JPH0813507B2 - プラスチックフィルム - Google Patents

プラスチックフィルム

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JPH0813507B2
JPH0813507B2 JP63133542A JP13354288A JPH0813507B2 JP H0813507 B2 JPH0813507 B2 JP H0813507B2 JP 63133542 A JP63133542 A JP 63133542A JP 13354288 A JP13354288 A JP 13354288A JP H0813507 B2 JPH0813507 B2 JP H0813507B2
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敏 音成
信夫 城石
正之 片山
雅憲 武田
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ダイアホイルヘキスト株式会社
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、文字や図柄などを部分的に極印したプラス
チックフィルムに関する。詳しくは目視的あるいは光学
的手段により、フイルム間の識別を可能にしたフィルム
であり、各種カードや証券などの基材に適するプラスチ
ックフィルムに関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕 近年、NTTのテレホンカードやJRのオレンジカードで
代表されるプリペイドカードやキャッシュカード、クレ
ジットカードなどの各種カードの普及増加がみられるよ
うに、キャッシュレス化の傾向は着実に進行している。
このキャッシュレス化は今後更に進展するものと考え
られるが、この場合各種カード間の目視による識別はも
とより、各カード個々間の真偽の識別を確実に行なえる
ことが必要不可欠である。
従来、各種カード類の真偽を確認する手段としては、
エンボス文字やカードパンチあるいはバーコード印刷な
どにより識別する方法、又は塗設磁性層に記憶させた暗
証番号や、その他記録信号を利用機器にて検出し識別す
る方法が用いられている。また、証券類においても紙質
を特殊化したり、特殊な印刷方法を採用することにより
偽造防止を図っている。
しかしながら、各種カード類が多様化するなかでエン
ボス文字やカードパンチあるいはバーコード印刷での識
別方法は単にカードを加工することで容易に付与できる
方法であり、また磁気記録による方法も記録内容の読出
しや書き込みが比較的容易に行なえることから必ずしも
充分な機密性を保持できる方法とは言えず、従って偽造
や悪用が容易であるという欠点を有していた。また、証
券類における特殊化も完全には偽造を防止することはで
きず、偽造品によるトラブルが度々発生している。
このようなシャッシュレスカードや証券などの安全性
の問題は、カード利用範囲の拡大や利用者数の増加ある
いはカード一枚、証券一枚あたりの高額化傾向に伴い、
極めて重要視されるようになり、今後、益々欠くことの
できない問題になることは必至である。
従って、かかる問題、即ち偽造を防止し、利用の際の
安全性や機密性を向上させる為には、ソフト面での対応
のみならず、カード加工面、ひいては使用する基材自体
に偽造防止機能を付与することが、有効であると考えら
れるが、従来この点に言及した例は殆どないのが現状で
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、かかる実情に鑑み、カードや証券の基
材として用いられるプラスチックフィルム自体に偽造防
止機能を具備したフィルムを提供するため鋭意研究を重
ねた結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は部分的に極印が施されたプラス
チックフィルムであって、該フィルムの極印の施されて
いない部分の気泡含有率が10〜60体積%であり、かつ隠
蔽度が0.2以上であり、極印の施された部分と極印の施
されていない部分との隠蔽度の差が0.11以上であること
を特徴とするプラスチックフィルムに存する。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明でいうプラスチックフィルムとは、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニール、ポリスチ
レンなどで例示される熱可塑性ポリマーを主体とする薄
葉体のことである。従って本発明においてはポリマーの
種類について特に限定されるものではないが、フィルム
の物理的特性や表面特性などの点からポリエステルフィ
ルムが好ましく用いられる。ここで言うポリエステルと
は、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン
−2,6−ナフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレー
ト)、ポリ(シクロヘキシレンジメチルテレフタレー
ト)、ポリ(エチレンビスフェノキシカルボキシレー
ト)、またはこれらの変性体などを指すが、これらのポ
リエステルの中でも寸法安定性や機械的強度などの点か
ら本発明においてはポリ(エチレンテレフタレート)が
特に好ましく使用される。
さて、本発明はかかるプラスチックフィルムの表面及
び/又は内部に微細な気泡を含有したフィルムを用いる
ところに特徴があって、該フィルム中の気泡含有率は10
〜60体積%であることが必要であり、且つ隠蔽度は0.2
以上であることが必要である。好ましくはフィルム中の
気泡含有率が15〜50体積%であり、隠蔽度が0.3以上で
ある。かかる気泡含有率が10体積%未満であると極印を
施した際、明瞭は透し模様を形成し難いため好ましくな
い。一方、気泡含有率が60体積%を超えるとフィルムの
機械的強度が著しく低下するため好ましくない。またか
かるフィルムの隠蔽度が0.2未満であるとフィルム中に
含有する微細な独立気泡の径が極めて大きくなり、機械
的強度が低下するばかりか、本発明の主眼である目視あ
るいは光学的手段による識別が困難となるので好ましく
ない。
本発明では、かかる特性を有するプラスチックフィル
ムを使用することが必要であるが、微細な独立気泡を含
有する構造体であり、且つかかる特性及び要件を満たす
限りその製造方法について特に限定されるものではな
い。
かかる微細気泡を含有せしめた構造体を製造する方法
としては、従来例えば特開昭50−38765号公報や特公昭5
7−46456号公報などに記載されているようなガスあるい
は気化可能な物質を配合する方法、または特開昭52−43
871号公報や特公昭58−50625号公報などに記載されてい
るような化学的な分解を利用してガスを発生させる物質
を添加する方法、あるいは特開昭51−34963号公報や特
公昭52−27666号公報などに記載されているような溶剤
に可溶な物質を添加し、成型後液体に含浸させて抽出す
る方法などが挙げられ、いずれの方法を用いても構わな
い。
しかしながら本発明で好ましく用いられるポリエステ
ルフィルムを容易に得る方法としては、例えば本発明者
らが先に提案した特願昭61−313896号明細書に記載の方
法が特に好ましい。
即ち、ポリエステルに特定のポリオレフィンを配合し
て、押出成形し、次いで該シートを少なくとも一軸方向
に延伸してフィルムとする方法である。詳しくは、ポリ
エステルにポリプロピレンを3〜40wt%配合し、溶融押
出成形して実質的に無定形のシートとなし、次いで該シ
ートを少なくとも一軸方向、好ましくは二軸方向に面積
倍率で4倍以上延伸することによりフィルムとし、フィ
ルム表面及び内部に微細な独立気泡を無数に含有せしめ
たポリエステルフィルムとする方法である。
かかる方法を採用すれば本発明に必要な気泡含有率が
10〜60体積%であり且つ隠蔽度が0.2以上のフィルムを
容易に得ることができる。しかも通常の延伸ポリエステ
ルフィルムを製膜する装置の改造を特別必要としないこ
とから製造コストは安価に抑えることが可能であり、工
業的メリットは極めて大きい。
かかる方法を更に詳しく説明する。かかる方法におい
て配合されるポリプロピレンとは少なくとも95モル%以
上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単位を有する
結晶性ホモポリマーである。使用するポリプロピレンが
非晶性である場合、ポリエステルに配合して無定形シー
トとしたとき、該シート表面にブリードアウトし、冷却
ドラムや延伸ロール等の表面を汚染するため好ましくな
い。また、かかるポリプロピレンに、例えばエチレン単
位が10モル%以上共重合されていると、延伸フィルムの
内部に微細気泡を十分含有せしめることができず好まし
くない。かかるポリプロピレンのメルトフローインデッ
クス(以下MFIと略す)は0.2〜120、好ましくは0.5〜50
が好ましい。MFIが0.2未満であると生成する気泡が極め
て大きくなり、延伸製膜時の破断が頻発し、一方MFIが1
20を超えると往々にしてテンターにおける延伸時クリッ
プ外れを起こすなどいずれにおいても生産性に劣るため
好ましくない。かかるポリプロピレンの配合量は3〜40
重量%が好ましい。ポリプロピレンの配合量が3重量%
未満であると気泡の生成量が少なく、フィルム中の気泡
含有率が10体積%以上の達成は難しくなり、一方、40重
量%を超えると延伸時の破断が多発するようになり生産
性を著しく損なうため好ましくない。
かかる方法においては、少なくとも一軸方向に延伸す
ることが必須要件である。これはポリエステルとポリプ
ロピレンを単に配合しただけではフィルムの機械的強度
が充分でなく、また微細な独立気泡を充分含有せしめる
ことができず、延伸工程を経て初めて、これらの事が達
成させるからである。
かかる延伸方法自体は特殊な操作を必要とせず、通常
のポリエステルフィルムと同様の条件を採用し得る。即
ち、ポリエステルとポリプロピレンとの混合物を原料と
して押出機により、250〜330℃で溶融してダイからシー
ト状に押出し、約70℃以上に冷却して実質的に無定形の
シートとする。
次いで該シートを縦及び/又は横方向に面積倍率で4
倍以上、好ましくは9倍以上延伸し、更に120〜250℃で
熱処理を行なうことにより、本発明の気泡含有率10〜60
体積%で且つ隠蔽度0.2以上のフィルムを得ることがで
きる。
本発明に用いられるポリエステルフィルムを比較的容
易に得るいまひとつの方法としてポリエステルに多量の
炭酸カルシウムなどの不溶融粒子類を配合して押出成形
し、次いで無定形シートを少なくとも一軸方向に延伸し
てフィルムとする方法も挙げられる。
即ち、該シート延伸時、粒子周辺に故意に空隙を形成
せしめてなるフィルムである。この方法で得られるフィ
ルムは前述のポリプロピレン配合法に比べ、多少製膜性
に劣り、後述する極印を施す際の応力が大きい欠点を有
するものの、比較的安価に製造できることから有用であ
る。
本発明に用いられるプラスチックフィルムは、このよ
うにして製造されるが、その基本的特性を損なわない限
り各種用途に応じて各種添加物を配合しても何ら構わな
い。かかる添加物としては、例えば抗酸化剤、紫外線吸
収剤、滑剤、帯電防止剤、染料、顔料、蛍光増白剤、マ
ット化剤、界面活性剤などが挙げられ、必要に応じ適切
な方法で適当量添加することができる。
本発明のフィルムは、このようにして得られた気泡含
有率10〜60体積%且つ隠蔽度0.2以上のプラスチックフ
ィルムに部分的な極印を施すことにある。
極印は、例えば任意の文字や図柄などを彫刻した硬質
の金属や非金属の印形を使用し、プレス機やプレスロー
ラー等により、かかるプラスチックフィルム面内の任意
の位置に部分的な加圧処理を行なうことにより施され
る。かかる処理によって、圧力が加わった部分は比較的
容易に凹部を形成すると同時に該凹部は加圧処理しない
部分に比べ隠蔽度が劇的に低下する。この隠蔽度の低下
は、フィルムに内在する微細気泡が押し潰され、気泡に
よる光学的散乱が低下したためと考えられる。
かくして得られた本発明のフィルムは、フィルム面内
に部分的加圧処理を施した部分と加圧処理されない部分
との間に目視でも明瞭に識別できる極印いわゆる透しが
形されたフィルムとなる。
しかも本発明のフィルムは加圧処理により凹部が選択
的に形成されるため該凹部周囲に凸部を殆ど形成するこ
とはなく、ロール状に巻き上げる際、スリキズの発生や
ロール端面の不揃い等の欠陥を生ずることはない。
すなわち、微細気泡を含有しない通常のプラスチック
フィルムに極めて強力な部分的加圧処理、例えば鋭利な
印形を用い印形の頭部をハンマー等で打撃する等の方法
を適用すれば凹部を形成させることは可能であるが、劇
的な隠蔽度差いわゆる透しは望み難く、また、凹部の周
囲に必然的に凸部が形成されてしまうので、ロール巻き
上げやカード類などの加工工程内においてスリキズやロ
ール間走行時の蛇行ひいては印刷層などを塗工した場合
の塗布ヌケといったトラブルの発生は避けられない。
本発明における部分的極印処理条件については特に限
定されるものではないが、処理温度は室温〜プラスチッ
クフィルムの主体となる熱可塑性ポリマーの融点(Tm)
の範囲内で処理時間0.1〜300秒の条件下、1〜300kg/cm
2の圧力を加える方法が好ましく採用される。
即ち、処理温度がTmを超えると加圧部分でポリマー自
体が溶融し印形に付着し連続性を阻害するばかりか凹部
形成、即ち極印形成の境界が不明瞭となるため好ましく
ない。また、処理時間が300秒を超えるともはや凹部形
成及び隠蔽度の低下は飽和状態となり、生産性にも劣る
ため好ましくなく、一方0.1秒未満では、比較的大面積
の透しを形成させた場合不規則な隠蔽度ムラを生じるた
め好ましくない。また、加圧々力が1kg/cm2未満である
と内在する気泡を充分押し潰すことができず、透し模様
が目視的あるいは光学的に不良となり好ましくなく、一
方300kg/cm2を超えると内在気泡を押し潰して凹部を容
易に形成するものの、凹部の周囲に波状シワを発生した
り、凹部をも形成するようになり、平面性の悪化やスリ
キズ発生の原因となるため好ましくない。
本発明においては、例えば上記極印処理条件を採用す
ることにより、極印の施された部分と極印の施されてい
ない部分との隠蔽度の差を0.11以上とする必要がある。
かかる差が0.11未満では、透かし模様の目視識別性が劣
る。
本発明において極印を施す場所や位置はフィルム面内
の任意の部分に行なうことができるが、フィルム面内で
加圧処理を受ける面積分率は0.01〜50%が好ましく、更
に好ましくは0.02〜40%である。かかる面積分率が0.01
%未満であると、目視的あるいは光学的手段による識別
が困難である。一方、面積分率が50%を超えるとフィル
ムの平面性が悪くなり、後加工での磁性層や印刷層を形
成する際塗工が困難となるため好ましくない。
さて、かかる部分的極印処理を施す工程はフィルムの
製造工程内あるいは工程外で行なうが、本発明の目的と
するカード類や証券類等に加工する工程内で行なっても
構わない。
また、カード類や証券類等に加工した後に部分的極印
処を行なっても何ら構わないが、本発明の意図する偽造
防止や真偽判別に対しては必ずしも有効でない。即ち、
本発明のフィルムはカード類や証券類等に加工完成する
以前に極印を施すことが好ましく、予め極印したフィル
ムの少なくとも片面に磁性層や印刷層あるいは表面ラミ
ネート層や表面コート層などを形成する。従ってカード
類などの最終的商品に物理的変性なくして偽造し細工を
することは困難であり、そのような物理的変形を与えて
極印を付与したものとは、一目瞭然で真偽判別が可能で
ある。
また、例えばカードに施した極印模様とカード上の磁
気部分に記憶させた信号及びカード表面の平面性を組合
わせて照合させるシステム機器を採用すれば真偽判別は
更に明確になり、偽造防止機能としては更に高度なもの
となる。
かくして偽造防止や真偽判別に有効な本発明の極印を
施したフィルムは得られるが、フィルム表面の濡れ性や
磁性層あるいは印刷層などとの接着性などを改良するた
めに各種表面処理、例えばコロナ処理、プライマー処
理、火炎処理、溶剤処理、紫外線処理、プラズマ処理、
イオンプレーティング処理、放射線処理、サンドブラス
ト処理などを片面又は両面に極印を施す以前あるいは以
後の適当な時期に必要な量だけ行なうことができる。ま
た、これらの処理方法を複数組合わせて行なってもよ
く、両面に行なう場合同一処理方法を行なってもよく異
なってもよい。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。本発明における諸特性の測定は次に示
す方法にて行なった。
(1) フィルム見掛け密度ρ(g/cm3);プラスチ
ックフィルムの任意の部分から10cm×10cmの正方形を5
枚切出し、それぞれのサンプルについて、マイクロメー
タにて任意の9ケ所の厚みを測定し、それぞれの平均厚
みから体積を求めた後、各切出しサンプルの重量を計量
することにより1cm3当りの重量を計算し、5枚のサンプ
ルの平均値を求めフィルム見掛け密度値とした。
(2) 気泡含有率V(体積%);フィルム製造に使用
する各原料の真密度ρ(g/cm3)及び前記(1)項に
示すフィルム見掛け密度ρ(g/cm3)を測定し次式に
より気泡含有率V(体積%)を計算した。
(3) 隠蔽度O.D;マクベス濃度計TR−927型を使用し
ビジュアル光による透過濃度を測定した。測定は3点行
ない、その平均値を隠蔽度値とした。この値が大きい
程、隠蔽性が高いことを示す。
実施例1 MFI 15の結晶性ポリプロピレン(密度=0.9g/cm3)チ
ップを13重量%及び平均粒径0.3μmの酸化チタン(密
度=3.8g/cm3)を40重量%含有する極限粘度(以下
〔η〕と略す)0.543のポリ(エチレンテレフタレー
ト)チップいわゆるマスターチップを12.5重量%及び
〔η〕0.678のポリ(エチレンテレフタレート)(密度
=1.4g/cm3)チップ74.5wt%を均一にブレンド配合した
原料を押出機にて290℃で溶融し40℃冷却ドラム上にシ
ート状に押出し約0.6mm厚の無定形シートを得た。次い
で、該シートを縦方向に3倍、横方向に3倍延伸し、23
5℃で5秒間熱処理して、最終的にフィルム厚103μm、
フィルム見掛け密度0.95g/cm3の微細気泡含有ポリエス
テルフィルムを得た。得られたフィルムは、気泡含有率
が35体積%であり、隠蔽度が0.82である高隠蔽性白色フ
ィルムであった。
かかるポリエステルフィルムをA−4カット版に切出
し、予め170℃に設定したプレス機にて、印形と重ね合
わせフィルム面内の一部に15kg/cm2の圧力で60秒間加圧
処理を行なった結果、加圧処理部のフィルム厚は88μm
となり、15μmの凹部を形成すると同時に、隠蔽度は0.
55となり、未加圧部分との間に0.28の隠蔽差を生じた。
また、この部分的な加圧処理を施したフィルムを自然光
に向けて観察したところ、透し模様がくっきりと目視識
別できるものであった。なお凹部を形成する境界には余
分な凸部の形成は認められなかった。
実施例2 前記の実施例1で使用した酸化チタンのマスターチッ
プを配合せず、ポリプロピレンチップを22重量%とポリ
(エチレンテレフタレート)チップを78重量%を使用し
均一にブレンドした原料を使用する以外は実施例1と同
様にして最終的にフィルム厚108μm、フィルム見掛け
密度0.70g/cm3の微細気泡含有ポリエステルフィルムを
得た。得られたフィルムは気泡含有率が47体積%であ
り、隠蔽度は0.82の白色高隠蔽性フィルムであった。
かかるポリエステルフィルムを実施例1と同様にし
て、120℃、10kg/cm2、30秒間部分的加圧処理を行なっ
た結果、加圧処理部の厚さは92μmとなり、隠蔽度は0.
63となった。即ち、フィルム面内に16μmの凹部を形成
し同時に隠蔽度差0.19を生じて、目視で明瞭に識別でき
る透し模様を形成した。なお凹部形成の周囲に凸部を形
成することはなかった。
実施例3 前記の実施例1で使用したポリプロピレンチップを10
重量%及び酸化チタンマスターチップ7.5重量%及びポ
リ(エチレンテレフタレート)チップ82.5重量%とした
原料に変更する以外は、実施例1と同様にして、最終的
にフィルム厚240μm、フィルム見掛け密度1.0g/cm3
微細気泡含有ポリエステルフィルムを得た。得られたフ
ィルム中の気泡含有率は30体積%であり、フィルムの隠
蔽度は1.23であった。
かかるフィルムを実施例1と同様にして部分的加圧処
理を180℃、18kg/cm2、120秒の条件下で行なった結果、
加圧処理部の厚さは221μm、隠蔽度は1.02となり、実
施例1と同様目視で識別できる透し模様を形成し、凹部
形成した周辺に凸部を形成することはなかった。
実施例4 前記の実施例1に示したポリプロピレンチップを3重
量%、及び平均粒径1.45μmの炭酸カルシウム(密度=
4.0g/cm3)を40重量%含有する〔η〕0.556のポリ(エ
チレンテレフタレート)チップいわゆるマスターチップ
を37.5重量%及び実施例1に示したポリ(エチレンテレ
フタレート)チップを59.5重量%を均一にブレンドした
原料を使用する以外は実施例1と同様にして、最終的に
フィルム厚171μmフィルム見掛け密度1.38g/cm3、隠蔽
度1.41である気泡含有率22体積%の白色高隠蔽性フィル
ムを得た。かかるフィルムを実施例1と同様にして部分
的加圧処理を200℃、25kg/cm2、180秒の条件下で行なっ
た結果、加圧部分のフィルム厚は162μm、隠蔽度は1.3
0となり、実施例1と同様目視で識別できる透し模様を
形成した。
比較例1 実施例1に使用したポリプロピレンチップを全く配合
せず、酸化チタンマスターチップを37.5重量%とポリ
(エチレンテレフタレート)チップ62.5重量%を均一に
ブレンドした原料を使用する以外は実施例1と同様にし
て、最終的にフィルム厚106μmフィルム見掛け密度1.7
1g/cm3の白色ポリエステルフィルムを得た。得られたフ
ィルムは、隠蔽度1.17で高隠蔽性を示したが、気泡含有
率が3体積%と低い白色フィルムであった。
かかるフィルムを実施例1と同様、プレス機にて200
℃で25kg/cm2の部分的加圧処理を180秒間行なったが、
実施例1に比べより高温側で高加圧及び長時間行なった
にも拘らず、加圧処理部分のフィルム厚は全く変化せ
ず、また、隠蔽度も1.16と殆ど隠蔽度差を生じなかっ
た。まず、実施例1と同じように自然光に向けてフィル
ムを観察しても透し模様は全くみられないばかりか加圧
処理した形跡すら識別できなかった。そこで鋭利な印形
を使用し、印形の頭部をハンマーで打撃したところ凹部
形成することはできたが、透し模様は明瞭でなく、凹部
の周囲に凸部形成していた。
比較例2 実施例1で使用した酸化チタンマスターチップを全く
配合せず、ポリプロピレンの代りにMFI 2.1の低密度ポ
リエチレン(密度=0.92g/cm3)チップを10重量%と
し、ポリ(エチレンテレフタレート)チップ90重量%と
均一にブレンドした原料を使用する以外は実施例1と同
様にしてフィルム化を行ない、最終的にフィルム厚252
μm、フィルム見掛け密度1.19g/cm3のフィルムを得
た。得られたフィルムは気泡含有率が12体積%であった
が、隠蔽度が0.14と低いものであった。
かかるフィルムを実施例1と同じようにプレス機にて
170℃で15kg/cm2、120秒間部分的加圧処理を行なった結
果加圧部分のフィルム厚は243μmとなり9μmの凹部
を形成したが、隠蔽度は0.13で殆ど隠蔽度差を生じなか
った。また、実施例1と同じように自然光に向けてフィ
ルム面内を観察すると加圧処理部の形跡は識別できるも
のの透し模様としては識別できなかった。
比較例3 実施例1で使用したポリプロピレン及びポリ(エチレ
ンテレフタレート)の配合比を変えて、気泡含有率60体
積%を超える二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)
フィルムのフィルム化を試みたが、フィルムの機械的強
度が極めて低下するためか横延伸時必ず破断してしま
い、フィルムサンプルを得ることができなかった。
以上の実施例1〜4及び比較例1〜2のフィルムの特
性および加圧処理後のフィルム特性の変化をまとめて表
−1に示す。
〔発明の効果〕 このようにして得られた本発明のプラスチックフィル
ムを用いた各種カード類や証券類等では、目視的あるい
は光学的手段による個々間の識別が可能となり、真偽判
断をより一層明確にでき、また、極めて偽造し難いこと
から信頼性の高い商品が得られる。また、本発明のフィ
ルムはロール状で連続的に製造することが可能であり、
大量生産にも容易に対応できることから、今度益々拡大
が予想されるキャッシュレス化傾向にも対応できる素材
として有効である。
更に、本発明のフィルムは、透し模様を形成させたも
のであることから、インテリア用装飾材あるいは光学的
複写用原図材等の用途面でも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 雅憲 滋賀県長浜市三ッ矢町5番8号 ダイアホ イル株式会社商品研究所内 (56)参考文献 特公 昭51−18462(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分的に極印が施されたプラスチックフィ
    ルムであって、該フィルムの極印の施されていない部分
    の気泡含有率が10〜60体積%であり、かつ隠蔽度が0.2
    以上であり、極印の施された部分と極印の施されていな
    い部分との隠蔽度の差が0.11以上であることを特徴とす
    るプラスチックフィルム。
JP63133542A 1988-05-31 1988-05-31 プラスチックフィルム Expired - Fee Related JPH0813507B2 (ja)

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