JPH081525U - 希ガス放電灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】端子を外部電極の端部から簡単に導出できる
上、リ−ド線を端子に半田付けする際に外囲器に損傷を
与えることのない希ガス放電灯を提供すること。 【解決手段】内面に発光層２を有し、かつ内部空間に希
ガスを封入してなる外囲器１と、外囲器１の外面に、そ
の軸方向に沿って離隔して形成した帯状の第１，第２の
外部電極３，４と、第１，第２の外部電極３，４の少な
くとも一方の端部から電気的な接続関係を有するように
導出した短冊状の端子５Ａ，６Ａとを具備し、前記端子
５Ａ，６Ａの巾を外部電極３，４の巾より小さく設定す
ると共に、端子５Ａ，６Ａを外部電極３，４の端部に重
ね合わせることによって、組み立て時のトラブルを解消
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は希ガス放電灯に関し、特に外囲器の外面に一対の外部電極を有する 希ガス放電灯において、外部電極からの端子の導出構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、原稿照射装置は、例えば放電灯からの放射光を原稿面に照射し、原稿 面からの反射光をＣＣＤ素子（電荷結合素子）よりなるリニアセンサ−にて受光 するように構成されている。

【０００３】 この装置に適用される放電灯としては、内壁に蛍光体よりなる発光層を有する ガラスバルブの両端に電極を配置すると共に、ガラスバルブの内部空間に所定量 の水銀とアルゴンガスを封入して構成されており、動作時には水銀の励起線（主 として２５３．７ｎｍ）によって発光層が励起される関係で、原稿面における照 度を高くすることができる。

【０００４】 しかしながら、この放電灯は、定常状態では上述のように優れた光出力特性が 得られるものの、点灯してから定常状態に至るまでに長い時間を要する。これは 、ガラスバルブ内の水銀蒸気が安定状態にまで移行するのに比較的に長い時間を 要するためであり、この間は光出力も安定しないものである。

【０００５】 ところで、原稿照射装置では、装置の稼働と同時に原稿の読み取りが行なわれ ることから、装置の稼働態勢に応じて直ちに点灯し、かつその光量も極めて短時 間に所定の光量以上例えば１００％程度にまで達することが要求されているので あるが、上述の水銀−アルゴンガスを用いた放電灯では点灯初期の照度が不十分 のために、読み取り精度が著しく損なわれる。

【０００６】 その上、ガラスバルブ内の水銀蒸気圧は周囲温度の変化に伴って変動すると共 に光出力も変動する。このために、原稿照射装置の設置してある部分の温度に変 動が生ずると、放電灯の光出力の変動に伴って、原稿面の照度も大きく変動して しまい、原稿の読み取り精度が損なわれる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本出願人は、先に、図４〜図５に示す希ガス放電灯Ａを提案した。同 図において、１は例えば鉛ガラス，セラミックなどよりなる外囲器であって、そ の内面には蛍光体よりなる発光層２が形成されている。特に、外囲器１の内面に は、それのほぼ全長に亘って発光層２が形成されない光投射窓（アパ−チャ部） ２ａが形成されている。尚、この外囲器１の内部空間には例えばキセノンガスな どを主成分とする希ガスが封入されている。この外囲器１の外面には、それのほ ぼ全長に亘って、一対の帯状の外部電極３，４が互いに離隔し、かつ光投射窓２ ａが実質的に閉塞されないように配置されている。この外部電極３，４は例えば アルミ箔のように導電性に優れ、かつ不透光性の金属部材にて構成されており、 それぞれの端部３ａ，４ｂは外囲器１のそれぞれの端面１ａ，１ｂにまで延在さ れて端子５，６を構成している。この端子５，６には外部導出用のリ−ド線７， ８が半田付けされている。その上、外囲器１の外面には例えば熱収縮性樹脂より なる保護層９が、外部電極３，４が被覆されるように装着されている。

【０００８】 このように構成された希ガス放電灯Ａは、端子５，６を介して外部電極３，４ に例えば周波数が２０〜１００ＫＨｚ，電圧が１〜２ＫＶの高周波高電圧が印加 されることによって希ガスに放電が生成される。そして、発光層２の励起による 放射光は高密度化されて光投射窓２ａから外部に投射される。

【０００９】 ところで、この放電灯Ａによれば、外囲器内に水銀が封入されていないために 、点灯とほぼ同時に光量が１００％程度にまで達する。従って、原稿照射装置の 稼働と同時に原稿の読み取りが行なわれることから、装置の稼働効率を高めるこ とができる。その上、周囲温度が変化しても光出力の変動が小さいために、常に 、品位の高い読み取り精度を維持することが可能となるなどの特徴を有するもの である。

【００１０】 しかしながら、端子５，６は外囲器１の端面１ａ，１ｂに沿うように配置され ているために、リ−ド線７，８を半田付けする際に、端面１ａ，１ｂの外囲器部 分に熱衝撃に起因するクラックが発生し、希ガス放電灯としての機能を奏し得な くなる。特に、外部電極３，４に例えばアルミニウムが使用される場合には、リ −ド線７，８の半田付けには一般の半田より融点の高い専用の半田を使用しなけ ればならないために、一層、クラックが発生し易くなり、良品率が低下するとい う問題がある。

【００１１】 それ故に、本考案の目的は、端子を外部電極の端部から簡単に導出できる上、 リ−ド線を端子に半田付けする際に外囲器に損傷を与えることのない希ガス放電 灯を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

従って、本考案は、上述の目的を達成するために、内面に発光層を有し、かつ 内部空間に希ガスを封入してなる外囲器と、外囲器の外面に、その軸方向に沿っ て離隔して形成した帯状の第１，第２の外部電極と、第１，第２の外部電極の少 なくとも一方の端部から電気的な接続関係を有するように導出した短冊状の端子 とを具備し、前記端子の巾を外部電極の巾より小さく設定すると共に、端子を外 部電極の端部に重ね合わせて導出したものであり、本考案の第２の考案は、前記 端子の外部電極からの導出端を、外囲器の端面から離隔させたことを特徴とし、 さらに、第３の考案は、外囲器の外面に保護層を、外部電極が被覆されるように 形成したことを特徴とする。

【００１３】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の１実施例について図１〜図３を参照して説明する。尚、図４〜 図５に示す先行技術と同一部分には同一参照符号を付し、詳細な説明は省略する 。同図において、本実施例の特徴部分は、外部電極３，４の端部に短冊状の端子 ５Ａ，６Ａを重ね合わせて電気的に接続すると共に、端子５Ａ，６Ａの巾を外部 電極３，４の巾より小さく設定したことである。尚、端子５Ａ，６Ａと外部電極 ３，４との電気的な接続は、例えば半田付け，超音波溶着，かしめ，導電性接着 剤など適宜の接続手段によって行なわれる。 特に、外部電極３，４の端部から導出された端子５Ａ，６Ａの先端部分は外囲 器１の端面１ａから離隔するように構成されており、この部分に外部導出用のリ −ド線７，８が半田付けされる。

【００１４】 又、他の特徴部分は、外囲器１の外周面に保護層９を、外部電極３，４が被覆 されるように設けたことである。この保護層９としては、例えば透光性の熱収縮 性絶縁チュ−ブ或いはガラスバルブ，セラミックバルブなどにて構成される。特 に、保護層９として熱収縮性絶縁チュ−ブを適用する場合には、外囲器１に装着 した後に加熱することによって外囲器１に密着される。

【００１５】 この実施例によれば、外部電極３，４の端部には、それの巾より小さい巾に設 定された短冊状の端子５Ａ，６Ａが重ね合わされているために、両者の接続を容 易に行なうことができる上、最終形態を不所望に大きくすることがなく、小形化 されたイメ−ジスキャナ，ファックスなどのＯＡ機器への組み込みを確実に行な うこともできる。

【００１６】 特に、外部電極３，４にアルミニウム、端子５Ａ，６Ａに銅が使用される場合 には、外部電極３，４に例えば周波数が２５ＫＨｚ，電圧が１〜２ＫＶの高周波 高電圧が印加される関係で、長期間の使用によって両者の接続部分に異種金属接 触腐食が発生し、やがて両者の電気的な接続関係が損なわれるものであるが、上 述のように端子５Ａ，６Ａの巾が外部電極３，４の巾より小さく設定されている ために、腐食の発生を抑制できる。

【００１７】 又、外部電極３，４の端部から導出された端子５Ａ，６Ａの先端部分は外囲器 １の端面１ａから離隔するように構成されているために、仮にこの部分に外部導 出用のリ−ド線７，８が半田付けされても、熱衝撃による外囲器端面１ａの破損 を皆無にできる。従って、良品率を著しく改善できる。

【００１８】 又、外囲器１の外周面には保護層９が、外部電極３，４が被覆されるように設 けられているために、仮に希ガス放電灯のＯＡ機器への組み込み空間が狭かった り，湿気を帯びた環境で使用したりしても、外部電極間の絶縁性及び外部電極と ＯＡ機器との絶縁性を十分に高く維持することができる。

【００１９】 さらには、外部電極３，４はアルミテ−プのように極めて肉厚の薄い金属にて 構成されており、強度的に弱いものであるが、その外周部分に保護層９が設けら れているために、保護層９を介して外部電極３，４に外力が作用しても何ら損傷 されることはない。従って、ＯＡ機器などへの組み込みの際に、外部電極の配置 部分が同機器に接触することによる損傷を無視できるために、能率的に作業を遂 行できる。

【００２０】 尚、本考案は、何ら上記実施例にのみ制約されることなく、例えば発光層のア パ−チャ部は省略したり、アパ−チャ部を有する光反射層を発光層に積層して形 成したりすることもできる。又、保護層はガラス材を溶射することによって形成 することもできる。さらに、端子は外囲器の両方の端部から導出させることもで きる。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、外部電極の端部には、それの巾より小さい巾 に設定された短冊状の端子が重ね合わされているために、両者の接続を容易に行 なうことができる上、最終形態を不所望に大きくすることがなく、小形化された イメ−ジスキャナ，ファックスなどのＯＡ機器への組み込みを確実に行なうこと もできる。

【００２２】 特に、外部電極にアルミニウム、端子に銅が使用される場合には、外部電極に 高周波高電圧が印加される関係で、長期間の使用によって両者の接続部分に異種 金属接触腐食が発生し、やがて両者の電気的な接続関係が損なわれるものである が、上述のように端子の巾が外部電極の巾より小さく設定されているために、腐 食の発生を抑制できる。

【００２３】 又、外部電極の端部から導出された端子の先端部分は外囲器の端面から離隔す るように構成されているために、仮にこの部分に外部導出用のリ−ド線を半田付 けしても、熱衝撃による外囲器端面の破損を皆無にでき、良品率を著しく改善で きる。

【００２４】 又、外囲器の外周面に保護層を、外部電極が被覆されるように設ければ、 仮に希ガス放電灯のＯＡ機器への組み込み空間が狭かったり，湿気を帯びた環境 で使用したりしても、外部電極間の絶縁性及び外部電極とＯＡ機器との絶縁性を 十分に高く維持することができる。

【００２５】 さらには、外部電極は肉厚の薄い金属にて構成されており、強度的に弱いもの であるが、その外周部分に保護層が設けられているために、保護層を介して外部 電極に外力が作用しても何ら損傷されることはない。従って、ＯＡ機器などへの 組み込みの際に、外部電極の配置部分が同機器に接触することによる損傷を無視 できるために、能率的に作業を遂行できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示す縦断面図。

【図２】図１のＸ−Ｘ断面図。

【図３】図１の要部破断側面図。

【図４】先行技術の縦断面図。

【図５】図４のＹ−Ｙ断面図。

【符号の説明】

１ 外囲器 １ａ，１ｂ 端面 ２ 発光層 ２ａ 光投射窓 ３，４ 外部電極 ５Ａ，６Ａ 端子 ７，８ リ−ド線

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内面に発光層を有し、かつ内部空間に希
   ガスを封入してなる外囲器と、外囲器の外面に、その軸
   方向に沿って離隔して形成した帯状の第１，第２の外部
   電極と、第１，第２の外部電極の少なくとも一方の端部
   から電気的な接続関係を有するように導出した短冊状の
   端子とを具備し、前記端子の巾を外部電極の巾より小さ
   く設定すると共に、端子を外部電極の端部に重ね合わせ
   たことを特徴とする希ガス放電灯。
2. 【請求項２】 前記端子の外部電極からの導出端を、外
   囲器の端面から離隔させたことを特徴とする請求項１記
   載の希ガス放電灯。
3. 【請求項３】 前記外囲器の外面に保護層を、外部電極
   が被覆されるように形成したことを特徴とする請求項１
   記載の希ガス放電灯。