JPH08170123A - 深絞り性の優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り性の優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH08170123A
JPH08170123A JP28205394A JP28205394A JPH08170123A JP H08170123 A JPH08170123 A JP H08170123A JP 28205394 A JP28205394 A JP 28205394A JP 28205394 A JP28205394 A JP 28205394A JP H08170123 A JPH08170123 A JP H08170123A
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steel sheet
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less
hot
heating
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JP28205394A
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Kaoru Kawasaki
薫 川崎
Tatsuo Yokoi
龍雄 横井
Masayoshi Suehiro
正芳 末広
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続焼鈍または再結晶焼鈍の加熱過程におい
て特定の温度域からの加熱速度を急速化することによ
り、深絞り性の優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板
の製造を可能にするものである。 【構成】 0.01%以下の炭素量とした極低炭素鋼を
Ar3 点以上の温度域で仕上熱延を終了した後、600
〜800℃の温度域で巻取り、酸洗、冷間圧延後、連続
焼鈍または再結晶焼鈍においてある特定範囲の温度域を
100℃/s以上の加熱速度で加熱することで優れた深
絞り性を有する冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板を製造
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深絞り性の優れた冷延
鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するもので
あり、さらに詳しくは、連続焼鈍または再結晶焼鈍の加
熱途中からの急速かつ短時間の熱処理による、深絞り性
の優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の連続焼鈍または再結晶焼鈍におけ
る加熱方式は、ガスバーナーによる直火式の加熱、ある
いはラジアントチューブによる輻射加熱である。そのた
め、均熱帯に入るまで10℃/s程度の一定加熱速度で
加熱される。したがって、加熱中のヒートサイクルによ
って集合組織を制御することは不可能であった。一方、
電気加熱を加熱帯あるいは均熱帯の一部に適用する方法
についてはすでに開示されており、例えば特開平2−1
66234号公報及び特公平5−57333号公報があ
る。前者は加熱帯の高温域を誘導加熱により加熱するも
のであり、後者は均熱部の一部において均熱温度より高
い温度に昇温急熱するものである。特に前者は得られる
鋼板の材質を特徴とするものではなく、本発明が目的と
するところのヒートサイクルによって再結晶集合組織を
積極的に制御するものではない。また、後者については
均熱帯での部分加熱のため、本発明とは目的を異にして
いる。また、いずれも加熱速度については何等規定はな
く、加熱方法及び実施例から推察すると、本発明におい
て規定する加熱速度に比べて低いものと考えられる。さ
らに、いずれも通常の連続焼鈍での適用を考慮したもの
であり、溶融亜鉛めっきラインでの適用を開示したもの
ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の連続焼鈍や再結
晶焼鈍の加熱帯では、通板される板は一定の加熱速度で
昇温されるため、この部分で積極的に集合組織を制御す
ることは不可能であった。電気加熱の加熱帯への適用
は、昇温過程での集合組織形成を積極的に制御すること
を可能にするものであり、これまでにそれを工業化した
ものは見あたらない。本発明は、このような電気加熱を
連続焼鈍または再結晶焼鈍の加熱帯の一部に適用するこ
とにより再結晶集合組織を制御し、深絞り性の優れた冷
延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実状
に鑑み鋭意検討した結果、冷延ままの鋼帯を巻き戻し
て、連続焼鈍により焼鈍する際に、または、溶融亜鉛め
っきラインでめっきを施す際に、加熱帯での熱履歴を制
御し、加熱途中からの加熱速度を急速化することによ
り、再結晶集合組織の制御が可能であることを見出し
た。その結果、深絞り性に有利な集合組織を形成するこ
とができる加熱帯での熱履歴を発明し、本発明を完成さ
せたもので、その要旨は、 (1) C :0.001〜0.01wt% Si:0.01〜1wt% Mn:0.05〜1.5wt% P :0.1wt%以下 S :0.015wt%以下 Al:0.005〜0.1wt% N :0.005wt%以下 残部Fe及び不可避的不純物元素からなる鋼を連続鋳造
にてスラブとした後再加熱あるいは鋳造後直ちにAr3
変態点以上の温度で仕上熱延を終了して、600〜80
0℃の温度域で巻取り、酸洗後通常の方法で冷間圧延を
施した後、連続焼鈍で常温からT1 :400〜700℃
の温度範囲までは100℃/s以下の加熱速度で加熱
し、続いて100〜3000℃/sの加熱速度でT2
750〜910℃の温度域まで昇温した後、直ちにある
いは所定時間保持後室温まで冷却し、さらに調質圧延を
行うことを特徴とする深絞り性の優れた冷延鋼板の製造
方法。
【0005】(2)(1)記載の鋼成分に加えてさら
に、Ti,Nb,Vのうち1種以上を合計で0.005
〜0.1wt%含むことを特徴とする(1)記載の深絞
り性の優れた冷延鋼板の製造方法。 (3)(1)または(2)記載の鋼成分に加えてさら
に、Bを0.0005〜0.005wt%含むことを特
徴とする(1)または(2)記載の深絞り性の優れた冷
延鋼板の製造方法。 (4)T1 温度で30秒以下保持することを特徴とする
(1)〜(3)のいずれか1に記載の深絞り性の優れた
冷延鋼板の製造方法。
【0006】(5)C :0.001〜0.01wt% Si:0.01〜1wt% Mn:0.05〜1.5wt% P :0.1wt%以下 S :0.015wt%以下 Al:0.005〜0.1wt% N :0.005wt%以下 残部Fe及び不可避的不純物元素からなる鋼を連続鋳造
にてスラブとした後再加熱あるいは鋳造後直ちにAr3
変態点以上の温度で仕上熱延を終了して、600〜80
0℃の温度域で巻取り、酸洗後通常の方法で冷間圧延を
施した後、再結晶焼鈍で常温からT1 :400〜700
℃の温度範囲までは100℃/s以下の加熱速度で加熱
し、続いて100〜3000℃/sの加熱速度でT2
750〜910℃の温度域まで昇温した後、直ちにある
いは所定時間保持後溶融亜鉛めっきを行ってから室温ま
で冷却し、続いて調質圧延を行うことを特徴とする深絞
り性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0007】(6)(5)記載の鋼成分に加えてさら
に、Ti,Nb,Vのうち1種以上を合計で0.005
〜0.1wt%含むことを特徴とする(5)記載の深絞
り性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (7)(5)または(6)記載の鋼成分に加えてさら
に、Bを0.0005〜0.005wt%含むことを特
徴とする(5)または(6)記載の深絞り性の優れた溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (8)T1 温度で30秒以下保持することを特徴とする
(5)〜(7)のいずれか1に記載の深絞り性の優れた
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (9)溶融亜鉛めっき後、さらに合金化処理を行ってか
ら室温まで冷却することを特徴とする(5)〜(8)の
いずれか1に記載の深絞り性の優れた溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法にある。
【0008】
【作用】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明す
る。図1〜図4に、本発明の確立に至った実験結果を示
す。本実験では、C:0.0017wt%、Si:0.
02wt%、Mn:0.1wt%、P:0.007wt
%、S:0.008wt%、Al:0.035wt%、
N:0.0015wt%、残部Fe及び不可避的不純物
元素からなる鋼を用いた。この鋼を910℃で仕上熱延
を行ない、4mmの熱延板とし、続いて冷却を行なって
700℃で巻取った。さらに酸洗後、80%の冷間圧延
を施した。その後、その半分の冷延材について図1に示
すようなヒートサイクルで連続焼鈍をシュミレートし
た。また、残りの冷延材について図3に示すようなヒー
トサイクルで溶融亜鉛めっきラインにおける熱履歴をシ
ュミレートした。いずれも、焼鈍温度(T2 ) を850
℃としてT1 を300〜800℃の範囲で変化させた。
なお、T1 までは10℃/sで昇温し、T1 〜T2 を3
00℃/sで加熱した。図2、図4にそれぞれの熱処理
後のr値の結果を示す。すなわち、連続焼鈍または再結
晶焼鈍で急速加熱を開始する温度域が700℃を超える
とr値が低下することを見出したのである。これは回復
及び再結晶がある程度進んだ時点で急速加熱を実施して
も、粒成長のための駆動力が小さいため、短時間では粒
成長が進行しなかったことに起因すると推察される。
【0009】まず、本発明における化学成分の限定理由
について述べる。Cは、深絞り性を向上させるためには
0.01wt%以下としなくてはならない。しかし、
0.001wt%未満とすることは、製鋼段階における
コストアップになるためこれを下限とする。Siは、鋼
を高強度化する場合に添加されるが、過度の添加は溶接
性を劣化させるばかりでなく、メッキの密着性も低下さ
せるため、1wt%を上限とした。一方、0.01wt
%未満とするには大幅なコストアップになるため、これ
を下限とする。Mnも鋼を高強度化する場合に有効であ
るが、過剰の添加は鋼の硬質化により延性(El)を低
下させるばかりでなく、深絞り性(r値)の劣化が懸念
されるため、上限を1.5wt%とした。しかし、添加
量が0.05wt%より少なくなると、熱延時にSに起
因した熱間割れが生じるため、これを下限とする。
【0010】Pについては、深絞り性を劣化させること
なく鋼を高強度化する場合に有効な元素である。しか
し、過剰に添加すると二次加工性を劣化させるため、
0.1wt%を上限とする。Sは、過剰に添加されると
熱間割れを招くため0.015wt%以下とする。Al
は、鋼の脱酸のために0.005wt%以上必要である
が、過剰の添加はコストアップになるとともに鋼中に介
在物を残すことになるため、上限を0.1wt%とす
る。Nは、Cと同様、深絞り性を確保するためには0.
005wt%以下とする。
【0011】Ti、Nb、V及びMoは、必要に応じて
添加するが、特にCあるいはNを固定することを目的に
添加される。その際、合計で添加量が0.005wt%
未満ではその効果が発揮されない。また、0.01wt
%を超えて添加されると炭化物あるいは窒化物が多数形
成され、加工性を劣化させる。Bも必要に応じて添加さ
れるが、その目的はNの固定、あるいは二次加工性の確
保にある。0.0005wt%未満の添加量ではその効
果が得られない。しかし、0.005wt%を超えて添
加されると、鋼を硬質化し、加工性を劣化させるためこ
れを上限とする。なお、本発明では特に規定しないが、
Ca、Zr、Ce等の希土類元素を添加してもかまわな
い。
【0012】次に、本発明に従う製造方法について説明
する。上述した化学成分を有する鋼は通常の連続鋳造に
てスラブとして得られるが、薄スラブ連鋳法にて製造さ
れたものでもかまわない。続いて再加熱あるいは再加熱
なしに熱延を行なうが、Ar3 変態点よりも低い温度で
仕上熱延されると熱延板の結晶粒が粗大となるため、熱
延における仕上温度はAr3 変態点以上とする。その後
通常の方法で巻取るが、熱延板段階で固溶Cを炭化物と
して十分析出させる必要があるため650℃以上にする
必要がある。しかし、800℃を超えると酸洗性が悪化
するため、これを上限とする。ここで巻取りに至るまで
の冷却速度は本発明において特に規定されるものではな
く、また、冷間圧延における圧下率についても通常実施
される範囲内とする。
【0013】次に、本発明において最も重要な因子であ
る連続焼鈍における加熱条件または溶融亜鉛めっきライ
ンでの再結晶焼鈍における加熱条件について説明する。
室温からT1 までの加熱はガスバーナーによる直火式あ
るいはラジアントチューブによる輻射式の加熱とし、あ
る程度再結晶前の回復を進行させるため比較的緩やかに
加熱を実施する。そのため、加熱速度は100℃/s以
下に限定される。なお、下限については特に限定される
ものではないが、5℃/s以上の加熱速度は必然的に得
られる。
【0014】加熱初期の徐加熱を実施する温度範囲(T
1 )は400℃以上700℃以下とする。400℃未満
では後に続く急速加熱過程での加熱範囲(温度差)が広
くなり、投入エネルギが大きくなり好ましくない。一
方、700℃を超えると前述したように粒成長のための
駆動力が小さくなるため、最終焼鈍温度に達しても再結
晶が完了しない。そのため、これを上限とする。なお、
1 での等温保持は必要に応じて実施するが、その場合
には30秒以下とする。これを超えて保持時間を長くす
るとパス長が増え、設備コストの上昇を招くため好まし
くない。
【0015】T1 以降の加熱は焼鈍後に得られる集合組
織を制御することが目的となる。そのためには、ある程
度回復あるいは再結晶が進んだ段階から最終焼鈍温度へ
の急速加熱が必要となる。集合組織を制御するための加
熱速度としては100℃/s以上が必要である。しか
し、3000℃/sを超えると制御が困難となるばかり
でなく、加熱に要する電力が著しく大きくなること、さ
らには、加熱を実施するパス長も長くなり、設備的に大
幅なコストアップを招くため好ましくない。
【0016】最終焼鈍温度(T2 )は、750℃未満で
は粒成長が不十分なため、十分な延性が得られず、加工
性が劣る。一方、910℃を超えるとオーステナイト域
での焼鈍となり、集合組織がランダム化するためr値を
低下させ、深絞り性が悪い。T2 での等温保持条件及び
焼鈍後の冷却については特に規定されるものではなく、
通常の方法でかまわないが、設備をよりコンパクト化す
るためには等温保持を実施しなくてもかまわない。
【0017】ここで加熱及び冷却方法については特に規
定されるものではなく、上記規定上限が満足されるもの
であれば特に限定されない。例えば、加熱方法としては
通電加熱で行うのが有効であり、冷延鋼板の連続焼鈍ラ
インでの冷却方法としては気水冷却で行うのが、また、
溶融亜鉛めっきラインでの冷却方法としてはH2 等のガ
ス冷却あるいはロール冷却等で行うのが有効となる。溶
融亜鉛めっき及びそれに続く合金化処理は通常の方法で
かまわない。なお、溶融亜鉛めっきに続く合金化処理は
必要に応じて行う。
【0018】
【実施例】
実施例1 C:0.0015wt%、Si:0.01wt%、M
n:0.1wt%、P:0.005wt%、S:0.0
05wt%、Al:0.035wt%、Ti:0.03
8wt%、N:0.0015wt%、残部Fe及び不可
避的不純物元素からなる鋼を転炉出鋼し、連続鋳造にて
スラブとした。熱延は1100℃で加熱後、仕上温度を
930℃、板厚:4mmとして熱間圧延を終了し、70
0℃で巻取を実施した。酸洗後、80%の圧下率で0.
8mmとし、連続焼鈍において600℃までは10℃/
sの加熱速度で加熱し、この温度で必要に応じて30秒
以下保持し、続いて通電加熱により表1に示すような種
々の加熱速度及び焼鈍条件で最終焼鈍を実施し、さらに
1%の調質圧延を行なった。その後の材質評価としてJ
IS Z 2201記載の5号試験片に加工し、JIS
Z 2241記載の試験方法に従って引張試験を行な
った。同表に結果をまとめて示す。本発明の範囲に従っ
たNo.1,2,3,4及び5では、従来の連続焼鈍プ
ロセスにおける熱履歴で行なったNo.6に比べて高い
r値を示している。T1 からの加熱速度及び焼鈍温度が
本発明の範囲からはずれたNo.7,8及び9ではやは
りr値は低い。
【0019】
【表1】
【0020】実施例2 表2に示す種々の組成の鋼を転炉出鋼し、連続鋳造でス
ラブとした。これらのスラブを1150℃で加熱後、A
3 点{=916−509C(wt%)+27Si(w
t%)−64Mn(wt%)(℃)}以上の温度域で仕
上熱延を終了し、670℃で巻取り、3mmの熱延板と
した。酸洗後、77%の圧下率で0.7mmの冷延板と
し、連続焼鈍において600℃までは10℃/sの加熱
速度で加熱し、続いて通電加熱により100℃/sの加
熱速度で加熱し、850℃で最終焼鈍を実施し、さらに
1%の調質圧延を行なった後、実施例1と同じ方法で材
質を評価した。表3に結果をまとめて示す。本発明の方
法にしたがったA,B,C,D,E,F及びG鋼では高
いr値を示している。しかし、C量が高くはずれたH
鋼、Si量が高くはずれたI鋼及びP量が高くはずれた
J鋼では、r値が本発明で目標とする値には達していな
い。一方、K鋼は、S量が高くはずれたため熱間割れを
起こした。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】実施例3 C:0.0016wt%、Si:0.02wt%、M
n:0.1wt%、P:0.008wt%、S:0.0
05wt%、Al:0.040wt%、Ti:0.04
1wt%、N:0.0015wt%、残部Fe及び不可
避的不純物元素からなる鋼を転炉出鋼し、連続鋳造にて
スラブとした。熱延は1100℃で加熱後、仕上温度を
935℃、板厚:4mmとして熱間圧延を終了し、70
0℃で巻取を実施した。酸洗後、80%の圧下率で0.
8mmとし、溶融亜鉛めっきラインの加熱帯において、
600℃までは10℃/sの加熱速度で加熱し、この温
度で必要に応じて30秒以下保持し、続いて通電加熱に
より表4に示すような種々の加熱速度及び焼鈍条件で最
終焼鈍を実施し、続いて溶融亜鉛めっきを施し、さら
に、No.12,14,16,18では合金化処理を施
し、さらに1%の調質圧延を行なった。その後、実施例
1と同じ方法で材質を評価した。同表に結果をまとめて
示す。本発明の範囲に従ったNo.11,12,13,
14及び15では、従来の連続焼鈍プロセスにおける熱
履歴で行なったNo.16に比べて高いr値を示してい
る。T1 からの加熱速度及び再結晶焼鈍温度が本発明の
範囲からはずれたNo.17,18及び19ではやはり
r値は低い。
【0024】
【表4】
【0025】実施例4 表5に示す種々の組成の鋼を転炉出鋼し、連続鋳造でス
ラブとした。これらのスラブを1160℃で加熱後、A
3 点{=916−509C(wt%)+27Si(w
t%)−64Mn(wt%)(℃)}以上の温度域で仕
上熱延を終了し、660℃で巻取り、3mmの熱延板と
した。酸洗後、77%の圧下率で0.7mmの冷延板と
し、溶融亜鉛めっきラインの加熱帯において600℃ま
では10℃/sの加熱速度で加熱し、続いて通電加熱に
より100℃/sの加熱速度で加熱し、850℃で最終
焼鈍を実施し、続いて溶融亜鉛めっきを施し、M鋼を除
き合金化処理を施し、さらに1%の調質圧延を行なった
後、実施例1と同じ方法で材質を評価した。表6に結果
をまとめて示す。本発明の方法にしたがったL,M,
N,O,P,Q及びR鋼では高いr値を示している。し
かし、C量が高くはずれたS鋼、Si量が高くはずれた
T鋼及びP量が高くはずれたU鋼では、r値が本発明で
目標とする値には達していない。一方、V鋼は、S量が
高くはずれたため熱間割れを起こした。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【発明の効果】本発明は、冷延鋼板の連続焼鈍における
加熱過程での、または溶融亜鉛めっきラインの再結晶焼
鈍における加熱過程での加熱速度を制御することによ
り、深絞り性の優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法を明らかにしたものである。この発明により
従来の連続焼鈍または溶融亜鉛めっき工程では不可能で
あった、深絞り性に影響を与える集合組織を制御するこ
とが可能となり、深絞り性の優れた冷延鋼板及び溶融亜
鉛めっき鋼板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に至った連続焼鈍の実験におけるヒート
サイクルを示す図である。
【図2】連続焼鈍での急速加熱を開始する温度域の本発
明における範囲と冷延鋼板のr値を示す図である。
【図3】本発明に至った溶融亜鉛めっきの実験における
ヒートサイクルを示す図である。
【図4】再結晶焼鈍での急速加熱を開始する温度域の本
発明における範囲と合金化溶融亜鉛めっき鋼板のr値を
示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C :0.001〜0.01wt% Si:0.01〜1wt% Mn:0.05〜1.5wt% P :0.1wt%以下 S :0.015wt%以下 Al:0.005〜0.1wt% N :0.005wt%以下 残部Fe及び不可避的不純物元素からなる鋼を連続鋳造
    にてスラブとした後再加熱あるいは鋳造後直ちにAr3
    変態点以上の温度で仕上熱延を終了して、600〜80
    0℃の温度域で巻取り、酸洗後通常の方法で冷間圧延を
    施した後、連続焼鈍で常温からT1 :400〜700℃
    の温度範囲までは100℃/s以下の加熱速度で加熱
    し、続いて100〜3000℃/sの加熱速度でT2
    750〜910℃の温度域まで昇温した後、直ちにある
    いは所定時間保持後室温まで冷却し、さらに調質圧延を
    行うことを特徴とする深絞り性の優れた冷延鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼成分に加えてさらに、
    Ti,Nb,Vのうち1種以上を合計で0.005〜
    0.1wt%含むことを特徴とする請求項1記載の深絞
    り性の優れた冷延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の鋼成分に加えて
    さらに、Bを0.0005〜0.005wt%含むこと
    を特徴とする請求項1または2記載の深絞り性の優れた
    冷延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 T1 温度で30秒以下保持することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の深絞り性
    の優れた冷延鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】C :0.001〜0.01wt% Si:0.01〜1wt% Mn:0.05〜1.5wt% P :0.1wt%以下 S :0.015wt%以下 Al:0.005〜0.1wt% N :0.005wt%以下 残部Fe及び不可避的不純物元素からなる鋼を連続鋳造
    にてスラブとした後再加熱あるいは鋳造後直ちにAr3
    変態点以上の温度で仕上熱延を終了して、600〜80
    0℃の温度域で巻取り、酸洗後通常の方法で冷間圧延を
    施した後、再結晶焼鈍で常温からT1 :400〜700
    ℃の温度範囲までは100℃/s以下の加熱速度で加熱
    し、続いて100〜3000℃/sの加熱速度でT2
    750〜910℃の温度域まで昇温した後、直ちにある
    いは所定時間保持後溶融亜鉛めっきを行ってから室温ま
    で冷却し、続いて調質圧延を行うことを特徴とする深絞
    り性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の鋼成分に加えてさらに、
    Ti,Nb,Vのうち1種以上を合計で0.005〜
    0.1wt%含むことを特徴とする請求項5記載の深絞
    り性の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の鋼成分に加えて
    さらに、Bを0.0005〜0.005wt%含むこと
    を特徴とする請求項5または6記載の深絞り性の優れた
    溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】 T1 温度で30秒以下保持することを特
    徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の深絞り性
    の優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  9. 【請求項9】 溶融亜鉛めっき後、さらに合金化処理を
    行ってから室温まで冷却することを特徴とする請求項5
    〜8のいずれか1項に記載の深絞り性の優れた溶融亜鉛
    めっき鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1060591A (ja) * 1996-08-12 1998-03-03 Nkk Corp 腰折れしわ状表面欠陥のない加工用溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
KR100372731B1 (ko) * 1998-12-29 2003-04-23 주식회사 포스코 열간직송압연법에의한고강도구조용박강판및그제조방법
CN109097689A (zh) * 2018-09-10 2018-12-28 武汉钢铁有限公司 一种具有高等级表面形貌的汽车外板用电镀锌特超深冲板及其生产方法

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