JPH0814622B2 - カメラ回転型ect装置 - Google Patents

カメラ回転型ect装置

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JPH0814622B2
JPH0814622B2 JP15451488A JP15451488A JPH0814622B2 JP H0814622 B2 JPH0814622 B2 JP H0814622B2 JP 15451488 A JP15451488 A JP 15451488A JP 15451488 A JP15451488 A JP 15451488A JP H0814622 B2 JPH0814622 B2 JP H0814622B2
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良彦 熊澤
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 この発明は、カメラ回転型ECT装置、特に、散乱線補
正と吸収補正を行なう補正手段を備えたカメラ回転型EC
T装置に関する。
B.従来技術 カメラ回転型ECT装置においては、被検体(患者)や
コリメータなどの内部でコンプトン散乱したガンマ線が
偽の空間的情報をもたらすため、プロジェクションイメ
ージひいては再構成画像の画質劣化を招く。
この不都合を解消するために、一般的に、エネルギー
信号を波高分析し、一定のエネルギーウインド範囲に入
っている事象信号のみを有効であるとして処理してい
る。これは、コンプトン散乱線が元のガンマ線に比べて
一部のエネルギーを損失していることに対応するためで
ある。
すなわち、単一のエネルギーレベル、例えば、99mTc
(原子核が励起状態にあるテクネチウム)の140keVのガ
ンマ線の場合に、同一プロジェクションイメージでのエ
ネルギー信号の波高と、カウント数との関係(スペクト
ル)を図示すると、コンプトン散乱等のために、例えば
第6図に示すように、エネルギー信号波高に分散が生じ
る。
ところで、ガンマカメラのエネルギー分解能が半値幅
(FWHM)で10%程度であるため、前記の分散したエネル
ギー信号をある程度高い精度をもって検出するには、エ
ネルギーウインド幅wとして、20%程度が必要となる。
このウインド幅wは、カウント数ピーク値のエネルギー
信号波高値EPに関して、低レベル側と高レベル側とに10
%ずつとってある(対称ウインド法)。コンプトン散乱
による影響は、ピーク波高値EPよりも低レベル側に現
れ、かつ、散乱角度が大きいほど低レベルに現れる。
したがって、上記のようにウインド幅wとして約20%
もの大きな範囲を設定せざるを得ないとすると、低角度
のコンプトン散乱線がウインド幅w内に入り込み、これ
を除去することができないという問題がある。
この問題点を改善するために、従来から次のような対
策が講じられたり、または提案されている。
(a) 非対称ウインド法 これは、第7図に示すように、ウインド幅wの中央を
ピーク波高値EPよりも高レベル側に一定量シフトさせ、
ウインド幅wをピーク波高値EPに関して非対称にしたも
のである。これによって、ウインド幅w内に入り込むコ
ンプトン散乱線のカウント数を減少させることができ
る。
(b) エネルギー重み付け収集法 これは、エネルギー信号波高の分散が、核種,コリメ
ータの種類によって変化することに着目し、それらの種
類に応じた重み関数を予め求めておき、撮影時に得られ
た検出信号をその重み関数で補正するものである。
(c) 散乱体厚さに応じた補正方法 例えば、特開昭62−167491号公報に記載されているよ
うに、各画素単位でエネルギー信号波高の分散を求め、
これに基づいて得られた補正関数によって散乱体厚さに
応じた補正を行うものである。
C.発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記の各改善策には、それぞれ次のよ
うな問題がある。
第2図の(A)と(B)とに示すように、ガンマカメ
ラ(シンチレーションカメラ)1の回転位置が異なる
と、エネルギー信号波高の分散の状態が第7図の実線と
破線とで示すように変化する。なお、図において、2は
コリメータ、mは被検体、m1は対象臓器であり、この対
象臓器m1にRIが蓄積されている。
第2図の(A)の場合は、ガンマカメラ1のカメラ面
に垂直な方向における対象臓器m1から被検体mの体表面
までの厚さすなわち散乱体厚さd1が小さいので、コンプ
トン散乱線の影響が少なくてエネルギー信号波高の分散
が小さくなり、第7図の実線のようになるが、第2図の
(B)の場合は、散乱体厚さd2が大きいので、コンプト
ン散乱線の影響が大きくてエネルギー信号波高の分散が
大きくなり、第7図の破線のようになる。
散乱体厚さdの変化は、ガンマカメラ1の回転位置に
よるだけでなく、対象臓器m1の位置の違いや、被検体m
の形状の違い(体形の相違や太っているか痩せている
か)によっても生じる。
しかし、上記(a)の非対称ウインド法によれば、ウ
インドの幅wおよびエネルギー信号波高におけるレベル
範囲が常に一定に固定されているために、上記のエネル
ギー信号波高の分散の変化に対する補正が不完全である
とともに、分散が大きくなるほどカウントロスを生じる
という問題がある。
また、上記(b)のエネルギー重み付け収集法は、そ
の重み関数において、ガンマカメラの回転位置,被検体
形状,対象臓器の変化が考慮されていないので、散乱体
厚さの変化に起因するエネルギー信号波高の分散の変化
を補正できない。
上記(c)の散乱体厚さに応じた補正方法では、カウ
ント数を充分に大きくした理論上の計算では有効ではあ
っても、実際の臨床においては、各画素単位で前述の補
正関数を正確に算出するに足るだけのカウント数を得る
ことが困難であり(通常では1画素当たり数十ないし数
百カウント)、統計誤差が大きく現れるとともに、補正
関数を作成するとき、およびその補正関数に基づいた補
正演算をするときの処理データが膨大なものとなり、実
用性に欠けるという問題がある。
なお、ガンマーカメラに入射するガンマ線は被検体内
で吸収をうけたものであるので、定量性のあるデータを
得るには、吸収補正を行なう必要がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので
あって、実際の臨床の場合のようにカウント数が少なく
ても、ガンマカメラの回転位置,被検体形状,対象臓器
の変化に応じて常に適正な散乱線補正と共に吸収補正を
も同時に行な得るようにしたカメラ回転型ECT装置を提
供することを目的とする。
D.課題を解決するための手段 この発明は、このような目的を達成するために、次の
ような構成をとる。
すなわち、この発明のカメラ回転型ECT装置の散乱線
補正装置は、測定するガンマ線のエネルギーレベルの1
個に対してエネルギースペクトルのウインドを複数もつ
エネルギー信号波高分析器と、各ウインドごとに別個に
イメージデータを収集する手段と、各ウインドごとに得
られたイメージの総カウント数を求める手段と、ピーク
波高値よりも高レベル側のウインドに関する総カウント
数の前記各ウインドに関する総カウント数の和に対する
割合を算出する手段と、この割合をパラメータとして各
ウインドごとの重み係数を予め記憶する手段と、各プロ
ジェクションイメージ単位で前記割合に基づいて前記記
憶手段より読み出された各ウインドごとの重み係数を各
ウインドごとのイメージデータに乗じ、その結果を加算
して最終のプロジェクションイメージを得る重み付き加
算処理手段とを備えると共に前記記憶手段に記憶される
各ウインドごとの重み係数が、加算処理後の補正済みカ
ウントの総和が一定となるように定められていることを
特徴としている。
E.作 用 この発明は、同一のプロジェクションイメージ内で
は、被検体内における前方散乱についての散乱体厚さ
が、対象臓器またはその一部分である関心領域の範囲内
においては画素によらずほぼ一定であると近似して取り
扱うことが可能であることと、他の領域の範囲における
カウント数が前記対象臓器またはその一部分である関心
領域の範囲におけるカウント数に比べて一般的に微少で
あるということを利用したものである。
前記他の領域の範囲におけるカウントとしては、被検
体内において対象臓器以外の部位に分布しているガンマ
線放出核種からのガンマ線や、地面,建物等から放出さ
れるガンマ線,宇宙線などのバックグラウンド放射線の
カウントなどがある。
この発明の構成による作用は、次のとおりである。
ピーク波高値より高レベル側のウインドではコンプト
ン散乱線の影響がほとんどないことに鑑み、予め、この
ピーク波高値よりも高レベル側のウインドでの総カウン
ト数がすべてのウインドについての総カウント数の和に
占める割合を求め、この割合に基づいて、各ウインドご
との重み係数を記憶させている。
実際の測定に際しては、複数のウインドをもつエネル
ギー信号波高分析器によって、ガンマカメラから得られ
たエネルギー信号が各ウインドごとに区分され、前記ピ
ーク波高値よりも高レベル側のウインドでの総カウント
数および区分された各ウインドごとのイメージの総カウ
ント数が求められ、それらに基づいて実測時の前記総カ
ウント数の和に対する前記高レベル側のウインドでの総
カウント数の割合が求められる。
そして、各プロジェクションイメージごとに、この実
測時の割合に基づいて、前記の記憶手段からそのプロジ
ェクション角度での各ウインドごとの重み係数が読み出
され、このウインドごとの重み係数を各ウインドごとの
イメージデータに乗じ、その結果を加算して最終のプロ
ジェクションイメージを得る。
前記の重み係数は同一のプロジェクション角度におい
ては、すべての画素について共通である。したがって、
各画素のカウント数が判りさえすれば、そのカウント数
がいかに少なくても、上記の重み付き加算処理によって
ガンマカメラの回転位置,被検体形状,対象臓器の変化
にかかわらず、散乱線補正を高精度に行うことができ
る。
また、記憶手段には加算処理後の補正済みカウントの
総和がほぼ一定となるように各ウインドごとの重み係数
が記憶されているので、同時に吸収補正を行なうことが
できる。
F.実施例 以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図の(A)は、ガンマカメラ1を被検体mの真上
に位置させた状態を示し、この状態でのプロジェクショ
ンイメージについてのガンマ線のエネルギースペクトル
を第3図の(A)に示す。この場合、散乱体厚さd1が小
さいので、ピーク波高値EPでのカウント数は多くなって
いる。
第2図の(B)は、ガンマカメラ1を被検体mの真横
に位置させた状態を示し、この状態でのプロジェクショ
ンイメージについてのエネルギースペクトルを第3図の
(B)に示す。この場合、散乱体厚さd2が大きいので、
ピーク波高値EPでのカウント数は少なくなっている。な
お、第2図の(A)と(B)では、核種,コリメータ2
はもちろん、被検体m,対象臓器m1その他の条件もすべて
同一であり、使用核種としては単一エネルギーのガンマ
線放出核種(例えば、エネルギーが140keVのみの99mT
c)を使用するものとする。
第2図(B)の場合の方が、第2図(A)の場合に比
べて、散乱体厚さが大きいために、被検体m内において
低角度でコンプトン散乱したガンマ線がガンマカメラ1
に入射する確率が高く、それだけプロジェクションイメ
ージ中に偽の情報が含まれる割合が高くなっている。
エネルギースペクトルにおいてウインドとして、従来
は1個のエネルギーレベルについて1つのウインドしか
もっていなかったのに対し、この発明では、そのウイン
ドを複数に分割する。第3図の場合は、分割数が3の場
合を例示しており、エネルギーレベルの低い方から、第
1ウインドW1,第2ウインドW2,第3ウインドW3とする。
第3ウインドW3は、ピーク波高値EPよりも高レベル側に
存在するように決めてある。なお、各ウインドW1,W2,W3
のウインド幅については、同じであっても異なっていて
もよいが、第3図の場合は同一のウインド幅としてあ
る。
ピーク波高値EPよりも高レベル側にある第3ウインド
W3においては、コンプトン散乱線の入射による影響はほ
とどない。その影響が現れるのは、第1ウインドW1およ
び第2ウインドW2においてである。
第3図の(A)と(B)とのコンプトン散乱線の入射
確率の相違は、個々のウインドW1,W2,W3におけるイメー
ジの総カウント数N1,N2,N3の相違に対応させることがで
きる。より具体的には、次のとおりである。
第2図,第3図ではガンマカメラ1の2状態について
説明したが、実際のプロジェクション角度の数nは数十
ないし百数十である。そこで、i番目(i=1,2……
n)のプロジェクション角度において、各ウインドW1,W
2,W3ごとに各々のイメージの総カウント数N1i,N2i,N3i
の総カウント数の和Nsiに対する割合r1i,r2i,r3iを考え
ると、 r1i=N1i/Nsi r2i=N2i/Nsi r3i=N3i/Nsi となる。ただし、 Nsi=N1i+N2i+N3i である。
第1ウインドW1および第2ウインドW2の割合r1i,r2i
は、コンプトン散乱線によって大きな影響を受けるのに
対し、第3ウインドW3の割合r3iはほとんど影響を受け
ないので、この第3ウインドW3の割合r3i、すなわち、 に基づいて、各ウインドW1,W2,W3ごとのi番目のプロジ
ェクション角度における補正のための重み係数k1i,k2i,
k3iを前もっての実験によって求めておく。おな、重み
係数K1i,K2i,K3iは、前記した同出願人の特開昭62−167
491号公報に記載されている散乱補正係数fに対応する
ものであり、重み係数K1i,K2i,K3iは、同公報に記載さ
れている散乱補正係数fと同じ手法で算出される。但
し、特開昭62−167491号公報に記載された手法は、1画
素毎の補正であるので、この発明における重み係数K1i,
K2i,K3iの算出に際しては、プロジェクションデータ、
ならびに、各ウインドW1,W2,W3の総カウント数N1i,N2i,
N3iに置き換えて、各ウインドごとの重み係数を算出処
理し、それらを記憶させておく必要がある。この重み係
数k1i,k2i,k3iは、第3ウインドW3の割合r3iで作られる
アドレスに対応した状態で、後述するRAM7(第1図参
照)に予めストアされる。
重み係数k1i,k2i,k3iを図示すると、例えば、第4図
のようになる。この場合に、散乱線補正とともに吸収補
正をも同時に行えるようにするため、後述する画素単位
での重み付き加算処理の演算式における補正済みカウ
ント数Ci(x,y)の総和、すなわち、 ∬Ci(x,y)dxdy =k1i・N1i+k2i・N2i+k3i・N3i が一定となるように、各重み係数k1i,k2i,k3iを定め
る。
もし、プロジェクション角度のナンバーiのいかんに
かからわず、ただ単に、第3ウインドW3の重み係数k3i
を常に“1"とする状態で、他の重み係数k1i,k2iを定め
ると、後述の式による補正では、散乱線補正は行えて
も吸収補正が行えなくなるからである。先に、第3ウイ
ンドW3はコンプトン散乱線の入射による影響をほとんど
受けないといったが、光電効果やコンプトン散乱による
吸収の影響は受けるのであり、重み係数k3iを常に“1"
とすれば、吸収補正ができなくなり、散乱線補正とは別
に吸収補正を行う必要が生じる。
次に、画素単位での重み付き加算処理について説明す
る。
ガンマカメラ1のカメラ面での二次元方向の画素を
(x,y)とし、i番目のプロジェクション角度におい
て、エネルギースペクトルの第1ウインドW1に対応した
イメージにおける画素(x,y)のカウント数をC1i(x,
y)とし、第2ウインドW2での画素(x,y)のカウント数
をC2i(x,y)、第3ウインドW3での画素(x,y)のカウ
ント数をC3i(x,y)とする。
なお、x値,y値は、ガンマカメラ1の有効視野の範囲
内で連続的な多数の値をとる。例えば、ガンマカメラ1
によって得られる二次元パターンデータが、X方向,Y方
向でそれぞれ6ビットあるとすると、x値,y値ともに、
1,2……64の値をとる。
前述のようにして予め求められている重み係数k1i,k
2i,k3iを用いて、第1ウインドW1においては、各画素
(x,y)ごとのカウント数C1i(x,y)に重み係数k1iを掛
算し、k1i・C1i(x,y)を算出する。同様に、第2ウイ
ンドW2においては、k2i・C2i(x,y)を算出し、第3ウ
インドW3においては、k3i・C3i(x,y)を算出する。
そして、最終的に次式のように加算することによ
り、i番目のプロジェクション角度における各画素(x,
y)での補正済みカウント数Ci(x,y)を算出する。
Ci(x,y)=k1i・C1i(x,y) +k2i・C2i(x,y) +k3i・C3i(x,y) ………………… 重み係数k1i,k2i,k3iは、プロジェクション角度ごと
に異なるが、同一のプロジェクション角度においては、
画素(x,y)のx値,y値のいかんにかかわりなくすべて
の画素について共通である。このことは、同一のプロジ
ェクションイメージ内では、被検体内における前方散乱
についての散乱体厚さが、対象臓器またはその一部分で
ある関心領域の範囲内においては画素によらずほぼ一定
であると近似して取り扱うことが可能であることと、他
の領域の範囲におけるカウント数が前記対象臓器または
その一部分である関心領域の範囲におけるカウント数に
比べて一般的に微少であるということを利用したもので
ある。
したがって、各画素のカウント数が判りさえすれば、
そのカウント数がいかに少なくても、上記式の重み付
き加算処理によって、ガンマカメラの回転位置,被検体
形状,対象臓器の変化にかかわらず、散乱補正と吸収補
正とを高精度に行うことができ、このように補正された
プロジェクションイメージデータに基づいてバックプロ
ジェクションによる画像再構成を行えば、空間分解能が
高くコントラストが良好な高品質の断層像が得られる。
重み係数k1i,k2i,k3iについて、これを対象臓器また
はその一部分である関心領域の範囲の画素に適用するだ
けでなく、その他の周辺の範囲の画素に対しても適用す
ることによって、周辺範囲のイメージの定量性を多少劣
化させるが、一般的に臨床イメージでは、対象臓器また
はその一部分である関心領域およびその近傍の範囲のイ
メージの画質(空間分解能,コントラスト)が高く、か
つ、定量性があれば良いのであり、その他の周辺のイメ
ージについてはあまり重要視する必要がないので特に問
題にはならない。
なお、前記の総カウント数N1i,N2i,N3iは、それぞれ
次のように表すことができる。
N1i=∬C1i(x,y)dxdy N2i=∬C2i(x,y)dxdy N3i=∬C3i(x,y)dxdy 次に、カメラ回転型のシングルフォトンECT装置の散
乱線補正装置の構成を第1図に基づいて説明する。
ガンマカメラ1からは、ガンマ線が入射したx座標信
号Xと、y座標信号Yと、エネルギー信号Eと、アンブ
ランク信号(UNBLANK信号:タイミング信号)Tが出力
される。ガンマ線は、カメラ面の二次元マトリクス上の
各画素に対してランダムに入射する。
第5図に示すように、1つのガンマ線がある画素に入
射すると、その画素のx座標信号X,y座標信号Yが出力
される。そのx座標信号X,y座標信号Yが安定した時点
でアンブランク信号Tが出力され、入射した1個のガン
マ線のエネルギー信号Eがアンブランク信号Tに同期し
て出力される。
このエネルギー信号Eおよびアンブランク信号Tは、
3つのウインドW1,W2,W3に対応して設けられた第1ない
し第3の波高分析器31,32,33に入力される。x座標信号
Xおよびy座標信号Yは、3つのウインドW1,W2,W3に対
応して設けられた第1ないし第3のイメージメモリ41,4
2,43に入力される。これらのイメージメモリ41,42,4
3は、x座標信号X,y座標信号Yが指定する記憶エリアに
記憶させるべきカウント数にプラス1する二次元イメー
ジ蓄積メモリである。
各波高分析器31,32,33において波高分析により、エネ
ルギー信号Eの波高が存在するウインドWj(j=1,2,
3)に対応した波高分析器3jからアンブランク信号Tj
対応するイメージメモリ4jに出力される。例えば、1番
目のプロジェクション角度において、画素(x,y)(x
値,y値は任意)にガンマ線が入射し、そのエネルギー信
号Eの波高が第1ウインドW1に入っているとすると、第
1の波高分析器31からアンブランク信号T1が第1のイメ
ージメモリ41に入力され、このイメージメモリ41におい
てx座標信号X,y座標信号Yで指定されたアドレスのデ
ータがプラス1される。
i番目のプロジェクション角度において、所定時間
(例えば、30sec:1画素当たりのカウント数にして数十
ないし数百)のデータ収集が完了すると、各イメージメ
モリ41,42,43の各画素(x,y)にストアされた各ウイン
ドW1,W2,W3でのカウント数C1i(x,y),C2i(x,y),C3i
(x,y)が確定する。
一方、このデータ収集と並行して、第1の波高分析器
31からのアンブランク信号T1が第1の加算器51に入力さ
れ、第1ウインドW1でのカウント数が順次累積されてい
き、データ収集が完了した時点での総カウント数N
1iは、N1i=∬C1i(x,y)dxdyとなる。同様に、第2の
加算器52でのデータ収集完了時の総カウント数N2iは、N
2i=∬C2i(x,y)dxdyとなり、第3の加算器53での総カ
ウント数N3iは、N3i=∬C3i(x,y)dxdyとなる。
データ収集が完了すると、第1ないし第3の加算器
51,52,53の総カウント数N1i,N2i,N3iの信号は第4の加
算器54に出力され、総カウント数の和NSi=N1i+N2i+N
3iの演算を行い、その総カウント数の和NSiおよび第3
ウインドW3に対応する第3の加算器53の総カウント数N
3iの各信号が割算器6に入力され、割算器6において、
割合r3iが、 の演算によって算出される。割合r3iの信号がRAM7のア
ドレスを指定する。
RAM7には、予め、各ウインドW1,W2,W3ごとの重み係数
k1i,k2i,k3iがストアされており、アドレス信号r3iによ
って重み係数k1i,k2i,k3iが読み出され、重み付き加算
処理部8に転送される。
一方、各イメージメモリ41,42,43は、アドレス発生回
路9によって順次的にアドレスが更新され、各画素(x,
y)のカウント数C1i(x,y),C2i(x,y),C3i(x,y)の
データが重み付き加算処理部8に転送される。
重み付き加算処理部8は、順次送られてくるカウント
数C1i(x,y),C2i(x,y),C3i(x,y)のデータと、RAM7
から読み出した重み係数k1i,k2i,k3iとに基づいて、
式の演算を行い、その画素(x,y)についての補正済み
カウント数Ci(x,y)を算出し、重み付き加算処理部8
に内蔵されているRAM8a内の画素(x,y)に対応したアド
レスにストアする。
このような処理をすべての画素(x,y)について行う
ことにより、重み付き加算処理部8の内蔵RAM8aにはi
番目(最初は1番目)のプロジェクション角度における
最終のプロジェクションイメージのデータが格納された
ことになる。
この格納が完了すると、各イメージメモリ41,42,43
加算器51,52,53,54、割算器6がクリアされ、次のプロ
ジェクション角度(i+1)について上記と同様の処理
を行う。このような処理の繰り返しによって、すべての
プロジェクション角度i=1,2‥‥nについて、各画素
(x,y)ごとの補正済みカウント数Ci(x,y)のデータが
重み付き加算処理部8の内蔵RAM8aにストアされる。
これが完了すると、前記内蔵RAM8a内のすべての補正
済みカウント数Ci(x,y)のデータが画像再構成処理部1
0に転送され、この画像再構成処理部10において各プロ
ジェクションイメージデータに基づいて断層像が再構成
される。
なお、第1図において、符号121,122はA/D変換器であ
る。
ウインドの数,各ウインドの下限値および上限値,各
ウインドごとの重み係数の値は、使用する核種やコリメ
ータに応じて適当に設定する必要がある。
この発明は、請求の範囲を逸脱しない範囲で、種々の
変更が可能である。
例えば、上記実施例においては、1個のエネルギーレ
ベルに対してウインド数を3つとしたが、この発明はこ
れに限定されず、ウインド数は2つ以上であれば何個で
もよい。また、各ウインド幅は必ずしも同一である必要
はない。
また、単一エネルギーの核種における撮影において、
上記実施例の3つの波高分析器31,32,33の代わりに、従
来からマルチエネルギーの測定用にガンマカメラ1に標
準装備されている3つの波高分析器を流用しても構わな
い。この場合、各波高分析器のウインドを隣接させて、
互いのアッパレベルとロウアレベルとを一致させる調整
が必要である。
また、上記実施例では、ガンマ線放出核種として単一
エネルギーの核種を使用したが、この発明はこれに限定
されず、マルチエネルギーガンマ線放出核種を用いる場
合や、エネルギーレベルが異なる複数種類の核種によっ
て同時撮影する場合においても、各エネルギーレベルご
とに波高分析器のセット、イメージメモリのセットおよ
び割合r3iの算出のためのデバイス群のセットを設ける
とともに、各エネルギーレベルごとに2つ以上のウイン
ドを設けて、前記と同様の処理を行うように構成しても
よい。
さらに、ガンマカメラ1としては、従来例の場合と同
様に、内部に波高分析器が含まれているタイプのもので
もよいし、含まれていないタイプのものであってもよ
い。
G.発明の効果 この発明によれば、次の効果が発揮される。
予め、ピーク波高値よりも高レベル側のウインドでの
総カウント数がすべてのウインドについての総カウント
数の和に占める割合を求め、この割合に基づいて、各ウ
インドごとの重み係数を記憶させている。
実測時には、各プロジェクション角度ごとに複数のウ
インドをもつエネルギー信号波高分析器によって、ガン
マカメラから得られたエネルギー信号を各ウインドごと
に区分し、前記ピーク波高値よりも高レベル側のウイン
ドでの総カウント数の全ウインドの総カウント数の和に
対する割合を求め、前記の記憶手段からそのプロジェク
ション角度での各ウインドごとの重み係数を読み出し、
ウインドごとの重み係数を各ウインドごとのイメージデ
ータ(各画素のカウント数)に乗じ、その結果を加算し
て最終のプロジェクションイメージを得る。
そして、前記の重み係数は同一のプロジェクション角
度においては、すべての画素について共通であるから、
各画素のカウント数が判りさえすれば、そのカウント数
がいかに少なくても、上記の重み付き加算処理によって
ガンマカメラの回転位置,被検体形状,対象臓器の変化
にかかわらず、散乱線補正を高精度に行うことができ
る。また、記憶手段には加算処理後の補正済みカウント
の総和か一定となるように定められた各ウインドごとの
重み係数が記憶されているので、吸収補正も同時に行な
うことができる。このように補正されたプロジェクショ
ンデータに基づいて画像再構成を行うことにより、高品
質な断層像が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図はこの発明の一実施例に係り、第1
図はカメラ回転型のシングルフォトンECT装置の散乱線
補正装置のブロック構成図、第2図の(A)は、ガンマ
カメラを被検体の真上に位置させた状態の説明図、第2
図の(B)はガンマカメラを被検体の真横に位置させた
状態の説明図、第3図の(A)は第2図の(A)に対応
したガンマ線のエネルギースペクトル図、第3図の
(B)は第2図の(B)に対応したガンマ線のエネルギ
ースペクトル図、第4図は各プロジェクション角度での
各ウインドの重み係数の特性曲線図、第5図は1つのガ
ンマ線ごとにガンマカメラからの各信号が変化する状態
を示すタイムチャートである。 また、第6図は対称ウインド法における単一エネルギー
レベルの核種によるスペクトル図、第7図は非対称ウイ
ンド法におけるスペクトル図である。 W1,W2,W3……ウインド 31,32,33……波高分析器 41,42,43……イメージメモリ 51,52,53,54……加算器 6……割算器 7……重み係数格納用のRAM 8……重み付き加算処理部 10……画像再構成処理部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定するガンマ線のエネルギーレベルの1
    個に対してエネルギースペクトルのウインドを複数もつ
    エネルギー信号波高分析器と、各ウインドごとに別個に
    イメージデータを収集する手段と、各ウインドごとに得
    られたイメージの総カウント数を求める手段と、ピーク
    波高値よりも高レベル側のウインドに関する総カウント
    数の前記各ウインドに関する総カウント数の和に対する
    割合を算出する手段と、この割合をパラメータとして各
    ウインドごとの重み係数を予め記憶する手段と、各プロ
    ジェクションイメージ単位で前記割合に基づいて前記記
    憶手段より読み出された各ウインドごとの重み係数を各
    ウインドごとのイメージデータに乗じ、その結果を加算
    して最終のプロジェクションイメージを得る重み付き加
    算処理手段とを備えると共に、前記記憶手段に記憶され
    る各ウインドごとの重み係数が、加算処理後の補正済み
    カウントの総和が一定となるように定められていること
    を特徴とするカメラ回転型ECT装置。
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