JPH08154703A - 靴 底 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通気性を良くし、発汗の為に起こる靴内部の
悪臭や足の蒸れ水虫等を防止し、不衛生にならない履き
心地の良い靴を提供する。 【構成】 中底と外底との積層体からなる靴底におい
て、中底の踏付部に複数の通気孔を施し、外底には踵部
に空気ポンプを埋設し、該空気ポンプから送風管を通
し、踏付部に埋設した空気マットに空気を集約して、中
底の通気孔から靴の内部に通気する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は靴底部の構造に関し、特
に、通気性を良くし履き心地を向上させるとともに不快
感なく履用できる靴に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】靴底部は基本的には外底と中底とよりな
っており、そのうち外底はゴム、プラスチック等の通気
性の悪い素材より成形されているため、靴履用中、足部
の発汗作用等により靴内部で湿気がこもり足蒸れを生
じ、履き心地を低下させていた。その為従来、例えば中
底の踏付部付近に複数の通気孔を穿設し、外底の上面に
は側面より外部に通じる通気孔を有する中刳部を設け、
前記中刳部に通気性弾性体を嵌合した靴底部が使用され
ている。その他、靴底にポンプ室を設けて外部からの吸
気及び靴内部に送り込む送気のそれぞれに逆止弁を備え
つけた構造の通気靴がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の靴底部は履
用中靴内で発生する汗による湿気を中底に穿設された通
気孔から、外底上面に嵌合された通気性弾性体に吸収
し、これを接地するときに体重によって生じる押圧力に
より、外底側面に設けられた通気孔により外部に排出
し、靴内の蒸れをなくし、履き心地を向上させようとす
るものである。

【０００４】しかしながら、外底側面に設けられた外部
に通じている通気孔は、踏付部付近にしか穿設されてお
らず、接地時の体重による押圧力では、初期の目的を達
成するには充分ではなく、靴内の蒸れをなくすことは出
来なかった。これを解決する方法として、外底の踵部の
前側面に通気窓を開口したものがある。

【０００５】又、発汗の為に起こる多湿度における蒸れ
は、とくに夏季期間においては汗の分解に起因する悪臭
や水虫の悩み、又、冬季期間においてゴム靴類の内部は
多湿度による過度の冷え込みの原因となり、これら構造
上による欠点は保健衛生上においても問題点が多く、こ
れを解決する為に多くの下敷き・中敷き類が利用されて
いるが、いづれも根本的対策としては不充分であった。

【０００６】靴底内部にポンプ室を設け、靴外部から吸
気しつつ靴内部に通気する構造において、逆止弁を使用
する方法は構造が複雑であり、部品の損傷し易いので耐
久性が短く、履用効果が乏しい。本発明は、前記事情に
鑑み、靴内の発汗による蒸れを確実に除去し得る靴底部
を提供することを目的としたものである。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】中底と外底との積層体から
なる靴底において、中底の踏付部に複数の通気孔を穿設
し、該通気孔の下部の外底に通気性弾性織布を用いた空
気マットを埋設するとともに、踵部の内部に空気ポンプ
を設け、空気ポンプと空気マットとを送風管にて連通
し、さらに外底の踵部の前側面に通気窓を開口し、該通
気窓には空気ネットを装着した靴底の構造とし、空気ポ
ンプによる靴内部の換気を強制的に行なう様にしたもの
である。

【０００８】

【作用】歩行時の体重により踵にかかる押圧力で空気ポ
ンプを圧縮、空気ポンプ内の空気は送風管により踏付部
の通気性弾性織布の空気マットに集約させ中底の通気孔
より靴内部に送り込む。踵が地上より離れると空気ポン
プは元の形に復元する。この作用の繰り返しにより靴内
部の蒸れを防ぐ。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。本発明の構造の主要部は、空気を圧縮する空気ポン
プ（８）、圧縮空気を送風する送風管（９）、送風され
た空気を集約する空気マット（６）を外底（３）の踏付
部（４）に埋設しており、空気マット（６）で集約した
空気を靴内部（13）に送り込む為の通気孔（５）を施し
た中底（２）から構成された靴底（１）である。

【００１０】これを図に従って説明すると、先ず中底
（２）であるが図３に示す如く中心から爪先方向にはレ
ザーボード（14）の厚み２mmを用い、中心から踵に向か
っては硬質のファイバーボード（15）の厚み３mmを用い
て中央で貼り合わせ、踏付部（４）には直径３mmの通気
孔（５）を２０個設け、踵には空気ポンプ（８）のヘッ
ド部（16）が突出する様に直径２７mmの開口孔（17）を
施している。

【００１１】次に、外底（３）であるが射出成形にてポ
リウレタンのユニットソールを成形する。その際に図１
に示す如く、踵部（７）の中央に中刳部（18）を穿設す
るとともに送風管（９）を埋設する溝（19）を施し、さ
らに踏付部（４）には通気性弾性織布による空気マット
（６）を埋設する切り孔（20）を設けている。踵部
（７）の外部の前側面（10）は緩やかな傾斜状にし、窪
みを設け通気窓（11）を設けている。中刳部（18）には
通気窓（11）からの水の侵入に対し空気ポンプ（８）の
方向に流れないように浸水ブロック（22）を設けてい
る。

【００１２】踵部（７）の中央に施してある中刳部（1
8）に、別工程で製作したゴム性の空気ポンプ（８）の
下部の縁を貼着する。該空気ポンプ（８）の下部は全面
開口しており、上部天井には直径２mmの空気口（21）を
施すとともに中間部には送風管（９）を取りつける孔が
設けられている。空気ポンプ（８）の中間部に取りつけ
る送風管（９）は内径３mmの透明のビニールパイプを用
いているが、靴のサイズに応じてその長さと断面積を決
定している。

【００１３】さらに、踏付部（４）に設けられている切
り孔（20）には通気性弾性織布を用いた空気マット
（６）を埋設する。本実施に用いる空気マット（６）の
素材となる通気性弾性織布はポリアミド繊維と布糸を織
り込んだ織布であるフローリアン♯８５０（メーカー・
大裕商事の商品名）の厚み３mmを使用している。しかし
是に限定されるものではなく、これと同等のものであれ
ば良い。尚、上記通気窓（11）には空気ネット（12）を
装着して、外部からの空気を導入可能にしている。

【００１４】本発明の靴底の構造は以上の様な構成から
成り立っており、通気工程は歩行時の体重により靴の踵
にかかる押圧力で空気ポンプ（８）が圧縮され、踵部
（７）の靴外部から空気ポンプ（８）内に吸入されてい
る空気が送風管（９）によって、踏付部（４）の通気性
弾性織布の空気マット（６）に送り込まれ、空気マット
（６）に集約された空気は中底（２）の通気孔（５）よ
り靴内部（13）に通気される。歩行時の踵が地上より離
れると空気ポンプ（８）は元の形に復元する。この作用
の繰り返しにより靴内部（13）に空気を送り込み足の蒸
れを防ぐ。

【００１５】

【効果】本発明の構成により、自然な歩行に対して強制
的に靴の内部に通気させることが可能である。従って従
来の自然な通気に比較して遙に通気性が良い。従来のポ
ンプ式は構造が複雑で、部品を多く用いているために損
傷し易く、通気効果が短命であったが、本発明は構造が
簡単でゴム性の空気ポンプも耐久性が充分であり、安定
した通気機能を発揮できる。

【００１６】さらに通気窓を設けているために外底内部
にも外からの空気が常に充満している。従って、歩行中
発汗等により生じた足の蒸れを確実に除去し得るし、夏
季期間においては汗の分解に起因する悪臭や水虫の悩
み、冬季期間におけるゴム靴類の内部の多湿度による過
度の冷え込みの原因等、保健衛生上の問題も解決するこ
とが出来た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の靴底の中央断面図。

【図２】本発明の外底の構造平面図。

【図３】中底の平面図。

【符号の説明】

１ 靴底 ２ 中底 ３ 外底 ４ 踏付部 ５ 通気孔 ６ 空気マット ７ 踵部 ８ 空気ポンプ ９ 送風管 10 前側面 11 通気窓 12 通気ネット 13 靴内部 14 レザーボード 15 ファイバーボード 16 ヘッド部 17 開口孔 18 中刳部 19 溝 20 切り孔 21 空気孔 22 浸水ブロック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中底（２）と外底（３）との積層体から
   なる靴底（１）において、中底（２）の踏付部（４）に
   複数の通気孔（５）を穿設し、該通気孔（５）の下部の
   外底（３）に空気マット（６）を埋設すると共に、踵部
   （７）の内部に空気ポンプ（８）を設け、空気ポンプ
   （８）と空気マット（６）とを送風管（９）にて連通
   し、さらに外底（３）の踵部（７）の前側面（10）に通
   気窓（11）を開口し、該通気窓（11）には空気ネット
   （12）を装着したことを特徴とする靴底（１）。