JPH08124570A - ポリマー電極、ポリマー電極の製造方法、およびリチウム二次電池 - Google Patents

ポリマー電極、ポリマー電極の製造方法、およびリチウム二次電池

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JPH08124570A
JPH08124570A JP6262911A JP26291194A JPH08124570A JP H08124570 A JPH08124570 A JP H08124570A JP 6262911 A JP6262911 A JP 6262911A JP 26291194 A JP26291194 A JP 26291194A JP H08124570 A JPH08124570 A JP H08124570A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機ジスルフィド化合物の高エネルギー密度
という特徴を損なわず、かつ充放電効率が高く保持さ
れ、良好な充放電サイクル特性が得られるポリマー電極
を提供する。 【構成】 有機ジスルフィド化合物、π電子共有導電性
高分子、および金属酸化物を含む層と、π電子共有導電
性高分子を主体とする層が交互に積層され、かつ最上部
および最下部が後者の層により形成されたポリマー電
極。このポリマー電極を製造するには、Nーアルキルー
2ーピロリドンに有機ジスルフィド化合物およびπ電子
共有導電性高分子を溶解し、さらに金属酸化物粉末を混
合したスラリーと、Nーアルキルー2ーピロリドンにπ
電子共有導電性高分子を溶解した液体を層状に塗布す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、エレクトロクロ
ミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学素子
に用いられる有機化合物よりなるポリマー電極、その製
造方法、およびこのポリマー電極を正極に用いたリチウ
ム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】1971年に導電性のポリアセチレンが
発見されて以来、導電性高分子を電極材料に用いると軽
量で高エネルギー密度の電池や、大面積のエレクトロク
ロミック素子、微小電極を用いた生物化学センサー等の
電気化学素子が期待できることから、導電性高分子電極
が盛んに検討されている。ポリアセチレンは、不安定で
電極としては実用性に乏しいことから、他のπ電子共役
系導電性高分子が検討され、ポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリアセン、ポリチオフェンといった比較的安定な
高分子が開発され、これらを正極に用いたリチウム二次
電池が開発されるに及んでいる。これらの電池のエネル
ギー密度は40〜80Wh/kgと言われている。最近
では、さらに高エネルギー密度が期待できる有機材料と
して、米国特許第4,833,048号に有機ジスルフ
ィド系化合物が提案されている。この化合物は、最も簡
単には M+-S−R−S-−M+ と表される(Rは脂肪
族あるいは芳香族の有機基、Sは硫黄、M+はプロトン
あるいは金属カチオン)。この化合物は、電解酸化によ
り S−S 結合を介して互いに結合し、 M+-S−R−S−S−R−S−S−R−S-−M+ のような形でポリマー化する。こうして生成したポリマ
ーは、電解還元により元のモノマーに戻る。カチオン
(M+)を供給、捕捉する金属Mと有機ジスルフィド系
化合物を組み合わせた金属−イオウ二次電池が前述の米
国特許に提案されている。この電池は、150Wh/k
g以上と、通常の二次電池に匹敵あるいはそれ以上のエ
ネルギー密度が期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、提案さ
れているジスルフィド系化合物は、モノマーの状態では
動きやすく、正極よりセパレータあるいは電解質内、さ
らには負極側に散逸するため、充放電効率が低く、充放
電サイクル寿命が短いという欠点を有していた。本発明
は、このような問題を解決し、有機ジスルフィド化合物
の高エネルギー密度という特徴を損なわず、かつ充放電
効率が高く保持され、良好な充放電サイクル特性が得ら
れるポリマー電極を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のポリマー電極
は、有機ジスルフィド化合物、金属酸化物およびπ電子
共有導電性高分子を含む層(以下、SSCPMLと呼
ぶ)と、π電子共有導電性高分子を主体とする層(以
下、CPLと呼ぶ)とが交互に積層され、かつ最上部お
よび最下部がCPLにより形成されたポリマー電極であ
る。ここで、有機ジスルフィド化合物とは、電解還元に
より硫黄ー硫黄結合が開裂して硫黄ー金属イオン(プロ
トンを含む)結合を生成し、電解酸化により硫黄ー金属
イオン結合が元の硫黄ー硫黄結合を再生する化合物をい
う。また、本発明のポリマー電極の製造方法において
は、Nーアルキルー2ーピロリドンに有機ジスルフィド
化合物およびπ電子共有導電性高分子を溶解した液体
に、金属酸化物粉末を混合し、この混合物を塗布するこ
とによりSSCPMLを形成し、Nーアルキルー2ーピ
ロリドンにπ電子共有導電性高分子を溶解した液体を塗
布することによりCPLを形成する。本発明のリチウム
二次電池は、上記のポリマー電極を正極とする。
【0005】
【作用】還元により生成したSSCPML内の有機ジス
ルフィド化合物のモノマーアニオンは、SSCPML内
からCPLへと拡散移動するが、CPL内にあって、C
PL中のπ電子共有導電性高分子のアニオンドーパント
として捕捉され、電極外への拡散移動が有効に阻止され
る。このため、高い充放電効率と優れた充放電サイクル
寿命を提供することができる。また、本発明のポリマー
電極の製造方法においては、有機ジスルフィド化合物あ
るいはπ電子共有導電性高分子は均一にかつ高濃度にN
ーアルキルー2ーピロリドンに溶解し、こうして調製し
た溶液を多層に塗布するので、高密度でしかも均一なピ
ンホールのない多層の塗布膜を得ることができる。
【0006】
【実施例】本発明に用いられる有機ジスルフィド化合物
としては、一般式(R(S)ynで表される化合物を用
いることができる。Rは脂肪族基または芳香族基、Sは
硫黄、yは1以上の整数、nは2以上の整数である。H
SCH2CH2SHで表されるジチオグリコール、C22
S(SH)2で表される2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾール、C3333で表されるs−
トリアジン−2,4,6ートリチオール、C6643
で表される7−メチル−2,6,8−トリメルカプトプ
リン、あるいはC4642で表される4,5−ジアミ
ノ−2,6−ジメルカプトピリミジン等が用いられる。
何れも市販品をそのまま用いることができる。また、こ
れらの有機ジスルフィド化合物を、沃素、フェリシアン
化カリウム、過酸化水素等の酸化剤を用いて化学重合法
により、あるいは電解酸化法により重合した有機ジスル
フィド化合物の重合物を用いることができる。電池を組
み立てた時点での有機ジスルフィド化合物の拡散移動を
より有効に抑えるためには、有機ジスルフィドのダイマ
ー、テトラマー等の重合物を用いて電池を組み立てるの
が好ましい。
【0007】有機ジスルフィド化合物およびこの重合物
は、電気絶縁性であるので、SSCPMLの層が厚くな
り50μmを越える場合は、導電性物質を添加するのが
好ましい。このような導電性物質としては、アセチレン
ブラック、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料が用いられ
る。また、以上の導電性物質を互いに複合化したもの、
あるいは、以上の導電性物質と、ポリプロピレン、ポリ
ブテン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素樹脂、あるいは合成ゴム等の合成樹脂材料
と複合化したものも用いることができる。金属酸化物と
しては、遷移金属酸化物あるいは複合酸化物であれば何
れでも用いることができるが、特にポリアニリンの電気
化学当量150mAh/gと同程度かあるいは上回る電
気化学当量を有する化合物が好ましい。このような遷移
金属酸化物としては、LiCoO2(電気化学当量=1
40〜160mAh/g)、 V613(電気化学当量=
160〜230mAh/g)、LiMn24(電気化学
当量=100〜120mAh/g)、V25(電気化学
当量=130〜150mAh/g)、LiNiO2(電
気化学当量=140〜220mAh/g)が好ましい。
平均粒径が1〜10μm程度の粉末状のものが用いられ
る。これらの遷移金属酸化物について、遷移金属元素が
複数のものであっても何等支障なく用いることができ
る。例えば、LiCoO2 について、Co(コバルト)
の一部がMn(マンガン)やNi(ニッケル)、Fe
(鉄)に置き換えた複合酸化物、あるいは、V613
Vの一部がW(タングステン)に置き換えた複合酸化物
も用いることができる。
【0008】さらに、SSCPMLには金属カチオンM
+を含有する電解質を添加してもよい。このような電解
質としては、有機ジスルフィドモノマーの拡散移動がし
にくい固体状あるいは半固体状の高分子電解質が好まし
い。ポリエチレンオキサイドにLiClO4、LiCF3
SO3、LiN(CF3SO22 等のリチウム塩を溶解
したポリマー固体電解質、プロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート等の非水溶媒中にLiClO4、L
iCF3SO3、LiBF4、LiPF6、LiN(CF3
SO22 等のリチウム塩を溶解した電解液をポリアク
リロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリル酸
のような高分子でゲル化した半固体状の高分子電解質が
有効に用いられる。Nーアルキルー2ーピロリドンの前
記リチウム塩を1M程度溶解した液体電解質を添加して
もよい。
【0009】本発明のCPLに用いるπ電子共有導電性
高分子として、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオ
フェン等を用いることができる。電解重合法によりあら
かじめ膜状に成形したもの、相当するポリマー溶液を塗
布乾燥することであらかじめ膜状に成形したもの、SS
CPML上に電解重合法により形成したもの、あるいは
相当するポリマー溶液をSSCPML上に塗布乾燥する
ことで形成したものを用いることができる。特に、脱ド
ープ状態の還元性ポリアニリンは、有機ジスルフィドモ
ノマーを有効に捕捉するので好ましい。ポリアニリンの
還元度(RDI)は、ポリアニリンをN−メチル−2−
ピロリドンに微量溶解した溶液の電子吸収スペクトルに
基づいて表すことができる。すなわち、340nm付近
の短波長側に現れるパラ置換ベンゼン構造に起因する吸
収ピークの強度(I340)と、640nm付近の長波長
側に現れるキノンジイミン構造に起因する吸収ピークの
強度(I640)との比により、RDI=I640/I340
表される。RDIが0.5以下のポリアニリンが好適に
用いられる。ポリアニリンの脱ドープの程度は、伝導度
により表される。伝導度が、10-5S/cm以下のポリ
アニリンが好適に用いられる。
【0010】本発明のポリマー電極の製造方法に用いる
N−アルキル−2−ピロリドンとしては、市販の試薬を
そのまま、あるいはゼオライト吸着剤により水分を20
ppm以下に低減したものを用いることができる。ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2
−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン等を用いる
ことができる。さらに、SSCPMLとCPLの片方あ
るいは両方に、ビニルピリジンの共重合体(以下、PV
Pと呼ぶ)を添加することができる。PVPを添加する
ことで、SSCPMLとCPLの接合を良好にし、電極
全体の機械強度を高め分極を小さくすることができる。
このようなビニルピリジンの共重合体としては、N−ア
ルキル−2−ピロリドンに10wt%以上の溶解性を有
し、かつプロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト等の非プロトン性溶媒に溶解性をほとんど示さないも
のが好ましい。共重合主成分としては、4−ビニリピリ
ジンあるいは4級化4−ビニルピリジンが好ましい。こ
のようなビニルピリジンの共重合体としては、広栄化学
工業(株)製の「MH−1」がある。ビニルピリジンと
共重合する他の共重合成分としては、重合可能なビニル
化合物ならいずれも使用可能である。このようなビニル
化合物として、(メタ)アクリル酸あるいはこれらのエ
ステル類、塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、スチレン等がある。とくに、ヒドロキシル基を含有
する(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルあるいは(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル
酸ヒドロキシエステルが好ましい。共重合比は、モル比
で、ビニルピリジンが50%以上であることが好まし
い。
【0011】有機ジスルフィド化合物が還元して塩を形
成する際の金属イオンには、前述の米国特許に述べられ
ているアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンに
加えて、プロトンも用いることができる。アルカリ金属
イオンとしてリチウムイオンを用いる場合は、リチウム
イオンを供給および捕捉する電極として金属リチウムあ
るいはリチウムーアルミニウム等のリチウム合金を用
い、リチウムイオンを伝導する電解質を用いると、電圧
が3〜4ボルトの電池を構成できる。プロトンを用い、
プロトンを供給および捕捉する電極として LaNi5
等の金属水素化物を用い、プロトンを伝導する電解質を
用いると、電圧が1から2ボルトの電池を構成できる。
【0012】[実施例1]π電子共有導電性高分子とし
て日東電工製のポリアニリン(商品名アニリード)をア
ルカリ溶液中で脱ドープし、ヒドラジンで還元して得た
伝導度が10ー8S/cm、RDI値が0.3の脱ドープ
還元ポリアニリン粉末を用いた。この脱ドープポリアニ
リン粉末0.5gをN−メチル−2−ピロリドン(以
下、NMPと呼ぶ)20gに溶解し、青色のPAnーN
MP溶液(CPl−1)を得た。一方、有機ジスルフィ
ド化合物として2,5−ジメルカプト−1,3,4−チ
アジアゾール(以下、DMcTと呼ぶ)モノマー粉末を
用いる。このDMcTモノマー粉末2gおよび前述した
脱ドープポリアニリン粉末1gをNMP5gに溶解し、
粘性のあるDMcTーPAnーNMP溶液を得た。ま
た、ビニルビリジン共重合体としての4ービニルピリジ
ンとメタクリル酸ヒドロキシメチルの60:40(モル
比)共重合体を5%溶解したNMP10gに、平均粒径
が6μmのV613粉末2.5gを分散混合してスラリ
ーを得た。このスラリーを前記DMcTーPAnーNM
P粘性溶液に添加混合したのち、ホモジナイザーで回転
数5000rmpで約10分混合し分散液を得た。ロー
タリーエバッポレーターでこの分散液からNMPの一部
を除去し、粘着性のある分散液(SSCPMl−1)と
した。
【0013】次に、厚さ30μmのチタン箔2に接合し
た繊維状のフッ素樹脂とカーボンブラックよりなる厚さ
40μmのカーボンフィルム1上に、CPl−1を90
μmの厚さに塗布し、Arガス気流中において80℃で
15分加熱したのち、1cmHgの減圧下において80
℃で加熱処理し、厚さ3μmのポリアニリン膜3aを形
成した。次に、このポリアニリン膜3a上にSSCPM
l−1を120μmの厚さに塗布し、Arガス気流中に
おいて80℃で15分加熱したのち、1cmHgの減圧
下において80℃で加熱処理し、厚さ15μmの有機ジ
スルフィド+V613+PAn膜4aを形成した。さら
に、膜4a上にCPl−1を90μmの厚さに塗布し、
Arガス気流中において80℃で15分加熱したのち、
1cmHgの減圧下において80℃で加熱処理し、厚さ
3μmのポリアニリン膜3bを形成した。このあと、有
機ジスルフィド+V613+PAn膜およびポリアニリ
ン膜の形成工程を交互に2回繰り返し、膜4b、3c、
4c、3dを形成して、図1に示すような断面の構造を
有する多層膜を得た。得られた膜を大きさ2×2cm角
に切断してポリマー電極Aを得た。
【0014】[比較例1]実施例1で用いたCPl−1
を、実施例1と同様の構成のチタン箔6に接合したカー
ボンフィルム5上に塗布し、脱ドープ還元性ポリアニリ
ンよりなる膜7aを形成したのち、同じく実施例1で用
いたSSCPMl−1を膜7a上に塗布し有機ジスルフ
ィド+V613+PAnよりなる膜8aを形成した。有
機ジスルフィド+V613+PAn膜の形成工程をさら
に2回繰り返し、膜8b、8cを形成し、図2に示すよ
うな断面の構造を有する多層膜を得た。得られた膜を大
きさ2×2cm角に切断してポリマー電極Bを得た。
【0015】[実施例2]π電子共有導電性高分子とし
て日東電工製のポリアニリン(商品名アニリード)をア
ルカリ溶液中で脱ドープし、ヒドラジンで還元して得た
伝導度が10ー8S/cm、RDI値が0.34の脱ドー
プ還元ポリアニリン粉末0.5gをNMP20gに溶解
し、青色のPAnーNMP溶液(CPl−2)を得た。
4,5−ジアミノ−2,6−ジメルカプトピリミジン
(以下、DDPyと呼ぶ)モノマー粉末2gおよび前述
した脱ドープポリアニリン粉末1gを、NMP5gに溶
解し、粘性のあるDDPyーPAnーNMP溶液を得
た。平均粒径が3.5μmのV25粉末2.5gを、N
MP10gに分散混合してスラリーを得た。DDPyー
PAnーNMP粘性溶液にこのスラリーを添加混合した
のち、ホモジナイザーで回転数5000rmpで約10
分混合し分散液を得た。ロータリーエバッポレーターで
この分散液からNMPの一部を除去し粘着性のある分散
液(SSCPMl−2)とした。
【0016】先ず、厚さ30μmのチタン箔2に接合し
た繊維状のフッ素樹脂とカーボンブラックよりなる厚さ
40μmのカーボンフィルム1上に、CPl−2を90
μmの厚さに塗布し、Arガス気流中において80℃で
15分加熱したのち、1cmHgの減圧下において80
℃で加熱処理し、厚さ3μmのポリアニリン膜3aを形
成した。次に、膜3a上にSSCPMl−2を120μ
mの厚さに塗布し、Arガス気流中において80℃で1
5分加熱したのち、1cmHgの減圧下において80℃
で加熱処理し、厚さ12μmの有機ジスルフィド+V2
5+PAn膜4aを形成した。さらに、膜4a上にC
Pl−2を90μmの厚さに塗布し、Arガス気流中に
おいて80℃で15分加熱したのち、1cmHgの減圧
下において80℃で加熱処理し、厚さ3μmのポリアニ
リン膜3bを形成した。このあと、有機ジスルフィド+
25+PAn膜およびポリアニリン膜の形成工程を交
互に2回繰り返し、膜4b、3c、4c、3dを形成
し、図1に示すような断面の構造を有する多層膜を得
た。得られた膜を大きさ2×2cm角に切断してポリマ
ー電極Cを得た。
【0017】[比較例2]実施例2で用いたCPl−2
をカーボンフィルム5上に塗布し脱ドープ還元性ポリア
ニリンよりなる膜7aを形成したのち、同じく実施例2
で用いたSSCPMl−2を膜7a上に塗布し有機ジス
ルフィド+V25+PAnよりなる膜8aを形成した。
有機ジスルフィド+V25+PAn膜の形成工程をさら
に2回繰り返し、膜8b、8cを形成し、図2に示すよ
うな断面の構造を有する多層膜を得た。得られた膜を大
きさ2×2cm角に切断してポリマー電極Dを得た。
【0018】[実施例3]π電子共有導電性高分子とし
て、日東電工製のポリアニリン(商品名アニリード)を
アルカリ溶液中で脱ドープし、ヒドラジンで還元して得
た伝導度が10ー8S/cm、RDI値が0.28の脱ド
ープ還元ポリアニリン粉末を用いる。また、DMcTモ
ノマーを水酸化リチウム水溶液中において沃素で化学酸
化することで得たDMcTポリマー粉末を準備した。一
方、NEPに直鎖ポリエチレンオキサイド(住友精化製
PEO−1、平均分子量=15〜40万)を5重量%お
よび過塩素酸リチウム(LiClO4)を1モル/リッ
トル溶解した。このNEP10gに上記の脱ドープ還元
ポリアニリン粉末1.0gおよびDMcTポリマー粉末
2gを溶解し、粘性のあるDMcTーPAn−NEPー
PEO粘性溶液を得た。平均粒径が3.5μmのV25
粉末2.5gをNEP10gに分散混合してスラリーを
得た。このスラリーを前記のDMcTーPAn−NEP
ーPEO粘性溶液に添加混合したのち、ホモジナイザー
で回転数5000rmpで約10分混合し分散液を得
た。ロータリーエバッポレーターでNEPの一部を除去
し粘着性のある分散液(SSCPMl−3)とした。さ
らに同様の脱ドープ還元ポリアニリン粉末0.5gをN
MP20gに溶解し、青色のPAnーNEP溶液(CP
l−3)を得た。
【0019】まず、厚さ30μmのチタン箔2に接合し
た繊維状のフッ素樹脂とカーボンブラックよりなる厚さ
40μmのカーボンフィルム1上に、CPl−3を90
μmの厚さに塗布し、Arガス気流中において80℃で
15分加熱したのち、1cmHgの減圧下において80
℃で加熱処理し、厚さ3μmのポリアニリン膜3aを形
成した。次に、ポリアニリン膜3a上にSSCPMl−
3を90μmの厚さに塗布し、Arガス気流中において
80℃で15分加熱したのち、1cmHgの減圧下にお
いて80℃で加熱処理し、厚さ15μmの有機ジスルフ
ィド・ポリアニリン・V25・ポリエチレンオキサイド
ポリマー電解質複合膜4aを形成した。さらに、複合膜
4a上にCPl−3を90μmの厚さに塗布し、Arガ
ス気流中において80℃で15分加熱したのち、1cm
Hgの減圧下において80℃で加熱処理し、厚さ3μm
のポリアニリン膜3bを形成した。このあと、有機ジス
ルフィド・ポリアニリン・V25・ポリエチレンオキサ
イドポリマー電解質複合膜およびポリアニリン膜の形成
工程を交互に2回繰り返し、膜4b、3c、4c、3d
を形成した。得られた膜を大きさ2×2cm角に切断し
てポリマー電極Eを得た。
【0020】[比較例3]実施例3で用いたCPl−3
をカーボンフィルム上に塗布し脱ドープ還元性ポリアニ
リンよりなる膜7aを形成したのち、同じく実施例3で
用いたSSCPMl−3を膜7a上に塗布し、有機ジス
ルフィドとポリアニリンとV25とポリエチレンオキサ
イドポリマー電解質を含む膜8aを形成した。有機ジス
ルフィドとポリアニリンとV25とポリエチレンオキサ
イドポリマー電解質を含む膜の形成工程をさらに2回繰
り返し、膜8b、8cを形成した。得られた膜を大きさ
2×2cm角に切断してポリマー電極Fを得た。
【0021】上記の実施例および比較例で得た電極A、
B、C、D、E、およびFを正極、厚み0.3mmの金
属リチウムを負極とし、厚み0.6mmのゲル電解質を
セパレータ層としてそれぞれ大きさ2×2cm角の電池
A、B、C、D、E、およびFを構成した。なお、ゲル
電解質は、ポリアクリロニトリル3.0gをLiBF4
を1M溶解したプロピレンカーボネート/エチレンカー
ボネート(1:1容積比)溶液20.7gでゲル化した
ものである。これらの電池を20℃において、0日、5
日、46日保存後、0.2mAの一定電流で、4.5〜
1.5Vの範囲で充放電サイクルを繰り返し、各充放電
サイクルにおける放電容量(Q、単位:mAh)を測定
し、電池保存に伴う放電容量の減少量により電極保存性
能を評価した。結果を表1から表3に示す。以上の結果
から明らかなように、本発明に従う実施例1、2、およ
び3の電極A、C、およびEを用いた電池は、それぞれ
対応する比較例の電極B、D、およびFを用いた電池に
較べ、電池保存中および充放電サイクル中の放電容量の
低下が小さい。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明の電極は、上下にπ電子共有導電
性高分子層を設け、かつ有機ジスルフィド化合物とπ電
子共有導電性高分子と金属酸化物を含む層とπ電子共有
導電性高分子層を交互に重ねた構造を有するので、電池
保存中および充放電中において有機ジスルフィド化合物
モノマーの電極内からの散逸が軽減される。従って、こ
の電極を用いれば、保存後および充放電中の放電容量の
低下の少ない高エネルギー密度二次電池を得ることがで
きる。なお、実施例においてはポリマー電極を電池に適
用した例のみを示したが、電池の他に、本発明のポリマ
ー電極を対極に用いることで、発色・退色速度の速いエ
レクトロクロミック素子、応答速度の早いグルコースセ
ンサー等の生物化学センサーを得ることができるし、ま
た、書き込み・読み出し速度の速い電気化学アナログメ
モリーを構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるポリマー電極の縦断
面図である。
【図2】比較例のポリマー電極の縦断面図である。
【符号の説明】
1 カーボンフィルムよりなる電極集電体 2 チタン箔 3a〜3d π電子共有導電性高分子を主体とする層 4a〜4c 有機ジスルフィド化合物、π電子共有導電
性高分子および金属酸化物を含む層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物と金属酸化物と
    π電子共有導電性高分子とを含む層と、π電子共有導電
    性高分子を主体とする層が交互に積み重なった層状構造
    を有し、かつ最上部と最下部の層がπ電子共有導電性高
    分子を主体とする層であることを特徴とするポリマー電
    極。
  2. 【請求項2】 有機ジスルフィド化合物と金属酸化物と
    π電子共有導電性高分子を含む層が電解質を含有する請
    求項1記載のポリマー電極。
  3. 【請求項3】 π電子共有導電性高分子が脱ドープ・還
    元状態のポリアニリンである請求項1または2記載のポ
    リマー電極。
  4. 【請求項4】 π電子共有導電性高分子をNーアルキル
    ー2ーピロリドンに溶解した溶液を基板上に塗布し塗膜
    を形成する工程、有機ジスルフィド化合物およびπ電子
    共有導電性高分子をアルキルピロリドンに溶解した液体
    と金属酸化物粉末との混合物と、π電子共有導電性高分
    子をNーアルキルー2ーピロリドンに溶解した液体とを
    前記塗膜上に交互に塗布し層状の塗膜を形成する工程、
    およびπ電子共有導電性高分子をNーアルキルー2ーピ
    ロリドンに溶解した液体を前記層状の塗膜上に塗布し塗
    膜を形成する工程を含むことを特徴とするポリマー電極
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 π電子共有導電性高分子が脱ドープ・還
    元状態のポリアニリンである請求項4記載のポリマー電
    極の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のポリマー電極を正極とし
    て具備するリチウム二次電池。
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