JPH0817008A - 磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置

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JPH0817008A
JPH0817008A JP15011894A JP15011894A JPH0817008A JP H0817008 A JPH0817008 A JP H0817008A JP 15011894 A JP15011894 A JP 15011894A JP 15011894 A JP15011894 A JP 15011894A JP H0817008 A JPH0817008 A JP H0817008A
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magnetic
film
magnetic head
metal
gap
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JP15011894A
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Tadashi Saito
正 斎藤
Shinji Takahashi
伸司 高橋
Toshinobu Watanabe
利信 渡辺
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一対の基板に狭持された金属磁性膜に生じが
ちな偏摩耗を低減させて出力低下を抑止するとともに、
製品の歩留り及び信頼性の大幅な向上を図る。 【構成】 金属磁性膜1を磁気ヘッド走行方向Mに対し
て所定角を有するように形成するとともに、各磁気コア
半体4,5において金属磁性膜1を各磁気ギャップG
1,G2に対して線対称、すなわち各磁気ギャップG
1,G2に対する金属磁性膜1の角度が等しくθとなる
ように形成して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばVTR(ビデオ
テープレコーダ)に搭載されるものであって磁気ギャッ
プが磁気記録媒体に対してアジマス角を有する磁気ヘッ
ド及び異なるアジマス角を有する一組の上記磁気ヘッド
が磁気ヘッド走行方向に配列されてなる磁気ヘッド装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラービデオ信号をディジタル化して磁
気テープ等の磁気記録媒体に記録するディジタルVTR
の一例としては、放送局用のいわゆるD1,D2フォー
マットが一般的に用いられている。これらのフォーマッ
トを用いることにより良好な画質等が得られる反面、例
えば上記D1フォーマットにおいては、そのデータ記録
密度が0.05bit/μm程度と小さく、テープ幅が
19mmの磁気テープを用いた大型カセットでも高々
1.5時間程度の再生時間しか得られない。
【0003】一方、記録トラックが磁気ヘッドの走行方
向に直交する方向に対して所定の傾斜角を有する磁気テ
ープを用いてアジマス記録を行うことによりデータ記録
密度を増大させることができる。このとき、トラックピ
ッチが例えば10μmである磁気テープに対して最短波
長0.5μmの信号を記録するようにすることによって
0.4bit/μmのデータ記録密度を実現することが
でき、記録データを再生歪が少くなるかたちで圧縮する
方法を併用することによって、テープ幅が8mm或はそ
れ以下の幅狭の磁気テープを用いても長時間の記録再生
が可能となる。
【0004】ところが、高飽和磁束密度材料からなる金
属磁性膜が一対の基板にて狭持されて磁気コア半体とさ
れ、一対の磁気コア半体が磁気ギャップ材を介して前記
金属磁性膜が突き合わされ所定の各アジマス角を有する
磁気ギャップが形成されてなる2つの磁気ヘッド10
2,103を、図16に示すような回転ドラム101上
に180゜離間させて各ベース104,105上に搭載
し、これらアジマス角の異なる2つの磁気ヘッド10
2,103を用いて、各磁気ヘッド102,103によ
りそれぞれ個別に記録・再生を行うような場合では、図
17に示すように回転ドラム101が正常な状態である
ときには正常な記録パターンが発生することに対して、
図18に示すように、回転ドラム101の偏心等によ
り、先行する上記磁気ヘッドによって記録された信号が
後続の磁気ヘッドによってその一部が消去されるという
異常記録パターン(図中斜線で示す)が発生することが
ある。この異常記録パターンの影響は、磁気テープのト
ラックピッチが狭くなる程大きくなる。例えば、10μ
mのトラックピッチに対して1μmの幅で消去されると
約1dBの出力低下が起こり、十分な再生出力が得られ
ずにビットエラーレートが極めて高くなる。
【0005】そこで、図19に示すように、一対の基板
121,122にて狭持され磁気ヘッド走行方向Mに対
して略々平行に延在する金属磁性膜108を有するアジ
マス角の異なる一組の磁気ヘッド106,107を所定
の磁気ギャップG1,G2間距離GLをもって回転ドラ
ム101上に設け、これら一組の磁気ヘッド106,1
07により同時に記録・再生を行う方法が有効である。
この方法により、回転ドラム101の偏心等による出力
低下が大幅に改善される。
【0006】但しこのとき、一組の磁気ヘッド106,
107の磁気ギャップ間距離を所定値以下とすることが
必要である。この磁気ギャップ間距離が大きすぎると、
図20に示すように、音声信号のアフターレコーディン
グを行う際に先行する磁気ヘッドの磁気ギャップG1が
音声信号領域に入っても後続の磁気ヘッドの磁気ギャッ
プG2が他の信号領域(ここでは画像信号領域)内にあ
ることになり、先行する磁気ヘッドが記録モードに切り
変わると後続の磁気ヘッドが再生を行うことができなく
なる。したがって、磁気ギャップG1,G2間の距離G
Lは、図21に示すように、各々の信号領域間に存在す
るいわゆるインターブロックギャップ領域111の長さ
Lとトラック間段差Dとの和(L+D)よりも短くする
ことが好ましい。具体的には、磁気ギャップG1,G2
間の距離GLは300μm以下であることが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気ギ
ャップG1,G2間の距離GLを300μm以下とする
と、上記の如く2つの磁気ヘッド106,107により
同時に記録・再生を行うことができるようになる反面、
上記金属磁性膜は上記基板と比較して耐摩耗性に劣るた
めに金属磁性膜108に偏摩耗が発生し易く、この偏摩
耗の影響により顕著な出力低下が生じる。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、一対の基板に狭持
された金属磁性膜に生じがちな偏摩耗を低減させて出力
低下を抑止するとともに、製品の歩留り及び信頼性の大
幅な向上を図ることが可能となる磁気ヘッド及び磁気ヘ
ッド装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の対象とするもの
は、高飽和磁束密度材料からなる金属磁性膜が一対の基
板にて狭持されて磁気コア半体とされ、一対の磁気コア
半体が磁気ギャップ材を介して前記金属磁性膜の端面同
士が対抗するように突き合わされ所定のアジマス角を有
する磁気ギャップが形成されてなる磁気ヘッド及び磁気
ヘッド装置である。
【0010】本発明においては、上記金属磁性膜が磁気
ヘッド走行方向に対して所定の傾斜角を有するととも
に、各磁気コア半体における金属磁性膜の傾斜方向が磁
気ギャップを挟んで線対称とされてなることを特徴とす
るものである。
【0011】このとき、金属磁性膜をその磁気ヘッド走
行方向に対する所定角が5゜〜10゜となるように形成
することが望ましい。これは、上記所定角が5゜より小
であると、上記金属磁性膜に発生する偏摩耗による出力
低下が無視できなくなるからであり、また、上記所定角
を10゜より大とすることは実際上現実的なものではな
い。
【0012】また、アジマス角の異なる一組の上記磁気
ヘッドを所定の磁気ギャップ間距離をもって磁気ヘッド
走行方向に配列して磁気ヘッド装置を構成してもよい。
【0013】この場合、記録・再生時において、上記磁
気ヘッド装置を構成する一組の磁気ヘッドのうち、磁気
記録媒体の記録トラックに対して先行する磁気ヘッドが
後続の磁気ヘッドにより生じがちな異常トラックパター
ンの発生等の悪影響を防止することを考慮して、上記一
組の磁気ヘッドの磁気ギャップ間の距離を300μm以
下として構成することが好ましい。
【0014】本発明においては、上記金属磁性膜を狭持
する一対の基板を非磁性材料から構成する。この非磁性
材料としては、具体的には、セラミクスや非磁性フェラ
イト、或は結晶化ガラス等を用いる。
【0015】また、更に出力を向上させるために、上記
金属磁性膜を狭持する一対の基板を磁性フェライトから
構成してもよい。この磁性フェライトとしては、具体的
には、単結晶フェライトや多結晶フェライト、或は単結
晶フェライトと多結晶フェライトとの接合基板、面指数
の異なる単結晶フェライトの接合基板等を用いる。
【0016】但しこの場合、トラック幅規制溝にガラス
材を充填し、所要の磁気ギャップ幅を確保することが必
要である。
【0017】
【作用】本発明に係る上記磁気ヘッド及び磁気ヘッド装
置においては、一対の基板にて狭持された高飽和磁束密
度材料からなる金属磁性膜が磁気ヘッド走行方向に対し
て所定の傾斜角を有する。したがって、金属磁性膜が磁
気ヘッド走行方向に対して略々平行に延在するように形
成されている場合と比較して磁気記録媒体摺動面の媒体
摺動部分(磁気記録媒体との当り部分)中における上記
金属磁性膜の占める割合、すなわち耐摩耗性の低い部分
の占める割合が減少し、媒体摺動部分全体において上記
金属磁性膜の偏摩耗量が低減する。
【0018】さらに上記磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置
においては、各磁気コア半体における上記金属磁性膜の
傾斜方向が磁気ギャップを挟んで線対称、すなわち、磁
気ギャップに対して各磁気コア半体の金属磁性膜のなす
角が相等しく形成されている。したがって、上記磁気ヘ
ッド及び磁気ヘッド装置を作製する際に、各磁気コア半
体に切り出すために2枚の作製用基板を用いる必要がな
く、1枚の作製用基板から各磁気コア半体に切り出すこ
とが可能となる。このとき、磁気ギャップ面の研磨加工
や各磁気コア半体の貼り付け等の作業を行う際に各磁気
コア半体の上記金属磁性膜にピッチずれが生じることが
なく、トラック幅の寸法不良が抑止されることになる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0020】本実施例の対象となるものは、一対の磁気
コア半体よりなるアジマス角の異なる2つの磁気ヘッド
が所定の磁気ギャップ間距離をもって設けられて一組の
磁気ヘッドとされてなる磁気ヘッド装置、いわゆるダブ
ルアジマスヘッドである。
【0021】上記磁気ヘッド装置においては、各磁気ヘ
ッドを構成する各磁気コア11,12は、図1及び図2
に示すように、高飽和磁束密度材料からなる金属磁性膜
1がその膜厚方向から非磁性材料よりなる非磁性基板
2,3に狭持された磁気コア半体4,5からなり、これ
ら一対の磁気コア半体4,5が磁気ギャップ材を介して
金属磁性膜1を突き合わせて所定のアジマス角βを有す
る磁気ギャップG1,G2が形成され、融着ガラス13
により接着されて構成されている。ここで、各磁気コア
11,12においては、記録電流を流すためのコイルを
巻回するガイド溝6及び巻線溝7が各磁気コア半体4の
みに形成されている。
【0022】ここで、金属磁性膜1は、磁気ヘッド走行
方向Mに対して所定角の傾斜を有するとともに、各磁気
コア半体4,5において金属磁性膜1が各磁気ギャップ
G1,G2に対して線対称、すなわち各磁気ギャップG
1,G2に対する金属磁性膜1の角度が等しくθとなる
ように形成されている。このとき、磁気ヘッド走行方向
Mに対する上記所定角が5゜〜10゜となるように金属
磁性膜1を形成する。これは、上記所定角が5゜より小
であると、上記金属磁性膜1に発生する偏摩耗による出
力低下が無視できなくなり、上記所定角が10゜より大
であると、実際上現実的なものでなくなるからである。
【0023】上記金属磁性膜1の材料としては、本実施
例ではFe−Ru−Ga−Si(SMX)を用いるが、
このSMXの代わりにセンダストや、センダスト+O、
センダスト+N、SMX+O、SMX+N等の結晶質磁
性材、或はFe系微結晶材、Co系系微結晶材等を用い
てもよい。
【0024】また、非磁性基板2,3の材料としては、
本実施例ではセラミクスを用いるが、非磁性フェライト
や結晶化ガラス等を用いてもよい。
【0025】そして、上記の如く構成された各磁気コア
11,12は、各磁気ギャップG1,G2が所定の磁気
ギャップ間距離GLをもって設けられて一組の磁気コア
とされている。このとき、記録・再生時において、上記
一組の磁気コアよりなる各磁気ヘッドのうち、磁気記録
媒体の記録トラックに対して先行する磁気ヘッドが後続
の磁気ヘッドにより生じがちな異常トラックパターンの
発生等の悪影響を防止することを考慮して、上記一組の
磁気コアの磁気ギャップ間の距離を300μm以下とし
て構成することが好ましい。
【0026】上記の如く構成された各磁気コア11,1
2に図示しない巻線等が施されて一組の磁気ヘッドであ
る磁気ヘッド装置とされ、回転ドラムに設けられたベー
ス(共に図示は省略する。)に設置されている。
【0027】上記磁気ヘッド装置を作製する方法につい
て工程順に従って説明する。
【0028】先ず図3に示すように、非磁性材料(ここ
ではセラミクス)よりなる非磁性基板21を用意し、こ
の非磁性基板21の両面にポリッシング等により鏡面加
工を施す。次いで、図4に示すように、上記非磁性基板
21の一方の主面にスパッタリング等により金属磁性膜
22を成膜する。
【0029】上記金属磁性膜22を成膜するに際して
は、非磁性基板21との付着力向上等のために、この非
磁性基板21上に予め下地膜を形成しておいても良く、
この下地膜としては、SiO2 ,Ta2 5 等の酸化
膜、Si3 4 等の窒化膜、Cr,Al,Si,Pt等
の金属膜またはこれらの合金膜、或はこれらを組み合わ
せた積層膜等が使用される。なお、本実施例において
は、膜厚50nmのSiO2を上記下地層として形成し
た。
【0030】ここで、上記金属磁性膜22は、高周波特
性を向上させるために、SiO2 よりなる絶縁膜を介し
て膜厚の薄いSMX系の結晶質磁性金属材料よりなる磁
性金属薄膜を数層積層することにより形成する。なお、
本実施例においては、膜厚0.2μmの上記絶縁膜を介
して一層あたりの膜厚3μmの上記磁性金属薄膜を5層
重ねて金属磁性膜22を形成した。
【0031】さらに、金属磁性膜22上及び非磁性基板
21の下面に、図5に示すように低融点ガラス23を成
膜する。このとき、金属磁性膜22及び非磁性基板21
と低融点ガラス23の接合強度を向上させるために下地
膜を成膜してもよく、この下地膜としては、SiO2
Ta2 5 等の酸化膜、Si3 4 等の窒化膜、Cr,
Al,Si,Pt等の金属膜またはこれらの合金膜、或
はこれらを組み合わせた積層膜等が使用される。なお、
本実施例においては、上記低融点ガラス23として膜厚
0.2μmのPbO系ガラス膜を、上記下地膜として膜
厚0.1μmのCr膜をスパッタリングにて形成した。
【0032】このとき、上記低融点ガラス23として、
フリットガラスをスピンコーティング等により塗布形成
してもよい。
【0033】そして、上記の如く金属磁性膜22及び低
融点ガラス23の形成された非磁性基板21を図6に示
すように(以下、低融点ガラス23の図示は省略す
る。)複数積層し、加圧しながら500℃〜700℃に
加熱して複数の非磁性基板21の接合を行い、ヘッドブ
ロック24を作製する。このとき、複数の非磁性基板2
1は、図6中αで示す傾斜角をもって積層する。ここ
で、アジマス角β及び金属磁性膜1の磁気ヘッド走行方
向Mに対する傾斜角γを用いて、傾斜角αは下記の
(1)式により求められる角度である。
【0034】α=β−γ ・・・(1) なお、本実施例においては、アジマス角βを20゜、傾
斜角αを10゜(したがって、γ=10゜)とした。
【0035】次いで、図7に示すように、ヘッドブロッ
ク24の複数の非磁性基板21の積層によって段差部と
なっている両側面を傾斜角αをもつ面となるように各切
断ラインk1に従って切断し、各作製用基板25を作製
する。そして、これら作製用基板25の切断面に平面研
削盤等を用いて研削を施した後、図8に示すように各巻
線溝26を形成する。このとき、1枚の作製用基板25
から各磁気コア半体4,5となる磁気コア半体ブロック
27,28を切り出すことを考慮して、図示の如く各巻
線溝26を磁気コア半体ブロック28の間隔を設けて形
成する。
【0036】そして、ギャップ面(突き合わせ面)Sに
ポリッシング等により鏡面加工を施した後、図中一点鎖
線で示す各切断ラインk2に従って切断し、各磁気コア
半体ブロック27,28を作製する。次いで、各磁気コ
ア半体ブロック27,28の各ギャップ面Sにギャップ
膜を成膜し、図9に示すように、上記融着ガラス13を
用いて各磁気コア半体ブロック27,28をこれらギャ
ップ面Sにて突き合わせてギャップ接合して磁気コアブ
ロック31を作製する。
【0037】次に、磁気コアブロック31にガイド溝2
9を形成してこのガイド溝29の形成面に円筒研磨を施
した後、図10に示すように磁気コアブロック31を所
要のアジマス角β(本例では20゜)だけ傾斜させた状
態にて当り幅加工及び図中破線で示す各切断ラインk3
に従って所定チップ厚dとなるように切り出しを行い、
さらに、上記ギャップ間距離GLを300μm以下とす
るために、各磁気コア11を構成する磁気コア半体4,
5のうち巻線溝7が形成されていない磁気コア半体5が
磁気ギャップG1のセンターから150μm程度残るよ
うに磁気コア半体ブロック28の切断を行い、上記各磁
気コア11を作製する。
【0038】そして、上述の各磁気コア11と同様にし
て各磁気コア12を作製し、各磁気コア11,12に巻
線等を施して図1及び図2に示す上記一組の磁気ヘッド
(磁気ヘッド装置)として、各磁気ギャップG1,G2
の磁気ギャップ間距離GLが所定値(ここでは300μ
m)となるようにして各磁気ヘッドを回転ドラムに設け
られたベースに設置する。
【0039】以上のように、本実施例に係る磁気ヘッド
装置においては、一対の非磁性基板2,3にて狭持され
た高飽和磁束密度材料からなる金属磁性膜1が磁気ヘッ
ド走行方向Mに対して所定の傾斜角γ(ここでは10
゜)を有する。したがって各磁気ヘッドにおいて、金属
磁性膜1が磁気ヘッド走行方向Mに対して略々平行に延
在するように形成されている場合と比較して磁気記録媒
体摺動面の媒体摺動部分(磁気記録媒体との当り部分)
中における上記金属磁性膜1の占める割合、すなわち耐
摩耗性の低い部分の占める割合が減少し、媒体摺動部分
全体において上記金属磁性膜1の偏摩耗量が低減する。
【0040】実際、上記実施例の磁気ヘッド装置と、上
記図19に示すように金属磁性膜108が磁気ヘッド走
行方向Mに対して略々平行に延在する構造とされた従来
の磁気ヘッド装置とを用いて、摺動時間(対数目盛りで
示す)と出力低下との関係について調べたところ、図1
1に示すように、従来の磁気ヘッド装置(図中Bで示
す)では摺動時間が増加するにつれて2dB程度の出力
低下を示したのに対し、上記実施例の磁気ヘッド装置
(図中Bで示す)では殆ど出力低下は観られなかった。
【0041】さらに上記磁気ヘッド装置においては、各
磁気コア半体4,5において上記金属磁性膜1の傾斜方
向が磁気ギャップG1(またはG2)を挟んで線対称、
すなわち、磁気ギャップG1(またはG2)に対して各
磁気コア半体4,5の金属磁性膜1のなす角θが相等し
く形成されている。したがって、上記各磁気ヘッドを作
製する際に、各磁気コア半体4,5に切り出すために2
枚の作製用基板を用いる必要がなく、1枚の作製用基板
25から各磁気コア半体4,5となる磁気コア半体ブロ
ック27,28に切り出すことが可能となる。このと
き、磁気ギャップ面の研磨加工や各磁気コア半体ブロッ
ク27,28の貼り付け等の作業を行う際に各磁気コア
半体ブロック27,28の上記金属磁性膜1にピッチず
れが生じることがなく、トラック幅の寸法不良が抑止さ
れることになる。
【0042】ここで、上記実施例に対する比較例につい
て説明する。この比較例の磁気ヘッド装置は、上記実施
例のそれとほぼ同様の構成を有するが、金属磁性膜1の
形状が異なる点で相違する。なお、上記実施例と対応す
る部材等については同符号を記して説明を省略する。
【0043】すなわち、上記比較例の磁気ヘッド装置に
おいては、図12に示すように、上記金属磁性膜1が磁
気ヘッド走行方向Mに対して所定角の傾斜を有するが、
各磁気コア半体41,42において金属磁性膜1が磁気
ギャップG1(またはG2)に対して線対称ではなく、
磁気ギャップG1(またはG2)に対する各磁気コア半
体41,42の金属磁性膜1のなす角θ1,θ2が、以
下の(2)式に示す関係を満たすように金属磁性膜1が
形成されている。
【0044】 θ1+θ2=180゜,且つθ1≠θ2 ・・・(2) ここで、比較例の磁気ヘッド装置においても、上記実施
例と同様に、傾斜角α、アジマス角β、及び金属磁性膜
1の磁気記録媒体走行方向Mに対する傾斜角γの関係
は、上記(1)式で示される。この比較例においては、
アジマス角βを20゜、傾斜角γを10゜として金属磁
性膜1を形成したが、傾斜角γを0゜とすることによ
り、上記図19に示すように金属磁性膜108が磁気ヘ
ッド走行方向Mに対して略々平行に延在する構造とな
る。
【0045】この比較例の磁気ヘッド装置は、上記実施
例のそれとほぼ同様の工程を経て作製されるが、上記の
如くθ1≠θ2であるために、各磁気コア半体41,4
2を別々の作製用基板43,44から切り出して作製す
る必要がある。したがって、双方の作製用基板43,4
4の切断面に平面研削盤等を用いて研削を施す際に、図
13に示すように貼り付けバラツキaが発生する。する
と、作製用基板43,44を各ギャップ面Sにて突き合
わせてギャップ接合する際に、図14に示すようにトラ
ックのピッチずれbが生じ、トラック幅の寸法不良が起
こる。このトラック幅の寸法不良の発生によって出力の
大幅な低下が引き起こされることになる。
【0046】実際、上記実施例の磁気ヘッド装置と上記
傾斜角γを0゜及び10とした上記比較例の磁気ヘッド
装置とを用いて、トラック幅寸法公差±1μmとしたと
きのトラック幅寸法不良の発生率について調べたとこ
ろ、上記比較例の磁気ヘッド装置ではどちらも30%〜
50%の不良発生率を示したのに対し、上記実施例の磁
気ヘッド装置では3%以下であった。
【0047】このように、上記実施例の磁気ヘッド装置
の比較例のそれに対する明らかな優位性が示された。
【0048】次いで、上記実施例の変形例について説明
する。この変形例の磁気ヘッド装置は、上記実施例のそ
れとほぼ同様の構成を有するが、金属磁性膜1を狭持す
る基板の材質が異なる点で相違する。なお、上記実施例
と対応する部材等については同符号を記して説明を省略
する。
【0049】すなわち、この変形例の磁気ヘッド装置に
おいては、図15に示すように、金属磁性膜1を狭持す
る基板が磁性フェライトからなる一対の磁性基板51,
52として構成されている。このとき、図示の如くトラ
ック幅規制溝Tにガラス材である融着ガラス13を充填
し、所要の磁気ギャップ幅を確保することが必要であ
る。
【0050】なお、上記磁性フェライトとしては、単結
晶フェライトや多結晶フェライト、或は単結晶フェライ
トと多結晶フェライトとの接合基板、面指数の異なる単
結晶フェライトの接合基板等を用いる。
【0051】この変形例の磁気ヘッド装置においては、
上記実施例と同様に、一対の磁性フェライトからなる磁
性基板51,52にて狭持された高飽和磁束密度材料か
らなる金属磁性膜1が磁気ヘッド走行方向Mに対して所
定の傾斜角γ(ここでは10゜)を有する。したがっ
て、金属磁性膜1が磁気ヘッド走行方向Mに対して略々
平行に延在するように形成されている場合と比較して磁
気記録媒体摺動面の媒体摺動部分(磁気記録媒体との当
り部分)中における上記金属磁性膜1の占める割合、す
なわち耐摩耗性の低い部分の占める割合が減少し、媒体
摺動部分全体において上記金属磁性膜1の偏摩耗量が低
減する。
【0052】また、上記磁気ヘッド装置においては、各
磁気コア半体4,5において上記金属磁性膜1の傾斜方
向が磁気ギャップG1(またはG2)を挟んで線対称、
すなわち、磁気ギャップG1(またはG2)に対して各
磁気コア半体4,5の金属磁性膜1のなす角θが相等し
く形成されている。したがって、上記磁気ヘッド装置の
各磁気ヘッドを作製する際に、各磁気コア半体4,5に
切り出すために2枚の作製用基板を用いる必要がなく、
1枚の作製用基板25から各磁気コア半体4,5となる
磁気コア半体ブロック27,28に切り出すことが可能
となる。このとき、磁気ギャップ面の研磨加工や各磁気
コア半体ブロック27,28の貼り付け等の作業を行う
際に各磁気コア半体ブロック27,28の上記金属磁性
膜1にピッチずれが生じることがなく、トラック幅の寸
法不良が抑止されることになる。
【0053】さらに、この変形例の磁気ヘッド装置にお
いては、上記実施例の磁気ヘッド装置のように金属磁性
膜1のみで磁路を形成するものと比較して更なる出力の
向上を図ることが可能となる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、高飽和磁束密度材料か
らなる金属磁性膜が一対の基板にて狭持されて磁気コア
半体とされ、一対の磁気コア半体が磁気ギャップ材を介
して前記金属磁性膜の端面同士が対抗するように突き合
わされ、所定のアジマス角を有する磁気ギャップが形成
されてなる磁気ヘッドにおいて、上記金属磁性膜を磁気
ヘッド走行方向に対して所定の傾斜角を有するととも
に、各磁気コア半体において金属磁性膜の傾斜方向を磁
気ギャップを挟んで線対称として構成したので、一対の
基板に狭持された金属磁性膜に生じがちな偏摩耗を低減
させて出力低下を抑止するとともに、製品の歩留り及び
信頼性の大幅な向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の磁気ヘッド装置を模式的に示す斜視
図である。
【図2】本実施例の磁気ヘッド装置の摺動面を模式的に
示す平面図である。
【図3】鏡面加工を施した非磁性基板を模式的に示す斜
視図である。
【図4】非磁性基板の一方の主面に金属磁性膜が成膜さ
れた様子を模式的に示す斜視図である。
【図5】金属磁性膜上及び非磁性基板の下面に低融点ガ
ラス膜が成膜された様子を模式的に示す斜視図である。
【図6】金属磁性膜及び低融点ガラスの形成された非磁
性基板が複数積層された様子を模式的に示す斜視図であ
る。
【図7】複数積層された非磁性基板を各切断ラインに従
って切断する様子を模式的に示す斜視図である。
【図8】巻線溝が形成された様子を模式的に示す斜視図
である。
【図9】各磁気コア半体ブロックをこれらギャップ面に
て突き合わせてギャップ接合して磁気コアブロックが作
製された様子を模式的に示す斜視図である。
【図10】ガイド溝が形成された磁気コアブロックから
切り出しを行う様子を模式的に示す正面図である。
【図11】実施例の磁気ヘッド装置と従来の磁気ヘッド
装置について、摺動時間と出力との関係を示す特性図で
ある。
【図12】比較例の磁気ヘッド装置の摺動面を模式的に
示す平面図である。
【図13】双方の作製用基板の切断面に平面研削盤等を
用いて研削を施す様子を模式的に示す側面図である。
【図14】作製用基板を各ギャップ面にて突き合わせて
ギャップ接合する際に、トラックのピッチずれが生じる
様子を模式的に示す側面図である。
【図15】変形例の磁気ヘッド装置を模式的に示す斜視
図である。
【図16】従来の磁気ヘッドが回転ドラム上に180゜
離間されて設置されている様子を模式的に示す側面図で
ある。
【図17】回転ドラムの正常回転時における記録パター
ンを示す模式図である。
【図18】回転ドラムに偏心等が生じて発生する異常記
録パターンを示す模式図である。
【図19】磁気ヘッド走行方向に対して略々平行に延在
する金属磁性膜を有するアジマス角の異なる一組の磁気
ヘッドが所定の磁気ギャップ間距離をもって回転ドラム
上に設けられている様子を模式的に示す平面図である。
【図20】磁気ギャップ間距離が長いときの磁気記録媒
体上での各磁気ヘッドの磁気ギャップの様子を示す模式
図である。
【図21】磁気ギャップ間距離が適正値であるときの磁
気記録媒体上での各磁気ヘッドの磁気ギャップの様子を
示す模式図である。
【符号の説明】
1 金属磁性膜 2,3 非磁性基板 4,5 磁気コア半体 6 ガイド溝 7 巻線溝 11,12 磁気コア 13 融着ガラス 51,52 磁性基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高飽和磁束密度材料からなる金属磁性膜
    が一対の基板にて狭持されて磁気コア半体とされ、一対
    の磁気コア半体が磁気ギャップ材を介して前記金属磁性
    膜の端面同士が対抗するように突き合わされ、所定のア
    ジマス角を有する磁気ギャップが形成されてなる磁気ヘ
    ッドにおいて、 上記金属磁性膜が磁気ヘッド走行方向に対して所定の傾
    斜角を有するとともに、各磁気コア半体における金属磁
    性膜の傾斜方向が磁気ギャップを挟んで線対称とされて
    なることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 金属磁性膜の磁気ヘッド走行方向に対す
    る所定角が5゜〜10゜であることを特徴とする請求項
    1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 アジマス角の異なる一組の請求項1記載
    の磁気ヘッドが所定の磁気ギャップ間距離をもって磁気
    ヘッド走行方向に配列されてなることを特徴とする磁気
    ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 一組の磁気ヘッドの磁気ギャップ間の距
    離が300μm以下であることを特徴とする請求項3記
    載の磁気ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 金属磁性膜を狭持する一対の基板が非磁
    性材料よりなることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 金属磁性膜を狭持する一対の基板が磁性
    フェライトよりなることを特徴とする請求項1記載の磁
    気ヘッド。
  7. 【請求項7】 トラック幅規制溝にガラス材が充填され
    ていることを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
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