JPH08159090A - 軸流ファン - Google Patents

軸流ファン

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JPH08159090A
JPH08159090A JP29815294A JP29815294A JPH08159090A JP H08159090 A JPH08159090 A JP H08159090A JP 29815294 A JP29815294 A JP 29815294A JP 29815294 A JP29815294 A JP 29815294A JP H08159090 A JPH08159090 A JP H08159090A
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JP
Japan
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fan
boss
cylinder
fan boss
cylinders
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JP29815294A
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English (en)
Inventor
Eiji Wakizaka
英司 脇坂
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファンブレード間の乱流発生を抑制するとと
もに回転音の低減を図ることにより、低騒音の軸流ファ
ンを実現する。 【構成】 ファンボス1の軸心に設けたシャフト固定部
12をファンモータ4の回転軸41に装着して使用され
る軸流ファンであって、このファンボス1の周囲に径が
相違する複数の薄板製円筒体を同心状に配設するととも
に、ファンボス1と最小径の円筒体2間、及び隣り合う
各円筒体2間に、回転時に風下側に空気を圧送するため
の複数のファンブレードを配設してなり、前記各円筒体
2の存在によって通風断面が狭くし、ファンブレード負
圧面での気流の剥離を抑え、境界層の発達に制約を与え
ることにより、ファンブレード間の流速分布を一様化し
て、騒音の原因となる乱流の発生を抑制するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の室外ユ
ニットに内装される送風機等として使用される新規な軸
流ファンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の送風機には例えば図10
に示すようなプロペラファン形式の軸流ファンが一般に
広く使用されている。この軸流ファンFは周知のよう
に、モータ等の駆動手段の回転軸に装着されるシャフト
固定部51が軸心に形成された円筒状のファンボス5を
備え、このファンボス5の外周に所要枚数のファンブレ
ード6を半径方向に放射状に取り付けてなるものであ
る。
【0003】ところで、近年、エアコンディショナーの
普及に伴い、特にその室外ユニットから発生する騒音被
害が問題となっているが、この室外ユニットの騒音は、
熱交換器の通風用として使用されるファン音が、コンプ
レッサ音と並んで支配的である。このため、室外ユニッ
トの騒音低減を図るうえで、ファン音の低減対策は不可
欠とされている。
【0004】この軸流ファンから発する騒音は、広帯域
騒音と離散周波数騒音とに分けられるが、空気調和装置
に使用するような低圧ファンでは専ら前者の広帯域騒音
が支配的であることが知られている。広帯域騒音は上流
乱れ、羽根面上の境界層や、その境界層が剥離した後の
流れによる羽根面上の圧力変動によるか、あるいは羽根
後縁から放出される渦によって誘起される。なかでも、
羽根全面的に剥離した流れによる騒音発生は低流量域に
おける支配因子となるものであり、また、羽根後縁から
の渦放出によるものが最も重要な因子であると考えられ
ている。
【0005】そして、従来より、このような観点からフ
ァンブレード6及びファンボス5の形状について様々な
研究が行われ、送風性能の向上策とともに騒音の低減化
対策が講じられている現状にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図11は上記従来構成
の軸流ファンFにおけるファンブレード6の表面気流に
おける乱れエネルギーの計測結果を模式的に示してい
る。この図に示すように、従来例の軸流ファンの場合、
ファンボス5付近の気流方向は可成り半径方向を向いて
おり、乱れエネルギーも大きい。このため、ファンブレ
ード6の負圧面においては気流の剥離による渦発生が起
こり、乱流騒音が増加する。また、ファンFの回転駆動
によって生じる圧力変動のために騒音のひとつである回
転音が発生することにより、ファンによる騒音レベルが
高くなるうえ、送風特性の悪化を招くという問題点があ
った。
【0007】本発明は、上記のような従来の問題点を解
決しようとするものであって、ファンブレード間の乱流
発生を抑制するとともに回転音の低減を図ることによ
り、ファンによる騒音レベルの低減を可能とし、しかも
送風特性の向上を図り得る軸流ファンを提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の軸流ファンは、ファンボスの周囲に径が相違
する複数の円筒体を該ファンボスと同心に配設し、さら
に前記ファンボスと最小径の円筒体間、及び隣り合う各
円筒体間の空隙に、前記ファンボス及び各円筒体と一体
に回転駆動され且つその回転時に風下側に空気を圧送可
能な形状に形成された複数のファンブレードを配設し、
これらのファンブレードを介して前記ファンボスと円筒
体及び隣り合う各円筒体どうしを一体に連結固定してな
るものとしている。
【0009】上記構成の軸流ファンは、ファンボスの円
筒部軸心に設けたシャフト固定部をを駆動手段の回転軸
に装着して使用されるもので、各円筒体は乱流発生を抑
制するために設けられたもので、薄板により作製され
る。また、ファンボス円筒部と最小径の円筒体間距離及
び隣り合う各円筒体間距離は、ファン回転時においてフ
ァンブレードが配設された空隙を通る気流が層流となる
ようなレイノルズ数に制限されるように設定される。
【0010】前記各円筒体及びファンボス円筒部の形状
はそれぞれ軸方向に亙って等径とするか、あるいは各周
面周囲の流れを低減させるために吸込側から吹出側に漸
次拡大する形状に形成する。また、回転音を低減するた
めにファンブレードの取付位置及び枚数を前記各空隙毎
に設定する。さらに、前記各円筒体の前後縁をファンブ
レードの前後縁よりも軸方向前方または後方に位置する
ように両者の位置関係を設定する。
【0011】
【作用】上記構成の軸流ファンによると、各円筒体の存
在によって通風経路が制限されているため、駆動手段に
よって回転駆動されることによって送風状態となった場
合に、ファンブレード間の流速分布が一様なものとな
る。また、ファンボスと円筒体間及び隣り合う円筒体間
の空隙、つまり通風断面を狭くすることにより、ファン
ブレード負圧面での気流の剥離を抑え、しかも境界層の
発達に制約を与えることが可能となるため、乱流騒音の
低減を図ることができる。
【0012】各円筒体を中心側から外周側に漸次拡大し
た形状としたものでは、各円筒体周辺における乱流騒音
の発生を抑制し得るとともに、各円筒体の回転によって
発生する遠心力による送風効果を得ることが可能とな
る。また、円筒体間に設置されたファンブレードの取付
位置及び枚数を適宜選択することにより、回転音、いわ
ゆるNz音の低減を図ることができる。さらに、前記各
円筒体とファンブレードの前後縁位置を上記のように設
定することにより、ファンブレード前縁への流入気流及
びファンブレード後方の後流を該円筒体によって抑制す
ることが可能となり、騒音の低減を図ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1〜図4は本発明の第1実施例に係る軸流
ファンを示し、図1はその正面を、図2は図1における
切断線A−Aに沿う断面を、図3は図1におけるB部の
外観を、図4はファンブレードと円筒体の位置関係の種
々の態様をそれぞれ示している。図1〜図3において、
本実施例の軸流ファンF1は、ファンボス1と、各々径
が相違する複数の円筒体2及び複数枚のファンブレード
3により構成されている。
【0014】ファンボス1は、軸方向に亙って等径に形
成された円筒部11を備え、この円筒部11の軸心に、
孔断面が切円状を呈する短管状のシャフト固定部12を
配設し、このシャフト固定部12の前端と円筒部11の
内周面間に亙って、両者11、12を連結する支持板部
13を一体に形成してなるものである。各円筒体2は、
例えばプラスチック製の薄板を軸方向に亙って等径な円
筒状に成形してなり、それぞれファンボス円筒部11の
周囲に該ファンボス1と同心に配設されている。
【0015】各ファンブレード3は、ファンボス1と最
小径の円筒体2間、及び隣り合う各円筒体2間の空隙g
に取り付けられるもので、これらのファンブレード3を
介してファンボス1と円筒体2及び隣り合う各円筒体2
どうしが一体に連結固定されている。また、各ファンブ
レード3は、ファンボス1及び各円筒体2と一体に回転
駆動され、且つ、その回転時に風下側に空気を圧送可能
な翼形状に形成されている。
【0016】上記構成を備えた本実施例の軸流ファンF
1はシャフト固定部12の軸孔が駆動手段としてのファ
ンモータ4の回転軸41に装着され、該ファンモータ4
によって回転駆動される。
【0017】本実施例では、ファンブレード3は各円筒
体2間にそれぞれ6枚ずつ取り付けられているが、本発
明では、該ファンブレード3はその枚数や形状が特に限
定されるものではなく、その周速及び風量に対応する最
適な枚数、曲面形状、及び取付角度をもって形成された
ものであればよい。
【0018】ところで、ファンボス円筒部11と最小径
の円筒体2間の距離、及び隣り合う各円筒体2間の距離
は、ファン回転時においてファンブレード3が配設され
た空隙gを通る気流が層流となるようなレイノルズ数に
制限されるように設定されている。すなわち、ファンブ
レード3間の気流が層流となるようなレイノルズ数に制
限するために、ファンボス円筒部11と最小径の円筒体
2間の距離、及び隣り合う各円筒体2間の距離を次項数
式1で表される値とした。
【0019】 Re=ω・δ/ν<2320…………数式1 但し、Re:レイノルズ数 ω:流体とファンブレ
ードとの相対速度 δ:円筒体間距離 ν:流体の動粘性係数
【0020】このように構成したことにより、ファンブ
レード3間の気流は円周方向に流れるようになる。ま
た、通気路上に円筒体2が存在することによって送風経
路が限定されるため、乱流の発生を抑制するものとな
り、従来と比較して送風性能の向上、及び騒音の低減を
実現することができる。
【0021】図9は従来の軸流ファンFの翼表面流れの
速度ベクトルの計測結果を示している。この図に示すよ
うに、通常のプロペラファンの場合、ファンブレード6
の流速は外周で速い。
【0022】本実施例において、ファンブレード3間の
圧力損失を低減するために円筒体2間距離を、上記数式
1を満たす最大値とすると、ファンブレード3間の流速
が、図9に示す従来例と同様にファン外周で速いため、
円筒体2間距離はファンの中心側から外周側へと漸次減
少する。但し、本発明では円筒体2間距離を、上記数式
1を満たす最大値とすることに特に限定するものではな
く、上記数式1の範囲内で円筒体2間距離を任意に設定
することができる。
【0023】例えば、ファン外径φ250mm、ファンボス
径φ100mmの軸流ファンの場合、回転数を500rpm、風量
を15.0m3、軸流方向への流速分布が均一、流体を20℃の
空気とすると、流体とファンブレード3との相対速度は
次項数式2によって導くことができる。
【0024】 Ul=V/{60×π×(rt 2−rb 2)} Ut=n×2×π×rt/60 Ub=n×2×π×rb/60 ωt=(Ul 2+Ut 2)1/2 ωb=(Ul 2+Ub 2)1/2 以上、数式2 但し、 Ul:流体軸流方向速度 V:風量 n:回転数 rt:ファン外周半径 rb:ファンボス半径 Ut:ファン外周の周速 Ub:ファンボスの周速 ωt:ファン外周相対速度 ωb:ファンボス相対速度
【0025】上記数式2により導かれた相対速度と、上
記数式1とから円筒体2間の距離を導くと、次項の数式
3の結果が得られる。
【0026】 δt<2320×ν/ωt δb<2320×ν/ωb 以上、数式3 但し、δt:ファン外周部の円筒体間距離 δb:ファン
ボス部の円筒体間距離
【0027】上記数式3に具体的数値を代入して計算す
ると、 δt<3.93 (mm) δb<5.32 (mm) となり、円筒体2間距離の最大値はファンの中心側から
外周側へと漸次減少することになる。この計算による
と、円筒体2は17体以上になるが、本実施例及び後述
する第2〜第4実施例においては、煩雑さを避けるため
に図面を簡略化し、円筒体2を6体としている。
【0028】図4は本実施例の軸流ファンの円周方向断
面における円筒体2とファンブレード3との位置関係の
種々の態様を円周方向断面の展開図で示している。図4
(a)〜(d)において、矢印xは送風方向を、矢印yはフ
ァンの回転方向をそれぞれ示している。図4(a)に示す
態様は、軸方向において円筒体2の吸込側エッジ2aが
ファンブレード3の吸込側エッジ3aと一致し、吹出側
エッジ2bがファンブレード3の吹出側エッジ3bと一
致した構成となっている。
【0029】図4(b)に示す態様は、軸方向において円
筒体2の吸込側エッジ2aとファンブレード3の吸込側
エッジ3aに間隔t(1)を設け、円筒体2の吹出側エッ
ジ2bがファンブレード3の吹出側エッジ3bと一致し
ている。これとは逆に図4(c)に示す態様は、軸方向に
おいて円筒体2の吸込側エッジ2aがファンブレード3
の吸込側エッジ3aと一致し、円筒体2の吹出側エッジ
2bとファンブレード3の吹出側エッジ3bに間隔t
(2)を設定している。
【0030】さらに、図4(d)に示す態様は、円筒体2
の吸込側エッジ2aとファンブレード3の吸込側エッジ
3aに間隔t(1)を、及び円筒体2の吹出側エッジ2b
とファンブレード3の吹出側エッジ3bの間隔t(2)を
設定している。このように円筒体2とファンブレード3
との吸込側と吹出側でエッジ間隔を任意に設定すること
により、ファンブレード3へ流入する気流、及びファン
ブレード3の後流を抑制し、送風性能の向上及び騒音の
低減を行うことができる。
【0031】図5及び図6は本発明の第2実施例に係る
軸流ファンを示し、図5はその正面を、図6は図5にお
ける切断線C−Cに沿う断面をそれぞれ示している。本
実施例の軸流ファンF2は、前記第1実施例と同様に、
ファンボス1の円筒部11の周囲に径が相違する複数の
薄板製円筒体2を該ファンボス1と同心に配設するとと
もに、ファンボス円筒部11と最小径の円筒体2間、及
び隣り合う各円筒体2間の空隙gに複数のファンブレー
ド3を配設し、これらのファンブレード3を介してファ
ンボス1と円筒体2及び隣り合う各円筒体2どうしを一
体に連結固定して構成されている。そして、各円筒体2
及びファンボス1の円筒部11をそれぞれ吸込側から吹
出側に漸次拡大するコーン形状に形成している。
【0032】本実施例は、上記のように円筒体2及びフ
ァンボス1の円筒部11をそれぞれ吸込側から吹出側に
漸次拡大する形状に形成したことにより、ファンブレー
ド3間の円筒体2による乱流発生を低減するとともに、
ファン回転時において円筒体2で発生する遠心力によっ
て送風効果が生起し、軸流ファンの送風性能を向上させ
ることができる。
【0033】図7は本発明の第3実施例に係る軸流ファ
ンを示している。本実施例の軸流ファンF3は、前記第
1実施例及び第2実施例と同様に、ファンボス1の円筒
部11の周囲に径が相違する複数の薄板製円筒体2を該
ファンボス1と同心に配設するとともに、ファンボス円
筒部11と最小径の円筒体2間、及び隣り合う各円筒体
2間の空隙gに複数のファンブレード3を配設し、これ
らのファンブレード3を介してファンボス1と円筒体2
及び隣り合う各円筒体2どうしを一体に連結固定して構
成されている。そして、ファンブレード3の取付位置が
各円筒体2毎に周方向にずれるように構成している。
【0034】本実施例は、上記のようにファンブレード
3の取付位置を各円筒体2毎に周方向にずらせた構成と
したことにより、ファンブレード3のエッジにおける圧
力変動の位相差を生じるため、回転音を効果的に低減さ
せることができる。
【0035】図8は本発明の第4実施例に係る軸流ファ
ンを示している。本実施例の軸流ファンF4は、前記第
1実施例〜第3実施例と同様に、ファンボス1の円筒部
11の周囲に径が相違する複数の薄板製円筒体2を該フ
ァンボス1と同心に配設するとともに、ファンボス円筒
部11と最小径の円筒体2間、及び隣り合う各円筒体2
間の空隙gに複数のファンブレード3を配設し、これら
のファンブレード3を介してファンボス1と円筒体2及
び隣り合う各円筒体2どうしを一体に連結固定して構成
されている。そして、各円筒体2間のファンブレード3
の枚数をそれぞれの円筒体2毎に変化させた構成として
いる。
【0036】また、本実施例ではファンボス1の外周で
8枚、そして、外周側に向かって各円筒体2毎に1枚ず
つファンブレード3の枚数が減少するように構成してい
るが、その枚数は特に限定するものではなく、ファン寸
法及びファンの送風性能に応じて最適な枚数とするよう
に形成されるものである。
【0037】本実施例は上記のように各円筒体2間のフ
ァンブレード3の枚数をそれぞれの円筒体2毎に変化さ
せることにより、各ファンブレード3のエッジにおいて
圧力変動の位相差を生じるため、回転音を効果的に低減
することができる。
【0038】なお、前記図4に示すように、各円筒体2
の前後縁をファンブレード3の前後縁よりも軸方向前方
または後方に位置するように両者の位置関係を設定する
構成は、第1実施例の軸流ファンF1のみならず、第2
〜第4実施例における軸流ファンF2〜F4においても
同様にファンブレード3へ流入する気流、及びファンブ
レード3の後流を抑制し、送風性能の向上及び騒音を低
減するといった効果を奏する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるとき
は、ファンボスの周囲に複数の円筒体を間隔をおいて同
心状に配設するという比較的簡単な構成によって、通風
断面が狭くなって、ファンブレード負圧面での気流の剥
離を抑え、しかも境界層の発達に制約を与えることがで
きるので、ファンブレード間の流速分布を一様化して、
騒音の原因となる乱流の発生を効果的に抑制することが
でき、また、これによって、送風性能の向上を図ること
ができるとともに、騒音レベルを効果的に低下させるこ
とができる。
【0040】また、各円筒体の径を吸込側から吹出側に
漸次拡大するようにすれば、円筒体周囲の乱流発生を抑
えることができるとともに、円筒体の回転によって生じ
る遠心力による送風効果を得ることができるので、送風
性能の向上及び騒音レベルの低減を容易に図ることがで
きる。さらに、ファンブレードの取付位置を周方向にず
らせるようにするか、あるいはファンブレードの枚数を
円筒体毎に変えるようにすれば、圧力脈動に位相差が生
じ、回転音を低減させることが可能となる。
【0041】さらにまた、円筒体の吸込側エッジをファ
ンブレード吸込側エッジより前方に設けるようにすれ
ば、ファンブレードへの流入気流を抑制でき、円筒体の
吹出側エッジをファンブレード吹出側エッジより後方に
設けるようにすれば、ファンブレードの後流を抑制で
き、いずれの場合も騒音の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る軸流ファンを示す
正面図。
【図2】 図1における切断線A−Aに沿う断面図。
【図3】 図1におけるB部を拡大して示す要部斜視
図。
【図4】 ファンブレードと円筒体の位置関係の種々の
態様を示す円周方向部分展開図。
【図5】 本発明の第2実施例に係る軸流ファンを示す
正面図。
【図6】 図5における切断線C−Cに沿う断面図。
【図7】 本発明の第3実施例に係る軸流ファンを示す
正面図。
【図8】 本発明の第4実施例に係る軸流ファンを示す
正面図。
【図9】 従来例の軸流ファンのファンブレード上の気
流速度ベクトルを示す要部正面図。
【図10】 従来例の軸流ファンを示す斜視図。
【図11】 その乱れエネルギー分布を示す要部正面
図。
【符号の説明】
1 ファンボス 11 円筒部 12 シャフト固定部 2 円筒体 2a 吸込側エッジ 2b 吹出側エッジ 3 ファンブレード 3a 吸込側エッジ 3b 吹出側エッジ 4 ファンモータ 41 回転軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動手段の回転軸に装着されるシャフト
    固定部を軸心に備えたファンボスを備え、このファンボ
    スの周囲に径が相違する複数の円筒体を該ファンボスと
    同心に配設し、さらに前記ファンボスと最小径の円筒体
    間、及び隣り合う各円筒体間の空隙に、前記ファンボス
    及び各円筒体と一体に回転駆動され且つその回転時に風
    下側に空気を圧送可能な形状に形成された複数のファン
    ブレードを配設し、これらのファンブレードを介して前
    記ファンボスと円筒体及び隣り合う各円筒体どうしを一
    体に連結固定してなることを特徴とする軸流ファン。
  2. 【請求項2】 駆動手段の回転軸に装着されるシャフト
    固定部を軸心に設けてなるファンボスを備え、このファ
    ンボスの周囲に径が相違する複数の円筒体を該ファンボ
    スと同心に配設するとともに、前記ファンボスと最小径
    の円筒体間、及び隣り合う各円筒体間の空隙に、前記フ
    ァンボス及び各円筒体と一体に回転駆動され且つその回
    転時に風下側に空気を圧送可能な形状に形成された複数
    のファンブレードを配設し、これらのファンブレードを
    介して前記ファンボスと円筒体及び隣り合う各円筒体ど
    うしを一体に連結固定してなり、さらに前記ファンボス
    と最小径の円筒体間距離及び隣り合う各円筒体間距離
    を、ファン回転時において前記ファンブレードが配設さ
    れた空隙を通る気流が層流となるようなレイノルズ数に
    制限されるように設定したことを特徴とする軸流ファ
    ン。
  3. 【請求項3】 駆動手段の回転軸に装着されるシャフト
    固定部を円筒部の軸心に設けてなるファンボスを備え、
    このファンボス円筒部の周囲に径が相違する複数の薄板
    製円筒体を該ファンボスと同心に配設するとともに、前
    記ファンボス円筒部と最小径の円筒体間、及び隣り合う
    各円筒体間の空隙に、前記ファンボス及び各円筒体と一
    体に回転駆動され且つその回転時に風下側に空気を圧送
    可能な形状に形成された複数のファンブレードを配設
    し、これらのファンブレードを介して前記ファンボスと
    円筒体及び隣り合う各円筒体どうしを一体に連結固定し
    てなる軸流ファンであって、前記ファンボス円筒部と最
    小径の円筒体間距離及び隣り合う各円筒体間距離を、フ
    ァン回転時において前記ファンブレードが配設された空
    隙を通る気流が層流となるようなレイノルズ数に制限さ
    れるように設定するとともに、各円筒体及びファンボス
    円筒部をそれぞれ軸方向に亙って等径乃至吸込側から吹
    出側に漸次拡大する形状に形成し、またファンブレード
    の取付位置及び枚数を前記各空隙毎に設定し、さらに前
    記各円筒体の前後縁をファンブレードの前後縁よりも軸
    方向前方または後方に位置するように両者の位置関係を
    設定したことを特徴とする軸流ファン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009168024A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Snecma スペーサストリップを有する2枚翼型ブレード
US8556587B2 (en) 2008-04-18 2013-10-15 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Propeller fan

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