ではないが、特に電気絶縁用途に適している。
【0024】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】
[対数粘度 dl/g]試料をペンタフルオロフェノ−
ルに0.1 重量%溶解し(60〜100 ℃)、60℃の恒温槽中
で、ウベロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel )を測定
し、次式によって計算した。なお。cはポリマ−濃度
(g/dl)である。 ηinh =ln(ηrel )/c [融点 ℃]DSC(例えばMettler 社製TA3000)装置
にサンプルを10〜20mgとり、アルミ製パVンへ封入した
後、窒素を50cc/min流し、昇温速度20℃/minで測定した
とき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を融点(Tm)
として測定する。1st-run で明確な吸熱ピ−クを現れな
い場合は、50℃/minの昇温温度で、予想される吸熱ピ−
ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加熱し完全に溶
融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、しかるのち20℃
/minの昇温速度で測定した値を用いる。
【0025】[裂断長 km]幅15mm、長さ3cm
程度の試験片のタテおよびヨコ方向の裂断長を、JIS
P8113に準じて測定した。 [目付 g/m2 、引裂強度 g]ぞれぞれJIS P
−8124、JIS P−8116により測定した。な
お、乾式不織布の引裂強度はJIS L−1906のシ
ングルタング法を採用した。 [形態安定性]厚さXの試料を280℃の熱風乾燥機に
72時間放置し、次いで0.7kPaの荷重をかけてダ
イヤルシックネスゲ−ジ(ゲ−ジ径9mmφ)でシ−ト
厚さYを測定した。Y/X×100が110%以下のも
のを◎、110〜125%のものを○、125〜170
%のものを△、170%をこえるものを×として評価し
た。
【0026】[ポリアリレ−ト繊維] a:パラヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ9ナフト
エ酸73/27 モル%比であり、融点280 ℃、対数粘度5.1d
l/g のポリマ−を用いた。かかるポリマ−を通常の溶融
紡糸設備でノズルヘッド温度300℃で押し出した25
d/100fのヤ−ン(対数粘度5.1dl/g、融点
280℃、約100量体)を用いた。 b:化2における(c)/(d)/(e)/(f)が6
0/20/15/5で、融点340℃、溶液対数粘度
6.3dl/gのポリマを用いた。かかるポリマ−を通
常の溶融紡糸設備でノズルヘッド温度330℃で押し出
した25d/100fのヤ−ン(対数粘度6.3dl/
g、融点340℃、約100量体)を用いた。 c:繊維aを窒素気流中で180〜250℃で5時間熱
処理し、さらに空気中で250〜280℃で11時間熱
処理し、固相重合させた繊維(対数粘度19.0dl/
g、融点340℃、約300量体)を用いた。 d:繊維bを窒素気流中で180〜250℃で5時間熱
処理し、さらに空気中で250〜280℃で11時間熱
処理し、固相重合させた繊維(対数粘度30.1dl/
g、融点370℃、約300量体)を用いた。
【0027】[短繊維、長繊維]ポリアリレ−ト繊維a
〜dを、繊維長5mmにカットしたものを短繊維、ロ−
ビングをクリンプさせて51mmにカットしたものを長
繊維とした。 [パルプ状物]溶融異方性芳香族ポリエステル及び易ア
ルカリ減量性ポリエステルとを50:50の重量比で押出機
で溶融混練してノズル径2mmの口金より引取り、ペレ
ッタイザ−を用いてペレット化した(平均直径1mm、
長さ2〜3mm)。このペレットを沸騰している40g
/lの水酸化ナトリウム溶液に20分間浸漬した後に、
酢酸で中和及び水で30分洗浄して得られたパルプ状物
を用いた。得られたパルプ状物を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、パルプ状物は実質的に枝分かれを有して
おらず、平均直径は約1.5μm(0.5 〜6μ)、パルプ
長は2〜3mm前後であった。
【0028】なお、易アルカリ減量性ポリエステルは、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル(I)が共
重合ポリエステルを構成する全酸成分の2.5 モル%、分
子量2000のポリエチレングリコ−ル(II)及び化3
で表されるポリオキシエチレングリシジルエ−テル(II
I )が全共重合ポリエステルのそれぞれ10重量%を占
め、残りがテレフタル酸、エチレングリコ−ルである共
重合ポリエステル(固有粘度0.58dl/g)を用いた。な
お、該共重合ポリエステルは、該ポリエチレングリコ−
ルとポリオキシエチレングリシジルエ−テルの合計量に
対して5重量%の酸化分解防止剤(アメリカンサイアミ
ッド社製 サイアノックス1790)を含有している。
【0029】
【化3】
【0030】[実施例1〜3、比較例1〜5]ポリアリ
レ−ト繊維a〜dを表1のような配合割合となるように
水中に投じ、80メッシュのステンレス製金網により抄
紙しシ−ト状物を得た。次いでこのシ−トを表面温度1
20℃、2km/cm2 のドラム型乾燥機で処理して脱
水乾燥させて約50g/m2 のラップを作成後、熱カレ
ンダ−にて温度130〜240℃、線圧100kg/c
mでプレスした。得られたシ−トの性能を表1に示す。
【0031】[実施例4、比較例6]ポリアリレ−ト繊
維の長繊維を用いて乾式のスパンレ−ス法で50g/m
2 のラップを作成後、温度130〜240℃、線圧10
0kg/cmで熱カレンダ−処理した。得られたシ−ト
の性能を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】本発明の耐熱シ−トは、280℃の高温に
おいても形態安定性に優れ、かつ機械的強度も高いもの
であった。一方、成分Aのみで構成されたシ−トは機械
的強度が低く、形態安定性に劣るものであった(比較例
1、比較例2、比較例6)。また、B成分を配合してい
るものも、熱プレス温度が低い場合には、機械的強度が
十分発揮されておらず(比較例4)、成分Bのみからな
るシ−トは、繊維間の接着が不十分であり、また繊維状
物が剛直でからみあいが少なくなるため、シ−トの機械
的強度は低いものとなっている(比較例5)。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、溶融異方性ポリエステ
ル繊維状物からなりかつ機械的強度及高温における形態
安定性に優れた耐熱シ−トを効果的に得ることができ
る。かかる耐熱シ−トは、電気絶縁、建材用途等あらゆ
る分野に活用することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【化2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液対数粘度1〜15dl/gの溶融異
    方性ポリエステル繊維状物(成分A)3〜95重量%
    と、溶液対数粘度15dl/g以上の溶融異方性ポリエ
    ステル繊維状物(成分B)5〜97重量%からなり、か
    つ平均裂断長が3km以上である耐熱シ−ト。
  2. 【請求項2】 溶融異方性ポリエステル紡糸原糸からな
    る繊維状物3〜95重量%と、熱処理を施した溶融異方
    性ポリエステル繊維状物5〜97重量%を用いて繊維シ
    −トを製造し、かかる繊維シ−トに150〜280℃の
    熱プレス処理を施す耐熱シ−トの製造方法。 【0001】
JP6314723A 1994-12-19 1994-12-19 耐熱シ−ト Pending JPH08170295A (ja)

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