JPH0812323A - 微粒水酸化アルミニウム粉末及び微粒アルミナ粉末の製造方法 - Google Patents

微粒水酸化アルミニウム粉末及び微粒アルミナ粉末の製造方法

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JPH0812323A
JPH0812323A JP6143678A JP14367894A JPH0812323A JP H0812323 A JPH0812323 A JP H0812323A JP 6143678 A JP6143678 A JP 6143678A JP 14367894 A JP14367894 A JP 14367894A JP H0812323 A JPH0812323 A JP H0812323A
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JP
Japan
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alkoxide
aluminum
aluminum alkoxide
aluminum hydroxide
powder
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JP6143678A
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English (en)
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Koji Yamamoto
浩二 山本
Masamichi Inui
昌路 乾
Makio Kimura
真喜男 木村
Yoshiaki Takeuchi
美明 竹内
Takahiro Ishida
隆浩 石田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルミニウムアルコキシドと水を高速回転剪
断攪拌下に連続供給して加水分解し、次いで得られた水
酸化アルミニウム含有スラリーをフラッシュ乾燥機或い
は気流乾燥機で乾燥することにより微粒水酸化アルミニ
ウム粉末を得、必要に応じてこれを500℃〜1500
℃で焼成して微粒アルミナ粉末を得る。 【効果】 工業的に、平均粒子径が2μ以下で、10μ
mを越える粒子が実質的にない、粗大凝集粒子のない微
粒水酸化アルミニウム粉末及び微粒アルミナ粉末を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微粒水酸化アルミニウム
粉末及び微粒アルミナ粉末の製造方法に関する。更に詳
細には、アルミニウムアルコキシドの加水分解法に於い
て、工業的に生産性に優れ、粗大凝集粒子のない分散性
に優れた微粒水酸化アルミニウム粉末及び微粒アルミナ
粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属アルコキシドの加水分解反応は、 (1)常温で容易に加水分解して水酸化物を生成する。 (2)不純物陰イオンが生成物に混入する恐れがない。 等の利点から、セラミック前駆体としてのゾル、ゲル、
微粒子を合成する技術として注目されており多くの研究
が発表されている〔例えばアメリカン セラミック ソ
サエティ ブリテン(Amer.Ceram.Soc.Bull.)54巻、
第286頁(1975年)、或いは日本セラミックス協
会学術論文誌 99巻(10) 1036−1046
(1991)〕。
【0003】このうち、シリコンアルコキシドやチタン
アルコキシドを原料とした場合には加水分解反応により
粗大粒子のない、粒子径の揃った単分散球状粒子が得ら
れ易いが〔例えばジャーナル オブ コロイド アンド
インターフェイス サイエンス(J.Colloid Interfac
e Sci.,)26 62(1968)、或いはジャーナルオ
ブ ザ アメリカン セラミック ソサエティ(J.Am.C
eramic.Soc.,)65C199(1982)〕、アルミニ
ウムアルコキシドを原料とした場合には加水分解反応速
度が速いためにコロイド状ゲルやゲル状沈澱が生成し易
く、粗大粒子のない粒子径の揃った単分散球状粒子は得
難いとされている。
【0004】加水分解して得られた水酸化アルミニウム
含有スラリーを乾燥し水酸化アルミニウム粉末を得て、
それを焼成して得られるアルミナ粉末は、焼結用原料、
各種充填剤として広く用いられている材料であるが、高
機能化、ファイン化の為には粒径分布がシャープで容易
に分散し得るアルミナが要望されている。アルミニウム
アルコキシドの加水分解による水酸化アルミニウムの合
成においても、特定の加水分解条件下に単分散微粒子を
得ようとの発明や研究がある〔特開昭62−15811
6、或いはジャーナル オブ ザ アメリカン セラミ
ック ソサエティ(J.Am.Ceramic.Soc.,)74 226
3(1991)〕。
【0005】これらはいずれもアルミニウムアルコキシ
ドを形成しているアルコール以外の溶剤を添加した低濃
度下での加水分解反応を利用しており、粗大凝集粒子を
含まない単分散粒子が得られるものの、工業的には生産
性が悪く、又溶剤として使用したアルコールをアルミニ
ウムアルコキシドの合成に再利用する場合、精製を必要
とする等の問題を有していた。又、アルミニウムアルコ
キシドを形成するアルコールを溶剤として用い、高濃度
条件下で反応を行う場合でも、アルミニウムアルコキシ
ドと水の加水分解反応及びそれに引続く水酸化アルミニ
ウム析出反応は、その反応速度が速い為に水酸化アルミ
ニウム析出における核生成→成長(凝集)が瞬時に起こ
り、通常のパドル型やスクリュー型に代表される低・中
速回転型攪拌機やスタティックミキサー等の静止型攪拌
機による攪拌条件下では数十μmの粗大凝集粒子の発生
が避けられないとの問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情下に鑑み、
本発明者等は工業的に生産性高く、微粒で、且つ粗大凝
集粒子のない水酸化アルミニウム粉末及びアルミナ粉末
を得ることを目的として鋭意研究した結果、アルミニウ
ムアルコキシドと水を高速回転剪断攪拌下に連続供給し
て加水分解し、得られた加水分解物(水酸化アルミニウ
ム粒子を含有するスラリー)を特定の乾燥方法により乾
燥、焼成する場合には、特別な粉砕処理や解砕処理、更
には篩別処理等をすることなく、上記目的を全て満足す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明はアルミ
ニウムアルコキシドと水を高速回転剪断攪拌下に連続供
給して加水分解を行い、次いで得られた加水分解物をフ
ラッシュ乾燥機或いは気流乾燥機により乾燥することを
特徴とする微粒水酸化アルミニウム粉末の製造方法を提
供するにある。
【0008】更に本発明はアルミニウムアルコキシドと
水を高速回転剪断攪拌下に連続供給して加水分解を行
い、次いで得られた加水分解物をフラッシュ乾燥機或い
は気流乾燥機により乾燥して水酸化アルミニウム粉末を
得た後、これを500℃〜1500℃の温度で焼成する
ことを特徴とする微粒アルミナ粉末の製造方法を提供す
るにある。
【0009】以下本発明方法を更に詳細に説明する。本
発明における特徴は、アルミニウムアルコキシドと水を
高速回転剪断攪拌下に連続供給して反応させ、この方法
により得られた加水分解物(水酸化アルミニウム粒子を
含有するスラリー)をフラッシュ乾燥機或いは気流乾燥
機を用いて乾燥させるにある。
【0010】本発明において高速回転剪断攪拌とは、ホ
モミクサー、ホモジナイザー等で総称される攪拌機、即
ち高速回転する特殊形状のタービン又はローターとその
外周部に回転部から、2mm以下のクリアランスを隔て
て設置されたステーター又はスクリーンから構成されて
おり、周速約1m/秒〜約40m/秒で高速回転するタ
ービン(ローター)とステーター(スクリーン)の間で
生じる剪断力、圧力変動、キャビテーション、衝突力、
ポテンシャルコア等の機械的エネルギーによる攪拌であ
る。
【0011】このような高速回転剪断攪拌機としては、
T.Kホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)、クレ
アミックス(エム・テクニック株式会社製)、ポリトロ
ンホモジナイザー、メガトロンホモジナイザー(KIN
EMATICA)、スープラトン(月島機械株式会社
製)等の機種が挙げられる。
【0012】これらの高速回転剪断攪拌機の条件につい
ては高速回転するタービン(ローター)の周速をx m
/秒、タービン(ローター)とステーター(スクリー
ン)のクリアランスを y mmとすると x/y×1
03 sec-1でその速度勾配を表すことができる。本発
明に於いては3000sec-1を越える速度勾配を生じ
る高剪断攪拌条件が必要である。速度勾配が3000s
ec-1未満であると、アルミニウムアルコキシドと水の
二液の混合及び生成した水酸化アルミニウム粒子含有ス
ラリーの機械的分散効果が不十分であり、粗大凝集粒子
の発生が起こりやすくなる。
【0013】アルミニウムアルコキシドと水の加水分解
反応、及びそれに引き続く水酸化アルミニウム析出反応
は、その反応速度が速いために水酸化アルミニウムゲル
が瞬時に析出する。そのためアルミニウムアルコキシド
と水の混合、及び加水分解反応を通常のパドル型や、ス
クリュー型に代表される低速・中速回転型撹拌機による
撹拌条件下で行う場合には、数十μの粗大凝集粒子の発
生が避けられないのに対し、高速回転剪断撹拌下にアル
ミニウムアルコキシドと水の混合、及び加水分解反応を
行う場合には二液の均一混合が速やかに行われるため、
アルミニウムアルコキシド/水の局所的不均一に基づく
粗大粒子の発生が低減され、微粒の水酸化アルミニウム
含有スラリーが得られる。
【0014】また、アルミニウムアルコキシドとして、
アルミニウムアルコキシドを化学修飾して得たアルミニ
ウムアルコキシド誘導体、或いは該誘導体とアルミニウ
ムアルコキシドとの混合物を用い、これと水を高速回転
剪断撹拌下で瞬時に混合し、且つ、生成した水酸化アル
ミニウム粒子含有スラリーの機械的分散を同時に行う場
合には、原料としてアルミニウムアルコキシドを単独で
使用する場合より、粗大凝集粒子の発生無く、より微粒
の水酸化アルミニウム粒子含有スラリーを得る事ができ
る。これはアルミニウムアルコキシドを化学修飾するこ
とにより水による加水分解反応速度の遅延効果が高速回
転剪断撹拌効果と相まって、アルミニウムアルコキシド
/水のより一層の均一混合、攪拌が可能なためと推測さ
れる。
【0015】更に、アルミニウムアルコキシドとして、
Mg、Ca、La、Fe、Si、Ti或いはZrの中か
ら選ばれた少なくとも一種の金属のアルコキシド(以下
単に特定金属のアルコキシドと記載する場合がある)と
アルミニウムアルコキシドとの混合物を用い、これと水
を高速回転剪断撹拌下で瞬時に混合し、且つ、生成した
水酸化アルミニウム粒子含有スラリーの機械的分散を同
時に行う場合には、原料としてアルミニウムアルコキシ
ドを単独で使用する場合より、粗大凝集粒子の発生無
く、より微粒の水酸化アルミニウム粒子含有スラリーを
得る事ができる。この場合にも上記と同様に特定金属の
アルコキシドが、水による加水分解反応速度の遅延効果
を発現し、高速回転剪断撹拌効果と相まって、アルミニ
ウムアルコキシドと水のより一層の均一混合、攪拌が可
能なためと推測される。
【0016】本発明において、高速回転剪断攪拌下のア
ルミニウムアルコキシド、及び/又はその誘導体、或い
は特定金属のアルコキシドとアルミニウムアルコキシド
の混合物と水の滞留時間は約5秒〜約15分、好ましく
は約10秒〜約10分である。該攪拌帯域での滞留時間
が約5秒未満であると攪拌域で反応が完結しない為に攪
拌域から排出された後に粒子間の重合、凝集が進み、再
凝集を起こしたり、分散効果が不充分な場合がある。該
攪拌帯域での滞留時間が約15分を越えると分散効果の
向上は見られず、むしろ生産性の低下を生じる場合があ
る。
【0017】本発明における連続式反応装置としてはタ
ンク連続型、パイプライン連続型等いずれも適用可能で
ある。タンク連続型とは、アルミニウムアルコキシド、
及び/又はその誘導体と水を、或いは特定金属のアルコ
キシドとアルミニウムアルコキシドの混合物と水を、高
速回転剪断攪拌機を備えたタンクの中に連続的に供給
し、供給した液量と同量液を連続的に排出しながら水酸
化アルミニウム粒子の生成を行う方法である。パイプラ
イン連続式では、ラインに組み込んだ高速回転剪断攪拌
機にアルミニウムアルコキシド、及び/又はその誘導体
と水を、或いは、特定金属のアルコキシドとアルミニウ
ムアルコキシドの混合物と水を、連続的に供給する方法
である。これら連続式反応によればバッチ式反応に比
べ、極めて生産性高く且つ、粒子析出条件の均一化が図
られる為に、粒径分布の均一な粗大凝集粒のない水酸化
アルミニウム含有スラリーが得られる。
【0018】本発明に於いては、供給するアルミニウム
アルコキシド、及び/又はその誘導体と水のモル比を一
定とすることが好ましく、そのモル比〔水/アルミニウ
ムアルコキシド〕は、約1.5〜約6.0の範囲であ
る。一方、供給する特定金属のアルコキシドとアルミニ
ウムアルコキシドの混合物と水のモル比も一定とするこ
とが好ましく、加水分解に供する水のモル比〔水/アル
ミニウムアルコキシド+特定金属のアルコキシド〕は約
1〜約15の範囲である。水はアルコキシド形成用アル
コールの溶液として用いることもできる。加水分解反応
の完結度、得られる水酸化アルミニウムの結晶形等の諸
物性はアルミニウムアルコキシド、及び/又はその誘導
体と水のモル比、及び化学修飾剤の種類・添加量に依存
するが、生成した水酸化アルミニウムの物性を均一化す
る為には、モル比一定で反応させることが好ましい。ア
ルミニウムアルコキシド及び/又はその誘導体は、水で
加水分解する際、モル比が約1.5未満であると、加水
分解反応が不完全となり過ぎ、生成した水酸化アルミニ
ウム中に未反応のアルコキシ基が多く残存し、アルコキ
シドから水酸化アルミニウムを得る際のアルコール原単
位が悪化する。一方、モル比が約6.0以上では加水分
解反応は完結するものの、加水分解反応後に生成した水
酸化アルミニウム含有スラリーの溶媒(アルコール/
水)中の水濃度が高くなり、スラリーから溶媒を蒸発さ
せて水酸化アルミニウム粉末を得る際に、水酸化アルミ
ニウムの凝集が強くなり易い。この限定理由は特定金属
のアルコキシドとアルミニウムアルコキシドの混合物と
水に於ける場合も同様である。
【0019】本発明においてアルミニウムアルコキシ
ド、及び/又はその誘導体は、或いは特定金属のアルコ
キシドとアルミニウムアルコキシドとの混合物は、該ア
ルコキシド形成用アルコール(ROH)の溶液として用
いることが好ましい。アルミニウムアルコキシド、及び
/又はその誘導体は常温で固体又は粘調液体であり、取
扱い上溶液として用いることが好ましい。又、溶媒とし
ては回収アルコールをアルミニウムアルコキシドの合成
に再利用する場合、分留、精製の必要のない該アルコキ
シド形成用アルコールを用いることが好ましい。アルコ
キシド形成用アルコールの種類は炭素数が1〜8個、好
ましくは2〜4個の1価アルコールであり、より具体的
にはエチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられ
る。
【0020】アルミニウムアルコキシドとしては、これ
らのアルコキシ基からなる化合物が使用される。より具
体的にはアルミニウムエトキサイド、アルミニウムn−
プロポキサイド、アルミニウムイソプロポキシド、アル
ミニウムn−ブトキシド、アルミニウムsec−ブトキ
シド、アルミニウムt−ブトキシド等が挙げられる。
【0021】本発明に於いてアルミニウムアルコキシド
誘導体を形成する化学修飾剤としては、ジケトン、ケト
エステル、ジエステル、カルボン酸、ジオール、ケトア
ルコール、アルデヒド、アミノ酸、酢酸多価アルコー
ル、アミン及びポリエーテルから選ばれた少なくとも1
種の化合物が用いられる。具体的には、ジアセチル、ア
セチルべンゾイル、ベンジル、アセチルアセトン、ベン
ゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、トリフルオルア
セチルアセトン、ヘキサフルオルアセチルアセトン、ジ
ピバロイルメタン、ピバロイルトリフルオルアセトン、
ピバロイルトリフルオルアセトン等のジケトン化合物、
アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のケトエステル
化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジオクチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸
イソデシル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジメチル等の
ジエステル化合物、エチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、1,3ブタンジオ
ール、1,4ブタンジオール、1,5ペンタンジオー
ル、1,6ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、
ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオー
ル、デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコー
ル等のジオール化合物、アセトール、アセトイン、アセ
トエチルアルコール、ジアセトンアルコール、フェナシ
ルアルコール、ベンゾイン等のケトアルコール化合物、
サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物、ギ酸、酢
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリ
ン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、
パルチミン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、シュウ
酸、クエン酸、フマル酸、イミノジ酪酸、オクチル酸、
オレイン酸等のカルボン酸化合物、グリシン等のアミノ
酸化合物、ジエチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルア
セテート等の酢酸多価アルコール化合物、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチ
レンジアミンテトラ酢酸等のアミン化合物、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジ
メチルエーテル、エチルセロソルブ、ドデカンジオール
ジメチルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、
ヘキサンジオールジメチルエーテル、ヘキサンジオール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールブチルメチルエーテル等のポリエー
テル化合物が用いられる。
【0022】本発明に於いて、アルミニウムアルコキシ
ドと混合するアルコキシドとしてはMg(OR)2 ,C
a(OR)2 ,La(OR)3 ,Fe(OR)2 ,Si
(OR)4 ,Ti(OR)4 ,Zr(OR)4 (Rはア
ルキル基を示す)と更にこれらのアルコキシドを一部ジ
ケトン、ケトエステル、ジエステル、カルボン酸、ジオ
ール、ケトアルコール、アルデヒド、アミノ酸、酢酸多
価アルコール、アミン及びポリエーテルから選ばれた少
なくとも1種の化合物にて複合体を形成したものが用い
られる。より具体的にはマグネシウムジエトキシド、マ
グネシウムジイソプロポキシド、カルシウムジエトキシ
ド、カルシウムジイソプロポキシド、テトラエトキシシ
ラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキ
シシラン、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテ
トライソプロポキシド、チタニウムテトラn−ブトキシ
ド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテト
ライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシ
ド、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、トリエト
キシランタン、トリイソプロポキシランタン、マグネシ
ウムジメトキシド、マグネシウムジn−プロポキシド、
チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラn−プ
ロポキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、テ
トラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラ
ステアリルオキシチタン、ジイソプロポキシビス(アセ
チルアセトナート)チタン、ジn−ブトキシビス(トリ
エタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシビス(ラク
タト)チタン、プロパンジオキシチタンビス(エチルア
セトアセテート)、プロパンジオキシチタン(アセチル
アセトナート)、プロパンジオキシチタン(エチルアセ
トアセテート)、カルシウムジピバロメタナート等が挙
げられる。
【0023】化学修飾剤によるアルミニウムアルコキシ
ドの化学修飾の方法としては、アルミニウムアルコキシ
ドと該アルコキシド形成用アルコールの混合液に、化学
修飾剤と該アルコールの混合液を、常温〜溶媒の沸点以
下の温度で混合し、且つ1時間程度熟成するのが好まし
い。一方、特定金属のアルコキシドとアルミニウムアル
コキシドとの混合の方法としては、アルミニウムアルコ
キシドと該アルコキシド形成用アルコールの混合液に特
定金属のアルコキシドと該アルコールの混合液を、常温
〜溶媒の沸点以下の温度で混合するのが好ましい。
【0024】化学修飾剤の添加量としては、アルミニウ
ムアルコキシド/化学修飾剤のモル比が、1/2より大
きいことが必要であり、好ましくは1以上である。理論
的にはアルミニウムアルコキシド/化学修飾剤のモル比
が1/2の時、加水分解反応が完全に阻害されるため
に、モル比が1/2より大きい事が必要である。またア
ルミニウムアルコキシドに対する特定金属のアルコキシ
ドの添加割合は〔特定金属のアルコキシド/アルミニウ
ムアルコキシド〕のモル比が0.001〜1、好ましく
は0.01〜0.5である。アルミニウムアルコキシド
に対する特定金属のアルコキシドの添加量が上記範囲よ
り少ない場合には加水分解反応速度の遅延効果が低いた
めか得られる水酸化アルミニウムの微粒化効果が低い。
他方、添加量が上記範囲を越える場合にも、得られる水
酸化物の微粒化効果はあるが、Al以外の金属の水酸化
物の含有量が高い水酸化物となる、それ故、上限は所望
する水酸化物の形態より決定すればよい。
【0025】アルミニウムアルコキシド、及び/又はそ
の誘導体を含む溶液、及び特定金属のアルコキシドとア
ルミニウムアルコキシドとの混合物を含む溶液の濃度と
してはそれぞれの化合物の溶解度等により一概に限定で
きないが、通常約30〜約90重量%として使用され
る。濃度が約30重量%未満であると、得られる水酸化
アルミニウム含有スラリーの濃度が薄く、スラリーから
水酸化アルミニウム粉末を得る為のアルコール蒸発の負
荷が大きくなる。濃度が約90重量%を越えると、溶解
度の低いアルコキシドについては析出を起こしやすくな
ったり、加水分解時及び加水分解後に水酸化アルミニウ
ム含有スラリーの固形分濃度が高い為に再凝集を起こし
やすくなる。
【0026】反応温度は特に限定されないが、通常、常
温〜溶媒の沸点以下の範囲で行われる。
【0027】反応圧力は液圧0.1kgG/cm2 以上で行う
ことが好ましい。0.1kgG/cm2 未満では、高速回転剪
断攪拌下で気泡をかみ込みやすく、機械的エネルギーの
損失が大きくなる場合がある。
【0028】又、加水分解反応に際しては析出粒子の分
散を高め、凝集を防止する目的で酸、塩基等の表面電荷
調節剤、分散剤、乳化剤等の界面活性剤を添加すること
もできる。具体的には塩酸、硝酸、酢酸等の酸やアンモ
ニア、トリエチルアミン等の塩基又は界面活性剤として
はソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエー
ト、ソルビタンモノラウレート、トリオレイン、ポリオ
キシエチレンフェニルエーテル等のノニオン系界面活性
剤、アルキルジフェニルジスルホン酸ナトリウム、ジア
ルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩等のアニオン
系界面活性剤及びN−アルキルトリメチレンジアミンオ
レエート等のカチオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0029】本発明方法の実施に際し、乾燥は気流乾燥
機又はフラッシュ乾燥機を用いることを必須とする。一
般的に乾燥機はその機構により次の8種類に分類される
〔(1)材料静置型乾燥機、(2)材料移送型乾燥機、
(3)材料撹拌型乾燥機、(4)熱風移送型乾燥機、
(5)円筒乾燥機、(6)赤外線乾燥機、(7)凍結乾
燥機、(8)高周波乾燥機〕(出典;化学工学便覧 丸
善)。本発明に於ける気流乾燥機はこのうち熱風移送型
乾燥機に含まれるが、フラッシュ乾燥機については従来
の乾燥機の枠には入らないフラッシュ蒸発(自己蒸発)
を利用した乾燥機である。
【0030】本発明に於ける気流乾燥機とは、高温・高
速の気流中でスラリー等の含液粉末を瞬間的に分散・乾
燥を行う乾燥機である。このような気流乾燥機として
は、通常、工場内で製作し設置されるが、株式会社栗本
鉄工所や株式会社セイシン企業(商品名;フラッシュジ
ェットドライヤー)等として市販されている。この気流
乾燥機の条件については、特に限定されないが圧力、風
量、ドライヤーの入口温度と出口温度、スラリー供給量
を調節することにより、粒子の分散した嵩密度の小さい
水酸化アルミニウム粉末が得られる。
【0031】また、本発明に於けるフラッシュ乾燥機と
は、大気圧に於ける沸点以上に加熱された液体を単一噴
孔から圧力噴射することにより液体が蒸発され固体粒子
を得る構造の乾燥機である。このフラッシュ乾燥機の条
件については、特に限定されないが乾燥温度、乾燥時間
(滞留時間)、噴射圧力、等の条件を調節することによ
り、分散した嵩密度の小さい水酸化アルミニウム粉末が
乾燥できる。
【0032】本発明に於ける乾燥温度は特に限定されな
いが、通常溶媒の沸点以上から分解温度以下の範囲で行
われる。
【0033】従来、アルミニウムアルコキシドを化学修
飾してなるアルミニウムアルコキシドの誘導体、或いは
該誘導体とアルミニウムアルコキシドの混合物、或いは
特定金属のアルコキシドとアルミニウムアルコキシドの
混合物を加水分解物して得られる水酸化アルミニウム含
有スラリーから、水酸化アルミニウム粉末を回収する方
法として一般的には、蒸発、乾燥、濾過等の固液分離操
作が用いられている。本発明に於いて、例えば材料撹拌
型伝熱乾燥機を用いた場合には、乾燥途中に徐々に液体
が蒸発していくために撹拌羽根の回転による練り、即ち
造粒作用により粒子同士が圧密されて凝集し嵩密度の大
きい砂状粉末しか得られない。また、スプレードライ法
(熱風移送型乾燥機)を用いる場合にも粒子表面は乾燥
されるが粒子間に存在する液体が蒸発し難いためか、凝
集した造立粒しか得られない。それに対しフラッシュ乾
燥機や気流乾燥機を用い水酸化アルミニウム含有スラリ
ーの乾燥を行う場合には、前者は粒子と共に加熱された
液体が圧力噴射されるため、また後者は高温・高圧のジ
ェット気流中で乾燥が行われるために、瞬間的に粒子間
に存在する液体が急激に蒸発し、粒子同士に反発する作
用が働き、分散した嵩密度の小さい水酸化アルミニウム
粉末が得られるものと推測される。
【0034】このようにして得られた水酸化アルミニウ
ム粉末は平均粒子径が約5μm以下、普通には約2μm
以下の微粒子よりなり、10μm以上の粗粒子を実質的
に含有しない、粗大凝集粒子のないもので、各種樹脂や
紙の充填剤等として使用し得る。
【0035】更に上記方法により得られた水酸化アルミ
ニウム粉末を約500℃〜約1100℃で焼成すること
によりγ、δ、θ型の遷移アルミナや、加水分解の反応
速度遅延剤として添加した特定金属のアルコキシドを用
いた場合には、特定金属とアルミニウムよりなる複合酸
化物、例えばマグネシアスピネル等の複合酸化物が得ら
れ、PETフィルム、エポキシ等の各種樹脂の充填剤や
インクジェットプリンター等の紙のコート用フィラー、
触媒担体や単結晶用原料として好適に使用される。更
に、この水酸化アルミニウムを約1100℃〜約150
0℃で焼成する場合には研磨剤や焼結用原料として好適
なα−アルミナやムライト等が得られる。焼成時間は焼
成方法により一義的ではないので、実際の製造に於いて
は所望とする結晶形態の得られる条件を予備実験により
選定すればよいが、通常数秒〜100時間の範囲であ
る。焼成方法としてはロータリーキルン、瞬間仮焼炉、
充填式焼成炉、流動式焼成炉、トンネル炉、真空焼成
炉、シャトル炉等の公知に焼成方法であれば特に制限さ
れないが、通常、生産性と材質の耐熱性等の点からロー
タリーキルン、トンネル炉、シャトル炉等が好適であ
る。
【0036】このようにして得られたアルミナ粉末は平
均粒子径が約5μm以下、普通には約2μm以下の微粒
子よりなり、10μm以上の粗粒子を実質的に含有しな
い、粗大凝集粒子のないもので、研磨剤や焼結用原料等
として使用し得る。
【0037】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、アルミニ
ウムアルコキシド及び/又はその誘導体と水、或いは特
定金属のアルコキシドとアルミニウムアルコキシドとの
混合物と水との加水分解反応を特定の攪拌条件下で連続
的に行い、次いで特定の乾燥機を用いるという工業的に
生産性の高い方法で、微粒で且つ粗大凝集粒の無い水酸
化アルミニウム粉末或いはアルミナ粉末を得るもので、
その産業上の価値は頗る大である。
【0038】
【実施例】以下、本発明方法を実施例により更に詳細に
説明する。尚、実施例に於いて種々物性の測定は以下の
方法で行った。 BET比表面積;流動式比表面積自動測定装置(フロー
ソーブII 2300PC−1A、株式会社島津製作所
製)により測定した。 結晶形;粉末X線回折装置(ガイガーフレックスRAD
シリーズ、理学電機工業株式会社製)により測定した。 粒 度;マイクロトラックMKII 粒度分析計(SPA
モデル7997−20日機装株式会社製)によりD50
(累積50%径)を測定した。 嵩密度・軽装;JIS H-1902-1977 6.2 (アルミナの物性
測定方法)に従って試料を規定の容器に規定の方法で充
填した後、その試料の質量と容積から軽装嵩密度を算出
した。 嵩密度・重装;JIS H-1902-1977 6.3 (アルミナの物性
測定方法)に従って軽装嵩密度を測定した後、試料の入
ったシリンダーを約30mmの高さから100回落下させ
て試料を圧縮し、圧縮後の試料の容積から重装嵩密度を
算出した。 分散性;サンドミルを用いてアルミナを分散し、3,5
時間目にサンプリングし、前記粒度測定と同様の方法で
マイクロトラックMKIIによりD50(累積50%径)
を測定し、粒径が小さい程分散性に優れると表現した。
【0039】実施例1 耐圧10.5kg/cm2 (使用圧0.5kg/c
2 )、内容量1600ccの反応器に高速回転剪断攪拌
機、クレアミックスCLM−L3.7S〔エム・テクニ
ック株式会社製(使用ローターの最長径57mm、最短
径25mm、クリアランス0.3mm)〕を設置し、速
度勾配は43200sec-1〜114000sec-1
条件で、アルミニウムアルコキシドとしてアルミニウム
イソプロポキシド濃度75重量%のイソプロピルアルコ
ールとの混合液と、アセト酢酸エチルとイソプロピルア
ルコールとの混合液とを混合調製し、アルミニウムイソ
プロポキシド/アセト酢酸エチルのモル比が5で、且つ
アセト酢酸エチルで化学修飾されたアルミニウムイソプ
ロポキシドと、化学修飾されていないアルミニウムイソ
プロポキシド濃度60重量%のイソプロピルアルコール
混合液を用い、水濃度が30重量%のイソプロピルアル
コールとの混合液とを混合し、水/アルミニウムイソプ
ロポキシドのモル比が2.7の一定条件で攪拌帯域の滞
留時間が8分で連続的に供給し40〜70℃の温度で加
水分解して、水酸化アルミニウム含有スラリーを得た。
このようにして得た水酸化アルミニウム含有スラリーを
気流乾燥機〔商品名;フラッシュジェットドライヤーF
JD−4型、株式会社セイシン企業製〕を用い、乾燥温
度(ドライヤー入口温度240℃、出口温度130
℃)、滞留時間0.7秒、圧力0.32kg/cm
2 G、風量14m3 /min、スラリー供給量114k
g/hrの条件で乾燥を行い、水酸化アルミニウム粉末
を得た。結晶形はアモルファスであり、D50は0.5
5μであった。嵩密度は軽装が0.17g/cm3 であ
り、重装が0.22g/cm3 であった。それを950
℃で3時間焼成しアルミナ粉末を得た。BET比表面積
は113m2 /gであり、結晶形はγ−アルミナであ
り、嵩密度は軽装が0.27g/cm3 であり、重装が
0.41g/cm3 であった。サンドミル分散性は3時
間後のD50が0.50μ、5時間後が0.42μであ
った。
【0040】比較例1 実施例1に於いて、同じ加水分解条件で水酸化アルミニ
ウム含有スラリーを得て、これを材料攪拌型伝熱乾燥機
(外部加熱機能を有する攪拌機付き容器にスラリーの入
れ、攪拌しながら加熱乾燥する構造)を用い、乾燥温度
120℃、乾燥時間240分の条件で乾燥を行い水酸化
アルミニウム粉末を得た。得られた水酸化アルミニウム
粉末の結晶形はアモルファスであり、D50は8.9
μ、嵩密度は軽装が0.48g/cm3 、重装が0.5
8g/cm3 であった。これを更に950℃で3時間焼
成しアルミナ粉末を得た。得られた粉末のBET比表面
積は104m2 /g、結晶形はγ−アルミナであり、嵩
密度は軽装が0.54g/cm3 、重装が0.65g/
cm3 であった。サンドミル分散性は、3時間後のD5
0が0.58μ、5時間後が0.49μであった。
【0041】比較例2 比較例2より得られたアルミナ粉末をジェットミル解砕
したもののサンドミル分散性は、3時間後のD50が
0.62μ、5時間後が0.56μであった。
【0042】実施例2 実施例1に於いて、耐圧2kg/cm2 (使用圧0.2
kg/cm2 )、内容量35ccの反応器に高速回転剪断
撹拌機、クレアミックスCLM−L0.8S〔エム・テ
クニック株式会社製(使用ローターの最長径29mm、
最短径11mm、クリアランス0.2mm)〕を用い、
撹拌機の滞留時間を1分に変えた他は同じ条件で加水分
解して、水酸化アルミニウム含有スラリーを得た。得ら
れたスラリーをフラッシュ乾燥機を用い、乾燥温度20
0℃、滞留時間0分、圧力32kg/cm2 Gの条件で
乾燥を行い、水酸化アルミニウム粉末を得た。結晶形は
擬ベーマイトであり、D50は4.7μmであった。嵩
密度は軽装が0.01g/cm3 、重装が0.12g/
cm3 であった。次いでこの水酸化アルミニウム粉末を
950℃で3時間焼成しアルミナ粉末を得た。 得られ
た粉末のBET比表面積は149m2 /g、結晶形はγ
−アルミナ、嵩密度は軽装が0.11g/cm3 、重装
が0.14g/cm3 であった。
【0043】比較例3 実施例1と同じ加水分解条件で水酸化アルミニウム含有
スラリーを得て、それを噴霧乾燥機、回転円盤型スプレ
ードライヤーDCR3N2型〔株式会社坂本技研〕を用
い、乾燥温度(ドライヤー入口温度135℃、出口温度
100℃)、円盤回転数14000rpm、風量3Nm
3 /hrの条件で乾燥を行い、水酸化アルミニウム粉末
を得た。得られた粉末の結晶形はアモルファスで、D5
0は11.2μ、嵩密度は軽装が0.26g/cm3
重装が0.29g/cm3 であった。次いでこの粉末を
950℃で3時間焼成しアルミナ粉末を得た。得られた
粉末のBET比表面積は114m2 /g、結晶形はγ−
アルミナであり、嵩密度は軽装が0.43g/cm3
重装が0.53g/cm3 であった。サンドミル分散性
は3時間後のD50が0.74μ、5時間後が0.54
μであった。
【0044】比較例4 比較例3により得られたアルミナ粉末をジェットミル解
砕したもののサンドミル分散性は3時間後のD50が
0.62μ、5時間後が0.54μであった。
【0045】比較例5 内容量2リットルのセパラブルフラスコに該フラスコ内
壁とのクリアランスが約5mmなるように調整された攪
拌羽根(最長径145mm、最短径10mm)を有する
攪拌機を設置し、該フラスコ内に実施例1と同じモル
比、濃度のアルミニウムイソプロポキシドと水を供給
し、100rpm(速度勾配約10sec-1〜約150
sec-1)で攪拌機を回転しながら温度40〜70℃に
調整しつつ60分加水分解し、水酸化アルミニウム含有
スラリーを得た。得られたスラリーを比較例と同じ構造
の材料撹拌型乾燥機を用い、乾燥温度120℃、乾燥時
間240分の条件で乾燥を行い、水酸化アルミニウム粉
末を得た。得られた粉末の結晶形はアモルファスであ
り、粒子径D50は6.6μであった。嵩密度は軽装が
0.35g/cm3 であり、重装が0.40g/cm3
であった。次いでこの粉末を950℃で3時間焼成しア
ルミナ粉末を得た。得られた粉末のBET比表面積は1
42m2 /gであり、結晶形はγ−アルミナであり、嵩
密度は軽装が0.51g/cm3 、重装が0.56g/
cm3 であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 美明 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 石田 隆浩 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムアルコキシドと水を高速回転
    剪断攪拌下に連続供給して加水分解を行い、次いで得ら
    れた加水分解物をフラッシュ乾燥機或いは気流乾燥機に
    より乾燥することを特徴とする微粒水酸化アルミニウム
    粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】高速回転剪断攪拌が3000sec-1を越
    える速度勾配を生じる高剪断条件であることを特徴とす
    る請求項1記載の微粒水酸化アルミニウム粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】高速回転剪断攪拌下での滞留時間が5秒〜
    15分であることを特徴とする請求項1記載の微粒水酸
    化アルミニウム粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】アルミニウムアルコキシドとして、ジケト
    ン,ケトエステル,ジエステル,カルボン酸,ジオー
    ル,ケトアルコール,アルデヒド,アミノ酸,酢酸多価
    アルコール、アミン及びポリエーテルのうちから選ばれ
    た少なくとも1種の化合物でアルミニウムアルコキシド
    を化学修飾してなるアルミニウムアルコキシドの誘導
    体、或いは該誘導体とアルミニウムアルコキシドの混合
    物を用いる事を特徴とする請求項1記載の微粒水酸化ア
    ルミニウム粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】アルミニウムアルコキシドとして、Mg、
    Ca、La、Fe、Si、Ti或いはZrの中から選ば
    れた少なくとも一種の金属のアルコキシドとアルミニウ
    ムアルコキシドの混合物を用いることを特徴とする請求
    項1記載の微粒水酸化アルミニウム粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】アルミニウムアルコキシドと水を高速回転
    剪断攪拌下に連続供給して加水分解を行い、次いで得ら
    れた加水分解物をフラッシュ乾燥機或いは気流乾燥機に
    より乾燥して水酸化アルミニウム粉末を得た後、これを
    500℃〜1500℃の温度で焼成することを特徴とす
    る微粒アルミナ粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】高速回転剪断攪拌が3000sec-1を越
    える速度勾配を生じる高剪断条件であることを特徴とす
    る請求項6記載の微粒アルミナ粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】高速回転剪断攪拌下での滞留時間が5秒〜
    15分であることを特徴とする請求項1記載の微粒アル
    ミナ粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】アルミニウムアルコキシドとして、ジケト
    ン,ケトエステル,ジエステル,カルボン酸,ジオー
    ル,ケトアルコール,アルデヒド,アミノ酸,酢酸多価
    アルコール、アミン及びポリエーテルのうちから選ばれ
    た少なくとも1種の化合物でアルミニウムアルコキシド
    を化学修飾してなるアルミニウムアルコキシドの誘導
    体、或いは該誘導体とアルミニウムアルコキシドの混合
    物を用いる事を特徴とする請求項6記載の微粒アルミナ
    粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】アルミニウムアルコキシドとして、M
    g、Ca、La、Fe、Si、Ti或いはZrの中から
    選ばれた少なくとも一種の金属のアルコキシドとアルミ
    ニウムアルコキシドの混合物を用いることを特徴とする
    請求項6記載の微粒アルミナ粉末の製造方法。
JP6143678A 1994-06-24 1994-06-24 微粒水酸化アルミニウム粉末及び微粒アルミナ粉末の製造方法 Pending JPH0812323A (ja)

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