JPH08128440A - 動圧軸受およびこの動圧軸受を用いたメディア駆動用モータならびにこのモータを用いた磁気ディスク装置 - Google Patents

動圧軸受およびこの動圧軸受を用いたメディア駆動用モータならびにこのモータを用いた磁気ディスク装置

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JPH08128440A
JPH08128440A JP26941194A JP26941194A JPH08128440A JP H08128440 A JPH08128440 A JP H08128440A JP 26941194 A JP26941194 A JP 26941194A JP 26941194 A JP26941194 A JP 26941194A JP H08128440 A JPH08128440 A JP H08128440A
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bearing
motor shaft
pressure
gap
bearing hole
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JP26941194A
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English (en)
Inventor
Masaya Uematsu
昌哉 上松
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、圧力発生用の隙間管理を容易に行な
え、しかも、回転軸を安定した姿勢で支持できる動圧軸
受の提供を目的とする。 【構成】動圧軸受50は、軸受孔15を有するインナーフレ
ーム12と、軸受孔に挿通されたモータ軸20と、モータ軸
と軸受孔との間の隙間53に充填された潤滑油とを備え、
モータ軸の回転によって隙間に発生する油圧によりモー
タ軸を浮動状態に支持している。そして、上記モータ軸
の外周面に凹部54a 〜54c を形成するとともに、上記凹
部には隙間に臨む受圧面56を有する軸受パッド55a 〜55
c をモータ軸の径方向に移動可能に収容し、これら軸受
パッドは、モータ軸の回転に伴う遠心力を受けた時に軸
受孔の内周面に向けて進出され、この内周面と受圧面と
の間に油圧を発生させるための微小間隙57を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体圧力を利用して回
転軸を浮動状態に支持する動圧軸受、およびこの動圧軸
受を介してモータ軸を回転自在に支持する形式のメディ
ア駆動用モータ、ならびにこのモータを用いて磁気記録
媒体を高速回転させる磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブック形のポータブルコンピュータにお
いて、フロッピーディスク装置よりもはるかに多い記憶
容量と高速アクセス性を有する磁気ディスク装置を装備
した機種が知られている。
【0003】この磁気ディスク装置は、箱状のハウジン
グを備えている。このハウジングの内部は、外気から遮
閉された清浄な気密空間をなしており、この気密空間に
円盤状の磁気記録媒体やこの磁気記録媒体を高速で回転
させるモータ、および磁気記録媒体にデータの記録・再
生を行なう磁気ヘッドのような各種の機能部品が収容さ
れている。
【0004】磁気記録媒体を高速回転させるためのモー
タは、磁気記録媒体を支持するとともに、この磁気記録
媒体と一体に回転するロータを備えている。ロータは、
回転中心部にモータ軸を有し、このモータ軸がモータブ
ラケットを介して上記ハウジングに支持されている。モ
ータブラケットは軸受孔を備えており、この軸受孔に上
記モータ軸が軸受を介して回転自在に支持されている。
【0005】ところで、このモータ軸を支持する軸受と
して、従来ではボール軸受が用いられているが、最近、
このボール軸受に代って動圧軸受を用いることが試みら
れている。この動圧軸受は、潤滑油の油圧を利用してモ
ータ軸を浮動状態に支持するためのもので、このモータ
軸と軸受孔との間の隙間に潤滑油が充填されている。そ
して、この隙間に臨むモータ軸の外周面および軸受孔の
内周面のうちのいずれか一方の面に、ヘリングボーン形
状の溝が刻まれており、上記モータ軸が回転された時
に、上記隙間に発生される油圧によってモータ軸を浮動
状態に支持するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記油圧を
発生するための隙間は、数μmのオーダーが要求される
ために、厳格な隙間管理を必要とする。このため、モー
タ軸および軸受孔の加工は勿論のこと,モータの組み立
てにも多大な手間を要し、これが原因でコスト高を招く
といった問題がある。
【0007】しかも、油圧は、隙間が最も狭くなった箇
所に発生するため、モータ軸の外周面と軸受孔の内周面
との位置関係が周方向に沿って一定とならず、モータ軸
の潤滑を全周に亘って均等に支持することが困難とな
る。特に隙間の精度が悪い場合には、モータ軸が傾斜し
たり、その軸線を中心に振れ回ることがあり、モータ軸
が大きく振動する等、予期した潤滑性能を発揮できなく
なるといった不具合がある。
【0008】そして、このようにモータ軸が振動する
と、磁気記録媒体と磁気ヘッドとが干渉し合い、この磁
気記録媒体に記録されたデータが破壊されたり、磁気記
録媒体に対する磁気ヘッドの位置決め精度が低下すると
いった問題がある。
【0009】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、流体圧力を発生させるための隙間管理を
容易に行なうことができ、しかも、回転軸を安定した姿
勢で支持することができる動圧軸受の提供を目的とす
る。
【0010】本発明の他の目的は、モータ軸を支持する
動圧軸受を備えたメディア駆動用モータにおいて、動圧
軸受の隙間管理を容易に行なえ、加工および組み立て性
を改善できるとともに、モータ軸の回転精度を高めるこ
とができる構造を得ることにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、磁気記録媒体
を高速回転させるモータを有する磁気ディスク装置にお
いて、上記モータのモータ軸を精度良く支持することが
でき、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの干渉を防止できる
とともに、磁気ヘッドの位置決め精度を高めることがで
きる構造を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された発明は、軸受孔を有する固定
部材と、この固定部材の軸受孔に回転自在に挿通された
回転軸と、この回転軸と上記軸受孔との間の隙間に充填
された流体とを備えており、上記回転軸の回転に伴って
上記隙間に発生される流体圧力により、上記回転軸を径
方向に浮動状態に支持するようにした動圧軸受を前提と
している。
【0013】そして、上記回転軸は、上記軸受孔の内周
面に上記隙間を介して向い合う外周面を有し、この回転
軸の外周面に凹部を形成するとともに、この凹部に、上
記隙間に臨む受圧面を有する軸受パッドを上記回転軸の
径方向に移動可能に収容し、この軸受パッドは、上記回
転軸の回転に伴って発生する遠心力により、上記軸受孔
の内周面に向けて進出され、この内周面と上記受圧面と
の間に上記流体圧力を発生させるための微小間隙を形成
することを特徴としている。
【0014】請求項2によれば、上記請求項1に記載の
凹部は、回転軸の周方向に間隔を存して複数配置されて
おり、また、上記軸受パッドは、上記夫々の凹部に対応
して複数配置されていることを特徴としている。
【0015】また、上記目的を達成するため、請求項3
に記載された発明は、軸受孔およびこの軸受孔に連なる
大径な圧力室を有する固定部材と、この固定部材の軸受
孔に回転自在に挿通された回転軸と、この回転軸と同軸
状をなして一体に回転するとともに、上記圧力室内に収
容されたスラスト円盤と、このスラスト円盤の軸方向に
向う端面と上記圧力室の内面との間の隙間に充填された
流体とを備えており、上記回転軸の回転に伴って上記隙
間に発生される流体圧力により、上記回転軸を軸方向に
浮動状態に支持するようにした動圧軸受を前提としてい
る。
【0016】そして、上記スラスト円盤の端面に凹部を
形成し、この凹部の底面は、上記スラスト円盤の回転中
心から径方向外側に進むに従い、このスラスト円盤の端
面に近づく方向に傾斜されたガイド面をなしており、こ
の凹部に、上記ガイド面に摺動可能に接する摺動面と、
上記隙間に臨む受圧面とを有する楔状の軸受パッドを収
容し、この軸受パッドは、上記回転軸の回転に伴って発
生する遠心力により、上記スラスト円盤の径方向外側に
向けて移動しつつ、上記ガイド面の傾斜にもとづいて上
記回転軸の軸方向に移動し、その受圧面と上記圧力室の
内面との間に上記流体圧力を発生させるための微小間隙
を形成することを特徴としている。
【0017】請求項4によれば、上記請求項3に記載の
凹部は、スラスト円盤の周方向に間隔を存して複数配置
されており、また、上記軸受パッドは、上記夫々の凹部
に対応して複数配置されていることを特徴としている。
【0018】上記他の目的を達成するため、請求項5に
記載されたメディア駆動用モータは、円盤状のメディア
を支持するロータと、このロータと一体に回転するモー
タ軸と、このモータ軸が回転自在に挿通される軸受孔お
よびこの軸受孔に連なる大径な圧力室を有するフレーム
と、上記モータ軸と同軸状をなして一体に回転するとと
もに、上記圧力室内に収容されたスラスト円盤と、上記
モータ軸と軸受孔との間の第1の隙間および上記スラス
ト円盤の軸方向に向う端面と上記圧力室の内面との間の
第2の隙間に夫々充填された流体を有し、上記モータ軸
の回転時に、上記各隙間に発生される流体圧力によって
上記モータ軸を径方向および軸方向に浮動状態に支持す
る動圧軸受とを備えている。
【0019】そして、上記軸受孔の内周面と向い合うモ
ータ軸の外周面に第1の凹部を形成し、この第1の凹部
に、上記第1の隙間に臨む受圧面を有する第1の軸受パ
ッドを上記モータ軸の径方向に移動可能に収容し、この
第1の軸受パッドは、上記モータ軸の回転に伴って発生
する遠心力により、上記軸受孔の内周面に向けて進出さ
れ、この内周面と上記受圧面との間に上記流体圧力を発
生させるための微小間隙を形成するとともに、上記圧力
室の内面と向い合う上記スラスト円盤の端面に第2の凹
部を形成し、この第2の凹部の底面は、上記スラスト円
盤の回転中心から径方向外側に進むに従い、このスラス
ト円盤の端面に近づく方向に傾斜されたガイド面をなし
ており、この第2の凹部に、上記ガイド面に摺動可能に
接する摺動面と、上記第2の隙間に臨む受圧面とを有す
る楔状の第2の軸受パッドを収容し、この第2の軸受パ
ッドは、上記モータ軸の回転に伴って生じる遠心力によ
り、上記スラスト円盤の径方向外側に向けて移動しつ
つ、上記ガイド面の傾斜にもとづいて上記モータ軸の軸
方向に移動し、その受圧面と上記圧力室の内面との間に
上記流体圧力を発生させるための微小間隙を形成するこ
とを特徴としている。
【0020】上記他の目的を達成するため、請求項6に
記載された磁気ディスク装置は、箱状をなすハウジング
と、このハウジングの内部に収容された円盤状をなす少
なくとも一枚の磁気記録媒体と、この磁気記録媒体の表
面と向い合い、データの記録・再生を行う磁気ヘッド
と、上記ハウジングに支持され、上記磁気記録媒体を高
速回転させるモータとを備えている。
【0021】そして、上記モータは、上記磁気記録媒体
を支持するロータと、このロータと一体に回転するモー
タ軸と、このモータ軸が回転自在に挿通される軸受孔お
よびこの軸受孔に連なる大径な圧力室を有するフレーム
と、上記モータ軸と同軸状をなして一体に回転するとと
もに、上記圧力室内に収容されたスラスト円盤と、上記
モータ軸と軸受孔との間の第1の隙間および上記スラス
ト円盤の軸方向に向う端面と上記圧力室の内面との間の
第2の隙間に夫々充填された流体を有し、上記モータ軸
の回転時に、上記各隙間に発生される流体圧力によって
上記モータ軸を径方向および軸方向に浮動状態に支持す
る動圧軸受とを備えており、上記軸受孔の内周面と向い
合うモータ軸の外周面に第1の凹部を形成し、この第1
の凹部に、上記第1の隙間に臨む受圧面を有する第1の
軸受パッドを上記モータ軸の径方向に移動可能に収容
し、この第1の軸受パッドは、上記モータ軸の回転に伴
って発生する遠心力により、上記軸受孔の内周面に向け
て進出され、この内周面と上記受圧面との間に上記流体
圧力を発生させるための微小間隙を形成するとともに、
上記圧力室の内面と向い合う上記スラスト円盤の端面に
第2の凹部を形成し、この第2の凹部の底面は、上記ス
ラスト円盤の回転中心から径方向外側に進むに従い、こ
のスラスト円盤の端面に近づく方向に傾斜されたガイド
面をなしており、この第2の凹部に、上記ガイド面に摺
動可能に接する摺動面と、上記第2の隙間に臨む受圧面
とを有する楔状の第2の軸受パッドを収容し、この第2
の軸受パッドは、上記モータ軸の回転に伴って発生する
遠心力により、上記スラスト円盤の径方向外側に向けて
移動しつつ、上記ガイド面の傾斜にもとづいて上記モー
タ軸の軸方向に移動し、その受圧面と上記圧力室の内面
との間に上記流体圧力を発生させるための微小間隙を形
成することを特徴としている。
【0022】
【作用】請求項1に記載した構成によれば、軸受パッド
は、回転軸の回転に伴う遠心力を受けた際に、回転軸の
凹部から径方向外側に押し出される。そのため、軸受パ
ッドは、回転軸と相対運動を行なう軸受孔の内周面に向
けて押し付けられ、この軸受孔の内周面との間に流体圧
力を発生させるに充分な微小間隙を形成する。そして、
軸受パッドの移動は、この軸受パッドに作用する遠心力
と液体圧力とが釣り合ったところで停止され、この流体
圧力によって回転軸が径方向に浮動状態に支持される。
【0023】このように液体圧力を発生させるための微
小間隙は、軸受パッドが遠心力を受けて移動することに
より初めて形成されるので、軸受孔の内周面と回転軸の
外周面との間の隙間を、上記微小間隙よりも大きくする
ことができる。このため、従来の動圧軸受のような厳格
な隙間管理が不要となる。それとともに、微小間隙は遠
心力との釣り合いによって定められるので、この微小間
隙の寸法が大きくばらつくこともなくなり、回転軸の傾
斜や振れ回りを防止することができる。
【0024】請求項2に記載した構成によれば、複数の
軸受パッドが回転軸の周方向に並んで配置されているの
で、回転軸が回転された時に、この回転軸の略全周に亘
って微小間隙を形成することができる。このため、軸受
孔に対する回転軸の偏心度合が少なくなる。
【0025】請求項3に記載した構成によれば、回転軸
が回転すると、この回転軸と一体に回転するスラスト円
盤上の軸受パッドは、遠心力を受けてスラスト円盤の径
方向外側に向けて押し出されるとともに、この軸受パッ
ドとスラスト円盤との接触面の傾斜に伴って回転軸の軸
方向にも移動する。そのため、軸受パッドは、回転軸と
相対運動を行なう圧力室の内面に向けて押し付けられ、
この圧力室の内面との間に流体圧力を発生させるに充分
な微小間隙を形成する。そして、この軸受パッドの軸方
向への移動は、軸受パッドに作用する遠心力と液体圧力
とが釣り合ったところで停止され、この流体圧力によっ
て回転軸が軸方向に浮動状態に支持される。
【0026】このように液体圧力を発生させるための微
小間隙は、軸受パッドが遠心力を受けて回転軸の軸方向
に移動することにより初めて形成されるので、圧力室の
内面とスラスト円盤の端面との間の隙間を、上記微小間
隙よりも大きくすることができる。このため、従来の動
圧軸受のような厳格な隙間管理が不要となる。それとと
もに、微小間隙は遠心力との釣り合いによって定められ
るので、この微小間隙の寸法が大きくばらつくこともな
く、スラスト円盤を含む回転軸の傾斜や振れ回りを防止
することができる。
【0027】請求項4に記載した構成によれば、複数の
軸受パッドがスラスト円盤の周方向に並んで配置されて
いるので、回転軸と共にスラスト円盤が回転された時
に、このスラスト円盤の端面と圧力室の内面との間に略
全周に亘る微小間隙を形成することができる。このた
め、スラスト円盤の端面には、略全周に亘って圧力が作
用することになり、回転軸の回転姿勢がより安定する。
【0028】請求項5に記載した構成によれば、モータ
軸がロータと共に回転されると、このモータ軸の外周面
上の第1の軸受パッドは、遠心力を受けて径方向外側に
向けて押し出される。そのため、第1の軸受パッドは、
モータ軸と相対運動を行なう軸受孔の内周面に向けて押
し付けられ、この軸受孔の内周面との間に流体圧力を発
生させるに充分な微小間隙を形成する。そして、第1の
軸受パッドの径方向への移動は、この第1の軸受パッド
に作用する遠心力と液体圧力とが釣り合ったところで停
止され、この流体圧力によってモータ軸が径方向に浮動
状態に支持される。
【0029】一方、モータ軸と一体に回転するスラスト
円盤上の第2の軸受パッドは、遠心力を受けてスラスト
円盤の径方向外側に向けて押し出されると同時に、この
スラスト円盤との接触面の傾斜に伴ってモータ軸の軸方
向に移動する。そのため、第2の軸受パッドは、モータ
軸と相対運動を行なう圧力室の内面に向けて押し付けら
れ、この圧力室の内面との間に流体圧力を発生させるに
充分な微小間隙を形成する。そして、この第2の軸受パ
ッドの軸方向への移動は、第2の軸受パッドに作用する
遠心力と液体圧力とが釣り合ったところで停止され、こ
の流体圧力によってモータ軸が軸方向に浮動状態に支持
される。
【0030】このように液体圧力を発生させるための二
つの微小間隙は、第1および第2の軸受パッドが遠心力
を受けて移動することにより初めて形成されるので、モ
ータ軸と軸受孔との間の第1の隙間および圧力室の内面
とスラスト円盤の端面との間の第2の隙間を、上記微小
間隙よりも大きくすることができる。このため、動圧軸
受の隙間管理を容易に行なうことができる。それととも
に、微小間隙は遠心力との釣り合いにより定められるの
で、この微小間隙の寸法のばらつきが解消され、モータ
軸の傾斜や振れ回りを防止することができる。
【0031】請求項6に記載した構成によれば、上記請
求項5と同様に、液体圧力を発生させるための微小間隙
は、第1および第2の軸受パッドが遠心力を受けて移動
することにより初めて形成されるので、モータ軸と軸受
孔との間の第1の隙間および圧力室の内面とスラスト円
盤の端面との間の第2の隙間を、上記微小間隙よりも大
きくすることができる。このため、動圧軸受の隙間管理
を容易に行なうことができる。
【0032】それとともに、微小間隙は遠心力との釣り
合いにより定められるので、この微小間隙の寸法のばら
つきが解消され、モータ軸の傾斜や振れ回りを防止する
ことができる。そのため、磁気記録媒体の振動を防止す
ることができ、この磁気記録媒体と磁気ヘッドとの干渉
を回避できるとともに、磁気記録媒体に対する磁気ヘッ
ドの位置決め精度も向上する。
【0033】
【実施例】以下本発明の一実施例を、磁気ディスク装置
に適用した図面にもとづいて説明する。図1は、ポータ
ブルコンピュータの記憶装置として用いられる磁気ディ
スク装置1を示している。この磁気ディスク装置1は、
長方形箱状をなす金属製のハウジング2を備えている。
ハウジング2は、上面が開口されたハウジング本体3
と、このハウジング本体3の上面開口部を気密に覆うト
ップカバー4とで構成されている。このハウジング2の
内部は、外気とは遮閉された清浄な気密空間5となって
いる。
【0034】ハウジング本体3は、トップカバー4と向
い合う底壁6を有している。この底壁6には、モータ装
着孔7が開口されている。このモータ装着孔7には、ハ
ウジング本体3の内側からモータブラケット9が嵌合さ
れている。このモータブラケット9は、モータ装着孔7
を気密に塞いでいる。
【0035】図2に示すように、モータブラケット9に
は、アウターロータ形のモータ11が支持されている。
このモータ11は、ハウジング2の気密空間5に収容さ
れている。モータ11は、固定部材としてのインナーフ
レーム12を有し、このインナーフレーム12は、モー
タブラケット9に連なっている。インナーフレーム12
は、小径部13と、この小径部13の上端に連なる大径
部14とを有している。
【0036】小径部13は、その軸中心線上に軸方向に
延びる軸受孔15を有している。この軸受孔15の内周
面には、図示しないヘリングボーン形状の溝が形成され
ている。大径部14は、この大径部14の上面に開放さ
れた凹所16を有している。この凹所16は、軸受孔1
5よりも大径で、かつこの軸受孔15と同軸状をなして
おり、この凹所16の底面に軸受孔15が開口されてい
る。凹所16の開放端は、蓋板17によって液密に閉塞
されており、この蓋板17と凹所16の底面との間に
は、圧力室18が形成されている。そして、この圧力室
18に臨む凹所16の底面および蓋板17の下面には、
図示しないヘリングボーン形状の溝が形成されている。
【0037】軸受孔15には、回転軸としてのモータ軸
20が軸回り方向に回転自在に挿通されている。モータ
軸20の下端部は、モータブラケット9に回転自在に嵌
合されているとともに、このモータ軸20の上端部は、
蓋板17を貫通してインナーフレーム12の上方に突出
されている。
【0038】インナーフレーム12の外周囲には、ロー
タ21が同軸状に配置されている。ロータ21は、中空
の円筒状をなしており、その上部が大径部14の外周面
に回転可能に嵌合されている。ロータ21の内周面に
は、マグネット23が取り付けられている。このマグネ
ット23は、ロータ21と一体に回転するもので、上記
小径部13の外周面と対向されている。
【0039】マグネット23と小径部13との間には、
ステータ25が配置されている。ステータ25は、積層
コア26と、この積層コア26に巻回されたコイル27
とを備えており、この積層コア26が小径部13の外周
面に固定されている。
【0040】ロータ21の下部外周面には、径方向外側
に張り出す支持壁29が形成されている。そして、図1
に示すように、ロータ21の外周面には、三枚の円盤状
をなす磁気記録媒体30a,30b,30cが同軸状に
嵌合されている。これら磁気記録媒体30a,30b,
30cの配置間隔は、スペーサリング31a,31bに
より定められている。
【0041】ロータ21の上面には、ねじ32を介して
固定円盤33が固定されている。固定円盤33は、その
外周部にロータ21よりも径方向外側に張り出す押圧部
34を有し、この押圧部34が最上位の磁気記録媒体3
0aの回転中心部に接している。このため、固定円盤3
3は、上記ロータ21の支持壁29との間で三枚の磁気
記録媒体30a,30b,30cの回転中心部およびス
ペーサリング31a,31bを挾み込んでいる。このこ
とにより、磁気記録媒体30a,30b,30cがロー
タ21に支持されて、このロータ21と一体に回転する
ようになっている。
【0042】また、固定円盤33の回転中心部には、嵌
合孔35が開口されている。この嵌合孔35には、上記
モータ軸20の上端部が嵌合固定されており、このモー
タ軸20は、固定円盤33やロータ21と一体に回転す
るようになっている。
【0043】図1や図3に示すように、ハウジング2の
気密空間5には、キャリッジ37が配置されている。キ
ャリッジ37は、円筒状のボス部38を有し、このボス
部38が枢軸39を介してハウジング本体3の底壁6に
回動可能に枢支されている。そのため、キャリッジ37
は、図3に矢印で示すように、上記枢軸39を支点とし
て磁気記録媒体30a,30b,30cに近づいたり、
逆に磁気記録媒体30a,30b,30cから遠ざかる
方向に一定の角度範囲に亘って回動可能となっている。
【0044】キャリッジ37は、ボス部38に連なる複
数のアーム部40を有している。アーム部40の先端部
には、夫々サスペンションアーム41が連結されてい
る。これらサスペンションアーム41の先端部には、磁
気ヘッド42が支持されている。磁気ヘッド42は、デ
ータの記録・再生を行なうためのもので、磁気記録媒体
30a,30b,30cの表面と向い合っている。
【0045】また、ハウジング2の気密空間5には、ボ
イスコイルモータ45が収容されている。ボイスコイル
モータ45は、図示しないマグネットに供給される電流
の大きさや向きを変えることで、キャリッジ37の回動
角度や回動方向を変化させるようになっている。このこ
とにより、磁気ヘッド42が磁気記録媒体30a,30
b,30cの半径方向に移動されて、これら磁気記録媒
体30a,30b,30c上の所望のトラックに位置決
めされ、データの書き込みや読取りが行なわれる。
【0046】ところで、このような磁気ディスク装置1
において、上記モータ11のモータ軸20とインナーフ
レーム12との間には、動圧軸受50が介在されてい
る。この動圧軸受50は、モータ軸20を径方向に浮動
状態に支持する第1の軸受部51と、上記モータ軸20
を軸方向に浮動状態に支持する第2の軸受部52とを備
えている。
【0047】図4に示すように、第1の軸受部51は、
軸受孔15の内周面とモータ軸20の外周面との間に、
周方向に連続する隙間53を有している。この隙間53
には、流体としての潤滑油が充填されている。軸受孔1
5の内周面には、三つの第1の凹部54a,54b,5
4cが周方向に間隔を存して形成されている。第1の凹
部54a,54b,54cは、軸受孔15の軸方向に延
びる長方形状をなしており、これら第1の凹部54a,
54b,54cは、上記隙間53に開口されている。
【0048】第1の凹部54a,54b,54cには、
夫々第1の軸受パッド55a,55b,55cが収容さ
れている。第1の軸受パッド55a,55b,55c
は、夫々上記隙間53に臨む受圧面56を有しており、
この受圧面56は、軸受孔15の内周面に沿うように円
弧状に湾曲されている。そして、第1の軸受パッド55
a,55b,55cは、受圧面56を隙間53に僅かに
突出させた状態で上記第1の凹部54a,54b,54
cに支持されており、これら第1の軸受パッド55a,
55b,55cは、上記モータ軸20の径方向に移動可
能となっている。
【0049】そのため、モータ軸20の回転に伴う遠心
力が第1の軸受パッド55a,55b,55cに作用す
ると、これら第1の軸受パッド55a,55b,55c
が第1の凹部54a,54b,54cから径方向外側に
向けて進出され、その受圧面56が軸受孔15の内周面
に向けて押圧される。この押圧により、図4の(B)に
示すように、受圧面56と軸受孔15の内周面との間に
油圧を発生させるに充分な小さな微小間隙57が形成さ
れ、この油圧によりモータ軸20が径方向に浮動状態に
支持されるようになっている。そのため、モータ軸20
と軸受孔15との間の上記隙間53は、微小間隙57よ
りも大きく設定されている。
【0050】図7に示すように、第2の軸受部52は、
モータ軸20と一体に回転するスラスト円盤60を有し
ている。スラスト円盤60は、モータ軸20と同軸状を
なして上記インナーフレーム12の圧力室18に収容さ
れている。スラスト円盤60は、凹所16の底面と向い
合う上面60aおよび蓋板17と向い合う下面60bを
有し、これら凹所16の底面と下面60bおよび蓋板1
7と上面60aとの間には、第2の隙間62が形成され
ている。この第2の隙間62には、流体としての潤滑油
が充填されている。
【0051】スラスト円盤60の上面60aおよび下面
60bには、夫々三つの第2の凹部63a,63b,6
3cが周方向に間隔を存して形成されている。これら第
2の凹部63a,63b,63cは、図8に示すよう
に、円弧状に湾曲されており、上記モータ軸20を中心
として同心円状に配置されている。第2の凹部63a,
63b,63cの底面は、図7に示すように、スラスト
円盤60の回転中心側から径方向外側に進むに従い、ス
ラスト円盤60の上面60aおよび下面60bに近づく
方向に傾斜されたガイド面64をなしている。そして、
これら第2の凹部63a,63b,63cは、上記第2
の隙間62に開口されている。
【0052】第2の凹部63a,63b,63cには、
夫々第2の軸受パッド66a,66b,66cが収容さ
れている。第2の軸受パッド66a,66b,66c
は、上記第2の隙間62に臨む受圧面67と、上記ガイ
ド面64に摺動可能に接する摺動面68とを有してい
る。受圧面67は、上記凹所16の底面や蓋板17と略
平行をなしている。そのため、第2の軸受パッド66
a,66b,66cは、楔形の断面形状を有している。
【0053】第2の軸受パッド66a,66b,66c
は、受圧面67を第2の隙間62に僅かに突出させた状
態で上記第2の凹部63a,63b,63cに支持され
ており、これら第2の軸受パッド66a,66b,66
cは、上記モータ軸20の軸方向に移動可能となってい
る。
【0054】そのため、モータ軸20の回転に伴う遠心
力がスラスト円盤60を介して第2の軸受パッド66
a,66b,66cに作用すると、これら第2の軸受パ
ッド66a,66b,66cは、図7の(B)に示すよ
うに、第2の凹部63a,63b,63cからスラスト
円盤60の径方向外側に向けて押し出される。この際、
第2の軸受パッド66a,66b,66cの摺動面68
が接するガイド面64は、スラスト円盤60の回転中心
部から径方向外側に進むに従いスラスト円盤60の上面
60aおよび下面60bに近づく方向に傾斜されている
ので、第2の軸受パッド66a,66b,66cは、上
記ガイド面64に傾斜に伴ってモータ軸20の軸方向に
移動し、その受圧面67が凹所16の底面や蓋板17に
向けて押圧される。この押圧により、図7の(B)に示
すように、受圧面67と凹所16の底面および蓋板17
との間に油圧を発生させるに充分な微小間隙69が形成
され、この油圧によりモータ軸20が軸方向に浮動状態
に支持されるようになっている。そのため、スラスト円
盤60と凹所16の底面および蓋板17との間の第2の
隙間62は、上記微小間隙69よりも大きく設定されて
いる。
【0055】このような構成のモータ11を有する磁気
ディスク装置1において、モータ軸20が回転される
と、その遠心力を受けて第1の軸受パッド55a,55
b,55cがモータ軸20の径方向に移動し、軸受孔1
5の内周面との間に油圧を発生させるに充分な微小間隙
57を形成する。同様に、スラスト円盤60上の第2の
軸受パッド66a,66b,66cがモータ軸20の径
方向に移動しつつ軸方向に移動し、凹所16の底面や蓋
板17との間に油圧を発生させるに充分な微小間隙69
を形成する。そして、第1の軸受パッド55a,55
b,55cおよび第2の軸受パッド66a,66b,6
6cは、これらに作用する遠心力と油圧とが釣り合った
ところで停止され、これ以降は微小間隙57,69の油
圧によってモータ軸20が径方向および軸方向に浮動状
態に支持される。
【0056】なお、潤滑油は、第1の凹部54a,54
b,54cと第1の軸受パッド55a,55b,55c
との間、ならびに第2の凹部63a,63b,63cと
第2の軸受パッド66a,66b,66cとの間にも入
り込む。この場合、第1の凹部54a,54b,54c
と第1の軸受パッド55a,55b,55cおよび第2
の凹部63a,63b,63cと第2の軸受パッド66
a,66b,66cとは一体に回転するので、これら両
者間には相対運動は発生せず、よって油圧も発生しな
い。
【0057】このように油圧を発生させる微小間隙5
7,69は、第1の軸受パッド55a,55b,55c
および第2の軸受パッド66a,66b,66cが遠心
力を受けて移動することによって初めて形成されるの
で、軸受孔15とモータ軸20との間の第1の隙間53
およびスラスト円盤60と凹所16の底面および蓋板1
7との間の第2の隙間62を、上記微小間隙57,69
よりも大きくすることができる。
【0058】したがって、従来の動圧軸受50に比べて
厳格な隙間53,62の寸法管理が不要となり、その
分、モータ軸20や軸受孔15の加工性が向上するとと
もに、モータ11の組み立て作業も容易に行なうことが
できる。
【0059】また、油圧を発生させる微小間隙57,6
9は、第1の軸受パッド55a,55b,55cおよび
第2の軸受パッド66a,66b,66cに作用する遠
心力の大きさとの関係に基づいて定まるので、微小間隙
57,69の寸法ひいては油圧が大きくばらつくことも
ない。
【0060】しかも、第1の軸受パッド55a,55
b,55cおよび第2の軸受パッド66a,66b,6
6cは、モータ軸20およびスラスト円盤60の周方向
に間隔を存して配置されているので、モータ軸20が回
転された時に、このモータ軸20やスラスト円盤60の
周方向に略連続するような微小間隙57,69を形成す
ることができる。
【0061】このことから、軸受孔15に対するモータ
軸20の偏心度合が少なくなり、このモータ軸20の傾
斜や振れ回りを確実に防止することができる。その結
果、モータ軸20ひいてはロータ21の回転精度が向上
し、このモータ11を磁気記録媒体30a,30b,3
0cの駆動源とする場合に、これら磁気記録媒体30
a,30b,30cの振動を防止することができる。
【0062】したがって、磁気記録媒体30a,30
b,30cと磁気ヘッド42との干渉を回避できるのは
勿論のこと、磁気記録媒体30a,30b,30cの回
転中における磁気ヘッド42との間の隙間管理も容易に
行なうことができ、かつまた、磁気記録媒体30a,3
0b,30cに対する磁気ヘッド42の位置決め精度も
向上するといった利点がある。
【0063】なお、第1および第2の軸受パッドの数は
上記実施例に特定されるものではなく、必要に応じて増
減することができる。また、圧力を発生させる流体も潤
滑油に限らず、例えば空気を用いても良い。
【0064】さらに、モータも磁気ディスク装置用に特
定されるものではなく、例えばフロッピーディスク装置
やプリンタ等のような機器にも同様に適用することがで
きる。
【0065】
【発明の効果】請求項1によれば、液体圧力を発生させ
るための微小間隙は、軸受パッドが遠心力を受けて移動
することにより初めて形成されるので、軸受孔の内周面
と回転軸の外周面との間の隙間を、上記微小間隙よりも
大きくすることができる。このため、従来の動圧軸受の
ような厳格な隙間管理が不要となり、回転軸や軸受孔の
加工や組み立てを容易に行なうことができる。それとと
もに、微小間隙の寸法が大きくばらつくこともなくなる
ので、回転軸の傾斜や振れ回りを防止することができ
る。
【0066】請求項2によれば、回転軸が回転された時
に、この回転軸の略全周に亘って微小間隙を形成するこ
とができる。このため、軸受孔に対する回転軸の偏心度
合が少なくなり、回転軸の回転精度が向上する。
【0067】請求項3によれば、液体圧力を発生させる
ための微小間隙は、軸受パッドが遠心力を受けて回転軸
の軸方向に移動することにより初めて形成されるので、
圧力室の内面とスラスト円盤の端面との間の隙間を、上
記微小間隙よりも大きくすることができる。このため、
従来の動圧軸受のような厳格な隙間管理が不要となり、
軸受孔や圧力室を含む固定部材やスラスト円盤の加工お
よび組み立てを容易に行なうことができる。それととも
に、微小間隙の寸法が大きくばらつくこともなくなり、
スラスト円盤を含む回転軸の傾斜や振れ回りを防止する
ことができる。
【0068】請求項4によれば、回転軸と共にスラスト
円盤が回転された時に、このスラスト円盤の端面と圧力
室の内面との間に略全周に亘る微小間隙を形成すること
ができる。このため、スラスト円盤の端面には、略全周
に亘って圧力が作用することになり、回転軸の回転姿勢
がより安定する。
【0069】請求項5によれば、液体圧力を発生させる
ための微小間隙は、第1および第2の軸受パッドが遠心
力を受けて移動することにより初めて形成されるので、
モータ軸と軸受孔との間の第1の隙間および圧力室の内
面とスラスト円盤の端面との間の第2の隙間を、上記微
小間隙よりも大きく設定でき、動圧軸受の隙間管理を容
易に行なうことができる。それとともに、微小間隙の寸
法が大きくばらつくこともないので、その分、モータ軸
の傾斜や振れ回りを防止することができ、モータ軸の回
転精度が向上する。
【0070】請求項6によれば、モータ軸と軸受孔との
間の第1の隙間および圧力室の内面とスラスト円盤の端
面との間の第2の隙間を、上記微小間隙よりも大きく設
定することができ、動圧軸受の隙間管理を容易に行なう
ことができる。しかも、微小間隙の寸法が大きくばらつ
くこともなく、モータ軸の傾斜や振れ回りを防止できる
ので、モータ軸の回転精度が向上する。このため、磁気
記録媒体の振動を防止することができ、この磁気記録媒
体と磁気ヘッドとの干渉を回避することができるととも
に、磁気記録媒体に対する磁気ヘッドの位置決め精度を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスク装置の断面図。
【図2】磁気記録媒体を回転させるモータの断面図。
【図3】磁気ディスク装置の平面図。
【図4】(A)は、動圧軸受の第1の軸受部の断面図。
(B)は、第1の軸受パッドの受圧面と軸受孔の内周面
との間に微小間隙が形成された状態を示す断面図。
【図5】図4の(A)のX−X線に沿う断面図。
【図6】モータ軸に第1の軸受パッドを装着した状態を
示す斜視図。
【図7】(A)は、動圧軸受の第2の軸受部の断面図。
(B)は、第2の軸受パッドの受圧面と凹所の底面およ
び蓋板との間に微小間隙が形成された状態を示す断面
図。
【図8】スラスト円盤に第2の軸受パッドを装着した状
態を示す斜視図。
【符号の説明】
2…ハウジング 11…モータ 12…固定部材(インナーフレーム) 15…軸受孔 18…圧力室 20…モータ軸(回転軸) 21…ロータ 30a,30b,30c…磁気記録媒体 50…動圧軸受 53…第1の隙間 54a,54b,54c…第1の凹部 55a,55b,55c…第1の軸受パッド 56,67…受圧面 57,69…微小間隙 60…スラスト円盤 62…第2の隙間 63a,63b,63c…第2の凹部 64…ガイド面 66a,66b,66c…第2の軸受パッド 68…摺動面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受孔を有する固定部材と、 この固定部材の軸受孔に回転自在に挿通された回転軸
    と、 この回転軸と上記軸受孔との間の隙間に充填された流体
    と、を備えており、 上記回転軸の回転に伴って上記隙間に発生される流体圧
    力により、上記回転軸を径方向に浮動状態に支持するよ
    うにした動圧軸受において、 上記回転軸は、上記軸受孔の内周面に上記隙間を介して
    向い合う外周面を有し、この回転軸の外周面に凹部を形
    成するとともに、 この凹部に、上記隙間に臨む受圧面を有する軸受パッド
    を上記回転軸の径方向に移動可能に収容し、この軸受パ
    ッドは、上記回転軸の回転に伴って発生する遠心力によ
    り、上記軸受孔の内周面に向けて進出され、この内周面
    と上記受圧面との間に上記流体圧力を発生させるための
    微小間隙を形成することを特徴とする動圧軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、上記凹部は、
    回転軸の周方向に間隔を存して複数配置されており、ま
    た、上記軸受パッドは、上記夫々の凹部に対応して複数
    配置されていることを特徴とする動圧軸受。
  3. 【請求項3】 軸受孔およびこの軸受孔に連なる大径な
    圧力室を有する固定部材と、 この固定部材の軸受孔に回転自在に挿通された回転軸
    と、 この回転軸と同軸状をなして一体に回転するとともに、
    上記圧力室内に収容されたスラスト円盤と、 このスラスト円盤の軸方向に向う端面と上記圧力室の内
    面との間の隙間に充填された流体と、を備えており、 上記回転軸の回転に伴って上記隙間に発生される流体圧
    力により、上記回転軸を軸方向に浮動状態に支持するよ
    うにした動圧軸受において、 上記スラスト円盤の端面に凹部を形成し、この凹部の底
    面は、上記スラスト円盤の回転中心から径方向外側に進
    むに従い、このスラスト円盤の端面に近づく方向に傾斜
    されたガイド面をなしており、 この凹部に、上記ガイド面に摺動可能に接する摺動面
    と、上記隙間に臨む受圧面とを有する楔状の軸受パッド
    を収容し、 この軸受パッドは、上記回転軸の回転に伴って発生する
    遠心力により、上記スラスト円盤の径方向外側に向けて
    移動しつつ、上記ガイド面の傾斜にもとづいて上記回転
    軸の軸方向に移動し、その受圧面と上記圧力室の内面と
    の間に上記流体圧力を発生させるための微小間隙を形成
    することを特徴とする動圧軸受。
  4. 【請求項4】 請求項3の記載において、上記凹部は、
    スラスト円盤の周方向に間隔を存して複数配置されてお
    り、また、上記軸受パッドは、上記夫々の凹部に対応し
    て複数配置されていることを特徴とする動圧軸受。
  5. 【請求項5】 円盤状のメディアを支持するロータと、 このロータと一体に回転するモータ軸と、 このモータ軸が回転自在に挿通される軸受孔およびこの
    軸受孔に連なる大径な圧力室を有するフレームと、 上記モータ軸と同軸状をなして一体に回転するととも
    に、上記圧力室内に収容されたスラスト円盤と、 上記モータ軸と軸受孔との間の第1の隙間および上記ス
    ラスト円盤の軸方向に向う端面と上記圧力室の内面との
    間の第2の隙間に夫々充填された流体を有し、上記モー
    タ軸の回転時に、上記各隙間に発生される流体圧力によ
    って上記モータ軸を径方向および軸方向に浮動状態に支
    持する動圧軸受と、を備えており、 上記軸受孔の内周面と向い合うモータ軸の外周面に第1
    の凹部を形成し、 この第1の凹部に、上記第1の隙間に臨む受圧面を有す
    る第1の軸受パッドを上記モータ軸の径方向に移動可能
    に収容し、この第1の軸受パッドは、上記モータ軸の回
    転に伴って発生する遠心力により、上記軸受孔の内周面
    に向けて進出され、この内周面と上記受圧面との間に上
    記流体圧力を発生させるための微小間隙を形成するとと
    もに、 上記圧力室の内面と向い合う上記スラスト円盤の端面に
    第2の凹部を形成し、この第2の凹部の底面は、上記ス
    ラスト円盤の回転中心から径方向外側に進むに従い、こ
    のスラスト円盤の端面に近づく方向に傾斜されたガイド
    面をなしており、 この第2の凹部に、上記ガイド面に摺動可能に接する摺
    動面と、上記第2の隙間に臨む受圧面とを有する楔状の
    第2の軸受パッドを収容し、この第2の軸受パッドは、
    上記モータ軸の回転に伴って生じる遠心力により、上記
    スラスト円盤の径方向外側に向けて移動しつつ、上記ガ
    イド面の傾斜にもとづいて上記モータ軸の軸方向に移動
    し、その受圧面と上記圧力室の内面との間に上記流体圧
    力を発生させるための微小間隙を形成することを特徴と
    するメディア駆動用モータ。
  6. 【請求項6】 箱状をなすハウジングと、 このハウジングの内部に収容された円盤状をなす少なく
    とも一枚の磁気記録媒体と、 この磁気記録媒体の表面と向い合い、データの記録・再
    生を行う磁気ヘッドと、 上記ハウジングに支持され、上記磁気記録媒体を高速回
    転させるモータと、を備えている磁気ディスク装置にお
    いて、 上記モータは、 上記磁気記録媒体を支持するロータと、 このロータと一体に回転するモータ軸と、 このモータ軸が回転自在に挿通される軸受孔およびこの
    軸受孔に連なる大径な圧力室を有するフレームと、 上記モータ軸と同軸状をなして一体に回転するととも
    に、上記圧力室内に収容されたスラスト円盤と、 上記モータ軸と軸受孔との間の第1の隙間および上記ス
    ラスト円盤の軸方向に向う端面と上記圧力室の内面との
    間の第2の隙間に夫々充填された流体を有し、上記モー
    タ軸の回転時に、上記各隙間に発生される流体圧力によ
    って上記モータ軸を径方向および軸方向に浮動状態に支
    持する動圧軸受と、を備えており、 上記軸受孔の内周面と向い合うモータ軸の外周面に第1
    の凹部を形成し、 この第1の凹部に、上記第1の隙間に臨む受圧面を有す
    る第1の軸受パッドを上記モータ軸の径方向に移動可能
    に収容し、この第1の軸受パッドは、上記モータ軸の回
    転に伴って発生する遠心力により、上記軸受孔の内周面
    に向けて進出され、この内周面と上記受圧面との間に上
    記流体圧力を発生させるための微小間隙を形成するとと
    もに、 上記圧力室の内面と向い合う上記スラスト円盤の端面に
    第2の凹部を形成し、この第2の凹部の底面は、上記ス
    ラスト円盤の回転中心から径方向外側に進むに従い、こ
    のスラスト円盤の端面に近づく方向に傾斜されたガイド
    面をなしており、 この第2の凹部に、上記ガイド面に摺動可能に接する摺
    動面と、上記第2の隙間に臨む受圧面とを有する楔状の
    第2の軸受パッドを収容し、この第2の軸受パッドは、
    上記モータ軸の回転に伴って発生する遠心力により、上
    記スラスト円盤の径方向外側に向けて移動しつつ、上記
    ガイド面の傾斜にもとづいて上記モータ軸の軸方向に移
    動し、その受圧面と上記圧力室の内面との間に上記流体
    圧力を発生させるための微小間隙を形成することを特徴
    とする磁気ディスク装置。
JP26941194A 1994-11-02 1994-11-02 動圧軸受およびこの動圧軸受を用いたメディア駆動用モータならびにこのモータを用いた磁気ディスク装置 Pending JPH08128440A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002295457A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Nippon Densan Corp 動圧軸受装置、回転駆動装置および記録装置ならびに動圧軸受装置の製造方法
CN113508241A (zh) * 2019-03-22 2021-10-15 美国圣戈班性能塑料公司 复合轴承及其制作和使用方法

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