JPH08120786A - 木材の接合構造 - Google Patents

木材の接合構造

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Publication number
JPH08120786A
JPH08120786A JP25828994A JP25828994A JPH08120786A JP H08120786 A JPH08120786 A JP H08120786A JP 25828994 A JP25828994 A JP 25828994A JP 25828994 A JP25828994 A JP 25828994A JP H08120786 A JPH08120786 A JP H08120786A
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JP
Japan
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wood
bolt
screw
plate
bolts
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Application number
JP25828994A
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English (en)
Inventor
Masahiro Inayama
正弘 稲山
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HIRAI SEKKEI KOBO KK
INAYAMA KENCHIKU SEKKEI JIMUSH
INAYAMA KENCHIKU SEKKEI JIMUSHO KK
KEYO KK
PROJECT OOGAN KK
SANKO PLYWOOD KK
Itochu Corp
Itochu Kenzai Corp
Original Assignee
HIRAI SEKKEI KOBO KK
INAYAMA KENCHIKU SEKKEI JIMUSH
INAYAMA KENCHIKU SEKKEI JIMUSHO KK
KEYO KK
PROJECT OOGAN KK
SANKO PLYWOOD KK
Itochu Corp
Itochu Kenzai Corp
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Publication date
Application filed by HIRAI SEKKEI KOBO KK, INAYAMA KENCHIKU SEKKEI JIMUSH, INAYAMA KENCHIKU SEKKEI JIMUSHO KK, KEYO KK, PROJECT OOGAN KK, SANKO PLYWOOD KK, Itochu Corp, Itochu Kenzai Corp filed Critical HIRAI SEKKEI KOBO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材に伝達される引っ張り力やモーメントが
作用した場合、これらの外力を効率よく伝達することの
できる接合構造を提供することを目的とする。 【構成】 木材10の木口面から軸方向に複数本の全螺
子ボルト15を並列してねじ込む。この各全螺子ボルト
15の基端側は、木材10の木口面に一方の面が当てら
れた当て板12に螺子作用によって固定される。当て板
12の他方の面側では、全螺子ボルト13により、被接
合材である土台18および基礎17に固定される。ぜん
ねじボルト15に代えてコーチボルト16をねじ込んで
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物等において構造
材として用いられ、引っ張り力やモーメントの作用する
木材の接合部における接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、木材(例えば、製材、集成材、
LVL(単板積層材)、合板、あるいはOSB等)を構
造材として用いる建築物等においては、木材の接合部
(例えば、柱と基礎との接合部、柱と土台・基礎との接
合部、柱と梁との接合部、梁どうしの接合部、柱どうし
の接合部、さらには、トラス構造における上弦材どうし
あるいは下弦材どうしの接合部、あるいは、これらの上
弦材や下弦材と筋交いとの接合部等)において、この木
材が接合される相手材から引っ張り力やモーメントが伝
達される。
【0003】そして、従来においては、木材に引っ張り
力を伝達するための接合構造として、図1および図2に
示すような構成が採られている。
【0004】すなわち、図1に示す接合構造は、木材1
の平行な2面に鋼板2をそれぞれ当接させ、これらの鋼
鈑2と前記木材1とをボルト3によって固定するととも
に、これらの鋼板2を前記木材1の端面から木材1の長
さ方向に突出させておき、この木材1の端面を接合すべ
き相手材に当接させたのちに、前記鋼板2を相手材に固
定することによって、木材1を相手材に接合するように
したものである。
【0005】また、図2に示す接合構造は、木材1の端
面から所定深さのスリット4を形成しておき、このスリ
ット4内に鋼板5を挿入し、この鋼板5と木材1とを、
前記木材1の側面から打ち込んだドリフトピン6によっ
て固定し、前記鋼板5の、木材1端面からの突出部分を
相手材に固定することによって、木材1と相手材とを接
合するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来における木材の接合構造は、ボルトやドリフトピン
による剪断接合であるが、そのいずれにおいてもつぎの
ような問題点がある。
【0007】すなわち、このような剪断接合構造である
と、木材1に引っ張り力が作用した場合、図3に示すよ
うに、ボルト3やドリフトピン6を挿通させるため貫通
孔7から、木材1の繊維方向に沿った割裂破壊(R)が
生じてしまい、前記ボルト3やドリフトピン6の設置数
を増やしたとしても、木材1の本来有している全断面引
っ張り耐力に近付けることが困難であるといった問題点
がある。
【0008】また、前述の従来の接合構造であると、ボ
ルト3やドリフトピン6と前記貫通孔7との間に遊びが
生じることが避けられないが、これに起因して、木材1
に引っ張り力が作用した場合に、ボルト3やドリフトピ
ン6と木材1との間に滑りが生じ、図4に従来のせん断
接合として示すように、引っ張り力に対する初期剛性が
低いといった問題点も有している。
【0009】さらに、前記木材1の表面にボルト3やド
リフトピン6の頭部が露出していることから、耐火性能
が低く、この耐火性能を向上させるためには、これらの
ボルト3やドリフトピン6の露出部分を被覆する必要が
あり、この点で施工の煩雑化と施工費用の高騰の原因と
なる。
【0010】本発明は、前述した従来の技術における問
題点に鑑みてなされたもので、木材に伝達される引っ張
り力やモーメントが作用した場合、これらの外力を効率
よく伝達することのできるとともに、施工が簡易で施工
費の低減を図ることのできる接合構造を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の請求項1項に記載の木材の接合構造
は、構造材として用いられる木材の接合構造であって、
接合される木材の木口面から軸方向に複数本のボルトが
並列してねじ込まれ、この各ボルトの基端側は当て板に
支持または固定され、この当て板は、その一方の面が前
記木口面に当てられており、他方の面側は接合する相手
材に固定することにより、接合される木材と相手材とを
接合してなることを特徴とする。
【0012】請求項2項に記載の木材の接合構造は、請
求項1項記載の発明において、前記各ボルトはコーチボ
ルトであり、このコーチボルトは、前記当て板の厚さ方
向に開けられた貫通孔に挿通されて、螺子頭が前記当て
板に支持されていることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の請求項1に記載の木材の接合構造にお
いては、木材にねじ込まれた各ボルトの螺子山が木材の
繊維に食い込むことにより、当て板、さらに各ボルトを
介して作用する外力が、各螺子山に接する周囲の木部へ
と均等に分散されて伝達される。
【0014】もし、前記外力が増加して、ボルトの螺子
山に挟まれた部分の木部と周囲の木部との間に剪断破壊
が生じてボルトが抜けてしまうと、前記木材の耐力が失
われることになってしまう。
【0015】この接合構造における耐力は、螺子山と木
部との付着面積に比例することとなる。前記ボルトは、
複数本並列してねじ込まれているので、ボルトを1本ね
じ込んだ場合に比べ、当て板を介して前記外力を各ボル
トに分散させることができて、前記付着面積も大きくす
ることができることから、大きな耐力を得ることができ
る。
【0016】しかも、前記各ボルトの螺子山が木部に食
い込んでいることにより、両者間に隙間が生じることが
なく、外力が加わった際における両者の滑りが抑制さ
れ、これによって初期剛性が確保される。
【0017】さらに、各ボルトは木材内部に埋め込まれ
るため、燃え代による耐火設計を可能とすることもでき
る。
【0018】そのうえ、予め工場で、当て板を木材の木
口に当て、各ボルトを木材にねじ込み加工しておけば、
現場施工では、ナット締めするだけの簡単な作業とする
ことも可能となるので、施工費の低減を図ることができ
る。
【0019】そして、本発明の接合構造であると、引っ
張り耐力のみならず、圧縮耐力においても同様に大きな
耐力が得られる。
【0020】したがって、モーメントを伝達するラーメ
ン接合部への適用も十分に可能であり、また、モーメン
トと剪断力とを各ボルトによって同時に伝達することが
できるので、木質構造のあらゆる接合部に適用すること
ができる。
【0021】本発明のボルトとしては、全螺子ボルトな
ども用いることが出来るが、請求項2項記載の発明によ
れば、請求項1項に記載の発明と同様の作用を奏するほ
か、各ボルトをコーチボルトとしたので、当て板の板厚
方向に貫通孔を開け、この孔にコーチボルトを挿通し
て、その螺子頭を当て板に支持させるようにするだけ
で、当て板、コーチボルトを介して、木材に外力を伝え
ることが出来(全螺子ボルトでは、当て板の板厚方向に
雌螺子を開けて、基端部を螺子作用により固定するなど
の比較的煩雑な作業が必要となる。)、また、既製のコ
ーチボルトをそのまま用いることが出来るので、コスト
低減を図ることが出来る。
【0022】
【実施例】ついで、本発明の第1実施例について図5〜
図8を参照して説明する。
【0023】まず、本実施例に用いられる木材の構成に
ついて説明する。図5中、符号10は本実施例の接合構
造を構成する木材を示し、この木材10は、断面がほぼ
正方形状に形成されているとともに、所定内径を有する
孔14が木口面から木材10の軸方向の所定深さに複数
本並列させて形成されており、その木口面には当て板1
2の一方の面が当てられている。図6に示すように、こ
の当て板12は、ほぼ正方形状の鋼板で、孔14と対応
して、厚さ方向に貫通させて雌螺子121が複数形成さ
れている。また、各雌螺子121から各孔14に貫通さ
せて、全螺子ボルト15が複数本ねじ込まれている。こ
れにより、各全螺子ボルト15の基端側は、当て板12
に螺子作用により固定されている。
【0024】そして、全螺子ボルト15は、木材10に
対して所定深さにねじ込まれているとともに、孔14の
内径が、全螺子ボルト15の谷径とほぼ同等の寸法に形
成されており、全螺子ボルト15が、その螺子山を木材
10の繊維に食い込ませるようにしてねじ込まれること
により、木材10との固定がなされる。
【0025】本実施例に用いられる木材10は、図7
(および図6)に示すように、次のように構成してもよ
い。
【0026】即ち、当て板12の雌螺子121に代え
て、螺子の切られていない貫通孔122を形成し、全螺
子ボルト15に代えてコーチボルト16を、孔122よ
り木材10に対して所定深さにねじ込む。この状態で、
コーチボルト16の基端側の螺子頭160は当て板12
の貫通孔122部分に支持されている。
【0027】なお、図5の例でも、図7の例でも、全螺
子ボルト15、コーチボルト16の本数は4行4列の1
2本で示しているが、かかる本数はあくまでも例示であ
り、3行3列の9本、その他の本数にすることができる
(後述する各種の例においても様々な本数で示す)。
【0028】ついで、このようにして構成された木材1
0を、耐力壁の両側に設けられる柱として用い、この木
材10を土台18および基礎17へ接合するようにした
本発明の第1実施例について図6を参照して説明する。
なお、この実施例では図5に示す全螺子ボルト15を使
用した木材10を用いても、図7に示すコーチボルト1
6を使用した木材10を用いてもよいが、以下では全螺
子ボルト15を使用した木材10で説明する(後述する
第2実施例、第3実施例において同様)。
【0029】本実施例においては、まず、基礎17の柱
の取り付け位置に対応させて、シース管15を、上方を
開口させた状態で埋設しておくとともに、この基礎17
上に設置される土台18に、シース管19と同軸となる
ように貫通孔20を形成しておき、さらに、シース管1
9内に未硬化のグラウトモルタルGを充填しておく。宛
板2の板面中央部には、全螺子ボルト13の一端部を螺
子作用などで固定する。
【0030】このような下準備のなされた基礎17およ
び土台18に対して、図8に示したように、全螺子ボル
ト15がねじ込まれた木材(柱)10を、全螺子ボルト
13の先端が下方となるようにして吊り上げたのちに、
この全螺子ボルト13が土台18の貫通孔20と同軸と
なるように位置決めし、この状態から木材10を下降さ
せて全螺子ボルト13を、土台18の貫通孔20を経て
シース管19内へ挿入するとともに、木材10の木口を
土台18の上面に当接させる。
【0031】そして、この状態を保持ししたままシース
管19内のグラウトモルタルGを固化させて、基礎17
と全螺子ボルト13との固定を行なうことにより、この
全螺子ボルト13、宛板12を介して、木材10と土台
18および基礎17との接合がなされる。
【0032】このようにして接合された木材(柱)10
に引き抜き力が作用すると、その引き抜き力が、木材1
0にねじ込まれた各全螺子ボルト15を介して直接基礎
17へ伝達される。
【0033】ここで、この接合部における引っ張り耐力
は、当て板12を介した全螺子ボルト15と木材10と
の間の引っ張り耐力によって決定される。 そして、こ
の全螺子ボルト15と木材10との引っ張り耐力は、全
螺子ボルト15の各螺子山と、この螺子山が食い込んだ
木部との接触面積に比例する。
【0034】すなわち、前記引っ張り耐力をT(k
g)、木材10の剪断強度をFs(kg/cm2)、全
螺子ボルト15の本数をn、全螺子ボルト15の外径を
D(cm)、ねじ込み深さをL(cm)とした場合、前
記引っ張り耐力Tは、次式で求められる。
【0035】T=α・n・π・D・L・Fs この式においてαは、低減係数を示し、0<α≦1の範
囲で定められる。
【0036】そして、木材10が製材の場合には、乾燥
に伴う割れの影響が大きいので、前記αは小さくなり、
また、集成材やLVL等の場合には、乾燥に伴う割れが
きわめて少ないので、前記αが1近くの値となる。
【0037】しかも、全螺子ボルト15は、木材10の
断面方向に複数本並列させ、木材10の軸方向に向かっ
てねじ込まれているので、全螺子ボルト13から伝えら
れる外力は当て板12を介して各全螺子ボルト15に分
散されて伝わる。
【0038】したがって、本実施例の接合構造によれ
ば、木材10の全断面引っ張り耐力にきわめて近い大き
な耐力が得られる。
【0039】しかも、木材10と全螺子ボルト15との
間に隙間がないために滑り等がなくなり、図4に本接合
として示すように、初期剛性が高くリニアな引っ張り耐
力特性が得られる。
【0040】なお、コーチボルト16を用いた場合は、
当て板12の板厚方向に貫通孔122を開け、この孔1
2にコーチボルト16を挿通して、その螺子頭160を
当て板12に支持させるようにするだけで、当て板1
2、コーチボルト16を介して、木材10に外力を伝え
ることが出来(全螺子ボルト15では、当て板12の板
厚方向に雌螺子121を開けて、基端部を螺子作用によ
り固定するなどの比較的煩雑な作業が必要となる。)、
また、既製のコーチボルトをそのまま用いることが出来
るので、コスト低減を図ることが出来る。
【0041】一方、このような接合部における柱10の
接合手段の別の例として、基礎17に予めアンカーボル
トを取り付けておき、このアンカーボルトに土台18上
において長ナットを締めつけ、この長ナットに柱10か
ら突出させられている全螺子ボルト13を、柱10を回
転させながら締結することにより、柱10を基礎17と
土台18へ接合する方法が挙げられる。
【0042】ついで、本発明の第2実施例について、図
9ないし図14を参照して説明する。
【0043】本実施例は、接合構造を図9に示すように
木製トラスの下弦(上弦)材30同士間、あるいは、上
弦(下弦)材31と筋交い32との間の接合部に適用し
たものである。
【0044】まず、上弦材31と筋交い32との接合部
について説明すれば(図10参照)、この接合部は、断
面が三角形状の箱状の金具33を上弦材31の下部に全
螺子ボルト13などで固定しておき、この金具33に、
筋交い32の木口に第1実施例の木材10と同様に固定
された当て板12をボルト34で固定する構成である。
【0045】この接合部においては、筋交い32に作用
する引っ張り力は、全螺子ボルト15、当て板12、金
具33を介して弦材31に伝達される。
【0046】また、図11に示すように構成してもよ
い。すなわち、支持金具61、62を上弦材31の上
部、下部に全螺子ボルト13などで固定しておき、筋交
い32に固定された当て板12の板面に垂直にプレート
63を固定し、このプレート63と支持金具62にピン
またはボルト64を通して接合する構成である。
【0047】そして、これらの場合においても、第1実
施例と同様に、筋交い32における引っ張り耐力が、木
材の全断面引っ張り耐力に近い耐力となり、大きな耐力
が得られる。
【0048】また、弦材30(31)同士の継ぎ手部分
の接合部について説明する。
【0049】このトラス構造においては、特に、下弦材
30に引っ張り力が作用することから、この下弦材30
同士の接合部について図12ないし図13を参照して説
明する。
【0050】図12に示す接合構造は、下弦材30の木
口のそれぞれに、当て板12をあてて、全螺子ボルト1
5をねじ込み、断面四角形の箱状の金具69を挟んで両
当て板12を突き合わせ、各当て板12と金具69をボ
ルト70で締結することにより、両下弦材30、30同
士を接合するようにしたものである。
【0051】図13に示す接合構造は、全螺子ボルト6
5などを当て板12の一方の底部のみに固定しておき、
他方の当て板12の底部には雌螺子67を形成し、両下
弦材30、30を突き合わせて全螺子ボルト65と雌螺
子67を同軸上に位置合わせしたのちに、下弦材30を
回転させて両当て板12、12が接した状態で両下弦材
30、30同士を螺子作用により接合するようにしたも
のである。
【0052】図14に示す接合構造は、当て板12に代
えて当て板12´を用いている。当て板12´は、その
板面方向に下弦材30より張り出しており、この張り出
し部に孔123が開けられている以外は、当て板12と
同様の構成である。この例では、両当て板12、12
を、各々の孔123、123が同軸となるようにして合
わせ、両孔123、123をボルト68で留める。
【0053】これらの場合においても、接合部における
引っ張り耐力は十分に確保される。
【0054】ついで、図15ないし図22を参照して本
発明の第3実施例について説明する。
【0055】本実施例は、木質ラーメン構造における柱
44と梁45との接合部(C)、柱44と基礎46との
接合部(D)、柱44の両側に梁45を接合する際の接
合部(E)、梁45(柱44)どうしの接合部(F)に
適用したものである。
【0056】まず、図16ないし図19に基づき柱44
と梁45との接合構造について説明する。
【0057】図16に示す接合構造は、柱44の両側
に、それぞれ座金48と第2実施例でも用いた断面四角
形の箱状の金具69を、柱44に開けた貫通孔47に通
したボルト49で固定し、金具69と梁45の木口に固
定された当て板12とをボルト70で留めて、柱44と
梁45の接合を行う構成である。
【0058】図17に示す接合構造は、図15の場合の
当て板12に代えて当て板12´を用い、金具69を介
さずに、直接当て板12´を柱44にあて、ボルト49
を孔123と貫通孔47に通して留めて、柱44と梁4
5の接合を行う構成である。
【0059】図18に示す構造は、図16に示す構造を
用いて柱44の両側に梁45を接合する構成であり、図
19に示す構造は、図17に示す構造を用いて柱44の
両側に梁45を接合する構成であるため、図18、19
に図16、17と同様の符号を付して詳細な説明は省略
する。
【0060】一方、木質ラーメン構造の接合部において
はモーメントを伝達しなければならない。このモーメン
トは部材断面内の圧縮力と引っ張り力に分解できるの
で、前記部材の断面方向に複数本の全螺子ボルト15を
配置することにより、前述したモーメントの伝達が可能
となる。
【0061】そして、この場合においても、引っ張り耐
力が梁45の全断面引っ張り耐力に近い大きな耐力とし
て得られることから、前述のモーメントに対しても大き
な耐力が得られることとなる。
【0062】次に、図20、図21を参照して、柱44
と基礎46との接合構造を説明する。 図20に示す例
は、柱44の木口部分の角部分を切り欠いて、この切欠
部分に当て板12を複数の全螺子ボルト15で固定し、
当て板12に前述の箱状の金具69をボルト70でねじ
込み、基礎46に取り付けられているアンカーボルト5
1に金具69を締結することで、柱44と基礎46との
接合を行なうようにしたものである。締結完了後にはモ
ルタルや木片を箱状の金具69に充填することで耐火被
覆することが出来る。
【0063】図21に示す例は、柱44の木口面にベー
スプレート50(当て板12´)を固定しておき、この
ベースプレート50を基礎46に取り付けられているア
ンカーボルト51へ締結することによって柱44と基礎
46との接合を行なうようにしたものである。
【0064】図22、図23を参照して、梁45同士の
接合構造を説明する。
【0065】図22に示す例は、各梁45の木口部分の
角部分を切り欠き、この切欠部分に当て板12を複数の
全螺子ボルト15で固定し、この当て板12が固定され
ている梁45の角部分同士を前述の断面四角形の金具6
9を挟んで突合せ、そのまま両梁45の木口面を合わ
せ、各当て板12と金具69をボルト70で締結して、
梁45同士の接合を行うようにしたものである。締結完
了後にはモルタルや木片を箱状の金具69に充填するこ
とで耐火被覆することが出来る。
【0066】図23に示す例は、各梁45の木口面にそ
れぞれ当て板12´をボルト15で固定し、両当て板1
2´を合わせてボルト68で締結して、梁45同士の接
合を行うようにしたものである。
【0067】このように、本発明に係わる木材の接合構
造によれば、木材と相手材との接合部分における引っ張
り力を木材に十分に伝達することができる。
【0068】なお、前記各実施例において示した各構成
部材の諸形状や寸法等は一例であって設計要求等に基づ
き種々変更可能である。また、前記各実施例において、
全螺子ボルト15の木材へのねじ込みに、エポキシ樹脂
接着剤などによる接着を併用してもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる木
材の接合構造によれば、木材の木口面から軸方向に複数
本のボルトを並列してねじ込み、この各ボルトの基端側
が支持または固定される当て板を介して引っ張り力を伝
達させることを特徴とするもので、当て板を介して引っ
張り力を各ボルトに分散させることができて、螺子山と
木部との付着面積も大きくすることができることから、
大きな耐力を得ることができる。
【0070】しかも、前記各ボルトの螺子山が木部に食
い込んでいることにより、両者間に隙間が生じることが
なく、外力が加わった際における両者の滑りが抑制さ
れ、これによって初期剛性が確保される。
【0071】さらに、各ボルトは木材内部に埋め込まれ
るため、燃え代による耐火設計を可能とすることもでき
る。
【0072】そのうえ、予め工場で各ボルトを木材にね
じ込み加工しておけば、現場施工では、ナット締めする
だけの簡単な作業とすることも可能となるので、施工費
の低減を図ることができる。
【0073】そして、本発明の接合構造であると、引っ
張り耐力のみならず、圧縮耐力においても同様に大きな
耐力が得られる。
【0074】したがって、モーメントを伝達するラーメ
ン接合部への適用も十分に可能であり、また、モーメン
トと剪断力とを各ボルトによって同時に伝達することが
できるので、木質構造のあらゆる接合部に適用すること
ができる。
【0075】本発明のボルトとしては、全螺子ボルトな
ども用いることが出来るが、請求項2項記載の発明によ
れば、請求項1項に記載の発明と同様の作用を奏するほ
か、各ボルトをコーチボルトとしたので、当て板の板厚
方向に貫通孔を開け、この孔にコーチボルトを挿通し
て、その螺子頭を当て板に支持させるようにするだけ
で、当て板、コーチボルトを介して、木材に外力を伝え
ることが出来(全螺子ボルトでは、当て板の板厚方向に
雌螺子を開けて、基端部を螺子作用により固定するなど
の比較的煩雑な作業が必要となる。)、また、既製のコ
ーチボルトをそのまま用いることが出来るので、コスト
低減を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の木材の接合部の一例を示す要部の外観斜
視図である。
【図2】従来の木材の接合部の一例を示す要部の外観斜
視図である。
【図3】従来の木材の接合部における割裂状態を示す外
観斜視図である。
【図4】従来および本発明の引っ張り耐力特性を示す図
である。
【図5】本発明の一実施例に適用される木材の一構造例
を示す要部の縦断面図である。
【図6】本発明の一実施例に適用される木材に装着され
る当て板の平面図である。
【図7】本発明の一実施例に適用される木材の一構造例
を示す要部の縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す一部を断面した正面
図である。
【図9】本発明の第2実施例の一部を示す正面図であ
る。
【図10】図9におけるA部分の拡大図である。
【図11】図9におけるA部分の他の例の拡大図であ
る。
【図12】図9におけるB部分の拡大図である。
【図13】図9におけるB部分の他の例の拡大図であ
る。
【図14】図9におけるB部分の他の例の拡大図であ
る。
【図15】本発明の第3実施例を示す概略正面図であ
る。
【図16】図15におけるC部分の拡大図である。
【図17】図15におけるC部分の他の例の拡大図であ
る。
【図18】図15におけるE部分の拡大図である。
【図19】図15におけるE部分の他の例の拡大図であ
る。
【図20】図15におけるD部分の拡大図である。
【図21】図15におけるD部分の他の例の拡大図であ
る。
【図22】図15におけるF部分の拡大図である。
【図23】図15におけるF部分の他の例の拡大図であ
る。
【符号の説明】
10 木材 12 当て板 15 全螺子ボルト 16 コーチボルト 17 基礎(相手材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 595141801 三興プライウッド株式会社 愛知県蒲郡市拾石町前浜52番地 (71)出願人 591030330 株式会社ケーヨー 東京都足立区花畑8丁目9番8号 (71)出願人 000000147 伊藤忠商事株式会社 大阪府大阪市中央区久太郎町四丁目1番3 号 (71)出願人 591163742 伊藤忠建材株式会社 東京都中央区日本橋本町3丁目6番2号 (72)発明者 稲山 正弘 東京都武蔵野市境南町5−11−8−403

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造材として用いられる木材の接合構造
    であって、接合される木材の木口面から軸方向に複数本
    のボルトが並列してねじ込まれ、この各ボルトの基端側
    は当て板に支持または固定され、この当て板は、その一
    方の面が前記木口面に当てられており、他方の面側は接
    合する相手材に固定することにより、接合される木材と
    相手材とを接合してなることを特徴とする木材の接合構
    造。
  2. 【請求項2】 前記各ボルトはコーチボルトであり、こ
    のコーチボルトは、前記当て板の厚さ方向に開けられた
    貫通孔に挿通されて、螺子頭が前記当て板に支持されて
    いる請求項1項記載の木材の接合構造。
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