JPH08109936A - 制振用複合材料及びそれを用いた摩擦材 - Google Patents

制振用複合材料及びそれを用いた摩擦材

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JPH08109936A
JPH08109936A JP24770594A JP24770594A JPH08109936A JP H08109936 A JPH08109936 A JP H08109936A JP 24770594 A JP24770594 A JP 24770594A JP 24770594 A JP24770594 A JP 24770594A JP H08109936 A JPH08109936 A JP H08109936A
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vermiculite
resin
friction
thermosetting resin
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JP24770594A
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Tomoyuki Wakamatsu
智之 若松
Mitsuhiko Nakagawa
光彦 中川
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱に強くて、振動の吸収、減衰性能に優れる
複合材料と、これを添加して耐熱性を悪化させずに制動
時のいわゆる鳴きを抑制した摩擦材を提供する。 【構成】 発泡バーミキュライトに液状熱硬化性樹脂を
含浸させて制振用複合材料となす。この複合材料は拘束
タイプの制振構造をもつので制振効果が高い。また、こ
の材料を原料混合物中に含ませた摩擦材は耐熱性及び鳴
きの防止効果に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、摩擦振動などの吸収
・減衰性能に優れる制振用複合材料と、これを添加して
耐熱性を悪化させずに制動時のいわゆる鳴きを抑制した
最終製品の摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、トラック、乗用車などのディス
クブレーキ、ドラムブレーキに用いられる摩擦材は、摩
擦係数(以下μと記す)、耐摩耗性、低相手攻撃性に優
れることは勿論、制動時に鳴きが発生し難いことが要求
される。これ等の諸特性のうち、制動時の鳴きの問題は
今だに根本的に解決されていない。
【0003】一般に、この鳴きを起こし難い摩擦材とし
て、グラファイトなどの固体潤滑剤を多量に含有するも
のが知られている。ところが固体潤滑剤を多用したもの
は、μが下がって制動力が低下する。
【0004】また、ゴムやカシューダストなどの有機充
填材を多量に添加したものも鳴きの防止に有効である。
例えば、特公昭59−4459号公報に開示されるもの
などがそれであるが、この種の摩擦材は耐熱性に問題が
あり、高速・高温下でμが低下し、摩耗も著しくなる。
【0005】そこで、本出願人は、これ等の問題点の解
決策として、微小剥離を起こし易い平面網状結晶構造を
有する無機物の粉粒体(例えばバーミキュライト)を、
結晶の層間剥離方向が摩擦面とほぼ平行になるようにし
て摩擦材中に分散させ、これにより制動力の低下を極力
抑えながら鳴きの原因になるスティックスリップを減少
させるものを特開平3−181627号公報で提案した
(以下これを先発明という)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の先発明は、平面
網状結晶構造を有する粉粒体の結晶の方向を揃えるため
に、粉粒体をバインダを用いて造粒し、これを偏平に成
形して添加していたので、回転パン型ミキサ、2軸押出
し機、ラバーミル等の高価な造粒設備と複雑な処理工程
を必要とし、生産性やコスト面に不満があった。
【0007】本発明は、この問題点を解決するのに有効
な制振用複合材料と、これを添加して生産性の向上、コ
スト削減を図り、鳴きの抑制効果も更に高めた摩擦材を
提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに提供する第1の発明の制振用複合材料は、焼成して
発泡させたバーミキュライトに液状熱硬化性樹脂を含浸
させて成る。
【0009】この複合材料は、液状熱硬化性樹脂中の溶
剤分が残されているもの、含浸後に乾燥除去されている
ものの2種類が考えられる。後者は、溶剤分が若干残
り、樹脂の硬化が未完了のものがよい。
【0010】また、複合材料の粒径は、熱硬化性樹脂含
浸前の発泡バーミキュライトの粒径(約0.1mm〜
3.0mm)の10倍以下が好ましく、かつ最終製品に
含まれる粒径が6mm以下で粉砕工程を経ずにその粒径
が得られるものがよい。
【0011】さらに、液状熱硬化性樹脂の発泡バーミキ
ュライトに対する含浸量は、発泡バーミキュライトの最
大液体保持量の30〜100%の範囲にあるのが望まし
い。
【0012】第2の発明の摩擦材は、補強繊維と摩擦・
摩耗調整材である粉粒体とこれ等を結合させるバインダ
レジンとから成る原料混合物中に上述した複合材料を含
ませたものである。摩擦材中での複合材料の向きは特に
揃える必要はない。また、原料混合物中に添加する複合
材料の割合は体積比で2〜30%、より好ましくは10
〜20%の範囲に収めるのがよい。
【0013】
【作用】一般に、制振材料を鋼板に貼り付けたり、2枚
の鋼板間に挟み込んだ制振鋼板はよく知られており、デ
ィスクブレーキの鳴き止めシムとしても多用されてい
る。この構造の制振効果は、日本ゴム協会誌第64巻第
2号(1991)にも記されているように、制振材料の
ずれ剪断変形が起こる拘束タイプ(鋼板間に挟むもの)
の方が非拘束タイプ(貼り付けるもの)よりも大きい。
【0014】発明者は、この制振構造を摩擦材を構成す
る原料で摩擦材自体の中に作り込めば鳴きを効果的に抑
制できると考え、鋼板に相当する基材の選択から検討を
開始して層状構造で層間に空間をもち、熱処理で発泡す
るバーミキュライトに到達した。
【0015】これと類似の材料にマイカなどがあるが、
層間の隙間が小さいマイカなどの他の材料は、内部空間
を制振材料で埋めるのが難しく、非拘束タイプの構造に
なる。これに対し、発泡バーミキュライトであれば液状
材料の粘度を下げておけば減圧下は勿論、大気中でも含
浸充填が可能であり、拘束タイプの複合材料を作り得
る。
【0016】発泡バーミキュライトの内部に含浸させる
材料は、制振性の付与のみを考えるならゴム等、各種文
献や特許公報に示されている有機物も有効である。しか
し、ゴムや熱可塑性樹脂では耐熱性が得られない。従っ
て、含浸させる材料は熱硬化性樹脂に限定する。例え
ば、自動車用の摩擦材では、バインダ樹脂に熱硬化性樹
脂を用いている。この樹脂を硬化させるために200°
C程度の温度で熱処理を行うが、ゴムは耐熱温度が一般
に150°C程度であるので、分解して振動吸収効果を
失ってしまう。また、制動時には摩擦熱で更に高温にな
るため、熱可塑性樹脂は溶融して十分な効果が得られな
い。これに対し、本発明で用いる熱硬化性樹脂であれ
ば、200°C以上の高温に耐えられる。
【0017】また、この熱硬化性樹脂の添加量が少な過
ぎると発泡バーミキュライト内空間の充填率が悪くなる
か、又は樹脂が一部の発泡バーミキュライトに吸収され
て含浸量のばらつきが大きくなるので、液状樹脂の粘度
を下げることと併せて含浸量も調整する。この含浸量
は、発泡バーミキュライトの最大液体保持量(内部空間
の総容積)の100%までとするのがよい。それ以上で
は、溢れた樹脂により発泡バーミキュライト同士がくっ
ついて塊状になるため、乾燥に要するエネルギが大きく
なり、時には粉砕工程も必要になる。塊状になった複合
材料は非拘束タイプに近くなり、制振効果も良いものが
期待できない。また、塊が大き過ぎると、他の材料との
混合時に偏析し、十分な効果を得られない。従って、複
合材料の粒径は熱硬化性樹脂を含浸する前の発泡バーミ
キュライトの10倍以下、最終製品に含まれる粒径は6
mm以下にするのがよく、粉砕工程を経ずにこの好まし
い粒径を得るためにも含浸量は過剰にならないようにす
ることが望まれる。
【0018】その含浸量が、前述の最大液体保持量とほ
ぼ同量以下であれば、以上のことに関して好ましい結果
が得られる。また、その量の下限は、上述最大液体保持
量の30%程度にとどめるのがよい。
【0019】なお、液状樹脂を発泡バーミキュライトの
内部空間に隙間無く充填しても溶剤を除去すると樹脂の
体積が減少して内部に隙間が生じてしまうが、この隙間
は発泡バーミキュライトを加圧成形して消滅させること
ができ、これにより本発明の複合材料は最終的には拘束
タイプの構造になり、優れた制振性能を発揮する。加圧
成形による隙間の充填率は、断面の面積比で50%以上
であるのが望ましい。
【0020】第2の発明の摩擦材は、上述した複合材料
を含んでおり、この材料のもつ制振作用及び層間剥離に
よるスティックスリップの抑制作用により優れた鳴き防
止効果が得られる。複合材料の添加量について2〜30
%、より好ましくは10〜20%としたのは、これ以上
ではブレーキノイズの抑制効果が望めず、また、これ以
上では他の摩擦調整材の添加量が減るため、良好な摩擦
性能が得られないからである。
【0021】また、発泡バーミキュライトに含浸させた
樹脂が熱硬化性のものであるので耐熱性の悪化が無い。
さらに、複合材料を造粒工程、粉砕工程を得ずに安価な
設備で簡単に作れるので、生産性に優れ、コストも低く
抑えられる。
【0022】なお、先発明では、本発明と同じ発泡バー
ミキュライトについて述べているが、これをバインダで
造粒、結合して用いるため、高価な設備や手間を要し、
コストアップにつながっている。また、造粒した材料は
非拘束タイプの構造になり、そのために制振効果も不満
を残す状況になっている。
【0023】
【実施例】本発明の制振用複合材料は、好ましくは粒径
0.1mm〜0.3mmの発泡バーミキュライトに液状
熱硬化性樹脂を含浸させて作る。液状熱硬化性樹脂はゴ
ム変性したものが振動減衰効果が高くて好ましい。
【0024】含浸は大気中又は減圧下で行う。その含浸
をスムーズに進行させるために、液状樹脂は溶剤で希釈
して粘度を下げたものを用いる。含浸を終了すると目的
とする複合材料ができる。この後に、樹脂中の溶剤を乾
燥除去するものは、乾燥を溶剤の沸点以下の温度で行
う。
【0025】次に、本発明の摩擦材は下記のようにして
製造する。先ず、液状熱硬化性樹脂中の溶剤分を含浸後
に除去した複合材料を用いる場合には、この複合材料を
他の原料中に所定割合で添加し、乾式混合を行って目的
とする原料混合物を得る。
【0026】また、溶剤を含んだままの複合材料を用い
る場合には、これを他の原料中に所定量添加し、必要に
応じてさらに溶剤を添加して湿式混合を行い、その後、
溶剤を除き、場合によってはこの後さらに粉砕を行って
原料混合物を得る。湿式混合はよく知られた方法である
が、この工程で発泡バーミキュライトに液状熱硬化性樹
脂を充填する方法では含浸充填がうまく進まず、大半の
樹脂が外面に付着して非拘束タイプの材料になる。その
ために、パン型ミキサ、2軸押出し機、ラバーミル等を
用いて造粒を行う先発明では制振効果がさほど高まって
いない。
【0027】以上のようにして得た原料混合物は、溶剤
の乾燥除去により発泡バーミキュライトの内部に隙間が
生じ、充填樹脂の拘束状態が悪くなっている。そこで、
原料混合物の成形時に熱や圧力を加え、発泡バーミキュ
ライトを圧縮変形させて層間の隙間を無くす。これによ
り、複合材料は拘束タイプの構造になる。成形時の熱と
圧力は、その両方を加えると樹脂が発泡バーミキュライ
トの上下の層に接着して拘束が強固になり、より望まし
い。
【0028】また、成形工程での樹脂の接着をより良く
するために乾燥時の温度を低くして樹脂の硬化が成形時
にはまだ完了していない状態にすることが望ましく、さ
らに、成形時の温度は乾燥温度よりも大きくすることが
望ましい。
【0029】このほか、発泡バーミキュライトに含浸さ
せる樹脂には必要に応じて微細な粉体を添加することが
できる。タルク、黒鉛、カーボンブラック等を加えるこ
とで制振効果をより高めたり、複合材料の耐熱性を高め
たりすることが可能であり、複合材料がより優れたもの
になる。
【0030】以下に、より詳細な実施例について述べ
る。
【0031】−実験例1− 最大液体保持量が約300vol%のバーミキュライト
と、層間隙間が非常に小さい(1μm以下)マイカを含
浸用母材としてこれ等にゴム変性フェノール系液状レジ
ン(溶剤:エタノール)を含浸させ、その後、70℃大
気中で溶剤含有量が0.5wt%以下になるまで乾燥さ
せて表1に示す制振用複合材料を得た。
【0032】含浸は、バーミキュライトを減圧下にお
き、液状レジンを所定量注入後、常圧に戻して内部空間
に樹脂を浸入させる方法で行った。
【0033】液状レジンは、粘度1000CPのもの
と、溶剤による希釈率を高めて粘度を100CPにした
ものを用いた。
【0034】この結果、含浸用母材が発泡バーミキュラ
イトでも条件1、2で作った材料は液状レジンの粘度過
大により含浸がうまくいかず、本発明品にはならなかっ
た。また、マイカを母材としたものは液状レジンの粘度
を下げても含浸ができず、表1の条件1〜5のいずれに
よるものも拘束タイプの複合材料にはならなかった。
【0035】粒径0.3mmの発泡バーミキュライトに
含浸する液状レジンの粘度を変化させて含浸性、均一
性、凝集固着、含浸前後の粒径比を検討した結果、目的
に合致する粘度の上限は900CP、より好ましくは5
00CP以下であった。また、含浸は、常圧以下で行う
のが望ましかった。
【0036】これに対し、発泡バーミキュライトに条件
4で含浸を行ったものは、拘束タイプの好ましい複合材
料になった。また、条件3によるものは樹脂の含浸量が
少ないため含浸の均一性が今ひとつであったが、一応は
本発明の拘束タイプの複合材料になった。条件5による
ものも、逆に含浸量過多により粒径比(含浸後の径/含
浸前の径)が好ましい値の上限5を越えた凝集塊が見ら
れ、含浸の均一性もやや悪くはなっていたが本発明の拘
束タイプの複合材料になっていた。
【0037】なお、含浸性は、試作した複合材料のなか
から材料1kg当りに5gのサンプルを無作為に抽出
し、そのサンプルの断面観察及び溶剤で溶かして取り出
した内部空隙内の樹脂量測定を行って良否を評価した。
【0038】条件1、2、3に関しては、通常の含浸の
他、パン型ミキサによる混合も行ったが、この場合は結
果が更に悪く、非拘束タイプの材料になった。
【0039】
【表1】
【0040】−実験例2− 実験例1で製造した複合材料(マイカを母材にしたもの
は含浸していないため除いた)を加えてブレーキパッド
を作った。
【0041】各パッドの摩擦材は、表2に示す配合の原
料をアイリッヒミキサで混合し、この原料混合物を16
0℃で加熱した金型に所定量投入し、適当なタイミング
でガス抜きを行いながら、また、ガス抜きのための圧抜
き以外は成形圧を常に一定に制御しながら10分間の加
圧成形を行った。成形圧力は摩擦材中の気孔率が計算上
10vol%になる値に定め、さらに、この成形と同時
に摩擦材をパッドの裏板に接着させた。そしてこの後、
硬化炉を用い、230℃で3時間加熱してバインダレジ
ン(フェノール樹脂)を硬化させ、完成品のパッドを得
た。
【0042】原料混合物は、溶剤除去を行った実験例1
の複合材料を乾式混合して加えたものと、溶剤を除去し
ていない複合材料を他の材料中に加えてアイリッヒミキ
サで湿式混合し、その後、混合物を80℃で24時間乾
燥させ、さらに粉砕機で粉砕したものの2種類とし、後
者の原料混合物を用いたものも、成形から加熱硬化まで
の工程、条件は同じにした。
【0043】※鳴き防止性能の評価 実験例2で得た表2の試料1〜9の各パッドについて鳴
き(高周波ブレーキノイズ)の発生状況を調べた。
【0044】試験は、試作パッドを実車(2000cc
普通乗用車)に装着し、簡単なブレーキ操作を繰り返し
てロータとのなじみ性をまず良くし、その後、評価のた
めのブレーキ操作を300回行い、その際の高周波ブレ
ーキノイズの発生状況を車内の運転者が耳で聞き取って
発生率を求めた。
【0045】その結果を表2に併記した。これから判る
ように、制振用複合材料を加えていない試料1〜3と、
発泡バーミキュライトへの樹脂含浸が悪く、樹脂添加量
も少ない複合材料(表1の条件1で作ったもの)を用い
た試料4は、高周波ブレーキノイズが高頻度で発生して
いる。
【0046】また、表1の条件2で作った複合材料を加
えた試料5は、樹脂の添加量が多い分ノイズ発生率が下
がっているが、充分な結果は得られていない。
【0047】さらに、試料6は、本発明の複合材料(表
1の条件3によるもの)を用いているのに結果は試料5
よりも悪い。これは、複合材料自体の添加量が少ないせ
いでもあり、この量を試料5と同じにすれば結果は試料
5よりも良くなると思われる。
【0048】一方、表1の条件4の複合材料を用いた試
料7、9はブレーキノイズが大幅に低減されている。こ
れ等と試料5の比較から、複合材料の構造の違いだけで
効果に大きな差が出ることがよく判る。
【0049】なお、表1の条件5で作った粒径比の大き
い複合材料を用いた試料8は、バインダになるフェノー
ルレジンの量が不足してパッドに成形できず、従って、
評価も行えなかった。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合材料
は、発泡バーミキュライトに熱硬化性樹脂を含浸させて
拘束タイプの制振構造を作りだしたものであるから造粒
工程や粉砕工程を必要とせず、安価な設備で簡単に作る
ことができる。
【0052】また、工程が単純なため、条件管理巾も大
きく、安定した品質の製品を安価に作ることができる。
【0053】さらに、拘束タイプであるので振動の吸
収、減衰効果が高く、かつ、発泡バーミキュライトと熱
硬化樹脂の組合わせであるので耐熱性にも優れる。
【0054】また、この複合材料を添加して作られる本
発明の摩擦材は、複合材料のもつ制振作用と発泡バーミ
キュライトの層間剥離によるスティックスリップの抑制
作用により、優れた鳴き防止効果が得られ、耐熱性の低
下も起こらない。
【0055】なお、本発明の制振用複合材料は、摩擦材
だけでなく、振動抑制の必要な樹脂製カバー、各種機器
類のプラスチックマウントなどに添加しても優れた効果
を発揮する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡バーミキュライトの層間に、熱硬化
    性樹脂が存在する単粒子構造又は単粒子が凝集した構造
    の制振用複合材料。
  2. 【請求項2】 液状熱硬化性樹脂の発泡バーミキュライ
    トに対する含浸量を、バーミキュライトの最大液体保持
    量の30〜100%にしてある請求項1記載の制振用複
    合材料。
  3. 【請求項3】 最終製品に含まれた状態下で、発泡バー
    ミキュライトの層に垂直な断面視において、発泡バーミ
    キュライトの層間の50%以上の面積を熱硬化性樹脂及
    びそれと同時に含浸した材料が占める状態になっている
    請求項1又は2記載の制振用複合材料。
  4. 【請求項4】 最終製品に含まれた状態下で、材料の粒
    径が6mm以下又は熱硬化性樹脂含浸前の発泡バーミキ
    ュライトの粒径の10倍以下になっている請求項1、2
    又は3記載の制振用複合材料。
  5. 【請求項5】 補強繊維と摩擦・摩耗調整材である粉粒
    体を熱硬化性のバインダレジンで結合させて成る摩擦材
    であって、その原料混合物中に請求項1乃至4のいずれ
    かの制振用複合材料を含むことを特徴とする摩擦材。
JP24770594A 1994-10-13 1994-10-13 制振用複合材料及びそれを用いた摩擦材 Pending JPH08109936A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000104338A (ja) * 1998-07-31 2000-04-11 Ohbayashi Corp ボルト接合部の制振構造
JP2009109014A (ja) * 1999-04-06 2009-05-21 Ohbayashi Corp ボルト接合部の制振構造
JP2012017759A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Akebono Brake Ind Co Ltd 摩擦ダンパー用ライニング

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