JPH0815244A - アルミニウム測定方法 - Google Patents

アルミニウム測定方法

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JPH0815244A
JPH0815244A JP6184207A JP18420794A JPH0815244A JP H0815244 A JPH0815244 A JP H0815244A JP 6184207 A JP6184207 A JP 6184207A JP 18420794 A JP18420794 A JP 18420794A JP H0815244 A JPH0815244 A JP H0815244A
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Takao Yotsuyanagi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価でコンパクトな装置を使用し、簡便かつ
短時間に測定を行うことができ、そして検出感度が高く
ごく微量のアルミニウムを精度良く測定することができ
る、アルミニウムのクロマトグラフィーによる測定方法
を提供する。 【構成】 高速液体クロマトグラフィー等のクロマトグ
ラフィーによるアルミニウムの測定において、界面活性
剤を含有する移動相を用いて測定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、簡便かつ高精度に測定
を行うことができるアルミニウムのクロマトグラフィー
による測定方法に関するものであって、例えば生体試
料、飲食物、飲料水等に含まれるアルミニウムの測定に
有用であり、臨床検査分野の血液透析患者の血液中アル
ミニウム濃度の測定等に特に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは地球表層では、酸素、ケ
イ素の次に多い元素である。そして、生体中には微量で
あるが一定の濃度で含まれており、例えばヒト健常者の
血清中には3.7〜49μg/l(ppb)の濃度で含
まれている。〔真鍋,日本臨牀増刊(上巻),47,7
42(1989)〕
【0003】現在、疾病とアルミニウムの関連が明らか
になりつつある。血液透析患者では血液中アルミニウム
濃度が高値となることが報告され、長期血液透析を行っ
た患者に頻発する痴呆症は、脳に蓄積されたアルミニウ
ムによって引き起こされると考えられており、またアル
ミニウムと脳症、脳軟化症及び貧血との関連も指摘され
ており、更にアルツハイマー病とアルミニウムの関連も
盛んに示唆されている。〔M.Ginkel et a
l.,Clin.Chem.,36,658(199
0),C.Martyn et al.,Lance
t,8629,59(1989),A.Alfrey
et al.,Trans.Amer.Soc.Art
if.Organs.,18,257(1972),
A.Alfrey et al.,New Engl.
J.Med.,294,184(1976),G.Du
nea et al.,Ann.Intern.Me
d.,88,502(1978),V.Rozas e
t al.,Arch.Intern.Med.,13
,1375(1978),J.Prior et a
l.,Am.J.Med.,67,583(197
9),川原ら,臨床成人病,23,447(199
3)〕
【0004】実際、血液透析患者については、血液中の
アルミニウム濃度の測定が頻繁に行われており、この血
液中のアルミニウム濃度を測定して監視することが、血
液透析患者の健康管理のうえでは必須のこととなってい
る。
【0005】このように生体試料中のアルミニウムを測
定することは、疾病の研究、疾病の診断、健康状態の管
理等の医学や生命科学の分野において重要な意義を持つ
ものである。
【0006】また、前記の疾病や健康管理とアルミニウ
ムとの関係にかんがみて、食品、飲料、飲料水及び環境
中のアルミニウムを測定することも重要となってきてい
る。
【0007】従来、微量のアルミニウムの測定には主に
フレームレス原子吸光装置(電気炉原子吸光装置)が用
いられてきた。〔F.Alderman et a
l.,Clin・Chem.,26,258(198
0),K.Wrobel et al.,J.Ana
l.At.Spectrom.,,915(199
3),A.Pineau et al.,Ann.Bi
ol.Clin.,50,577(1992)〕
【0008】ところが、このフレームレス原子吸光装置
によるアルミニウムの測定方法は、下記の欠点を有す
る。 フレームレス原子吸光装置は、大変高価であり、ま
た広いスペースを必要とし、配管や換気装置が必要で設
置場所が限定される。 フレームレス原子吸光装置は、試料溶液を原子化す
る炭素炉が測定のたびに消耗し、約100回測定するた
びに交換しなければならず、煩雑であり費用もかかる。 フレームレス原子吸光装置による測定は、電力消費
量が非常に大きいので、ランニングコストがかさむ。
【0009】本発明の発明者の一人である四ツ柳とその
グループは、このフレームレス原子吸光装置による測定
方法が有する欠点を克服する測定方法として、液体クロ
マトグラフィーによるアルミニウムの測定方法の検討を
進めてきた。その結果、下記の手順よりなるイオン対逆
相分配高速液体クロマトグラフィーによる生体試料中の
アルミニウムの測定方法を確立した。 血清試料0.4mlを塩酸で加水分解し、更にメタ
ノールを添加後遠心分離をして除タンパク処理を行う。 その上清をキレート試薬の2,2’−ジヒドロキシ
アゾベンゼン(DHAB)溶液、対イオンとしてのテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液、
及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸緩衝
液と混合し、70℃で30分間反応させる。 冷却後、反応液の100μlをオクタデシルシラン
(ODS)カラムを装着した高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)装置に注入し、510nmでの吸光度を
測定する。〔四ツ柳ら,臨床化学,21,113(19
92)〕
【0010】この測定方法は、汎用されているODSカ
ラムと高速液体クロマトグラフィー装置を用いてアルミ
ニウムの測定を行う測定方法であり、特殊な装置を使用
せずに安価に測定を行うことができる方法である。
【0011】しかしながら、この測定方法では、血清試
料などのタンパク質等の高分子物質を含む試料の測定に
おいては、カラムをタンパク質等の高分子物質による分
離能低下から保護するため及びアルミニウムの分離又は
検出がタンパク質等の高分子物質により妨害されないた
めの前処理としての除タンパク処理を必ず必要とし、更
に除タンパク処理後の試料中のアルミニウムとキレート
試薬を反応させるのに70℃で30分間必要であり、そ
の後冷却を行ってから測定試料を高速液体クロマトグラ
フィー装置に注入して測定を行わなければならず、1回
の測定に長い時間(約60分間)を必要とし、また操作
も非常に煩雑であるという難点を有していた。また、測
定感度はフレームレス原子吸光測定装置と同程度であっ
て、ごく微量のアルミニウムを測定することができず
(測定感度10μg/l)、測定精度も良くないという
難点をも有するものであった。
【0012】なお、本発明の発明者の一人である四ツ柳
とそのグループにおける液体クロマトグラフィーによる
アルミニウムの測定方法の研究において、アルミニウム
の信号標識化物質である8−ヒドロキシキノリンを水溶
液に溶解させるのに、界面活性剤を添加すると溶解性が
向上することを見い出したが、この場合でも移動相には
界面活性剤を含有させてはおらず、本発明とは目的、構
成及び効果とも全く異なるものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
アルミニウムの測定方法であるフレームレス原子吸光装
置による測定方法においては、大変高価で大きな測定装
置が必要であり、かつ消耗部品の交換が必要であるた
め、煩雑であり費用がかかるものであった。また、OD
Sカラムと高速液体クロマトグラフィー装置を用いる測
定方法においては、前処理としての除タンパク処理操作
や加熱反応操作そして冷却操作のために長時間の測定時
間が必要であり、操作が煩雑であり、そして結果として
測定の費用がかかるものであった。更に検出感度が低い
ために、ごく微量のアルミニウムを測定することができ
ず、測定精度も良くないものであった。
【0014】本発明者らは、これらの従来のアルミニウ
ム測定方法が有する欠点の解消を目指して鋭意研究を行
った結果、アルミニウムのクロマトグラフィーによる測
定方法において、移動相に界面活性剤を含有させること
により、タンパク質等の高分子物質を含む試料において
も除タンパク処理を行わずに測定が行えること及び高感
度かつ高精度に測定が行えることを見い出した。そし
て、高速液体クロマトグラフィー装置及びそのカラム等
の現在汎用されている安価でコンパクトな装置や器具を
使用し、除タンパク処理操作、加熱反応操作及び冷却操
作を必要とせずに簡便かつ短時間に測定を行うことがで
き、そして検出感度が高く、ごく微量のアルミニウムを
精度良く測定することができ、かつランニングコストが
低いアルミニウムの測定方法である本発明を完成するに
到った。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の発明を包
含する。 (1)界面活性剤を含有する移動相を用いることを特徴
とするアルミニウムのクロマトグラフィーによる測定方
法、(2)クロマトグラフィーが液体クロマトグラフィ
ーである前記(1)の測定方法、(3)アルミニウムが
生体試料中に含まれるアルミニウムである前記(1)及
び(2)の測定方法、(4)界面活性剤がドデシル硫酸
ナトリウムである前記(1)ないし(3)の測定方法。
【0016】アルミニウムは単体、イオン及び化合物等
の種々の形態を取り、また遊離又はキャリアーに結合し
た状態等で存在し、そして様々な物に含まれて存在して
いるが、本発明により測定されるアルミニウムは特に限
定されるものではなく、直接又は処理を行うことにより
クロマトグラフィーにかけることが可能なものであれば
対象となる。
【0017】本発明におけるクロマトグラフィーとして
は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、オープ
ンカラムによる液体クロマトグラフィー、電気泳動法及
びキャピラリー電気泳動法等の、測定試料を移動相(展
開剤)により固定相中を移動させ、測定試料中の各成分
の移動速度の差により、これらを相互に分離する方法を
用いることができる。なお、移動相は高速液体クロマト
グラフィー及びオープンカラムによる液体クロマトグラ
フィーでは溶離液とも呼ばれ、また電気泳動法およびキ
ャピラリー電気泳動法では泳動緩衝液とも呼ばれている
が、本発明における移動相はこれらをも包含するもので
ある。
【0018】また、本発明におけるクロマトグラフィー
による測定方法としては、前記のクロマトグラフィーに
より分離した測定試料中の成分を、その成分に由来する
光学的信号、電気的信号又は放射化学的信号等の信号を
検出装置により又は目視により検出することにより、定
性的又は定量的に測定を行う測定方法を用いることがで
きる。
【0019】本発明における界面活性剤としては、陰イ
オン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤
及び非イオン界面活性剤のいずれをも用いることができ
る。
【0020】以下、本発明のより詳細な説明を行う。本
発明では前記したように、種々の形態をとり、かつ様々
な物に含有されるアルミニウムを測定することが可能で
ある。本発明は微量のアルミニウムをも迅速、簡便、か
つ高感度に測定することを特徴とするものであるので、
生体試料、食肉、野菜、穀物、果物、水産物、加工食
品、飲料及び飲料水等の微量のアルミニウムが含まれる
可能性があるもの(測定対象物)に含有されるアルミニ
ウムの測定に特に有効なものである。例えば、生体試料
としては、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、大
便、***、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水、脳等の臓
器、毛髪や皮膚や爪や筋肉若しくは神経等の組織及び細
胞等が本発明に適用することができるものである。
【0021】本発明においては、クロマトグラフィーに
直接かける測定試料は液体である必要があるので、測定
対象物が液体でない場合には、抽出処理又は可溶化処理
等の前処理を公知の方法に従って行ない、アルミニウム
を液体中に含有させるようにして、これを測定試料とす
る。
【0022】また、本発明の特徴の一つとして、測定試
料中にタンパク質が存在していても測定を行うことがで
き、除タンパク処理操作が不必要であることを挙げるこ
とができるが、例え本発明において除タンパク処理を行
っても測定値に悪影響を及ぼすことはない。
【0023】本発明は、前記したように種々のクロマト
グラフィーに適用可能である。高速液体クロマトグラフ
ィー及びオープンカラムによる液体クロマトグラフィー
等の液体クロマトグラフィーは、基本的には固定相とし
ての分離カラム、移動相及び送液ポンプにより構成さ
れ、これに検出装置又は測定試料インジェクターを組み
合わせることもできる。なお、送液ポンプ及び測定試料
インジェクターは、測定を行う測定試料の容量、固定相
の容量及び移動相の移動速度等の条件に応じて適当なも
のを使用すればよい。
【0024】本発明を液体クロマトグラフィーにより実
施する場合には、オクタデシルシラン(ODS)カラム
等の公知の逆相クロマトグラフィーカラム、バイオプテ
ィックAV−1カラム(GLサイエンス社製)等のタン
パク質被覆化ODSカラム及びカプセルバックMF p
h−1カラム(資生堂社製)等の親水性基と疎水性基を
併せ持つ担体よりなるカラム等を固定相として用いるこ
とができる。特にこの親水性基と疎水性基を併せ持つ担
体よりなるカラムを用いた場合には、測定試料中のアル
ミニウムとタンパク質をより鮮明に分離することができ
好ましい。
【0025】電気泳動法及びキャピラリー電気泳動法で
は、ポリアクリルアミドゲル及びアガロースゲル等の公
知の電気泳動用担体を固定相として用いることができ
る。
【0026】移動相の組成及びその移動速度は、固定相
の種類、固定相の容量及び分離したアルミニウムの測定
方法に応じて、適当な組成及び移動速度を選択すれば良
いが、界面活性剤を含有することは必須である。例え
ば、本発明を逆相系のカラムを用いた液体クロマトグラ
フィーにより実施する場合には、アセトニトリル、酢酸
等の有機溶媒を0〜50%の範囲で、N,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸
〔BES〕若しくはトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン等の公知の緩衝剤を0.001〜0.5Mかつp
H4.0〜9.0の範囲で、水を0〜95%の範囲で、
EDTA等のキレート剤を0.01〜500mMの範囲
で、そしてアジ化ナトリウム等の防腐剤、アルミニウム
の検出のための試薬、又は対イオンを移動相中に含有さ
せることができる。また、移動相の組成を時間的に変化
させても良い。
【0027】そして、高速液体クロマトグラフィーによ
る場合は、例えば0.1〜10.0ml/分の範囲内
で、またオープンカラムによる液体クロマトグラフィー
の場合は、例えば0.01〜5.0ml/分の範囲内で
移動相の移動速度を設定すれば良い。
【0028】移動相に含有させる界面活性剤は、界面活
性作用を有する物質であれば良く、例えば表1に記した
構造よりなる界面活性剤を用いることができる。
【0029】
【表1】
【0030】これらの界面活性剤として、対応する市販
の界面活性剤を用いることができるが、市販品の例とし
ては、陰イオン界面活性剤のドデシル硫酸ナトリウム
(和光純薬工業社製)、非イオン界面活性剤のトライト
ン X−100(ポリエチレングリコール−モノ−p−
オクチルフェニルエーテル(n=10)、東京化成社
製)、PONPE−20(東京化成社製)及び陽イオン
界面活性剤のCA−2330(日光ケミカル社製)等が
挙げられる。これらの界面活性剤を移動相中に含有させ
る濃度は、分離能や感度等の条件に応じて適宜設定すれ
ば良い。
【0031】本発明におけるクロマトグラフィーによる
測定方法においては、前記のクロマトグラフィーにより
分離した測定試料中のアルミニウムを、アルミニウム自
体又はアルミニウムと結合した信号物質の光学的信号、
電気的信号又は放射化学的信号等の信号を、検出装置に
より又は目視により検出することにより、定性的又は定
量的にアルミニウムの測定を行うことができる。
【0032】この分離したアルミニウムに由来する信号
の検出は、クロマトグラフィーの移動相の流路中にアル
ミニウムが存在する間に、目視により又はこの流路中に
配置した検出装置により行うことができる。
【0033】また、クロマトグラフィーより移動相を分
別して収集し、このフラクションを目視により又は検出
装置にかけることにより検出を行うこともできる。
【0034】分離したアルミニウム自体の信号を検出す
る方法は、例えばICP−発光分析法等の検出装置によ
り検出する方法が適用できる。
【0035】分離したアルミニウムと結合した信号物質
の信号を検出する方法においては、紫外部吸光、可視部
吸光、赤外部吸光、蛍光、発光若しくは屈折率変化等の
光学的信号、電気化学的検出装置により検出される電気
的信号又は放射線よりなる放射化学的信号等の信号を有
しかつアルミニウムと結合する物質をアルミニウムと結
合させるか、これらの光学的信号、電気的信号又は放射
化学的信号等の信号がアルミニウムと結合することによ
り発生又は変化するものである信号を有しかつアルミニ
ウムと結合する物質をアルミニウムと結合させることに
よりアルミニウムの信号標識化を行うことができる。
【0036】このアルミニウムの信号標識化の時期は、
測定試料をクロマトグラフィーにかける前、クロマトグ
ラフィーにかけている間又は、クロマトグラフィーにか
けた後のいずれをも選択することができる。つまり、本
発明におけるクロマトグラフィーによる測定方法は、プ
レカラム法、速度論的識別モードによるプレカラム法、
オンカラム法、又はポストカラム法のいずれによっても
実施することができるものである。〔壹岐ら、ドージン
ニュース、48、3(1989)参照〕
【0037】前記の光学的信号、電気的信号又は放射化
学的信号等の信号を有しかつアルミニウムと結合する物
質及び光学的信号、電気的信号又は放射化学的信号等の
信号がアルミニウムと結合することにより発生又は変化
するものである信号を有しかつアルミニウムと結合する
物質は、これらの性質を有する物質であれば特に限定さ
れるものではない。これらの信号を有する物質の例を表
2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】これらの信号を有する物質と測定試料中の
アルミニウムの結合、つまり測定試料中のアルミニウム
の信号標識化は、測定しようとするアルミニウムの形
態、信号を有する物質及び信号標識化時期等に応じて公
知の方法より選択して操作を行えばよい。
【0040】測定試料を高速液体クロマトグラフィー、
オープンカラムによる液体クロマトグラフィー、電気泳
動法及びキャピラリー電気泳動法等のクロマトグラフィ
ーにかけて分離を行う方法は、公知の方法及び操作によ
り行えばよい。そして、測定試料中のアルミニウムの定
性的測定は、まず前記のようにして検出した信号をアル
ミニウムを含有する標準試料の信号のリテンションタイ
ム又は移動度等と対比することにより、分離したアルミ
ニウムに由来する信号を同定することができる。
【0041】定量的測定を行う場合には更に、得られた
クロマトグラム上のこの分離したアルミニウムに由来す
る信号(ピーク)の高さ又は面積等を濃度既知のアルミ
ニウムを含有する標準試料のものと比較し計算すること
により、定量値を求めればよい。また、検出装置よりの
電気信号を基に定量値を算出してもよい。
【0042】なお、本発明においては、測定対象物中の
アルミニウムの測定に誤差を与える測定対象物外よりの
アルミニウムの混入を防ぐように十分に注意して実施を
することが望ましい。これには、試薬等は不純物として
のアルミニウムが含まれていない高純度試薬を用いるこ
と、水は2回蒸留を行った純度の高いものを用いるこ
と、容器及び器具は酸で洗浄してアルミニウムを除いた
合成樹脂製のものを用いること及び環境中からのアルミ
ニウムの混入を防ぐように注意して実施すること等が考
えられる。
【0043】以下、ヒト血清中のアルミニウムの測定を
行う場合の説明を行う。まず、ヒト血清試料300μl
に1N塩酸50μlを加えてpHを3以下とすることに
より、アルミニウムを主にトランスフェリンから成るア
ルミニウム結合性成分から解離させる。次に0.005
Mの8−ヒドロキシキノリンを含む20%アセトニトリ
ル水溶液250μlをこれに加えて、遊離したアルミニ
ウムの8−ヒドロキシキノリンによる信号標識化を行
う。そして、2.5MのN,N−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝液(pH
7.0)200μlをこれに添加混合し、0.50μm
のフィルターでろ過したものを測定試料とする。固定相
として親水性基と疎水性基を併せ持つ担体よりなるカラ
ムであるカプセルパックMF ph−1 S−5(4.
6mm×150mm)カラムを用い、移動相として流速
1.0ml/分である15%のアセトニトリル、10m
Mのドデシル硫酸ナトリウム及び0.1mMのEDTA
2ナトリウムを含む0.1M N,N−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝液
(pH7.0)を用いる高速液体クロマトグラフィーに
この測定試料100μlを注入する。検出は励起波長3
70nm、輻射波長504nmでの蛍光強度の検出を固
定相カラムの後に配置した蛍光検出装置で行う。検出し
た蛍光強度の信号を記録用紙に記録させクロマトグラム
を得るとともに、検出した蛍光強度の各信号(ピーク)
の積分値(面積)を求め、これとアルミニウム濃度既知
の標準試料の値との比較により、測定試料中のアルミニ
ウムの定量値の算出を行う。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に詳
述するが、本発明はこの実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0045】実施例1 アルミニウムの測定 高速液体クロマトグラフィーにより、ヒト血清中に含有
されるアルミニウムの測定を行った。 (1) 1g/l(1,000ppm)のアルミニウム
標準液(AlCl、和光純薬工業社製、原子吸光分析
用)を0.01Nとした塩酸(関東化学社製、超高純度
試薬)で希釈して、アルミニウム濃度を250μg/l
とした。 (2) ヒト血清0.9mlに(1)で調製した250
μg/lのアルミニウム溶液0.1mlを添加して、ア
ルミニウム濃度を25μg/l増加させた試料(アルミ
ニウム添加血清試料)を調製した。 (3) また、(1)で調製した250μg/lのアル
ミニウム溶液0.1mlを0.01N塩酸0.9mlに
添加して、アルミニウム濃度25μg/lの試料(アル
ミニウム試料)を調製した。更に、(2)のヒト血清
0.9mlに0.01N塩酸0.1mlを加えたものを
調製して試料(血清試料)とした。 (4) (2)及び(3)で調製した3種類の試料(ア
ルミニウム添加血清試料、アルミニウム試料及び血清試
料)それそれの300μlに1Nとした塩酸(関東化学
社製、超高純度試薬)50μlを加え混合し、次に0.
005Mの8−ヒドロキシキノリン(関東化学社製)を
含む20%アセトニトリル(ナカライテクス社製、試薬
特級)水溶液250μlを加えて混合して、更に2.5
M N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミ
ノエタンスルホン酸緩衝液〔pH7.0〕(同仁化学研
究所社製)200μlを添加し混合した。これらをそれ
ぞれ0.50μmのフィルターであるサンプレップLC
R13−LH(ミリポア社製)でろ過して、3種類の測
定試料を調製した。 (5) 固定相としてカプセルパックMF ph−1
S−5〔4.6mm×150mm〕カラム(資生堂社
製)を用い、移動相として15%のアセトニトリル、1
0mMのドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製、
主化学用)及び0.1mMのEDTA2ナトリウム(同
仁化学研究所社製、試薬特級)を含む0.1M N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンス
ルホン酸緩衝液〔pH7.0〕を流速1.0ml/分で
用い、そしてPU−980型ポンプ(日本分光社製)及
びFP−920型蛍光検出器(日本分光社製)を使用す
る高速液体クロマトグラフィーに、(4)の3種類の測
定試料それぞれを100μl注入して測定を行った。な
お、蛍光強度の検出は、励起波長370nm、輻射波長
504nmで行った。これらの3種類の試料の測定のク
ロマトグラムを図1に示した。
【0046】
【図1】
【0047】なお、これらの図において、横軸はリテン
シヨンタイムを示し、縦軸は蛍光強度を示す。そして、
これらの図のクロマトグラムにおいて、リテンシヨンタ
イムが約17分であるピーク(信号)がアルミニウム由
来のものであり、約8分のピーク(信号)が遊離の8−
ヒドロキシキノリンのものであることが標準物質のクロ
マトグラムより確かめられている。
【0048】これらの図より、アルミニウム試料、アル
ミニウム添加血清試料及び血清試料のいずれの試料にお
いても、アルミニウム由来のピーク(信号)が他の血清
成分由来のピーク(信号)と明確に分離され、かつ収れ
んした高感度のピーク(信号)が得られることがわか
る。つまり、本発明によりアルミニウムを精度よく、か
つ高感度に測定できることがわかる。そして、本発明に
より生体試料等のタンパク質などの高分子物質を含む測
定対象物中のアルミニウムも、除タンパク処理を行うこ
となしに、簡便に測定が行えることが示された。
【0049】なお、本実施例において、(2)及び
(3)で調製した試料中のアルミニウムの測定に要した
時間は20分間であった。また、本実施例において使用
した器具及び容器は、テフロン製等の合成樹脂製のもの
を用い、その使用前に0.1N硝酸にて十分洗浄した
後、蒸留操作を2回行った蒸留水にて洗浄した後使用し
た。そして、水は蒸留操作を2回行った蒸留水を使用し
た。
【0050】実施例2 移動相中の界面活性剤の分離能
への効果 移動相に界面活性剤を含有させることによる、クロマト
グラフィーにおけるアルミニウムと他の成分との分離能
についての効果を検討した。移動相として界面活性剤で
あるドデシル硫酸ナトリウムのみを除いた、15%のア
セトニトリル及び0.1mMのEDTA2ナトリウムを
含む0.1M N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸緩衝液〔pH7.0〕を
も調製して、別に測定を行うことと、試料として血清試
料のみを測定すること以外は、実施例1と同様にして測
定を行った。これらの測定のクロマトグラムを図2に示
した。
【0051】
【図2】
【0052】なお、これらの図において、横軸はリテン
シヨンタイムを示し、縦軸は蛍光強度を示す。そして、
これらの図の界面活性剤を含有しない移動相でのクロマ
トグラムにおいては、リテンシヨンタイムが約24分の
ピーク(信号)は血清由来成分のものであり、約25分
のピーク(信号)はアルミニウム由来のものであること
が標準物質のクロマトグラムより確かめられている。ま
た、界面活性剤を含有する移動相でのクロマトグラムに
おいては、リテンシヨンタイムが約17分であるピーク
(信号)は、アルミニウム由来のものであることが標準
物質のクロマトグラムより確かめられている。
【0053】これらの図より、界面活性剤を含有する移
動相を用いる本発明は、界面活性剤を移動相に含有させ
ない場合に比べて、アルミニウムに由来するピーク(信
号)が他の成分由来のピーク(信号)と明確に分離され
分離能が向上し、かつピーク(信号)の高さ及び面積が
増大し感度が上昇していることがわかる。つまり、これ
からも本発明はアルミニウムを精度よく、かつ高感度に
測定できることがわかる。そして本発明は、生体試料等
のタンパク質などの高分子物質を含む測定対象物中のア
ルミニウムの測定においても、タンパク質等の成分によ
り測定が妨害され測定値が影響を受けることなく、正確
な測定値が得られることが示された。
【0054】実施例3 移動相中の界面活性剤の感度へ
の効果 移動相に界面活性剤を含有させることによる、アルミニ
ウムの検出信号の感度への効果を検討した。界面活性剤
であるドデシル硫酸ナトリウムの濃度がそれぞれ0m
M、5mM、10mM、20mM、30mM及び50m
Mである、15%のアセトニトリル及び0.1mMのE
DTA2ナトリウムを含む0.1M N,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸緩
衝液〔pH7.0〕を調製し、これらを移動相として測
定を行うこと、及び試料としてアルミニウム濃度27μ
g/lの試料(アルミニウム試料)と0.01N塩酸の
みからなる試料(塩酸ブランク試料)のみを測定するこ
と以外は、実施例1と同様にして測定を行った。これら
の測定の結果を図3に示した。
【0055】
【図3】
【0056】なお、この図において、横軸は移動相中の
ドデシル硫酸ナトリウムの濃度を示し、縦軸はアルミニ
ウム試料におけるアルミニウムに由来するピーク(信
号)の面積から、塩酸ブランク試料における同じリテン
シヨンタイムのピーク(信号)の面積を引いたものを示
す。この図より、移動相中の界面活性剤濃度が上昇する
につれ、アルミニウムの検出信号も増大することがわか
る。よって、移動相に界面活性剤を含有させることによ
り、高感度にアルミニウムの測定を行うことができ、こ
れによりごく微量のアルミニウムを測定することが可能
となったことが示された。
【0057】実施例4 移動相に含有させた各種界面活
性剤の感度への効果。 移動相に各種の界面活性剤を含有させた時の、アルミニ
ウムの検出信号の感度への効果を検討した。非イオン界
面活性剤であるトライトン X−100〔ポリエチレン
グリコール−モノ−p−オクチルフェニルエーテル(n
=10)、東京化成社製〕並びにPONPE−20(東
京化成社製)、陽イオン界面活性剤であるCA−233
0(日光ケミカル社製)及び陰イオン界面活性剤である
ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製、生化学
用)をそれぞれ1.5%の濃度で、15%のアセトニト
リル及び0.1mMのEDTA2ナトリウムを含む0.
1M N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ア
ミノエタンスルホン酸緩衝液(pH7.0)に含有させ
て移動相を調製した。また、界面活性剤を含まない15
%のアセトニトリル及び0.1mMのEDTA2ナトリ
ウムを含む0.1M N,N−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)−2−アミノエタンスルホン酸緩衝液(pH7.
0)よりなる移動相を調製して対照とした。これらの5
種類の移動相をそれぞれ用いて測定を行うこと、試料と
してアルミニウム濃度を25μg/l増加させたヒト血
清試料(アルミニウム添加血清試料)のみを測定するこ
と、アルミニウムに結合した8−ヒドロキシキノリンの
吸光度の検出をUV−970型吸光度検出器(日本分光
社製)により、対照の場合及びドデシル硫酸ナトリウム
を含有する移動相の場合は365nmにて、またトライ
トン X−100を含有する移動相の場合、PONPE
−20を含有する移動相の場合及びCA−2330を含
有する移動相の場合は370nmにて行うこと、更にア
ルミニウムに結合した8−ヒドロキシキノリンの蛍光強
度の検出をFP−920型蛍光検出器(日本分光社製)
により、対照の場合は励起波長370nm、輻射波長5
07nmにて、トライトン X−100を含有する移動
相の場合及びPONPE−20を含有する移動相の場合
は励起波長377nm、幅射波長506nmにて、CA
−2330を含有する移動相の場合は励起波長379n
m、輻射波長508nmにて、そしてドデシル硫酸ナト
リウムを含有する移動相の場合は励起波長374nm、
輻射波長499nmにて行うこと以外は、実施例1と同
様にして測定を行った。これらの測定の結果を表3に示
した。
【0058】
【表3】
【0059】この表より、各種の界面活性剤をそれぞれ
含有する移動相での測定は、界面活性剤を含有しない移
動相での測定に比べてアルミニウムの検出信号が増加し
ており、よって高感度に測定が行え、ごく微量のアルミ
ニウムの測定が可能となることがわかる。また、本発明
は非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び陰イオ
ン界面活性剤等の種々の界面活性剤において達成され、
効果が得られることが示された。
【0060】実施例5 直線性の検討 本発明によるアルミニウムの測定における直線性につい
て検討を行った。1g/lのアルミニウム標準液(Al
Cl、和光純薬工業社製、原子吸光分析用)を、0.
01Nとした塩酸(関東化学社製、超高純度試薬)で希
釈して、アルミニウム濃度がそれそれ50μg/l、1
00μg/l、150μg/l、200μg/l、25
0μg/l及び500μg/lの試料(アルミニウム試
料)を調製すること、及びこれら6種類の試料と0.0
1N塩酸のみからなる試料(塩酸ブランク試料)の計7
種類の試料の測定を行うこと以外は、実施例1と同様に
して測定を行った。これらの測定の結果を図4に示し
た。
【0061】
【図4】
【0062】なお、この図において、横軸は試料中のア
ルミニウムの濃度を示し、縦軸はアルミニウム試料にお
けるアルミニウムに由来するピーク(信号)の面積か
ら、塩酸ブランク試料における同じリテンシヨンタイム
のピーク(信号)の面積を引いたものを示す。この図よ
り、本発明によるアルミニウムの測定においては、0μ
g/lから少なくとも500μg/lまでは直線性があ
ることがわかり、これより本発明では広範囲な濃度域に
おいて測定が行え、かつこのような広い濃度域で正確に
そして精度よく測定が行えることが示された。また、本
発明によるアルミニウムの測定における測定の下限は、
本発明が1μg/lのアルミニウムを含む試料を精度良
く測定することができることから、少なくとも1μg/
l以下である。
【0063】実施例6 再現性の検討 本発明によるアルミニウムの測定における同時再現性に
ついて検討を行った。1g/lのアルミニウム標準液
(AlCl、和光純薬工業社製、原子吸光分析用)を
0.01Nとした塩酸(関東化学社製、超高純度試薬)
で希釈して調製したアルミニウム濃度27μg/lの試
料(アルミニウム試料)、ヒト血清よりなる試料(血清
試料)及び0.01N塩酸のみからなる試料(塩酸ブラ
ンク試料)の3種類の試料をそれぞれ5回ずつ測定する
こと以外は、実施例1と同様にして測定を行った。この
測定の結果を表4に示した。
【0064】
【表4】
【0065】なお、この表における数値は、アルミニウ
ム試料及び血清試料においてはアルミニウムに由来する
ピーク(信号)の面積を示し、塩酸ブランク試料におい
てはそれと同じリテンシヨンタイムのピーク(信号)の
面積を示す。この表より、本発明によるアルミニウムの
測定においては、変動係数(C.V.)が最大でも5.
98%であることから、再現性よく測定が行えることが
わかる。そして、タンパク質等の高分子物質を含む複雑
な組成の試料においても、非常に精度良く測定が行え、
実用上全く問題のないことが示された。
【0066】実施例7 添加回収試験 本発明によるアルミニウムの測定における、血清試料で
の添加回収試験について検討を行った。 (1) 1g/lのアルミニウム標準液(AlCl
和光純薬工業社製、原子吸光分析用)を0.01Nとし
た塩酸(関東化学社製、超高純度試薬)で希釈して、ア
ルミニウム濃度を250μg/lとした。 (2) アルミニウム濃度8μg/lのヒト血清0.9
mlに(1)で調製した250μg/lのアルミニウム
溶液0.1mlを添加して、アルミニウム濃度を25μ
g/l増加させた試料(アルミニウム添加血清試料)を
調製した。 (3) そして、(1)で調製した250μg/lのア
ルミニウム溶液0.1mlを0.01N塩酸0.9ml
に添加して、アルミニウム濃度25μg/lの試料(ア
ルミニウム試料)を調製した。更に、(2)のヒト血清
0.9mlに0.01N塩酸0.1mlを加えたものを
調製して試料(血清試料)とした。また、0.01N塩
酸のみからなる試料(塩酸ブランク試料)及び2回蒸留
を行った蒸留水のみからなる試料(水ブランク試料)も
調製した。 (4) (2)及び(3)で調製した5種類の試料(ア
ルミニウム添加血清試料、アルミニウム試料、血清試
料、塩酸ブランク試料及び水ブランク試料)それぞれを
実施例1の(4)及び(5)の操作に従って測定した。
これらの測定の結果を表5に示した。
【0067】
【表5】
【0068】なお、この表において、アルミニウム試料
においてはアルミニウムに由来するピーク(信号)の面
積から塩酸ブランク試料の同じリテンションタイムのピ
ーク(信号)の面積を引いたものを示し、アルミニウム
添加血清試料及び血清試料においてはそれぞれのアルミ
ニウムに由来するピーク(信号)の面積から水ブランク
試料の同じリテンシヨンタイムのピーク(信号)の面積
を引いたものを示す。この表より、本発明によるアルミ
ニウムの測定においては、ヒト血清の試料の測定でもほ
ぼ計算値どおりの測定値が得られることがわかり、これ
によりタンパク質等の高分子物質を含む複雑な組成の血
清の試料においても、その組成成分の妨害を受けずに正
確に測定が行えることが確かめられた。
【0069】実施例8 従来法との測定値の比較 従来法である、界面活性剤を含有しない移動相を用いる
高速液体クロマトグラフィーによるアルミニウムの測定
方法〔四ツ柳ら,臨床化学,21,113(1992)
参照〕と測定値を比較した。 (1) 4種類のヒト血清を用意し、このうち3種類の
血清それぞれに1g/lのアルミニウム標準液(AlC
、和光純薬工業社製、原子吸光分析用)を微量添加
して、アルミニウム濃度の異なる4種類の血清試料を得
た。 (2) これらの4種類の血清試料を試料として測定を
行うこと以外は、実施例1と同様にして測定を行った。 (3) また、(1)の4種類の血清試料を試料とし
て、界面活性剤を含有しない移動相を用いる従来法によ
り測定を行った。なお、測定の操作は、前記の文献の記
載と同様にして行った。そして、血清試料中のアルミニ
ウム濃度は、25μg/lのアルミニウム試料の面積値
に基づいて算出した。これらの測定の結果を表6に示し
た。
【0070】
【表6】
【0071】この表より、本発明による血清試料のアル
ミニウムの測定値が、フレームレス原子吸光法と良好な
相関を示す従来法での測定値とほぼ一致することがわか
り、これにより本発明での測定値が正確であることが確
かめられ、そして本発明が直ちに実用できるものである
ことが確認された。
【0072】
【発明の効果】本発明は、高速液体クロマトグラフィー
装置及びそのカラム等の現在汎用されている安価であ
り、かつコンパクトで移動が容易な装置や器具を使用
し、除タンパク処理操作、加熱反応操作及び冷却操作等
の繁雑な操作を必要とせずに、簡便かつ短時間(約20
分間)に測定を行うことができ、そして検出感度が高く
(1μg/l)、ごく微量のアルミニウムを精度良く測
定することができ、またタンパク質等の高分子物質を含
む複雑な組成の試料の測定においても測定値が影響を受
けることなく正確な測定が行え、更にランニングコスト
が低いという特色ある利点を有する有用なアルミニウム
の測定方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】3種類の試料の測定を行ったクロマトグラムで
ある。
【図2】移動相中の界面活性剤の分離能への効果を示し
たクロマトグラムである。
【図3】移動相中の界面活性剤の感度への効果を示した
グラフである。
【図4】直線性を示したグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤を含有する移動相を用いるこ
    とを特徴とするアルミニウムのクロマトグラフィーによ
    る測定方法。
  2. 【請求項2】 クロマトグラフィーが液体クロマトグラ
    フィーである請求項1記載の測定方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウムが生体試料中に含まれるア
    ルミニウムである請求項1及び請求項2記載の測定方
    法。
  4. 【請求項4】 界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムで
    ある請求項1ないし請求項3記載の測定方法。
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