JPH08121881A - 蒸気圧縮式冷凍機 - Google Patents

蒸気圧縮式冷凍機

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JPH08121881A
JPH08121881A JP25332894A JP25332894A JPH08121881A JP H08121881 A JPH08121881 A JP H08121881A JP 25332894 A JP25332894 A JP 25332894A JP 25332894 A JP25332894 A JP 25332894A JP H08121881 A JPH08121881 A JP H08121881A
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temperature
expansion valve
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毅 川合
Masashi Yasuda
昌司 安田
Ryoichi Sekiya
遼一 関矢
Ichiro Kamimura
一朗 上村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、冷媒漏れによる混合比変化を検
出し、最適な冷媒流量制御を行い、冷凍機性能を低下を
抑制する蒸気圧縮式冷凍機を提供することを目的とす
る。 【構成】 蒸気圧縮式冷凍機において、一定時間毎の膨
張弁4の操作量に対する蒸発器1の冷媒吐出側付近での
検出冷媒温度の変化量を含むデータに基づいて、混合冷
媒の混合比および冷媒循環量を算出する算出手段107
ならびに算出手段107によって算出された混合冷媒の
混合比に基づいて、膨張弁4の開閉度を制御する制御手
段101を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数種類の冷媒を混
合させた混合冷媒が封入された蒸気圧縮式冷凍機に関
し、特にその混合冷媒の混合比変化の検出および冷媒流
量制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、室内空調に利用する蒸気圧縮式冷
凍機では、室内温度が設定温度となるように制御され
る。また、冷凍機自身が所有する冷房能力を最大限に活
用し、かつ冷凍機内部の冷媒状態を安定に保つために、
冷媒流量の制御が行われている。
【0003】たとえば、冷房の場合では、蒸発器によっ
て室内の熱が冷媒に吸収され、冷媒に吸収された熱は凝
縮器によって室外に放出されることにより、室内外の熱
交換が行なわれる。室内温度が設定温度より高いときに
は圧縮機が運転され、室内温度が設定温度より低くなっ
たときに圧縮機の運転が停止させられる。
【0004】冷凍機の冷媒流量の制御は、蒸発器および
凝縮器の間に設けられた電子膨張弁の開閉度を制御する
ことにより行なわれている。この種の制御には、過熱度
制御と呼ばれている制御がある。過熱度制御では、蒸発
器出口における過熱度が制御目標値に収束するように、
電子膨張弁の開閉度が制御される。
【0005】図7は、過熱度制御が行なわれている従来
の蒸気圧縮式冷凍機の冷媒回路を示している。
【0006】蒸気圧縮式冷凍機は、室外機5および室内
機6を備えている。室外機5には、圧縮機3、四方弁9
および室外熱交換器2が設けられている。室内機6に
は、電子膨張弁4および室内熱交換器1が設けられてい
る。これらの各機器は、冷媒配管7によって接続されて
いる。
【0007】電子膨張弁4は例えばステッピングモータ
により電動式でその開閉度が調整可能となっている。四
方弁9は、室内熱交換器1および室外熱交換器2との間
に冷媒配管7を介して接続される圧縮機3の接続を運転
状態に応じて切り換える。冷房運転時には、室内熱交換
器1から四方弁9、圧縮機3、四方弁9、室外熱交換器
2の順に冷媒が流れるように、四方弁9が切り換えられ
る。暖房運転時には、室外熱交換器2から四方弁9、圧
縮機3、四方弁9、室内熱交換器1の順に冷媒が流れる
ように四方弁9が切り換えられる。図7は冷房運転の場
合を示しており、冷媒は配管7の中を図示矢印の方向に
流れている。
【0008】冷房運転時には、室内熱交換器1は蒸発器
として、室外熱交換器2は凝縮器として動作し、暖房運
転時にはその逆となる。室内熱交換器1内部の配管にお
ける冷房運転時の冷媒流入側から中間位置までの適当な
位置には、サーミスタからなる第1温度検出手段10が
設けられている。室内熱交換器1の冷房運転時の冷媒吐
出側には、サーミタスからなる第2温度検出手段11が
設けられている。
【0009】室外熱交換器2内部の配管における暖房運
転時の冷媒流入側から中間位置までの適当な位置には、
サーミスタからなる第3温度検出手段12が設けられて
いる。また、室外熱交換器2の暖房運転時の冷媒吐出側
には、サーミスタからなる第4温度検出手段13が設け
られている。
【0010】冷房運転時には、第1および第2温度検出
手段10、11の検出温度に基づいて、蒸発器として動
作する室内熱交換器1の出口の冷媒の過熱度が算出され
る。過熱度とは、一般には、冷媒の飽和蒸気温度からの
温度上昇分を指す。従来の冷凍機においては、通常動作
中において蒸発器の冷媒流入側の冷媒温度が飽和蒸気温
度より略一定温度低い値となるため、第1および第2温
度検出手段10、11の検出温度の温度差に基づいて蒸
発器出口における過熱度が算出されている。同様に、暖
房運転時には第3および第4温度検出手段12、13の
検出温度に基づいて、蒸発器として動作する室外熱交換
器2の出口の冷媒の過熱度が算出される。
【0011】図8は、冷媒として冷凍機内に単一冷媒が
封入されている場合の蒸発器内部における理想的な冷媒
温度変化を示している。図8において、横軸は蒸発器内
部に配設されている冷媒配管の冷媒流入口からの距離を
示し、縦軸はその距離に位置する冷媒の温度を示してい
る。
【0012】図8から分かるように、冷媒温度は冷媒が
外気から熱を奪うことにより、冷媒流入口から離れるに
つれて徐々に上昇し(a領域)、冷媒温度が変化しない
状態(b領域)を経た後、蒸発器の冷媒吐出口まで冷媒
温度が再び上昇する(c領域)。
【0013】すなわち、a領域では、冷媒が液体状態の
ままで温度上昇しており、その圧力下での飽和蒸気温度
に達すると、b領域に示すように温度が上昇せず、液体
から気体への蒸発が行われ、冷媒として気体状態のもの
と液体状態のものが混ざりあった気液2相状態となる。
そして、冷媒がすべて気体状態となると、c領域に示す
ように再び冷媒温度が上昇する。蒸発器出口での冷媒温
度が飽和蒸気温度より高い場合、すなわち、蒸発器出口
で冷媒が完全に気体状態になっていることを、一般に過
熱状態にあるという。なお、図8における過熱度をxと
して図示している。
【0014】過熱度制御では、冷凍機自身が所有する冷
凍能力を最大限に活用し、かつ冷凍機内部の冷媒状態を
最も安定に保つことになる制御目標値に、蒸発器出口に
おける過熱度が収束するように、電子膨張弁4の開閉度
が制御される。このような、過熱度制御が行われること
により、単一冷媒を用いた冷凍サイクルにおいて、精度
の高い冷媒流量制御を行うことが可能となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】近年フロンによる成層
圏オゾン層破壊が地球規模の環境問題となっており、成
層圏オゾン層の破壊能力が大であるフロン類(以下、特
定フロンという)については、すでに国際条約によって
使用量および生産量の規制がなされ、さらに将来的には
特定フロンの使用および生産を廃止しようという動きが
ある。
【0016】そして、従来の蒸気圧縮式冷凍機において
幅広く用いられているクロロジフルオロエタン(R2
2)についても、特定フロンではないものの若干の成層
圏オゾン層の破壊能力があるため、特定フロンと同様に
将来的には使用および生産を廃止しようという動きがあ
る。
【0017】このため、最近ではR22と同程度の冷凍
能力を有する代替冷媒が盛んに研究されており、その中
でも有望な冷媒として2種、あるいは3種の非共沸混合
冷媒が提案されている。
【0018】しかしながら、冷媒として混合冷媒を用い
た場合には、冷凍機内に封入された混合冷媒の混合比
が、経時変化などによる冷媒漏れによって変化する。混
合冷媒の混合比が変化すると、初期設定された制御パラ
メータ値では、安定した冷媒流量制御を行うことが困難
になるという問題がある。また、その混合比変化が大き
い場合には、冷凍機性能を十分に発揮できないため、冷
媒の再充填を行なうことが必要となる。ここで、制御パ
ラメータとは、冷媒流量制御が、たとえば、PID制御
によって行なわれている場合には、比例ゲイン、積分時
間(リセットタイム)および微分時間(レートタイム)
を指す。
【0019】この発明は、冷媒漏れによる混合比変化を
検出し、最適な冷媒流量制御を行い、冷凍機性能の低下
を抑制できる蒸気圧縮式冷凍機を提供することを目的と
する。
【0020】また、この発明は、冷媒漏れによって混合
冷媒の混合比が、初期の混合比から大きく変化したとき
に、冷媒の再充填を促すことができるとともに、冷媒の
再充填を正確にかつ効率良く行なえる蒸気圧縮式冷凍機
を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明による第1の蒸
気圧縮式冷凍機は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発
器を備えた冷凍サイクル中に、2種類以上の冷媒を含む
混合冷媒が封入された蒸気圧縮式冷凍機において、一定
時間毎の膨張弁の操作量に対する蒸発器の冷媒吐出側付
近での検出冷媒温度の変化量を含むデータに基づいて、
混合冷媒の混合比および冷媒循環量を算出する算出手
段、ならびに算出手段によって算出された混合冷媒の混
合比に基づいて、膨張弁の開閉度を制御する制御手段を
備えていることを特徴とする。
【0022】この発明による第2の蒸気圧縮式冷凍機
は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を備えた冷凍
サイクル中に、2種類以上の冷媒を含む混合冷媒が封入
された蒸気圧縮式冷凍機において、一定時間毎の膨張弁
の操作量に対する蒸発器の冷媒吐出側付近での検出冷媒
温度の変化量を含むデータに基づいて、混合冷媒の混合
比および冷媒循環量を算出する算出手段、算出手段によ
って算出された混合冷媒の混合比に基づいて、膨張弁の
開閉度を制御する制御手段、ならびに算出手段により算
出された混合冷媒の混合比が、初期の混合比に対して、
所定以上変化しているときに、混合冷媒の混合比が初期
混合比に比べて大きく変化していることならびに算出手
段によって算出された混合冷媒の混合比および冷媒循環
量を報知する手段を備えていることを特徴とする。
【0023】算出手段としては、たとえば、一定時間毎
の膨張弁の操作量に対する蒸発器の冷媒吐出側付近での
検出冷媒温度の変化量、蒸発器の吸い込み空気温度、蒸
発器の設定送風量、膨張弁の開閉度、過熱度状態である
か否かの情報および圧縮機の駆動周波数からなるデータ
に基づいて、混合冷媒の混合比および冷媒循環量を算出
するものが用いられる。
【0024】算出手段の主要部は、たとえば、ニューラ
ルネットワークにより構成される。
【0025】
【作用】この発明による第1の蒸気圧縮式冷凍機では、
一定時間毎の膨張弁の操作量に対する蒸発器の冷媒吐出
側付近での検出冷媒温度の変化量を含むデータに基づい
て、混合冷媒の混合比および冷媒循環量(混合冷媒の総
量)が算出される。そして、算出された混合冷媒の混合
比に基づいて、膨張弁の開閉度が制御される。
【0026】この発明による第2の蒸気圧縮式冷凍機で
は、一定時間毎の膨張弁の操作量に対する蒸発器の冷媒
吐出側付近での検出冷媒温度の変化量を含むデータに基
づいて、混合冷媒の混合比および冷媒循環量が算出され
る。そして、算出された混合冷媒の混合比に基づいて、
膨張弁の開閉度が制御される。
【0027】算出手段によって算出された混合冷媒の混
合比が、初期の混合比に対して、所定以上変化している
ときには、混合冷媒の混合比が初期混合比に比べて大き
く変化していることならびに算出手段によって算出され
た混合冷媒の混合比および冷媒循環量が報知される。
【0028】混合冷媒の混合比が初期混合比に比べて大
きく変化していることが報知されることにより、サービ
スマンによる冷媒の再充填が必要があることが知らされ
る。そして、報知された冷媒の混合比と冷媒循環量との
情報から、混合冷媒に含まれる冷媒のうち、減少した冷
媒の減少量が判明する。したがって、冷媒を再充填する
際には、減少した冷媒をその減少量だけ、補充できるの
で、冷媒の再充填を正確にかつ効率良く行なうことがで
きる。
【0029】
【実施例】以下、図1〜図6を参照して、この発明の実
施例について説明する。
【0030】図1は蒸気圧縮式冷凍機の冷媒回路を示し
ている。図1において、図7と同じものには、同じ符号
を付してその説明を省略する。この実施例における蒸気
圧縮式冷凍機としては、インバータエアコンのように、
圧縮機の駆動周波数が変化するものが用いられている。
冷凍サイクルの基本的な動作原理は、上述した従来例と
同じである。
【0031】この蒸気圧縮式冷凍機では、室内機6に
は、室内の空気を吸い込んで室内熱交換器1に送る室内
送風機14が設けられている。また、室内送風機14の
吸い込み空気温度を検出するための室内吸い込み温度検
出手段16が設けられている。
【0032】室外機5には、外気を吸い込んで室外熱交
換器2に送る室外送風機15が設けられている。また、
室外送風機15の吸い込み空気温度を検出するための室
外吸い込み温度検出手段17が設けられている。
【0033】図2は、冷媒として沸点の異なる2種類又
はそれ以上の冷媒成分を混合した混合冷媒を用いた場合
の蒸発機内部における冷媒温度変化を示している。
【0034】冷媒として非共沸混合冷媒を用いた場合に
は、蒸発器内部における個々の冷媒の同一圧力下での飽
和蒸気温度が異なるため、上述した単一冷媒のように温
度一定の気液2相状態の部分(図8のb領域)が存在し
ない。このため、個々の冷媒が全て蒸発して過熱状態
(図8のc領域)となる前に、何種類かの冷媒のみが完
全に蒸発している冷媒状態が存在することになる。
【0035】したがって、混合冷媒を用いた場合には、
図2に示すように、気液2相状態においては、単一冷媒
のように一定温度とはならず、温度上昇を示すことにな
る(図2のb’領域)。図2のa’領域は図8のa領域
に対応し、図2のc’領域は図8のc領域に対応してい
る。図2に、混合冷媒を用いた場合の過熱度をyで示
す。
【0036】電子膨張弁4の一定操作量に対する、気液
2相状態での温度上昇度と過熱状態での温度上昇度とで
は大きな差があり、気液2相状態から過熱状態に移行す
る際に、電子膨張弁4の一定操作量に対する冷媒温度の
温度上昇度が高くなる。この場合の状態変化点を図2に
A点として示す。
【0037】また、封入冷媒の混合比が経時変化によっ
て変化した場合には、気液2相状態および過熱状態それ
ぞれにおける電子膨張弁4の一定操作量に対する冷媒温
度の温度上昇度が変化する。
【0038】この実施例では、2種類以上の非共沸混合
冷媒を用いた蒸発器内の冷媒特性に基づいて、封入冷媒
の混合比変化が検出される。以下に、封入冷媒の混合比
検出と冷媒流量制御について詳述する。
【0039】図3は本発明の蒸気圧縮式冷凍機の概略構
成ブロック図である。
【0040】蒸気圧縮式冷凍機は、各種入出力機器を制
御する制御部101を備えている。
【0041】制御部101には、タイミング信号発生部
102から、所定時間毎(本実施例では30秒毎)にタ
イミング信号が送られる。温度データ記憶部103に
は、第2温度検出手段11または第4温度検出手段13
によって検出された蒸発器出口温度が入力され、30秒
前の冷媒温度T1と現在の冷媒温度T2とが記憶され
る。
【0042】移行温度算出手段104は、温度データ記
憶部103に記憶された冷媒温度から求められた冷媒温
度の変化量t(=(T2−T1))と、その間における
電子膨張弁4の操作量vとの比t/vに基づいて、蒸発
器出口において過熱状態(冷媒の全てが蒸発している状
態)へ移行した温度(図2のA点の温度に相当する)を
算出する。
【0043】具体的には、移行温度算出手段104で
は、今回のt/v値が前回のt/v値より、所定のしき
い値以上増加したか否かによって、蒸発器出口における
過熱状態への移行温度が算出される。
【0044】過熱度算出手段105は、第2温度検出手
段11または第4温度検出手段13によって検出された
蒸発器出口温度と、移行温度算出手段104において算
出された移行温度とに基づいて蒸発器出口での過熱度
(図2のyに相当する)を算出する。
【0045】運転状態記憶部106には、室内吸い込み
温度検出手段16または室外吸い込み温度検出手段17
によって検出された蒸発器の吸い込み空気温度と、室内
送風機14または室外送風機15において設定された蒸
発器の設定送風量と、電子膨張弁4の開閉度と、蒸発器
出口において過熱状態となっているか否かを示すデータ
と、圧縮機3の駆動周波数とが記憶される。
【0046】混合比算出手段107は、運転状態記憶部
106に記憶されている各種運転状態データと、移行温
度算出手段104で算出されたt/v値とに基づいて、
混合冷媒の混合比および冷媒循環量(混合冷媒の総量)
を算出する。t/v値に加えて、運転状態記憶部106
に記憶されている各種運転状態データをも考慮して混合
冷媒の混合比が算出されているのは、同一混合比であっ
ても各種運転状態データの値によってt/v値が変化す
るためである。
【0047】混合比記憶部108には、冷凍機に初期封
入された混合冷媒の混合比(初期混合比)が記憶される
とともに、混合比算出手段107によって算出された現
在の混合冷媒の混合比(算出混合比)および冷媒循環量
が記憶される。なお、初期時には算出混合比として、初
期封入された混合冷媒の混合比が記憶される。
【0048】報知手段109は、混合比算出手段107
によって算出された混合比が初期混合比から大幅に変化
し、サービスマンによる保守点検作業が必要な場合に、
操作表示部111に設けられたサービスマンコールラン
プを点灯させるととともに、操作表示部111に設けら
れた表示器に現在の混合冷媒の混合比および冷媒循環量
を表示させる。
【0049】これにより、冷凍機性能を十分に発揮でき
ない状態での冷凍機の使用を中止させ、サービスマンに
各冷媒の再充填を行わせることができる。また、表示器
に現在の混合比および冷媒循環量が表示されるので、混
合冷媒に含まれる冷媒のうち、減少した冷媒の減少量を
把握することができる。したがって、減少した冷媒を減
少量だけ充填することにより、混合冷媒の混合比が初期
混合比とすることができる。
【0050】ROM110には、制御部101のプログ
ラム等が格納されている。したがって、制御部101
は、このプログラムに基づいて電子膨張弁4等の各機器
を制御する。
【0051】電子膨張弁4は、制御部101から送られ
る制御パルスにより、その開閉度が調整される。この実
施例では完全閉状態での開閉度を”0”、完全開状態で
の開閉度を”500”とし、その間の開閉度を500ス
テップに分割された値で制御されており、開閉度の初期
値は”100”に設定されている。
【0052】また、制御部101は、冷房運転時か暖房
運転時かを判断し、タイミング信号発生部102からの
入力信号に基づいて、冷房運転時には第2温度検出手段
11によって検出された冷媒温度を蒸発器出口温度とし
て取り込んで温度データ記憶部103に記憶させ、暖房
運転時には第4温度検出手段13によって検出された冷
媒温度を蒸発器出口温度として取り込んでんで温度デー
タ記憶部103に記憶させる。
【0053】また、制御部101は、タイミング信号発
生部102からの入力信号に基づいて、冷房運転時には
蒸発器として動作する室内熱交換器1の吸い込み空気温
度および設定送風量を取り込んで運転状態記憶部106
に記憶させ、暖房運転時には蒸発器として動作する室外
熱交換器2の吸い込み空気温度および設定送風量を取り
込んで運転状態記憶部106に記憶させる。
【0054】ROM110には、圧縮機起動時に非過熱
状態にある間に用いられる制御パラメータ値と、過熱状
態になった後に用いられる制御パラメータ値とが別々に
記憶されている。各パラメータ値には、初期混合比に対
する初期制御パラメータ値と、混合比が変化した場合で
の各混合比に対する制御パラメータ値とがある。ROM
110に格納される各制御パラメータ値は、予め実験に
より求められたそれぞれ適切な制御パラメータ値であ
る。制御部101は、ROM110に格納されている制
御パラメータ値から、圧縮機起動時の非過熱状態である
間かまたは過熱状態になった後であるかどうかおよび混
合冷媒の混合比に応じた制御パラメータ値を読み出し
て、冷媒流量制御の制御パラメータ値として用いる。
【0055】これにより、従来の課題、すなわち、圧縮
機起動時に過熱状態となる前となった後とにおいて、同
一の制御パラメータ値を利用すると制御結果にハンチン
グが発生し、素早く所望の過熱度に安定させることがで
きないという課題を解消することができる。また、冷媒
漏れにより混合冷媒の混合比が変化したとしても、その
混合比に応じた適切な制御パラメータ値が再設定される
ので、安定した冷媒流量制御を行うことができ、冷凍機
性能を低下を抑制することができる。
【0056】図4は、混合比算出手段107の主要部の
構成を示している。
【0057】混合比算出手段107の主要部は、ニュー
ロコンピュータの多層ニューラルネットワーク41で構
成されている。このニューラルネットワーク41は、入
力層42、中間層43および出力層44からなる。
【0058】入力層42は、6個の入力ユニットI1〜
I6から構成されている。入力ユニットI1には、運転
状態記憶部106に記憶されている吸い込み空気温度が
入力される。入力ユニットI2には、運転状態記憶部1
06に記憶されている膨張弁開度が入力される。入力ユ
ニットI3には、運転状態記憶部106に記憶されてい
る送風量が入力される。入力ユニットI4には、運転状
態記憶部106に記憶されている過熱状態か否かのデー
タ(過熱状態の有無)が入力される。入力ユニットI5
には、移行温度算出手段104によって算出されたt/
v値が入力される。入力ユニットI6には、運転状態記
憶部106に記憶されている圧縮機3の駆動周波数が入
力される。
【0059】中間層43は、入力層42の各ユニットI
1〜I6と相互に結合された15個の中間ユニットM1
〜M15から構成されている。
【0060】出力層44は、中間層43の各ユニットM
1〜M15と相互に結合され、冷凍機内に封入された3
種の冷媒からなる混合冷媒の混合比をそれぞれ出力する
3個の出力ユニットO1〜O3と、冷媒循環量を出力す
る出力ユニットO4とから構成されている。
【0061】この実施例では、3種の非共沸混合冷媒が
混合冷媒として用いられている場合について説明した
が、2種以上の冷媒からなる混合冷媒であれば、特に3
種の冷媒からなる混合冷媒に特定される必要はない。ま
た、中間層のユニット数を15個としているが、特にこの
数に特定される必要はない。また、中間層が複数あって
もよい。
【0062】このニューラルネットワーク41の学習
は、次のように行なわれる。まず、予め実験により、混
合冷媒の混合比および冷媒循環量の多数の組み合わせの
それぞれについて、吸い込み空気温度、膨張弁開度、送
風量、過熱状態の有無、圧縮機3の駆動周波数の代表的
な組み合わせに対するt/v値を求める。そして、吸い
込み空気温度、膨張弁開度、送風量、過熱状態の有無、
圧縮機3の駆動周波数およびt/v値を入力パターンと
し、各入力パターンに対する混合冷媒の混合比および冷
媒循環量の組み合わせを教師データとして、バックプロ
パゲーション法により、ニューラルネットワーク41を
学習させる。
【0063】学習後のニューラルネットワーク41に、
運転状態記憶部106に記憶されている各種運転状態デ
ータと、移行温度算出手段104によって算出されたt
/v値が入力されることにより、混合冷媒の混合比およ
び冷媒循環量が得られる。
【0064】ところで、3種類以上の冷媒からなる混合
冷媒の場合には、異なる2種類の混合比に対して、t/
v値と上記各種運転状態データとのある1つの組み合わ
せパターンが対応することがある。つまり、t/v値と
上記各種運転状態データとの1つの組み合わせのパター
ンに対して、異なる2種類の混合比が対応する場合があ
る。
【0065】3種類の冷媒a、b、cが混合された混合
冷媒を例にとると、t/v値と上記各種運転状態データ
とのある1つの組み合わせパターンに対して、混合冷媒
の混合比(a:b:c)が、2:3:5である場合と、
4:1:5の場合の2種類が対応する場合がある。この
ような場合には、異なる2種類の混合比に対応するよう
な入力パターンがニューラルネットワーク41に入力さ
れた場合には、異なる2種類の混合比のうちいずれが出
力されるか分からないので、誤った混合比が算出される
おそれがある。
【0066】混合冷媒の混合比が変化するのは、冷凍機
内部に封入されている冷媒が漏れることが大きな原因で
ある。この漏れは、蒸発温度の低い冷媒、すなわち蒸発
しやすい冷媒ほど、起こりやすいと考えることができ
る。つまり、3種類の冷媒a、b、cが混合された混合
冷媒において最も蒸発温度の低い冷媒をaとし、初期状
態での混合冷媒の混合比(a:b:c)が3:3:4で
あるとすると、混合冷媒の全体に対する冷媒aの比が、
3/10以下になる可能性が高いと予想できる。
【0067】そこで、t/v値と上記各種運転状態デー
タとの1つの組み合わせのパターンに対して、異なる2
種類の混合比が対応することが実験等によって分かって
いる場合には、上記1つの組み合わせのパターンに対し
て、異なる2種類の混合比のうち、初期状態に対して漏
れやすい冷媒の比が小さくなるような混合比が算出され
るようにしておくことが好ましい。
【0068】具体的には、ある入力パターンに対して2
種類の混合比が対応する場合には、異なる2種類の混合
比のうち初期状態に対して漏れやすい冷媒の比が小さく
なるような混合比を用いたニューラルネットワークの学
習回数が、他方の混合比を用いたニューラルネットワー
クの学習回数よりも多くされる。
【0069】あるいは、上記異なる2種類の混合比のう
ち初期状態に対して漏れやすい冷媒の比が小さくなるよ
うな混合比のみをニューラルネットワークの学習に用
い、他方の混合比を学習に用いないようにする。この場
合には、学習に用いられなかった混合比を、学習に用い
られた混合比の第2候補として、メモリに蓄積してお
き、ニューラルネットワークから上記学習に用いられた
混合比(以下、第1候補の混合比という)が出力された
ときには、第2候補の混合比が存在することがわかるよ
うにしておく。そして、混合比が第1候補の混合比に変
化したとして膨張弁4の制御を行い、その結果良い結果
が得られなかったときには、第2候補の混合比を採用す
るようにする。
【0070】図5および図6は、蒸気圧縮式冷凍機によ
る冷媒流量制御処理手順を示している。
【0071】先ず冷凍機の報知手段108が動作してい
るかいないかが判別される(ステップS1)。報知手段
108が動作中でなければ、冷凍機の運転モードが、冷
房運転モードに設定されているか暖房運転モードに設定
されているかが判断され、設定されている運転モードで
冷凍機の運転が開始される(ステップS3)。
【0072】運転モードが冷房運転モードの場合には、
室内熱交換器1が蒸発器として特定され、暖房運転モー
ドの場合には、室外熱交換器2が蒸発器として特定され
る(ステップS5)。ここでは、運転モードが冷房運転
モードに設定されており、室内熱交換器1が蒸発器とし
て特定された場合について説明する。
【0073】次に、タイミング信号発生部102が起動
せしめられる(ステップS7)。これにより、タイミン
グ信号発生部102から、30秒間隔でタイミング信号
が出力される。次に、電子膨張弁4の制御パラメータ
が、圧縮機起動時の非過熱状態の場合の初期値に設定さ
れる(ステップS9)。
【0074】この後、タイミング信号発生部102から
タイミング信号が入力されると(ステップS11)、電
子膨張弁4が制御される(ステップS12)。この電子
膨張弁4の制御では、現在設定されている、圧縮機起動
時の非過熱状態の対する制御パラメータ値を用いて、電
子膨張弁4の開閉度が制御される。
【0075】また、第2温度検出手段11によって検出
された蒸発器出口温度が取り込まれて温度データ記憶部
103に格納される(ステップS13)。次に、温度デ
ータ記憶部103から現在の検出冷媒温度と前回の検出
冷媒温度とが読み出され、移行温度算出手段104によ
って、前回から今回までの間の電子膨張弁4の操作量v
に対する蒸発器出口温度の変化量tの割合t/v値が算
出される(ステップS15)。
【0076】そして、混合比算出手段106によって、
ステップS15で算出されたt/v値と、運転状態記憶
部106に記憶されている蒸発器の吸い込み空気温度、
設定送風量、電子膨張弁4の開閉度、蒸発器出口におけ
る過熱状態の有無および圧縮機3の駆動周波数とに基づ
いて封入混合冷媒の混合比および冷媒循環量が算出され
る(ステップS17)。
【0077】次に、ステップS17で算出された混合比
と、混合比記憶部108に格納されている前回の混合比
とが比較され、混合比が変化したか否かが判別される
(ステップS19)。
【0078】混合比が変化した場合には、ステップS1
7で算出された混合比が、混合比記憶部108に、現在
の混合冷媒の混合比として記憶されるとともにステップ
S17で算出された冷媒循環量が、現在の冷媒循環量と
して、混合比記憶部108に記憶される(ステップS2
1)。そして、圧縮機起動時の非過熱状態に対する制御
パラメータ値であって、現在の混合冷媒の混合比に対す
る電子膨張弁4の制御パラメータ値がROM110から
読み出され、読み出された値に制御パラメータ値が再設
定される(ステップS21)。次に、今回算出された混
合比が初期混合比に対して、予め設定された許容範囲以
上変化しているか否かが判別される(ステップS2
5)。この許容範囲は予め実験により求められて、RO
M110に記憶されている。
【0079】今回算出された混合比が初期混合比に対し
て許容範囲以上変化している場合には、冷凍機の報知手
段109が作動され(ステップS29)、冷凍機の運転
が停止される。また、現在の混合比および冷媒循環量が
操作表示部111の表示器に表示される。
【0080】上記ステップS19において混合比が変化
していないと判別されたときまたは上記ステップS25
において今回算出された混合比が初期混合比に対して許
容範囲以上変化していないと判別された場合には、ステ
ップS27に進む。
【0081】ステップS27では、上記ステップS15
で算出されたt/v値が、前回算出されたt/v値に比
べて一定値以上増加したか否かが判別される。今回算出
されたt/v値が、前回算出されたt/v値に比べて一
定値以上増加していない場合には、ステップS11に戻
って、タイミング信号発生部102からのタイミング信
号の入力待ち状態となる。そして、タイミング信号発生
部102からタイミング信号が入力されると、ステップ
S12〜S27の処理が再度実行される。
【0082】今回算出されたt/v値が、前回算出され
たt/v値に比べて一定値以上増加している場合には、
移行温度算出手段104によって、今回検出された蒸発
器出口温度が過熱状態への移行温度であると判別される
(ステップS31)。そして、電子膨張弁4の制御パラ
メータが、圧縮機起動時に過熱状態になった後に用いら
れる制御パラメータ値であって、現在の混合冷媒の混合
比に対する電子膨張弁4の制御パラメータ値がROM1
10から読み出され、読み出された値に制御パラメータ
値が再設定される(ステップS33)。
【0083】この後、タイミング信号発生部102から
タイミング信号が入力されると(ステップS35)、第
2温度検出手段11によって検出された蒸発器出口温度
が取り込まれて温度データ記憶部103に格納される
(ステップS37)。
【0084】また、蒸発器の膨張弁が過熱度制御により
制御される(ステップS38)。この過熱度制御では、
第2温度検出手段11によって検出された蒸発器出口温
度とステップS31で求められた移行温度とに基づい
て、現在の蒸発器の過熱度SH(SH=現在の蒸発器出
口温度−移行温度)と目標過熱度SHo(この実施例で
は、SHoは4℃に設定されている)との偏差e(=S
Ho−SH)が求められる。そして、求められた偏差e
および現在設定されている制御パラメータ値に基づいて
電子膨張弁4の弁操作量dvが決定され、決定された弁
操作量dvにより電子膨張弁4の開閉度が制御される。
【0085】次に、温度データ記憶部103から現在の
検出冷媒温度と前回の検出冷媒温度とが読み出され、移
行温度算出手段104によって、前回から今回までの間
の電子膨張弁4の操作量vに対する蒸発器出口温度の変
化量tの割合t/v値が算出される(ステップS3
9)。
【0086】そして、混合比算出手段106によって、
ステップS39で算出されたt/v値と、運転状態記憶
部106に記憶されている蒸発器の吸い込み空気温度、
設定送風量、電子膨張弁4の開閉度、蒸発器出口におけ
る過熱状態の有無および圧縮機3の駆動周波数とに基づ
いて封入混合冷媒の混合比および冷媒循環量が算出され
る(ステップS41)。
【0087】次に、ステップS41で算出された混合比
と、混合比記憶部108に格納されている混合比とが比
較され、混合比が変化したか否かが判別される(ステッ
プS43)。
【0088】混合比が変化した場合には、ステップS4
1で算出された混合比が、混合比記憶部108に、現在
の混合冷媒の混合比として記憶されるとともにステップ
S41で算出された冷媒循環量が、現在の冷媒循環量と
して、混合比記憶部108に記憶される(ステップS4
5)。そして、現在の混合冷媒の混合比に対する電子膨
張弁4の制御パラメータがROM110から読み出さ
れ、読み出された値に制御パラメータ値が再設定される
(ステップS47)。次に、今回算出された混合比が初
期混合比に対して、予め設定された許容範囲以上変化し
ているか否かが判別される(ステップS49)。
【0089】今回算出された混合比が初期混合比に対し
て許容範囲以上変化している場合には、冷凍機の報知手
段109が作動され(ステップS29)、冷凍機の運転
が停止される。また、現在の混合比および冷媒循環量が
操作表示部111の表示器に表示される。
【0090】上記ステップS43において混合比が変化
していないと判別されたときまたは上記ステップS49
において今回算出された混合比が初期混合比に対して許
容範囲以上変化していないと判別された場合には、ステ
ップS51に進む。
【0091】ステップS51では、冷凍機の運転停止指
令が入力されたか否かが判別される。冷凍機の運転停止
指令が入力された場合には冷凍機の運転が停止せしめら
れ、この処理は終了する。
【0092】冷凍機の運転停止指令が入力されていない
場合には、圧縮機3が停止しているか否かが判別される
(ステップ53)。圧縮機3が停止していない場合に
は、ステップS35に戻り、タイミング信号発生部10
2からのタイミング信号の入力待ち状態となる。そし
て、タイミング信号発生部102からタイミング信号が
入力されると、ステップS37以降の処理が再度実行さ
れる。
【0093】上記ステップ53で圧縮機3が停止してい
ると判別されたときには、圧縮機3の再起動指令が入力
されたかどうかが判断される(ステップS55)。圧縮
機3の再起動指令が入力されているときには、ステップ
S7に戻る。圧縮機3の再起動指令が入力されていない
ときには、ステップS51に戻る。
【0094】以上のように、この実施例では、内部に非
共沸混合冷媒が封入された蒸気圧縮式冷凍機において、
冷媒漏れによる混合比変化が検出され、最適な冷媒流量
制御が行われるので、冷凍機性能の低下を抑制すること
ができる。また、蒸発器の過熱状態への移行温度が正確
に検出され、圧縮機起動時に非過熱状態である間と過熱
状態になった後とを区別して制御パラメータを調整でき
るので、高精度の冷媒流量制御を行うことができる。
【0095】また、この実施例では、混合冷媒の混合比
が初期混合比に比べて大きく変化していることが報知さ
れるので、サービスマンによる冷媒の再充填が必要があ
ることを知るねことができる。また、この際、冷媒の混
合比と冷媒循環量が表示されるので、これらの情報か
ら、混合冷媒に含まれる冷媒のうち、減少した冷媒の減
少量が判明する。したがって、冷媒を再充填する再に
は、減少した冷媒をその減少量だけ、補充できるので、
冷媒の再充填を正確にかつ効率良く行なうことができ
る。
【0096】上記実施例では、混合冷媒の混合比を求め
るためにニューラルネットワークが用いられているが、
ファジイ推論等の他の手法によって混合冷媒の混合比を
求めるようにしてもよい。
【0097】
【発明の効果】この発明によれば、内部に非共沸混合冷
媒が封入された蒸気圧縮式冷凍機において、蒸発器出口
温度の変化量に基づいて混合冷媒の混合比を算出するこ
とができ、最適な冷媒流量制御が可能となる。したがっ
て、混合冷媒の混合比が変化した場合においても、冷凍
機性能の低下を抑制することができる。
【0098】また、この発明によれば、冷媒漏れによっ
て混合冷媒の混合比が、初期の混合比から大きく変化し
たときに、冷媒の再充填を促すことができる。そして、
冷媒の再充填を正確にかつ効率良く行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸気圧縮式冷凍機の冷媒回路を示す模式図であ
る。
【図2】非共沸混合冷媒を使用した蒸発器内部における
理想的な冷媒温度変化を示すグラフである。
【図3】蒸気圧縮式冷凍機の電気的構成を示すブロック
図である。
【図4】混合比算出手段の主要部であるニューラルネッ
トワークの構成を示す模式図である。
【図5】冷媒流量制御処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図6】冷媒流量制御処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図7】従来の蒸気圧縮式冷凍機の冷媒回路を示す模式
図である。
【図8】単一冷媒を使用した蒸発器内部における理想的
な冷媒温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 室内熱交換器 2 室外熱交換器 3 圧縮機 4 電子膨張弁 5 室外機 6 室内機 7 冷媒配管 8 配管 9 四方弁 10 第1温度検出手段 11 第2温度検出手段 12 第3温度検出手段 12 第4温度検出手段 101 制御部 102 タイミング信号発生部 103 温度データ記憶部 104 移行温度算出手段 105 過熱度算出手段 106 運転状態記憶部 107 混合比算出手段 108 混合比記憶部 109 報知手段 110 ROM
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】 これにより、従来の課題、すなわち、圧
縮機起動時に過熱状態となる前となった後とにおいて、
同一の制御パラメータ値を利用すると制御結果にハンチ
ングが発生し、素早く所望の過熱度に安定させることが
できないという課題を解消することができる。また、冷
媒漏れにより混合冷媒の混合比が変化したとしても、そ
の混合比に応じた適切な制御パラメータ値が再設定され
るので、安定した冷媒流量制御を行うことができ、冷凍
機性能低下を抑制することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】 この後、タイミング信号発生部102か
らタイミング信号が入力されると(ステップS11)、
電子膨張弁4が制御される(ステップS12)。この電
子膨張弁4の制御では、現在設定されている、圧縮機起
動時の非過熱状態対する制御パラメータ値を用いて、
電子膨張弁4の開閉度が制御される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】 そして、混合比算出手段107によっ
て、ステップS15で算出されたt/v値と、運転状態
記憶部106に記憶されている蒸発器の吸い込み空気温
度、設定送風量、電子膨張弁4の開閉度、蒸発器出口に
おける過熱状態の有無および圧縮機3の駆動周波数とに
基づいて封入混合冷媒の混合比および冷媒循環量が算出
される(ステップS17)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 一朗 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を
    備えた冷凍サイクル中に、2種類以上の冷媒を含む混合
    冷媒が封入された蒸気圧縮式冷凍機において、 一定時間毎の膨張弁の操作量に対する蒸発器の冷媒吐出
    側付近での検出冷媒温度の変化量を含むデータに基づい
    て、混合冷媒の混合比および冷媒循環量を算出する算出
    手段、ならびに算出手段によって算出された混合冷媒の
    混合比に基づいて、膨張弁の開閉度を制御する制御手
    段、 を備えていることを特徴とする蒸気圧縮式冷凍機。
  2. 【請求項2】 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を
    備えた冷凍サイクル中に、2種類以上の冷媒を含む混合
    冷媒が封入された蒸気圧縮式冷凍機において、 一定時間毎の膨張弁の操作量に対する蒸発器の冷媒吐出
    側付近での検出冷媒温度の変化量を含むデータに基づい
    て、混合冷媒の混合比および冷媒循環量を算出する算出
    手段、 算出手段によって算出された混合冷媒の混合比に基づい
    て、膨張弁の開閉度を制御する制御手段、ならびに算出
    手段により算出された混合冷媒の混合比が、初期の混合
    比に対して、所定以上変化しているときに、混合冷媒の
    混合比が初期混合比に比べて大きく変化していることな
    らびに算出手段によって算出された混合冷媒の混合比お
    よび冷媒循環量を報知する手段、 を備えていることを特徴とする蒸気圧縮式冷凍機。
  3. 【請求項3】 算出手段は、一定時間毎の膨張弁の操作
    量に対する蒸発器の冷媒吐出側付近での検出冷媒温度の
    変化量、蒸発器の吸い込み空気温度、蒸発器の設定送風
    量、膨張弁の開閉度、過熱度状態であるか否かの情報お
    よび圧縮機の駆動周波数からなるデータに基づいて、混
    合冷媒の混合比および冷媒循環量を算出することを特徴
    とする請求項1および2のいずれかに記載の蒸気圧縮式
    冷凍機。
  4. 【請求項4】 算出手段の主要部が、ニューラルネット
    ワークにより構成されていることを特徴とする請求項
    1、2および3のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍機。
    冷凍機。
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