JP2002295457A - 動圧軸受装置、回転駆動装置および記録装置ならびに動圧軸受装置の製造方法 - Google Patents

動圧軸受装置、回転駆動装置および記録装置ならびに動圧軸受装置の製造方法

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JP2002295457A JP2001100406A JP2001100406A JP2002295457A JP 2002295457 A JP2002295457 A JP 2002295457A JP 2001100406 A JP2001100406 A JP 2001100406A JP 2001100406 A JP2001100406 A JP 2001100406A JP 2002295457 A JP2002295457 A JP 2002295457A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸線に対して特定角度方向の位置で作用
する外力に対して、回転基体の不所望な変位を防止する
ことができる動圧軸受装置、これを備える回転駆動装置
およびこれを備える記録装置を提供する。 【解決手段】 固定支持体21と回転基体22との軸受
間隙25に潤滑流体23を介在させ、その動圧によって
回転基体22を回転自在に支持する。回転軸線L10に
対して特定角度方向C1,C2の部位における動圧を、
他の角度方向の部位における動圧よりも高くして、この
特定角度方向C1,C2の部位における軸受剛性krr
を、他の角度方向の部位における軸受剛性krrよりも
高くする。特定角度方向C1,C2の部位における動圧
を高くするための構成は、軸受間隙25を小さくする、
動圧溝の深さを軸け間隙に一致させる、動圧溝の占有面
積を大きくする、動圧溝の屈曲角度を小さくするなどで
あってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受装置およ
びその製造方法に関し、またその動圧軸受装置を備える
回転駆動装置および記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図24は、典型的な従来の技術の動圧軸
受装置1を備える記録装置(本例ではハードディスク装
置)2を簡略化して示す断面図であり、図25は、記録
装置2を簡略化して示す平面図であり、図26は、動圧
軸受装置1を簡略化して示す断面図である。動圧軸受装
置1は、スリーブ3に軸体4を挿入し、スリーブ3およ
び軸体4間に潤滑油5を介在させて構成され、スリーブ
3に非接触で、軸体4を軸線L1まわりに回転自在に支
持することができる。スリーブ3は、内周面が円筒状に
形成され、軸体4は、外周面が円筒状に形成され、その
スリーブ3の内周面または軸体4の外周面のいずれか一
方にヘリングボーン状の溝が形成され、動圧軸受装置1
は、周方向に関して均一な動圧を得て、周方向に均一な
軸受剛性を有している。
【0003】記録装置2は、軸体4を含む回転基体に固
定されるディスク6を備え、図示しない回転駆動源によ
ってディスク6を回転し、ヘッド7によってディスク6
に対して情報の読取および書込をすることができるよう
に構成される。記録装置2は、高密度の記録を実現する
ために、ディスク6を高速度で回転することが望まれ、
この高速化を実現するとともに、それに伴う騒音を低減
するために、非接触で支持可能な動圧軸受装置1が用い
られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】動圧軸受装置1は、ス
リーブ3と軸体4との間の軸受間隙を大きくすると、両
部材と潤滑油との抵触抵抗が小さくなり、より高速化を
実現することができるが、軸受剛性が低く回転基体は不
安定な状態となりやすくなり、軸受間隙を小さくする
と、軸受剛性を高くすることができるが、高速化が困難
になる。したがって高密度記録を実現するために記録装
置2に搭載される動圧軸受装置1は、高速化を実現する
ために、軸受間隙を大きくせざるを得ず、軸受剛性が低
くなってしまう。
【0005】記録装置2では、情報の読取および書込を
するためのヘッド7がディスク6表面に近接または接触
しており、ディスク6の回転に伴う空気流によって、ヘ
ッド7とディスク6との間に空気圧が生じ、矢符Aで示
すように、ディスク6が押圧される。このようにディス
ク6が外力を受けてしまうと、軸体4の上端部が軸線L
1からヘッド7に向かう方向Bに外力を受けてしまう。
このような外力を受けると、動圧軸受装置1の軸受剛性
が低いので、仮想線9で示すように、ディスク6が軸体
4とともに傾いてしまう。このようなディスク6の傾転
は、情報の読取および書込を不可能にするので、軸受剛
性が低くなることは、高密度記録の妨げになってしまう
という問題がある。
【0006】他の従来の技術として、特開平5−215
128には、ディスク駆動装置に搭載される動圧軸受装
置が示されている。この動圧軸受装置は、ラジアル動圧
軸受であって、ディスクおよび軸体を含む回転基体の振
回りを防止するために、軸受間隙を周方向で不均一にし
ている。この動圧軸受装置は、ディスクおよび軸体を含
む回転基体の振回りを防止するために、軸受間隙を不均
一にしているが、このように単に軸受間隙を不均一にす
るだけでは、回転軸線に対して特定方向からの外力に対
して、この外力に抗して軸体の変位を防止することがで
きない。換言すれば、特開平5−215128に示され
る動圧軸受装置をそのまま用いるだけでは、上述のよう
なディスクの傾転を防止することができない。
【0007】本発明の目的は、回転軸線に対して特定角
度方向の位置で作用する外力に対して、回転基体の不所
望な変位を防止することができる動圧軸受装置を提供す
ることである。
【0008】また本発明の目的は、回転軸線に対して特
定角度方向の位置で記録媒体ディスクに作用する外力に
対して、ディスクの不所望な変位を防止して回転駆動す
ることができる回転駆動装置を提供することである。
【0009】また本発明の目的は、回転軸線に対して特
定角度方向の位置で記録媒体ディスクに作用する外力に
対して、ディスクの不所望な変位を防止して高密度の記
録が可能である記録装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、固定支持体と回転基体との軸受間隙に流体を介在さ
せ、流体の動圧によって、回転基体を回転自在に支持す
る動圧軸受装置であって、回転基体の回転軸線に対して
特定角度方向の部位において発生する動圧を、他の角度
方向の部位において発生する動圧よりも高くして、この
特定角度方向の部位における軸受剛性を、他の角度方向
の部位における軸受剛性よりも高くすることを特徴とす
る動圧軸受装置である。
【0011】本発明に従えば、特定角度方向の部位にお
ける動圧を、他の角度方向の部位における動圧よりも高
くして、この特定角度方向の軸受剛性を、他の角度方向
の軸受剛性よりも高くしている。言い換えるならば、回
転基体の不所望な変位を防止するのに従来の技術のよう
にラジアル動圧軸受装置の軸受間隙を周方向に不均一に
して単に軸受剛性に強弱をもたせるだけでなく、その不
所望に変位する原因である特定角度方向に作用する外力
に着目し、特定角度方向の部位における軸受剛性を高く
するところに特徴がある。これにより、回転軸線に対し
て特定角度方向の位置で作用する外力に対して、回転基
体が不所望に変位することを防止することができ、この
外力が作用しない状態における状態と同様の好適な状態
で、回転基体を回転させることができる。しかも当該装
置内で発生する動圧を調製することでその作用を得るこ
とができるため、当該装置外の構成を変更する必要がな
く、比較的簡単な構成とすることができる。
【0012】請求項2記載の本発明は、前記動圧を高く
する部位は、ラジアル荷重を支持するためのラジアル軸
受部に設けられることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、ラジアル荷重を支持する
ためのラジアル軸受部に、軸受剛性を高くする部位が設
けられる。特定角度方向への外力に対して、回転基体の
スライド変位を確実に防ぐことができ、回転基体の振回
り防止効果も同時に達成することができる。また起動時
に、ラジアル軸受部における動圧が迅速に高くなるの
で、回転軸線を水平またはほぼ水平に配置して設けられ
る場合に、固定支持体に対して回転基体がより早期に非
接触の状態となり、迅速かつ円滑な軌道を実現すること
ができる。
【0014】請求項3記載の本発明は、前記動圧を高く
する部位は、スラスト荷重を支持するためのスラスト軸
受部に設けられることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、スラスト荷重を支持する
ためのスラスト軸受部に、軸受剛性を高くする部位が設
けられる。これによって特定角度方向への外力に対し
て、回転基体の傾転を確実に防ぐことができる。また起
動時に、スラスト軸受部における動圧が迅速に高くなる
ので、回転軸線を鉛直またはほぼ鉛直に配置して設けら
れる場合に、固定支持体に対して回転基体がより早期に
非接触の状態となり、迅速かつ円滑な軌道を実現するこ
とができる。
【0016】請求項4記載の本発明は、特定角度方向の
部位における軸受間隙が、他の角度方向の部位における
軸受間隙よりも小さいことを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、特定角度方向の部位にお
ける軸受間隙が、他の角度方向の部位における軸受間隙
よりも小さいので、特定角度方向の部位における動圧を
高くすることができる。また軸受間隙を変化させるだけ
で、特定角度方向の部位における軸受剛性を高くするこ
とができるので、簡単な構成で特定角度方向の軸受剛性
を高くすることができる。
【0018】請求項5記載の本発明は、周方向に一様な
軸受間隙を有し、固定支持体に動圧を発生させるための
動圧溝が形成され、特定角度方向の部位における動圧溝
の深さが軸受間隙の寸法とほぼ同一に形成され、他の角
度方向の部位における動圧溝の深さが軸受間隙の寸法と
異なる寸法に形成されることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、特定角度方向の部位にお
ける動圧溝の深さが軸受間隙の寸法とほぼ同一となるよ
うに形成され、他の角度方向の部位における動圧溝の深
さが軸受間隙の寸法と異なる寸法に形成されるので、特
定角度方向の部位における動圧を高くすることができ
る。また動圧溝の深さを変化させて、特定角度方向の部
位における軸受剛性を高くすることができるので、軸受
間隙を周方向で均一にすることが可能である。このよう
に軸受間隙を周方向で均一にすれば、軸受間隙を形成す
る回転基体と固定支持体との加工が容易になる。
【0020】請求項6記載の本発明は、固定支持体に動
圧を発生させるための動圧溝が形成され、特定角度方向
の部位における動圧溝の占める面積が、他の角度方向の
部位における動圧溝の占める面積よりも小さいことを特
徴とする。
【0021】本発明に従えば、特定角度方向の部位にお
ける動圧溝の占める面積が、他の角度方向の部位におけ
る動圧溝の占める面積よりも小さいので、特定角度方向
の部位における動圧を高くすることができる。また動圧
溝の占める面積を変化させて、特定角度方向の部位にお
ける軸受剛性を高くすることができるので、軸受間隙を
周方向で均一にすることが可能である。このように軸受
間隙を周方向で均一にすれば、軸受間隙を形成する回転
基体と固定支持体との加工が容易になる。
【0022】請求項7記載の本発明は、固定支持体に、
流体を屈曲領域に導いて動圧を発生させるためのV字状
の動圧溝が形成され、特定角度方向の部位における動圧
溝の屈曲角度が、他の角度方向の部位における動圧溝の
屈曲角度よりも小さいことを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、特定角度方向の部位にお
ける動圧溝の屈曲角度が、他の角度方向の部位における
動圧溝の屈曲角度よりも小さいので、特定角度方向の部
位における動圧を高くすることができる。また動圧溝の
屈曲角度を変化させて、特定角度方向の部位における軸
受剛性を高くすることができるので、軸受間隙を周方向
で均一にすることが可能である。このように軸受間隙を
周方向で均一にすれば、軸受間隙を形成する回転基体と
固定支持体との加工が容易になる。
【0024】請求項8記載の本発明は、固定支持体の軸
受間隙に臨む表面は、特定角度方向の部位における表面
粗さが、他の角度方向の部位における表面粗さよりも小
さいことを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、固定支持体の軸受間隙に
臨む表面は、特定角度方向の部位における表面粗さが、
他の角度方向の部位における表面粗さよりも小さいの
で、特定角度方向の部位における動圧を高くすることが
できる。また表面粗さを変化させて、特定角度方向の部
位における軸受剛性を高くすることができるので、軸受
間隙を周方向で均一にすることが可能である。このよう
に軸受間隙を周方向で均一にすれば、軸受間隙を形成す
る回転基体と固定支持体との加工が容易になる。
【0026】請求項9記載の本発明は、固定支持体はス
リーブ体を有し、かつ回転基体はスリーブ体に挿通され
る軸体を有し、スリーブ体の内周面は、特定角度方向の
部位における内径が、他の角度方向の部位における内径
よりも小さい形状に形成され、軸体の外周面は、円筒状
に形成されることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、スリーブ体の内周面は、
特定角度方向の部位における内径が、他の角度方向の部
位における内径よりも小さい形状に形成され、軸体の外
周面は、円筒状に形成される。これによって特定角度方
向の部位における軸受間隙が、他の角度方向の部位にお
ける軸受間隙よりも小さく構成され、特定角度方向の軸
受剛性を高くすることができる。このようにスリーブ体
の内径を変化させるだけで、軸受間隙を変化させ、簡単
な構成で特定角度方向の軸受剛性を高くすることができ
る。さらに回転する軸体は、外周面が周方向に均一であ
り、重量バランスが良好であって、安定した回転を実現
することができる。
【0028】請求項10記載の本発明は、固定支持体は
軸体を有し、かつ回転基体は軸体が挿通されるスリーブ
体を有し、軸体の外周面は、特定角度方向の部位におけ
る外径が、他の角度方向の部位における外径よりも大き
い形状に形成され、スリーブ体の内周面は、円筒状に形
成されることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、軸体の外周面は、特定角
度方向の部位における外径が、他の角度方向の部位にお
ける外径よりも大きい形状に形成され、回転基体の内周
面は、円筒状に形成される。これによって特定角度方向
の部位における軸受間隙が、他の角度方向の部位におけ
る軸受間隙よりも小さく構成することができる。このよ
うに軸体の外径を変化させるだけで、軸受間隙を変化さ
せ、簡単な構成で特定角度方向の軸受剛性を高くするこ
とができる。さらに回転する回転基体は、内周面が周方
向に均一であり、重量バランスが良好であって、安定し
た回転を実現することができる。
【0030】請求項11記載の本発明は、スリーブ体を
外方から挟持する保持体を有し、スリーブ体は、自然状
態で円筒状であり、保持体に挟持されて内径が楕円に変
形された状態で保持されることを特徴とする。
【0031】本発明に従えば、スリーブ体は、自然状態
で円筒状であり、保持体に挟持されて内径が楕円に変形
された状態で保持されるので、保持体に保持された状態
で、スリーブ体の内周面は、特定角度方向の部位におけ
る内径が、他の角度方向の部位における内径よりも小さ
い形状である。さらに内周面は、周方向全周にわたって
滑らかに連なる曲面であって、軸受間隙に介在される流
体の周方向への円滑な移動を実現し、安定した動圧の発
生を実現して安定した回転を実現することができる。
【0032】請求項12記載の本発明は、スリーブ体
は、円筒状の素材にラジアル荷重を与えて内径が楕円に
弾性変形させた状態で内周面が円筒状に切削された部材
であることを特徴とする。
【0033】本発明に従えば、スリーブ体は、円筒状の
素材にラジアル荷重を与えて内径が楕円に弾性変形させ
た状態で内周面が円筒状に切削された部材であるので、
動圧軸受装置が構成された状態では、スリーブ体へのラ
ジアル荷重が除去されており、スリーブ体の内周面は、
特定角度方向の部位における内径が、他の角度方向の部
位における内径よりも小さい形状である。さらに内周面
は、周方向全周にわたって滑らかに連なる曲面であっ
て、軸受間隙に介在される流体の周方向への円滑な移動
を実現し、安定した動圧の発生を実現して安定した回転
を実現することができる。
【0034】請求項13記載の本発明は、記録媒体ディ
スクを回転駆動するための回転駆動装置に搭載され、特
定角度方向は、記録媒体ディスクに対して情報の読取お
よび書込のうち少なくともいずれか一方をするためのヘ
ッドが走査する領域に向かう方向およびその反対方向で
あることを特徴とする動圧軸受装置である。
【0035】本発明に従えば、動圧軸受装置は、記録媒
体ディスクを回転駆動するための回転駆動装置に搭載さ
れ、ヘッドが走査する領域に向かう方向およびその反対
方向の軸受剛性が高く構成される。これによって記録媒
体ディスクの回転に伴う空気流によって、ヘッドが走査
する領域が押圧されても、この外力に抗して、記録媒体
ディスクが不所望に変位、すなわち傾転してしまうこと
を防ぐことができる。
【0036】請求項14記載の本発明は、請求項1〜1
2のいずれかに記載の動圧軸受装置であって、回転基体
に記録媒体ディスクが固定され、特定角度方向が、記録
媒体ディスクに対して情報の読取および書込のうち少な
くともいずれか一方をするためのヘッドが走査する領域
に向かう方向およびその反対方向である動圧軸受装置
と、動圧軸受装置の回転基体を回転軸線まわりに回転駆
動する駆動源とを含むことを特徴とする回転駆動装置で
ある。
【0037】本発明に従えば、動圧軸受装置は、ヘッド
が走査する領域に向かう方向およびその反対方向の剛性
が高く、記録媒体ディスクの回転に伴う空気流によっ
て、ヘッドが走査する領域が押圧されても、この外力に
抗して、記録媒体ディスクが不所望に変位、すなわち傾
転してしまうことを防ぐことができる。このような記録
媒体ディスクの傾転を防止した状態で、駆動源によって
記録媒体ディスクを安定して回転することができる。
【0038】請求項15記載の本発明は、請求項1〜1
2のいずれかに記載の動圧軸受装置と、動圧軸受装置の
回転基体を回転軸線まわりに回転駆動する駆動源と動圧
軸受装置の回転基体に固定される記録媒体ディスクと、
特定角度方向の領域で記録媒体ディスクに沿って走査さ
れ、情報の読取および書込のうち少なくともいずれか一
方をするためのヘッドとを含むことを特徴とする記録装
置である。
【0039】本発明に従えば、動圧軸受装置は、ヘッド
が走査する領域に向かう方向およびその反対方向の剛性
が高く、記録媒体ディスクの回転に伴う空気流によっ
て、ヘッドが走査する領域が押圧されても、この外力に
抗して、記録媒体ディスクが不所望に変位、すなわち傾
転してしまうことを防ぐことができる。このような記録
媒体ディスクの傾転を防止した状態で、駆動源によって
記録媒体ディスクを安定して回転することができる。こ
のように記録装置は、記録媒体ディスクの安定した回転
を実現することができ、ヘッドが情報を読取るためのヘ
ッドであれば、高密度に記録された情報を読取ることが
でき、ヘッドが情報を書込むためのヘッドであれば、高
密度に情報を書込むことができる。
【0040】請求項16記載の本発明は、楕円状内周面
を有するスリーブ体と、円筒状外周面を有しスリーブ体
に挿通される軸体との軸受間隙に流体を介在され、スリ
ーブ体の内周面および軸体の外周面の少なくともいずれ
か一方に形成される動圧溝によって発生する動圧によっ
て、軸体を回転自在に支持する動圧軸受装置の製造方法
であって、円筒状のスリーブ素材に一直径線方向に荷重
を与えて内周面を楕円に弾性変形させた状態でその内周
面を真円に切削加工し、一直径線方向の荷重を除去し
て、スリーブ体を形成し、スリーブ体の内周面および軸
体の外周面の少なくともいずれか一方に動圧溝を形成し
てなる動圧軸受装置の製造方法である。
【0041】本発明に従えば、円筒状のスリーブ素材に
一直径線方向に荷重を与えて内周面を楕円に弾性変形さ
せた状態で、その内周面を真円に切削加工するととも
に、動圧溝を形成し、一直径線方向の荷重を除去してス
リーブ体を形成する。これによって円筒状に切削する簡
単な切削加工によって、特定角度方向の内径が、他の角
度方向の内径よりも小さいスリーブ体であって、内周面
が滑らかに連なるスリーブ体を形成することができ、特
定角度方向の軸受剛性を高くすることができる動圧軸受
装置を容易に形成することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
動圧軸受装置20を示す断面図であり、図2は、スリー
ブ体75の内周部の一部を展開して示す展開図である。
動圧軸受装置20は、固定支持体21の一部を成す軸体
46と、回転基体22の一部を成すスリーブ体75と、
流体である潤滑流体23とを有するラジアル軸受部24
を含む。このラジアル軸受部24は、軸体46がスリー
ブ体75に緩やかに挿通され、軸体46とスリーブ体7
5との間の軸受間隙25に潤滑流体23が介在されてい
る。
【0043】動圧軸受を成すラジアル軸受部24は、軸
体46およびスリーブ体75の相互に対向する部分のい
ずれか一方に、本実施の形態では、スリーブ体75の内
周部26に、両端部が軸線方向に間隔をあけかつ軸線に
平行な一直線上に配置され、中央部が両端部に比べて周
方向一方に膨出したV字状溝部27を、周方向に一様に
並べたへリングボーン状の動圧溝28が形成されてい
る。動圧溝28は、残余の部分である各V字状溝部27
間のランド部29よりも半径方向外方に凹み、半径方向
内方に向けて開放している。
【0044】この動圧溝28によって、スリーブ体75
の回転、したがって回転基体22の回転に伴い、各V字
状溝部27の屈曲部分30に潤滑流体23を導いて動圧
を発生させ、軸体46に非接触の状態で、スリーブ体7
5を、その回転軸線L10まわりに回転自在に支持する
ことができる。軸体46およびスリーブ体75の軸線
は、回転軸線L10と一致している。なお、理解を容易
にするために、図1には軸体46とスリーブ体75が部
分的に接触するように示すが、実際は非接触である。
【0045】軸体46は、軸線に垂直な断面の外周面形
状が楕円形である軸線方向に一様な楕円柱状である。ス
リーブ体75は、軸線に垂直な断面の外周面形状および
内周面形状が真円形である軸線方向に一様な円筒状であ
る。したがって回転軸線L10に対して特定角度方向と
なる軸体46の長径に沿う第1および第2角度方向C
1,C2の部位、すなわち周方向に関して180度毎の
2箇所となる部位における軸受間隙25の半径方向寸法
が、他の角度方向の部位における軸受間隙25の半径方
向寸法よりも小さく形成される。より詳細には、軸受間
隙25において、第1および第2角度方向C1,C2が
最小寸法で、そこから±90度の方向が最大寸法となる
ように連続的に大きくなる。
【0046】このように回転軸線L10対して第1およ
び第2角度方向C1,C2(総称して「特定角度方向
C」という場合がある)の部位における軸受間隙25の
半径方向寸法を小さくして、回転軸線L10対して特定
角度方向Cの部位における潤滑流体23の動圧を、他の
角度方向の部位における動圧よりも高くして、回転軸線
L10対して特定角度方向Cの部位における軸受剛性k
rrを高くすることができる。
【0047】図3は、偏心率と軸受剛性krrとの関係
を示すグラフである。横軸の偏心率は、固定支持体21
である軸体46の軸線に対する回転軸線L10の偏心率
であり、横軸の軸受剛性は、固定支持体21に対する回
転基体22の半径方向および軸線方向のスライド変位の
し難さを意味し、高いほど変位し難い。図3に示すよう
に、本件発明者は、偏心するほど、その偏心方向の部位
における軸受剛性krrが高くなることを確認してお
り、このことからさらに軸受間隙25の寸法が小さいほ
ど、すなわち軸受構造を成す2つの部材間の間隔が小さ
いほど、その部位における軸受剛性krrが高くなるこ
とが明らかである。
【0048】図4および図5は、ともにすきま比h1/
h0と軸受剛性krrの関係を示すグラフである。図4
および図5は、ともに横軸がすきま比h1/h0を示
し、縦軸が軸受剛性krrを示す。図6は、軸受間隙2
5付近の一部を拡大して示す断面図である。すきま比h
1/h0は、図6に示すように、軸体46の外周面32
(溝が形成される部材と反対側の部材の面)とスリーブ
体75の内周面33(溝が形成される部材のランド部の
面)との隙間(以下「ランド隙間」という)h0に対す
る軸体46の外周面32と動圧溝28に半径方向に臨む
底面34との隙間(以下「溝隙間」という)h1の比で
ある。スリーブ体75に動圧溝28が形成される本実施
の形態では、スリーブ体75の内周面33は、ランド部
29の半径方向内方に臨む面となる。このランド隙間h
0が、軸受間隙25の寸法であり、同一の符号を付す場
合がある。
【0049】図4は、ランド幅b0に対する溝幅b1の
比(以下「幅比」という)b1/b0を変化させて示
し、図5は、各V字状溝部27の屈曲角度βを変化させ
て示す。図4および図5の関係は、小野京介、朱加生
共著の「磁気ディスクスピンドル用各種油軸受に関する
特性比較研究」(日本機会学会論文集(C編)64巻6
2号(1998−6)2205−2211)にて周知で
ある。ランド幅b0は、図2に示すように、隣り合うV
字状溝部27間の寸法であり、一円周上における、本実
施の形態では内周面33に沿った周方向寸法である。溝
幅b1は、V字状溝部27の溝幅の寸法であり、内周面
33と同一円筒面に沿った周方向寸法である。屈曲角度
βは、図2に示すように、各V字状溝部27の屈曲部3
0の両側部分の成す角度である。
【0050】図4および図5に示すように、本系発明者
は、幅比b1/b0および屈曲角度βに拘わらず、すき
ま比h1/h0が2.0近傍、さらに詳細には2.15
にあるとき、軸受剛性krrが最も高くなることを確認
している。
【0051】動圧軸受装置20は、図3〜図5に示す軸
受特性を有しているので、上述のように特定角度方向C
の部位における軸受間隙25の半径方向寸法h0を小さ
くすることによって、特定角度方向Cの軸受剛性krr
を高くすることができる。さらに本実施の形態では、動
圧溝28の深さdは、特定角度方向Cの部位におけるす
きま比h1/h0が、2近傍、好ましくは2.15とな
るように、形成されている。これによって特定角度方向
Cの部位における軸受剛性krrをより高くすることが
できる。
【0052】詳述は避けるが、動圧軸受装置20は、屈
曲角度β、溝深さd、幅比b1/b0および溝本数など
の軸受諸元に関して、軸受剛性krr、ダンピング、ロ
ス、耐コンタミ性、製作誤差の鈍感性および低速回転時
の耐磨耗性などの各種の特性に対して最適条件があり、
設計思想に基づいて設計される。軸受剛性krrの観点
でみたとき、動圧溝28の溝深さdに基づくすきま比h
1/h0が、他の軸受諸元によって若干変動するもの
の、上述のように2近傍であるとき、最適値を有する
(最も高くなる)ことが確認されており、したがって本
実施の形態では、上述のような構成にして、特定角度方
向Cの軸受剛性krrを高くするとともに、全体的な軸
受剛性krrを高くしている。
【0053】図7は、動圧軸受装置20を備えるモータ
40を示す断面図であり、図8は、HDD装置41を示
す斜視図である。記録装置であるHDD装置41は、複
数の記録媒体ディスクである磁気ディスク42を備え、
回転駆動装置であるスピンドルモータとも呼ばれるモー
タ40によって各磁気ディスク42を回転することがで
きる。このようにモータ40に搭載され、HDD装置4
1に設けられた状態で、回転軸線L1は、たとえば鉛直
に配置され、軸線方向一方が上方となり、軸線方向他方
が下方となっている。
【0054】モータ40は、基盤45と、基盤45に下
端部が固定された軸体46と、軸体46の上部に同心状
に固設されたスラスト板47と、軸体46に対して半径
方向にかつスラスト板47に対して軸線方向下方に微小
間隙、すなわち軸受間隙25,49を有して周設され、
軸体46の回りを回転自在に設けられるスリーブ体75
と、スリーブ体75の上端部の内側に嵌まり込んで固定
されるカバー体60と、軸体46とスリーブ体75との
軸受間隙25、スラスト板47とスリーブ体75との軸
受間隙49、およびスラスト板47とカバー体60との
軸受間隙77に充填された潤滑流体23と、基盤45に
固設されたステータ50と、スリーブ体75のステータ
50に対向する位置に固設されたマグネット51とを備
えている。
【0055】軸体46とスラスト板47とを含んで固定
支持体21が構成される。スリーブ体75とカバー体6
0とを含んで回転基体22が構成される。上述のように
軸体46とスリーブ体75との間に潤滑流体23を介在
させてラジアル軸受部24が構成され、スラスト板47
とスリーブ体75との間およびスラスト板47とカバー
体60との間に潤滑流体23を介在させてスラスト軸受
部54が構成される。したがって動圧軸受装置20は、
固定支持体21と回転基体22と潤滑流体23とを含
み、固定支持体21と回転基体22との間に潤滑流体2
3を介在させて構成される。潤滑流体23は、たとえば
潤滑油である。
【0056】軸体46は、上端部(軸線方向一端部)寄
りの位置であってスラスト板47が固設される箇所の上
方に周方向に沿って形成された第1の環状溝55、軸線
方向の略中央部に形成された第2の環状溝56、下端部
(軸線方向他端部)寄りの位置であって基盤45の上方
に形成された第3の環状溝57、および内部に軸線方向
に沿って形成され、第2の環状溝56と第3の環状溝5
7とを連通する第1の通気孔(呼吸孔)58が形成され
る。本実施の形態では、ラジアル軸受部224は、第2
の環状溝56の上方側の第1部分97と下方側の第2部
分98とを有している。
【0057】第1の環状溝55は、半径方向外方に開放
する断面凹形状を有し、スリーブ体75に固定されて軸
体46に周設される環状のカバー板60の切欠き部61
に臨む空間とによって、潤滑流体23が外部に流出する
のを阻止する環状の流出阻止空間62を構成する。
【0058】第2の環状溝56は、この第2の環状溝5
6に臨む外周面が軸線方向中間部の一点から上方および
下方に向かうにつれて拡径する形状を有し、スリーブ体
75に形成される環状溝64とによって、ラジアル軸受
部24の第1部分97と第2部分98とに潤滑流体23
を分離する気体介在空間65を構成する。スリーブ体7
5の環状溝64は、第2の環状溝56に対向し、環状溝
64に臨む内周面が軸線方向中間部の一点から上方およ
び下方に向かうにつれて縮径する形状を有している。
【0059】第3の環状溝57は、この第3の環状溝5
7に臨む外周面が軸線方向中間部の一点から上方および
下方に向かうにつれて拡径する形状を有し、スリーブ体
75の下端部における内周部に臨む空間とによって、潤
滑流体23が外部に流出するのを阻止する環状の流出阻
止空間66を構成する。通気孔58は、気体介在空間6
5が密閉されしまうことを防ぐ。
【0060】図9は、スラスト板47を示す平面図であ
る。図7および図8を併せて参照して、スラスト板47
は、軸線方向両端部に、両端部が半径方向に間隔をあけ
かつ一半径線上に配置され、中央部が両端部に比べて周
方向一方に膨出したV字状溝部70を、周方向に一様に
並べたへリングボーン状の動圧溝71がそれぞれ形成さ
れている。上端部の動圧溝71は、各V字状溝部70間
のランド部72よりも下方に凹み、上方に向けて開放
し、下端部の動圧溝71は、各V字状溝部70間のラン
ド部72よりも上方に凹み、下方向けて開放している。
図10には、各V字状溝部71の幅を省略して示す。
【0061】この動圧溝71によって、回転基体22の
回転に伴い、各V字状溝部70の屈曲部分74に潤滑流
体23を導いて動圧を発生させ、スラスト板47に非接
触の状態で、回転基体22を、その回転軸線L10まわ
りに回転自在に支持することができる。スリーブ体75
およびカバー体60と、スラスト板47と、これらの間
に介在される潤滑流体23を含んでスラスト荷重を受け
るスラスト軸受部80が構成される。このスラスト軸受
部80においても、ラジアル軸受部24と同様に、図3
〜図6を参照して説明した上述の軸受特性を有する。こ
のスラスト軸受部80と上述のラジアル荷重を受けるラ
ジアル軸受部24と併せて、動圧軸受装置20が構成さ
れ、回転基体22が、固定支持体21に対して非接触の
状態で支持される。
【0062】またスラスト板47には、内周部に2つの
流体循環孔81を成す溝が形成されており、潤滑流体2
3が、スラスト板47の厚み方向両側の軸受間隙49,
77に相互に導かれるように構成される。
【0063】再び図7および図8を参照して、モータ4
0は、ステータ50が備えるコイルに通電することによ
って、ステータ50と、マグネット51の間の磁気作用
によって、回転力を発生させ、これによって回転基体2
2を回転駆動することができる。このステータ50およ
びマグネット51を含んで駆動源であるモータ本体が構
成される。
【0064】各磁気ディスク42は、回転基体22に、
具体的にはスリーブ体75に外嵌され、スペーサ84を
介して相互に間隔をあけた状態で、上下に積層され、ス
リーブ体75に形成されるフランジ83と、クランプ部
材82とによって挟持されて保持される。したがってモ
ータ40によって各磁気ディスク42を回転駆動するこ
とができる。
【0065】HDD装置41は、各磁気ディスク42に
それぞれ対応する複数のアクセスアーム(図には1つだ
けを図示)90を有し、各アクセスアーム90は、長手
方向中間部で一体的に、回転軸線L10と平行な角変位
軸線L11まわりに角変位自在に支持されている。各ア
クセスアーム90の一端部には、各磁気ディスク42に
それぞれ対応する磁気ヘッド43が設けられる。各アク
セスアーム90の他端部には、共通のボイスコイルが設
けられる。
【0066】各アクセスアーム90は、HDD装置41
の機体92に固定されるマグネットと上記ボイスコイル
とを含んで構成されるボイスコイルモータ91によって
角変位駆動することができ、各磁気ヘッド43を各磁気
ディスク42に沿って、矢符Dで示すように、走査する
ことができる。磁気ヘッド43は、各磁気ディスク42
に対して接触してもよい、またわずかに隙間をあけて配
置されてもよいが、本実施の形態では、たとえば0.0
2μmの間隔をあけている。
【0067】HDD装置41では、モータ40によって
各磁気ディスク42を回転駆動し、磁気ヘッド43を走
査させて、各磁気ディスク42に対して情報の読取およ
び書込の少なくとも一方(本実施の形態では両方)をす
ることができる。HDD装置41においてこのような情
報の読取および書込をするとき、従来の技術に関連して
述べたように、各磁気ディスク42が回転されて空気流
が発生し、この空気流が磁気ディスク42と磁気ヘッド
43との間を通過しようとして、この空気流によって、
磁気ヘッド43と磁気ディスク42間に空気圧が生じ、
磁気ヘッド43が走査される領域95において各磁気デ
ィスク42が下方に押圧される。これに対して磁気ディ
スク42が傾転してしまうことを防ぐために、動圧軸受
装置20が上述のように構成される。
【0068】動圧軸受装置20は、第1の角度方向C1
が、回転軸線L10から磁気ヘッド43による走査領域
95のほぼ中央を通る方向となるにように、かつ第2の
角度方向C2が回転軸線L10に対して第2の角度方向
C2の反対方向となるように配置される。動圧軸受装置
20は、上述の構成によって、特定角度方向C1,C2
の部位における動圧を、他の角度方向の部位における動
圧よりも高くして、この特定角度方向Cの軸受剛性kr
rを、他の角度方向の軸受剛性krrよりも高くしてい
る。
【0069】このように特定角度方向Cの部位における
軸受剛性krrを高くして、特定角度方向Cへ向かう外
力が作用しても、回転基体22がその方向にスライド変
位することを防ぐことができる。本実施の形態では、第
1の方向C1だけではなく、反対方向となる第2方向C
2の軸受剛性krrが高くなるように構成されるので、
回転軸線L10ならびに第1および第2方向C1,C2
に垂直な軸線まわりの傾転も防ぐことができる。したが
って上述のような空気流による磁気ディスク42の押圧
に対して、磁気ディスク42を傾転させることなく、安
定して回転させることができる。したがってHDD装置
41は、高速度かつ高安定度の磁気ディスク42の回転
が得られ、高密度の記録が可能である。
【0070】図10は、本発明の実施の他の形態の動圧
軸受装置20aのラジアル軸受部24aを示す断面図で
ある。本実施の形態の動圧軸受装置20aは、図1〜図
9の実施の形態と類似しており、同様の構成は同一符号
を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ説明す
る。この異なる構成のうち、図1〜図9の構成に対応す
る構成は、その構成の符号に「a」を添えた符号を付
す。
【0071】本実施の形態の動圧軸受装置20aは、軸
体46aが軸線に垂直な断面の外周面形状が真円形であ
る軸線方向に一様な略円柱状であって、特定角度方向C
に対して90度ずれた2つの角度方向の部位に、半径方
向内方に凹む凹所100が形成され、スリーブ体75a
の軸線に垂直な断面の外周面形状および内周面形状が真
円形である軸線方向に一様な円筒状である。これによっ
て特定角度方向Cの部位における軸受剛性krrが高く
なるように構成される。このような構成であっても、図
1〜図9の実施の形態と同様の効果を達成することがで
きる。なお、図示しないが、本実施形態において動圧溝
は、スリーブ体75aと軸体46aとのいずれに形成さ
れていてもよい。
【0072】図11は、本発明のさらに実施の他の形態
の動圧軸受装置20bのラジアル軸受部24bを示す断
面図である。本実施の形態の動圧軸受装置20bは、図
1〜図9の実施の形態と類似しており、同様の構成は同
一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ
説明する。この異なる構成のうち、図1〜図9の構成に
対応する構成は、その構成の符号に「b」を添えた符号
を付す。
【0073】本実施の形態の動圧軸受装置20bは、軸
体46bが回転基体22を構成し、軸線に垂直な断面の
外周面形状が真円形である軸線方向に一様な円柱状であ
って、スリーブ体75bが固定支持体21を構成し、軸
線に垂直な断面の外周面形状および内周面形状が真円形
である軸線方向に一様な円筒状であり、周方向に均一な
軸受間隙25が形成されている。スリーブ体75bに形
成される動圧溝28bは、特定角度方向Cが短径とな
り、特定角度方向Cから90度ずれた方向が長径となる
楕円筒面に沿って、底面が配置されるように形成され
る。このようにして特定角度方向Cにおける部位の深さ
が軸受間隙25の寸法とほぼ同一となり、すきま比h1
/h0が2.0近傍となるように形成され、他の角度方
向の部位における深さが軸受間隙25の寸法とは異な
り、すきま比h1/h0が2.0近傍と異なる数値とな
るように形成される。これによって特定角度方向Cの部
位における軸受剛性krrが高くなるように構成され
る。このような構成であっても、図1〜図9の実施の形
態と同様の効果を達成することができる。なお、軸体4
6bが固定支持体21を構成し、スリーブ体75bが回
転基体22を構成する場合、その動圧溝28bは、軸体
46bの外周面に形成するとよい。
【0074】図12は、本発明の実施のさらに他の形態
の動圧軸受装置20cのラジアル軸受部24cを示す断
面図である。本実施の形態の動圧軸受装置20cは、図
1〜図9の実施の形態と類似しており、同様の構成は同
一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ
説明する。この異なる構成のうち、図1〜図9の構成に
対応する構成は、その構成の符号に「c」を添えた符号
を付す。
【0075】本実施の形態の動圧軸受装置20cは、図
11に対する動圧軸受装置20bの場合と同様の断面形
状となる軸体46cおよびスリーブ体75cであって、
軸体46cが回転基体22を構成し、スリーブ体46c
が固定支持体21を構成し、周方向に均一な軸受間隙2
5が形成されている。スリーブ体75cに形成される動
圧溝28cは、特定角度方向Cを中心とする周方向に9
0度の角度範囲において、深さが軸受間隙25の寸法と
ほぼ同一となり、すきま比h1/h0が2.0近傍とな
るように形成され、特定角度方向Cに90度ずれた位置
を中心とする周方向に90度の角度範囲において、深さ
が軸受間隙25の寸法とは異なり、すきま比h1/h0
が2.0近傍と異なる数値となるように、段差を有して
形成される。これによって特定角度方向Cの部位におけ
る軸受剛性krrが高くなるように構成される。このよ
うな構成であっても、図1〜図9の実施の形態と同様の
効果を達成することができる。なお、軸体46cが固定
支持体21を構成し、スリーブ体75cが回転基体22
を構成する場合は、その動圧溝28cは軸体46cの外
周面に形成するとよい。
【0076】図13は、本発明の実施のさらに他の形態
の動圧軸受装置20dのラジアル軸受部24dを示す断
面図である。図14はラジアル軸受部24dのスリーブ
体75dの一部を展開して示す展開図である。なお図1
4には、動圧溝28dの幅を省略して示す。本実施の形
態の動圧軸受装置20dは、図1〜図9の実施の形態と
類似しており、同様の構成は同一符号を付して説明を省
略し、異なる構成についてだけ説明する。この異なる構
成のうち、図1〜図9の構成に対応する構成は、その構
成の符号に「d」を添えた符号を付す。
【0077】本実施の形態の動圧軸受装置20dは、図
12に示す動圧軸受装置20cと同様の断面形状をなす
軸体46dおよびスリーブ体75dであって、軸体46
dが回転基体22を構成し、スリーブ体46dが固定支
持体21を構成し、周方向に均一な軸受間隙25が形成
されている。スリーブ体75dに形成される動圧溝28
dは、その深さが、周方向に均一で、かつすきま比h1
/h0が最適値をとるように、形成される。第1の方向
C1の部位の角度位置を0度として、上側から見て時計
回りに周方向に角度位置を特定して、図14の展開図に
示すように、動圧溝28dは、V字状溝部27が特定角
度方向Cを中心とする周方向に90度の角度範囲におい
て密に形成され、V字状溝部27が特定角度方向Cに9
0度ずれた位置を中心とする周方向に90度の角度範囲
において疎に形成される。
【0078】このようにして特定角度方向Cの部位にお
ける動圧溝28dの占める面積が、他の角度方向の部位
における動圧溝dの占める面積よりも小さくなるように
構成される。これによって特定角度方向Cの部位におけ
る軸受剛性krrが高くなるように構成される。このよ
うな構成であっても、図1〜図9の実施の形態と同様の
効果を達成することができる。なお、軸体46dが固定
支持体21を構成し、スリーブ体75dが回転基体22
を構成する場合、動圧溝28dは、軸体46dの外周面
に形成するとよい。
【0079】図15は、本発明の実施のさらに他の形態
の動圧軸受装置20eのラジアル軸受部24eのスリー
ブ体75eの一部を展開して示す展開図である。なお図
15には、動圧溝28eの幅を省略して示す。本実施の
形態の動圧軸受装置は、図1〜図9の実施の形態と類似
しており、同様の構成は同一符号を付して説明を省略
し、異なる構成についてだけ説明する。この異なる構成
のうち、図1〜図9の構成に対応する構成は、その構成
の符号に「e」を添えた符号を付す。また理解を容易に
するために、図示されない構成についても符号を付す。
【0080】本実施の形態の動圧軸受装置は、図13に
示す動圧軸受装置20dの場合と同様の断面形状をなす
軸体46eおよびスリーブ体75eであって、軸体46
eが回転基体22を構成し、スリーブ体75eが固定支
持体21を構成し、周方向に均一な軸受間隙25が形成
されている。スリーブ体75eに形成される動圧溝28
eは、その深さが、周方向に均一で、かつすきま比h1
/h0が最適値をとるように、形成される。第1の方向
C1の部位の角度位置を0度として、上側から見て時計
回りに周方向に角度位置を特定して、図15の展開図に
示すように、動圧溝28eは、V字状溝部27が特定角
度方向Cを中心とする周方向に90度の角度範囲におい
て屈曲角度βが鋭角を成す小さい角度となるように形成
され、V字状溝部27が特定角度方向Cに90度ずれた
位置を中心とする周方向に90度の角度範囲において屈
曲角度βが鈍角を成す大きい角度となるように形成され
る。
【0081】このようにして特定角度方向Cの部位にお
ける動圧溝28eの屈曲角度βが、他の角度方向の部位
における動圧溝28eの屈曲角度βよりも小さくなるよ
うに構成される。これによって特定角度方向Cの部位に
おける軸受剛性krrが高くなるように構成される。こ
のような構成であっても、図1〜図9の実施の形態と同
様の効果を達成することができる。なお、軸体46eが
固定支持体21を構成し、スリーブ体75eが回転基体
22を構成する場合、動圧溝28eは、軸体46eの外
周面に形成するとよい。
【0082】図16は、本発明の実施のさらに他の形態
の動圧軸受装置20fのラジアル軸受部24fのスリー
ブ体75fの一部を展開して示す展開図である。本実施
の形態の動圧軸受装置20fは、図1〜図9の実施の形
態と類似しており、同様の構成は同一符号を付して説明
を省略し、異なる構成についてだけ説明する。この異な
る構成のうち、図1〜図9の構成に対応する構成は、そ
の構成の符号に「f」を添えた符号を付す。また理解を
容易にするために、図示されない構成についても符号を
付す。
【0083】本実施の形態の動圧軸受装置20fは、図
13に示す動圧軸受装置20dの場合と同様の断面形状
をなす。軸体46fおよびスリーブ体75fであって、
軸体46fが回転基体22を構成し、スリーブ体75f
が固定支持体21を構成し、周方向に均一な軸受間隙2
5が形成されている。スリーブ体75fに形成される動
圧溝28fは、その深さが、周方向に均一で、かつすき
ま比h1/h0が最適値をとるように、形成される。第
1の方向C1の部位の角度位置を0度として、上側から
見て時計回りに周方向に角度位置を特定して、図16の
展開図に示すように、動圧溝28fは、特定角度方向C
を中心とする周方向に90度の角度範囲において溝幅b
1が大きく形成され、特定角度方向Cに90度ずれた位
置を中心とする周方向に90度の角度範囲において溝幅
b1が小さく形成される。このようにして特定角度方向
Cの部位における動圧溝28fの占める面積が、他の角
度方向の部位における動圧溝28fの占める面積よりも
小さくなるように構成される。これによって特定角度方
向Cの部位における軸受剛性krrが高くなるように構
成される。このような構成であっても、図1〜図9の実
施の形態と同様の効果を達成することができる。なお、
軸体46fが固定支持体21を構成し、スリーブ体75
fが回転基体22を構成する場合、動圧溝28fは軸体
46fの外周面に形成するとよい。
【0084】図17は、本発明の実施のさらに他の形態
の動圧軸受装置20gのラジアル軸受部24gの軸体4
6gの一部を展開して示す展開図である。本実施の形態
の動圧軸受装置20gは、図1〜図9の実施の形態と類
似しており、同様の構成は同一符号を付して説明を省略
し、異なる構成についてだけ説明する。この異なる構成
のうち、図1〜図9の構成に対応する構成は、その構成
の符号に「g」を添えた符号を付す。また理解を容易に
するために、図示されない構成についても符号を付す。
【0085】本実施の形態の動圧軸受装置20gは、図
13に示す動圧軸受装置20dの場合と同様の断面形状
をなす軸体46gおよびスリーブ体75gであって、軸
体46gが回転基体22を構成し、スリーブ体75gが
固定支持体21を構成し、周方向に均一な軸受間隙25
が形成されている。スリーブ体75gに形成される動圧
溝28gは、その深さが、周方向に均一で、かつすきま
比h1/h0が最適値をとるように、形成される。スリ
ーブ体75gの外周面が、第1の方向C1の部位の角度
位置を0度として、上側から見て時計回りに周方向に角
度位置を特定して、図17の展開図に示すように、特定
角度方向Cを中心とする周方向に90度の角度範囲にお
いて滑らかな円筒面に形成され、特定角度方向Cに90
度ずれた位置を中心とする周方向に90度の角度範囲に
おいて粗面状に形成される。このようにしてスリーブ体
75gの外周面は、特定角度方向Cの部位における表面
粗さが、他の角度方向の部位における表面粗さよりも小
さくなるように形成される。これによって特定角度方向
Cの部位における軸受剛性krrが高くなるように構成
される。このような構成であっても、図1〜図9の実施
の形態と同様の効果を達成することができる。なお、軸
体46gが固定支持体21を構成し、スリーブ体75g
が回転基体22を構成する場合、軸体46gの外周面に
上記と同様の滑らかな表面と粗面とを合せもつようにす
るとよい。
【0086】図18は、本発明のさらに実施の他の形態
の動圧軸受装置20hのラジアル軸受部24hを示す断
面図である。本実施の形態の動圧軸受装置20hは、図
1〜図9の実施の形態と類似しており、同様の構成は同
一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ
説明する。この異なる構成のうち、図1〜図9の構成に
対応する構成は、その構成の符号に「h」を添えた符号
を付す。
【0087】本実施の形態の動圧軸受装置20hは、図
1に示す動圧軸受装置20と同様の軸受間隙23と同様
であって、スリーブ体75hと軸体46hとの断面形状
は、図1に示す動圧軸受装置20の構成と反対の形状で
あり、スリーブ体75hが固定支持体21を構成し、軸
体46hが回転基体22を構成する。具体的には、軸体
46hは、軸線に垂直な断面の外周面形状が真円形であ
る軸線方向に一様な円柱状である。またスリーブ体75
hは、軸線に垂直な断面の外周面形状が真円形であり、
内周面形状が楕円形である円筒状である。スリーブ体7
5hは、軸線に垂直な断面の外周面形状が真円形であ
り、内周面形状が楕円形である円筒状である。
【0088】スリーブ体75hは、内周面が、特定角度
方向Cが短径となり、特定角度方向Cから90度ずれた
方向が長径となる楕円筒状に形成される。軸体46h
は、安定した回転を得るために、外周面が円筒状に形成
される。軸体46hがスリーブ体75hに挿通され、こ
れらの間の軸受間隙25に潤滑流体23が介在されて軸
体46hが回転軸線L10まわりに、スリーブ体75h
非接触の状態で回転自在に設けられる。なお図18には
部分的に接触した状態で示すが、実際には非接触であ
る。
【0089】スリーブ体75hは、動圧溝28hが形成
されており、その深さは、すきま比h1/h0が最適値
をとるように形成される。このように軸体46hが回転
する構成であっても、特定角度方向Cにおける部位の軸
受間隙25の寸法が、他の角度方向の部位における軸受
間隙の寸法よりも小さくなるようにすることができ、特
定角度方向Cの部位における軸受剛性krrが高くなる
ように構成される。このような構成であっても、図1〜
図9の実施の形態と同様の効果を達成することができ
る。
【0090】図19は、図18に示す動圧軸受装置の製
造方法を示すフローチャートである。具体的には、スリ
ーブ体75hの製造方法の手順を示すフローチャートで
あり、図20は、スリーブ体75hの製造方法の手順を
示す断面図である。スリーブ体75hの製造は、図20
(1)に示すような軸直角断面の内周面形状および外周
面形状が真円形である円筒状の素材110を準備して、
ステップs0から開始し、ステップs1の第1次内周面
工程に移行する。ステップs1では、図20(2)に示
すように、素材110にラジアル荷重を与えて、本実施
の形態では、一直径線方向に圧縮荷重を与え、圧縮して
偏平状に弾性変形させる。この状態で図20(3)に示
すように内周面が円筒状に、すなわち軸直角断面におけ
る内周面が真円状となるように、切削加工する。円筒面
の切削加工は、たとえばドリルなどを用いて極めて容易
に加工することができる。
【0091】このような第1次内周面工程が終了する
と、OLE_LINK1ステップs2では、ステップs1で与え
た荷重を除去して、図20(4)のように復元させ、内
周面を楕円筒状にする。このように復元させた後OLE_LI
NK1、ステップs3では溝加工工程として図20(5)
に示すように、内周部に、この時点で深さが周方向に均
一な動圧溝28hを形成する。動圧溝28hは、マイク
ロ施盤、ボール転造およびエッチング放電加工などの公
知の加工方法によって形成することができる。このよう
な溝加工工程が終了すると、スリーブ体75hが形成さ
れ、ステップs4に移行し、終了する。
【0092】このような製造方法によれば、円筒状外周
面の軸体46hと組合わせて、特定角度方向Cの軸受間
隙を小さくするためのスリーブ体75hを容易に製造す
ることができる。しかも内周面を、周方向に滑らかに連
なる楕円筒状とすることができる。
【0093】図21は、本発明のさらに実施の他の形態
の動圧軸受装置20iのラジアル軸受部24hを示す断
面図である。本実施の形態の動圧軸受装置20iは、図
1〜図9の実施の形態と類似しており、同様の構成は同
一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ
説明する。この異なる構成のうち、図1〜図9の構成に
対応する構成は、その構成の符号に「i」を添えた符号
を付す。
【0094】本実施の形態の動圧軸受装置20iは、図
10に示す動圧軸受装置20aと同様である軸受間隙2
3、スリーブ体75iと軸体46iの断面形状を有し、
スリーブ体75iは固定支持体21を構成し、軸体46
iは回転基体22を構成することにおいて相違する。ス
リーブ体75iは、内周面に、特定角度方向Cに対して
90度ずれた2つの角度方向の部位に、半径方向外方に
凹む凹所111が形成されている。これによって図10
に示す構成と同様に、特定角度方向Cの部位における軸
受剛性krrが高くなるように構成される。このような
構成であっても、図1〜図9の実施の形態と同様の効果
を達成することができる。なお、図示しないが、本実施
形態における動圧溝は、スリーブ体75iと軸体iのい
ずれに形成されてもよい。
【0095】図22は、本発明の実施のさらに他の形態
の動圧軸受装置20jのラジアル軸受部24jを示す断
面図である。本実施の形態の動圧軸受装置20jは、図
1〜図9の実施の形態と類似しており、同様の構成は同
一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ
説明する。この異なる構成のうち、図1〜図9の構成に
対応する構成は、その構成の符号に「j」を添えた符号
を付す。
【0096】本実施の形態の動圧軸受装置20jは、固
定支持体21を構成するスリーブ体75jとスリーブ体
75jを保持する保持体120と、回転基体22を構成
し、スリーブ体75jに挿通される軸体46jとを有す
る。保持体120は、軸直角断面の内周面および外周面
が楕円筒状であって、短径が自然状態で軸直角断面の内
周面および外周面が真円形の円筒状のスリーブ体75j
の外径よりも小さく、長径がそのスリーブ体75jの外
径より大きく形成されている。また保持体120は、ス
リーブ体75jよりも高い剛性を有している。軸体46
jは軸直角断面の外周面が真円形の円筒状である。
【0097】スリーブ体75jは、保持体120に圧入
状態(または焼き嵌め状態)で挿入され、スリーブ体7
5jは、保持体120によって一直径線に沿って、具体
的には特定角度方向Cに平行に挟持され、圧縮されて楕
円筒状に弾性変形された状態で保持されている。このよ
うな構成は、内周部に図示しない動圧溝が形成され、軸
直角断面の内周面および外周面が真円形の円筒状である
スリーブ体75jを形成し、スリーブ体75jを保持す
るための保持体120によって外方から挟持して変形さ
せるだけで、実現することができる。このような構成で
あっても、図18に示す構成と同様に、図1〜図9の実
施の形態と同様の効果を達成することができる。
【0098】図23は、本発明の実施のさらに他の形態
の動圧軸受装置20kのラジアル軸受部24kを示す断
面図である。本実施の形態の動圧軸受装置20kは、図
1〜図9の実施の形態と類似しており、同様の構成は同
一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ
説明する。この異なる構成のうち、図1〜図9の構成に
対応する構成は、その構成の符号に「k」を添えた符号
を付す。
【0099】本実施の形態の動圧軸受装置20kは、図
22に示す動圧軸受装置2jと同様の軸受間隙25、ス
リーブ体75k、軸体46k、動圧溝(図示なし)を有
し、保持体121は、内径が小さい小径部と内径が大き
い大径部とが90度毎に段差を有して配置される形状で
あって、小径部の内径が自然状態で円筒状のスリーブ体
75kの外径よりも小さく、大径部の内径がスリーブ体
75kの外径より大きく形成されている。また保持体1
21は、スリーブ体75kよりも高い剛性を有してい
る。軸体46kは外周面が円筒状である。
【0100】スリーブ体75kは、保持体121に圧入
状態(または焼き嵌め状態)で挿入され、スリーブ体7
5kは、保持体121によって一直径線に沿って、具体
的には特定角度方向Cに平行に挟持され、圧縮されて楕
円筒状に弾性変形された状態で保持されている。このよ
うな構成は、図22の構成と同様にして実現でき、同様
に、図1〜図9の実施の形態と同様の効果を達成するこ
とができる。
【0101】図22および図23に示す動圧軸受20
j,20kは、スリーブ体75j,75kを保持するた
めの保持体120,121を設けて、この保持体12
0,121によってスリーブ体75j,75kを外方か
ら狭持して変形させる。これによって円筒状に切削する
簡単な切削加工によって、特定角度方向の内径が、他の
角度方向の内径よりも小さいスリーブ体75j,75k
であって、内周面が滑らかに連なるスリーブ体75j,
75kを形成することができ、特定角度方向の軸受剛性
を高くすることができる動圧軸受装置を容易に形成する
ことができる。さらに保持体120,121は、スリー
ブ体75j,75kを狭持する部分間の寸法だけ、高精
度に形成すればよく、スリーブ体75j,75kを直接
加工して周方向に内径を異ならせる場合に比べて、高精
度の困難な加工が不要であり、容易に形成することがで
きる。
【0102】上述の各実施の形態は、本発明の例示に過
ぎず、本発明の範囲内で構成を変更することができる。
たとえば上述の各実施の形態の構成を、適宜選択して組
合わせるようにしてもよい。また軸受剛性を高くするた
めの構成を、スラスト軸受部に単独で、またはラジアル
軸受部とあわせて設けるようにしてもよい。
【0103】また動圧軸受装置を搭載する記録装置は、
HDD装置に限定されることはなく、他の記録媒体ディ
スクを備える装置であってもよい。また動圧軸受装置
は、記録装置のためのモータに限定する必要はなく、回
転軸線に対して特定方向の部位において外力が作用する
おそれのある装置の軸受装置として好適に実施すること
ができる。
【0104】たとえばレーザビームプリンタに搭載され
る回転多面鏡装置に実施するようにしてもよい。この回
転多面鏡装置は、多面鏡が設けられるモータが筐体に収
容され、レーザ光を走査する。このときモータの高速回
転によって、筐体の壁面および部品の配置に基づいて、
筐体内に不均一な圧力分布が形成され、これによってモ
ータが、特定角度方向の部位において押圧力を受けて、
多面鏡が傾転してしまうおそれがある。このモータに本
発明の動圧軸受装置を搭載することによって、多面鏡の
安定した回転を実現し、高精度のプリントを可能にする
ことができる。
【0105】またこの他、磁気テープの送りローラ駆動
用モータ、複写機の用紙送りローラ駆動用モータ、歯科
治療用ハンドピースに内臓されるモータ(ドリル駆動用
モータ)およびマイクロマシンを含む超小形機器などに
実施するようにしてもよい。
【0106】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、特定角
度方向の部位における軸受剛性を高くして、特定角度方
向へ向かう外力が作用しても、この外力が作用しない状
態と同様の好適な状態で、回転基体を回転させることが
できる。したがって特定角度方向へ向かう外力が作用し
ても、回転基体の安定した回転を実現することができ
る。
【0107】請求項2記載の本発明によれば、特定方向
への外力に対して、回転基体のスライド変位を確実に防
止し、振回り防止効果も同時に達成することができる。
また起動時に、ラジアル軸受部における動圧が迅速に高
くなるので、回転軸線を水平またはほぼ水平に配置して
設けられる場合に、迅速かつ円滑な軌道を実現すること
ができる。
【0108】請求項3記載の本発明によれば、特定方向
への外力に対して、回転基体の傾転を確実に防止するこ
とができる。起動時に、スラスト軸受部における動圧が
迅速に高くなるので、回転軸線を鉛直またはほぼ鉛直に
配置して設けられる場合に、迅速かつ円滑な軌道を実現
することができる。
【0109】請求項4記載の本発明によれば、軸受間隙
を変化させるだけで、特定角度方向の部位における軸受
剛性を高くすることができるので、簡単な構成で特定角
度方向の軸受剛性を高くすることができる。
【0110】請求項5記載の本発明によれば、動圧溝の
深さを変化させて、特定角度方向の部位における軸受剛
性を高くすることができるので、軸受間隙を周方向で均
一にすることが可能である。このように軸受間隙を周方
向で均一にすれば、固定支持体による回転基体の回転の
案内性が良好になり、安定した回転を実現することがで
きる。
【0111】請求項6記載の本発明によれば、動圧溝の
占める面積を変化させて、特定角度方向の部位における
軸受剛性を高くすることができるので、軸受間隙を周方
向で均一にすることが可能である。このように軸受間隙
を周方向で均一にすれば、固定支持体による回転基体の
回転の案内性が良好になり、安定した回転を実現するこ
とができる。
【0112】請求項7記載の本発明によれば、動圧溝の
屈曲角度を変化させて、特定角度方向の部位における軸
受剛性を高くすることができるので、軸受間隙を周方向
で均一にすることが可能である。このように軸受間隙を
周方向で均一にすれば、固定支持体による回転基体の回
転の案内性が良好になり、安定した回転を実現すること
ができる。
【0113】請求項8記載の本発明によれば、表面粗さ
を変化させて、特定角度方向の部位における軸受剛性を
高くすることができるので、軸受間隙を周方向で均一に
することが可能である。このように軸受間隙を周方向で
均一にすれば、固定支持体による回転基体の回転の案内
性が良好になり、安定した回転を実現することができ
る。
【0114】請求項9記載の本発明によれば、スリーブ
体の内径を変化させるだけで、軸受間隙を変化させ、簡
単な構成で特定角度方向の軸受剛性を高くすることがで
きる。さらに回転する軸体は、外周面が周方向に均一で
あり、重量バランスが良好であって、安定した回転を実
現することができる。
【0115】請求項10記載の本発明によれば、軸体の
外径を変化させるだけで、軸受間隙を変化させ、簡単な
構成で特定角度方向の軸受剛性を高くすることができ
る。さらに回転する回転基体は、内周面が周方向に均一
であり、重量バランスが良好であって、安定した回転を
実現することができる。
【0116】請求項11記載の本発明によれば、スリー
ブ体の内周面は、周方向全周にわたって滑らかに連なる
曲面であって、軸受間隙に介在される流体の周方向への
円滑な移動を実現し、安定した動圧の発生を実現して安
定した回転を実現することができる。
【0117】請求項12記載の本発明によれば、スリー
ブ体の内周面は、周方向全周にわたって滑らかに連なる
曲面であって、軸受間隙に介在される流体の周方向への
円滑な移動を実現し、安定した動圧の発生を実現して安
定した回転を実現することができる。
【0118】請求項13記載の本発明によれば、記録媒
体ディスクの回転に伴う空気流によって、ヘッドが走査
される領域が押圧されても、この外力に抗して、記録媒
体ディスクが傾転してしまうことを防ぐことができる。
【0119】請求項14記載の本発明によれば、外力に
抗して、記録媒体ディスクが傾転してしまうことを防ぐ
ことができる。このような記録媒体ディスクの傾転を防
止した状態で、駆動源によって記録媒体ディスクを安定
して回転することができる。
【0120】請求項15記載の本発明によれば、記録媒
体ディスクの傾転を防止した状態で、駆動源によって記
録媒体ディスクを安定して回転することができる。この
ように記録装置は、記録媒体ディスクの安定した回転を
実現することができ、ヘッドが情報を読取るためのヘッ
ドであれば、高密度に記録された情報を読取ることがで
き、ヘッドが情報を書込むためのヘッドであれば、高密
度に情報を書込むことができる。
【0121】請求項16記載の本発明によれば、円筒状
に切削する簡単な切削加工によって、特定角度方向の内
径が、他の角度方向の内径よりも小さいスリーブ体であ
って、内周面が滑らかに連なるスリーブ体を形成するこ
とができ、特定角度方向の軸受剛性を高くすることがで
きる動圧軸受装置を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の動圧軸受装置20を示
す断面図である。
【図2】スリーブ体75の内周部の一部を展開して示す
展開図である。
【図3】偏心率と軸受剛性krrとの関係を示すグラフ
である。
【図4】幅比b1/b0を変化させて、すきま比h1/
h0と軸受剛性krrの関係を示すグラフである。
【図5】各V字状溝部27の屈曲角度βを変化させて、
すきま比h1/h0と軸受剛性krrの関係を示すグラ
フである。
【図6】特定角度方向Cに切断したときの軸受間隙25
付近の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】動圧軸受装置20を備えるモータ40を示す断
面図である。
【図8】モータ40を備えるHDD装置を示す斜視図で
ある。
【図9】スラスト板47を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の他の形態の動圧軸受装置20
aを示す断面図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態の動圧軸受装
置20bを示す断面図である。
【図12】本発明の実施のさらに他の形態の動圧軸受装
置20cを示す断面図である。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態の動圧軸受装
置20dを示す断面図である。
【図14】スリーブ体75dの内周部の一部を展開して
示す展開図である。
【図15】本発明の実施のさらに他の形態のスリーブ体
75eの内周部の一部を展開して示す展開図である。
【図16】本発明の実施のさらに他の形態のスリーブ体
75fの内周部の一部を展開して示す展開図である。
【図17】本発明の実施のさらに他の形態の軸体46g
の外周部の一部を展開して示す展開図である。
【図18】本発明の実施のさらに他の形態の動圧軸受装
置20hを示す断面図である。
【図19】動圧軸受装置20hの製造方法を示すフロー
チャートである。
【図20】動圧軸受装置20hの製造方法を示す断面図
である。
【図21】本発明の実施のさらに他の形態の動圧軸受装
置20iを示す断面図である。
【図22】本発明の実施のさらに他の形態の動圧軸受装
置20jを示す断面図である。
【図23】本発明の実施のさらに他の形態の動圧軸受装
置20kを示す断面図である。
【図24】典型的な従来の技術の動圧軸受装置1を備え
る記録装置2を簡略化して示す断面図である。
【図25】記録装置2を簡略化して示す平面図である。
【図26】動圧軸受装置1を簡略化して示す断面図であ
る。
【符号の説明】
20,20a〜20k 動圧軸受装置 21 固定支持体 22 回転基体 23 潤滑流体 24,24a〜24k ラジアル軸受装置 25 軸受間隙 27 V字状溝部 28,28c 動圧溝 29 ランド部 80 スラスト軸受部 30 屈曲部 40 モータ 41 HDD装置 42 磁気ディスク 46,46a〜46k 軸体 47 スラスト板 60 カバー体 75,75a〜75k スリーブ体 C1,C2 特定角度方向 L10 回転軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/08 H02K 7/08 A Fターム(参考) 3J011 AA20 BA06 CA03 CA04 DA02 JA02 KA04 MA07 MA08 PA02 5D109 BB05 BB13 BB18 BB21 BB22 5H607 AA00 BB01 CC01 DD14 DD16 GG01 GG03 GG09 GG12 GG15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定支持体と回転基体との軸受間隙に流
    体を介在させ、流体の動圧によって、回転基体を回転自
    在に支持する動圧軸受装置であって、 回転基体の回転軸線に対して特定角度方向の部位におい
    て発生する動圧を、他の角度方向の部位において発生す
    る動圧よりも高くして、この特定角度方向の部位におけ
    る軸受剛性を、他の角度方向の部位における軸受剛性よ
    りも高くすることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記動圧を高くする部位は、ラジアル荷
    重を支持するためのラジアル軸受部に設けられることを
    特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記動圧を高くする部位は、スラスト荷
    重を支持するためのスラスト軸受部に設けられることを
    特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 特定角度方向の部位における軸受間隙
    が、他の角度方向の部位における軸受間隙よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の動圧
    軸受装置。
  5. 【請求項5】 周方向に一様な軸受間隙を有し、 固定支持体に動圧を発生させるための動圧溝が形成さ
    れ、 特定角度方向の部位における動圧溝の深さが軸受間隙の
    寸法とほぼ同一に形成され、他の角度方向の部位におけ
    る動圧溝の深さが軸受間隙の寸法と異なる寸法に形成さ
    れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    動圧軸受装置。
  6. 【請求項6】 固定支持体に動圧を発生させるための動
    圧溝が形成され、 特定角度方向の部位における動圧溝の占める面積が、他
    の角度方向の部位における動圧溝の占める面積よりも小
    さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    動圧軸受装置。
  7. 【請求項7】 固定支持体に、流体を屈曲領域に導いて
    動圧を発生させるためのV字状の動圧溝が形成され、 特定角度方向の部位における動圧溝の屈曲角度が、他の
    角度方向の部位における動圧溝の屈曲角度よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の動圧
    軸受装置。
  8. 【請求項8】 固定支持体の軸受間隙に臨む表面は、特
    定角度方向の部位における表面粗さが、他の角度方向の
    部位における表面粗さよりも小さいことを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載の動圧軸受装置。
  9. 【請求項9】 固定支持体はスリーブ体を有し、かつ回
    転基体はスリーブ体に挿通される軸体を有し、 スリーブ体の内周面は、特定角度方向の部位における内
    径が、他の角度方向の部位における内径よりも小さい形
    状に形成され、 軸体の外周面は、円筒状に形成されることを特徴とする
    請求項1記載の動圧軸受装置。
  10. 【請求項10】 固定支持体は軸体を有し、かつ回転基
    体は軸体が挿通されるスリーブ体を有し、 軸体の外周面は、特定角度方向の部位における外径が、
    他の角度方向の部位における外径よりも大きい形状に形
    成され、 スリーブ体の内周面は、円筒状に形成されることを特徴
    とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  11. 【請求項11】 スリーブ体を外方から挟持する保持体
    を有し、 スリーブ体は、自然状態で円筒状であり、保持体に挟持
    されて内径が楕円に変形された状態で保持されることを
    特徴とする請求項9記載の動圧軸受装置。
  12. 【請求項12】 スリーブ体は、円筒状の素材にラジア
    ル荷重を与えて内径が楕円に弾性変形させた状態で内周
    面が円筒状に切削された部材であることを特徴とする請
    求項9記載の動圧軸受装置。
  13. 【請求項13】 記録媒体ディスクを回転駆動するため
    の回転駆動装置に搭載され、 特定角度方向は、記録媒体ディスクに対して情報の読取
    および書込のうち少なくともいずれか一方をするための
    ヘッドが走査する領域に向かう方向およびその反対方向
    であることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれかに記載の動
    圧軸受装置であって、回転基体に記録媒体ディスクが固
    定され、特定角度方向が、記録媒体ディスクに対して情
    報の読取および書込のうち少なくともいずれか一方をす
    るためのヘッドが走査する領域に向かう方向およびその
    反対方向である動圧軸受装置と、 動圧軸受装置の回転基体を回転軸線まわりに回転駆動す
    る駆動源とを含むことを特徴とする回転駆動装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれかに記載の動
    圧軸受装置と、 動圧軸受装置の回転基体を回転軸線まわりに回転駆動す
    る駆動源と 動圧軸受装置の回転基体に固定される記録媒体ディスク
    と、 特定角度方向の領域で記録媒体ディスクに沿って走査さ
    れ、情報の読取および書込のうち少なくともいずれか一
    方をするためのヘッドとを含むことを特徴とする記録装
    置。
  16. 【請求項16】 楕円状内周面を有するスリーブ体と、
    円筒状外周面を有しスリーブ体に挿通される軸体との軸
    受間隙に流体を介在され、スリーブ体の内周面および軸
    体の外周面の少なくともいずれか一方に形成される動圧
    溝によって発生する動圧によって、軸体を回転自在に支
    持する動圧軸受装置の製造方法であって、 円筒状のスリーブ素材に一直径線方向に荷重を与えて内
    周面を楕円に弾性変形させた状態でその内周面を真円に
    切削加工し、一直径線方向の荷重を除去して、スリーブ
    体を形成し、スリーブ体の内周面および軸体の外周面の
    少なくともいずれか一方に動圧溝を形成してなる動圧軸
    受装置の製造方法。
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