JPH08150304A - 浮遊微粒子の捕捉除去装置 - Google Patents

浮遊微粒子の捕捉除去装置

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JPH08150304A
JPH08150304A JP29653194A JP29653194A JPH08150304A JP H08150304 A JPH08150304 A JP H08150304A JP 29653194 A JP29653194 A JP 29653194A JP 29653194 A JP29653194 A JP 29653194A JP H08150304 A JPH08150304 A JP H08150304A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置全体を湖沼、河川、内海等に直接沈設で
きる低コストの微粒子捕捉除去装置を提供する。 【構成】 湖沼、河川等の自然の流れを利用して捕捉箱
2に汚濁水を流入し、傾斜板群3の平行板7の間を通過
させる際に微粒子を重力により沈降させ、微粒子を汚濁
水から取り除き、微細な流出穴12から流出循環させ、
捕捉した微粒子は平行板7の下側の集積空間9に集積さ
せ、適宜排出させる。 【効果】 自然の流れを利用しているので捕捉箱への流
入動力が不要となる。捕捉箱により水流の影響を抑えて
いるから、平行板に沈降した微粒子の舞い上がりを防ぐ
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水や空気等の流体の
流れを利用して水中あるいは空気中の微粒子を捕捉箱の
内部で捕捉除去する浮遊微粒子捕捉除去装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】観賞魚用水槽、あるいは養殖池などにお
いては、魚の***物あるいは投餌後の残渣などにより、
水中に浮遊微粒子が発生し汚濁する。また、湖沼、河
川、内海などでは、供給される栄養塩類に起因して植物
プランクトン等の微粒子が発生浮遊し、一定の環境条件
下での大量発生により赤潮等の公害問題に発展してい
る。さらに、ビルやマンション等の高架水槽内部におい
ては、配管を通して水槽内部に鉄錆等の浮遊粒子が持ち
込まれ、沈殿集積することによる水質汚染の問題が発生
している。これらの浮遊微粒子による問題を解決するた
め、水中に浮遊する微粒子の捕捉除去技術の開発が望ま
れている。
【0003】従来、これらの水中に浮遊する微粒子を捕
捉除去し水を浄化させる技術として、フィルターを用い
て微粒子を除去する技術や、数mm間隔の何枚かの平行
板を設置することによって、浮遊する微粒子を速く沈降
させる技術等が存在する。フィルターによる場合、捕捉
した微粒子によりフィルターが目詰まりし、その清掃や
取換えが必要となり面倒である上、フィルターの消耗に
伴うコストが発生していた。
【0004】一方、フィルターに代って平行板を使用す
る技術としては、特開昭49−13761号公報、特公
昭56−52605号公報、特公昭61−51958号
公報、特公昭57−58206号公報、特公昭61−4
7562号公報、特開昭61−187906号公報、実
開昭59−135106号公報、実開昭61−1320
09号公報に記載されているものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、平行板を使
用する浮遊微粒子の捕捉除去装置の場合は、水の流れの
無い使用環境下でのみ有効であり、一般の場合、一旦沈
降した微粒子が様々な原因によって引き起こされる水流
によって再び舞い上がるので実用的でない。すなわち、
観賞魚用水槽内で使用する場合、エアレーションによる
対流が起こり、また、湖沼、河川、海で使用する場合、
温度差、風圧等による対流、落差による流れによって水
は常に動いている。水中に微粒子が浮遊する場合、微粒
子の比重が水よりも若干ながら重いので、重力によって
沈降しようとするが、水中の流れによって舞い上がり沈
降させることが困難である。特に、浮遊する粒子が微細
であればあるほど、僅かな流れによって舞い上がり、微
粒子は浮遊し続けることになる。
【0006】そのため、上記公報記載の技術は、いずれ
も、多数の微粒子が浮遊する水(以下、汚濁水という)
を一旦、水槽内に引き入れ、自然条件による沈降微粒子
の舞い上がりを極力抑え、汚濁水の浄化を迅速に行い、
この水槽内で汚濁水を処理して浄化した後、元に戻す構
成を採用しており、装置全体を水中に沈めて汚濁処理を
行う技術ではない。
【0007】従って、このような公報記載の技術では、
湖沼、河川、内海等の岸辺に装置設置場所を確保しなけ
ればならず、設置スペースの問題が発生し、また、汚濁
水を装置側に引き入れる動力エネルギーも必要とする
等、全体にコストが高くなるといった難点がある。
【0008】なお、特開昭53−95372号公報に
は、FBR用コールドトラップに適用される不純物沈降
分離装置が開示されているが、これはFBRプラントの
一構成要素として適用されるものであり、上記と同様に
浄化液を移動させる動力エネルギーを必要とする点で他
の公報記載の技術と何ら変わりなく、湖沼、河川、内海
等の汚濁水処理用としてそのまま単独で使用できる構成
となっていない。
【0009】そこで、この発明の目的とするところは、
装置全体を湖沼、河川、内海等に直接沈設できる低コス
トの浮遊微粒子の捕捉除去装置を提供するところにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のために
は、汚濁水を動力エネルギーを使用しなくても装置内部
に引き入れることができる構成、すなわち、汚濁水の処
理のためのエネルギーは自然の流れを利用できること
と、装置全体を水中に沈設しても捕捉除去機能があるこ
とが必要である。
【0011】本発明者は、傾斜板群を使用した捕捉除去
手段を箱の内部に設け、箱自体を水中等の流体中に設置
できる構成とするとともに、箱の側壁に微細な穴を設け
る構成により、自然の流れによって箱の内部に汚濁水が
流入し、平行板の間を通過する際に微粒子を捕捉除去し
つつ水を箱の内外で循環させれば、箱の内部で沈降させ
た微粒子が水流によって再び舞い上がるのを防止でき、
水中の透明度を向上させ得ることを発見した。
【0012】すなわち、この発明における微粒子の捕捉
除去装置として、上部に水流入口を有し水中に設置可能
な捕捉箱を設け、この捕捉箱の内部上側に平行板を所定
間隔で多数斜めに並べ、この平行板の下端部において捕
捉箱の側壁に微細な水流出穴を設けて、捕捉箱の水流入
口及び水流出穴と外部とを結ぶ循環路を形成し、この捕
捉箱内の循環路に流入した水が平行板の隙間を通過する
間に浮遊する微粒子を平行板上に沈殿させ、更に、重力
によって平行板の上面に沿って捕捉箱の底部に沈降して
いくような構成を採用した。
【0013】また、この捕捉した微粒子を捕捉箱に集積
しておく空間が必要であり、さらに集積微粒子が再び捕
捉箱外部に流出するのを防ぐ必要がある。また、捕捉箱
に流入した水は再利用のため、再び捕捉箱外部に流出さ
せ循環させる必要がある。そこで、これらの条件を満足
させるために、捕捉箱の底部と傾斜板群の下端との間
に、平行板上を重力により落下してきた微粒子を集積さ
せるための微粒子集積空間を設け、捕捉箱の側壁におい
て、傾斜板群の平行板の間隔に合わせて微粒子集積空間
の最上位置に微細な流出穴を形成し、集積微粒子の外部
への流出防止と、流入した水等の再利用を可能とする構
成を採用した。
【0014】なお、本装置を水中等の流体中に沈設する
構成を採用しているため、捕捉箱に汚濁水を流入させる
手段としては、自然のエネルギーを利用することができ
る。例えば、観賞魚用の水槽内に本装置を設置するとき
はエアレーションに伴う対流があり、ビル・マンション
等の高架水槽内部に設置するときにはヘッド圧により水
道の使用時に発生する渦流があり、さらには、河川の場
合は落差による自然の流れ、湖沼の場合には風や太陽光
の熱による温度差で起こる対流、内海の場合は潮流等が
あり、これらの流れを利用すれば汚濁水を捕捉箱の上部
流入口に容易に取り込むことができる。
【0015】これらの捕捉除去原理を考慮すれば、本装
置を、水中に浮遊する微粒子の捕捉除去装置ばかりでな
く、空気中に浮遊する微粒子の捕捉除去装置としても適
用できることになる。すなわち、本発明に係る微粒子捕
捉除去装置は、その材質、大きさ、流出穴径等を適宜選
択することで、クリーンルームにおける空気清浄装置、
ジィーゼルエンジンの煤煙除去装置、火力発電所、工場
のボイラー煙突の煤煙除去装置、砕石プラント、セメン
トプラント等の煤煙除去装置、製材所のおがくず回収装
置等、各種装置に応用できる。
【0016】なお、捕捉箱に流入する水流は、外乱エネ
ルギーの大小により異なることから、流入口部で渦流等
が発生し、平行板間に流入した際にその外乱エネルギー
により、平行板上に集積した微粒子が舞い上がる可能性
もある。そこで、捕捉箱内には、斜め方向の渦を伴うよ
うな強い流れを緩衝して滑らかに傾斜板群に導くため
に、上側の流体流入口と傾斜板群との間に整流板を設け
る構成を採用することが望ましい。
【0017】また、傾斜板群の平行板間隔について言及
すると、沈降速度の大きな浮遊物、すなわち、比重の大
きなもの又は粒子径の大きなものは、多少平行板を通過
する水流が速くても捕捉されるので、このような場合、
流出穴を大きくしてより多くの水量の処理が可能とな
る。一方、粒子径の大きな粒子が間隔の密な平行板間を
通過しようとすると、平行板間につかえて流れの邪魔に
なることがあり、所期の捕捉除去機能を発揮できない場
合がある。そのため、比重あるいは粒子径の大きなもの
から小さなものまで、水中における様々な微粒子に合わ
せて捕捉し、浄化ができるように、平行板の間隔を、粗
いものから密なものまでを複合状態で積層した傾斜板群
の構成も採用可能である。
【0018】また、傾斜板群を通過する微粒子の内、微
粒子集積空間に捕捉されないで流出穴を通じて外部に流
れ出る微粒子の捕捉率は、上記のごとく、微粒子の沈降
速度が大きいとき、すなわち微粒子の外径が大きいと
き、平行板の長さを長くしたとき、平行板の幅を大きく
したとき、平行板の鉛直線からの傾き角度を大きくとっ
たとき、平行板の入り口付近の流速を下げたとき、捕捉
箱の側壁の流出穴径を小さくしたときに、上げることが
できる。つまり、捕捉率は、主に平行板の面積と水の通
過速度に依存する。従って、捕捉率を改善するために、
平行板の面積を変更できない場合、流出穴を小さくして
流速を小さくすることで対応できる。そのため、処理水
量に応じて流出穴の穴径を調節できる機構、すなわち、
流出穴の穴径を調節可能とするシャッターを設ける構成
を採用することで、捕捉率を適宜選定することができ
る。また、このシャッターを全閉することにより、捕捉
箱の引上げ清掃時に流出穴から微粒子がこぼれ落ちるの
を防止することができる。
【0019】次に、傾斜板群の平行板の傾斜角度につい
て言及すると、これらの平行板を傾斜させるのは以下の
理由による。すなわち、平行板を水平にすると、浮遊す
る微粒子が重力により沈下堆積するが、これらを一箇所
に集積させることができない。逆に平行板を鉛直方向に
立てると、集積空間に微粒子を落下させることができる
が、微粒子を平行板に沈殿させることができない。従っ
て、平行板を傾斜させることにより、微粒子を沈殿さ
せ、かつ沈殿させた微粒子を平行板に沿って落下させ、
集積空間に集積させることができる。この傾斜角度は、
平行板の鉛直線からの角度が大きくなるほど捕捉率が向
上するが、平行板によって捕捉された微粒子が下に滑り
落ちにくくなり、平行板上に堆積するおそれがあること
から、傾斜板群の傾斜角度は鉛直線から30°〜45°
に設定されることが望ましい。
【0020】なお、微粒子集積空間に堆積した微粒子は
集積するに従ってそのレベルを上げ、捕捉箱の側面の流
出穴のレベルを越えると、微粒子はこの流出穴から外部
に流出し、その機能を失うことになる。従って、集積さ
れた微粒子を清掃により除去する必要がある。金魚鉢等
のように水深の浅いものは、この内部に沈設された装置
自体を水面に引き上げ、微粒子集積空間に溜まった微粒
子を傾斜板群を外して底部の集積微粒子を水とともに廃
棄すればよい。また、手が直接届かない水深の深い場所
等に設置した装置は、紐等をゆっくり引き上げて装置を
水面から引上げ、上記と同様に集積微粒子の除去を行え
ばよい。
【0021】また、高架水槽内に本装置を設置した場合
には、これを取り出して微粒子を廃棄することは非常に
手間暇がかかる。集積された微粒子を高架水槽の外部か
ら簡単に取り出すことができれば、清掃に要する時間の
短縮も可能となる。本発明者は、上記の点を考慮して、
捕捉箱の底部又は下部に微粒子集積空間に集積した微粒
子を排出するための排出口を設ける構成を採用すること
により、清掃に要する時間の短縮を図った。高架水槽の
場合、排出口に連結された細管の管端は通常バルブによ
って閉塞されており、微粒子が満杯になったとき、バル
ブを開くことにより高架水槽のヘッド圧によって細管か
ら流れだし、微粒子を外に排出することができる。
【0022】同様に、湖沼、河川、内海等においても、
上記排出口にパイプを連結し、別置き型のポンプで微粒
子を水とともに吸引して回収する構成も採用できる。淡
水で金属腐食の問題がなければ水中ポンプを設置しても
よい。回収した微粒子は下水の汚泥と同じ成分と考えら
れるので、そのままごみ焼却炉内部に噴霧して焼却する
か、フィルターによって水分を除去して汚泥ケーキの形
で焼却することも考えられる。なお、排出口に代わり、
捕捉箱の底部に引出しを設け、この引出し内に微粒子集
積空間を設ける構成も採用できる。
【0023】
【作用】上記のように、本装置を観賞魚用水槽、高架水
槽、あるいは湖沼、河川、内海等に沈設すると、観賞魚
用水槽ではエアレーションによる対流、高架水槽ではヘ
ッド圧による渦流、あるいは湖沼、河川、内海等では太
陽光等による対流等により、自然の水流が発生し、水流
入口から微粒子を含んだ水が捕捉箱内に導かれる。捕捉
箱内に導かれた水は、平行板の間を通って箱の側壁に設
けられた微細な流出穴から外部に流出する。平行板を通
過する水流の流速は、平行板の開口面積と側壁の流出穴
の面積比に従って低減される。平行板の間を通過する水
流は層流を形成し、平行板に近い部分は流速が遅く平行
板の中間部の流速は速い。この平行板に近い部分ではそ
の流速が遅いため、微粒子は沈降を開始し、沈降した微
粒子はさらに平行板に接近し、さらに流速の遅い部分に
入るため、ついには平行板面に沈降していく。平行板の
極近傍の流速はほとんど零に近いので、平行板上に到達
した微粒子は平行板に沿って沈降し、捕捉箱の底部に集
積される。平行板を通過する水流は、平行板の間を通過
する度に一定の割合で微粒子を失いながら循環し水中の
透明度を向上させることになる。
【0024】集積された微粒子は、微粒子集積空間に堆
積するので、堆積レベルが微細な流出穴のレベルに達す
るまでの間に清掃除去する必要がある。観賞魚用水槽な
どでは水深が浅いので、装置をそのまま取り出し、また
水深の深い場所に設置する場合には、装置に予め紐を連
結しておき、適宜水面まで取り出して、傾斜板群を取り
出した後に、集積微粒子を水ごと廃棄する。捕捉箱の底
面に残った微粒子は水道水などで洗い落とす。また、排
出口から細管を通して微粒子を排出することもでき、こ
の場合、わざわざ捕捉箱を水中から取り出さなくとも簡
単に廃棄することができる。
【0025】
【実施例】以下、添附図面に示した実施例について説明
する。図1ないし図6はこの発明に係る微粒子捕捉除去
装置を示すものであり、図1はその斜視図、図2はその
側面断面図、図3は水流出穴部分の拡大図、図4は整流
板を付設した場合の斜視図、図5はその側面断面図であ
る。
【0026】この微粒子捕捉除去装置1は、上方が開放
した直方体状の捕捉箱2と、この捕捉箱2の内部に収容
される傾斜板群3とを備えている。捕捉箱2は、上面に
流体流入口4を有し、水底等に設置可能なように平面状
の底面部5を有している。流体流入口4は、捕捉箱2の
上面を閉塞して、その一部から水を流入するために、パ
イプを接続した構造のものであってもよいが、汚濁水を
迅速に処理する上からは図1のごとく、傾斜板群3の上
面の開口面積に合わせて、捕捉箱2の上面のほとんどを
開放した矩形状であることが望ましい。捕捉箱2の上面
には、傾斜板群3の上面開口部に対応する部分を除いて
蓋6が施され、水流の影響を極力抑える構成としてい
る。
【0027】傾斜板群3は、多数の平行板7を平行に傾
斜させて連結片(図示せず)等により一体化させたもの
で、捕捉箱2の側壁2aに形成された載置片8により、
捕捉箱2の底部に微粒子集積空間9を残した状態で載置
される。この傾斜板群3は、微粒子集積空間9に集積し
た微粒子を取り除く時に取り外し可能とするために、ビ
ス等により捕捉箱2に着脱自在に固定されている。
【0028】この傾斜板群3は、長さ200mm、幅15
0mm、高さ100mmの捕捉箱2に、長さ約113mm、幅
150mmよりもやや短く、45°に傾斜した各平行板7
を間隔4〜5mmピッチで多数配列してなるものであり、
傾斜板群3の上面を捕捉箱2の上面に位置させると、そ
の下側の微粒子集積空間9の高さが約20mmとなる。こ
の平行板7の配列ピッチは上記の4〜5mmに限らず、水
流速度あるいは汚濁度に応じて種々選択でき、おおよそ
3〜10mmの範囲で選択することができる。この範囲に
限ったのは、3mmよりも小さいと目詰まりを起こし易
く、10mmよりも大きいと捕捉率が低下するからであ
る。また、当然のことながら、傾斜板群の大きさは、捕
捉箱の大きさに合わせて自由に設定できる。
【0029】なお、傾斜板群3の別の実施例として、水
流速度あるいは汚濁度のいずれにも対応できるように、
平行板間隔を粗いものから密なものにまで複合した複合
平行板からなる傾斜板群3としてもよい。この場合の平
行板7の配列ピッチは、粗いもので10mm程度、中程度
のもので6mm程度、密なもので3mm程度のものをランダ
ム状あるいは順次組み合わせて構成するようにすればよ
い。
【0030】また、捕捉率を上げるために、図4及び図
5のごとく、上側の流体流入口4と傾斜板群3との間に
升目状の整流板11を設け、平行板7に沿った斜め方向
からの強い流れが発生したとしても、これを緩衝して滑
らかに傾斜板群3に導くように構成してもよい。
【0031】捕捉箱2の微粒子集積空間9の最上側面部
には、約2mmである微細な流体流出穴12が、平行板7
の下端部において各平行板間に形成されている。この流
体流出穴12の穴径は捕捉率と関係するため、その流出
量を調節可能とするのが望ましい。
【0032】図6は流体の流出穴部の流量調節機構を示
す図で、(a)は捕捉箱2の側壁に形成された横一列に
形成された三角形の穴13に対応して、三角形の穴14
が横一列に形成されたシャッター板15を上下の案内レ
ール16に沿ってスライド可能に係合した状態を示して
いる。同図(b)は両者の穴13、14が組み合わされ
た状態を示し、図中の斜線部が流出穴径である。両者の
重合度合いにより捕捉箱2からの水の流出量が決定さ
れ、捕捉率が決定されることになる。
【0033】また、図2において、捕捉箱2の側面下部
には、微粒子集積空間9に集積した微粒子を排出させる
ための排出口18が形成されており、この排出口18
は、通常閉塞されており、必要に応じて細管19(図1
0、図12参照)を連結可能な構造とされている。
【0034】次に、上記構成の微粒子捕捉除去装置1の
使用方法を説明する。図7は観賞魚用水槽20の水の浄
化目的で微粒子捕捉除去装置1を使用した状態を示すも
のである。この場合、エアレーションによって水槽20
内に水の対流が起こっており、この対流を利用して捕捉
箱2の開口4から水槽内の水を流入する。流入した水
は、傾斜板群3の平行板7間を通過する間に水よりも比
重の大きい微粒子は重力により沈降し、平行板7に沈殿
捕捉されることになる。平行板7に捕捉された微粒子
は、平行板7の傾斜に沿って落下し、傾斜板群3の下側
に確保された微粒子集積空間9に落下堆積する。
【0035】捕捉されなかった微粒子を含む水は、平行
板7の下端部位置に形成された流出穴12から外部へ流
出するが、これらの作用が連続的に繰り返され、水が循
環することにより、水槽20内の水はその透明度を増す
ことになる。透明度の最終到達点は水槽20の中で新た
に発生する微粒子の生成速度と捕捉速度の比によって決
められる。
【0036】一般に水質が悪化するのは、浮遊する微粒
子が腐敗し、硫化水素やメタンガス等のガスを発生させ
るからであり、本装置1を使用した場合、微粒子が生成
されてからあまり時間を経過しない内に捕捉除去される
ので、本装置1の微粒子集積空間9に堆積した微粒子を
定期的に除去すれば腐敗も起こらない。
【0037】集積された微粒子の除去は、流出穴12の
レベルに達するまでの間に行う。観賞魚用水槽などでは
水深が浅いので、そのまま捕捉箱2を取り出し、捕捉箱
2から傾斜板群3を取出した後に、集積微粒子を水ごと
廃棄する。捕捉箱2の底面に残った微粒子は水道水等で
洗い落とす。実験では冬季の低温期で4週間、夏場の高
温期で2週間程度で清掃し好成績を保っている。
【0038】また、水槽20内でエアレーションを行っ
ている場合には、傾斜板群3の平行板7には、常に酸素
を含んだ水が流れることになる。そのため、平行板7上
に沈降する微粒子は集積空間9に沈降するまでの間に好
気性のバクテリアの分解作用を受けることになる。実験
結果によると、幅350mm、奥行180mm、深さ200
mm程度の水槽20に大型の金魚3びきを飼育し、10か
月間水換えなしで、pH7.5という値を得ている。
【0039】図8は湖沼、河川、内海等の水底に設置し
た載置台22上に本装置1を2台載置した例を示してい
る。この湖沼等の場合は、太陽光による水面と水底との
間の温度差により対流が起こり、河川の場合は傾斜面に
よる落差により流れが起こり、さらに、内海の場合には
潮流等により夫々水流が発生し、これら自然の流れによ
り捕捉箱2の内部に水が流入し、浄化作用が行われる。
特に、大量に微粒子が浮遊し、腐敗しているような河川
等の場合、腐敗した微粒子はさらに粒子径が小さくなる
ため浮遊し続けるが、本装置1に流入すると、腐敗微粒
子の比重が水よりも重いため、上記観賞魚用と同様な浄
化作用が行われ、その効果も大きい。
【0040】河川等に設置された捕捉除去装置1に集積
した微粒子の排出清掃作業は、図9のごとく、予め本装
置1に紐23を付け、水上の構造物又は浮き24に固定
しておく。本装置1を清掃する場合は紐23をゆっくり
と引き上げることによって観賞魚用水槽の場合と同じよ
うに清掃する。
【0041】なお、海、河川、湖沼が大型で大量の微粒
子を排出する必要がある場合には、図10のごとく、微
粒子集積空間の低部の排出口18(図2参照)に細管1
9を連結し、この細管19を通して岸辺等に別置したポ
ンプ25で微粒子を水とともに吸引して回収する。湖沼
や河川のように淡水で金属腐食の問題がなければ、水中
ポンプを設置してもよい。回収した微粒子は下水の汚泥
と同じ成分と考えられるので、そのままごみ焼却炉内部
に噴霧して焼却するか、フィルターによって水分を除去
して汚泥ケーキの形で焼却することも考えられる。
【0042】図11は高架水槽26内に本装置11を設
置した図、図12はこの高架水槽26の内部に設置され
た本装置1に細管19を連結した状態を示す断面図であ
る。高架水槽26内に本装置1を設置した場合、水槽内
のヘッド圧により渦流などが発生し、これにより水流に
より捕捉箱2内部に水を取り入れ、鉄錆等の微粒子等を
沈殿捕捉する。また、微粒子集積空間9に集積した微粒
子は細管19の先端のバルブ27を開くことにより外部
に排出することができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかな通り、
本発明に係る微粒子捕捉除去装置によると、流体中に沈
設可能な捕捉箱の多数の傾斜した平行板によって微粒子
を捕捉除去できるので、捕捉箱に水を流入循環させる動
力が不要で低コスト化が図れ、また、捕捉箱により外部
水流の影響を抑えることができるので、効率よく微粒子
を捕捉除去できる。
【0044】また、捕捉箱の流体流入口と傾斜板群との
間に整流板を設けると、外部水流の影響を極力抑えて効
率のよい浄化が可能となる。さらに、捕捉箱の側壁に形
成された流体流出穴の穴径を調節可能とするシャッター
を設けたから流出穴径の調節により適宜の捕捉率に設定
できる。
【0045】また、傾斜板群の平行板の傾斜角度を鉛直
線に対して30°〜45°に設定すれば、微粒子の沈降
捕捉及び集積が極めて良好に行い得る。さらに、捕捉箱
の底部又は下部に微粒子集積空間に集積した微粒子を排
出するための排出口を設ければ、集積微粒子を簡単に外
部に排出することができる。
【0046】なお、平行板の間隔を粗いものから密なも
のまでを複合状態で積層した傾斜板群を使用すれば、比
重あるいは粒子径の大きなものから小さなものまで、水
中における様々な微粒子に応じて捕捉し浄化することが
できるといった利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る微粒子捕捉除去装置の一実施例
を示す斜視図
【図2】同じくその断面図、
【図3】同じく流出穴部の拡大図
【図4】傾斜板群の上側に整流板を設けた例を示す斜視
【図5】同じく整流板を設けた場合の捕捉箱の断面図
【図6】流体流出穴の流量調節機構を示す図であり、
(a)はシャッター板を開放した状態の図、(b)はシ
ャッター板の穴と捕捉箱の側壁の穴との組合わせ状態を
示す図
【図7】本装置を観賞魚用水槽の浄化用に使用した例を
示す斜視図
【図8】本装置を河川、湖沼等の浄化用として使用した
例を示す斜視図
【図9】本装置の清掃を考慮して本装置を浮きなどに紐
で連結した状態を示す図
【図10】大量の集積微粒子を排出する場合の概略構成
【図11】高架水槽の内部に本装置を設置した場合の概
略図
【図12】同じく高架水槽から集積微粒子を排出する場
合の概略図
【符号の説明】
1 微粒子捕捉除去装置 2 捕捉箱 3 傾斜板群 4 流入口 5 底面 7 平行板 9 微粒子集積空間 11 整流板 12 流出穴 15 シャッター板 18 排出口 20 観賞魚用水槽 24 浮き 25 ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に流体流入口を有し流体中に設置可
    能な捕捉箱と、この捕捉箱の内部上側に平行板を多数並
    べて斜めに固定してなる傾斜板群と、捕捉箱の底部と傾
    斜板群の下端との間に形成された微粒子集積空間と、捕
    捉箱の側壁において、傾斜板群の平行板の間隔に合わせ
    て微粒子集積空間の最上位置に形成された微細な流体流
    出穴とを備えた浮遊微粒子の捕捉除去装置。
  2. 【請求項2】 前記捕捉箱の流体流入口と傾斜板群との
    間に整流板を設けた請求項1記載の浮遊微粒子捕捉除去
    装置。
  3. 【請求項3】 前記流体流出穴にその穴径を調節可能と
    するシャッターを設けた請求項1又は2記載の浮遊微粒
    子捕捉除去装置。
  4. 【請求項4】 前記傾斜板群の平行板の傾斜角度を鉛直
    線に対して30°〜45°に設定した請求項1、2又は
    3記載の浮遊微粒子捕捉除去装置。
  5. 【請求項5】 前記捕捉箱の底部又は下部に微粒子集積
    空間に集積した微粒子を排出するための排出口を設けた
    請求項1、2、3又は4記載の浮遊微粒子捕捉除去装
    置。
  6. 【請求項6】 前記平行板の間隔を、粗いものから密な
    ものまでを複合状態で積層した請求項1、2、3、4又
    は5記載の浮遊微粒子捕捉除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106215469A (zh) * 2016-09-21 2016-12-14 武汉兴天宇环境股份有限公司 一种浸入式沉淀装置及沉淀***

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CN106215469A (zh) * 2016-09-21 2016-12-14 武汉兴天宇环境股份有限公司 一种浸入式沉淀装置及沉淀***
CN106215469B (zh) * 2016-09-21 2019-08-02 武汉兴天宇环境股份有限公司 一种浸入式沉淀装置及沉淀***

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