JPH0815525A - 偏光ビームスプリッタ及び液晶プロジェクタ装置 - Google Patents

偏光ビームスプリッタ及び液晶プロジェクタ装置

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JPH0815525A
JPH0815525A JP7073837A JP7383795A JPH0815525A JP H0815525 A JPH0815525 A JP H0815525A JP 7073837 A JP7073837 A JP 7073837A JP 7383795 A JP7383795 A JP 7383795A JP H0815525 A JPH0815525 A JP H0815525A
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JP
Japan
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beam splitter
optical block
liquid crystal
polarization beam
wave
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JP7073837A
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English (en)
Inventor
Takehisa Natori
武久 名取
Toshihisa Kojima
俊久 小島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶プロジェクタ装置などに使用される偏光
ビームスプリッタを小型化,軽量化できるようにする。 【構成】 第1の光学ブロック11と第2の光学ブロッ
ク12とを偏光依存性を持つ蒸着面を介して接合して構
成され、接合面11a,12aで入射光をP波偏光成分
とS波偏光成分とに分光する偏光ビームスプリッタ10
において、接合面11a,12aとして、所定長毎に9
0°曲折した面の連続で階段状とすると共に、この90
°曲折したそれぞれの面を、第1の光学ブロックの入射
面11d及び第2の光学ブロックの出射面12dに対し
45°傾斜した面とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、P波偏光成分とS波偏
光成分とに分離する偏光ビームスプリッタ及びこの偏光
ビームスプリッタを使用した液晶プロジェクタ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、投写型のカラー画像表示装置とし
て、液晶パネルを使用した液晶プロジェクタと称される
ものが開発されている。この液晶プロジェクタは、画像
表示手段である液晶パネルに入射する光として、平行光
の内のP波偏光成分だけを使用するのが好ましい。この
P波偏光成分だけを使用するための構成として、従来例
えば図3に示す構成で液晶パネルの照明光を形成させて
いた。即ち、図3に示すように、キセノンランプなどの
光源1からの光を、球面反射鏡2とコリメータレンズ3
により平行光線とした後、この平行光を赤外線除去フィ
ルタ4及び1/4波長板5を通過させた後、偏光ビーム
スプリッタ6に入射させる。
【0003】この偏光ビームスプリッタ6は、2個の直
角プリズムの45°傾斜面どうしを接合させて構成さ
れ、この接合面6aに蒸着膜を形成させる。この蒸着膜
は、入射光のうちのS波偏光成分を反射させ、P波偏光
成分を透過させる膜として形成され、接合面6aを透過
したP波偏光成分を、投写する画像が表示される液晶パ
ネル(図示せず)に入射させる。そして、液晶パネルの
透過により像光を形成させ、この像光を投写レンズによ
りスクリーン(図示せず)に拡大投写させる。
【0004】そして、偏光ビームスプリッタ6の接合面
6aで反射したS波偏光成分を、この反射光の出射部に
配置したミラー7で反射させて、再度偏光ビームスプリ
ッタ6に入射させる。このミラー7から入射したS波偏
光成分は、接合面6aで反射して光源1側に戻る。この
とき、偏光ビームスプリッタ6と光源1との間に配され
た1/4波長板5を通過することで、この戻り光が円偏
波となり、この円偏波となった戻り光が、球面反射鏡2
での反射で逆回転の円偏波となり、再度1/4波長板5
を通過することで、P波偏光成分に変換される。
【0005】従って、このP波に変換された成分は、偏
光ビームスプリッタ6の接合面6aを透過し、結局光源
1からの光の全ての成分がP波偏光成分となって液晶パ
ネル側に入射するようになり、良好に液晶パネルに表示
される画像に基づいた像光を形成させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図3に示し
たような光学ガラス製の2個の直角プリズムを接合させ
て形成させた偏光ビームスプリッタは、液晶プロジェク
タを構成する部品として、その大きさが比較的大型であ
ると共に重量もあり、液晶プロジェクタ装置の小型化及
び軽量化を阻む要因になっていた。また、偏光ビームス
プリッタの近傍にミラーを配置する必要があり、構成部
品が多くなっていた。
【0007】なお、偏光ビームスプリッタとして2枚の
光学ガラス板より構成される偏光ビームスプリッタもあ
るが、このビームスプリッタを使用しても上述した不都
合を解決することはできない。即ち、2枚の光学ガラス
板より構成される偏光ビームスプリッタは、2個の直角
プリズムより構成される偏光ビームスプリッタに比べ
て、体積が小さいと共に軽量であるが、2枚の光学ガラ
ス板より構成される偏光ビームスプリッタは、2個の直
角プリズムより構成される偏光ビームスプリッタよりも
特性が劣る不都合があり、可視光の広い周波数範囲に亘
って効率良く偏光分離を行うためには、偏光ビームスプ
リッタへの平行光の入射角度を70°程度にする等の処
理が必要である。このため、結局ビームスプリッタの設
置スペースが大きくなってしまう等の不都合があり、ガ
ラス板より構成される偏光ビームスプリッタを使用して
も上述した不都合は解決できない。
【0008】これらの問題点を解決するために、本出願
人は先に図4に示した偏光ビームスプリッタを提案した
(特開平5−181014号)。この偏光ビームスプリ
ッタについて説明すると、図4に示す偏光ビームスプリ
ッタ40は、第1の光学ブロック41と、第2の光学ブ
ロック42と、両光学ブロック41,42の接合面に形
成された蒸着膜43とで構成され、蒸着膜43はP波偏
光成分を透過させS波偏光成分を反射する特性を有す
る。
【0009】そして、第1の光学ブロック41と、第2
の光学ブロック42とは、図4中に点線で示す直角プリ
ズムの45°の傾斜面に対応する傾斜面41a及び42
aがが突き合わせられており、このように突き合わせた
接合面に蒸着膜43を形成させることにより、両刃のこ
ぎり形状の偏光ビームスプリッタが構成される。
【0010】そして、第1の光学ブロック41は、入射
角が45°の光に対して垂直となるように設けられた複
数の入射面41bと、蒸着膜43で反射したS波偏光成
分が出射される面であり、入射面41bに対して90°
の角度を有するように設けられた複数のS波出射面41
cとを有し、この入射面41bとS波出射面41cとで
階段状の微小の凹凸を形成してなるプリズムプレートと
なっている。
【0011】また、第2の光学ブロック42は、蒸着膜
43を透過したP波偏光成分が出射される面であり、第
1の光学ブロック1の入射面4と平行となるように設定
されたP波出射面42bと、このP波出射面42bに対
して90°の角度を有するように設けられた上面42c
とを有しており、このP波出射面42b及び上面42c
で第1光学ブロック41と同様の階段状の微小の凹凸を
形成してなるプリズムプレートとなっている。
【0012】ここで、このように構成される偏光ビーム
スプリッタ40で液晶プロジェクタ装置を構成させた例
を図5に示すと、光源1からの光を、球面反射鏡2など
により平行光線とした後、この平行光を赤外線除去フィ
ルタ4を通過させた後、偏光ビームスプリッタ40に入
射させる。このときの偏光ビームスプリッタ40への入
射角度としては、上述した入射面41bに対して垂直に
入射(即ち上面42cから入射)するように構成され、
第2の光学ブロック42を介して蒸着膜43に入射され
る。
【0013】蒸着膜43は、上述したように入射される
平行光の内、P波偏光成分を透過させS波偏光成分を反
射する特性を有する。このため、蒸着膜43に入射され
た平行光の内、S波偏光成分は反射されS波出射面42
bから出射する。そして、このS波出射面42bから出
射するS波偏光成分が到達する位置に、このS波偏光成
分の平行光の進む方向に対して45°傾斜して配置され
た第1のダイクロイックミラー21に入射させる。ま
た、蒸着膜43に入射された平行光の内、P波偏光成分
は蒸着膜43を透過し、P波出射面41cから出射す
る。このP波偏光成分の出射光は、このP波偏光成分の
平行光の進む方向に対して45°傾斜して配置されたミ
ラー26に入射させる。
【0014】そして、ミラー26で反射して90°曲折
されたP波偏光成分の平行光を、1/2λ波長板27に
入射させ、P波偏光成分の偏光角を90°回転(旋光)
させて、S波偏光成分に変換する。そして、この1/2
λ波長板27が出射するS波偏光成分を、第1のダイク
ロイックミラー21に入射させる。
【0015】そして、第1のダイクロイックミラー21
では、偏光ビームスプリッタ40から直接照射されたS
波偏光成分の内、赤色成分Rを透過させ緑色成分G及び
青色成分Bを反射させる。この第1のダイクロイックミ
ラー21を透過した赤色成分Rをミラー22で反射させ
て90°曲折させた後、赤色用液晶表示パネル31Rに
入射させる。また、第1のダイクロイックミラー21で
反射した緑色成分G及び青色成分Bを、第2のダイクロ
イックミラー23に入射させる。この第2のダイクロイ
ックミラー23は、青色成分Bを透過させ緑色成分Gを
反射させるミラーで、この第2のダイクロイックミラー
23で反射した緑色成分Gを、緑色用液晶表示パネル3
1Gに入射させる。さらに、第2のダイクロイックミラ
ー23を透過した青色成分Bをミラー24,25でそれ
ぞれ反射させて90°ずつ曲折させた後、青色用液晶表
示パネル31Bに入射させる。
【0016】そして、この液晶プロジェクタ装置に供給
される映像信号より得た3原色信号R,G,Bで各色の
液晶表示パネル31R,31G,31Bを駆動させ、投
写する画像の赤色画像,緑色画像及び青色画像を形成さ
せる。そして、各液晶表示パネル31R,31G,31
Bに入射される赤色成分,緑色成分及び青色成分の光
が、それぞれの表示パネルを透過することで、各色の像
光が形成される。
【0017】そして、この各色の像光を、色合成用ダイ
クロイックプリズム32に入射させ、この各色の像光を
合成させてカラー像光を形成させ、このカラー像光を投
写レンズ33によりスクリーン34に投写させ、スクリ
ーン34にカラー画像を表示させる。
【0018】このように構成される図5の例の液晶プロ
ジェクタ装置に使用される偏光ビームスプリッタ40
は、図3に示す従来の偏光ビームスプリッタ6に比べ
て、その体積の縮小化を図ることができ、それに伴って
液晶プロジェクタ装置の軽量化,低コスト化を図ること
ができる。
【0019】ところが、この図5に示す液晶プロジェク
タ装置の場合には、偏光ビームスプリッタ41から出射
するP波偏光成分を反射させるミラー26と、このミラ
ー26の反射光の偏光角を90°回転(旋光)させる1
/2λ波長板27とが必要で、光路を構成する部品が多
く必要であると共に、このミラー26と1/2λ波長板
27を配置するスペースが必要で、それだけ液晶プロジ
ェクタ装置を大型化させる問題点があった。
【0020】本発明はこれらの点に鑑み、液晶プロジェ
クタ装置などに使用される偏光ビームスプリッタを小型
化,軽量化できるようにすると共に、この偏光ビームス
プリッタを使用した液晶プロジェクタ装置を小型化でき
るようにすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の偏光ビームスプ
リッタは、例えば図1に示すように、第1の光学ブロッ
ク11と第2の光学ブロック12とを偏光依存性を持つ
蒸着面を介して接合して構成され、接合面11a,12
aで入射光をP波偏光成分とS波偏光成分とに分光する
偏光ビームスプリッタ10において、接合面11a,1
2aとして、所定長毎に90°曲折した面の連続で階段
状とすると共に、この90°曲折したそれぞれの面を、
第1の光学ブロックの入射面11d及び第2の光学ブロ
ックの出射面12dに対し45°傾斜した面としたもの
である。
【0022】また、この場合に第1の光学ブロックの入
射面11dから接合面11a,12aの曲折点までの最
大幅t12を10mm以下としたものである。
【0023】また、本発明の液晶プロジェクタ装置は、
例えば図1及び図2に示すように、第1の光学ブロック
11と第2の光学ブロック12とを偏光依存性を持つ蒸
着面を介して接合して構成され、接合面11a,12a
で入射光をP波偏光成分とS波偏光成分とに分光する偏
光ビームスプリッタ10を、光源1と液晶パネル31
R,31G,31Bとの間の光路に配置した液晶プロジ
ェクタ装置において、偏光ビームスプリッタ10の接合
面として、所定長毎に90°曲折した面の連続で階段状
とすると共に、この90°曲折したそれぞれの面を、第
1の光学ブロックの入射面11d及び第2の光学ブロッ
クの出射面12dに対し45°傾斜した面としたもので
ある。
【0024】また、この場合に偏光ビームスプリッタ1
0の第1の光学ブロックの入射面11dと第2の光学ブ
ロックの出射面12dの少なくとも何れか一方に、可視
光のみを通過させる膜を形成させたものである。
【0025】さらに、それぞれの場合に光源と偏光ビー
ムスプリッタ10との間に、1/4波長板を配置したも
のである。
【0026】
【作用】本発明の偏光ビームスプリッタは、第1の光学
ブロックと第2の光学ブロックとの接合面を、所定長毎
に90°曲折した面の連続で階段状としたことで、この
接合面に入射した平行光は、P波偏光成分がそのまま透
過して第2の光学ブロックから出射すると共に、S波偏
光成分は接合面で反射して90°曲折した後、隣接する
接合面に入射して再度90°曲折して、平行光の入射面
から出射する。従って、第2の光学ブロックからはP波
偏光成分だけが出射するようになり、プリズムによる偏
光分離が行われて良好に偏光分離できる。この構成によ
ると、接合面は階段状に形成されているので、第1の光
学ブロックの入射面から第2の光学ブロックの出射面ま
での長さを短くすることができ、薄型に構成することが
できる。
【0027】この場合、第1の光学ブロックの入射面か
ら接合面の曲折点までの最大幅を10mm以下とするこ
とで、軽量かつ低価格に構成できる。
【0028】また、この偏光ビームスプリッタを光源と
液晶パネルとの間の光路に配置した液晶プロジェクタ装
置によると、薄型の偏光ビームスプリッタを使用するこ
とで光源から液晶パネルまでの光路を短くして、プロジ
ェクタ装置の小型化,軽量化を図ることができる。
【0029】また、この場合に偏光ビームスプリッタの
第1の光学ブロックの入射面と第2の光学ブロックの出
射面の少なくとも何れか一方に、可視光のみを通過させ
る膜を形成させたことで、可視光以外を除去するフィル
タを別に設ける必要がなくなる。
【0030】また、それぞれの場合に光源と偏光ビーム
スプリッタとの間に、1/4波長板を配置したことで、
平行光の入射面から出射するS波偏光成分が光源側に戻
る際に右(又は左)円偏光に変化し、この変化した戻り
光が光源側の反射手段により反射して左(又は右)円偏
光になり再度1/4波長板を透過してP波の直接偏光に
なって偏光ビームスプリッタに入射するようになり、そ
のまま偏光ビームスプリッタから出射するようになる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1及び図2を
参照して説明する。
【0032】図1は本例の偏光ビームスプリッタを側面
から示す図(一部破断させてある)で、図中10は偏光
ビームスプリッタ全体を示す。この偏光ビームスプリッ
タ10は、第1光学ブロック11と第2光学ブロック1
2とで構成され、両光学ブロック11,12は合成樹脂
(ポリメチルメタクリレート,ポリカーボネート,ポリ
エチレン等)で樹脂成形される。そして、両ブロック1
1,12の接合部11a,12aは、一定の長さ毎に9
0°曲折した階段状に形成される。即ち、接合部11
a,12aは一定の長さ毎に90°曲折するのを繰り返
すようにしてあり、第1光学ブロック11の曲折点であ
る頂点11b,底点11cの角度θ1 ,θ 2 は何れも9
0°とされる。また、第2光学ブロック12の曲折点で
ある頂点12b,底点12cの角度も何れも90°とさ
れる。
【0033】また、第1光学ブロック11の接合部11
aと反対側の面は平面状とされ、この面を平行光入射面
11dとする。さらに、第2光学ブロック12の接合部
12aと反対側の面も平面状とされ、この面をP波偏光
成分出射面12dとする。そして、この第1光学ブロッ
ク11側の入射面11d及び第2光学ブロック12の出
射面12dに対して、接合部11a,12aの各面を4
5°傾斜する状態に配置する。
【0034】そして、この両光学ブロック11,12の
接合部11a,12aの何れか一方の面に、S波偏光成
分を反射させ、P波偏光成分を透過させる蒸着膜を形成
させる。
【0035】また、第1光学ブロック11の入射面11
dから接合部11aの底点11cまでの距離t11を5m
mとし、入射面11dから頂点11bまでの距離をt12
を10mmとする。同様に、第2光学ブロック12の出
射面12dから接合部12aの底点12cまでの距離t
21を5mmとし、出射面12dから頂点12bまでの距
離をt22を10mmとする。従って、両光学ブロック1
1,12を接合した状態では、厚さが約15mmにな
る。
【0036】なお、図1では一部分の側面だけを示し、
実際にはこの図示した形状が必要な長さだけ連続してい
る。
【0037】このように構成される偏光ビームスプリッ
タ10を使用する際には、図1に矢印で光路を示すよう
に、平行光を第1光学ブロック11の入射面11dと直
交するように入射させる。このようにすることで、第1
光学ブロック11の入射面11dに入射する平行光の中
のP波偏光成分は、接合部11a又は12aに形成され
た蒸着膜を透過して、第2光学ブロック12の出射面1
2dから出射するようになる。
【0038】また、第1光学ブロック11の入射面11
dに入射する平行光の中のS波偏光成分は、接合部11
a又は12aに形成された蒸着膜で反射する。このと
き、蒸着膜が形成された面と平行光とのなす角度は、何
れの箇所でも45°となり、蒸着膜で反射するS波偏光
成分は、90°曲折する。この90°曲折した反射光
は、接合部11a,12aの隣接する面に45°の角度
を持って入射し、再度90°曲折する。従って、結局1
80°曲折することになり、第1光学ブロック11の入
射面11dから、S波偏光成分が出射するようになる。
【0039】このように構成される本例の偏光ビームス
プリッタ10は、幅が非常に薄い(例えば約15mm程
度)形状であるので、この偏光ビームスプリッタを液晶
プロジェクタ装置内などに設置する場合、わずかな設置
スペースで設置できるようになり、偏光ビームスプリッ
タを必要とする装置の小型化に貢献する。
【0040】そして、本例の偏光ビームスプリッタ10
は、光学プリズムと蒸着膜とを組み合わせたものである
ので、可視光の広い周波数範囲に亘って効率良く偏光分
離を行うことができ、良好な偏光分離特性が確保され
る。この場合、本例の場合には平行光の入射面11dか
ら第1光学ブロック11の接合面11aまでの最大幅
(即ち入射面11dから頂点11bまでの距離)を10
mmとしたので、平行光が第1光学11内に入射してか
ら分離処理されるまでの光路の距離が短く、第1光学ブ
ロック11内で入射光の散乱を防止することができ、効
率の良い偏光分離ができるようになる。なお、この第1
光学11の入射面11dから頂点11bまでの距離は、
10mm或いはそれ以下とすることで、入射光の散乱防
止に大きな効果がある。
【0041】また、本例の場合には偏光ビームスプリッ
タ10内の各光学ブロック11,12の接合面11a,
12aに形成した蒸着膜での反射だけで、S波偏光成分
が平行光の入射面11dから出射するようになり、従来
の直角プリズムで構成させた場合(図3の例)のよう
に、別体のミラーを配置する必要がなく、偏光ビームス
プリッタの周辺の構成を簡単にすることができる。
【0042】なお、上述実施例では偏光ビームスプリッ
タ10を構成する各光学ブロック11,12を合成樹脂
で成形させるとしたが、各光学ブロック11,12を光
学ガラスで形成させても良い。この場合には、合成樹脂
製とした場合に比べて若干重量が重くなるが、図3に示
す従来の偏光ビームスプリッタに比べると、軽量化,製
造コストの低減化を図ることができる。
【0043】次に、本例の偏光ビームスプリッタ10
を、液晶プロジェクタ装置に組み込ませた場合の構成
を、図2を参照して説明する。
【0044】図2は液晶プロジェクタ装置の全体構成を
示す図で、光源1からの光を、この光源1の周囲に配さ
れた球面反射鏡2とコリメータレンズ3により平行光線
とした後、この平行光を赤外線除去フィルタ4及び1/
4波長板5を透過させた後、本例の偏光ビームスプリッ
タ10に入射させる。
【0045】そして、この偏光ビームスプリッタ10か
ら出射するP波偏光成分の平行光を、第1のダイクロイ
ックミラー21に入射させる。この第1のダイクロイッ
クミラー21は、入射光の中の赤色成分Rを透過させ緑
色成分G及び青色成分Bを反射させるミラーで、この第
1のダイクロイックミラー21を透過した赤色成分Rを
ミラー22で反射させて90°曲折させた後、赤色用液
晶表示パネル31Rに入射させる。また、第1のダイク
ロイックミラー21で反射した緑色成分G及び青色成分
Bを、第2のダイクロイックミラー23に入射させる。
この第2のダイクロイックミラー23は、青色成分Bを
透過させ緑色成分Gを反射させるミラーで、この第2の
ダイクロイックミラー23で反射した緑色成分Gを、緑
色用液晶表示パネル31Gに入射させる。さらに、第2
のダイクロイックミラー23を透過した青色成分Bをミ
ラー24,25でそれぞれ反射させて90°ずつ曲折さ
せた後、青色用液晶表示パネル31Bに入射させる。
【0046】そして、この液晶プロジェクタ装置に供給
される映像信号より得た3原色信号R,G,Bで各色の
液晶表示パネル31R,31G,31Bを駆動させ、投
写する画像の赤色画像,緑色画像及び青色画像を形成さ
せる。そして、各液晶表示パネル31R,31G,31
Bに入射される赤色成分,緑色成分及び青色成分の光
が、それぞれの表示パネルを透過することで、各色の像
光が形成される。
【0047】そして、この各色の像光を、色合成用ダイ
クロイックプリズム32に入射させ、この各色の像光を
合成させてカラー像光を形成させ、このカラー像光を投
写レンズ33によりスクリーン34に投写させ、スクリ
ーン34にカラー画像を表示させる。
【0048】このように構成される本例の液晶プロジェ
クタによると、光源1と各液晶パネル31R,31G,
31Bとの間に偏光ビームスプリッタ10があるので、
各液晶パネル31R,31G,31Bを透過させる平行
光が、P波偏光成分だけになり、各液晶パネル入口に偏
光板を設ける必要が少なくなり、偏光板を設けても光の
吸収が少ないため、発熱が少なく、冷却ファンが必要な
くなる。この場合、偏光ビームスプリッタ10が薄型で
あるので、光源1から第1のダイクロイックミラー21
までの距離を短くすることができ、液晶プロジェクタ装
置をそれだけ小型に構成することができると共に、偏光
ビームスプリッタ10が軽量であるので、液晶プロジェ
クタ装置の軽量化を図ることができる。
【0049】また、図4に示した偏光ビームスプリッタ
を使用した図5の液晶プロジェクタ装置に比べた場合で
も、本例の場合には偏光ビームスプリッタを厚さが薄い
状態で配置することができ、光源1から第1のダイクロ
イックミラー21までの距離を短くすることができ、液
晶プロジェクタ装置をそれだけ小型に構成することがで
きる。
【0050】また本例の場合には、偏光ビームスプリッ
タ10と光源1との間に1/4波長板5を配置したの
で、偏光ビームスプリッタ10から光源1側に戻るS波
偏光成分が、P波偏光成分に変換されて再度偏光ビーム
スプリッタ10に入射するようになり、この戻り光がP
波偏光成分として偏光ビームスプリッタ10から各液晶
パネル31R,31G,31Bに供給され、効率の良い
液晶パネル照明用平行光が形成される。即ち、偏光ビー
ムスプリッタ10から光源1側に戻るS波偏光成分が、
光源1と偏光ビームスプリッタ10との間に配された1
/4波長板5を通過することで円偏波となり、この円偏
波となった戻り光が、球面反射鏡2での反射で逆回転の
円偏波となり、再度1/4波長板5を通過することで、
P波偏光成分に変換される。
【0051】このようにS波偏光成分もP波偏光成分に
変換されて液晶パネル照明用平行光として使用され、効
率の良い照明光が形成されるが、本例の場合には図3に
示した従来例のように偏光ビームスプリッタにS波偏光
成分を反射させるミラーを配置する必要がなく、簡単な
構成で実現できる。
【0052】なお、偏光ビームスプリッタ10の第1光
学ブロック11の入射面11d又は第2光学ブロック1
2の出射面12dの何れか一方、或いは双方の面に、可
視光のみを通過させる膜を形成させるようにしても良
い。このようにすることで、可視光のみを通過させるフ
ィルタ(即ち赤外線除去フィルタ或いは紫外線除去フィ
ルタ)を別体で設ける必要がなくなり、それだけ液晶プ
ロジェクタ装置の構成を簡単にすることができる。
【0053】また、上述実施例では各色毎に液晶パネル
を使用したいわゆる3板式の液晶プロジェクタ装置に適
用したが、液晶パネルが1枚の単板式液晶プロジェクタ
装置などの他の液晶プロジェクタ装置にも適用できるこ
とは勿論である。さらに、偏光ビームスプリッタは、液
晶プロジェクタ装置以外の光学機器にも適用できる。
【0054】
【発明の効果】本発明の偏光ビームスプリッタによる
と、プリズムによる偏光分離が行われて良好に偏光分離
できる。そして、接合面は階段状に形成されているの
で、第1の光学ブロックの入射面から第2の光学ブロッ
クの出射面までの長さを短くすることができ、薄型,軽
量に構成することができると共に、ミラーを配置するこ
となく入射面からS波偏光成分を戻すことができ、構成
を簡単にすることができる。
【0055】この場合、第1の光学ブロックの入射面か
ら接合面の曲折点までの最大幅を10mm以下とするこ
とで、入射光の散乱を防止することができ、効率の良い
偏光分離ができるようになる。
【0056】また、この偏光ビームスプリッタを光源と
液晶パネルとの間の光路に配置した液晶プロジェクタ装
置によると、薄型の偏光ビームスプリッタを使用するこ
とで光源から液晶パネルまでの光路を短くして、プロジ
ェクタ装置の小型化,軽量化を図ることができる。
【0057】また、この場合に偏光ビームスプリッタの
第1の光学ブロックの入射面と第2の光学ブロックの出
射面の少なくとも何れか一方に、可視光のみを通過させ
る膜を形成させたことで、可視光以外を除去するフィル
タを別に設ける必要がなく、液晶プロジェクタ装置の構
成を簡単にすることができる。
【0058】また、それぞれの場合に光源と偏光ビーム
スプリッタとの間に、1/4波長板を配置したことで、
平行光の入射面から出射するS波偏光成分が光源側に戻
る際円偏波に変化し、この円偏波に変化した戻り光が光
源側の反射手段により反射して再度1/4波長板を透過
することによりP波偏光成分となって偏光ビームスプリ
ッタを透過する。結局、S波偏光成分がP波偏光成分に
変換されて偏光ビームスプリッタから出射するようにな
り、簡単な構成で光源からの光を効率良く使用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の偏光ビームスプリッタを示
す平面図である。
【図2】一実施例の偏光ビームスプリッタを適用した液
晶プロジェクタ装置の構成を示す構成図である。
【図3】従来の偏光ビームスプリッタとその周辺構成の
一例を示す構成図である。
【図4】従来の偏光ビームスプリッタの他の例を示す平
面図である。
【図5】図4の例の偏光ビームスプリッタを適用した液
晶プロジェクタ装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 光源 5 1/4波長板 10 ビームスプリッタ 11 第1光学ブロック 11a 接合面 11d 入射面 12 第2光学ブロック 12a 接合面 12d 出射面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光学ブロックと第2の光学ブロッ
    クとを偏光依存性を持つ蒸着面を介して接合して構成さ
    れ、上記接合面で入射光をP波偏光成分とS波偏光成分
    とに分光する偏光ビームスプリッタにおいて、 上記接合面として、所定長毎に90°曲折した面の連続
    で階段状とすると共に、 この90°曲折したそれぞれの面を、上記第1の光学ブ
    ロックの入射面及び上記第2の光学ブロックの出射面に
    対し45°傾斜した面とした偏光ビームスプリッタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ
    において、 上記第1の光学ブロックの入射面から上記接合面の曲折
    点までの最大幅を10mm以下とした偏光ビームスプリ
    ッタ。
  3. 【請求項3】 第1の光学ブロックと第2の光学ブロッ
    クとを偏光依存性を持つ蒸着面を介して接合して構成さ
    れ、上記接合面で入射光をP波偏光成分とS波偏光成分
    とに分光する偏光ビームスプリッタを、光源と液晶パネ
    ルとの間の光路に配置した液晶プロジェクタ装置におい
    て、 上記偏光ビームスプリッタの接合面として、所定長毎に
    90°曲折した面の連続で階段状とすると共に、 この90°曲折したそれぞれの面を、上記第1の光学ブ
    ロックの入射面及び上記第2の光学ブロックの出射面に
    対し45°傾斜した面とした液晶プロジェクタ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の液晶プロジェクタ装置
    において、 上記偏光ビームスプリッタの第1の光学ブロックの入射
    面と第2の光学ブロックの出射面の少なくとも何れか一
    方に、可視光のみを通過させる膜を形成させた液晶プロ
    ジェクタ装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の液晶プロ
    ジェクタ装置において、 上記光源と上記偏光ビームスプリッタとの間に、1/4
    波長板を配置した液晶プロジェクタ装置。
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