JPH08132105A - 鋳片熱間幅大圧延時の表面割れ防止方法 - Google Patents
鋳片熱間幅大圧延時の表面割れ防止方法Info
- Publication number
- JPH08132105A JPH08132105A JP29906894A JP29906894A JPH08132105A JP H08132105 A JPH08132105 A JP H08132105A JP 29906894 A JP29906894 A JP 29906894A JP 29906894 A JP29906894 A JP 29906894A JP H08132105 A JPH08132105 A JP H08132105A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋳片熱間幅大圧延時の表面割れ防止。
【構成】 Al≧10×10-3%、N≧20ppmを含
む鋼について連続鋳造時に鋳片表面温度をAr3 点以下
に冷却し、Al,Nの量によって下記式からγ→α変態
率を確保し、その後鋳片表面温度を1000℃以上に少
なくとも30分以上保持することを特徴とする鋳片熱間
幅大圧延時の表面割れ防止方法。 X≧0.087×〔Al〕×〔N〕×107 ・
・・(1) 但し、 X:α変態率(%) Al:鋼中Al含有率(wt%) N:鋼中N含有率(ppm)
む鋼について連続鋳造時に鋳片表面温度をAr3 点以下
に冷却し、Al,Nの量によって下記式からγ→α変態
率を確保し、その後鋳片表面温度を1000℃以上に少
なくとも30分以上保持することを特徴とする鋳片熱間
幅大圧延時の表面割れ防止方法。 X≧0.087×〔Al〕×〔N〕×107 ・
・・(1) 但し、 X:α変態率(%) Al:鋼中Al含有率(wt%) N:鋼中N含有率(ppm)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳片熱間幅大圧延時の
表面割れ防止方法に関するものである。
表面割れ防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法によって製造されたアルミキ
ルド鋼鋳片を、幅圧延量400mm以上に熱間幅大圧延
する時に発生する表面割れの防止方法としては、従来は
連鋳工程で析出するAlN等の析出物を無害化するため
に鋳片の連鋳工程での2次冷却帯において、冷却温度を
Ar3 点以下少なくとも750℃以下にし、その後10
00℃以上に加熱することにより、γ粒界にAlNを存
在させることなく、AlNを粒内に内包させることによ
り、幅圧延時の表面割れを防止してきた。
ルド鋼鋳片を、幅圧延量400mm以上に熱間幅大圧延
する時に発生する表面割れの防止方法としては、従来は
連鋳工程で析出するAlN等の析出物を無害化するため
に鋳片の連鋳工程での2次冷却帯において、冷却温度を
Ar3 点以下少なくとも750℃以下にし、その後10
00℃以上に加熱することにより、γ粒界にAlNを存
在させることなく、AlNを粒内に内包させることによ
り、幅圧延時の表面割れを防止してきた。
【0003】しかし、割れの原因となるAl、Nはその
含有量により割れ感受性が異なってくるため、前記割れ
防止対策を同一条件で実施しても、割れを完全に防止す
ることは不可能であった。しかも、割れ感受性について
は指標化が成されていないために必要とする冷却条件が
不明確であった。
含有量により割れ感受性が異なってくるため、前記割れ
防止対策を同一条件で実施しても、割れを完全に防止す
ることは不可能であった。しかも、割れ感受性について
は指標化が成されていないために必要とする冷却条件が
不明確であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は鋳片熱間幅大
圧延時の表面割れ防止を行う際の課題として、鋼に含有
されるAl,Nのレベルに応じて必要となるγ→α変態
率から、必要な連鋳の2次冷却帯における冷却条件を明
確化することにある。
圧延時の表面割れ防止を行う際の課題として、鋼に含有
されるAl,Nのレベルに応じて必要となるγ→α変態
率から、必要な連鋳の2次冷却帯における冷却条件を明
確化することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、その要旨とするところはA
l≧10×10-3%、N≧20ppmを含む鋼所謂アル
ミキルド鋼について、連続鋳造時に鋳片表面温度をAr
3 点以下に冷却し、Al,Nの量によって下記式から求
められるγ→α変態率を少なくとも20%以上確保し、
その後鋳片表面温度を1000℃以上に少なくとも30
分以上保持することを特徴とする鋳片熱間幅大圧延時の
表面割れ防止方法にある。 X≧0.087×〔Al〕×〔N〕×107 ・・・(1) 但し、 X:α変態率(%) Al:鋼中Al含有率(wt%) N:鋼中N含有率(ppm)
するためになされたもので、その要旨とするところはA
l≧10×10-3%、N≧20ppmを含む鋼所謂アル
ミキルド鋼について、連続鋳造時に鋳片表面温度をAr
3 点以下に冷却し、Al,Nの量によって下記式から求
められるγ→α変態率を少なくとも20%以上確保し、
その後鋳片表面温度を1000℃以上に少なくとも30
分以上保持することを特徴とする鋳片熱間幅大圧延時の
表面割れ防止方法にある。 X≧0.087×〔Al〕×〔N〕×107 ・・・(1) 但し、 X:α変態率(%) Al:鋼中Al含有率(wt%) N:鋼中N含有率(ppm)
【0006】
【作用】連続鋳造によって製造したアルミキルド鋼鋳片
の割れは、鋼の凝固時、低温γ(オーステナイト)相域
からα+γ(フェライト+オーステナイト)2相域にか
けて20温度領域において、鋳片にかかる熱応力あるい
は矯正によって加えられる外部応力によって発生するも
のと云われ、材質的にはAlN等の窒化物がγ粒界に連
続的に析出しこれが起因になるγ粒界割れと考えられて
いる。従って、これを防ぐにはγ→α変態でAlN等の
析出物をα粒内に閉じ込め、割れの起因となる粒界析出
物をできるだけ少なくすることによって防止が可能とな
る。
の割れは、鋼の凝固時、低温γ(オーステナイト)相域
からα+γ(フェライト+オーステナイト)2相域にか
けて20温度領域において、鋳片にかかる熱応力あるい
は矯正によって加えられる外部応力によって発生するも
のと云われ、材質的にはAlN等の窒化物がγ粒界に連
続的に析出しこれが起因になるγ粒界割れと考えられて
いる。従って、これを防ぐにはγ→α変態でAlN等の
析出物をα粒内に閉じ込め、割れの起因となる粒界析出
物をできるだけ少なくすることによって防止が可能とな
る。
【0007】しかして、γ→α変態量の適正量は鋼に含
有するAl,N量によって大きく左右されることが、本
発明者らの研究開発の結果判明し、この知見に基づき本
発明を完成したもので、本発明においては、鋼中に含有
するAl,N量に応じて最低限必要とするα変態量を確
保することを基本理念としている。
有するAl,N量によって大きく左右されることが、本
発明者らの研究開発の結果判明し、この知見に基づき本
発明を完成したもので、本発明においては、鋼中に含有
するAl,N量に応じて最低限必要とするα変態量を確
保することを基本理念としている。
【0008】図1は鋼中のAl量とN量の積とγ→α変
態率との関係を示したもので、後述の実施例における鋳
片熱間幅大圧延時での、割れ発生の有無を同図にプロッ
トして示した。○印は鋳片表面割れの発生がなかったも
の、×印は表面割れが発生したものを表している。
態率との関係を示したもので、後述の実施例における鋳
片熱間幅大圧延時での、割れ発生の有無を同図にプロッ
トして示した。○印は鋳片表面割れの発生がなかったも
の、×印は表面割れが発生したものを表している。
【0009】図から判るようにAlとNの積の値が増大
するに従い、割れ発生防止を抑制するためのγ→α変態
量を増加しなければならないことが判る。即ち、この結
果から鋼種が変わっても、鋼中に含有するAl,N量が
同一レベルであれば、最低限必要とするγ変態量が変わ
らないことが判る。
するに従い、割れ発生防止を抑制するためのγ→α変態
量を増加しなければならないことが判る。即ち、この結
果から鋼種が変わっても、鋼中に含有するAl,N量が
同一レベルであれば、最低限必要とするγ変態量が変わ
らないことが判る。
【0010】この実際操業での実験値を基にし、鋼中A
l量とN量の積と最低限必要とするγ変態量の関係を、
数式で表したのが下記(1)式である。 X≧0.087×〔Al〕×〔N〕×107 ・・・(1) 但し、 X:α変態率(%) Al:鋼中Al含有率(wt%) N:鋼中N含有率(ppm)
l量とN量の積と最低限必要とするγ変態量の関係を、
数式で表したのが下記(1)式である。 X≧0.087×〔Al〕×〔N〕×107 ・・・(1) 但し、 X:α変態率(%) Al:鋼中Al含有率(wt%) N:鋼中N含有率(ppm)
【0011】上記式で求められたα変態量を得るため
に、連続鋳造時に鋳造鋳片表面温度をαへの変態温度域
であるAr3 点以下になるよう冷却し、γからαへの変
態を促進する。
に、連続鋳造時に鋳造鋳片表面温度をαへの変態温度域
であるAr3 点以下になるよう冷却し、γからαへの変
態を促進する。
【0012】図2に連続鋳造工程から圧延に至までの鋳
片温度履歴の1例を示す。ここで鋳片は連鋳機の湾曲部
を抜けた後、水平部にて鋳片表面温度で1〜2℃/sの
強冷却を行い、750℃以下まで冷却後、再度復熱させ
更に加熱炉にて1000℃以上に加熱後幅大圧下を行
う。
片温度履歴の1例を示す。ここで鋳片は連鋳機の湾曲部
を抜けた後、水平部にて鋳片表面温度で1〜2℃/sの
強冷却を行い、750℃以下まで冷却後、再度復熱させ
更に加熱炉にて1000℃以上に加熱後幅大圧下を行
う。
【0013】図3に図2における冷却曲線を基にして前
記(1)式で計算したγ→α変態率と鋳片温度との関係
について示す。ここで鋳片を冷却し鋳片表面温度を下げ
Ar3 点以下にすればγ→α変態率が上がることが明ら
かである。前記(1)式で得られたα変態量を確保する
ための鋳片冷却条件は図3に示されたフェライト(α)
変態率から求まる鋳片温度以下になるよう適宜な冷却手
段で冷却を行なえばよい。
記(1)式で計算したγ→α変態率と鋳片温度との関係
について示す。ここで鋳片を冷却し鋳片表面温度を下げ
Ar3 点以下にすればγ→α変態率が上がることが明ら
かである。前記(1)式で得られたα変態量を確保する
ための鋳片冷却条件は図3に示されたフェライト(α)
変態率から求まる鋳片温度以下になるよう適宜な冷却手
段で冷却を行なえばよい。
【0014】
【実施例】表1に示した化学組成を有する鋼を湾曲型連
続鋳造機によって、鋳片サイズ(厚)282mm×
(幅)1550〜1950mmの鋳片を製造し、2次冷
却帯で750℃以下に冷却し、種々のα変態率を有する
鋳片を得た。この鋳片を850℃で加熱炉に装入し30
分間加熱し、1020℃で抽出しその後サイジングミル
によって、鋳片幅が750〜1430mmになるよう鋳
片幅の大圧延を行った。その結果も表2に示した。
続鋳造機によって、鋳片サイズ(厚)282mm×
(幅)1550〜1950mmの鋳片を製造し、2次冷
却帯で750℃以下に冷却し、種々のα変態率を有する
鋳片を得た。この鋳片を850℃で加熱炉に装入し30
分間加熱し、1020℃で抽出しその後サイジングミル
によって、鋳片幅が750〜1430mmになるよう鋳
片幅の大圧延を行った。その結果も表2に示した。
【0015】
【表1】
【0016】表1から明らかなように、式(1)により
求められたα変態率を確保したNo.1,2,4,6に
ついては、鋳片幅大圧延しても表面割れの発生は認めら
れなかったが、α変態率が計算値より少いNo.3,
5,7については、表面割れが発生した。
求められたα変態率を確保したNo.1,2,4,6に
ついては、鋳片幅大圧延しても表面割れの発生は認めら
れなかったが、α変態率が計算値より少いNo.3,
5,7については、表面割れが発生した。
【0017】
【発明の効果】本発明はAl,Nを所定量以上を含有す
る鋼について、連続鋳造時の鋳片冷却をAlとN量の積
に応じて、α変態量を確保するよう適正冷却することに
よって、鋳片幅大圧延時においても、表面割れの発生を
みることなく良好な鋳片を製造できるものである。
る鋼について、連続鋳造時の鋳片冷却をAlとN量の積
に応じて、α変態量を確保するよう適正冷却することに
よって、鋳片幅大圧延時においても、表面割れの発生を
みることなく良好な鋳片を製造できるものである。
【図1】鋼中Al量とN量の積とγ→α変態量の関係を
示す図
示す図
【図2】連続鋳造工程から圧延工程までの鋳片温度履歴
を示す図
を示す図
【図3】鋳片温度とγ→α変態率の関係を示す図
Claims (1)
- 【請求項1】 Al≧10×10-3%、N≧20ppm
を含む鋼について連続鋳造時に鋳片表面温度をAr3 点
以下に冷却し、Al,Nの量によって下記式からγ→α
変態率を確保し、その後鋳片表面温度を1000℃以上
に少なくとも30分以上保持することを特徴とする鋳片
熱間幅大圧延時の表面割れ防止方法。 X≧0.087×〔Al〕×〔N〕×107 ・・・(1) 但し、 X:α変態率(%) Al:鋼中Al含有率(wt%) N:鋼中N含有率(ppm)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29906894A JPH08132105A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 鋳片熱間幅大圧延時の表面割れ防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29906894A JPH08132105A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 鋳片熱間幅大圧延時の表面割れ防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132105A true JPH08132105A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17867791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29906894A Withdrawn JPH08132105A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 鋳片熱間幅大圧延時の表面割れ防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08132105A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007254828A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Nippon Steel Corp | 熱間圧延時の耐表面割れ性に優れた薄鋼板及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-11-09 JP JP29906894A patent/JPH08132105A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007254828A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Nippon Steel Corp | 熱間圧延時の耐表面割れ性に優れた薄鋼板及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |