JPH08163979A - 細胞培養器の包装方法 - Google Patents

細胞培養器の包装方法

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JPH08163979A
JPH08163979A JP7008845A JP884595A JPH08163979A JP H08163979 A JPH08163979 A JP H08163979A JP 7008845 A JP7008845 A JP 7008845A JP 884595 A JP884595 A JP 884595A JP H08163979 A JPH08163979 A JP H08163979A
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cell
incubator
cell culture
cell incubator
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JP7008845A
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Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 培養面に蛋白質、ペプチド類等をコートした
細胞培養器は優れた特性を有しているが、コート層が不
安定で失活しやすいため保存がきかない。このような欠
点をなくし、コート後、室温での長期保存を可能にする
細胞培養器の包装方法を提供する。 【構成】 細胞培養器を乾燥させた後、低水蒸気透過性
の素材よりなる包装容器もしくは包装袋に収納し、密封
する。また、素材は水蒸気透過度が0〜40℃で5g/
2・24時間以下のものを使用し、培養器と共に乾燥
剤や有機性ガスの吸着剤を同封してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラミニンやファイブロ
ネクチン等のペプチド類をはじめとする細胞外マトリッ
クスや、ポリリジンをはじめとする合成ポリアミノ酸な
どをコートして、培養性を高めた培養器及び培養用担体
を、長期に亘り性能を損なうことなく安定的に保存でき
る、包装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞培養用の器材としては、シャーレ、
フラスコ、マルチプレートなどの培養容器や、培養容器
内に入れて使用するためのビーズ、ボール、あるいはカ
バースリップ(シート状の培養用小片)などの培養用担
体(以下、これらを総称して細胞培養器と言う)が市販
されている。これらの細胞培養器は、主としてポリスチ
レン成形品の表面に低温プラズマ処理、コロナ放電処理
等を施し、親水性を付与したものである。
【0003】これらの細胞培養器は、足場依存性の細胞
では、株化細胞、初代細胞を問わず、線維芽細胞、平滑
筋細胞、血管内皮細胞、角膜細胞などの培養に広く用い
られている。また、血液系細胞では、株化したリンパ球
であるNS−1、MOLT−4、HUT 78、MT−
4などのいわゆる足場依存性の浮遊細胞等に広く使用さ
れている。しかし、細胞の種類によっては、これらの細
胞培養器上では細胞の増殖は認められるものの、細胞の
増殖が不十分であったり、細胞の増殖形態や機能が悪か
ったりする。特に、初代培養においてはそれが顕著であ
る。
【0004】このような問題に対しては、ゼラチン、コ
ラーゲン、エラスチン、ラミニン、ファイブロネクチ
ン、ビトロネクチンといった細胞外マトリックスなどを
培養面にコートし、細胞の接着性や増殖性を高めること
により対処することが多い。一般的には、これらの細胞
外マトリックスを試薬として購入し、無菌的に燐酸緩衝
液などで適当な濃度に希釈し、上記の様な滅菌済みの培
養器にこの溶液を培養面が覆われる量を分注し、1〜2
時間、時によっては24時間静置し、溶液を除いた後、
無菌純水で洗って速やかに使用する。
【0005】これらの細胞外マトリックスは非常に不安
定なため、試薬の形態では瓶内に密閉され、冷凍または
冷蔵の状態で輸送および保存れさている。また、これら
をコートした培養器は、コート後速やかに使用するか、
冷蔵の形で保存し、長くても1週間程度で使用する必要
がある。最近になって、これらの細胞外マトリックスを
コートした細胞培養器が市販されているが、殆どが冷蔵
または冷凍で保存されている。各社とも細胞外マトリッ
クスの性能の劣化を抑えるための工夫をこらしている
が、細胞外マトリックスの性能は冷蔵でも3〜6ケ月程
度である。
【0006】また、神経系の細胞の場合は、ポリリジン
やポリオルニチンといった、プラス電荷をもった合成ポ
リアミノ酸をコートし培養に使用される。しかし、これ
らの合成ポリアミノ酸も非常に不安定であり、これらを
コートした細胞培養器は室温で1週間、冷蔵でも約1ケ
月で効力を失うとされている。さらに、プラス電荷を付
与する目的で、親水化した表面に1級アミノシランカッ
プリング剤を反応させ、共有結合的にアミノ基を導入し
たものも市販されているが、これらにしてもアミノ基の
効力は室温で6ケ月程度である。
【0007】このように、培養性を付与するための種々
の処理やコートを施しても、その効果は、程度の差はあ
るものの経時的に変化し、やがては効果を失ってしま
う。また、これらの細胞培養器に滅菌を施す場合、通常
はγ線照射などの放射線滅菌を行うが、この放射線によ
っても細胞の培養性が悪くなる。
【0008】最近、各種細胞が混合したサンプルから、
抗原抗体反応により選択的に細胞を接着させる目的で、
目標とする細胞の細胞膜表面蛋白に対して抗体を吸着的
または共有結合的にコートしたものもあるが、抗体の効
果を持続させるためには、冷蔵での保存が必要であっ
た。
【0009】従来、これら細胞外マトリックスをはじめ
とする、機能性の蛋白をコートした培養器の性能劣化を
抑える方法として、まず、冷凍または冷蔵保存を施し、
さらに、コート表面に適度な湿気を与えることにより、
一層の保存期間の延長が図り得るとされてきた。コート
表面の湿気を保つ方法としては、コート表面に適度な湿
気を与えた後、包装して乾燥を防止したり、コートの際
にコート液にグリセリン等の保湿剤を混ぜるなどの方法
がとられいる。また、さらに窒素などの不活性ガスを封
入するなどの処理が施されることもある。
【0010】しかし、ファイブロネクチン等のより不安
定なものをコートした場合は、上記のような方法で冷蔵
庫中に保存しても、3ケ月程度でコートした効果が失活
してしまう。このような現状から、細胞外マトリックス
をコートした細胞培養器は保存がきかず、商業的に在庫
を持つのが難しく、受注に応じた小ロット生産となるた
め生産コストが高くなるほか、コールドチェーンによる
輸送が必要なため、更にコストを引き上げる結果となっ
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コラーゲン
やファイブロネクチンなどの細胞外マトリックスや、ポ
リリジンなどの合成ポリアミノ酸、抗体等をコートした
細胞培養器を長期間安定的に保存することを可能にし、
また、γ線滅菌などの放射線による滅菌を施すことによ
る性能の低下を少なくすることによって、流通コストを
下げ、安価で常に性能品質的に均一な細胞培養器を供給
できる包装方法を提供することを目的としたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに鋭意研究した結果、本発明者等は、蛋白、ペプチ
ド、抗体などアミノ基を有する物質をコートした場合、
乾燥状態に保つことにより安定性を付与できて、比較的
高温下でも安定的に機能を保持できること、またさら
に、乾燥状態を保ちながら密封包装し、活性炭などの吸
着剤を包装袋中に同封することにより、γ線滅菌を施し
ても培養性が損なわれないことを見いだし、本発明を完
成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、細胞培養器を乾燥させた
後、該培養器を低水蒸気透過性の素材からなる包装容器
もしくは包装袋に収納し、密封することを特徴とする細
胞培養器の包装方法であり、望ましくは乾燥後の細胞培
養器表面の水分含量が0.1μg/cm2以下であり、さ
らには、包装容器もしくは包装袋を構成する素材の水蒸
気透過度が、0〜40℃で10g/m2・24時間以
下、好ましくは5g/m2・24時間以下、またさらに
は、包装容器もしくは包装袋中に、細胞培養器と共に乾
燥剤もしくは有機性ガスを吸着する吸着剤を同封するこ
とを特徴とする細胞培養器の包装方法である。
【0014】そして、本発明で包装対象となる細胞培養
器は、培養面に蛋白質、ペプチド類、もしくは合成ポリ
アミノ酸をコートしたもの、特に各種の抗体やホルモン
等の蛋白質、ラミニン、ファイブロネクチン、ビトロネ
クチン、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン等の細胞外
マトリックスであるペプチド類、ポリリジンやポリオル
チニン等の陽電荷を有するポリアミノ酸の中から選ばれ
た1種または複数種をコートしたものである。また、培
養面に1級アミノシランカップリング剤を共有結合させ
ることによりアミノ基を導入した細胞培養器も対象にな
る。
【0015】これらの細胞培養器は、表面に物理化学的
処理を施して親水性を付与したものを除き、一般に不安
定で冷蔵が必要であり、さらに適度な湿気を与えること
により保存性が向上するとされてきたが、本発明者らの
研究の結果、ある程度の乾燥状態を保つことにより、従
来冷蔵保存が必須とされていたものでも室温保存で長期
に亘って安定であり、また、冷暗所保存を要するもので
もさらに安定性を増し、比較的高温下におかれても安定
であることを見いだした。
【0016】上記のような保存における安定性を付与す
るには、包装容器あるいは包装袋内の湿度は可能な限り
低い方が良いが、少なくとも30%以下に保つことが必
要である。密封後の包装内部を上記の湿度に保ち、室温
での保存及び輸送を可能にするには包装用素材の水蒸気
透過度が、4〜40℃の範囲内で10g/m2・24時
間以下であることが必要であり、好ましくは5g/m2
・24時間以下が良く、さらに夏場の輸送に於ける昇温
と多湿を加味すると1g/m2・24時間以下であるこ
とが望ましい。この様な、特性をもった包装材は種々市
販されているが、ヒートシールにより簡便な密封できる
ものが良い。そのような例としてポリエステル/アルミ
/ポリエチレンのような複合フィルムなどが挙げられ
る。
【0017】本発明における包装方法は、包装容器や包
装袋内に収納、密封された細胞培養器の乾燥状態を保つ
ことが特徴であるから、乾燥状態の保持、そして包装前
の乾燥が不十分だった場合を考慮して、細胞培養器と共
に包装中に少量ずつ分包したシリカゲル等の乾燥剤を同
封するのも好ましい態様である。
【0018】またさらに、本発明者らは、細胞培養器と
共に有機性ガスに対する吸着能を有する活性炭などの吸
着剤を同封することにより、γ線滅菌を施す際の細胞培
養性の低下を緩和できることを見いだした。γ線滅菌を
施したとき、細胞培養器や包装材の高分子物質が分解さ
れて、モノマーなどのガスとなって培養面に付着し、こ
れが細胞培養性を悪くするものと推測されるが、これら
の吸着剤を同封することにより、発生したモノマー等の
ガスが吸着され、細胞培養器への付着を防止するものと
思われる。使用する吸着剤としては、γ線の照射によっ
て分解されることのない活性炭がよく、その顆粒状のも
のを通気性のある袋に納めたかたちで、細胞培養器と共
に包装袋中に同封するのが好ましい態様である。
【0019】
【実施例】次に実施例により、本発明をより具体的に説
明する。 〔実施例1〜5〕培養面にコロナ放電処理により親水性
を付与した、直径35mmのポリスチレン製シャーレ
に、γ線滅菌を施した後、無菌的に洗浄し、コラーゲ
ン、ファイブロネクチン、ラミニン、ポリ−L−リジ
ン、及びポリ−オルチニンを夫々コートし、35℃の乾
燥器中で2時間乾燥させ、ポリエステル/アルミ/ポリ
エチレン複合フィルム(水蒸気透過度1g/m2・24
時間以下)をヒートシールして作製した袋中に直ちに納
め、ヒートシールにより密封して試験に供した。
【0020】〔実施例6〕実施例1と同様にして培養面
にコロナ放電処理により親水性を付与した、ポリスチレ
ン製シャーレの培養面に、1級アミノシランカップリン
グ剤処理によってアミノ基を導入し、洗浄した後、45
℃の乾燥器中で2時間乾燥させ、紫外線照射により殺菌
し、実施例1と同じ包装袋中に直ちに納め、ヒートシー
ルにより密封して試験に供した。
【0021】〔実施例7〕実施例6と同様に処理して、
アミノ基を導入し洗浄したポリスチレン製シャーレを、
活性炭と共に実施例1と同じ包装袋中に直ちに納めてヒ
ートシールにより密封し、25kGyのγ線を照射して
滅菌を施し、直ちに試験に供した。
【0022】〔実施例8〕実施例1と同様にして培養面
にコロナ放電処理により親水性を付与したポリスチレン
製シャーレを、活性炭と共に実施例1と同じ包装袋中に
直ちに納めてヒートシールにより密封し、25kGyの
γ線を照射して滅菌を施し、試験に供した。
【0023】〔比較例1〜5〕実施例1〜5と同様に処
理したポリスチレン製シャーレを、夫夫ポリエステルと
ポリエチレンの複合フィルムとタイベイクシート(水蒸
気透過度10g/m2・時間以上)をヒートシールして
作製した袋中に直ちに納め、ヒートシールにより開口部
を閉じて試験に供した。
【0024】〔比較例6〕実施例6と同様に処理したポ
リスチレン製シャーレを、比較例1と同じ包装袋中に直
ちに納め、ヒートシールにより開口部を閉じて試験に供
した。
【0025】〔比較例7〕実施例6と同様に処理したポ
リスチレン製シャーレを、実施例1と同じ包装袋中に直
ちに納めてヒートシールにより密封し、25kGyのγ
線を照射して滅菌を施した後、直ちに試験に供した。
【0026】〔比較例8〕実施例1で用いたのと同じポ
リスチレン製シャーレを、実施例1と同じ包装袋中に直
ちに納めてヒートシールにより密封し、25kGyのγ
線を照射して滅菌を施し、試験に供した。
【0027】〔比較例9〕実施例1と同様にして培養面
にコロナ放電処理により親水性を付与したポリスチレン
製シャーレを、紫外線により殺菌し、直ちに試験に供し
た。
【0028】上記の実施例及び比較例の試験シャーレを
用いて、昇温下保存試験、高湿度下保存試験及び室温で
の保存試験を実施した。 昇温下保存試験 50℃、60℃、及び70℃の恒温槽中で湿度を60%
に保ち、各々16時間加熱した後、細胞の培養性を評価
した。 高湿度下保存試験 37℃で湿度を100%に保ち、1ケ月保存した後、細
胞の培養性を評価した。 室温における保存試験 空調のない部屋で6カ月間(’94.3月〜9月)保存
した後、細胞の培養性を評価した。 γ線滅菌処理 実施例7〜8と、比較例7〜8について、25kGyの
線量でγ線滅菌を施し、直ちに細胞の培養性を評価し
た。
【0029】各試料の細胞培養性の評価方法は、次の通
りとした。 コラーゲンコートシャーレの評価 実施例1、比較例1、及び比較例9のシャーレについ
て、Hep−G2細胞(ヒト肝臓癌由来株細胞)を用い
て細胞の増殖形態(伸展度合い)を調べた。培地として
はダルベッコ変法MEM培地500mlに牛胎児血清5
0mlを添加したものを用い、1×104個/mlの濃
度で2mlずつ各シャーレに播種し、培養2日での細胞
の増殖形態を倒立顕微鏡により観察し、比較例9のシャ
ーレと比較した。評価の結果は、表1に示した通りであ
った。
【0030】尚、評価結果は、全て比較例9を基準
(±)として、各々比較した記号で示し、++:非常に
効果が認められる、+:効果あり、±:比較例9と同
等、−:比較例7より劣る…とした。(表1〜表8に共
通)
【0031】
【表1】
【0032】ファイブロネクチンコートシャーレの評
価 実施例2、比較例2、及び比較例9のシャーレについ
て、HeLa−S3細胞(ヒト子宮頚癌由来株細胞)を
用いて、細胞の初期接着性を調べた。培地としては、無
血清のダルベッコ変法MEM培地を用い、5×104
/mlの濃度で2mlずつ各シャーレに播種し、培養2
時間での細胞の初期接着率を比較例9のシャーレと比較
した。評価の結果は、表2に示した通りであった。
【0033】
【表2】
【0034】ラミニンコートシャーレの評価 実施例3、比較例3、及び比較例9のシャーレについ
て、PC−12細胞(ラット副腎皮質由来株細胞)を用
いて、細胞の増殖形態(伸展度合い)を調べた。培地と
しては、ダルベッコ変法MEM培地500mlに牛胎児
血清50mlを添加したものを用い、1×104個/m
lの濃度で2mlずつ各シャーレに播種し、培養1日で
の細胞の増殖形態を倒立顕微鏡により観察し、比較例9
のシャーレと比較した。評価の結果は、表3に示した通
りであった。
【0035】
【表3】
【0036】ポリ−L−リジンコートシャーレの評価 実施例4、比較例4、及び比較例9のシャーレについ
て、PC−12細胞を用いて、細胞の増殖形態(伸展度
合い)を調べた。培地としては、ダルベッコ変法MEM
培地500mlに牛胎児血清50mlを添加したものを
用い、1×104個/mlの濃度で2mlずつ各シャー
レに播種し、培養1日での細胞の増殖形態を倒立顕微鏡
により観察し、比較例9のシャーレと比較した。評価の
結果は、表4に示した通りであった。
【0037】
【表4】
【0038】ポリ−オルニチンコートシャーレの評価 実施例5、比較例5、及び比較例9のシャーレについ
て、PC−12細胞について、細胞の増殖形態(伸展度
合い)を調べた。培地としては、ダルベッコ変法MEM
培地500mlに牛胎児血清50mlを添加したものを
用い、1×104個/mlの濃度で2mlずつ各シャー
レに播種し、培養1日での細胞の増殖形態を倒立顕微鏡
により観察し、比較例9のシャーレと比較した。評価の
結果は、表5に示した通りであった。
【0039】
【表5】
【0040】1級アミノシランコートシャーレの評価 実施例6〜7、比較例6〜7、及び比較例9のシャーレ
について、PC−12細胞を用いて、細胞の増殖形態
(伸展度合い)を調べた。培地としては、ダルベッコ変
法MEM培地500mlに牛胎児血清50mlを添加し
たものを用い、1×104個/mlの濃度で2mlずつ
各シャーレに播種し、培養1日での細胞の増殖形態を倒
立顕微鏡により観察し、比較例9のシャーレと比較し
た。評価の結果は、表6および表7に示した通りであっ
た。
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】γ線滅菌処理における活性炭の効果の評
価 実施例7、比較例7、及び比較例9のシャーレについて
は、前項で述べたように、PC−12細胞を用いて細胞
の増殖形態(伸展度合い)を調べた。また、実施例8、
比較例8、及び比較例9のシャーレについては、HeL
a−S3細胞を用いて細胞の増殖性を調べた。培地とし
ては、イーグルMEM培地500mlに子牛血清50m
lを添加したものを用い、1×104個/mlの濃度で
2mlずつ各シャーレに播種し、培養3日での増殖をM
TT法により測定し、比較例9のシャーレと比較した。
評価の結果は、表7および表8に示した通りであった。
【0044】
【表8】
【0045】表1〜表8に示した測定、観察の結果から
分かるように、本発明の包装方法により、ペプチド類
(細胞外マトリックス)コート、ポリアミノ酸コート、
あるいは1級アミノシランカップリング剤処理を施した
細胞培養器や、物理化学的処理により親水性を付与した
細胞培養器は、保存中において高温、高湿度下にさらさ
れても、各種コート及び処理の効果は失活せず維持され
ており、また、γ線滅菌による細胞培養性の低下が緩和
されることが明白である。
【0046】
【発明の効果】本発明に従うと、培養面に蛋白質、ペプ
チド類、ポリアミノ酸等をコートし、あるいはアミノシ
ランカップリング剤処理を施し、また物理化学的処理に
より親水性を付与した細胞培養器を、高温、高湿度下に
さらされても、各種コート及び処理の効果を長期間失活
せず維持することが出来、不安定なため、保存や輸送に
は従来冷凍や冷蔵を必要としていたものが、室温で保存
や輸送の取扱いが可能になり、また、γ線滅菌による細
胞培養性の低下を抑制でき、細胞培養器の包装方法とし
て好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞培養器を乾燥させた後、該培養器を
    低水蒸気透過性の素材からなる包装容器もしくは包装袋
    に収納し、密封することを特徴とする細胞培養器の包装
    方法。
  2. 【請求項2】 乾燥後の細胞培養器表面の水分含量が
    0.1μg/cm2以下であることを特徴とする、請求項
    (1)記載の細胞培養器の包装方法。
  3. 【請求項3】 包装容器もしくは包装袋を構成する素材
    の水蒸気透過度が、0〜40℃で5g/m2・24時間
    以下であることを特徴とする、請求項(1)もしくは請
    求項(2)記載の細胞培養器の包装方法。
  4. 【請求項4】 包装容器もしくは包装袋中に、細胞培養
    器と共に乾燥剤を同封することを特徴とする、請求項
    (1)乃至請求項(3)のいずれかに記載の細胞培養器
    の包装方法。
  5. 【請求項5】 包装容器もしくは包装袋中に、細胞培養
    器と共に有機性ガスの吸着剤を同封することを特徴とす
    る、請求項(1)乃至請求項(3)のいずれかに記載の
    細胞培養器の包装方法。
  6. 【請求項6】 有機性ガスの吸着剤が活性炭であること
    を特徴とする、請求項(5)記載の細胞培養器の包装方
    法。
  7. 【請求項7】 細胞培養器が、培養面に物理化学的処理
    を施して親水性を付与したものであることを特徴とす
    る、請求項(1)乃至請求項(6)のいずれかに記載の
    細胞培養器の包装方法。
  8. 【請求項8】 細胞培養器が、培養面に蛋白質、ペプチ
    ド類、もしくは合成ポリアミノ酸をコートしたものであ
    ることを特徴とする、請求項(1)乃至請求項(6)の
    いずれかに記載の細胞培養器の包装方法。
  9. 【請求項9】 培養面にコートされた蛋白質、ペプチド
    類、もしくは合成ポリアミノ酸が、抗体、ホルモン、ラ
    ミニン、ファイブロネクチン、ビトロネクチン、ゼラチ
    ン、コラーゲン、エラスチン、ポリリジン、及びポリオ
    ルチニンの中から選ばれた1種または複数種であること
    を特徴とする、請求項(8)記載の細胞培養器の包装方
    法。
  10. 【請求項10】 細胞培養器が、培養面に1級アミノシ
    ランカップリング剤を共有結合させることによりアミノ
    基を導入したものであることを特徴とする、請求項
    (1)乃至請求項(6)のいずれかに記載の細胞培養器
    の包装方法。
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