JPH0811349B2 - 主軸構造を備えた工作機械 - Google Patents

主軸構造を備えた工作機械

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JPH0811349B2
JPH0811349B2 JP1337725A JP33772589A JPH0811349B2 JP H0811349 B2 JPH0811349 B2 JP H0811349B2 JP 1337725 A JP1337725 A JP 1337725A JP 33772589 A JP33772589 A JP 33772589A JP H0811349 B2 JPH0811349 B2 JP H0811349B2
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勝己 長坂
富男 遠藤
敦資 坂井田
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日本電装株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は被加工物を加工するための工具が取り付け
られた回転軸を有する主軸構造を備えた工作機械に関す
るものである。
[従来技術] 従来の主軸構造の第1例は第4、5図の構造を有して
いる。両図により従来の主軸構造を説明すると、主軸10
1は被加工物を加工する工具107を先端に有する回転軸10
2を支持する軸受103、軸受103を保持するクイル104及び
クイル104を保持するハウジング105により構成されてい
る。回転軸102をモータ等によりプーリ106を介して回転
させると第5図に示す軸受球119と軸受内、外輪120、11
8との摩擦で摩擦熱が発生する。この摩擦熱は回転軸102
の回転数及び負荷が高くなるほど高くなるので、伝熱に
より主軸構造101全体が昇温し、かつ膨脹するので被加
工物の所望の加工形状に対し加工誤差が生じる。
この加工誤差を防止するためクイル104に給油路108a
〜108e(108cは108bの位相のずれた位置にある)を設け
る。これらの給油路108に、ポンブ114から供給され、更
に定量ピストン式分配器115を有するミキシングバルブ1
21から定量で吐出された潤滑油(以後オイルとも言う)
と、フィルタ113を通過した圧縮空気とを連続的に供給
して軸受103を潤滑、冷却する。この結果オイルは軸受1
03に発生する熱を吸収する。吸熱後のオイルは第4図下
方の軸受排出口110a〜110eから排出路111を通り、排出
口111aから排出される。
上記の冷却システムはオイルの顕熱を利用した冷却方
法であり、潜熱に比べ熱の移動量が極めて少ないため冷
却効率が悪く、又オイルは水や空気に比べ室温において
約1000倍粘性が高く回転軸102の回転により撹拌されて
撹拌熱を発生し、主軸構造101から排出されたオイルは
周囲の環境を悪くする。更に空気とオイルとを供給する
ためのユニット112、121が必要でありコストが高くなる
等の問題がある。
又従来の冷却システムを有する別の主軸構造201は第
7図に示すように回転軸202を支持する軸受203、軸受20
3を保持するクイル204、クイル204を保持するハウジン
グ205等により構成されている。ここで第6図に示す主
軸構造201と被加工物230との関係は先ず送りねじ229を
モータ225等により回転させる。この回転はハウジング2
05と連結固定された支持部材228によりハウジング205に
設けられた直線案内226、227に導かれ、被加工物230に
対し主軸構造201は垂直方向に直線運動し、回転軸202の
先端に設置された工具207により被加工物230を加工す
る。なお、上記の運動はラックアンドピニオン機構等に
よっても可能である。
回転軸202が高速回転するとこれに比例して発熱量が
大きくなり、この発熱により回転軸202、ハウジング205
が昇温、熱膨脹するので、被加工物230の加工精度に影
響する。即ち、支持部材228からハウジング205前端まで
の突出量L1がハウジング205の昇温により△|だけ増加
し、ハウジング205支持部から主軸構造201の中心までの
直線案内226、227の芯高Hがハウジング205の昇温によ
り△hだけ増加し、直線案内226、227が支持されている
ハウジング205の温度差(t2−t1)が大きくなれば変位
△θが大きくなる等により被加工物230に要求される加
工形状に対し加工誤差が生じる。
そこで第7図に示すように回転軸202が回転すること
により軸受203の発熱によるハウジング205等の昇温、膨
脹を抑制するためにクイル204の外周にリード溝208を設
けて冷却ジャケット部とし、オイル等の媒体210を流入
させ又はヒートパイプを組み込み、オイル210等がジャ
ケットを通過する際に軸受203からの熱量を吸収し、吸
熱後のオイル210は外部に移動し、冷却ユニット209の液
タンク211へ、更に循環ポンプ212により冷却器213に送
られる。冷却器213においてはフロンガス218がコンプレ
ッサ214により圧縮され、高温高圧ガスとなる。高温高
圧ガスとなったフロン218はコンデンサー215に運ばれ、
冷却ファン216による低温の空気と接触し放熱して液化
する。コンデンサー215により液化したフロン218は膨脹
弁217に入り低温低圧液となり冷却器213に運ばれる。こ
の低温低圧液と前述の軸受203から吸熱した媒体(オイ
ル)210が接触し、フロン218は気化し再びコンプレッサ
214に運ばれる。この伝熱サイクルにより吸熱後の媒体2
10は冷却器213によって冷却され、液タンク211に戻され
て圧送ポンプにより再び主軸ジャケットに送られる。
以上のシステムは冷却ジャケット部のみに就いて考慮
するとオイルの顕熱を利用して主軸構造201の冷却を行
なっているので、第1例の主軸構造101と同じ欠点を有
している。更に設備が大きくなり、冷却ジャケット208
がリード溝であるため圧力損失が大きくなり冷却効果が
低下する。又クイル204の外周部に冷却ジャケット208を
設けたのでハウジング205の直径Dは冷却ジャケットを
有しない低速回転、低荷重の主軸と比べて大きくなり、
これに伴い直線案内226、227を支持するハウジング205
のスライダ幅B(第8図)も大きくなり主軸構造201全
体が大型となる。このため直線運動を行なう主軸部の慣
性が大きくなり、駆動モータへの負荷が大きくなり、サ
イクルタイムに影響を与える等の問題を有している。
[発明が解決しようとする課題] この発明は冷却効率が高く、高速回転、高負荷に耐
え、かつ小型、低コストの工作機械の提供を課題とす
る。
[課題を解決するための技術的手段] 上記の課題を解決するためになされた請求項1に記載
の本発明は、 被加工物を加工するための工具が先端に取り付けられ
た回転軸と、 該回転軸を軸受を介して回転自在に支持するクイル
と、 該クイルに外嵌されて該クイルを保持するハウジング
と、 を有する主軸構造を備えた工作機械において、 前記クイルには、液体ミストを含む空気を流通させる
ための空気通路が設けられると共に、該空気通路は前記
液体ミストを含む空気の供給口と排出口とを有し、 更に前記供給口は、前記液体ミストとして水ミストを
含む空気を供給する供給装置に連通していること、 を特徴とする主軸構造を備えた工作機械を要旨としてい
る。
また、請求項2に記載の本発明は、 被加工物を加工するための工具が先端に取り付けられ
た回転軸と、 該回転軸を軸受を介して回転自在に支持するクイル
と、 該クイルに外嵌されて該クイルを保持するハウジング
と、 を有する主軸構造を備えた工作機械において、 前記ハウジングが外嵌された前記クイルの外周面に
は、当該外周面の両端付近に夫々配置された円周方向の
円形溝と、前記クイルの軸方向に形成されて前記両円形
溝に連通し、当該外周面において円周方向に等分布に配
置された複数の直線溝とが設けられると共に、当該外周
面において前記各直線溝の相互間の部分は、前記ハウジ
ングの内面との間で微小間隙を有するランド部になって
おり、 更に、前記両円形溝の一方に外部から水ミストを含む
空気を供給すると共に、前記両円形溝の他方から前記空
気を外部へ排出するように構成されたこと、 を特徴とする主軸構造を備えた工作機械を要旨としてい
る。
[作用] 上記のように構成された請求項1に記載の主軸構造を
備えた工作機械においては、軸受を介して回転軸を支持
するクイルに、液体ミストを含む空気を流通させるため
の空気通路が設けられており、その空気通路の供給口へ
は、供給装置から水ミストを含んだ空気が供給される。
そして、その空気は、空気通路を流通した後に空気通路
の排出口から外部へ排出される。
ここで、供給装置からの水ミストを含んだ空気がクイ
ルの空気通路を通過する際には、空気中の水ミストがク
イルの通路面に付着する。すると、通路面に付着した水
ミストは、回転軸の回転により発生した熱によって蒸発
し、その蒸発により湿気を帯びた空気が、空気通路の排
出口から外部へ排出される。つまり、請求項1に記載の
工作機械では、水ミストの蒸発潜熱(気化熱)によりク
イルを介して主軸構造全体を冷却するようにしており、
これにより主軸構造の熱による変形が防止されて、被加
工物に対する加工精度が高められる。
このように請求項1に記載の主軸構造を備えた工作機
械によれば、水ミストの蒸発潜熱によって主軸構造の冷
却を行うように構成されているため、従来の顕熱方式に
よる冷却に比べて熱の移動量が大幅に向上し、冷却効率
が極めて高くなるため、高回転及び高負荷に耐えること
ができるようになる。また、水ミストを含む空気の粘性
は非常に低いため、空気通路の径を小さく設定すること
ができ、延いては、クイル及びハウジングの外径を小さ
くして主軸構造を小型化することができる。
しかも、水ミストを含んだ空気によって冷却を行って
いるため、供給装置の構成を簡単にすることができる上
に、オイルを用いた従来装置のように排出されたオイル
を回収して環境悪化を防ぐ、といった回収装置が不要と
なり、工作機械全体を小型化及び低コスト化することが
できるようになる。
次に、請求項2に記載の主軸構造を備えた工作機械に
おいて、ハウジングが外嵌されたクイルの外周面には、
その外周面の両端付近に夫々配置された円周方向の円形
溝と、クイルの軸方向に形成されて両円形溝に連通し、
当該外周面において円周方向に等分布に配置された複数
の直線溝とが設けられており、更に、その外周面におい
て各直線溝の相互間の部分は、ハウジングの内面との間
で微小間隙を有するランド部になっている。そして、両
円形溝の一方に、外部から水ミストを含む空気を供給
し、その空気を両円形溝の他方から外部へ排出するよう
にしている。
つまり、請求項2に記載の工作機械においては、クイ
ルの外周面に形成された2つの円形溝と、その両円形溝
を連結する複数の直線溝とによって、水ミストを含む空
気を流通させるための空気通路が形成されている。そし
て、一方の円形溝に供給された水ミストを含む空気は、
複数の直線溝を夫々通過して他方の円形溝に至り、その
円形溝から外部へ排出される。尚、この際に、各直線溝
相互間のランド部とハウジングの内面との微小間隙に水
ミストが侵入し、その侵入した水ミストが水膜を形成し
て隣接する直線溝の相互間をシールするため、直線溝相
互間の水ミストの分布が均一化される。
そして、請求項2に記載の主軸構造を備えた工作機械
においても、請求項1に記載の工作機械と同様に、供給
された空気中の水ミストが円形溝及び直線溝に付着し、
その付着した水ミストが蒸発する際の蒸発潜熱により、
クイルを介して主軸構造全体が冷却される。
従って、請求項2に記載の主軸構造を備えた工作機械
によれば、請求項1に記載の工作機械と全く同様に、冷
却効率を極めて高くすることができ、また、水ミストを
含んだ空気の供給装置の構成を簡単にすることができる
上に、オイルを用いた従来装置のように排出されたオイ
ルを回収して環境悪化を防ぐ、といった回収装置が不要
となるため、工作機械全体を小型化及び低コスト化する
ことができる。
しかも、請求項2に記載の主軸構造を備えた工作機械
によれば、クイルの外周面に水ミストを均一に分布させ
ることができ、クイルを軸方向及び径方向に均一に冷却
することができる。また、水ミストを含む空気の粘性は
非常に低いため、円形溝及び直線溝の深さを小さく設定
することができ、延いては、クイル及びハウジングの外
径を小さくして主軸構造を小型化することができる。そ
して更に、クイルの外周面に、円周方向の円形溝と軸方
向の直線溝を形成するだけで、水ミストを含んだ空気を
流通させるための空気通路が形成できるため、主軸構造
を簡単に製作することができる。
[実施例] 以下実施例を示す図面によりこの発明を説明する。第
1図は第1実施例を示す。同図において、図示しないモ
ータの駆動力は主軸構造1の後端部(第1図では右端
部)外周に固定された動力伝達部材(例えばギヤ、プー
リ等)6を介して回転軸2に伝達される。回転軸2は軸
受3により回転自在に支持され、軸受3はクイル4によ
り支持されている。クイル4には後述の互いに位相のず
れた5個の給霧口9と、それに連通する5個の給霧路8a
〜8eと、1個の排出通路11と、1個の排出口11aとが設
けられている。クイル4はハウジング5に保持され、給
霧口9近傍のハウジング5には二流体混合ノズル12が設
置されている。尚、第1図において、符号7は、被加工
物を加工するために回転軸2の先端に取り付けられた工
具である。
図示しない加圧空気源から供給され、フィルタ16を通
った空気と、水タンク14からポンプ13を経て送られてき
た微量の水15とは二流体混合ノズル12で混合されてミス
ト(噴霧)状となり、給霧口9、給霧路8a〜8e(8cは8b
と位相が違うため図示しない)を通過し軸受3に噴入す
る。この際軸受3に水ミスト(以後単にミストと言う)
が付着するがこのミストは回転軸2の回転による軸受3
の発熱により蒸発する。蒸発により湿気を帯びた空気は
主軸排出口10a〜10eを通り、排出路11に送られ排出口11
aより排出される。従って軸受3に発生した熱量はミス
トの蒸発潜熱による吸収され外部に運ばれる。このため
従来の顕熱方式による冷却に比べ熱の移動が100倍以上
となり、冷却効率が極めて高くなる。又オイルによる冷
却と比較して水と空気は粘性が低いので撹拌熱が低い上
に、給霧路8a〜8eの径を小さく設定することができ、延
いては、クイル4及びハウジング5の外径を小さくして
主軸構造1を小型化することができる。
更に、本第1実施例によれば、水ミストを含んだ空気
によって冷却を行っているため、ミストの供給手段が非
常に簡単なシステムとなる上に、オイルを用いた従来方
式のように排出されたオイルを回収する必要もないた
め、高い冷却効率を有し高回転及び高負荷に耐え得る工
作機械を、小型化及び低コスト化することができる。
尚、排出口11aから排出された空気がミストを含んでい
ても、被加工物を加工する際のクーラントオイル(被削
油)に水溶性のものを使用する、といつた極めて簡単な
手法により環境汚染を防止できる。
上記の構成において、5個の給霧口9、給霧路8a〜8e
を設けたがこれは軸受3の個数に合せたからであり、こ
れらの数は任意である。
又回転軸2に回転力を伝達する際に回転軸2に固定さ
れた動力伝達部材6を使用したが、ビルトインモータに
より、回転軸2を回転させる方法あるいは主動力源と回
転軸2とを直結して回転軸2を直接回転させてもよい。
冷却媒体の一つである水15に防錆油を混合して水タン
ク14に入れておくと軸受3と給霧路8、排出口10との防
錆が可能であり、かつ軸受3を潤滑する効果がある。
第2、3図は第2実施例を示す。第2図(イ)の主軸
構造21においては、図示しないモータの駆動力が回転軸
22の後端部(第2図で右端部)外周に固定されたプーリ
26を介して回転軸22に伝達される。回転軸22は軸受23に
より支持され、軸受23はクイル24に保持されている。ク
イル24の外周にはクイル24の円周方向に等ピッチで配置
された、多列の軸方向の直線溝28が設けられ、更に直線
溝28の両端において円周方向の溝29、30が設けられてい
る。ハウジング25の近傍に設置された二流体混合弁31に
よりフィルタ37からの空気と水タンク33からポンプ36を
経て送られた微量の水とが混合され、ミスト(噴霧)状
にして工具27側の円周溝部(以後円形ヘッダと呼ぶ)29
内に第2図(ロ)に示すように接線方向に旋回流を発生
するよう噴出する。この時円形ヘッダ29に送られたミス
トの流速はかなり高速(1.5m/sec)のため円形ヘッダ29
の圧力分布、ミストの分布が均一となり、又円形ヘッダ
29から軸方向溝部28にもミストが均一に分布される。そ
して、クイル24の外周面にある直線溝28に付着したミス
トは、回転軸22の回転に伴う軸受23の発熱によつて蒸発
し、その蒸発により湿気を帯びた空気は、円形ヘッダ29
とは反対側の円周方向の溝30を経由して、ハウジング25
の外部へ排出される。このため軸受23に発生した熱量は
ミストの蒸発潜熱により吸収され外部に運ばれる。第3
図(イ)、(ロ)に示すように軸方向直線溝28を面取り
してほぼ蒲鉾状の溝とし、ランド部32をクイル24の円周
方向に等分布させる。ランド部32とハウジング25の内面
との間には微小な隙間があり、ここにミストが侵入す
る。侵入したミストは上記の隙間で膜を形成し隣接する
溝部相互のシールの働きをし、溝部相互間のミストの分
布を更に均一にする。又ミストが過剰に前記の隙間に侵
入した場合でも水分は溝部へ流れ蒸発潜熱となって冷却
効果を発揮する。又ランド部32と溝部28の構成を有しな
い溝部のみ、即ち円筒状の冷却溝とするとヘッダを持た
なくなりミストの分布が不均一で軸方向、径方向に冷却
誤差(ばらつき)が生じ温度分布が不均一になる。
本実施例は円形ヘッダ29、直径溝28、ランド部32を有
しているので隣接溝部とのシール性を高め、かつ高速旋
回流を発生させてミスト分布を均一化させ主軸構造の冷
却を安定させる。
次に直線溝28の深さに就いて説明する。クイル24はハ
ウジング25に嵌合され、その嵌合の部位はクイル24の前
後端の一部34、35であり、その中央部に普通の「ぬす
み」を設ける。ぬすみの深さは本実施例ではハウジング
25の内径とクイル24の外径との間の微小のクリアランス
で約0.2〜1.0mmである。これはクイル24とハウジング25
との嵌合部34,35の加工精度を維持するためと嵌合時の
組付け性を容易にするために設けてある。このクリアラ
ンスと直線溝28の深さとを同じにし、円形ヘッダ29、直
線溝28、ランド部32の構成により前記の潜熱を利用した
冷却を行なう。従来のオイルを使用した冷却では上記の
溝の深さではオイルの必要流量を確保することができな
いが低い粘性の空気を使用すると空気の流量はオイルの
流量の約10000倍確保できので上記のぬすみを利用して
ミスト冷却が可能になる。このぬすみを冷却ジャケット
として利用することで従来のオイル冷却と比較してクイ
ル24及びハウジング25の外径が小さく、重量は1/2とな
り、これにともない直線案内のガイド部であるスライダ
幅も小さくなり、主軸構造全体が小型になり、被加工物
に対して直線運動を行なわせるモータへの負荷イナーシ
ャが1/2となり、負荷低減に伴うモータの加減速時間も1
/2と短縮され、サイクルタイムの短縮(高速化)が得ら
れるなどの優れた効果がある。
次に上記の構成に就いての具体例を述べる。
本実施例の主軸構造21の回転軸22の回転に伴う軸受23
の発熱量Qhは回転軸径d=φ50mm、軸回転数N=15000r
pmとすると、Qh=172Kcalで蒸発潜熱の冷却熱量QCとの
熱収支条件Qh=Qcで溝内(冷却ジャケット内)絶対圧力
P=1.1Kgf/cm2、空気流量W=130Nl/min(工場空気露
点−20℃)、注水量V=4g/min、溝の深さ=0.5mmによ
り主軸部の冷却を行なった。
以上の結果主軸構造の室温からの昇温量を8℃以下に
押えることができた。これは従来のリード溝構造の代り
に本実施例は円形ヘッダと、直線多列溝と、ランド部と
からなる構成を有しているので、圧力損失がなくなり、
ミスト分布が均一となり、そのため主軸構造の温度分布
が均一化し安定した冷却を行えるからである。即ち冷媒
をオイルから粘性の低い空気に代えることにより10000
倍の流量を確保でき、又冷却方法を顕熱から蒸発潜熱に
することで100倍以上の熱移動が可能になったため、従
来の構造より高い効率で冷却でき、又ぬすみをジャケッ
トに利用したので主軸構造が小型になる。
[効果] 以上詳述したように、請求項1に記載の主軸構造を備
えた工作機械によれば、冷却効率が極めて高くなるた
め、高回転及び高負荷に耐えることができる。そして、
主軸構造及び工作機械全体を小型化できるため、狭いス
ペースにも設置が可能となり、また、低コスト化を図る
ことができる。
そして、請求項2に記載の主軸構造を備えた工作機械
によれば、上記効果に加えて、更に、回転軸を支持する
クイルを軸方向及び径方向に均一に冷却できるため、主
軸構造を安定して冷却することができる。そして更に、
クイルの外周面に、円周方向の円形溝と軸方向の直線溝
を形成するだけで、水ミストを含んだ空気を流通させる
ための空気通路が形成できるため、製作が非常に簡単と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例の縦断正面図を示す。第2図(イ)
は第2実施例の縦断正面図を示す。第2図(ロ)は第2
図(イ)の要部の斜視図を示す。第3図(イ)は第2図
(イ)のA−A線断面図を示す。第3図(ロ)は第3図
(イ)の一部の斜視図を示す。第4図は冷却装置を含め
て従来の主軸構造の一例の正断面図を示す。第5図は第
4図のA部の拡大正面断面図を示す。第6図は従来の主
軸構造(第7図の主軸構造)の動作時での工具の変位の
状態を示す正面図である。第7図は冷却装置を含めて第
4図とは別例の従来の主軸構造の正断面図を示す。第8
図は第7図の側面図を示す。 1、21……主軸構造 2、22……回転軸 3、23……軸受 4、24……クイル 5、25……ハウジング 7、27……工具 8……給霧路(空気通路) 9……給霧口(供給口) 11a……排出口 12……二流体混合ノズル(液体ミストを含む空気の供給
装置) 28……直線溝(空気通路) 29……円周方向溝(空気通路) 30……円周方向溝(空気通路) 31……二流体混合弁(液体ミストを含む空気の供給装
置)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物を加工するための工具が先端に取
    り付けられた回転軸と、 該回転軸を軸受を介して回転自在に支持するクイルと、 該クイルに外嵌されて該クイルを保持するハウジング
    と、 と有する主軸構造を備えた工作機械において、 前記クイルには、液体ミストを含む空気を流通させるた
    めの空気通路が設けられると共に、該空気通路は前記液
    体ミストを含む空気の供給口と排出口とを有し、 更に、前記供給口は、前記液体ミストとして水ミストを
    含む空気を供給する供給装置に連通していること、 を特徴とする主軸構造を備えた工作機械。
  2. 【請求項2】被加工物を加工するための工具が先端に取
    り付けられた回転軸と、 該回転軸を軸受を介して回転自在に支持するクイルと、 該クイルに外嵌されて該クイルを保持するハウジング
    と、 を有する主軸構造を備えた工作機械において、 前記ハウジングが外嵌された前記クイルの外周面には、
    当該外周面の両端付近に夫々配置された円周方向の円形
    溝と、前記クイルの軸方向に形成されて前記両円形溝に
    連通し、当該外周面において円周方向に等分布に配置さ
    れた複数の直線溝とが設けられると共に、当該外周面に
    おいて前記各直線溝の相互間の部分は、前記ハウジング
    の内面との間で微小間隙を有するランド部になってお
    り、 更に、前記両円形溝の一方に外部から水ミストを含む空
    気を供給すると共に、前記両円形溝の他方から前記空気
    を外部へ排出するように構成されたこと、 を特徴とする主軸構造を備えた工作機械。
JP1337725A 1989-12-26 1989-12-26 主軸構造を備えた工作機械 Expired - Lifetime JPH0811349B2 (ja)

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