JPH08120091A - ウレタン樹脂エマルジョンの製造方法 - Google Patents

ウレタン樹脂エマルジョンの製造方法

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JPH08120091A
JPH08120091A JP25658394A JP25658394A JPH08120091A JP H08120091 A JPH08120091 A JP H08120091A JP 25658394 A JP25658394 A JP 25658394A JP 25658394 A JP25658394 A JP 25658394A JP H08120091 A JPH08120091 A JP H08120091A
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JP
Japan
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urethane resin
conduit
emulsion
mixed
water
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Application number
JP25658394A
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English (en)
Inventor
Tomomoto Toda
智基 戸田
Kozo Makino
耕三 牧野
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高固形分でも粘度が低く塗工適性に優れたウ
レタン樹脂エマルジョンの連続的製造方法を提供する。 【構成】 被混合流体を内部に流通させる導管と、前記
導管内に装着された複数の仕切り板と、軸とその周囲に
径方向に突出形成された複数の螺旋状攪拌羽根とを有す
る攪拌体とからなり、前記攪拌体が、前記導管内に配置
され、軸方向にそって細動自在に支持されている装置で
あって、前記導管内に前記被混合流体を流通させなが
ら、前記攪拌体を軸方向に振動させることにより、前記
螺旋状攪拌羽根と前記仕切り板との間に相対的な運動を
付与し、前記被混合流体を混合分散させる装置を用い
て、ウレタン樹脂と水とを前記被混合流体として混合分
散させるウレタン樹脂エマルジョンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗工適性に優れたウレ
タン樹脂エマルジョンの連続的製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウレタン樹脂エマルジョンは、ガラス繊
維収束剤等として各種用途に広く用いられている。この
ウレタン樹脂エマルジョンを特に接着剤、コーティング
剤等として使用する場合には、生産性を良好にするため
に、高速塗布性、高速乾燥性への要求が高まってきてい
る。このような要求に対しては、高速乾燥性の点からは
ウレタン樹脂含量が多く(高固形分)、高速塗工性の点
からは粘度が低いものが適している。
【0003】ウレタン樹脂エマルジョンの製造方法とし
て、ホモディスパー付きの釜等の装置に原料を投入して
分散させるバッチ方式が用いられている。これによれ
ば、ウレタン樹脂粒子の粒径を大きくし、高固形分で低
粘度のものにある程度できるが、攪拌のデッドスペース
があるので、粒径分布が広く、放置により沈降するほど
の極めて大きな粒子の生成が避けられず、その結果、エ
マルジョンを放置すると沈降物が生成し、エマルジョン
の安定性が悪い等の欠点があった。また、近年、生産性
の点から連続方式への要求が大きくなっているが、この
方法は、この要求にも応えられないものであった。
【0004】特開平4−31439号公報には、ウレタ
ンプレポリマーと水の流路をそれぞれステーター歯とロ
ーター歯とを備えた連続式乳化機に連続的に供給し、ロ
ーター歯を高速で回転させ、ローター歯とステーター歯
との間のせん断力で分散させ、エマルジョンを連続的に
取り出す連続方式(方式(1))が開示されている。
【0005】特開平5−132567号公報には、ウレ
タン樹脂と水との予備乳化混合液を、加圧下でチャンバ
ー内の流路に導入し、高圧で流路内の平面部に衝突させ
るか、液同士を衝突させることにより乳化させる連続式
高圧乳化機に、連続的に供給し、分散させ、エマルジョ
ンを連続的に取り出す連続方式(方式(2))が開示さ
れている。
【0006】しかしながら、方式(1)、方式(2)で
は、高せん断で分散するので、得られたウレタン樹脂粒
子が微細なものになり、ウレタン樹脂含量を多くした系
(高固形分系)ではエマルジョンの粘度が高くなりす
ぎ、均一分散ができない場合があったり、均一分散して
も上述の要求を満足する高固形分低粘度の分散体が得ら
れ難い等の問題があった。
【0007】更に、方式(1)では、非常に高いせん断
力がかかるので、乳化剤、親水成分が少なく比較的分散
安定性が劣る系では、一旦分散したウレタン樹脂粒子が
再度凝集してしまい、攪拌部に付着したり、粘度の高い
ウレタン樹脂を原料に用いた場合は分散が困難である等
の欠点があった。また、方式(2)では、ウレタンプレ
ポリマーと水とを予備混合する必要があり、その分工程
が増える等の欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、高固形分でも粘度が低く塗工適性に優れたウレタン
樹脂エマルジョンの連続的製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ウレタ
ン樹脂エマルジョンを、被混合流体を内部に流通させる
導管と、上記導管内に装着された複数の仕切り板と、軸
とその周囲に径方向に突出形成された複数の螺旋状攪拌
羽根とを有する攪拌体とからなり、上記攪拌体が、上記
導管内に配置され、軸方向にそって細動自在に支持され
ている装置であって、上記導管内に上記被混合流体を流
通させながら、上記攪拌体を軸方向に振動させることに
より、上記螺旋状攪拌羽根と上記仕切り板との間に相対
的な運動を付与し、上記被混合流体を混合分散させる装
置を用いて、ウレタン樹脂と水とを上記被混合流体とし
て混合分散させて製造するところにある。
【0010】上記装置としては、特公平2−15247
号公報、特開平3−258337号公報、特開平1−2
31929号公報、特開平2−43933号公報、特公
平3−25214号公報に記載の装置が用いられる。そ
の1例を図1に示す。図1において、原料のウレタン樹
脂及び水は下部の供給口6より連続的に供給される。供
給されたウレタン樹脂は、ハウジング1と螺旋状攪拌羽
根3との間、及び、ハウジング1に固定された仕切り板
2と螺旋状攪拌羽根3の間を順次交互に通過して行く。
この際、振動駆動源5に接続された軸4に固定された螺
旋状攪拌羽根3を上下に振動させることで生成する渦
流、更にはハウジング1との間及び仕切り板2との間で
生じるせん断力によりウレタン樹脂は水中に分散乳化さ
れる。得られた分散液は、取り出し口7から連続的に取
り出される。上記装置としては、例えば、冷化工業社製
のバイブロミキサー等が挙げられる。
【0011】上記装置におけるウレタン樹脂及び水の供
給に用いるポンプとしては特に限定されないが、定量供
給性に優れるものが好ましく、例えば、プランジャーポ
ンプ、ギアポンプ、モーノポンプ等が挙げられる。
【0012】本発明におけるウレタン樹脂の乳化方法と
しては特に限定されず、例えば、 ウレタン樹脂(A)の有機溶媒溶液を、乳化剤(E)
の存在下、水中に分散乳化させる方法、 イオン性又は潜在的イオン性の官能基、非イオン性の
親水性基を有する自己水分散性ウレタン樹脂(B)の有
機溶剤溶液を、乳化剤なしで、水中に分散乳化させる方
法、 末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ー(C)又はその有機溶剤溶液を、乳化剤(E)の存在
下、水中に分散乳化させ、同時、その後又はその前に、
イソシアネート基に付加反応し得る活性水素基を2個以
上有する鎖延長剤(F)を添加する方法、 イオン性若しくは潜在的イオン性の官能基、非イオン
性の親水性基を有し、かつ、末端にイソシアネート基を
有する自己水分散性ウレタンプレポリマー(D)又はそ
の有機溶剤溶液を、乳化剤なしで水中に分散乳化させ、
同時、その後又はその前に、イソシアネート基に付加反
応し得る活性水素基を2個以上有する鎖延長剤(F)を
添加する方法等が挙げられる。なかでも、使用する溶剤
が少なくでき、乳化剤を使用せず耐水性が良好な点か
ら、の方法が最も好ましい。
【0013】上記ウレタン樹脂(A)及び上記ウレタン
プレポリマー(C)は、分子内にイソシアネート基と反
応可能な活性水素原子を有する化合物(a)、及び、脂
肪族系又は芳香族系の有機ポリイソシアネート化合物
(b)から製造される。
【0014】上記ウレタン樹脂(A)及び上記ウレタン
プレポリマー(C)の製造方法としては、公知の方法が
用いられるが、イソシアネート基と活性水素分子との当
量比が0.5:1〜2.3:1であるのが好ましい。特
にウレタンプレポリマー(C)の製造においては、1.
1:1〜2:1が好ましい。
【0015】上記ウレタン樹脂(A)及び上記ウレタン
プレポリマー(C)の製造における反応温度は50〜1
50℃が好ましい。上記反応方法としては、例えば、バ
ルク重合、溶液重合等が挙げられる。溶液重合による場
合に用いられる溶媒としては、イソシアネート基に対し
不活性で、水との混和性が高く、かつ、100℃以下の
沸点をもつものが好ましく、例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル等が挙
げられる。100℃より高い沸点をもつ溶剤を用いた場
合には、乳化工程において、得られた分散物から溶剤の
みを系外に取り去ることが困難になるので、好ましくな
い。
【0016】上記ウレタン樹脂(B)及び上記ウレタン
プレポリマー(D)は、分子内にイソシアネート基と反
応可能な活性水素原子を有する化合物(a)、脂肪族系
又は芳香族系の有機ポリイソシアネート化合物(b)、
及び、分子内にイオン性又は潜在的イオン性の官能基、
非イオン性の親水性基を有し、更にイソシアネート基と
反応可能な活性水素原子を含む官能基を有する化合物
(c)から製造される。
【0017】上記ウレタン樹脂(B)及び上記ウレタン
プレポリマー(D)の製造方法としては、公知の方法が
用いられるが、イソシアネート基と活性水素原子との当
量比が0.5:1〜2.3:1であるのが好ましい。特
にウレタンプレポリマー(D)の製造においては、1.
1:1〜2:1が好ましい。
【0018】上記ウレタン樹脂(B)及び上記ウレタン
プレポリマー(D)の製造における反応温度は50〜1
50℃が好ましい。上記反応方法としては、例えば、バ
ルク重合、溶液重合等が挙げられる。溶液重合による場
合に用いられる溶媒としては、イソシアネート基に対し
不活性で、水との混和性が高く、かつ、100℃以下の
沸点をもつものが好ましく、例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル等が挙
げられる。100℃より高い沸点をもつ溶剤を用いた場
合には、乳化工程において、得られた分散物から溶剤の
みを系外に取り去ることが困難になるので、好ましくな
い。
【0019】上記化合物(a)としては、分子内に2個
以上の水酸基を有するポリオール類、分子内に2個以上
の1級又は2級アミノ基を有するポリアミン類等が用い
られるが、なかでも、ポリオール類が好ましい。上記ポ
リオール類としては、例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン等の多価アルコール;ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール;
アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸とエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、トリプロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等のグリコールとから得られるポリエステ
ルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール、ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール、ポリブタジエンポリ
オール、水添化ポリブタジエンポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリ
アクリル酸エステルポリオール等が挙げられる。これら
は単独でも2種以上用いてもよい。上記ポリオール類
は、目的、用途に応じて適宜選択され、硬さ、接着性等
の必要な物性を任意に設計することができる。
【0020】上記化合物(b)としては、分子中に2個
以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネー
ト化合物が用いられる。上記有機ポリイソシアネートと
しては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、メチルシクロヘキ
シル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシ
ル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、
トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート等
の脂肪族ジイソシアネート類;2,4−トルイレンジイ
ソシアネート、2,6−トリイレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,
5−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネ
ート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネー
ト、パラフェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類;リジンジイソシアネート、リジンエステ
ルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシ
アネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネー
ト、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメ
チルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシ
アネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のト
リイソシアネート類等が挙げられる。これらは単独でも
2種以上用いてもよい。
【0021】上記化合物(c)としては、分子内に1つ
以上のイオン性又は潜在的イオン性の官能基、非イオン
性の親水性を有し、更にイソシアネート基と反応可能な
活性水素原子を含む官能基を有する化合物が用いられ
る。
【0022】上記イオン性の官能基としては、例えば、
スルホネート基、カルボキシレート基等のアニオン性の
官能基;アンモニウム基等のカチオン性の官能基等が挙
げられる。
【0023】上記潜在的イオン性の官能基とは、適当な
化合物を添加することによりイオン性基への変換が可能
な官能基を表し、すなわち、潜在的イオン性官能基は、
分散操作の前、中又は後に適当なイオン化剤等を添加す
ることにより、イオン性の官能基に完全又は一部変換さ
れうる。上記潜在的イオン性の官能基としては、例え
ば、スルホン酸基、カルボン酸基等の潜在的アニオン性
の官能基;3級アミノ基等の潜在的カチオン性の官能基
等が挙げられる。3級アミノ基は適当な4級化剤によっ
て4級アミノ基(アンモニウム基)等のカチオン性基に
変換される。上記イオン性又は潜在的イオン性の官能基
のなかでも、アニオン性又は潜在的アニオン性の官能基
が好ましい。
【0024】上記潜在的アニオン性の官能基を有する化
合物を用いて得られる潜在的アニオン性のウレタン樹脂
は、いわゆる中和剤と呼ばれるイオン化剤を用いて、ウ
レタン樹脂中の潜在的アニオン性基を完全又は部分的
に、アニオン性基に変換することができる。
【0025】上記中和剤としては、例えば、アンモニ
ア、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の揮発性の
3級アミン等が挙げられる。これらは、乾燥時に飛散さ
せることにより除去できるので皮膜の耐水性が低下しな
いので好ましい。アルカリ金属塩、不揮発性のアミンも
上記中和剤として用いることができるが、乾燥時に中和
剤を飛散、除去できず、皮膜の耐水性が低下するので好
ましくない。
【0026】非イオン性の親水性基としては、例えば、
エーテル基等が挙げられる。上記エーテル基としては、
ポリエチレンオキサイド鎖等の親水性の高いエーテル結
合を多数有するセグメントが好ましい。しかし、このよ
うな非イオン性の親水性基は、乾燥皮膜中に残存し皮膜
の耐水性を低下させるので、多量の使用は好ましくな
い。
【0027】上記イソシアネート基と反応可能な活性水
素原子を含む官能基としては、水酸基、1級又は2級ア
ミノ基が好ましく、化合物(c)は、これらの官能基を
少なくとも1種含むものである。
【0028】上記潜在的アニオン性の官能基と、更にイ
ソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物とし
ては、分子内にカルボキシル基と2つの水酸基を有する
化合物が好ましく、例えば、ジメチロール乳酸、ジメチ
ロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール
吉草酸、ジオキシマレイン酸、ジオキシ安息香酸等が挙
げられる。
【0029】上記乳化剤(E)としては特に限定され
ず、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン
系乳化剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸塩等のアニオン乳化剤等が挙げら
れる。上記乳化剤(E)の添加量は、ウレタン樹脂固形
分100重量部に対して5重量部以下が好ましい。5重
量部を超えると著しく耐水性が低下する。
【0030】上記鎖延長剤(F)は、分子内にイソシア
ネート基と反応可能な活性水素原子を2個以上有する化
合物であり、例えば、ポリアミン、ポリオール類等が挙
げられる。
【0031】上記ポリアミン類としては、例えば、エチ
レンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキ
サメチレンジアミン、ピプラジン、3−アミノメチル−
3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン等の低分
子量のジアミノ化合物等が挙げられる。上記ポリオール
としては、例えば、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘンサン
ジオール、ポリエチレングリコール等のグリコール類等
が挙げられる。上記鎖延長剤(F)として、水を用いる
こともできる。上記鎖延長剤(F)の添加は、水分散
前、同時又は後のいずれに行ってもよい。
【0032】本発明のウレタン樹脂エマルジョンの製造
方法において、有機溶剤を使用した場合には、有機溶剤
を留去することが安全衛生上好ましい。上記有機溶剤の
留去方法としては特に限定されず、例えば、溶剤を含む
ウレタン樹脂エマルジョンを釜に移し、攪拌下減圧し溶
剤を留去する方法、各種薄膜蒸発装置(日立製作所社
製、セプコン蒸発器;神鋼ファウドラー社製、WFE薄
膜蒸留装置;特殊機化工業社製、ハイビスダッパー等)
を用いる方法等が挙げられる。特に、薄膜蒸発装置を使
用する方法が、溶剤留去工程も連続化でき、分散乳化か
ら溶剤留去まで一貫連続ラインが組め、生産性が向上す
るので好ましい。
【0033】本発明に係るウレタン樹脂エマルジョン
に、各種物性の改良を目的として、アクリル系、酢酸ビ
ニル系、スチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、
SBR系、EVA系、クロロプレン系、エポキシ系、ア
ルキルフェノール系樹脂、ロジン系樹脂、テルペンフェ
ノール系樹脂、テルペン系樹脂、キシレン系樹脂、ケト
ン系樹脂、フェノール系樹脂、クマロン樹脂、芳香族系
石油樹脂、脂肪族系石油樹脂等の各種樹脂;アジリジン
化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、カル
ボジイミド化合物等の架橋剤を添加してもよい。これら
の添加剤は、エマルジョン等の水分散液、水溶液の形で
添加しても、ウレタン樹脂の分散乳化の前にウレタン樹
脂に添加した後共存で分散乳化する方法で添加してもよ
い。
【0034】更に、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、
水酸化アルミニウム等の充填剤;酸化チタン、カーボン
ブラック等の顔料;アルミナゾル、シリカゾル等の無機
コロイド;可塑剤、レベリング剤、増粘剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
【0035】本発明の方法により得られたウレタン樹脂
エマルジョンは、接着剤、コーティング剤、繊維処理
剤、紙力増強剤等として用いることができる。
【0036】
【作用】本発明の製造方法によれば、分散時のせん断力
が小さいので、粒径が比較的大きいウレタン樹脂エマル
ジョンが得られる。このようにして得られたウレタン樹
脂エマルジョンは、同一固形分量でも、粒子径の小さい
場合に比べて総粒子表面積が小さく、粒子間の相互作用
が小さくなり、粘度を低くすることができる。また、攪
拌のデッドスペースが非常に少ないので粒径分布が狭く
なり、放置すると沈降するほど粒径の極めて大きいもの
は生成しない。
【0037】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0038】製造例1 冷却管と攪拌羽根を備えたセパラブルフラスコにポリカ
プロラクトンジオール(水酸基価=57、ダイセル化学
工業社製、PLACCEL、L220AL)100重量
部、イソホロンジイソシアネート25.0重量部、ジメ
チロールプロピオン酸3.2重量部、更に希釈溶剤とし
てメチルエチルケトン85.5重量部を仕込み、この混
合液を攪拌しながらイソシアネート含量が1.5重量%
以下になるまで沸点下で重合を行った。重合液を室温ま
で冷却後、トリエチルアミン2.5重量部を添加し中和
した。得られたプレポリマー溶液の粘度は200mPa
・sであった。
【0039】製造例2 冷却管と攪拌羽根を備えたセパラブルフラスコにポリカ
プロラクトンジオール(水酸基価=57、ダイセル化学
工業社製、PLACCEL、L220AL)100重量
部、イソホロンジイソシアネート25.0重量部、ジメ
チロールプロピオン酸3.2重量部、更に希釈溶剤とし
てメチルエチルケトン32.1重量部を仕込み、この混
合液を攪拌しながらイソシアネート含量が1.5重量%
以下になるまで沸点下で重合を行った。重合液を室温ま
で冷却後、トリエチルアミン2.5重量部を添加し中和
した。得られたプレポリマー溶液の粘度は4200mP
a・sであった。
【0040】実施例1 冷化工業社製バイブロミキサーVM−HS5・30に、
製造例1で製造したウレタンプレポリマー溶液及び1.
84%エチレンジアミン水溶液をそれぞれ247ml/
分、122ml/分で予備混合なしで連続的に供給し、
振動数70Hz、振幅5mmで連続分散乳化した。得ら
れたエマルジョンを減圧下50℃に加熱し、メチルエチ
ルケトンを留去した。得られたウレタン樹脂エマルジョ
ンの固形分は55%、粘度は510mPa・s、平均粒
径は3.52μm、最大粒径は7.02μmであった。
分散後のミキサー内部での付着物はほとんどなかった。
得られたエマルジョンを1週間放置しても沈降物の発生
はなかった。
【0041】実施例2 冷化工業社製バイブロミキサーVM−HS5・30に、
製造例1で製造したウレタンプレポリマー溶液及び水を
それぞれ247ml/分、120ml/分で予備混合な
しで連続的に供給し、振動数70Hz、振幅5mmで連
続分散乳化した。得られたエマルジョン1000gにエ
チレンジアミン6.2gを含む水溶液12.4gを攪拌
下添加し、鎖延長反応をおこなった後、減圧下50℃に
加熱し、メチルエチルケトンを留去した。得られたウレ
タン樹脂エマルジョンの固形分は55%、粘度は680
mPa・s、平均粒径は2.83μm、最大粒径は6.
50μmであった。分散後のミキサー内部での付着物は
ほとんどなかった。得られたエマルジョンを1週間放置
しても沈降物の発生はなかった。
【0042】実施例3 製造例2で製造したウレタンプレポリマー溶液を用い、
ウレタンプレポリマー溶液及び水をそれぞれ207ml
/分、120ml/分で予備混合なしで連続的に供給し
た以外は、実施例2と同様にしてウレタン樹脂エマルジ
ョンを得た。得られたウレタン樹脂エマルジョンの固形
分は55%、粘度は540mPa・s、平均粒径は3.
22μm、最大粒径は7.30μmであった。分散後の
ミキサー内部での付着物はほとんどなかった。得られた
エマルジョンを1週間放置しても沈降物の発生はなかっ
た。
【0043】比較例1 ローターステーター式連続分散機(荏原製作所社製、エ
バラマイルダーMON303V)に製造例1で製造した
ウレタンプレポリマー溶液及び1.84%エチレンジア
ミン水溶液をそれぞれ247ml/分、122ml/分
で予備混合なしで連続的に供給し、回転数10000r
pmで連続分散乳化した。得られたエマルジョンを減圧
下50℃に加熱し、メチルエチルケトンを留去した。得
られたウレタン樹脂エマルジョンの固形分は55%、粘
度は6900mPa・s以上、平均粒径は1.5μm、
最大粒径は3.0μmであった。分散後の分散機内部に
は付着物があった。得られたエマルジョンを1週間放置
しても沈降物の発生はなかった。
【0044】比較例2 ローターステーター式連続分散機(荏原製作所社製、エ
バラマイルダーMON303V)に製造例2で製造した
ウレタンプレポリマー溶液及び水をそれぞれ207ml
/分、120ml/分で予備混合なしで連続的に供給
し、回転数10000rpmで連続分散乳化したが、均
一に分散乳化できなかった。
【0045】比較例3 製造例1で製造したウレタンプレポリマー溶液672重
量部と水330重量部を混合し、数十μm程度の粒子を
含む予備混合液とした後、高圧乳化機マイクロフルイデ
ックス社製マイクロフルイダイザーに連続的に供給し、
500kg/cm2 の圧力で連続分散乳化したが、均一
に分散乳化できなかった。
【0046】比較例4 2Lの容器に水330gを仕込み、ホモディスパーで8
000rpmで攪拌下、製造例1で製造したウレタンプ
レポリマー溶液672gを投入し、分散させた。得られ
たエマルジョンにエチレンジアミン7.0gを含む水溶
液14.0gを攪拌下添加し鎖延長反応をおこなった
後、減圧下50℃に加熱し、メチルエチルケトンを留去
した。得られたウレタン樹脂エマルジョンの固形分は5
5%、粘度は10000mPa・s以上となった。平均
粒径は0.92μmであった。
【0047】比較例5 2Lの容器に水330gを仕込み、ホモディスパーで1
000rpmで攪拌下、製造例1で製造したウレタンプ
レポリマー溶液672gを投入し、分散させた。得られ
たエマルジョンにエチレンジアミン7.0gを含む水溶
液14.0gを攪拌下添加し鎖延長反応をおこなった
後、減圧下50℃に加熱し、メチルエチルケトンを留去
した。得られたウレタン樹脂エマルジョンの固形分は5
5%、粘度は410mPa・sであった。平均粒径は
2.41μm、最大粒径は30μmであった。また、得
られたエマルジョンを1週間放置すると沈降物が発生し
ていた。
【0048】評価方法 (1)固形分の測定 110℃で2時間乾燥した後の乾燥残量分率を測定し
た。 (2)粘度の測定 東京計器社製BM形粘度計を使用した。ローターNo.
3、回転数60rpm、温度23℃で測定した。 (3)平均粒径の測定 島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定機SALD
−1000を用いた。
【0049】
【発明の効果】本発明は、上記装置を用いてウレタン樹
脂エマルジョンを製造するので、従来の製造方法では得
るのが困難であった高固形分でありながら低粘度で、更
に放置しても沈降物の生成がない安定なウレタン樹脂エ
マルジョンを連続的に製造することができ、その結果、
得られたウレタン樹脂エマルジョンを、接着剤、コーテ
ィング剤等として用いると、高速塗布、高速乾燥が可能
で生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分散装置の1例の作動状態を表す概略
図。
【図2】図1に示した分散装置の攪拌体の作動状態を表
す拡大図。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 仕切り板 3 螺旋上攪拌羽根 4 軸 5 振動駆動源 6 供給口 7 取り出し口 8 原料タンク 9 製品タンク 10 定量供給ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被混合流体を内部に流通させる導管と、
    前記導管内に装着された複数の仕切り板と、軸とその周
    囲に径方向に突出形成された複数の螺旋状攪拌羽根とを
    有する攪拌体とからなり、前記攪拌体が、前記導管内に
    配置され、軸方向にそって細動自在に支持されている装
    置であって、前記導管内に前記被混合流体を流通させな
    がら、前記攪拌体を軸方向に振動させることにより、前
    記螺旋状攪拌羽根と前記仕切り板との間に相対的な運動
    を付与し、前記被混合流体を混合分散させる装置を用い
    て、ウレタン樹脂と水とを前記被混合流体として混合分
    散させることを特徴とするウレタン樹脂エマルジョンの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009079157A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 水性ポリウレタン樹脂の製造方法、水性ポリウレタン樹脂およびフィルム
JP2010215803A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 水性ポリウレタン樹脂の製造方法、水性ポリウレタン樹脂およびフィルム
JP2010248511A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Xerox Corp 無溶媒乳化方法

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