JPH08165239A - 抗動脈硬化剤 - Google Patents

抗動脈硬化剤

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JPH08165239A
JPH08165239A JP30642994A JP30642994A JPH08165239A JP H08165239 A JPH08165239 A JP H08165239A JP 30642994 A JP30642994 A JP 30642994A JP 30642994 A JP30642994 A JP 30642994A JP H08165239 A JPH08165239 A JP H08165239A
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thickening
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JP30642994A
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Takashi Yokoyama
山 隆 横
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動脈硬化の予防もしくは治療に有効な薬剤を
提供する。 【構成】 下記の一般式(I)で示されるピリジンカル
ボキシイミダミド誘導体または医薬として許容されるそ
の塩を有効成分として含有する抗動脈硬化剤。 【化1】 (式中、Xは水素またはアミノ基を示し、Yは2−クロ
ロフェニル基またはニトロキシル基を示す。) 本剤は、各種手術後にしばしば起こる血管の肥厚、閉塞
あるいは虚血性臓器疾患の基礎疾患であるところの肥厚
・閉塞を伴なう粥状動脈硬化病変を抑制するための動脈
硬化の予防または治療剤として優れた効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗動脈硬化剤に関するも
のであり、詳細には特定のピリジンカルボキシイミダミ
ド化合物または医薬として許容されるその塩を有する有
効成分として含有する抗動脈硬化剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決すべき課題】心筋梗塞、
脳梗塞、腎梗塞、下肢の壊疽など虚血性疾患の基礎的な
病態として知られている粥状動脈硬化は、その病変部位
に顕著な脂質蓄積と血管平滑筋細胞を主成分とする内膜
肥厚、すなわち強度の内腔狭窄を伴っている複合病変で
ある。類似の病変(血管平滑筋細胞の増殖等の原因によ
り血管が肥厚し、閉塞すること)が、近年多用されてい
る血管形成術、動脈バイパス術、器官の移植の後に、し
ばしば生成することが知られており、これらは加速化し
た動脈硬化病変(内膜肥厚病変)として理解されてい
る。粥状動脈硬化病変あるいは血管形成術等の術後にで
きる内膜肥厚病変の発生および進展の機序は未だ完全に
は明らかにされていないが、両病変に共通する発症機序
として、血管内皮への傷害がその引き金となりその後の
血管平滑筋細胞の異常増殖を誘発するとする「傷害反応
説」が出され、広く受け入れられている (Nature, 362
巻, 801 頁, 1993年) 。また、粥状動脈硬化あるいは血
管形成術等の後にできる内膜肥厚病変成立の臨床上の危
険因子として、高血圧症、高脂血症、肥満、糖尿病、喫
煙、ストレスなどが挙げられているが、このなかでも高
血圧症および高脂血症すなわち高トリグリセリド血症お
よび高コレステロール血症が重要視されている。コレス
テロールについては疫学調査(JAMA,248巻,1465頁,19
82年)の示すところによれば、血清コレステロールが20
0 mg/dl を越えると、虚血性心疾患・脳血管障害などの
動脈硬化に基づいた疾患の発症頻度が急激に上昇し、逆
にHDL-コレステロールは虚血性心疾患の発症頻度と負の
相関を示す。一方、高トリグリセリド血症については動
脈硬化発症の独立した危険因子であるかどうか議論のあ
るところであるが、少なくとも閉経後の女性においてあ
るいは高コレステロール血症・糖尿病が併存する場合に
おいては動脈硬化の発症が高まることが知られている
(原発性高脂血症調査研究班、昭和62年度研究報告書,1
989年;Diabetologia,32巻,300 頁,1989年) 。さら
に最近になって、経皮的冠動脈形成術の術後に血管の肥
厚(再狭窄)を起こした患者の血中トリグリセリド値が
高いことが明らかになり(2nd International Symposi
um on Multiple Risk Factors in Cardiovascular Dise
ase, Abstract 72頁 1992 年)、高トリグリセリド血症
も動脈硬化危険因子として認識されつつある。このよう
な状況下、動脈硬化の危険因子を低減させる薬剤あるい
は直接動脈硬化巣に作用して内膜肥厚等を改善する薬剤
は、動脈硬化の予防ならびに治療に有効であると考えら
れている。しかしながら、現在、こうした内膜肥厚を含
む動脈硬化病変を予防、治療する薬剤について種々研究
されているにもかかわらず(例えば、アンギオテンシン
変換酵素阻害剤シラザプリル(ヒト経皮的冠動脈形成術
術後再狭窄、 Circulation,85巻, 1542頁, 1992年)、C
a拮抗薬ニカルジピン(ヒト冠動脈硬化症、Circulatio
n, 82 巻,1940頁,1990年)、未だ有効な薬剤は知られ
ていない。本発明は、動脈硬化の予防あるいは治療に有
効な薬剤を提供することを目的とするものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究の結果、カリウムチャネル開口作用
に基づいた血管拡張作用および降圧作用を有する化合物
として知られている特定のピリジンカルボキシイミダミ
ド化合物が、上記のような内膜肥厚の抑制および血清中
性脂肪の低下の作用を有し動脈硬化を抑制するという新
知見を得て、さらに研究を進めた結果、本発明を完成さ
せるに至った。すなわち、本発明による薬剤は、下記の
一般式(I)で示されるピリジンカルボキシイシダミド
化合物または医薬として許容されるその塩を有効成分と
して含有する抗動脈硬化剤であり、他の側面では内膜肥
厚抑制剤、術後(経皮的冠動脈形成術またはパイパス形
成術後)の再狹窄の抑制剤、脂質代謝改善剤および血清
中性脂肪低下剤でもある。
【化2】 (式中、Xは水素またはアミノ基を示し、Yは2−クロ
ロフェニル基またはニトロキシル基を示す。)
【0004】〔発明の具体的説明〕ピリジンカルボキシイミダミド化合物 本発明で用いる式(I)で示されるピリジンカルボキシ
イミダミド化合物は特公平6−62567号公報および
WO93−15057号公報に開示されており、血管拡
張剤または降圧剤として有用であることが記載されてい
る。本発明の抗動脈硬化剤に用いられる式(I)で示さ
れる化合物の代表的な好ましい具体例としては下記のよ
うな3種(化合物1ないし3)のピリジンカルボキシイ
ミダミド化合物があげられ、化合物1および3がより好
ましく、化合物1が特に好ましい。 ・化合物1 5- アミノ-N- シアノ-N'-[2-(2-クロロフェニル) エチ
ル]-3-ピリジンカルボキシイミダミド ・化合物2 5- アミノ-N- シアノ-N'-(2- ニトロキシエチル)-3-ピ
リジンカルボキシイミダミド ・化合物3 N- シアノ-N'-[2-(2-クロロフェニル) エチル]-3-ピリ
ジンカルボキシイミダミド上記したような式(I)で示
される化合物は、合目的的な任意の方法により製造する
ことができるが、たとえば前記の特公平6−62567
号公報あるいはWO 93−15057号公報に記載さ
れた二つの方法により製造することができる。これらの
方法は下記のように要約することができる。一つの方法
は、シアノピリジン化合物にアルコキシドアニオンを作
用させてイミデート化合物を生成させ、これをシアナミ
ドと反応させてN−シアノ−ピリジンカルボキシイミデ
ートへと変換し、この化合物を各種のアミン化合物と反
応させることにより、目的の(N−シアノ−N′−置
換)ピリジンカルボキシイミダミド化合物を得る方法で
ある。他の方法は、対応するアミド化合物にチオカルボ
ニル化試薬(P、ローソン試薬など)を反応させ
てチオアミド化合物へと変換し、これにオキシ塩化リ
ン、三級アミンの存在下でシアナミドを作用させること
により、目的の(N−シアノ−N′−置換)ピリジンカ
ルボキシイミダミド化合物を得る方法である(特公平6
−62567号公報第11〜14頁参照)。本発明で有
効成分として使用する一般式(I)で表される化合物
は、塩基性の窒素原子を有しており酸付加塩を形成しう
る。酸付加塩を形成すべき酸としては、例えば、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、あるいは酢酸、プロ
ピオン酸、マレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ク
エン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、グルタミン酸、
パントテン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、ラウリルスルホン酸などの有機酸をあげることがで
きる。なお、酸付加塩を医薬として使用する場合は、酸
は薬学上許容されるものでなければならないことはいう
までもない。
【0005】抗動脈硬化剤 本発明の抗動脈硬化剤は、経口投与または非経口投与
(筋肉内、皮下、静脈内、経皮)または舌下錠、坐剤等
にて投与することができる。本発明化合物が医薬として
経口投与される場合は、錠剤、顆粒剤、散剤またはカプ
セル剤として投与され、非経口投与される場合は、注射
剤または懸濁剤として投与される。これらの製剤を製造
するには、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤等
を添加することができる。賦形剤として、例えば乳糖、
デンプン、結晶セルロース、マンニトール、マルトー
ス、リン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、炭酸カル
シウム等が、結合剤として、例えばデンプン、ポリビニ
ルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴ
ム等が、崩壊剤として、例えばデンプン、カルボキシメ
チルセルロース等が、滑沢剤として、例えばステアリン
酸マグネシウム、タルク、硬化油等が、安定剤として、
例えば乳糖、マンニトール、マルトース、ポリソルベー
ト類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類があげられ
る。これらの成分を用いて錠剤、顆粒剤、カプセル剤、
注射剤等の剤形に製造することができる。この抗動脈硬
化剤を人に適用するにあたっては、静脈内、筋肉内また
は経口投与により行うのが好ましい。本発明の薬剤の投
与方法および投与量もしくは治療有効量は、処置すべき
個々の患者の情況、例えば体重、性別、感受性、投与時
間、併用する薬剤、患者またはその病気の程度に応じて
変化することは言うまでもなく、また一定条件のもとに
おける適量と投与回数は、上記指針を基にして専門医の
適量決定試験によって決定されなければならないが、通
常は成人一人1日当たりの投与量は有効成分として約
0.01 〜 10 mg/kg 投与(単回または分割投与)さ
れ、一般的には平均1回約 0.5 mg 、1 mg、2 mg、5 mg
または10 mg の投与が2〜3回にわたって複数回行なわ
れる。本発明の抗動脈硬化剤は、虚血性臓器疾患の基礎
病変である粥状動脈硬化病変における血管平滑筋細胞の
増殖等の原因による血管肥厚・狭窄・閉塞および各種手
術後に頻発する血管肥厚・狭窄・閉塞の危険因子低減を
誘導し、且つ粥状動脈硬化病変あるいは各種手術後の血
管平滑筋細胞の増殖等の原因による血管の肥厚、狭窄お
よび閉塞を直接抑制するための、動脈硬化病変の予防ま
たは治療剤として使用することができる。本発明の抗動
脈硬化剤は、例えば、虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞な
ど)の基礎疾患となっている器質的狭窄を伴った粥状動
脈硬化病変を直接(すなわち血管平滑筋細胞の増殖を抑
制して) または間接的に(すなわち高脂血症・高血圧症
などの危険因子低減を介して) 抑制する薬剤として、あ
るいは、例えば、各種血管形成術(例えば、経皮的冠状
動脈形成術、バイパス形成術)、器官(臓器)の移植術
等の術後に主として血管平滑筋細胞の増殖によって生じ
る血管の肥厚(例えば経皮的冠状動脈形成術後の再狭
窄)、閉塞を直接または間接的に抑制する薬剤として、
あるいは血管肥厚、閉塞の予防および治療剤(すなわち
血管平滑筋細胞の増殖を原因とする他の疾患の治療剤)
として有用である。従って、本発明による抗動脈硬化剤
は、他の側面では内膜肥厚抑制剤、術後(経皮的冠動脈
形成術またはバイパス形成術後)の再狭窄の抑制剤、脂
質代謝改善剤および血清中性脂肪低下剤でもあるという
ことができる。
【0006】
【実施例】以下に、本発明における化合物の薬効、急性
毒性および製剤例について説明する。試験例1 :培養血管平滑筋細胞の増殖に対する作用 [方法]ラット胸部大動脈より外移植片法にて血管平滑
筋細胞を調製し、10% 牛胎児血清 (FCS)含有のダルベッ
コ改変イーグル最少培地 (DMEM) を培地として 96 穴プ
レートで培養した。48時間0.5% FCS含有の DMEM で培養
しておき、その後10% FCS 含有のDMEM に培地を交換
し、被験薬物および 3H-thymidine 0.5 μCi/ 穴を添加
し、さらに24時間培養した。培養終了後、血管平滑筋細
胞をトリプシン-EDTA で回収し、細胞内に含まれる放射
活性を計測した。結果は、10%FCS存在下の媒体添加群の
放射活性を100%、0.5%FCS 存在下の媒体添加群の放射活
性を0% としたときの被験薬物の放射活性を %で表し
た。 [結果] 表1に化合物1〜3 の血管平滑筋細胞増殖
に対する作用を記す。 表1 薬剤 濃度 (μM) 血管平滑筋細胞の増殖 (%) 化合物 1 10 98.0 ± 5.5 100 40.1 ± 7.1 ** 1000 -15.0 ± 6.6 ** 化合物 2 10 93.6 ± 20.5 100 81.4 ± 16.0 1000 46.1 ± 11.7 * 化合物 3 10 49.7 ± 10.7 * 100 8.9 ± 9.2 ** 1000 -20.1 ± 0.6 ** * p < 0.05, ** p < 0.01 媒体群との比較 表1に示されるように、化合物1〜3は血管平滑筋細胞
の増殖を抑制した。
【0007】試験例2:バルーンカテーテルによるラッ
ト頚動脈内皮傷害後の内膜肥厚に対する抑制作用 [方法] 粥状動脈硬化病変および血管形成術等の術後
の内膜肥厚病変は、血管平滑筋細胞の異常増殖を伴うも
のであるが、こうした病態をよく反映している動物モデ
ル、すなわちバルーンカテーテル内皮傷害モデルを用い
た。パウエルらの方法(J.Cardiovasc.Pharmacol.,16
巻,S42 頁,1990年)に従って以下の方法で行った。1
1週齢のウィスター系雄性ラットを用いた。ラットをペ
ントバルビタールナトリウムにて麻酔下に頚部を切開
し、左外頚動脈よりバルーンカテーテル(フォガティ
ー,2F)を総頚動脈の起始部まで挿入した。軽く動脈を
拡張する程度に生理食塩水にてバルーンを拡張させた
後、カテーテルを外頚動脈まで引くことにより内皮に傷
害を与えた。この操作を3回繰り返した後、カテーテル
を抜き去り外頚動脈を結紮した。14日後、ジエチルエー
テル麻酔下に開胸し左心室よりヘパリン含有(10 U / m
l )生理食塩水を潅流し、引き続いて4 %パラホルムア
ルデヒド液を潅流した後、左総頚動脈を摘出した。摘出
した動脈はさらに48時間以上緩衝パラホルムアルデヒド
溶液に中にて固定した。固定した頚動脈をヘマトキシリ
ン・エオジン染色した後、顕微鏡下で画像解析装置(Ze
iss )を用いて中膜および内膜の面積を測定し、内膜/
中膜面積比を算出した。結果の数値は平均値±標準誤差
で表示した。被験薬物は手術の6日前より手術後14日目
まで連日経口投与、または薬物を含んだ浸透圧ポンプ(A
lza )を手術2日前に腹腔内に埋め込むことにより持続
投与した。薬物の内膜肥厚抑制活性は以下の式により求
めた。 内膜肥厚抑制率(%)=( 1 - T / C ) x 100 T : 薬物投与ラット血管の内膜/中膜面積比 C : 媒体ラット血管の内膜/中膜面積比 [結果]結果は表2のとおりである。表 2 薬剤 投与量 例数 内膜/中膜面積比 (抑制率,%) 媒体 11 1.25 ± 0.11 化合物 1 2 mg/kg/day, p.o. 8 0.96 ± 0.10 (23.2) 媒体 11 1.26 ± 0.14 化合物 1 5 mg/kg/day, p.o. 13 0.72 ± 0.06 ** (43.0) 媒体 13 1.08 ± 0.08 化合物 1 1 mg/kg/day, i.p. 14 1.06 ± 0.09 ( 2.0) 3 mg/kg/day, i.p. 10 0.68 ± 0.10 ** (37.0) 媒体 14 1.25 ± 0.08 エナラプリル 30 mg/kg/day, i.p. 4 0.44 ± 0.21 ** (64.8) 媒体 12 1.10 ± 0.08 ベラパミル 45 mg/kg/day, i.p. 9 1.33 ± 0.20 (-20.7) ヒドララジン 2 mg/kg/day, i.p. 15 1.08 ± 0.07 ( 2.0) 媒体 12 1.12 ± 0.05 ニフェジピン 3 mg/kg/day, i.p. 10 1.00 ± 0.10 (11.0) クロマカリム 3 mg/kg/day, i.p. 12 0.74 ± 0.06 ** (34.3) ** p < 0.01 媒体群との比較 表1から明らかなように、化合物1は5mg/kg/dayの経口
投与および3mg/kg/dayの腹腔内持続投与において、体重
増加に影響を与えることなく内皮傷害誘発の内膜肥厚を
有意に抑制した。なお、このとき陽性対照のエナラプリ
ル(アンギオテンシン変換酵素阻害剤)も内膜肥厚を抑
制していた。一方、化合物1と同程度の降圧を示す用量
において、降圧薬として知られる Ca 拮抗薬(ベラパミ
ル,ニフェジピン)およびヒドララジンは、内膜肥厚を
抑制しなかった。
【0008】試験例3:正常ラットの脂質代謝に対する
作用 [方法] SD系(5週齢) のラットに,被験薬物を10日
間連日経口投与し、最終投与4時間後に採血した。血液
を遠心分離して血清を得た後、血清中の脂質パラメータ
ーを酵素法にて測定した。 [結果] 正常ラットにおける血清脂質値を表3に示
す。表3 化合物 1 正常ラットの脂質代謝に対する作用 薬剤 投与量 例数 総コレステロール 総トリグリセリド ( mg/dl ) ( mg/dl ) 媒体 12 69.2 ± 1.9 91.0 ± 6.8 クロフィブ 160 mg/kg 11 58.7 ± 3.7 ** 61.3 ± 6.8 ** ラート (84.8) (67.4) 化合物 1 3 mg/kg 13 75.8 ± 1.9 53.1 ± 5.0 ** (109.5) (58.4) ( )内の数値は媒体群の値に対する割合(%) を示す。 * p < 0.05, ** p < 0.01 媒体群との比較 化合物1は、正常ラットの体重増加に影響を及ぼすこと
なく、血清総コレステロール低下傾向を示し、血清総ト
リグリセリドを用量依存的に有意に低下せしめた。ま
た、化合物1はHDL コレステロールを有意に上昇せしめ
(媒体群 30.4 mg/dl に対し化合物1は37.4 mg/dl)、
その結果、動脈硬化指数を対照群に比し、減少させた
(媒体群 1.3に対し化合物1は1.0 )。
【0009】試験例4:高脂肪食負荷ラットの脂質代謝
に対する作用 方法: SD系(5週齢) のラットに0.75% コレステロー
ルおよび7.5%ラードを含む高脂肪食を10日間与えた。被
験薬物は高脂肪食負荷開始日より10日間連日経口投与
し、最終投与4時間後に採血した。血液を遠心分離して
血清を得た後、血清中の脂質パラメーターを酵素法にて
測定した。 [結果] 高脂肪食負荷ラットにおける血清脂質値を表
4に示す。表4 化合物 1 の高脂肪食負荷ラットの脂質代謝に対する作用 薬剤 投与量 例数 総コレステロール 総トリグリセリド ( mg/dl ) ( mg/dl ) 媒体 8 242.2 ± 19.7 183.6 ± 23.4 クロフィブ 160 mg/kg 8 158.6 ± 17.0 ** 97.2 ± 24.2 **ラート (65.5) (52.9) 化合物 1 1 mg/kg 7 224.3 ± 18.4 105.5 ± 15.4 * (92.6) (57.4) 3 mg/kg 8 223.3 ± 13.7 82.1 ± 7.7 ** (92.2) (44.7) 10 mg/kg 8 220.9 ± 11.1 70.6 ± 6.2 ** (91.2) (38.4) ( )内の数値は媒体群の値に対する割合(%) を示す。 * p < 0.05, ** p < 0.01 媒体群との比較 化合物1は、高脂肪食負荷ラットの摂食量および体重増
加に影響を及ぼすことなく、血清総コレステロール低下
傾向を示し、血清総トリグリセリドを用量依存的に有意
に低下せしめた。
【0010】試験例5:遺伝的高脂血症ラットの脂質代
謝に対する作用 [方法]IV型高脂血症のモデル動物である Zucker rat
(14週齢) に、被験薬物を14日間連日経口投与し、最終
投与4時間後に採血した。血液を遠心分離して血清を得
た後、血清中の脂質パラメーターを酵素法にて測定し
た。 [結果] Zucker rat における血清脂質値を表5に示
す。表5 化合物1の遺伝的高脂血症ラットの脂質代謝に対する作用 薬剤 投与量 例数 総コレステロール 総トリグリセリド ( mg/dl ) ( mg/dl ) 媒体 5 143.9 ± 32.3 845.0 ± 265.4 化合物1 1 mg/kg 6 151.6 ± 3.4 695.8 ± 184.3 10 mg/kg 4 142.2 ± 5.2 305.3 ± 24.8 * * p < 0.05, 媒体群との比較 化合物1は体重増加に影響を及ぼすことなく、血清総ト
リグリセリドを用量依存的に低下させた。
【0011】試験例6:急性毒性 [方法] 1群3匹の5週齢のSD系雄性ラットに50、25
0 、500 mg/kg の化合物1を単回経口投与した。 [結果] 250 および 500 mg/kg 投与群ではすべての
動物が死亡したのに対し、50 mg/kg 群では死亡は認め
られなかった。投与後の一般観察において、すべての用
量で四肢および耳介の発赤がみられたが、これは化合物
1の薬理作用である血管拡張作用によるものと考えられ
る。なお、死亡例ならびに生存例のいずれにおいても肉
眼的剖検で異常は認められなかった。また、本試験では
Probit 法による LD50 は算出できなかったが、LD50
は 50-250 mg/kg の範囲にあると考えられる。
【0012】以下に本発明製剤例を示す。製剤例1 本発明化合物 2.0 mg 乳糖 80.2 mg 結晶セルロース 31.2 mg CMC ナトリウム 6.0 mg ステアリン酸マグネシウム 0.6 mg 計 120.0 mg 上記成分を混合し、加圧して錠剤とする。
【0013】製剤例2 本発明化合物 2.0 mg 乳糖 81.8 mg とうもろこし澱粉 55.85 mg ステアリン酸マグネシウム 0.35 mg 計 140.0 mg 上記成分を混合し、カプセルに充填してカプセル剤とす
る。
【0014】
【発明の効果】上述してきたように、本発明による抗動
脈硬化剤は、各種手術後にしばしば起こる血管の肥厚、
閉塞あるいは虚血性臓器疾患の基礎疾患であるところの
肥厚・閉塞を伴う粥状動脈硬化病変を抑制するための動
脈硬化の予防または治療剤として有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)で示されるピリジンカ
    ルボキシイミダミド化合物または医薬として許容される
    その塩を有効成分として含有する抗動脈硬化剤。 【化1】 (式中、Xは水素またはアミノ基を示し、Yは2−クロ
    ロフェニル基またはニトロキシル基を示す。)
  2. 【請求項2】Xがピリジン環の5位に結合したアミノ基
    または水素であり、Yが2−クロロフェニル基である、
    請求項1記載の抗動脈硬化剤。
  3. 【請求項3】請求項1または2のいずれか1項に記載の
    一般式(I)で示されるピリジンカルボキシイミダミド
    化合物または医薬として許容されるその塩を有効成分と
    して含有する内膜肥厚抑制剤。
  4. 【請求項4】請求項1または2のいずれか1項に記載の
    一般式(I)で示されるピリジンカルボキシイミダミド
    化合物または医薬として許容されるその塩を有効成分と
    して含有する経皮的冠動脈形成術またはバイパス形成術
    後の再狭窄の抑制剤。
  5. 【請求項5】請求項1または2のいずれか1項に記載の
    一般式(I)で示されるピリジンカルボキシイミダミド
    化合物または医薬として許容されるその塩を有効成分と
    して含有する脂質代謝改善剤。
  6. 【請求項6】請求項1または2のいずれか1項に記載の
    一般式(I)で示されるピリジンカルボキシイミダミド
    化合物または医薬として許容されるその塩を有効成分と
    して含有する血清中性脂肪低下剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998035673A1 (fr) * 1997-02-14 1998-08-20 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Medicaments utilises dans la decongestion du flux sanguin peripherique

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