JPH08155576A - 異形断面帯材の製造方法及び突条付きロール - Google Patents

異形断面帯材の製造方法及び突条付きロール

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JPH08155576A
JPH08155576A JP33007394A JP33007394A JPH08155576A JP H08155576 A JPH08155576 A JP H08155576A JP 33007394 A JP33007394 A JP 33007394A JP 33007394 A JP33007394 A JP 33007394A JP H08155576 A JPH08155576 A JP H08155576A
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健治 原
Masahito Sakaki
正仁 榊
Kazunari Nakamoto
一成 中本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各部のメタルフローを考慮して突条部を適性
位置に設け、肉厚及び段差部の傾斜角度が同じ厚肉部を
もつ異形断面帯材をロール成形によって得る。 【構成】 ロール軸方向に複数の溝状部G1 〜G4 を介
して複数の突条部P31〜P33が形成された突条付きロー
ル30とフラットロール40との間に金属帯材を通板
し、異形断面帯材を製造する。突条付きロール30は、
製品厚肉部S11〜S14を形成する溝状部G1 〜G4 の断
面積と両側にある突条部P31〜P33それぞれの断面積の
1/2の積算値との比が各製品厚肉部S11〜S14で一定
になるように溝状部G1 〜G4 及び突条部P31〜P33
設けている。また、製品厚肉部S11〜S14を形成する溝
状部のロール軸方向外側に、捨て溝用突条部P41,P42
を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形状精度に優れた異形
断面帯材をロール成形によって連続的に製造する方法及
び突条付きロールに関する。
【0002】
【従来の技術】幅方向に複数の厚肉部分が形成された異
形断面帯材は、リードフレーム,ベアリングリテ−ナ等
の素材として使用されている。この種の異形断面帯材
は、切削法で従来から製造されている。切削法では、金
属帯を長手方向に通板させながら、バイト,フライス等
で板幅方向の薄肉部分を連続的に切削し、厚肉部分の間
を仕切る薄肉部分を形成している。しかし、資源の有効
利用,良好な作業環境の維持に支障となる切削屑が発生
し、作業効率も悪い。また、切削された端部にバリや反
り等が発生し、製品品質を低下させる原因ともなる。
【0003】切削法に代わるものとして、特公昭53−
27234号公報には、先端から順次幅が広がる突条部
又は凹部が形成された金型を使用して、異形断面帯材を
製造する方法が紹介されている。この方法では、往復動
するフラットロールと金型との間に被圧延金属帯材を送
り込んだ後、フラットロールを往復動させながら金属帯
材を押圧し、金型の断面形状に倣った段差部を金属帯材
につけている。この方法は、成形が断続的に行われるバ
ッチ式であるため、生産性が悪い。また、種々の目標異
形断面形状に応じた高価な金型を多数用意することは、
製造コストを上昇させる原因となる。しかも、同一形状
の異形断面帯材を複数同時に製造することは困難であ
り、量産システムにのせることが困難である。このよう
な欠点を解消するものとして、ロール成形によって異形
断面帯材を製造する方法が特公平1−59401号公
報,特開平1−299701号公報等で紹介されてい
る。
【0004】特公平1−59401号公報では、図1に
示す工程で異形断面帯材が製造される。先ず、長方形断
面をもつ金属帯材Sを溝付きロール1aとフラットロー
ル1bとの間に送り込み、製品薄肉部となる部分S1
金属帯材Sを圧延する(図1a)。このとき、製品厚肉
部となる部分では、金属帯材Sが溝付きロール1aの溝
内に座屈変形し、湾曲部S2 が形成される。次いで、金
属帯材Sを一対のフラットロール2a,2bの間に通
し、湾曲部S2 の上下面が平行になるまで圧延し、厚肉
部S3 を形成する(図1b)。その後、仕上げ溝付きロ
ール3a及びフラットロール3bを使用して、金属帯材
Sを製品形状に圧延する(図1c)。このとき、目標と
する異形断面形状に対応する形状の溝が仕上げ溝付きロ
ール3aの円周方向に形成されているので、厚肉部S3
は、仕上げ溝付きロール3aのロールプロフィールに沿
って成形され、目標形状をもつ厚肉部S4 となる。
【0005】特開平1−299701号公報では、図2
に示す工程で異形断面帯材が製造される。先ず、金属帯
材Sを溝付きロール4aと突条付きロール4bとの間に
通板し圧延する(図2a)。溝付きロール4aは、所定
の曲率で円周方向に延びる溝部が軸方向に関して複数個
形成されている。突条付きロール4bは、溝付きロール
4aの溝部に対応する位置で、円周方向に延び所定の曲
率を持つ突条部が複数個形成されている。溝付きロール
4aと突条付きロール4bとの間を通過した後では、所
定の曲率をもつ湾曲部S2 が金属帯材Sに形成される。
次いで、金属帯材Sを一対のフラットロール5a,5b
の間に通し、湾曲部S2 の上下面が平行になるまで圧延
し、厚肉部S3 を形成する(図2b)。その後、仕上げ
突条付きロール6a及びフラットロール6bを使用し
て、金属帯材Sを製品形状に圧延する(図1c)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のロール成形法で
は、図1及び図2の何れの方式でも、(1)薄肉部分の
みを圧延して厚肉部分を座屈変形させ、又は薄肉部分を
湾曲圧延する工程,(2)座屈変形させた厚肉部分又は
湾曲圧延した薄肉部分を上下面が平行になるまで圧延す
る工程、及び(3)製品形状に仕上げ圧延する工程の少
なくとも3工程が必要とされる。工程数の多さは、それ
ぞれの工程で使用する複数種のロールを多数用意してお
くことを余儀なくし、生産性を向上させるときのネック
となる。また、従来のロール成形法で異形断面帯材を製
造するとき、厚肉部と薄肉部との間に、それぞれの傾斜
角度が大きく異なる段差部が形成され易い。しかも、各
厚肉部は、溝付きロールや突条付きロールの凹部深さに
一致せず、それぞれに板厚が異なったものとなってい
た。
【0007】低い形状精度は、得られた異形断面帯材を
製品として使用するときに信頼性を低下させる原因とな
る。たとえば、異形断面帯材を製品幅にスリットして単
一又は複数の異形断面条を切り出すとき、薄肉部の両側
にある段差部の傾斜角度及び厚肉部の板厚が同じ状態に
ないことから、薄肉部及びその両側の段差部で区画され
ている溝部の寸法精度の低下がそのまま製品価値の低下
につながる。具体的には、この異形断面条から作製され
たベアリングリテ−ナでは、溝部の寸法精度が異なるこ
とからベアリングの円滑な転動が阻害され、ベアリング
自体の性能を低下させる。本発明は、このような問題を
解消すべく案出されたものであり、各厚肉部におけるメ
タルフローが均一化されるようにプロフィールを設計し
た突条付きロールを使用することにより、各厚肉部に肉
不足を生じることなく、且つ段差部の傾斜角度が一定し
た形状精度の良好な異形断面板材を得ることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の異形断面帯材の
製造方法は、その目的を達成するため、ロール軸方向に
複数の溝状部を介して複数の突条部が形成された突条付
きロールとフラットロールによるロール成形で異形断面
帯材を製造する際、製品厚肉部を形成する溝状部の断面
積と該溝状部の両側にある突条部それぞれの断面積の1
/2の積算値との比が各製品厚肉部で一定になるように
溝状部及び突条部を設け、且つ製品厚肉部を形成する溝
状部のロール軸方向外側に捨て溝用突条部を形成した突
条付きロールを使用し、両側にある前記捨て溝用突条部
間の距離に少なくとも等しい金属帯材を突条付きロール
とフラットロールとの間に通板させることを特徴とす
る。この方法で使用する突条付きロールは、製品厚肉部
を形成する溝状部の断面積と該溝状部の両側にある突条
部それぞれの断面積の1/2の積算値との比が各製品厚
肉部で一定になるように、ロール軸方向に沿って複数の
溝状部を介して複数の突条部を設け、且つ製品厚肉部を
形成する溝状部のロール軸方向外側に捨て溝用突条部を
形成している。
【0009】
【作用】本発明者等は、ロール成形によって異形断面帯
材を製造するとき、ロールプロフィールが製品形状に与
える影響を調査した。そして、板幅方向に複数の厚肉部
をもつ異形断面帯材を一挙にロール成形するとき、形状
精度が向上することを見い出した。たとえば、図3に示
すように、目標薄肉部に対応する間隔で軸方向に関し複
数の突条11,12,13が設けられた突条付きロール
10をフラットロール20に対向させる。ロール10,
20の間を通過した金属帯材Sには、中央厚肉部S11
12及び端部厚肉部S21,S22が形成され、各厚肉部S
11,S12,S21,S22の間が薄肉部S31,S32,S33
なる。しかし、この方法で製造された異形断面帯材は、
斜面の傾斜角度が各段差部ごとに異なっている。中央に
位置する段差部では溝付きロール10の傾斜角度θ3
θ4 と同一の傾斜角度をもった段差部が金属帯材Sに形
成されるが、両端に位置する段差部では、溝付きロール
10の傾斜角度θ1 ,θ2 ,θ5 ,θ6 よりも大きな傾
斜角度θ1',θ2',θ5',θ6'になり易い。また、端部
厚肉部S21,S22も、中央厚肉部S11,S12よりも薄肉
化する。
【0010】傾斜角度の増加や端部厚肉部S21,S22
肉不足は、金属帯材Sの両端が開放された自由端となっ
ているために生じる幅方向外向きのメタルフローに起因
する。すなわち、突条11と12との間や12と13と
の間の溝部では、薄肉部S31,S32,S33からのメタル
フローにより溝部空間が充填され、中央厚肉部S11,S
12がロールプロフィールに沿って形成される。他方、板
幅方向端部では、側面一方向に流れるメタルフローの影
響が大きく、傾斜角度θ1',θ6'の増加や端部厚肉部S
21,S22の肉不足となって現れる。また、左右のメタル
フローが異なる部分では、材料の充填が少ない方の段差
部で傾斜角度θ2',θ5'が大きくなる。したがって、板
幅方向両端部に生じるメタルフローを規制できると、傾
斜角度の増加や端部厚肉部S21,S22の肉不足が解消さ
れる。そこで、本発明者等は、製品である異形断面帯材
の形状精度に及ぼすロールプロフィールの影響を更に調
査・研究し、圧延の際に生じるメタルフローは、突条部
のP31,P32,P33と空隙部の断面積比によって異なる
ことが見い出した。また、理論上でも、断面積比がメタ
ルフローに与える影響は確認される。
【0011】すなわち、断面積比が異なると、メタルフ
ローの多い部分は、メタルフローの少ない部分よりも先
に空隙部に充満するため、選択的に孔型ロールの空隙部
において圧延が行われる。他方、メタルフローの少ない
部分は、充満しない状態で圧延方向に伸ばされるため、
更に充満しない傾向が助長される。その結果、充満して
いない部分の板厚は、孔型ロールの溝部とは一致しなく
なる。このような現象から、製品の板幅方向に関する各
厚肉部での板厚及び傾斜角度が不揃いになり、所定の製
品形状が得られなくなる。具体的には、図4に示すプロ
フィールをもつ突条付きロール30が形状精度の向上に
有効であることを見い出した。突条付きロール30は、
薄肉部S31,S32,S33を形成する突条部P31,P32
33の凸部断面積と、突条部P31,P32,P33と連続し
て隣り合い、厚肉部S11,S12,S13,S14を形成する
溝状部G1 〜G4 それぞれの凹部断面積の1/2を積算
した値との比率が何れの突条部P31,P32,P33及び溝
状部G1 〜G4においても一定になるように、突条部P
31,P32,P33及び溝状部G1 〜G4 が設計されてい
る。左右の厚肉部S11,S14の外側には、捨て溝用突条
部P41,P42で薄肉部S41,S42が形成された切捨て部
51,S52が設けられる。
【0012】左側の厚肉部S11が形成される過程を考察
すると、当該部分に当たる金属帯材Sが当初にもってい
た肉に、左右の薄肉部S31及びS41からのメタルフロー
が加わる。また、中央にある厚肉部S12は、左右の薄肉
部S31,S32からのメタルフローによって増肉する。そ
こで、図4(b)に示すように、突条部P41の断面積の
半分をA,溝状部G1 の断面積の半分をB及びC,突条
部P31の断面積の半分をD及びE,溝状部G2 の断面積
の半分をF及びG,突条部P32の断面積の半分をH及び
I,溝状部G3 の断面積の半分をJ及びK,突条部P33
の断面積の半分をL及びM,溝状部G4 の断面積の半分
をN及びO,突条部P42の断面積の半分をPとすると
き、厚肉部S11の形成に影響する領域での断面積比
(A+D)/(B+C),厚肉部S12の形成に影響する
領域での断面積比(E+H)/(F+G),厚肉部S
13の形成に影響する領域での断面積比(I+L)/
(J+K),厚肉部S14の形成に影響する領域での断
面積比(M+P)/(N+O)を何れも同じ値に設定す
る。このように突条部及び溝状部が設計された突条付き
ロール30をフラットロール40を対向させ、金属帯材
Sを成形するとき、成形された異形断面帯材における厚
肉部S31,S32,S33の板厚は、フラットロール40の
周面から各溝状部G1 〜G4 までの高さH1 〜H4 に対
応し、同じ肉厚となる。また、段差部の傾斜角度θ1
θ6 は、突条部P31,P32,P33の側面F31,F32,F
33の傾斜角度θ1 〜θ6 に一致する。その結果、寸法精
度が高い断面形状を持つ異形断面帯材が製造される。
【0013】図4(a)では、中央部に薄肉部S31,S
32,S33をもつ異形断面帯材を3条製造する場合を示し
ており、ロール成形後の金属帯材は、それぞれの条材ご
とにスリットされる。しかし、本発明はこれに拘束され
るものではなく、複数の条材を同時に成形する方法や、
図5(a)に示すように二つの薄肉部をもつ異形断面条
材を複数同時に製造する場合にも適用される。この場
合、製品となる各異形断面条材の間に切捨て部S53を設
け、メタルフローを規制する薄肉部S43を切捨て部S53
に形成する。これに対応し、突条付きロール40には、
図5(b)に示すように中央部に捨て溝用突条部P43
形成する。異形断面帯材の素材としては、Cu,Cu合
金,Al,Al合金,鋼,Fe合金等からなる単体材料
や、これらを組み合わせた複合材料を使用できる。切捨
て部S51,S52を含めた異形金属帯材の幅、或いはそれ
以上の幅をもつ帯材を突条付きロール30とフラットロ
ール40との間に通板し、図4,図5等に示した異形断
面に成形する。そして、切捨て部S51,S52,S53を切
り離し、製品帯材を得る。
【0014】
【実施例】本実施例では、図4(c)に示すように、3
個の薄肉部形成用突条部P31,P32,P33及び2個の捨
て溝形成用突条部P41,P42を直径400mmの胴部に
形成した突条付きロール30を使用した。突条部P31
32,P33は、高さ1.75mm,頂面のロール軸方向
長さ11.5mm,斜面F31,F32,F33の傾斜角度θ
1 〜θ6 が30度の左右対称な台形断面とした。溝状部
1 〜G4 は、何れもロール軸方向の長さを13.88
mmに設定した。捨て溝形成用突条部P41,P42は、頂
面のロール軸方向長さが6mmに設定した。このとき、
領域の断面積比(A+D)/(B+C),領域の断
面積比(E+H)/(F+G),領域の断面積比(I
+L)/(J+K),領域の断面積比(M+P)/
(N+O)は、何れも同じ値0.83となる。比較のた
め、領域及びの断面積比(A+D)/(B+C)及
び(M+P)/(N+O)が0.65となる位置に、頂
面のロール軸方向長さが6mmの捨て溝形成用突条部P
41,P42を形成した突条付きロール(比較例1)、領域
及びの断面積比(A+D)/(B+C)及び(M+
P)/(N+O)が1.2となる位置に、頂面のロール
軸方向長さが6mmの捨て溝形成用突条部P41,P42
形成した突条付きロール(比較例2)を使用した。
【0015】各突条付きロールをフラットロールに対向
させ、板厚2.3mm及び板幅110mmの普通鋼帯材
を被圧延用帯材として通板し、異形断面帯材を製造し
た。得られた異形断面帯材の各部形状を測定した結果を
図6に示す。本発明に従った突条付きロールを使用して
製造した異形断面帯材は、図6(a)に示すように段差
部斜面F31,F32,F33の傾斜角度に対応し、何れの傾
斜角度もほぼ一定値35度であった。これに対し、捨て
溝用突条部P41,P42をロール中央部に寄せた比較例1
では、中央段差部の傾斜角度が大きくなり、傾斜面F32
の角度θ3 ,θ4 よりも大きくなった。他方、捨て溝用
突条部P41,P42をロール中央部から両サイドに広げた
比較例2では、両側段差部の傾斜角度が大きくなり、傾
斜面F31,F33の角度θ1 ,θ6 よりも大きくなった。
このことから、捨て溝用突条部P41,P42が適正位置に
ないとき、左右方向に流れるメタルフローの影響が大き
く現れていることが判る。
【0016】適正位置に捨て溝用突条部P41,P42を形
成することは、厚肉部S31,S32,S33を、図6(b)
に示すように均一な肉厚にする上でも有効である。すな
わち、本発明に従った突条付きロールを使用した場合、
各厚肉部S31,S32,S33は、フラットロール40から
突条付きロール30の溝状部G1 〜G4 までの高さH1
〜H4 にほぼ等しい2.5mmとなっていた。なお、切
捨て用薄肉部S41,S42より外側では、側方へのメタル
フローの影響を受け、厚みt1 ,t2 が2.4mmに低
下していた。しかし、切捨て部S51,S52を除去して異
形断面帯材が得られるので、厚みt1 ,t2 の不足は製
品品質に何ら影響を与えない。これに対し、捨て溝用突
条部P41,P42をロール中央部に寄せた比較例1では、
板幅方向外向きに流れるメタルフローの影響が完全には
除去されておらず、両側の厚肉部S11,S14に肉不足が
発生した。他方、捨て溝用突条部P41,P42をロール中
央部から両サイドに広げた比較例2では、逆に中央の厚
肉部S12,S13に肉不足が発生していた。この肉不足
は、薄肉部S31,S33から厚肉部S11,S14に向かって
多量のメタルフローが生じ、その分だけ薄肉部S31,S
33から厚肉部S12,S13に向かうメタルフローが少なく
なったものと考えられる。
【0017】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、薄肉部形成用突条部の両側の適正位置に捨て溝用突
条部が形成された突条付きロールをフラットロールと対
向させ、被圧延帯材を通板させることによって、板幅方
向外向きのメタルフローによる影響を無くし、各薄肉部
から厚肉部に向かうメタルフローを調整している。これ
により、突条付きロールの溝状空間部に十分な量の肉が
供給され、突条付きロールのプロフィールが正確に転写
され、形状精度の良好な異形断面帯材が製造される。こ
の方法では、1種類の異形断面帯材を製造するために種
々のロールを用意する必要がなく、リードフレーム,ベ
アリングリテ−ナ等として好適な異形断面帯材が高生産
性で得られる。また、突条付きロールを交換するだけで
形状の異なる異形断面帯材が製造されるため、多様なニ
ーズに応じた生産も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来法に従って異形断面帯材を製造する工程
【図2】 他の従来法に従って異形断面帯材を製造する
工程
【図3】 突条付きロールを使用して異形断面帯材を製
造している状態
【図4】 本発明に従った突条付きロールをフラットロ
ールと対向させて異形断面帯材を製造している状態
(a),各部の断面積比(b)及び突条付きロールの外
観(c)
【図5】 2つの薄肉部をもつ異形断面帯材を2本同時
に成形している状態(a)及び使用する突条付きロール
の外観(b)
【図6】 本発明実施例で製造された異形断面帯材の段
差部傾斜角度(a)及び厚肉部の板厚(b)を比較例と
対比したグラフ
【符号の説明】
S:金属帯材 S11〜S14:製品厚肉部 S31〜S
33:薄肉部 S41,S42:切捨て用薄肉部 S51
52:切捨て部 t1 ,t2 :切捨て部の板厚 30:本発明に従った突条付きロール P31〜P33
突条部 P41,P42:捨て溝用突条部 G1 〜G
4 :溝状部 F31〜F33,F41,F42:段差部の斜面
θ1 〜θ6 :斜面の傾斜角度 H1 〜H4 :フラ
ットロールから溝状部までの高さ(≒製品厚肉部の板
厚) 40:フラットロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール軸方向に複数の溝状部を介して複
    数の突条部が形成された突条付きロールとフラットロー
    ルによるロール成形で異形断面帯材を製造する際、製品
    厚肉部を形成する溝状部の断面積と該溝状部の両側にあ
    る突条部それぞれの断面積の1/2の積算値との比が各
    製品厚肉部で一定になるように溝状部及び突条部を設
    け、且つ製品厚肉部を形成する溝状部のロール軸方向外
    側に捨て溝用突条部を形成した突条付きロールを使用
    し、両側にある前記捨て溝用突条部間の距離に少なくと
    も等しい金属帯材を突条付きロールとフラットロールと
    の間に通板させることを特徴とする異形断面帯材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 フラットロールに対向配置され、複数の
    厚肉部をもつ異形断面帯材を成形するロールであって、
    製品厚肉部を形成する溝状部の断面積と該溝状部の両側
    にある突条部それぞれの断面積の1/2の積算値との比
    が各製品厚肉部で一定になるように、ロール軸方向に沿
    って複数の溝状部を介して複数の突条部を設け、且つ製
    品厚肉部を形成する溝状部のロール軸方向外側に捨て溝
    用突条部を形成した突条付きロール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009291798A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Mitsubishi Shindoh Co Ltd 異形条材の製造方法及び異形条材
JP2011000609A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Mitsubishi Shindoh Co Ltd 異形断面条の製造方法及び製造装置
JP2012024813A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Mitsubishi Shindoh Co Ltd 異形断面銅合金条の製造方法
CN105195518A (zh) * 2015-09-30 2015-12-30 芜湖新兴铸管有限责任公司 一种开坯机xa辊孔型结构

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