JPH08139020A - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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JPH08139020A
JPH08139020A JP13290195A JP13290195A JPH08139020A JP H08139020 A JPH08139020 A JP H08139020A JP 13290195 A JP13290195 A JP 13290195A JP 13290195 A JP13290195 A JP 13290195A JP H08139020 A JPH08139020 A JP H08139020A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶シリコンウエハーを用いたトランジス
タと同等の特性を有する薄膜トランジスタを提供する。 【構成】 下地膜(酸化珪素膜)102が形成された非
晶質珪素膜103上に珪素の結晶化を助長する金属元素
(ニッケル)を含有した溶液(ニッケル酢酸塩溶液)を
塗布する。そして加熱処理を施すことにより、ニッケル
シリサイドの層を形成し、パターニングを施すこによ
り、106と107で示されるシリサイド層を形成す
る。そして非晶質珪素膜108を成膜し、さらに加熱処
理を加えることにより、109や110で示される結晶
成長を行わせ、単結晶と見なせる領域であるモノドメイ
ン領域111と113を形成する。そしてこのモノドメ
イン領域111と113を用いて薄膜トランジスタの活
性層を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本明細書で開示する発明は、結晶
性を有する薄膜半導体を用いた半導体装置の作製方法に
関する。特に薄膜トランジスタの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラスや石英基板上に形成された
薄膜半導体を用いたトランジスタ(薄膜トランジスタや
TFTと称される)が注目されている。これは、ガラス
基板や石英基板の表面に数百〜数千Åの厚さを有する薄
膜半導体を形成し、この薄膜半導体を用いてトランジス
タ(絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ)を形成する技
術である。
【0003】薄膜トランジスタの応用範囲としては、ア
クティブマトリクス型の液晶表示装置が知られている。
これは、マトリクス状に配置された数十万以上の画素の
それぞれにスイッチング素子として薄膜トランジスタを
配置し、微細で高速度の表示を行わすものである。
【0004】このようなアクティブマトリクス型の液晶
表示装置に利用される薄膜トランジスタとしては、非晶
質珪素(アモルファスシリコン)薄膜を用いたものが実
用化されている。
【0005】しかしながら、非晶質珪素薄膜を用いた薄
膜トランジスタは、その特性が低いという問題がある。
例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の表示
機能としてより高い機能を求めようとする場合、非晶質
珪素膜を用いた薄膜トランジスタでは、その特性が低す
ぎる。
【0006】また、画素のスイッチングのみではなく、
周辺駆動回路をも薄膜トランジスタで構成することで、
一枚の基板の上に集積化した一体型の液晶表示システム
を構成することが提案されているが、非晶質珪素薄膜を
用いた薄膜トランジスタでは、その動作速度の低さから
周辺駆動回路を構成することができない。特に非晶質珪
素薄膜を用いた薄膜トランジスタでは、Pチャネル型を
実用化することが困難であるので(特性が低過ぎ実用に
ならない)CMOS回路が構成できないという基本的な
問題がある。
【0007】さらに、画像データ等を処理または記憶す
るための集積回路等をも画素領域や周辺駆動回路と同一
の基板上に集積化する技術も提案されているが、非晶質
珪素薄膜を用いた薄膜トランジスタでは、その特性の低
さから画像データを処理できるような集積回路を構成す
ることができない。
【0008】一方、非晶質珪素薄膜を用いた薄膜トラン
ジスタを大きく上回る特性を有する薄膜トランジスタと
して、結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタを構成す
る技術が知られている。この技術は、非晶質珪素膜の形
成後に加熱処理やレーザー光の照射を行うことにより、
非晶質珪素膜を結晶性珪素膜に変成する技術を利用した
ものである。非晶質珪素膜を結晶化させることによって
得られる結晶性珪素膜は、一般に多結晶構造あるいは微
結晶構造を有している。
【0009】結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタを
構成した場合、非晶質珪素膜を用いた場合に比較して、
はるかに高い特性を得ることができる。例えば、薄膜ト
ランジスタの特性を評価する一つの指標である移動度で
見た場合、非晶質珪素膜を用いた薄膜トランジスタでは
移動度が1〜2cm2 /Vs以下(Nチャネル型の場
合)であるが、結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタ
では、Nチャネル型で100cm2 /Vs程度以上、P
チャネル型で50cm2 /Vs程度以上のものを得るこ
とができる。
【0010】しかしながら、非晶質珪素膜を結晶化する
ことによって得られた結晶性珪素膜は、多結晶構造を有
しており、結晶粒界に起因する数々の問題があった。例
えば、結晶粒界を経由して移動してしまうキャリアが存
在するために、薄膜トランジスタの耐圧が大きく制限さ
れてしまうという問題である。また、高速動作を行わす
場合に特性の変化や劣化が起こりやすいという問題があ
る。また、結晶粒界を経由して移動してしまうキャリア
が存在するために、薄膜トランジスタがOFF時におけ
るオフ電流(漏れ電流)が多くなってしまうという問題
がある。
【0011】またアクティブマトリクス型の液晶表示装
置をより集積化した形で構成しようとする場合、画素領
域のみでなく、周辺回路をも1枚のガラス基板上に形成
してしまうことが望まれる。このような場合、マトリク
ス状に数十万個配置された画素トランジスタを駆動する
ために、周辺回路に配置された薄膜トランジスタには大
電流を扱えることが要求される。
【0012】大電流を取り扱うことのできる薄膜トラン
ジスタを得るには、チャネル幅を大きくした構造を採用
する必要がある。しかしながら、結晶性珪素膜を用いた
薄膜トランジスタでは、そのチャネル幅を広くしても耐
圧の問題から実用にならないという問題があった。また
しきい値の変動等が大きく、実用的ではないという問題
がある。
【0013】また画像データを処理するための集積回路
を結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタで構成しよう
としても、しきい値の変動や特性の経時変化の問題か
ら、実用的な集積回路(従来のICの代わりに用いるこ
とができるような)を得ることができなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本明細書で開示する発
明は、結晶粒界の影響を受けない薄膜トランジスタを提
供することを目的とする。また、本明細書で開示する発
明の他の目的は、耐圧が高く大電流を扱うことのできる
薄膜トランジスタを提供することを目的とする。また、
本明細書で開示する発明の他の目的は、特性の劣化や変
動の無い薄膜トランジスタを提供することを目的とす
る。また、本明細書で開示する発明の他の目的は、単結
晶半導体を用いた場合と同様な特性を有する薄膜トラン
ジスタを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する主要
な発明は、絶縁表面を有する基板上に第1の非晶質珪素
膜を形成する工程と、前記第1の非晶質珪素膜に接して
珪素の結晶化を助長する金属元素を接して保持させる工
程と、加熱処理を加え前記第1の非晶質珪素膜を結晶化
させる工程と、該工程において結晶化された珪素膜をパ
ターニングし結晶成長核となる層を形成する工程と、前
記結晶成長核となる層を覆って第2の非晶質珪素膜を形
成する工程と、前記結晶成長核となる層から結晶成長を
行わせ前記第2の非晶質珪素膜中に実質的に結晶粒界の
存在しない領域を形成する工程と、前記結晶成長が行わ
れた実質的に結晶粒界が含まれない領域を用いて活性層
を構成する工程と、を有することを特徴とする。
【0016】上記構成において、絶縁表面を有する基板
としては、ガラス基板、石英基板、絶縁膜が形成さたガ
ラス基板、絶縁膜が形成された石英基板、絶縁膜が形成
された半導体基板、絶縁膜が形成された導体基板を挙げ
ることができる。
【0017】上記構成における「第1の非晶質珪素膜に
接して珪素の結晶化を助長する金属元素を接して保持さ
せる工程」の具体的な例としては、図1(A)に示す工
程を挙げることができる。図1(A)においては、絶縁
膜(酸化珪素膜)102が形成されたガラス基板101
上に形成された非晶質珪素膜103の表面に珪素の結晶
化を助長する金属元素であるニッケルを含有した溶液
(酢酸ニッケル塩溶液)104を塗布した状態が示され
ている。
【0018】図1(A)に示すのは、溶液を用いて、非
晶質珪素膜の表面に珪素の結晶化を助長する金属元素で
あるニッケルを接して保持させた例であるが、非晶質珪
素膜の表面にスパッタ法やCVD法、さらには蒸着法を
用いてニッケルの層またはニッケルを含有する層を形成
する方法を採用するのでもよい。
【0019】上記構成において、「結晶化された珪素膜
をパターニングし結晶成長核となる層を形成する工程」
としては、図1(C)に示す工程を挙げることができ
る。
【0020】上記構成において、「前記結晶成長核とな
る層を覆って第2の非晶質珪素膜を形成する工程」とし
ては、図1(D)に示す工程を挙げることができる。
【0021】上記構成において、「結晶成長核となる層
から結晶成長を行わせ前記第2の非晶質珪素膜中に実質
的に結晶粒界の存在しない領域を形成する工程」として
は、図1(E)、図1(F)に示す工程を挙げることが
できる。
【0022】本明細書で開示する発明においては、珪素
を結晶化するための金属元素として、Fe、Co、N
i、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Au
から選ばれた一種または複数種類の元素が用いる。
【0023】結晶成長を行わした結果得られる実質的に
結晶粒界の存在しない領域は、モノドメイン領域と称す
ることができる。このモノデメイン領域には、珪素の結
晶化を助長する金属元素であるFe、Co、Ni、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選
ばれた一種または複数種類の元素が1×1014cm-3
1×1019cm-3の濃度で含まれていることが重要であ
る。
【0024】またモノドメイン領域は、結晶粒界となる
点欠陥や面欠陥は有していないが、中和されるべき点欠
陥を有している。従って、点欠陥を中和するための水素
またはハロゲン水素が0.001原子%〜5原子%の濃
度で含まれている。
【0025】またこのモドメイン領域には、珪素の結晶
化を助長する金属元素が1×1014〜1×1019原子c
-3の濃度で含まれている。これらの濃度は、SIMS
(2次イオン分析方法)によって得られるデータに基づ
く最小値として定義される。
【0026】なお、SIMSによって、金属元素の濃度
を1×1016原子cm-3以下の濃度で計測することは、
現状では困難である。しかし、当該金属元素を導入する
際に利用する溶液中での当該金属元素の濃度から概算す
ることが可能である。即ち、溶液中の金属元素の濃度
と、SIMSで計測される最終的に珪素膜中に残留する
金属元素濃度との関係より、SIMSで計測されない濃
度を概算することができる。
【0027】結晶化助長用の金属元素を用いて固相結晶
化を行うに当たり、金属元素を導入する方法として、大
別して2つの方法がある。
【0028】その一つは、金属元素を、スパッタ法、電
子ビーム蒸着法等の「物理的形成」を用いて、極薄い膜
として非晶質珪素膜の表面(または非晶質珪素膜の下地
膜の表面に)に成膜する方法である。これらの方法は、
非晶質珪素膜に接して、当該金属元素の膜を形成するこ
とによって、非晶質珪素膜中に当該金属元素を導入する
ものである。
【0029】この方法を用いた場合、膜中に導入される
当該金属元素の濃度を精密に制御することが困難である
という問題がある。
【0030】また、導入量を制限するために、その膜厚
を数十Å程度以下の極薄い薄膜として形成する場合、完
全な膜状として形成することが困難となる問題がある。
【0031】このような場合、金属元素の膜が島状に被
形成面上に形成されることとなる。すなわち、不均質層
(discontinuous layer)が形成されることとなる。この
問題を解決するには、例えば分子エピタキシー法(MB
E法)等を用いることにより、解決することができる。
しかし、それは限られた面積において実現されるに過ぎ
ないのが現状である。
【0032】上記のような不均一層からを形成した後に
結晶化を行わした場合、この不均一層を形成する島状の
領域のそれぞれが、結晶化の核(nuclious) となり結晶
化が進行する。
【0033】このような状況からの結晶化が進行した結
晶性珪素膜を注意深く観察すると、非晶質成分が非常に
多く残ってしまう。このことは、光学顕微鏡や電子顕微
鏡写真での観察、さらにはラマン分光法による計測によ
って確認することができる。また、金属成分が部分的に
凝集して存在してしまっていることも確認されている。
これは、結晶の核となった金属成分が核の領域にそのま
ま残ってしまうためであると考えられる。
【0034】この金属成分が部分的に凝集して存在して
いる領域は、結晶化した半導体領域中では、電子および
ホールの再結合中心として働く。このような再結合中心
は、例えば薄膜トランジスタのリーク電流の増加とい
う、極めて悪質な特性の要因となる。
【0035】一方、珪素の結晶化を助長する金属元素を
含む溶液を用いる方法がある。この方法は、溶液中に当
該金属元素を含ませ、その溶液を非晶質珪素膜の表面や
非晶質珪素膜が形成される下地膜の表面にスピンコート
法等により、塗布するのである。
【0036】このような溶液としては、用いる金属元素
によって、幾つかの種類のものを用いることができる。
代表的には、溶液の形態を有する金属化合物を用いるこ
とができる。以下に、この溶液を用いる方法に利用でき
る金属化合物の例を示す。
【0037】(1)金属元素としてNiを利用する場合 ニッケル化合物として、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、
蓚酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、沃化ニッ
ケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、蟻酸ニッケル、酸
化ニッケル、水酸化ニッケル、ニッケルアセチルアセト
ネート、4−シクロへキシル酪酸ニッケル、2−エチル
ヘキサン酸ニッケルから選ばれた、少なくとも1種類を
用いることができる。また、Niを、無極性溶媒であ
る、ベンゼン、トルエンキシレン、四塩化炭素、クロロ
ホルム、エーテル、トリクロロエチレン、フロンから選
ばれた少なくとも1つと、混合してもよい。
【0038】(2)触媒元素としてFe(鉄)を用いる
場合 鉄塩として知られている材料、例えば臭化第1鉄(Fe
Br2 6H2 O)、臭化第2鉄(FeBr3 6H2
O)、酢酸第2鉄(Fe(C232)3xH2 O)、塩
化第1鉄(FeCl2 4H2 O)、塩化第2鉄(FeC
3 6H2 O)、フッ化第2鉄(FeF3 3H2 O)、
硝酸第2鉄(Fe(NO3)3 9H2 O)、リン酸第1鉄
(Fe3 (PO4)2 8H2 O)、リン酸第2鉄(FeP
4 2H2 O)から選ばれたものを用いることができ
る。
【0039】(3)触媒元素としてCo(コバルト)を
用いる場合 その化合物としてコバルト塩として知られている材料、
例えば臭化コバルト(CoBr6H2 O)、酢酸コバル
ト(Co(C232)2 4H2 O)、塩化コバルト
(CoCl2 6H2 O)、フッ化コバルト(CoF2 x
2 O)、硝酸コバルト(Co(No3)2 6H2 O)か
ら選ばれたものを用いることができる。
【0040】(4)触媒元素としてRu(ルテニウム)
を用いる場合 その化合物としてルテニウム塩として知られている材
料、例えば塩化ルテニウム(RuCl32 O)を用い
ることができる。
【0041】(5)触媒元素してRh(ロジウム)を用
いる場合 その化合物としてロジウム塩として知られている材料、
例えば塩化ロジウム(RhCl3 3H2 O)を用いるこ
とができる。
【0042】(6)触媒元素としてPd(パラジウム)
を用いる場合 その化合物としてパラジウム塩として知られている材
料、例えば塩化パラジウム(PdCl2 2H2 O)を用
いることができる。
【0043】(7)触媒元素としてOs(オスニウム)
を用いる場合 その化合物としてオスニウム塩として知られている材
料、例えば塩化オスニウム(OsCl3 )を用いること
ができる。
【0044】(8)触媒元素としてIr(イリジウム)
を用いる場合 その化合物としてイリジウム塩として知られている材
料、例えば三塩化イリジウム(IrCl3 3H2 O)、
四塩化イリジウム(IrCl4 )から選ばれた材料を用
いることができる。
【0045】(9)触媒元素としてPt(白金)を用い
る場合 その化合物として白金塩として知られている材料、例え
ば塩化第二白金(PtCl4 5H2 O)を用いることが
できる。
【0046】(10)触媒元素としてCu(銅)を用い
る場合 その化合物として酢酸第二銅(Cu(CH3 COO)
2 )、塩化第二銅(CuCl2 2H2 O)、硝酸第二銅
(Cu(NO3)2 3H2 O)から選ばれた材料を用いる
ことができる。
【0047】(11)触媒元素として金を用いる場合 その化合物として三塩化金(AuCl3 xH2 O)、塩
化金塩(AuHCl44H2 O)、テトラクロロ金ナト
リウム(AuNaCl4 2H2 O)から選ばれた材料を
用いることができる。
【0048】これらは、溶液中では十分にそれぞれを単
分子に分散させることができる。この溶液を、触媒が添
加される被形成面上に滴下し、50〜500回転/分
(RPM)の回転速度で回転させてスピンコートする
と、この溶液を被形成面全体に広げることができる。
【0049】この時、シリコン半導体の被形成表面との
均一な濡れ性を助長させるため、シリコン半導体表面に
5〜100Åの厚さの酸化珪素膜を形成しておくと、液
体の表面張力によって、溶液が被形成面上に斑状に点在
してしまうことを十分に防ぐことができる。
【0050】また、液体に海面活性剤を添加すると、酸
化珪素膜のないシリコン半導体上でも均一な濡れのよい
状態を呈することができる。
【0051】この溶液を用いた方法は、被形成面上に当
該金属元素を含んだ有機金属化合物を膜を形成する方法
ということができる。
【0052】珪素の結晶化を助長する金属元素を酸化膜
を通じて半導体中へ原子状に拡散させることができる。
そして、結晶核(粒状)を積極的に作らずに拡散させ、
全体を均一に結晶化をさせることができる。この結果、
部分的に金属元素が集中したり、非晶質成分が多く残存
したりすることのないものとすることができる。
【0053】また、有機金属化合物を均一にコートし、
それに対し、オゾン(酸素中での紫外線(UV)の照射
による)処理をしてもよい。この場合、金属の酸化膜が
形成され、この金属酸化膜から結晶化が進行することな
る。かくすると、有機物は酸化して、炭酸ガスとして気
化除去できるため、さらに均一な固相成長をさせること
ができる。
【0054】また、溶液をスピンコートする際に、低速
回転のみでスピンコートをすると、その表面に存在する
溶液中の金属成分は、固相成長にとって必要以上の量が
半導体膜上に供給されやすい。このため、この低速回転
の後、1000〜10000回転/分、代表的には20
00〜5000回転/分で基板を回転させる。すると、
過剰な有機金属はすべて基板表面の外に吹き飛ばされ、
適性な量の金属成分を供給することができる。
【0055】導入される金属成分の量を制御するには、
溶液中の金属元素の濃度を制御すればよい。この方法
は、最終的に珪素膜中に導入される当該金属元素の濃度
を正確に制御できるので、非常に有用である。
【0056】このような溶液を用いて当該金属元素を導
入する方法は、半導体表面(またはその下地膜の表面)
上に結晶化のための金属粒子による島状の領域を作らず
に、均一な層(continuous layer) を形成させることが
できる。
【0057】そして、加熱やレーザー光の照射による結
晶化工程において、一様で緻密な結晶成長を行うことが
できる。
【0058】ここでは、溶液を用いる例を示したが、溶
液を用いる場合と同様な効果を得ることができる方法と
して、金属化合物、特に有機金属化合物の気体をCVD
法で被形成面上に形成する方法もある。
【0059】このような溶液を用いた方法は、化学的な
形成方法であるといえる。また、前述のスパッタ法等に
よる形成方法は、物理的形成方法であるといえる。そし
て、物理的形成方法が、金属核を用いた不均一な「非等
方結晶成長方法」ということができるが、化学的形成方
法は、均一な金属触媒を用いた「等方性成長」の均一な
結晶成長ということができる。
【0060】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例は、絶縁表面を有する基板上に珪
素の結晶成長を助長する金属元素の作用によって結晶化
された珪素膜よりなる結晶核を選択的に形成し、しかる
後に非晶質珪素膜を形成し、さらにレーザー光の照射に
より結晶成長を行わすことにより、選択的にモノドメイ
ン領域を形成する技術に関する。
【0061】図1に本実施例の作製工程を示す。まずガ
ラス基板101上に下地膜102として酸化珪素膜を3
000Åの厚さにスパッタ法によって成膜する。この下
地膜102は、ガラス基板101側からアルカリイオン
や不純物が拡散しないようするするためのバリア層とし
て機能する。この下地膜としては、絶縁膜であって、バ
リア効果のある材料であれば用いることができる。例え
ば窒化珪素膜を用いることができる。
【0062】下地膜102を形成したら、非晶質珪素膜
103をプラズマCVD法または減圧熱CVD法によっ
て、200Åの厚さに成膜する。この非晶質珪素膜は、
後に結晶核を構成するのに用いられるものである。この
非晶質珪素膜103は、50Å〜500Åの厚さに成膜
すればよい。
【0063】次に珪素の結晶化を助長する金属元素であ
るニッケルを含有した溶液104をスピナー100を用
いて塗布(スピンコート)する。ニッケル元素の導入量
(添加量)は、溶液104中のニッケル濃度を制御する
ことで調整することができる。ここでは、ニッケルを含
有した溶液103として、ニッケル酢酸塩溶液を用い
る。このようにして、非晶質珪素膜103の表面全体に
ニッケルが導入された状態、言い換えるならば、非晶質
珪素悪103の表面全体に接してニッケルが存在してい
る状態を実現する。(図1(A))
【0064】ここでは、ニッケルの導入方法として、溶
液を用いる方法を示したが、スパッタ法やCVD法また
は蒸着法によって、非晶質珪素膜103の表面にニッケ
ルの層またはニッケルを含有した層を形成するのでもよ
い。
【0065】次に450℃〜600℃、ここでは550
℃の温度で4時間の加熱処理を施すことにより、非晶質
珪素膜103を結晶化させて結晶性珪素膜105を得
る。この結晶性珪素膜105は、多結晶または微結晶状
態を有している。(図1(B))
【0066】次に非晶質珪素膜105をパターニングす
ることにより、後の工程で結晶核となる106と107
の層を形成する。(図1(C))
【0067】次に非晶質珪素膜108をプラズマCVD
法または減圧熱CVD法によって500Åの厚さに成膜
する。この非晶質珪素膜は後に半導体装置(例えば薄膜
トランジスタ)の活性層を構成することになる。(図1
(D))
【0068】次に試料を450℃〜600℃(この温度
の上限は基板の耐熱温度によって決まる)の温度に加熱
した状態でレーザー光の照射を行う。この工程におい
て、結晶成長の核となる部分106、107から結晶成
長が109、110に示されるように行われる。(図1
(E))
【0069】こうして、図1(F)に示されるような単
結晶とみなせるモノドメイン領域110、112を得
る。図1(F)において、111で示されるのは、非晶
質領域として残存した領域である。
【0070】〔実施例2〕本実施例は、実施例1に示し
たモノドメイン領域の形成方法を応用して、Nチャネル
型とPチャネル型の一対の薄膜トランジスタを形成する
例に関する。本実施例では、一対の薄膜トランジスタを
ガラス基板上に形成する例を示すが、同様な作製方法に
より、複数の薄膜トランジスタを形成することが可能で
ある。
【0071】まず、下地膜302として酸化珪素膜が3
000Åの厚さに成膜されたガラス基板301上に実施
例1に示した方法により、モノドメイン領域303と3
05を有する状態を得る。(図2(A))
【0072】次にパターニングを施すことにより、2つ
の薄膜トランジスタの活性層306と307とを形成す
る。図において、306で示される活性層がNチャネル
型を有する薄膜トランジスタの活性層であり、307で
示される活性層がPチャネル型を有する薄膜トランジス
タの活性層である。(図2(B))
【0073】ここでは、活性層の全体はモノドメイン領
域内に形成されるようにするが、少なくともチャネル形
成領域がモノドメイン領域内に形成されるようにする必
要がある。
【0074】次にスカンジウムを含有したアルミニウム
を主成分とする層を6000Åの厚さに成膜し、パター
ニングを施すことにより、ゲイト電極309と310と
を形成する。さらに電解溶液中において、ゲイト電極3
09と310とを陽極として陽極酸化を行うことによ
り、酸化物層311と312とを形成する。酸化物層3
11と312の厚さは2000Å程度の厚さとする。こ
の酸化物層311と3112の厚さで後の不純物イオン
の注入工程において、オフセット領域を形成することが
できる。
【0075】さらに不純物イオンの注入を行う。この工
程は、まず右側の薄膜トランジスタの領域をレジストで
マスクして、リンイオンの注入を行い。さらに左側の薄
膜トランジスタの領域をマスクしてボロンイオンの注入
を行う。こうしてNチャネル型の薄膜トランジスタのソ
ース領域313、チャネル形成領域315、ドレイン領
域316が自己整合的に形成される。また314がオフ
セット領域としてやはり自己整合的に形成される。また
Pチャネル型の薄膜トランジスタのソース領域317、
チャネル形成領域319、ドレイン領域319が自己整
合的に形成される。また318がオフセット領域として
やはり自己整合的に形成される。(図2(C))
【0076】さらにレーザー光または強光の照射を行う
ことにより、不純物イオンの注入時における活性層の損
傷のアニールと注入された不純物イオンの活性化とを行
う。この工程は、試料を450℃〜600℃の温度で加
熱した状態で行うことが効果的である。
【0077】次に層間絶縁膜として酸化珪素膜320を
プラズマCVD法で6000Åの厚さに形成し、コンタ
クトホールの形成後にアルミニウムを用いてNチャネル
型薄膜トランジスタのソース電極321とドレイン電極
322、Pチャネル型の薄膜トランジスタのソース電極
323とドレイン電極324とを形成する。さらに35
0℃の水素雰囲気中において、加熱処理を行うことによ
り、Nチャネル型の薄膜トランジスタとPチャネル型の
薄膜トランジスタとを完成させる。(図2(D))
【0078】本実施例に示した薄膜トランジスタは、各
薄膜トランジスタの活性層を単結晶と見なせる領域、即
ちモノドメイン領域を用いて構成してあるので、しきい
値の変動や特性の経時変化といった問題がないものとす
ることができる。また、本実施例で示した薄膜トランジ
スタは、高速動作が可能であるので、各種薄膜集積回路
を構成することが可能となる。
【0079】〔実施例3〕本実施例は、アクティブマト
リクス型の液晶表示装置の各画素に配置される薄膜トラ
ンジスタの構成に関する。図3に本実施例に示す薄膜ト
ランジスタの作製工程を示す。まず下地膜302が形成
されたガラス基板301上に実施例1に示した方法によ
り、モノドメイン領域303を有する珪素膜を形成す
る。(図3(A))
【0080】そしてモノドメイン領域303を利用して
Nチャネル型の薄膜トランジスタの活性層306をパタ
ーニングによって形成する。(図3(B))
【0081】つぎにゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜30
8を1000Åの厚さにプラズマCVD法で形成する。
さらにスカンジウムを含有したアルミニウムを主成分と
する膜を6000Åの厚さに電子ピーム蒸着法で成膜
し、パターニングを施すことにより、ゲイト電極309
を形成する。さらに電解溶液中において、ゲイト電極3
09を陽極として陽極酸化を行うことにより、酸化物層
311をゲイト電極309の周囲に形成する。この酸化
物層311は、後の不純物イオンの注入工程において、
マスクとして作用し、オフセット領域を形成するために
利用される。なお、酸化物層311の厚さは2000Å
程度とする。
【0082】次に不純物イオンの注入を行う。ここで
は、リンイオンの注入をイオンドーピング法で行うこと
で、313と316の領域にリンイオンの注入を行う。
この工程で、ソース領域313とドレイン領域316と
が自己整合的に形成される。また、チャネル形成領域3
15とオフセット領域314も同時に自己整合的に形成
される。(図3(C))
【0083】さらにレーザー光または強光の照射による
アニールを行う。そして層間絶縁膜として酸化珪素膜3
20を6000Åの厚さに成膜する。さらに画素電極と
なるITO電極400を形成する。次にコンタクトホー
ルを形成し、アルミニウムでなるソース電極321とド
レイン電極322を形成する。ドレイン電極322は画
素電極であるITO電極400に接続されている。(図
3(D))
【0084】本実施例で示す薄膜トランジスタは、実質
的に結晶粒界の存在しないモノドメイン領域を用いて活
性層を構成しているので、結晶粒界が存在することに起
因するOFF電流の存在を大きく低減したものとするこ
とができる。従って、アクティブマトリクス型の液晶表
示装置の画素電極に適用する構成として最適なものの一
つとなる。
【0085】〔実施例4〕本明細書に開示する発明を用
いて、より高度なアクティブマトリクス型液晶ディスプ
レーシステムを構築する例を図4に示す。現状において
は、一対の基板間に液晶を挟持した構成を有する液晶デ
ィスプレーの少なくとも一方の基板上に、通常のコンピ
ュータのメインボードに取り付けられている半導体チッ
プ(IC)を固定することによって、小型化、軽量化、
薄型化を行っている。これは、ガラス等の絶縁表面を有
する基板上に形成された薄膜トランジスタでは、公知の
ICチップに取って代わるような特性を有する集積回路
を構成できないからである。
【0086】しかしながら、本明細書で開示するような
結晶粒界の影響を事実上無視できるモノドメイン領域を
用いた薄膜トランジスタを用いた場合には、その高い特
性と安定性とから、従来よりのICチップに匹敵する集
積回路を構成することができる。
【0087】以下、図4について説明する。基板15は
液晶ディスプレーの基板でもあり、その上には薄膜トラ
ンジスタ11、画素電極12、補助容量13を具備する
画素が多数形成されたアクティブマトリクス回路と、そ
れを駆動するためのXデコーダー/ドライバー、Yデコ
ーダー/ドライバー、XY分岐回路が薄膜トランジスタ
によって形成されている。
【0088】アクティブマトリクス回路を駆動するため
には、低出力インピーダンスを有するバッファー回路を
周辺回路に配置する必要がある。図4に示す構成におい
ては、このバッファー回路を本明細書で開示する発明を
用いて形成されたモノドメイン領域で活性層を構成した
薄膜トランジスタで構成する。こうすることによって、
大電流を流すことができ、また耐圧の高い構成とするこ
とができる。
【0089】そして基板15上には、本明細書で開示す
る発明を利用して構成された薄膜トランジスタを利用し
た薄膜集積回路が形成されている。また薄膜集積回路で
構成することが不可能な部分は従来より公知の集積回路
チップを取り付けてある。勿論全ての集積回路を薄膜集
積回路(ここでいう薄膜集積回路とは、基板15の表面
に成膜された薄膜半導体を用いて形成されたものをい
う)で構成してもよい。
【0090】各集積回路や半導体チップは、配線パター
ン、ワイヤボンディング法、COG(チップ・オン・グ
ラス)法等の手段によって、基板15上の回路に接続さ
れる。
【0091】図4において、入力ポートとは、外部から
入力された信号を読み取り、画像用信号に変換する回路
である。補正メモリーは、アクティブマトリクスパネル
の特性に合わせて入力信号等を補正するためのパネルに
固有のメモリーのことである。特に、この補正メモリー
は、各画素固有の情報を不揮発性メモリーとして有し、
個別に補正するためのものである。すなわち、電気光学
装置の画素に点欠陥のある場合には、その点の周囲の画
素にそれに合わせて補正した信号を送り、点欠陥をカバ
ーし、欠陥を目立たなくする。または、画素が周囲の画
素に比べて暗い場合には、その画素により大きな信号を
送って、周囲の画素と同じ明るさとなるようにするもの
である。画素の欠陥情報はパネルごとに異なるので、補
正メモリーに蓄積されている情報はパネルごとに異な
る。
【0092】CPUとメモリーは通常のコンピュータの
ものとその機能は同様で、特にメモリーは各画素に対応
した画像メモリーをRAMとして持っている。これらの
チップはいずれもCMOS型のものである。
【0093】以上のように、液晶ディスプレー基板にC
PU、メモリーまでもが形成され、1枚の基板で簡単な
パーソナルコンピュータのような電子装置を構成するこ
とは、液晶表示システムを小型化し、その応用範囲を広
げるために非常に有用である。そしてそれらの集積回路
の一部または全てを基板上に形成され薄膜半導体を用い
た薄膜集積回路とすることは、液晶ディスプレー装置を
さらに小型化させ、その応用性を高める上で非常に有用
である。
【0094】モノドメイン領域を用いて構成された薄膜
トランジスタは、単結晶シリコンウエハー上に集積化さ
れたICに匹敵する集積回路を構成することができる。
従って、本実施例に示すようにシステム化された液晶デ
ィスプレーの必要とする回路に本明細書で開示する発明
を用いて作製した薄膜トランジスタを利用することがで
きる。特に、単結晶と見なせる領域(モノドメイン領
域)を用いて作製された薄膜トランジスタをアナログバ
ッファー回路やその他必要とする回路に利用することは
極めて有用である。
【0095】〔実施例5〕本実施例は、モノドメイン領
域の形成に際して、結晶核となるニッケルシリサイドの
領域を避けて薄膜トランジスタの活性層を形成すること
で、ニッケル元素の影響を受けにくい薄膜トランジスタ
を提供する例に関する。
【0096】図5と図6に本実施例に示す薄膜トランジ
スタの作製工程を示す。まず下地膜102が形成された
ガラス基板101上に非晶質珪素膜をプラズマCVD法
または減圧熱CVD法を用いて200Åの厚さに成膜す
る。そして、実施例1に示した方法により、ニッケル酢
酸塩溶液104を塗布する。(図5(A))
【0097】次に400℃、1時間の加熱処理を加える
ことにより、ニッケルシリサイドの層105を形成す
る。(図5(B))
【0098】そしてパターニングを施すことにより、結
晶核となるニッケルシリサイドの層107を選択的に残
存させる。(図5(C))
【0099】次に非晶質珪素膜108を500Åの厚さ
にプラズマCVD法または減圧熱CVD法によって成膜
する。(図5(D))
【0100】次に550℃の温度に加熱した状態におい
て、レーザー光を照射し、110で示されるような結晶
成長を行わす。(図5(E))
【0101】こうして、113で示されるモノドメイン
領域が形成される。(図5(F))
【0102】そしてニッケルシリサイドの層107が形
成されていた領域を避けて、パターニングにより活性層
601を形成する。(図6(A))
【0103】この状態で、ニッケルの濃度の高いニッケ
ルシリサイド直下の領域が除去されるので、活性層中の
ニッケル濃度を低くすることができる。
【0104】つぎにゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜60
3を1000Åの厚さにプラズマCVD法で形成する。
さらにスカンジウムを含有したアルミニウムを主成分と
する膜を6000Åの厚さに電子ピーム蒸着法で成膜
し、パターニングを施すことにより、ゲイト電極604
を形成する。さらに電解溶液中において、ゲイト電極6
04を陽極として陽極酸化を行うことにより、酸化物層
605をゲイト電極604の周囲に形成する。この酸化
物層605は、後の不純物イオンの注入工程において、
マスクとして作用し、オフセット領域を形成するために
利用される。なお、酸化物層605の厚さは2000Å
程度とする。(図6(B))
【0105】次に不純物イオンの注入を行う。ここで
は、リンイオンの注入をイオンドーピング法で行うこと
で、606と609の領域にリンイオンの注入を行う。
この工程で、ソース領域606とドレイン領域609と
が自己整合的に形成される。また、チャネル形成領域6
08とオフセット領域607も同時に自己整合的に形成
される。(図6(C))
【0106】さらにレーザー光または強光の照射による
アニールを行う。そして層間絶縁膜として酸化珪素膜6
03を6000Åの厚さに成膜する。次にコンタクトホ
ールを形成し、アルミニウムでなるソース電極611と
ドレイン電極612を形成する。
【0107】本実施例で示す薄膜トランジスタは、珪素
の結晶化を助長する金属元素が導入された領域を避けて
活性層を形成するために、薄膜トランジスタの動作が、
金属元素の影響を受けにくい構成とすることができる。
即ち、結晶成長の際の結晶核となる結晶化を助長する金
属のシリサイド層が形成された領域を避けて、活性層を
形成することで、活性層中に金属元素の濃度が高い領域
が存在しない構成とすることができる。
【0108】〔実施例6〕本実施例に示すのは、非晶質
珪素膜に対してプラズマ処理を行うことによって、非晶
質珪素膜中からの脱水素化(水素の離脱)を促進させ、
そのことにより、非晶質珪素膜の結晶化を促進させるこ
とを特徴とする。
【0109】ここでは、図1(D)に工程において、水
素プラズマによるプラズマ処理を非晶質珪素膜108に
対して行うものである。このプラズマは、ECR条件を
利用することによって、減圧状態におえる水素ガスをプ
ラズマ化させ、この水素プラズマに非晶質珪素膜を曝す
ことによって行う。
【0110】また、この水素プラズマ処理の最中におい
て、非晶質珪素膜をその結晶化温度以下の温度で加熱す
ることは重要である。非晶質珪素膜の結晶化温度は、非
晶質珪素膜の成膜法や成膜条件によって異なるのとな
る。一般的には、600℃〜650℃の範囲と見なすの
が妥当である。またその下限は、400℃程度である。
従って、この加熱の温度範囲は、400〜600℃とす
ることが好ましい。
【0111】また、この加熱の温度の上限を決める目安
として、用いるガラス基板の歪点を用いることも有用で
ある。即ち、用いるガラス基板の歪点を上限として、可
能な限りの高い温度で加熱を行うのである。この方法を
採用すれば、ガラス基板の変形や縮の影響を抑制して、
所定の効果を得ることができる。
【0112】水素プラズマによる処理を行うと、非晶質
珪素膜中の水素がプラズマ中の水素イオンと結合して、
水素ガスとなり、結果として膜中からの水素の離脱が促
進される。そして、珪素原子同士の結合が促進され、原
子の配列の秩序性が高くなる状態とすることができる。
この状態は、準結晶状態ともいえるもので、極めて結晶
化し易い状態となる。
【0113】このプラズマ処理を施した状態において、
加熱やレーザー光の照射によるエネルギーを与えること
によって、非晶質珪素膜の結晶化を行うことができる。
この結晶化は、非晶質珪素膜がプラズマ処理の効果によ
り非常に結晶化し易い状態となっているので、非常に再
現性よく行うことができ、しかもその結晶性を極めて高
いものとすることができる。
【0114】
【発明の効果】絶縁表面を有する基板上に形成された非
晶質珪素膜を珪素の結晶化を助長する金属元素の作用に
よって結晶化させ、この結晶化した珪素膜をパターニン
グすることによって後の結晶成長の際の結晶核を形成
し、さらにこの結晶核を覆って非晶質珪素膜を形成し、
先の結晶核を核として結晶成長を行わすことにより、モ
ノドメイン領域を形成する。そしてこのモノドメイン領
域を用いて薄膜トランジスタを構成することで、高い特
性を有する薄膜トランジスタを得ることができる。
【0115】具体的には、安定して高速動作を行わすこ
とができ、しきい値の変動や特性の経時変化が無く、ま
たOFF電流が小さく、さらに大きなON電流を扱うこ
とができる薄膜トランジスタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 モノドメイン領域を有する薄膜珪素半導体膜
の作製工程を示す。
【図2】 薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【図3】 薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【図4】 液晶ディスプレーの構成の概略を示す。
【図5】 薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【図6】 薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【符号の説明】
100 スピナー 101、301 ガラス基板 102、302 下地膜(酸化珪素膜) 103、 非晶質珪素膜 104 ニッケルを含有した溶
液 105 結晶性珪素膜 106、107、300 選択的に形成されたニ
ッケルの層またはニッケルを含んだ層 108 非晶質珪素膜 111、113 モノドメイン領域 303、305 モノドメイン領域 306、307、601 活性層 308、603 ゲイト絶縁膜 111、304、 非晶質領域 309、310、604 アルミニウムを主成分
とするゲイト電極 311、312、605 酸化物層 313、317、611 ソース電極 315、319、608 チャネル形成領域 316、319、606 ドレイン領域 314、318、607 オフセット領域 320、610 層間絶縁膜 321、323、611 ソース電極 322、324、612 ドレイン電極 400 画素電極(ITO)電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/336

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面を有する基板上に第1の非晶質珪
    素膜を形成する工程と、 前記第1の非晶質珪素膜に接して珪素の結晶化を助長す
    る金属元素を接して保持させる工程と、 加熱処理を加え前記第1の非晶質珪素膜を結晶化させる
    工程と、 該工程において結晶化された珪素膜をパターニングし結
    晶成長核となる層を形成する工程と、 前記結晶成長核となる層を覆って第2の非晶質珪素膜を
    形成する工程と、 前記結晶成長核となる層から結晶成長を行わせ前記第2
    の非晶質珪素膜中に実質的に結晶粒界の存在しない領域
    を形成する工程と、 前記結晶成長が行われた実質的に結晶粒界が含まれない
    領域を用いて活性層を構成する工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】絶縁表面を有する基板上に第1の非晶質珪
    素膜を形成する工程と、 前記第1の非晶質珪素膜に接して珪素の結晶化を助長す
    る金属元素を接して保持させる工程と、 加熱処理を加え前記第1の非晶質珪素膜を結晶化させる
    工程と、 該工程において結晶化された珪素膜をパターニングし結
    晶成長核となる層を形成する工程と、 前記結晶成長核となる層を覆って第2の非晶質珪素膜を
    形成する工程と、 前記第2の非晶質珪素膜に対して加熱した状態でレーザ
    ー光または強光を照射し前記結晶成長核となる層から結
    晶成長を行わせ、前記第2の非晶質珪素膜中に実質的に
    結晶粒界の存在しない領域を形成する工程と、 前記結晶成長が行われた実質的に結晶粒界が含まれない
    領域を用いて活性層を構成する工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】絶縁表面を有する基板上に第1の非晶質珪
    素膜を形成する工程と、 前記第1の非晶質珪素膜に接して珪素の結晶化を助長す
    る金属元素を接して保持させる工程と、 加熱処理を加え前記第1の非晶質珪素膜を結晶化させる
    工程と、 該工程において結晶化された珪素膜をパターニングし結
    晶成長核となる層を形成する工程と、 前記結晶成長核となる層を覆って第2の非晶質珪素膜を
    形成する工程と、 前記第2の非晶質珪素膜に対して450℃〜600℃の
    温度で加熱した状態でレーザー光または強光を照射し前
    記結晶成長核となる層から結晶成長を行わせ、前記第2
    の非晶質珪素膜中に実質的に結晶粒界の存在しない領域
    を形成する工程と、 前記結晶成長が行われた実質的に結晶粒界が含まれない
    領域を用いて活性層を構成する工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3において、金属元素
    として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、
    Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種
    類の元素が用いられることを特徴とする半導体装置の作
    製方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項3において、金属元素
    として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、
    Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種
    類の元素が用いられ、結晶成長が行われた領域中の前記
    金属元素の濃度が1×1014原子cm-3〜1×1019
    子cm-3であることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項3において、結晶成長
    が行われた領域には、水素またはハロゲン元素が0.0
    01原子%〜5原子%の濃度で含まれていることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
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