JPH08133144A - ゴムクロ−ラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はゴムクロ−ラの捩り剛性を改善し、か
つ芯金の横ずれを防止したゴムクロ−ラに関するもので
ある。 【構成】ゴム弾性体と、横置きに配置された芯金と、ス
チ−ルコ−ド列と、ゴムラグが形成されたゴムクロ−ラ
であって、その長手方向に対して一定の角度をもって並
べられたバイアスコ−ド列を、各芯金の翼部に対し、一
つ又は複数の翼部づつに区画してゴムクロ−ラの内外面
側に互い違いに配置したゴムクロ−ラ。１‥ゴム弾性
体、２‥芯金、４‥ゴムラグ、２₁ 、２₂ ‥芯金の翼
部、５‥スチ−ルコ−ド列、６‥バイアスコ−ド列。 【効果】本発明のゴムクロ−ラは、バイアスコ−ド列に
よって芯金の翼部を互い違いに拘束したものであって、
ゴムクロ−ラの捩れの防止と共に、芯金の横方向へのず
れをも阻止した脱輪性のすぐれたゴムクロ−ラを提供で
きた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はゴムクロ−ラの捩り剛性
を改善し、かつ芯金の横ずれを防止したゴムクロ−ラに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ゴムクロ−ラは建設機械や土木作
業機械の走行部に広く採用されており、農機具の走行部
に用いられる場合と異なりその走行条件も厳しいものと
なってきた。ゴムクロ−ラはアイドラ−とスプロケット
との間に巻き掛けされて走行に供されるために大きな張
力がかかる。このため、その長手方向に向ってゴム弾性
体中にスチ−ルコ−ド列が埋設されている。そして、ス
プロケットからの駆動力は同様にゴム弾性体に埋設され
た芯金に伝達されることとなり、この芯金はトラックロ
−ラとの係合をも兼ねるものである。

【０００３】しかるに、この芯金とスチ−ルコ−ド列と
はゴム弾性体中に同様に埋設されるが、通常のゴムクロ
−ラでは両者間を支え合う手段はとられず、単にスチ−
ルコ−ド列が芯金を外囲いする状態でゴム弾性体中に埋
設されているだけで、ゴム弾性体の弾性力に頼っている
ものである。

【０００４】従って、ゴムクロ−ラが急斜面を走行した
り、走行面の凸部に乗り上げたりした場合には、ゴムク
ロ−ラの幅方向に大きな外力が加わることとなる。この
ため、ゴムクロ−ラ自体に捩れが生じたり、外力が加わ
った芯金が横方向にずれたりすることはさけられず、こ
れに起因してゴムクロ−ラがスプロケットやトラックロ
−ラとの係合が外れ脱輪することとなってしまう。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】近年のゴムクロ−ラは
数百ｋｇの重量がある大型のものもあり、これが作業中
に走行部より脱輪した際には、これを正規の位置に嵌め
直すのに長時間を要し、この点、ゴムクロ−ラの構造上
の問題として改善が要請されていた。本発明はこの要請
に鑑みてなされたものであり、芯金の横方向へのずれを
阻止することと共に、ゴムクロ−ラの捩れをも同時に改
善したゴムクロ−ラを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、無端状
ゴム弾性体と、このゴム弾性体中にその長手方向に一定
ピッチをもって横置きに配置された芯金と、長手方向に
向って配置されたスチ−ルコ−ド列と、ゴム弾性体の外
周表面にゴムラグが形成されたゴムクロ−ラであって、
ゴムクロ−ラの長手方向に対して一定の角度をもって並
べられたバイアスコ−ド列を、各芯金の翼部に対し、一
つ又は複数の翼部づつに区画してゴムクロ−ラの内外面
側に互い違いに配置したことを特徴とするゴムクロ−ラ
に係るものである。

【０００７】そして、使用されるバイアスコ−ド列は合
成繊維或いはスチ−ルコ−ドよりなるものであり、場合
によっては、織成されたコ−ドであってもよく、ゴムク
ロ−ラの長手方向に対するバイアスコ−ド列のバイアス
角度が５〜４５度が好適である。

【０００８】

【作用】本発明はゴムクロ−ラの長手方向の張力に対抗
するスチ−ルコ−ド列以外に、ゴム弾性体中に埋設され
る芯金の翼部をゴムクロ−ラの内外面側に互い違いに拘
束するバイアスコ−ド列を用いたことにより、芯金を拘
束して横ずれを防止し、しかもゴムクロ−ラの捩れの発
生をも低減しようとするものである。

【０００９】そして、この芯金を内外に拘束するバイア
スコ−ド列はテキスタイルコ−ド、ケブラ−コ−ド、ス
チ−ルコ−ド等更にはこれを織成したものが使用できる
が、これらはいずれもゴムクロ−ラの長手方向に対して
５〜４５度の傾斜角度をもったものであり、このような
バイアスコ−ド列にあってはゴムクロ−ラの局部的な曲
げや捩れに対して追随できるからである。

【００１０】尚、このバイアスコ−ド列は通常はその上
下面に未加硫ゴムを圧着してなるバンド状のものが用い
られ、コ−ド列に対して所定の角度をもってカッタ−に
て切断されたものが一般的であって、これをゴムクロ−
ラの加硫成型時に、芯金の翼部を内外面側に互い違いに
拘束させてモ−ルド内にセットすることとなる。尚、バ
イアスコ−ド列の芯金の翼部の拘束は、隣り合う芯金の
翼部を交互に拘束することは勿論、複数の翼部を一つに
まとめて拘束することも可能である。又、芯金の左右の
翼部を同じように拘束することもできるが、左右の翼部
で拘束を変える配置とすることも可能である。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図面をもって更に詳細に説明
する。図１は本発明のゴムクロ−ラの第１実施例の部分
分解した内周平面図であり、図２は図１のＡ−Ａ線での
断面図である。図中、１はゴム弾性体、２は一定のピッ
チをもって配列された芯金である。そして、３はスプロ
ケット孔、４はゴム弾性体１の外周表面に形成したゴム
ラグである。

【００１２】芯金２はその中央部２₀ がスプロケットと
の係合部位となり、その左右にはゴム弾性体１中に埋設
される翼部２₁ 、２₂ 、そしてゴムクロ−ラの内周表面
より突出する一対の突起２₃ 、２₄ が形成されている。
そして、芯金２の翼部２₁ 、２₂ の外周側に張力を受け
持つスチ−ルコ−ド列５がゴムクロ−ラの長手方向に向
けて埋設されている。

【００１３】さて、スチ−ルコ−ドよりなるバイアスコ
−ド列６には、この例では隣り合う芯金２、２の翼部２
₁ 、２₂ を内外周側に互い違いに拘束したものである。
図でも分かるように、左右に埋設されるバイアスコ−ド
列５はその左右の角度を逆向きにするものが好ましく、
同じ向きとすると、場合によってはゴムクロ−ラに捻れ
を与える結果となってしまう。

【００１４】図３はこのバイアスコ−ド列６の拡大図で
ある。これは上下の未加硫ゴムシ−ト７、８間にバイア
スコ−ド６₀ が列状をなして挟まれているものであっ
て、この三者を重ね合わせたものをいわゆるバイアスカ
ッタ−にて切断９してなるものである。図にあって、θ
はバイアスコ−ド６₀ の角度であり、これはゴムクロ−
ラの長手方向に対して５〜４５度、好ましくは、５〜３
０度のものがよい。これが、５度以下であると巻き掛け
抵抗が大きくなり、余り好ましいことではなく、一方、
４５度以上になると拘束の効果は少なくなる。

【００１５】図４は本発明のゴムクロ−ラの第２実施例
を示す図２と同様の断面図である。この例ではバイアス
コ−ド列６が隣り合う芯金２の翼部２₁ 、２₂ を二つづ
つ区画して内外周側に互い違いに拘束した構造のもので
ある。

【００１６】図５は本発明のゴムクロ−ラの第３実施例
を示す芯金２とバイアスコ−ド列６との関係を示す平面
図であり、この例では隣り合う芯金２の翼部２₁ 、２₂
を左右にてスチ−ルコ−ド列６にて互い違いに拘束した
ものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上の構成をもつゴムクロ−ラ
であって、バイアスコ−ド列によって芯金の翼部を互い
違いに拘束したものであって、ゴムクロ−ラの捩れの防
止と共に、芯金の横方向へのずれをも阻止した脱輪性の
すぐれたゴムクロ−ラを提供できたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明のゴムクロ−ラの第１実施例の部
分分解した内周平面図である。

【図２】図２は図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【図３】図３はバイアスコ−ド列の拡大図である。

【図４】図４は本発明のゴムクロ−ラの第２実施例を示
す図２と同様の断面図である。

【図５】図５は本発明のゴムクロ−ラの第３実施例を示
す芯金とバイアスコ−ド列との関係を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１‥‥ゴム弾性体、 ２‥‥芯金、 ３‥‥スプロケット孔、 ４‥‥ゴムラグ、 ２₀ ‥‥芯金の中央部（スプロケットとの係合部）、 ２₁ 、２₂ ‥‥芯金の翼部、 ２₃ 、２₄ ‥‥芯金の一対の突起、 ５‥‥スチ−ルコ−ド列、 ６‥‥バイアスコ−ド列、 ６₀ ‥‥バイアスコ−ド、 ７、８‥‥未加硫ゴムシ−ト。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状ゴム弾性体と、このゴム弾性体中
   にその長手方向に一定ピッチをもって横置きに配置され
   た芯金と、長手方向に向って配置されたスチ−ルコ−ド
   列と、ゴム弾性体の外周表面にゴムラグが形成されたゴ
   ムクロ−ラであって、ゴムクロ−ラの長手方向に対して
   一定の角度をもって並べられたバイアスコ−ド列を、各
   芯金の翼部に対し、一つ又は複数の翼部づつに区画して
   ゴムクロ−ラの内外面側に互い違いに配置したことを特
   徴とするゴムクロ−ラ。
2. 【請求項２】 バイアスコ−ド列が合成繊維或いはスチ
   −ルコ−ドよりなる請求項第１項記載のゴムクロ−ラ。
3. 【請求項３】 バイアスコ−ド列が織成されたコ−ドよ
   りなる請求項第１項記載のゴムクロ−ラ。
4. 【請求項４】 ゴムクロ−ラの長手方向に対するバイア
   スコ−ド列のバイアス角度が５〜４５度である請求項第
   １項記載のゴムクロ−ラ。