JPH08168580A - Ｔ型剃刀における剃刀ヘッドの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】剃刀ヘッドＨは刃台１上に刃部材３０とカバー
２１とを順次重合させたものである。刃部材３０の刃先
３１ａ，３２ａ側で刃台１の両側板部７に対しカバー２
１が回動可能に支持されている。その回動に伴いカバー
２１は刃体載置可能な開放状態と閉状態とを取り得る。
刃部材３０は下刃体３２とスペーサ３３と上刃体３１と
を接着したものである。剃刀ヘッドＨを組付ける場合、
まず、カバー２１を開放状態にし、刃台１上に刃部材３
０を載置する。次に、カバー２１を閉状態にする。 【効果】使用者は刃部材３０のみの交換を容易に行うこ
とができ、刃部材３０以外の剃刀ヘッドＨ及びホルダ２
を有効に再利用する高級剃刀に適切である。刃部材３０
を刃台１上に載せるだけで上下両刃体３１，３２及びス
ペーサ３３の重合作業を簡単にできるとともに、刃部材
３０の交換時にスペーサ３３を紛失するおそれがない。
剃刀ヘッドＨの組付け及び分解を容易に行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はＴ型剃刀において刃台
上に刃部材とカバーとを順次重合させた剃刀ヘッドの構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のＴ型剃刀においては、例えば実開
昭５５ー１７４８７９号公報に示すように、刃台上に下
刃体とスペーサと上刃体とカバーとが順次重合され、カ
バー側の軸が刃台にかしめられてそれらの間に上下両刃
体及びスペーサが挟着されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記Ｔ型剃
刀では、その構造上、刃体のみの交換ができない。その
ため、使い捨て剃刀では問題はないが、刃体以外の剃刀
ヘッド及びホルダを有効に再利用する高級剃刀の場合に
は、不適切な構造である。

【０００４】そこで、Ｔ型剃刀にあって刃体の交換を容
易に行い得る剃刀ヘッド構造を提供したものが本発明で
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】後記する実施例の図面
（図１，５，６，７参照）に示すように、第一発明にか
かるＴ型剃刀の剃刀ヘッド構造においては、刃台（１）
と刃部材（３０）とカバー（２１）とを備えている。刃
部材（３０）は前縁の刃先（３１ａ，３２ａ）とその対
辺側である後縁の背部（３１ｂ，３２ｂ）とを有してい
る。剃刀ヘッド（Ｈ）は刃台（１）上に刃部材（３０）
とカバー（２１）とを順次重合させたものである。前記
刃台（１）上に重合した刃部材（３０）の刃先（３１
ａ，３２ａ）側で刃台（１）の両側板部（７）に対しカ
バー（２１）が回動可能に支持されている。その回動に
伴い、カバー（２１）は、刃体載置可能な開放状態と、
刃台（１）上に刃部材（３０）とカバー（２１）とを順
次重合させた閉状態とを取り得るようになっている。

【０００６】第二発明において、第一発明の刃部材（３
０）は、下刃体（３２）とスペーサ（３３）と上刃体
（３１）とを接着したものである。第三発明において
は、第一発明又は第二発明のカバー（２１）を開放状態
と閉状態とに回動させる開閉機構が設けられている。

【０００７】

【作用】本発明においては、剃刀ヘッド（Ｈ）を組付け
る場合、まず、図２に示すようにカバー（２１）を開放
状態にし、図３，４に示すように刃台（１）上に刃部材
（３０）を載置する。次に、図５，６，７に示すように
カバー（２１）を閉状態にする。一方、剃刀ヘッド
（Ｈ）を分解する場合には、前述した場合と逆の操作を
行う。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例にかかる二枚刃Ｔ型
剃刀を図面を参照して説明する。図１及び図５〜７に示
すように、刃台１はホルダ２上の固定台３と可動台４と
からなる。

【０００９】この固定台３は、上下方向へ延びる二股状
の前後両脚部５と、この両脚部５の上端部で左右方向へ
延びる連結部６と、この連結部６の左右両端部にある側
板部７とを有している。この両脚部５の外周に雄ねじ８
が形成されている。この両脚部５の下端部が前記ホルダ
２の上端部に挿嵌されて小ねじ９により固定され、この
両脚部５の雄ねじ８がホルダ２の上端部と前記連結部６
との間にある。この連結部６上の左右両側には両脚部５
と両側板部７との間で係合突起１０が形成されている。

【００１０】一方、前記可動台４は、案内筒部１１と、
この案内筒部１１上で左右方向へ延設された載置台部１
２とを有している。この載置台部１２は、左右方向へ延
びる溝１３により、前後の台板部１４，１５に分けられ
ている。この案内筒部１１内で案内孔１１ａが上下方向
へ貫通されて前記溝１３に連通している。前側台板部１
４の前縁にはガード１６がひげかす排除孔１７を介して
形成されている。

【００１１】前記固定台３の両脚部５が案内筒部１１内
の案内孔１１ａにその上方から挿嵌され、前記固定台３
の連結部６が載置台部１２の溝１３に挿嵌されている。
前記ホルダ２の上端部外周に操作つまみ１８が回動可能
に嵌合され、この操作つまみ１８内の雌ねじ１８ａが前
記両脚部５の雄ねじ８に螺合されているとともに、この
操作つまみ１８の上端部が案内筒部１１の下端部に当接
している。両脚部５間には引張コイルばね１９が挿入さ
れ、同ばね１９の下端が前記ホルダ２側の小ねじ９に連
結されているとともに、同ばね１９の上端がピン２０で
案内筒部１１に連結されている。前記可動台４はこの引
張コイルばね１９の弾性力により下方へ付勢されてい
る。操作つまみ１８を回動させると、その雌ねじ１８ａ
と雄ねじ８との螺合により、操作つまみ１８が引張コイ
ルばね１９の弾性力に抗してホルダ２に沿って上動し、
案内筒部１１で可動台４を押し上げる。操作つまみ１８
を逆に回動させると、引張コイルばね１９の弾性力によ
り可動台４が下動する。

【００１２】カバー２１は天板部２２とその左右両端の
アーム２３とからなり、この両アーム２３は天板部２２
に対し直角に折り曲げられている。前記固定台３におい
て連結部６よりも前側の左右両側板部７間でそれらに両
アーム２３が両側板部７に面して支軸２４により支持さ
れ、この左右両支軸２４間の回動中心２４ａ回りで回動
可能になっている。このアーム２３に連続して支軸２４
からレバー２５がアーム２３の前方へ延設され、支軸２
４付近でレバー２５に隣接してアーム２３の前側に切欠
き２６が形成されている。前側台板部１４の左右両端面
の下側にはアーム２３の前方で突起２７が形成されてい
る。天板部２２の外側には膨出突条２８が形成され、そ
の内側に凹所２９が形成されている。

【００１３】一体化された刃部材３０は上刃体３１と下
刃体３２とスペーサ３３とからなる。上刃体３１及び下
刃体３２においては、その前縁に直線状の刃先３１ａ，
３２ａが形成されているとともに、この刃先３１ａ，３
２ａの対辺側になる後縁に背部３１ｂ，３２ｂが形成さ
れ、それら間でスペーサ３３が挟着されて互いに接着さ
れている。この刃部材３０の左右両側には係合孔３４が
貫設されている。

【００１４】次に、この刃部材３０の組付け手順を述べ
る。図２に示す状態では、操作つまみ１８が最下動位置
にあり、引張コイルばね１９の弾性力により可動台４も
最下動位置にある。カバー２１は、刃体載置可能な開放
状態にあり、アーム２３が突起２７上に係止されて上方
へのみ回動可能になっている。固定台３の連結部６は可
動台４の載置台部１２の溝１３から上方へ突出してい
る。

【００１５】この開放状態で、図３，４に示すように、
固定台３の連結部６上に刃部材３０を載せ、この連結部
６の両係合突起１０を刃部材３０の両係合孔３４に挿入
する。

【００１６】操作つまみ１８を回動させて可動台４を引
張コイルばね１９の弾性力に抗して押し上げると、カバ
ー２１において、図２の状態から突起２７が上動し、図
４に示すようにアーム２３が上方へ回動してその切欠き
２６に突起２７が係入される。そして、さらに操作つま
み１８を回動させて可動台４を上動させると、図５，
６，７に示すように、可動台４の載置台部１２が固定台
３の連結部６の上方へ突出するとともに、アーム２３が
突起２７によりさらに上方へ回動してカバー２１の天板
部２２が刃部材３０を載置台部１２との間で挟持する。
突起２７はアーム２３の切欠き２６から抜け、アーム２
３に沿って上動する。従って、この閉状態では、刃部材
３０は可動台４の載置台部１２とカバー２１との間で挟
着され、上下両刃先３１ａ，３２ａが振れることなく確
実に挟着されて可動台４のガード１６に沿って露出す
る。連結部６の両係合突起１０はカバー２１の凹所２９
に挿入される。

【００１７】図５，６，７の閉状態で剃刀ヘッドＨの分
解を行う場合、逆に操作つまみ１８を回動させて下動さ
せると、可動台４も下動し、突起２７が切欠き２６に係
入されてレバー２５を押す。そのため、図３，４に示す
ようにカバー２１が開き始める。その後、図２の開放状
態に戻る。

【００１８】本実施例は下記（イ）〜（ホ）の特徴を有
する。 （イ） 刃台１に対しカバー２１が回動可能に支持され
て開閉できるようになっているので、使用者は刃部材３
０のみの交換を容易に行うことができる。従って、刃部
材３０以外の剃刀ヘッドＨ及びホルダ２を有効に再利用
する高級剃刀に適切である。

【００１９】（ロ） 刃部材３０は下刃体３２とスペー
サ３３と上刃体３１とを接着して一体化したものであ
る。従って、この刃部材３０を刃台１上に載せるだけで
上下両刃体３１，３２及びスペーサ３３の重合作業を簡
単に行うことができる。また、刃部材３０の交換時にス
ペーサ３３を紛失するおそれがなくなる。

【００２０】（ハ） 刃部材３０の刃先３１ａ，３２ａ
側で刃台１の両側板部７に対しカバー２１を回動可能に
支持したので、上下両刃先３１ａ，３２ａが振れること
なくカバー２１により確実に挟着されて可動台４のガー
ド１６に沿って露出する。

【００２１】（ニ） 図５，６，７の閉状態で突起２７
がアーム２３に係止されてアーム２３の回動を阻止する
ので、その閉状態を確実に維持することができる。 （ホ） カバー２１の外側に膨出突条２８を形成してそ
の内側に凹所２９を形成したので、カバー２１の肉厚を
薄くすることなく、固定台３の連結部６上の係合突起１
０をこの凹所２９に挿入でき、カバー２１の強度を大き
くすることができる。

【００２２】前記実施例以外にも下記（イ）〜（ハ）の
ように構成してもよい。 （イ） 前記実施例で示した二枚刃Ｔ型剃刀の刃部材３
０において、下刃体３２とスペーサ３３と上刃体３１と
を互いに接着せず分離する。

【００２３】（ロ） 前記実施例では二枚刃Ｔ型剃刀を
示したが、刃部材３０を一枚の刃体とした一枚刃Ｔ型剃
刀に変更する。 （ハ） 前述した実施例では、上下両刃体３１，３２の
直線状刃先３１ａ，３２ａの延設方向に沿う回動中心２
４ａ回りで、カバー２１が固定台３の前側に対し回動可
能に支持されている。このカバー２８の回動支持構造を
変更する。ここに言う回動中心には、前記実施例に示す
ように固定台３に対する固定中心としての回り対偶ばか
りでなく、この回り対偶に滑り対偶を付加した広義のも
のも含む。

【００２４】各実施例から把握できる技術的思想（請求
項以外）を効果とともに記載する。 （イ） 請求項３において、刃台１は相対移動可能な第
一の部材（固定台３）及び第二の部材（可動台４）を有
し、この両部材のうちいずれかのものにカバー２１が回
動可能に支持されている。開閉機構は、この両部材を相
対移動させる可動手段（脚部５の雄ねじ８、操作つまみ
１８、雌ねじ１８ａ、引張コイルばね１９等）と、この
両部材の相対移動をカバー２１の開閉回動として伝える
伝動機構（アーム２３、レバー２５、突起２７等のリン
ク機構）とを備えている。従って、この開閉機構によ
り、剃刀ヘッドＨの組付け及び分解を容易に行うことが
できる。又、この開閉機構をカム機構にしてもよい。

【００２５】（ロ） 刃台１上に下刃体３２と上刃体３
１とカバー２１とを順次重合させた閉状態において、
（イ）の第二部材（可動台４）上に下刃体３２が載置さ
れる。

【００２６】

【発明の効果】第一発明にかかるＴ型剃刀の剃刀ヘッド
構造によれば、刃台（１）に対しカバー（２１）が回動
可能に支持されて開閉できるようになっているので、使
用者は刃部材（３０）のみの交換を容易に行うことがで
き、刃部材（３０）以外の剃刀ヘッド（Ｈ）及びホルダ
（２）を有効に再利用する高級剃刀に適切である。

【００２７】第二発明によれば、刃部材（３０）は下刃
体（３２）とスペーサ（３３）と上刃体（３１）とを接
着して一体化したものであるので、この刃部材（３０）
を刃台（１）上に載せるだけで上下両刃体（３１，３
２）及びスペーサ（３３）の重合作業を簡単に行うこと
ができるとともに、刃部材（３０）の交換時にスペーサ
（３３）を紛失するおそれがなくなる。

【００２８】第三発明では、第一発明又は第二発明の効
果に加え、開閉機構により、剃刀ヘッド（Ｈ）の組付け
及び分解を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 （ａ）は本実施例にかかる二枚刃Ｔ型剃刀を
示す分解斜視図であり、（ｂ）は刃部材の断面図であ
る。

【図２】 この二枚刃Ｔ型剃刀の組付け途中でカバーを
開放した状態を示す斜視図である。

【図３】 カバーの開放状態で固定台上に刃部材を載置
した状態を示す斜視図である。

【図４】 図３のＸーＸ線断面図である。

【図５】 本実施例の二枚刃Ｔ型剃刀の組付け状態を示
す斜視図である。

【図６】 図５のＹーＹ線断面図である。

【図７】 本実施例の二枚刃Ｔ型剃刀の組付け状態を示
す断面図ある。

【符号の説明】

１…刃台、２…ホルダ、３…固定台、４…可動台、７…
側板部、１８…操作つまみ、２１…カバー、３１…上刃
体、３２…下刃体，３３…スペーサ、Ｈ…剃刀ヘッド。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 刃台（１）と、 前縁の刃先（３１ａ，３２ａ）とその対辺側である後縁
   の背部（３１ｂ，３２ｂ）とを有する刃部材（３０）
   と、 カバー（２１）とを備え、 刃台（１）上に刃部材（３０）とカバー（２１）とを順
   次重合させた剃刀ヘッド（Ｈ）を有するＴ型剃刀におい
   て、 前記刃台（１）上に重合した刃部材（３０）の刃先（３
   １ａ，３２ａ）側で刃台（１）の両側板部（７）に対し
   カバー（２１）を回動可能に支持し、その回動に伴い、
   カバー（２１）を、刃体載置可能な開放状態と、刃台
   （１）上に刃部材（３０）とカバー（２１）とを順次重
   合させた閉状態とを取り得るようにしたことを特徴とす
   るＴ型剃刀における剃刀ヘッドの構造。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の刃部材（３０）は、下
   刃体（３２）とスペーサ（３３）と上刃体（３１）とを
   接着したものであることを特徴とするＴ型剃刀における
   剃刀ヘッドの構造。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２におけるカバー
   （２１）を開放状態と閉状態とに回動させる開閉機構を
   設けたことを特徴とするＴ型剃刀における剃刀ヘッドの
   構造。