JPH08166395A - 超高真空顕微鏡センサ部ユニット、その取り付け方法及び顕微鏡装置 - Google Patents

超高真空顕微鏡センサ部ユニット、その取り付け方法及び顕微鏡装置

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JPH08166395A
JPH08166395A JP33246994A JP33246994A JPH08166395A JP H08166395 A JPH08166395 A JP H08166395A JP 33246994 A JP33246994 A JP 33246994A JP 33246994 A JP33246994 A JP 33246994A JP H08166395 A JPH08166395 A JP H08166395A
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JP
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cantilever
sensor unit
light
microscope
vacuum
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Application number
JP33246994A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kawami
浩 川見
Tsukasa Hayashi
司 林
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超高真空においても利用できる原子間力顕微
鏡(AFM)或いは原子間力顕微鏡を含む複合顕微鏡を
提供することが本発明の目的である。超高真空に引くに
はチャンバをベ−キングしなければならないが、そうす
ると熱に弱い、圧電素子、レ−ザダイオ−ド等を損傷す
る可能性がある。さらに真空チャンバの内部でカンチレ
バ−を交換するのは難しい。ベ−キングによって圧電素
子やレ−ザを損なわず、カンチレバ−の取り替えを容易
にした改良を提案する。 【構成】 カンチレバ−、圧電素子、レ−ザ、受光素子
などを一体化してセンサ部ユニットとする。これを外部
から試料直上の装着部へ或いは反対に装着部から外部へ
搬送できるようにする。外部にセンサ部ユニットを取り
出してカンチレバ−を取り替える。真空装置を加熱しべ
−キングした後で、センサ部ユニットを真空チャンバの
内部に装入して装着部に固定する。この状態で試料の検
査を行なうことができる。センサ部ユニットを外部にお
いてチャンバを加熱できるので、べ−キングによって圧
電素子やレ−ザが劣化しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高真空において用い
ることのできるカンチレバ−の撓み検出機構の構造に関
する。カンチレバ−は原子間力顕微鏡のセンサ部をなす
ものである。本発明のカンチレバ−構造は単独の原子間
力顕微鏡にも勿論利用することができる。さらに走査型
トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)
と走査型静電容量顕微鏡(SCaM)を結合した複合顕
微鏡のカンチレバ−の構造としても利用することができ
る。
【0002】複合顕微鏡について始めに説明する。走査
型トンネル顕微鏡は探針と試料との間に流れるトンネル
電流を測定して試料表面の凹凸や電子状態を調べる顕微
鏡である。原子間力顕微鏡は試料表面の凹凸を原子単位
で観察できる顕微鏡である。静電容量顕微鏡は探針と試
料表面の静電容量の微細な変化を測定するための顕微鏡
である。これらは目的や原理が異なる顕微鏡である。し
かしいずれも半導体の表面などの微細な構造、組成など
を観察するための手段として極めて有力である。そこで
本発明者はこれらの顕微鏡の機能を結合して複合的な装
置を開発しようとしている。
【0003】
【従来の技術】[原子間力顕微鏡(AFM)]近接し
た原子の間に働く原子間力を検出することにより試料表
面の凹凸の情報を得る顕微鏡である。具体的には、絶縁
性の撓み易い部材を試料に接近させ、この部材原子と試
料原子の間に働く原子間力による部材の撓みを、光学的
或いは静電的に検出する。撓みの量が原子間力に比例す
る。原子間力は短距離力であるから、原子間力より試料
の微細な凹凸を知ることができる。試料とセンサ部材の
相対的な移動のためには圧電素子を利用する。圧電素子
の一端面は装置に固着され、他の端面にはセンサ部材を
固着する。圧電素子には3軸方向に電極が形成されてお
り、3軸方向に電圧を印加することによって圧電素子を
変位させる。圧電素子の印加電圧により、試料を微小変
位させて走査することができる。
【0004】原子間力を検出するための部材は板ばねと
いうこともある。かたもちばりであり、よく撓むので、
この部材をカンチレバーと呼ぶこともある。カンチレバ
ーは絶縁性で撓み易いのが条件である。Si34 、S
iO2 、Si等のヤング率の低い材料の薄膜を用いる。
カンチレバーは、板バネとも、バネとも言われる。探針
を試料表面に接近させると、試料原子とカンチレバーの
先に力が生じるのでこの力を測定する。電気的な機構を
用いないので、カンチレバ−は絶縁性でよい。
【0005】カンチレバーの撓みは、例えば光てこによ
って検出される。光てこというのは、光源、カンチレバ
−、複数の受光素子よりなる機構である。光源は指向性
に優れたレ−ザを用いることが多い。レ−ザ光をカンチ
レバ−の背面に当て、反射させ、この光の変位を複数の
受光素子入力の相対変化によって求める。レ−ザダイオ
−ドや受光素子は顕微鏡装置の適当な部位に固定され
る。
【0006】[走査型トンネル顕微鏡(STM)]圧
電素子に取り付けた導電性の探針を試料に接近させ、両
者の間に電圧を印加するとトンネル電流が流れる。トン
ネル電流が一定になるように探針を走査させると、試料
表面の凹凸が分かる。また試料表面の電子状態をも調べ
ることができる。
【0007】[走査型静電容量顕微鏡(SCaM)]
導電性の探針を試料に接近させ、探針と試料表面の電荷
との間で形成される静電容量を測定し、試料表面の静電
容量分布を検出するものである。センサ部は、金属の短
い探針である。センサ部は撓む必要はない。試料と探針
の間に交流電圧を加えて容量センサによって試料と探針
の間の静電容量を測る。これによって半導体の空乏層の
分布や厚みを調べることができる。探針は当然導電性の
ものである。
【0008】本発明者は、これらの走査型トンネル顕微
鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)と走査型静電
容量顕微鏡(SCaM)等を結合した顕微鏡を開発しよ
うとしている。第1図によって複合顕微鏡の例を簡単に
説明する。これはSTM、AFM、SCaMを複合した
顕微鏡の概略構成図である。試料1は走査用ピエゾ(圧
電素子)2の上に固定される。走査用圧電素子2はX方
向、Y方向、Z方向の3方向に電極対が取付けられてい
る。電圧をそれぞれの電極に印加すると所定の方向に圧
電素子を歪ませることができる。これによって試料1の
位置を微小変位させることができる。試料の走査はこの
場合、試料を固定した圧電素子の変形によって行なう。
【0009】サ−ボ回路3が圧電素子2の電極に適当な
電圧を加えることにより、所望の変位を与える。試料1
の表面に沿って導電性のカンチレバ−5が設けられる。
これはホルダ−6に方持ち支持されている。ホルダ−6
は導電性であり、カンチレバ−も導電性である。これは
STMあるいはSCaMとするための工夫である。単に
AFMとする場合は、カンチレバ−は絶縁性のもので良
い。レ−ザ7は上方からカンチレバ−の先端に光を照射
する。反射光は斜め上方に設けられた検出器8によって
検出する。検出器は分割されておりカンチレバ−が撓む
と分割された検出器の相対入力が変わるから、撓み量を
求めることができるのである。このような光てこはAF
Mとしての機能を果たすために必要である。
【0010】ホルダ−6は切り替えスイッチ9を介し
て、容量センサ10と電流検出回路11のいずれかに接
続される。電流検出回路に接続される時は、電圧を印加
して試料とカンチレバ−先端の探針の間のトンネル電流
を測定し、STMとして機能させる。表面状態、特に電
子状態が分かる。容量センサ10に接続した時は、交流
電圧を試料と探針の間に印加して静電容量を測定する。
この時はSCaMとして機能し、表面の静電容量分布を
求めることができる。本発明は、原子間力顕微鏡(AF
M)のみ、或いはAFM、STM、SCaMの複合顕微
鏡のセンサ部の構造に関する改良である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】多くの他の測定法と異
なり、原子間力顕微鏡(AFM)は試料が真空にあるこ
とを要求しない。大気圧下であっても測定を行なうこと
のできる数少ない測定手段ということすらできよう。大
気圧下で測定できれば非常に多くの対象をそのまま観察
でき、極めて有効である。試料を真空中に置いてAFM
観察することは少ない。それだけに原子間力顕微鏡を超
高真空において利用するという前提での改良が、これま
で殆どなされていない。
【0012】それだけに超高真空中において、原子間力
単独であるいは、複合顕微鏡として試料の物性などを測
定する場合に、様々な問題が発生する。ここではカンチ
レバ−の取り付け構造を問題にする。従来例のカンチレ
バ−は圧電素子に取り付けられて3次元的な微動を行な
うことができるようになっている。
【0013】 原子間力顕微鏡では、カンチレバ−の
撓みを検出するために光てこが用いられる。光てこの光
源には、レ−ザダイオ−ドを使う。レ−ザは強い収束光
を出すので、受光素子面において高い輝度が得られるか
らである。これは例えばGaAlAsレ−ザである。6
70nm程度の波長の光を出す。大気圧で用いる場合は
これで良い。しかし超高真空で用いる場合に問題があ
る。チャンバを超高真空に引くには単に真空排気装置で
ガスを吸引排除すれば良いというものではない。チャン
バの壁面や器具、装置面にガスが吸着されているが、こ
れらは吸引しただけではなかなか取れない。そこでチャ
ンバの全体を加熱して吸着ガスを放出させる。加熱する
ことをベ−キングという。これは容器内部を超高真空に
引く場合には不可欠である。ところが光てこのレ−ザダ
イオ−ドはベ−キングの高熱に耐えることができない。
高温にするとレ−ザが破壊される。
【0014】ベ−キングが不可欠とすれば、超高真空A
FMはレ−ザダイオ−ドを光てこの光源として用いるこ
とができないことになろう。光てこの光源を装置の外部
に設置し、光ファイバによって光を装置の内部に導くと
いうことが考えられよう。これはもちろん可能であろう
が、光ファイバの振動による光の揺れなどが問題になろ
う。なるべくなら光源を装置内に設置して光てこ検出を
したいものである。これは解き難い問題であるように見
える。
【0015】 試料またはカンチレバ−を走査させる
ために、圧電素子を用いる。例えばカンチレバ−を圧電
素子に固着し、圧電素子の電圧を変化させて、圧電素子
を三次元的に動かす。圧電素子はチタン酸バリウム、チ
タン酸ジルコン酸鉛、チタン酸鉛などのセラミックで作
られているが、いずれも熱に弱い。加熱することにより
劣化する。もしもベ−キングをするなら、これらの圧電
素子には熱をかけないようにしなければならない。例え
ば150度以下に抑える必要がある。しかしこれは難し
いことである。とに述べたものはカンチレバ−とは
直接に関係のないことである。
【0016】 カンチレバ−は長時間使用している
と、先端が摩耗する。摩耗すると分解能が低下する。そ
こでカンチレバ−は随時交換する必要がある。カンチレ
バ−は小さい部品である。これを交換する機構を真空チ
ャンバ内に作る必要がある。カンチレバ−の交換のため
には、作業者が手をチャンバ内に差し入れて細かい手作
業をする必要がある。
【0017】またカンチレバ−を交換したあと調整しな
ければならない。レ−ザ光がカンチレバ−の先端の所定
の部位に当たり、これが反射されて検出器の中心に当た
るように設定する。これらの設定は人が装置に手を入れ
て行なうというわけにはゆかない。真空に引いた後、装
置の外側から調整しないといけない。遠隔操作をするた
めには極めて複雑な機構を真空チャンバ内に設けなけれ
ばならない。装置が甚だ複雑で高価になってしまう。そ
れだけでなく複雑になると剛性が低下する。ために振動
などの影響を受け易くなるのである。さらに装置が大型
化することによって、温度ドリフトによるノイズが大き
くなるという難点もある。顕微鏡装置は小型であること
が望ましい。
【0018】上記の問題を解決し、超高真空においても
AFM顕微鏡、複合顕微鏡を利用できるようにしたカン
チレバ−の撓み検出機能を与えることを目的とする。つ
まり圧電素子やレ−ザダイオ−ドを劣化させることな
く、超高真空にするためのベ−キングを行なえるように
したカンチレバ−撓み検出機構を提供することが本発明
の第1の目的である。さらにカンチレバ−の交換を容易
にしたカンチレバ−撓み検出機構を提供することが本発
明の第2の目的である。またカンチレバ−交換後の調整
も容易にしたカンチレバ−検出機構を提供することが本
発明の第3の目的である。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源、受光素
子、カンチレバ−、圧電素子をひとつのユニットに収容
してセンサ部ユニットとする。センサ部ユニットは、搬
送装置によって真空中を装着位置と待機位置の間で搬送
できるようになっている。待機位置は別のセンサ部ユニ
ット導入チャンバ(真空チャンバ)の中に設定されてお
り、ここからセンサ部ユニットを外部に取り出すことが
できる。分析チャンバと導入チャンバの間にはゲ−トバ
ルブがあって、両者を遮断することができる。
【0020】搬送装置は、ゲ−トバルブを越えて、カン
チレバ−導入チャンバと分析チャンバの間を往復するこ
とができる。搬送装置は、待機位置にセンサ部ユニット
を運び、ここの待機台にセンサ部ユニットを置くことも
できる。搬送装置は、試験位置にセンサ部ユニットを運
び、着装部に固定することもできる。
【0021】
【作用】チャンバのユニット取付け部からセンサ部ユニ
ットを切り離した状態で、チャンバをベ−キングし超高
真空に引く。圧電素子、レ−ザダイオ−ドは加熱されな
いので劣化しない。十分にべ−キングでき真空に引いて
から、センサ部ユニットを、取付け部に装着する。カン
チレバ−の交換は、センサ部ユニットを外部に取り外し
た状態で行なう。ねじを外したり取付けたりする操作が
極めて楽になる。それだけではない。カンチレバ−交換
後、レ−ザの光を反射させて、受光素子の中心に反射光
が当たるようにする調整も随分と容易になる。
【0022】
【実施例】第2図は本発明の実施例に係るセンサ部ユニ
ットの一部の縦断面図である。これはカンチレバ−5、
レ−ザダイオ−ド7、2分割フォトダイオ−ド8、圧電
素子18などを一体化したものである。これらの素子を
直接にチャンバに固定するのではなくて、センサ部ユニ
ット12に集合的に装備させ、センサ部ユニットを所定
の測定位置と待機位置の間で移動させるようになってい
る。
【0023】センサ部ユニット12の最も上部には金
属、セラミックなどよりなるスライダ−13がある。こ
れは平行な上面14、下面15と、平行な前端面16、
後端面17、側面などを持つ直方体状である。チュ−ブ
型ピエゾ(圧電素子)18の頂部19がスライダ−13
の下面15に固着される。圧電素子18は円筒形であっ
て頂部19と底部20を持つ。壁面には、電極21、2
2、23、24などが設けられる。これらはX方向、Y
方向、Z方向に電界を加えることによって圧電素子をそ
の方向に歪ませることができる。Z方向に変位させる
と、カンチレバ−と試料との接触状態を変化させること
ができる。X方向、Y方向に圧電素子を微小変位させて
カンチレバ−を走査することができる。
【0024】圧電素子18の底部20には直方体のハウ
ジング25が固着される。ハウジング25は上壁26、
側壁27、28、底壁29などを有する。底壁29には
中央部に開口30が穿孔されている。一方の側壁27に
は、光源であるレ−ザダイオ−ド7が固定される。レ−
ザの前にはフォ−カスレンズ31があり、レ−ザ光を集
光し平行光にする。レ−ザの前方にはミラ−32が回転
ステ−ジ33によって上壁26に取付けられる。
【0025】さらにそのミラ−32の前には第2のミラ
−34が回転ステ−ジ35によって上壁26に取付けら
れている。レ−ザダイオ−ド7に対向する位置におい
て、2分割フォトダイオ−ド8がXYステ−ジ40を介
して側壁28に固定されている。スライダ−13には軸
方向にネジ穴56が穿孔される。
【0026】レ−ザ7から出射されたビ−ムはレンズ3
1によって水平平行光36になり、ミラ−32によって
反射されて下向き光37となる。これが、下方のカンチ
レバ−5の背面に当たる。カンチレバ−5の背面におい
て反射された光38は第2のミラ−34によってさらに
反射される。反射光39は2分割フォトダイオ−ド8に
入射する。カンチレバ−5、はXYステ−ジ41によっ
て底壁29の下面に固定されている。カンチレバ−5は
撓み易い材料によって製作される。これが撓むと反射光
38、39の方向が変動する。光線39がフォトダイオ
−ド8に当たる位置が上下する。フォトダイオ−ドは上
下方向に2分割されているから、反射光の上下はフォト
ダイオ−ドの2分割部分の入射量の相対比によって検出
できる。
【0027】カンチレバ−5の撓みの中心において、反
射光39が2分割フォトダイオ−ドの中心に入射するよ
うにセットするのが望ましい。このためにミラ−32、
34の回転ステ−ジ33、35、カンチレバ−のXYス
テ−ジ41、2分割フォトダイオ−ド8のXYステ−ジ
40によってビ−ム調整をする。
【0028】このような調整は、真空装置の外部におい
て行なうことができるので極めて使い勝手が良い。カン
チレバ−が摩耗した時も、カンチレバ−の交換を真空装
置の外部で行なうことができる。取り替えた後もこれら
の機構を再調整する必要がある。さらにまたベ−キング
もこのようにハウジングを外部に退避させた状態で行な
うことができる。ためにハウジング内の圧電素子、レ−
ザダイオ−ド、フォトダイオ−ドなどを熱によって損な
うことがない。
【0029】図3〜図6によって、センサ部ユニット1
2の搬送、着脱について説明する。センサ部ユニット1
2を固定するべき装着部外枠42が、試料を検査分析す
るべき装置の真空室の壁43に固定されている。装着部
外枠42は上壁44、側壁45、底壁46、端壁47な
どを含む筐体である。一方向が開口48になっている。
開口48からセンサ部ユニット12のスライダ−13を
抜き差しすることができる。装着部42の底壁46には
スライド用レ−ル55が形成される。スライダ−13の
下面には溝59が切ってある。溝59がレ−ル55に填
まり込むので、スライダ−13をスム−ズに底壁上に滑
らせることができる。
【0030】スライダ−13の前端にはコネクタ49が
設けられる。装着部外枠42の端壁47にはピン付きの
コネクタ50が固定してある。端壁47には通し孔51
がありここにコネクタ50の端子が挿通される。端子は
外部リ−ド52に接続されている。これらは内部の電子
回路に電流を供給したり、信号電流を取り出したりする
ためのものである。
【0031】スライダ−13の搬送はトランスファロッ
ド53によって行なう。これは水平に長く伸びる棒であ
って、スライダ−13を保持し水平方向に搬送すること
ができる。トランスファロッド53の先端には雄ねじ5
4が形成されている。雄ねじ54を、スライダ−13の
ネジ穴56にねじ込む事によって、トランスファロッド
53とスライダ−13を結合することができる。装着部
外枠42の上壁44の内面には板バネ57があって、ス
ライダ−13の上面を押さえる。
【0032】トランスファロッド53の雄ねじ54をネ
ジ穴56にねじ込んだ状態で、スライダ−を軸方向に運
ぶことができる。着装部42にスライダ−を差し込んで
押すと、コネクタ49がコネクタ50に填まり込む。板
バネ57が上方からスライダ−を押さえるからガタつか
ない。これでセンサ部ユニット12が定位置に装着され
たことになる。トランスファロッドを回してネジを外し
て、ロッドを後退させる。その後、試料にカンチレバ−
を接近させて、原子間力顕微鏡、或いは複合顕微鏡とし
て試料の物性を測定をする。
【0033】図5の斜視図にはトランスファロッド53
とスライダ−13が分離された状態が表されている。実
際にはトランスファロッドは常に真空中にあり、センサ
部ユニット12はトランスファロッドによって真空中を
搬送されるだけである。カンチレバ−の取り替えやべ−
キングのために、センサ部ユニットは外部に取り出すこ
とができる。そのためには、センサ部ユニットを真空中
に導入したり、真空中から取り出したりするための真空
室がもう一つ存在する。図6によって説明する。
【0034】分析チャンバ61は、空間63の中央部に
試料台62を備えた真空室である。超高真空に引くため
の真空排気装置(図示せず)を備える。さらにまたベ−
キングのための加熱機構(図示せず)をも設けてある。
分析チャンバ61は、一方に開口した連絡部64を有す
る。センサ部ユニット12を大気から真空中へ或いは真
空中から大気へ取り出すために、センサ部ユニット導入
チャンバ65が設けられる。これも真空室であり、セン
サ部ユニットを出入するための扉を持っている。このチ
ャンバも独自の真空排気装置を持つ。
【0035】分析チャンバ61の連絡部64は連絡管6
7、ゲ−トバルブ68、連絡管69によって、センサ部
ユニット導入チャンバ65につながっている。チャンバ
65の側方にはトランスファロッド外管66が取付けて
ある。この内部も真空であって、ここを前述のトランス
ファロッドが平行移動するようになっている。マグネッ
ト70などによって、非接触で内部のロッドを動かすよ
うになっている。
【0036】分析チャンバに試料1を設置する。センサ
部ユニットを導入チャンバの外部に取り出した状態で、
分析チャンバの内部を真空に引きべ−キングする。この
時ゲ−トバルブ68は閉じている。チャンバ65の扉も
閉じている。ベ−キングを終了し分析チャンバの内部を
十分に真空に引いてから、センサ部ユニット導入チャン
バ65を開いてセンサ部ユニットをここに入れる。扉を
閉じてセンサ部ユニット導入チャンバの内部を真空に引
く。トランスファロッド53の先端を、スライダ−のネ
ジ穴56にねじ込む。
【0037】ゲ−トバルブを開いてスライダ−を分析チ
ャンバに運ぶ。これを着装外枠42に差し入れる。板バ
ネ57がスライダ−の上面を押さえる。前方のコネクタ
49が、端壁47のコネクタ50にぴったりと填まり込
む。これによってセンサ部ユニットが正しく測定位置に
固定される。トランスファロッド53を引き戻す。ゲ−
トバルブ68を閉じる。さらに分析チャンバ61を超高
真空に引く。この後所定の測定を行なう。
【0038】カンチレバ−の先端が摩耗した時は、セン
サ部ユニットの全体を外部に取り出す。外部でカンチレ
バ−を新しいものに取り替える。レ−ザ光から出た光
が、ミラ−、カンチレバ−によって反射されて正しく受
光素子に入るように、ミラ−32、ミラ−34、カンチ
レバ−5、フォトダイオ−ドの位置を調整する。この調
整も大気圧下で行うことができるから極めて容易であ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明は、カンチレバ−、レ−ザダイオ
−ド、圧電素子、フォトダイオ−ドなどを直接に真空装
置に取付けず、センサ部ユニットにまとめている。セン
サ部ユニットは独立しており、真空装置から取り外した
り、真空装置の所定位置に取付けたりすることができ
る。センサ部ユニットを外部に取り出して、分析チャン
バをベ−キングして真空に引くから、熱によってレ−
ザ、圧電素子、フォトダイオ−ドを損なわない。べ−キ
ングは超高真空にするには絶対に必要なのであるから、
本発明によって初めて超高真空の原子間力顕微鏡が実現
できるということができる。
【0040】さらにまた、カンチレバ−の探針(先端
部)は摩滅するので、ときどき交換する必要がある。真
空室に直接カンチレバ−を取付けるとすれば、複雑な構
造の装置の一角にあるカンチレバ−取付け部に手を入れ
てネジ回し操作をする必要がある。しかし本発明では外
部に取り出したセンサ部ユニットに対してカンチレバ−
を交換するのであるから、極めて勝手が良い。さらにま
た交換後、ミラ−やフォトダイオ−ドの調整をする必要
があるが、これも甚だ容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子間力顕微鏡(AFM)、静電容量顕微鏡
(SCaM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)を統合
した複合顕微鏡の概略構成原理図。
【図2】本発明において用いるセンサ部ユニットの縦断
面図。
【図3】センサ部ユニットを真空装置内の装着部に取付
けた状態において軸方向に切断した状態の縦断面図。
【図4】センサ部ユニットを真空装置内の装着部に取付
けた状態において軸直垂直方向に切断した状態の縦断面
図。
【図5】センサ部ユニットとこれを搬送するためのトラ
ンスファロッドの分離した状態の斜視図。
【図6】センサ部ユニットを真空装置に導入し装着部に
取付ける様子を説明するための分析チャンバ、センサ部
導入チャンバ、トランスファロッドなどの概略断面図。
【符号の説明】
1 試料 2 走査用圧電素子(ピエゾ) 3 サ−ボ回路 4 バイアス電源 5 導電性カンチレバ− 6 ホルダ− 7 レ−ザダイオ−ド 8 2分割フォトダイオ−ド 9 切り替えスイッチ 10 容量センサ 11 電流検出回路 12 センサ部ユニット 13 スライダ− 14 上面 15 下面 16 前端面 17 後端面 18 チュ−ブ型圧電素子 25 ハウジング(検出機構) 31 フォ−カスレンズ 32 ミラ− 33 回転ステ−ジ 34 ミラ− 35 回転ステ−ジ 40 XYステ−ジ 41 XYステ−ジ 42 装着部外枠 43 チャンバ壁 48 開口 49 コネクタ 50 コネクタ 53 トランスファロッド 54 雄ねじ 55 スライド用レール 56 ネジ穴 57 板バネ 61 分析チャンバ 62 試料台 63 空間 64 連絡部 65 センサ部ユニット導入チャンバ 66 トランスファロッド外管 67 連絡管 68 ゲ−トバルブ 69 連絡管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子間力顕微鏡または、原子間力顕微
    鏡、静電容量顕微鏡と走査型トンネル顕微鏡を合体した
    複合顕微鏡のカンチレバ−の撓みを検出するセンサ部で
    あって、分析チャンバ内の所定の位置に設けた装着部外
    枠に嵌合するスライダ−と、スライダ−に一端を固定し
    た三次元変位可能な圧電素子と、圧電素子の他の面に固
    定したハウジングと、ハウジングに固定され検出のため
    の光を発生する発光素子と、発光素子から出た光をカン
    チレバ−の背面に導くミラ−と、カンチレバ−の背面で
    反射された光をさらに反射するミラ−と、ミラ−によっ
    て反射された光を受光してカンチレバ−のたわみに応じ
    た比率の出力を与える複数に分割された受光素子と、ミ
    ラ−の回転ステ−ジと、受光素子または発光素子の位置
    を調整するためのステ−ジと、カンチレバ−の位置を調
    整するためのステ−ジと、スライダ−に形成された搬送
    装置との結合機構を含み、真空チャンバの外部に取り出
    すことができ、外部においてカンチレバ−を交換し光軸
    の調整を行い、搬送装置によって保持されて真空中を搬
    送できるようになっていることを特徴とする超高真空顕
    微鏡のセンサ部ユニット。
  2. 【請求項2】 スライダ−と、スライダ−に一端を固定
    した三次元変位可能な圧電素子と、圧電素子の他の面に
    固定したハウジングと、ハウジングに固定され検出のた
    めの光を発生する発光素子と、発光素子から出た光をカ
    ンチレバ−の背面に導くミラ−と、カンチレバ−の背面
    で反射された光をさらに反射するミラ−と、ミラ−によ
    って反射された光を受光してカンチレバ−のたわみに応
    じた比率の出力を与える複数に分割された受光素子と、
    ミラ−の回転ステ−ジと、受光素子または発光素子の位
    置を調整するためのステ−ジと、カンチレバ−の位置を
    調整するためのステ−ジと、スライダ−に形成された搬
    送装置との結合機構を含み、原子間力顕微鏡または複合
    顕微鏡のカンチレバ−の撓みを検出するためのセンサ部
    ユニットを、真空搬送装置によって顕微鏡の分析チャン
    バ内に設けた装着位置と、センサ部ユニット導入チャン
    バの待機位置の間を往復搬送し、センサ部ユニットが待
    機位置にある時、分析チャンバとセンサ部ユニット導入
    チャンバの間のバルブを閉じて、分析チャンバのみをベ
    −キングして超高真空に引き、真空に引いたセンサ部ユ
    ニット導入チャンバからセンサ部ユニットを搬送装置に
    よって分析チャンバの着装位置に運びこれに固定するよ
    うにしたことを特徴とする超高真空顕微鏡のセンサ部ユ
    ニット取り付け方法。
  3. 【請求項3】 スライダ−と、スライダ−に一端を固定
    した三次元変位可能な圧電素子と、圧電素子の他の面に
    固定したハウジングと、ハウジングに固定され検出のた
    めの光を発生する発光素子と、発光素子から出た光をカ
    ンチレバ−の背面に導くミラ−と、カンチレバ−の背面
    で反射された光をさらに反射するミラ−と、ミラ−によ
    って反射された光を受光してカンチレバ−のたわみに応
    じた比率の出力を与える複数に分割された受光素子と、
    ミラ−の回転ステ−ジと、受光素子または発光素子の位
    置を調整するためのステ−ジと、カンチレバ−の位置を
    調整するためのステ−ジと、スライダ−に形成された搬
    送装置との結合機構を含むセンサ部ユニットと、試料を
    置いてカンチレバ−を接触させて物性を測定するべき空
    間である分析チャンバと、分析チャンバをベ−キングす
    るための加熱機構と、分析チャンバを真空に引くための
    真空排気装置と、分析チャンバに接続されるセンサ部ユ
    ニット導入チャンバと、センサ部ユニット導入チャンバ
    を真空に引く第2の真空排気装置と、分析チャンバとセ
    ンサ部ユニット導入チャンバをつなぐ連絡管の途中に設
    けられるゲ−トバルブと、センサ部ユニット導入チャン
    バと分析チャンバの間を往復しセンサ部ユニットを両者
    の間に搬送するための搬送装置と、分析チャンバに設け
    られる試料台と、分析チャンバの試料台の上方に設けら
    れセンサ部ユニットのスライダを保持できる装着部外枠
    とよりなり、分析チャンバのベ−キングの際は、センサ
    部ユニットをセンサ部ユニット導入チャンバに退避させ
    て、分析チャンバを加熱できるようにしたことを特徴と
    する顕微鏡装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110501524A (zh) * 2019-09-06 2019-11-26 仪晟科学仪器(嘉兴)有限公司 超高真空极低温用压电陶瓷精密旋转台

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