JPH08153517A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH08153517A
JPH08153517A JP6314233A JP31423394A JPH08153517A JP H08153517 A JPH08153517 A JP H08153517A JP 6314233 A JP6314233 A JP 6314233A JP 31423394 A JP31423394 A JP 31423394A JP H08153517 A JPH08153517 A JP H08153517A
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lithium secondary
negative electrode
lithium
charge
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JP6314233A
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Takahisa Masashiro
尊久 正代
Shigeto Okada
重人 岡田
Junichi Yamaki
準一 山木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高電圧、高エネルギー密度で、かつ充放電容
量が大きく、しかも安全性が確保され、サイクル寿命が
長いリチウム二次電池を提供する。 【構成】 負極活物質保持体を主体とする負極と、リチ
ウムイオンと可逆的な電気化学反応が可能な正極と、リ
チウムイオン導電性の非水電解液あるいは電解液含浸型
ポリマー電解質とからなるリチウム二次電池において、
負極活物質保持体として、ニッケルケイ化物を用いたリ
チウム二次電池。ニッケルケイ化物の例としては、Ni
Si2 、NiSi、又はNi2 Siがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解液二次電池に
関するものであり、特に、高電圧、高エネルギー密度
で、充放電容量が大きく、しかもサイクル寿命が長く、
かつ安全性の高い電池特性を提供するリチウム二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型軽量化、携帯化が
進み、その電源として高エネルギー密度を有する電池の
開発が要求されている。このような要求に応える電池と
して、リチウム金属を負極活物質として用いたリチウム
二次電池が期待されている。リチウム二次電池は、基本
的に市販されている各種の二次電池、例えばニッケルカ
ドミウム電池、鉛蓄電池等に比べ、高電圧、高エネルギ
ー密度を有している。しかし、一般に負極活物質として
リチウム金属を用いたリチウム二次電池は、充電時に針
状リチウム(デンドライト)が生成し、放電時にこの針
状リチウムが切れ、電極基盤から脱離するため、充放電
に寄与しない死んだリチウムが生成する。また、析出し
た金属リチウム粒子は非常に活性であるため、電解液と
の反応により、リチウム金属が消費される。これらの理
由で、負極活物質としてリチウム金属を用いた電池は、
サイクル寿命が短くなるという問題を抱えており、負極
にリチウム金属あるいはリチウム合金を用いた電池系に
おいてはサイクル寿命の確保が難しい状況にある。リチ
ウム金属あるいはリチウム合金に替わる新しい負極活物
質保持体として、リチウムのインターカレーション反応
を利用した材料が注目されている。この代表的なものと
して、天然黒鉛や人造黒鉛等の炭素質材料やリチウムイ
オンを挿入脱離することができる五二酸化ニオブ(Nb
2 5 )、二酸化モリブデン(MoO2 )、二硫化チタ
ン(TiS2 )等の無機材料が検討されている。これら
の材料は、リチウムをイオン化した状態で骨格構造中に
保持しているため、化学的に活性な金属状態のリチウム
負極に比べて安定であり、リチウム金属で見られたデン
ドライトの生成も無いためサイクル寿命は改善される。
このうち、炭素質材料は、リチウム基準極(金属リチウ
ム)に対し、0〜1Vの卑な電極電位の範囲において、
安定にリチウムイオンを挿入脱離することができ、15
0〜370mAh/gと大きい充放電容量を有する。実
際、負極活物質保持体に炭素質材料を用いたリチウムイ
オン二次電池が一部実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素質
材料を負極として用いた場合、最大リチウム収容量をL
iC6 とすると、重量当りの容量は、370mAh/g
と大きいものの、これら炭素質材料の密度は1.6〜
2.2g/cm3 と小さく、実際の電極シートに加工し
た際の密度は、1g/cm3 程度であるため、負極体積
当りの容量は370mAh/cm3 となる。一方、リチ
ウム金属を負極として用いた場合、負極体積当りの容量
は2062mAh/cm3 得られるが、通常は上記で述
べた金属リチウムの劣化を補償するため、電池容量の3
倍当量のリチウムを電池内に充てんするので、負極体積
当りの容量は687mAh/cm3 となる。このように
炭素質材料を負極に用いた場合、負極容積当りの比容量
が、リチウム金属の場合の約半分になり、炭素質材料を
負極に用いた電池のエネルギー密度は、リチウム金属を
負極に用いた電池に比べてかなり小さくなるという問題
がある。一方、上記無機材料は、密度が炭素質材料に比
べて非常に大きいので、負極体積当りの容量は期待でき
るものの、一般に安定にリチウムイオンを挿入脱離する
ことができる電極電位が、リチウム基準極に対して0.
5〜2.0Vと高いため、これら無機材料を負極に用い
た場合、リチウム二次電池の動作電位が0.5〜2.0
V低下し、高電圧を達成できないという問題がある。し
かも、電池動作電圧が低いため、リチウム金属を負極に
用いた電池に比べて、エネルギー密度が著しく低下する
という問題がある。また、上記無機材料をリチウム基準
極に対し、0.0〜1.0Vの卑な電位で動作すると、
リチウムイオンの挿入脱離の電気化学反応が不可逆にな
り、上記無機材料が分解すると言われている。実際、無
機材料をリチウム基準極に対し、0.0〜1.0Vの卑
な電位で動作した報告は、これまでほとんどされていな
い。したがって、無機材料を負極活物質保持体に用い、
かつ電池の高電圧化、高エネルギー密度化を図るために
は、0.0〜1.0Vの卑な電位で、リチウムイオンの
挿入脱離の電気化学反応が可逆である必要がある。本発
明の目的は、上記のような従来技術のかかる問題を解決
し、高電圧、高エネルギー密度で、かつ充放電容量が大
きく、しかも安全性が確保され、サイクル寿命が長いリ
チウム二次電池を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はリチウム二次電池に関する発明であって、充電に
よりリチウムイオンを吸蔵し、放電によりリチウムイオ
ンを放出する負極活物質保持体を主体とする負極と、リ
チウムイオンと可逆的な電気化学反応が可能な正極と、
リチウムイオン導電性の非水電解液あるいは電解液含浸
型ポリマー電解質とからなるリチウム二次電池におい
て、前記負極活物質保持体として、ニッケルケイ化物を
用いたことを特徴とする。
【0005】本発明によるリチウム二次電池の要点は、
リチウム二次電池において、前記負極活物質保持体とし
て、ニッケルケイ化物、例えばNiSi2 、NiSi、
又はNi2 Siを用いたことを特徴とするものである。
前記負極活物質保持体を用いることにより、これまで不
可逆な電気化学反応領域であると言われていたリチウム
基準極に対する電極電位0.0〜1.0Vにおいて、大
きな充放電容量が得られることを実験により見出した。
更に、前記負極活物質保持体と、エチレンカーボネート
(EC)を必須成分として含む混合溶媒を組合せること
により、ECを含まない非水電解液を用いた場合に比べ
て、サイクル寿命が著しく改善され、安定にサイクルす
ることを実験により見出した。
【0006】本発明を以下、更に詳しく説明する。本発
明に用いる負極活物質保持体としては、一般市販の試薬
であるNiSi2、NiSi、又はNi2 Siを用いる
ことができる。本発明に用いる非水電解液の溶媒として
は、好ましくは、ECを必須成分として含む混合溶媒を
使用する。ECと混合する溶媒としては、プロピレンカ
ーボネート(PC)以外のこの種の電池に使用される溶
媒が使用可能であり、例えば、ジメチルカーボネート
(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル
エチルカーボネート(MEC)等の鎖状エステル類、γ
−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメト
キシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(D
EE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エ
ーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ア
セトニトリル等のニトリル類等から選ばれた少なくとも
1種類以上の溶媒を用いることができる。また、非水電
解液の溶質としては、LiAsF6 、LiBF4 、Li
PF6 、LiAlCl4 、LiClO4 、LiCF3
3 、LiSbF6 、LiSCN、LiCl、LiC6
5 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF
3 SO2 3 、C4 9 SO3Li等のリチウム塩及び
これらの混合物を用いることができる。
【0007】更に、本発明の負極活物質保持体をリチウ
ム二次電池に用いる場合、正極活物質には、リチウムを
含有する、チタン、モリブデン、タングステン、ニオ
ブ、バナジウム、マンガン、鉄、クロム、ニッケル、コ
バルトなどの遷移金属の複合酸化物や複合硫化物等を用
いることができる。特に、リチウム金属極に対する電極
電位が3V以上であり、高電圧、高エネルギー密度が期
待できる、LiMn2 4 、LiCoO2 、LiNiO
2 が、正極活物質として好適である。
【0008】本発明によるNiSi2 、NiSi、又は
Ni2 Siを負極活物質保持体に用い、かつECを必須
成分とする混合溶媒を非水電解液として用いることによ
り、NiSi2 、NiSi、Ni2 Siは、リチウム基
準極(金属リチウム)に対し、0〜1Vの卑な電極電位
の範囲において、安定にリチウムイオンを挿入脱離する
ことができ、高容量の充放電領域を有する。また、Ni
Si2 、NiSi、Ni2 Siの密度は、それぞれ、
4.9、6.0、7.5g/cm3 と大きいため、従来
この種の電池の負極活物質保持体として用いられてきた
グラファイト等に比べて負極単位容積当りの充放電容量
が大きく、かつ充放電の分極が小さいため、大電流での
充放電が可能であり、更に充放電の繰返しによる不可逆
物質の生成等の劣化がほとんど見られず、極めて安定で
サイクル寿命の長い電池特性を得ることができるため、
高電圧、高エネルギー密度で、かつ充放電容量が大き
く、しかも安全性が確保され、サイクル寿命が長いリチ
ウム二次電池を提供することができる。
【0009】このように安定でサイクル寿命の長い電池
特性が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、次
のように推定される。これまで、無機材料を負極活物質
保持体に用いた非水系電解液二次電池では、過剰のリチ
ウムのインターカレーションにより、無機材料が相変化
(あるいは分解)し、不可逆な構造を形成するため充放
電容量が著しく低下すると考えられていた。しかし、本
発明によるリチウム二次電池では、安定にリチウムイオ
ンを挿入脱離することができ、著しい容量低下が認めら
れなかったことから、この容量低下の原因は、非水電解
液が起因していると考えられる。従来の技術では電解液
にPCが用いられており、このPCが無機材料の負極活
物質保持体と反応し、無機材料の表面にリチウムイオン
が通過できない強固な保護膜を形成するため容量が低下
すると考えられる。一方、本発明では、ECを用いてい
るため、無機材料の表面に良質の保護膜が形成し、リチ
ウムイオンが容易に通過することができ、安定でサイク
ル特性の長い電池特性が得られたと考えられる。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0011】実施例1 図1は本発明によるリチウム二次電池の負極活物質保持
体の性能評価に用いたテストセルの断面図である。図1
において、1は対極ケースであり、ステンレス鋼板の板
を絞り加工したものである。2は対極としての金属リチ
ウムであり、所定の厚みのリチウム金属箔を直径16m
mに打ち抜いたものを圧着したものである。3は非水電
解液であり、ECとDEEの体積比1:1の混合溶媒
に、過塩素酸リチウム(LiClO4 )を1モル/リッ
トル溶解したものである。4はポリプロピレン又はポリ
エチレンの多孔質フィルムからなるセパレータである。
5はステンレス鋼の板を絞り加工した作用極ケースであ
る。6はNiSi2 を用いて構成された作用極である。
この作用極は、一般市販品であるNiSi2 と導電剤で
あるアセチレンブラックと結着剤であるポリテトラフル
オロエチレンを重量比93:5:2で混合、圧延し、シ
ートを作製し、直径16mmに打ち抜いたものである。
7はTiネット製の集電体であり、前記作用極6にかぶ
せた状態で、作用極ケース5にスポット溶接されてい
る。8はガスケットであり対極ケース1と作用極ケース
5との間の電気的絶縁を保つと共に、作用極ケース開口
縁が内側に折り曲げられ、かしめられることによって、
電池内容物を密閉、封止している。
【0012】このテストセルを0.0〜1.0Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この時の10サ
イクル目の充放電曲線を図2に示す。図2において、縦
軸は電圧(V)、横軸は容量(mAh)を示す。図2か
ら明らかなように、NiSi2は0.0〜1.0Vの電
圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを吸蔵、放出可能で
あった。充放電に伴う容量の急激な低下は認められず、
50サイクル以上安定に充放電を繰返した。しかも、安
定に充放電を繰返している時の容量は、24mAh得ら
れ、これを作用極の体積当りの容量に換算すると、56
0mAh/cm3であり、グラファイト負極よりも大き
な容量が得られた。
【0013】実施例2 実施例1の作用極6のNiSi2 をNiSiに替えてテ
ストセルを作製した。この作用極は、一般市販品である
NiSiと導電剤であるアセチレンブラックと結着剤で
あるポリテトラフルオロエチレンを重量比93:5:2
で混合、圧延し、シートを作製し、直径16mmに打ち
抜いたものである。作用極6以外は、実施例1と同じも
のを用いた。このテストセルも実施例1と同様の充放電
条件で試験した。NiSiも0.0〜1.0Vの電圧範
囲で、可逆的にリチウムイオンを吸蔵、放出可能であっ
た。充放電に伴う容量の急激な低下は認められず、50
サイクル以上安定に充放電を繰返した。しかも、安定に
充放電を繰返している時の容量は、17mAh得られ、
これを作用極の体積当りの容量に換算すると、450m
Ah/cm3 であり、グラファイト負極よりも大きな容
量が得られた。
【0014】実施例3 実施例1の作用極6のNiSi2 をNi2 Siに替えて
テストセルを作製した。この作用極は、一般市販品であ
るNi2 Siと導電剤であるアセチレンブラックと結着
剤であるポリテトラフルオロエチレンを重量比93:
5:2で混合、圧延し、シートを作製し、直径16mm
に打ち抜いたものである。作用極6以外は、実施例1と
同じものを用いた。このテストセルも実施例1と同様の
充放電条件で試験した。Ni2 Siも0.0〜1.0V
の電圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを吸蔵、放出可
能であった。充放電に伴う容量の急激な低下は認められ
ず、50サイクル以上安定に充放電を繰返した。しか
も、安定に充放電を繰返している時の容量は、12mA
h得られ、これを作用極の体積当りの容量に換算する
と、440mAh/cm3 であり、グラファイト負極よ
りも大きな容量が得られた。
【0015】比較例1 比較のため、実施例1のテストセルにおいて、非水電解
液3のECをPCに替え、非水電解液としてPCとDE
Eの体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4を1モル
/リットル溶解したものを用いた。このテストセルも実
施例1と同様の充放電条件で試験した。このテストセル
は負極活物質保持体にリチウムイオンを吸蔵させること
はできたが、リチウムイオンを放出させることはでき
ず、充放電サイクルを行うことがなきなかった。
【0016】実施例4 図3は本発明によるリチウム二次電池の断面図である。
図3において、9は負極ケースである。10は負極活物
質保持体としてNiSi2 を用いた負極電極である。こ
の負極電極は、次のようにして作製した。負極活物質保
持体であるNiSi2 と導電剤であるアセチレンブラッ
クを混合したものを、結着剤であるポリフッ化ビニリデ
ンが溶解しているN−メチル−2−ピロリジノンに加
え、十分かくはんし、得られたスラリーを銅箔に塗布、
乾燥し、負極シートを作製した。負極活物質保持体、導
電剤、結着剤の重量比は95:4:1である。負極電極
10は、この負極シートから直径16mmに打ち抜いた
ものを負極ケース9にスポット溶接し作製した。3は非
水電解液であり、ECとDEEの体積比1:1の混合溶
媒に、LiClO4 を1モル/リットル溶解したもので
ある。4はポリプロピレン又はポリエチレンの多孔質フ
ィルムからなるセパレータである。11は正極ケースで
ある。12は正極活物質としてリチウムマンガン複合酸
化物(LiMn2 4 )を用いた正極電極である。この
正極電極は、次のようにして作製した。正極活物質であ
るLiMn2 4と導電剤であるアセチレンブラックを
混合したものに、結着剤であるエチレンプロピレンター
ポリマーが溶解しているシクロヘキサンを加え、十分か
くはんし、得られたスラリーをステンレス箔に塗布、乾
燥し、正極シートを作製した。正極活物質、導電剤、結
着剤の重量比は97:2.3:0.7である。正極電極
12は、この正極シートから直径16mmに打ち抜いた
ものを正極ケース11にスポット溶接し作製した。8は
ガスケットであり負極ケース9と正極ケース11との間
の電気的絶縁を保つと共に、作用極ケース開口縁が内側
に折り曲げられ、かしめられることによって、電池内容
物を密閉、封止している。
【0017】このリチウム二次電池を3.0〜4.2V
の電圧範囲、1mAの電流で充放電試験した。図4と後
記表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示す。なお
図4において、縦軸は容量(mAh)、横軸はサイクル
数(回)を表す。サイクル寿命は、容量が安定に充放電
を繰返しているときの容量の半分になった時のサイクル
数である。図4から明らかなように、このリチウム二次
電池は非常に安定に充放電を繰返し、サイクル寿命も4
30回と非常に長かった。また、充放電試験終了後、電
池を分解し、負極電極表面をSEMで観察したが、負極
電極表面に、リチウム金属の析出やデンドライトの成長
を認めることができなかった。また、負極電極をX線回
折装置で分析したが、リチウム金属のX線回折パターン
を認めることはできなかった。
【0018】実施例5 実施例4のリチウム二次電池において、負極電極10の
負極活物質保持体をNiSiに替えたものを用いた。負
極電極10の作製方法は実施例4と同じであり、負極電
極10以外は、実施例4と同じものを用いた。このリチ
ウム二次電池も3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの
電流で充放電試験した。表1に充放電容量とサイクル寿
命の関係を示す。このリチウム二次電池も安定に充放電
を繰返し、サイクル寿命は420回であった。
【0019】実施例6 実施例4のリチウム二次電池において、負極電極10の
負極活物質保持体をNi2 Siに替えたものを用いた。
負極電極10の作製方法は実施例4と同じであり、負極
電極10以外は、実施例4と同じものを用いた。このリ
チウム二次電池も3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mA
の電流で充放電試験した。表1に充放電容量とサイクル
寿命の関係を示す。このリチウム二次電池も安定に充放
電を繰返し、サイクル寿命は320回であった。
【0020】実施例7 実施例4のリチウム二次電池において、非水電解液3の
DEEをDMEに替え、非水電解液としてECとDME
の体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4 を1モル/
リットル溶解したものを用いた。非水電解液以外は、実
施例4と同じものを用いた。このリチウム二次電池も
3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で充放電試
験した。表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示
す。このリチウム二次電池は、充放電容量が大きく、し
かも安定に充放電を繰返し、サイクル寿命は420回で
あった。
【0021】実施例8 実施例5のリチウム二次電池において、非水電解液3の
DEEをDMEに替え、非水電解液としてECとDME
の体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4 を1モル/
リットル溶解したものを用いた。非水電解液以外は、実
施例5と同じものを用いた。このリチウム二次電池も
3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で充放電試
験した。表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示
す。このリチウム二次電池は、充放電容量が大きく、し
かも安定に充放電を繰返し、サイクル寿命は380回で
あった。
【0022】実施例9 実施例6のリチウム二次電池において、非水電解液3の
DEEをDMEに替え、非水電解液としてECとDME
の体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4 を1モル/
リットル溶解したものを用いた。非水電解液以外は、実
施例6と同じものを用いた。このリチウム二次電池も
3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で充放電試
験した。表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示
す。このリチウム二次電池も安定に充放電を繰返し、サ
イクル寿命は300回であった。
【0023】実施例10 実施例7のリチウム二次電池において、非水電解液3の
DMEをDMCに替え、非水電解液としてECとDMC
の体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4 を1モル/
リットル溶解したものを用いた。非水電解液以外は、実
施例7と同じものを用いた。このリチウム二次電池も
3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で充放電試
験した。表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示
す。このリチウム二次電池は、充放電容量が大きく、し
かも安定に充放電を繰返し、サイクル寿命は440回で
あった。
【0024】実施例11 実施例8のリチウム二次電池において、非水電解液3の
DMEをDMCに替え、非水電解液としてECとDMC
の体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4 を1モル/
リットル溶解したものを用いた。非水電解液以外は、実
施例8と同じものを用いた。このリチウム二次電池も
3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で充放電試
験した。表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示
す。このリチウム二次電池も安定に充放電を繰返し、サ
イクル寿命は430回であった。
【0025】実施例12 実施例9のリチウム二次電池において、非水電解液3の
DMEをDMCに替え、非水電解液としてECとDMC
の体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4 を1モル/
リットル溶解したものを用いた。非水電解液以外は、実
施例8と同じものを用いた。このリチウム二次電池も
3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で充放電試
験した。表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示
す。このリチウム二次電池も安定に充放電を繰返し、サ
イクル寿命は390回であった。
【0026】実施例13 実施例10のリチウム二次電池において、非水電解液3
の溶質、LiClO4をLiPF6 に替えた非水電解液
を用いた。溶質の濃度は、1モル/リットルである。非
水電解液の溶質以外は、実施例10と同じものを用い
た。このリチウム二次電池も3.0〜4.2Vの電圧範
囲、1mAの電流で充放電試験した。実施例4と同様の
充放電条件で試験した。このリチウム二次電池も安定に
充放電を繰返し、サイクル寿命は400回であった。
【0027】実施例14 実施例11のリチウム二次電池において、非水電解液3
の溶質、LiClO4をLiPF6 に替えた非水電解液
を用いた。溶質の濃度は、1モル/リットルである。非
水電解液の溶質以外は、実施例11と同じものを用い
た。このリチウム二次電池も3.0〜4.2Vの電圧範
囲、1mAの電流で充放電試験した。実施例4と同様の
充放電条件で試験した。表1に充放電容量とサイクル寿
命の関係を示す。このリチウム二次電池も安定に充放電
を繰返し、サイクル寿命は390回であった。
【0028】実施例15 実施例10のリチウム二次電池において、正極電極12
の正極活物質をLiMn2 4 からリチウムニッケル複
合酸化物(LiNiO2 )に替えたものを用いた。正極
電極12の作製方法は、実施例4と同じであり、市販の
LiNiO2 と導電剤であるアセチレンブラックを混合
したものに、結着剤であるエチレンプロピレンターポリ
マーが溶解しているシクロヘキサンを加え、十分かくは
んし、得られたスラリーをステンレス箔に塗布、乾燥
し、正極シートを作製した。正極活物質、導電剤、結着
剤の重量比は97:2.3:0.7である。正極電極1
2は、この正極シートから直径16mmに打ち抜いたも
のを正極ケース11にスポット溶接し作製した。正極電
極以外は、実施例10と同じものを用いた。このリチウ
ム二次電池も3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電
流で充放電試験した。実施例4と同様の充放電条件で試
験した。表1に充放電容量とサイクル寿命の関係を示
す。このリチウム二次電池も安定に充放電を繰返し、サ
イクル寿命は410回であった。
【0029】比較例2 比較のため、実施例4のリチウム二次電池において、負
極電極10を金属リチウムに替えた電池を作製した。金
属リチウムの量は、電池容量の3倍当量仕込んだ。負極
電極以外は実施例4と同じである。このリチウム二次電
池も3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で充放
電試験した。図4と表1に充放電容量とサイクル寿命の
関係を示す。この非水電解液は、安定に充放電を繰返し
たが、サイクル寿命は150回と他の電池に比べて短か
った。
【0030】比較例3 比較のため、実施例10のリチウム二次電池において、
負極電極10の負極活物質保持体を天然黒鉛に替えた電
池を作製した。この負極電極は、次のようにして作製し
た。負極活物質保持体である天然黒鉛に、結着剤である
ポリフッ化ビニリデンが溶解しているN−メチル−2−
ピロリジノンを加え、十分かくはんし、得られたスラリ
ーを銅箔に塗布、乾燥し、負極シートを作製した。負極
活物質保持体、結着剤の重量比は95:5である。負極
電極10は、この負極シートから直径16mmに打ち抜
いたものを負極ケース9にスポット溶接し作製した。負
極電極以外は実施例10と同じである。このリチウム二
次電池も3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流で
充放電試験した。図4と表1に充放電容量とサイクル寿
命の関係を示す。この非水電解液は、安定に充放電を繰
返し、サイクル寿命は350回であったが、安定容量が
5.5mAhと他の電池に比べて小さかった。
【0031】比較例4 比較のため、実施例10のリチウム二次電池において、
非水電解液3のECをPCに替え、非水電解液としてP
CとDMCの体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4
を1モル/リットル溶解したものを用いた。非水電解液
以外は、実施例10と同じものを用いた。このリチウム
二次電池も3.0〜4.2Vの電圧範囲、1mAの電流
で充放電試験した。図4と表1に充放電容量とサイクル
寿命の関係を示す。この非水電解液は、サイクルと共に
容量が急激に低下し、10回のサイクルで容量は0mA
hになった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるリチ
ウム二次電池を用いれば、これまで不可逆であると言わ
れていた負極の電極電位が0.0〜1.0Vにおいて、
大きな充放電容量並びに安定で長いサイクル寿命が得ら
れる。このため、電池の動作電圧を著しく低下すること
がなく、高電圧、高エネルギー密度を達成することがで
きる。しかも、比重が大きいため、負極電極容積当りの
充放電容量もグラファイト系負極電極に比べて大きな容
量を得ることができる。更に、充放電の繰返しによる容
量の急激な低下は認められず、非常に長いサイクル寿命
を得ることができる。また、充放電を繰返した負極電極
表面にリチウム金属の析出やデンドライトの発生が認め
られないことから、安全上も問題がない。したがって、
本発明は、高電圧、高エネルギー密度で、かつ充放電容
量が大きく、しかも安全性が確保され、サイクル寿命が
長いリチウム二次電池を得ることができるという優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いたテストセルの断面図である。
【図2】本発明によるNiSi2 を作用極に用いたテス
トセルの10サイクル目の充放電曲線を示す図である。
【図3】本発明で用いた電池の断面図である。
【図4】本発明による電池の充放電容量とサイクル数の
関係を示す図である。
【符号の説明】
1:対極ケース、2:対極、3:非水電解液、4:セパ
レータ、5:作用極ケース、6:作用極、7:集電体、
8:ガスケット、9:負極ケース、10:負極電極、1
1:正極ケース、12:正極電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充電によりリチウムイオンを吸蔵し、放
    電によりリチウムイオンを放出する負極活物質保持体を
    主体とする負極と、リチウムイオンと可逆的な電気化学
    反応が可能な正極と、リチウムイオン導電性の非水電解
    液あるいは電解液含浸型ポリマー電解質とからなるリチ
    ウム二次電池において、前記負極活物質保持体として、
    ニッケルケイ化物を用いたことを特徴とするリチウム二
    次電池。
  2. 【請求項2】 該ニッケルケイ化物として、NiS
    2 、NiSi、又はNi2 Siを用いたことを特徴と
    する請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 該非水電解液あるいは含浸用電解液の溶
    媒として、エチレンカーボネートを必須成分として含む
    混合溶媒を用いたことを特徴とする請求項2記載のリチ
    ウム二次電池。
  4. 【請求項4】 該非水電解液あるいは含浸用電解液の溶
    媒として、エチレンカーボネートと、鎖状エステル類又
    は鎖状エーテル類との混合溶媒を用いたことを特徴とす
    る請求項3記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 該鎖状エステル類の溶媒として、ジメチ
    ルカーボネート、ジエチルカーボネート、又はメチルエ
    チルカーボネートを用いたことを特徴とする請求項4記
    載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 該鎖状エーテル類の溶媒として、1,2
    −ジメトキシエタン、又は1,2−ジエトキシエタンを
    用いたことを特徴とする請求項4記載のリチウム二次電
    池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6541156B1 (en) 1999-11-16 2003-04-01 Mitsubishi Chemical Corporation Negative electrode material for non-aqueous lithium secondary battery, method for manufacturing the same, and non-aqueous lithium secondary battery using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6541156B1 (en) 1999-11-16 2003-04-01 Mitsubishi Chemical Corporation Negative electrode material for non-aqueous lithium secondary battery, method for manufacturing the same, and non-aqueous lithium secondary battery using the same

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