JPH0813989B2 - 消臭・クレンザ−組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、消臭・クレンザー組成物に関する。更に詳
しくは、生ゴミ等の脱臭及び汚れた調理器具・食器類の
脱臭・洗浄等に有効に利用される消臭・クレンザー組成
物に関する。

〔従来の技術〕及び〔発明が解決しようとする問題点〕 一般家庭の台所、飲食店の厨房等より発生する生ゴミ
は、時間と共に次第に強い悪臭を発することが多い。

特に、腐敗し易い魚介類、蓄肉類の生ゴミは、臭気が
強い。また、野菜類では、玉ねぎ、にんにく等も臭が強
い。生ゴミを直ちに密閉型ゴミ容器に投入する場合には
臭の問題は殆ど生じないが、一般に半日〜１日放置され
ることが多く、この場合特に夏場では、生ゴミから強い
臭を発生することが多い。

従来から、生ゴミ用消臭液が提案され市販されてい
る。しかしこれらの消臭液は、生ゴミに振りかけた当初
は消臭効果もあるが、液が流れるにつれて次第に効果を
失い、時間とともに生ゴミの臭を発する。

また、生ゴミから出る臭は硫黄化合物、窒素化合物そ
の他の雑多な複合臭で、この臭に１種類の消臭液で対応
することは難しく、また多種類の消臭液を混合すると、
互いに反応して徐々に効果が失なわれる。

台所、厨房では食器類の洗浄のため、界面活性剤を混
合した無機物の微粒粉末がクレンザーとして使用されて
いる。雑多な食べ残りが付着した食器類は、これが１ヵ
所に集められると強い不快臭を発する場合が多い。しか
し、現在市販のクレンザーを、洗浄前に振りかけておい
ても消臭効果は期待出来ず、そのため悪臭を香料でマス
キングするような方法で対処している。

本発明者らは、生ゴミや食器類等に付着した食べ残し
物の臭を持続的に消臭出来、かつ洗浄作用を併せ持つ消
臭・洗浄剤を検討し、本発明を完成するに至った。

〔問題点を解決するための手段〕

従って、本発明は消臭・クレンザー組成物に係り、こ
の消臭・クレンザー組成物は、硫酸第１鉄を主成分とす
る液状消臭剤、ベタイン型両性界面活性剤を主成分とす
る液状消臭剤、サイクロデキストリン水溶液からなる液
状消臭剤、アミノ酸型両性界面活性剤とソルビタン型非
イオン界面活性剤とを主成分とする腐敗防止剤及びアル
キルエーテル硫酸エステルナトリウム型界面活性剤と脂
肪酸アルカノールアミド型界面活性剤とを主成分とする
洗浄剤をそれぞれ別個にマイクロポーラスビーズに含浸
せしめたものを、所望の比率で混合せしめてなる。

マイクロポーラスビーズとしては、SiO₂系マイクロポ
ーラスビーズが好ましく、細孔容積：約0.2〜2.0ml/g、
平均粒径：約２〜150μｍ、ビーズ形状：不定形のもの
が一般に用いられ、市販品である富士デヴィソン化学製
サイロイド63〜978、マイクロビーズシリカゲル3A、4
B、5Dなどがそのまま用いられる。

消臭剤としては、アンモニア等の窒素化合物と反応し
て消臭する硫酸第１鉄を主成分とする液状消臭剤、硫化
水素等の硫化物と反応して消臭するベタイン型両性界面
活性剤を主成分とする液状消臭剤、種々の悪臭物質を包
接除去するサイクロデキストリン水溶液が用いられる。

腐敗防止剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、例
えばアルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩とソルビ
タン型非イオン界面活性剤とを主成分とする界面活性剤
が用いられる。これは、腐敗の進行による悪臭の発生を
防ぐ。

また、洗浄剤としては、アルキルエーテル硫酸エステ
ルナトリウム型界面活性剤と脂肪酸アルカノールアミド
型界面活性剤とを主成分とする界面活性剤が用いられ
る。

これらを、それぞれ別個に、マイクロポーラスビーズ
にその細孔容積に対し20〜97容量％吸着担持させ、消臭
・クレンザー組成物の混合成分とする。

吸着担持させる方法としては、装置としてリボンブレ
ンダーあるいは回転翼付き撹拌器等を用い、装置内にマ
イクロポーラスビーズを投入し翼を回転させながら、所
望の液体を噴霧または滴下させて投入する。かくして、
所望の液状剤をマイクロポーラスビーズに吸着担持させ
た混合成分が生成する。

消臭・クレンザー組成物は、用途に応じ上記各成分を
所望の比率で混合することにより得られるが、この場合
各混合成分は、最低約５％配合されなければ有効ではな
い。

混合方法は、各成分を必要量とり、リボンブレンダー
あるいは回転翼付撹拌機等を用いて撹拌混合する。

本発明の消臭・クレンザー組成物は、例えば以下のよ
うにして使用される。

生ゴミの脱臭のためには、直接振りかける。積み重ね
られた使用済みの食器をしばらく放置する場合には、上
部から側面にかけて振りかけ、また水槽に直ちにつける
場合には水面に振りかけることにより脱臭する。更に、
食器の洗浄にあたっては、たわし、スポンジ等に振りか
け、常法により食器を洗浄するが、この際、マイクロポ
ーラスビーズのクレンザー効果とマイクロポーラスビー
ズに含まていた洗剤が滲み出してもたらす洗浄効果より
食器が清浄となり、その間脱臭効果が発揮されて調理場
の環境が改善される。

〔発明の効果〕

本発明により、広範囲な悪臭に対する持続的な消臭効
果及び機械的・化学的な洗浄効果を有し、多種の用途に
適用可能で固状で取扱いの容易な消臭・クレンザー組成
物が提供される。

〔実施例〕

次に本発明を、実施例により更に詳細に説明する。な
お、参考例に用いた原料は、次の通りである。

（１）SiO₂系マイクロポーラスビーズ：サイロイド404
（富士デヴィソン化学製）；細孔溶液:1.25ml/g、平均
細孔径:170Å、平均粒径:6μｍ、形状：不定形、色：白
色 （２）硫酸第１鉄系消臭剤；ケスカ（ミヤキ製） （３）ベタイン型両性界面活性剤；エポリオンＳ（アイ
ユー製） （４）サイクロデキストリン；デキシーパールＫ−100
（大陽漁業製） （５）腐敗防止剤；ジョリーブＡ−１（ジョリーブ製） （６）洗浄剤；リビングマスター（ダスキン製） 参考例１ サイロイド404 2kgをヘンシェルミキサーFM20/L（三
井三池製作所製）に入れ、800rpmで撹拌しながら、1800
mlの20％ケスカ水溶液を噴霧により供給し、10分後に撹
拌を止め取出した（試料Ａ）。

参考例２〜５ 参考例１の20％ケスカ水溶液1800mlにかえて、エポリ
オンＳの20％水溶液（参考例２）、ジョリーブＡ−１の
20％水溶液（参考例３）、リビングマスター100％液
（参考例４）あるいはデキシーパールＫ−100 10％水溶
液（参考例５）の各1800mlを用いた以外は、参考例１と
同様に行った（試料Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ）。

参考例６ 上記試料Ａ〜Ｅを、重量％でＡ＝35 B＝35 C＝15 D＝
10 E＝５となるように混合した（試料Ｆ）。

参考例７ 生ゴミとして、重量％で鯖の内臓25、鯖の頭15、とり
肉25、ねぎ10、玉ねぎ10、豆腐５、米飯10（鯖の内臓及
び頭、とり肉、ねぎ、玉ねぎは5mm程度に細断した）を
混合してかきまぜたものを、直径15cmの皿に50g盛った
ものを所定数調製した。調製直後のものをＧ−１、調製
後24時間経過したものをＧ−２とした。

実施例１ 底部に直径3mmの穴を３個開けたフタ付ポリエチレン
瓶中に、試料Ｆを入れた。感度0.01の上皿天秤に試料Ｇ
−１をのせ、上記ポリエチレン瓶を振って、試料Ｆを試
料Ｇ−１に5g均一に振りかけた（試料Ｈ−１）。試料Ｈ
−１の臭の経時変化を測定し、下記の基準により数値化
したものを実施例２及び比較例１〜４と対照して表に示
した。

臭の評価は、試料より約30cmの高さから発散する臭を
嗅ぐことにより行われた。

〔臭の状況〕 〔評価〕 悪臭が強く、吐き気をもよおす 10 悪臭は若干弱いが刺激があり、吐き気をもよ おす ６ 悪臭は弱いが、刺激的な臭いである ５ 悪臭は弱く、刺激臭も弱い ４ 悪臭はわずかで、刺激臭はない ３ 悪臭がかすかにある ２ 悪臭があることは分る １ 悪臭なし ０ 実施例２ 実施例１において、試料Ｇ−１にかえてＧ−２を用い
た（試料Ｈ−２）。

比較例１ 試料Ａ〜Ｅの調製に用いた液を、感度0.01の上皿天秤
にのせ、スプレー容器中にはかりとり、Ａ、Ｂ、Ｃ、
Ｄ、Ｅの順に0.83、0.83、0.35、0.24、0.12gづつＧ−
１に均一に吹きかけた（試料Ｉ−１）。その後、臭の経
時変化を実施例１と同様に測定した。

比較例２ 比較例１において、試料Ｇ−１にかえてＧ−２を用い
た。

比較例３〜４ 試料Ｇ−１（比較例３）、Ｇ−２（比較例４）を無処
理のまま、臭の経時変化を実施例１と同様に測定した。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】硫酸第１鉄を主成分とする液状消臭剤、ベ
   タイン型両性界面活性剤を主成分とする液状消臭剤、サ
   イクロデキストリン水溶液からなる液状消臭剤、アミノ
   酸型両性界面活性剤とソルビタン型非イオン界面活性剤
   とを主成分とする腐敗防止剤及びアルキルエーテル硫酸
   エステルナトリウム型界面活性剤と脂肪酸アルカノール
   アミド型界面活性剤とを主成分とする洗浄剤をそれぞれ
   別個にマイクロポーラスビーズに含浸せしめたものを、
   所望の比率で混合せしめてなる消臭・クレンザー組成
   物。
2. 【請求項２】マイクロポーラスビーズがSiO₂系マイクロ
   ポーラスビーズである特許請求の範囲第１項記載の消臭
   ・クレンザー組成物。