JPH08109537A - ドビー機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シンプルな機構による高速の運転が行え、誤
作動の発生時には、直ちに織機の停止が行え、かつ、ド
ビー機内の冷却効果を有し、ドビー機内に風綿等の侵入
を防止出来るドビー機を得る。 【構成】 ジャックレバー揺動機構の可動部の動きを検
知したセンサー信号と、リーディングレバー揺動機構作
動用のパターン信号との両信号を受ける比較回路を有
し、比較回路でセンサー信号の欠落を検知したとき、織
機停止信号を発する織機停止回路を有する。また、ジャ
ックレバー揺動機構内のリーディングレバーに、流路開
閉手段により操作される流体シリンダを、また前記ジャ
ックレバー揺動機構内の可動部材にその動きを検知する
センサーをそれぞれ設け、該センサーの検知信号と前記
流路開閉手段操作用のパターン信号とを比較する比較回
路を設けてなり、該比較回路に前記センサーの検知信号
の入力がない時織機を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、織機のヘルドフレーム
を昇降するドビー機に関する。

【０００２】

【従来の技術】織機に設けられている複数のヘルドフレ
ームを選択的に上昇又は下降させるために、ヘルドフレ
ームに設けられたワイヤを引くドビー機のジャックレバ
ーを選択するための手段として、ジャックレバーの揺動
機構内のフックを掛け外すことにより、ジャックレバー
の揺動駆動源とジャックレバーとの間の動作伝達を入り
切りすることが行われている。前記のフックの係合離脱
の手段として、ヘルドフレームの上下動に連動して、ス
テップ送りされるペグシリンダーのペグによりフックを
押圧し変位させるもの、或いはフックの変位に電磁石の
吸引力を利用するもの等が知られている。

【０００３】しかし、前者は作動ペグ配置に手間を要
し、電磁石を用いたものは、コンピュータ制御により組
織を任意に変更できる特徴はあるが、電磁石の吸着力を
小さくして省エネ，発熱の制御を行っており、メカ的機
構が複雑となり高速化に限界があった。

【０００４】また、ドビー機は１分間に平均６００回以
上のヘルドフレームの昇降を繰り返す連続操業であるた
めに、誤作動の発生率を極めて低く保たなければなら
ず、更に上記連続運転のためドビー機本体内が高温とな
り、かつ、風綿等の本体内への侵入付着に対しても常時
の除去は難しかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みて、シンプルな機構による高速の運転が行え、誤作動
の発生時には、直ちに織機の停止が行え、かつ、ドビー
機内の冷却効果を有し、ドビー機内に風綿等の侵入を防
止出来るドビー機を得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】ジャックレバー揺動機構
内のリーディングレバーに、該リーディングレバー揺動
用流体シリンダを付設し、流体シリンダ作動時にリーデ
ィングレバーを揺動させる。また、本発明ドビー機はジ
ャックレバー揺動機構の可動部の動きを検知したセンサ
ー信号と、リーディングレバー揺動機構作動用のパター
ン信号との両信号を受ける比較回路を有し、比較回路で
センサー信号の欠落を検知したとき、織機停止信号を発
する織機停止回路を有する。そして、ジャックレバー揺
動機構内のリーディングレバーに、流路開閉手段により
操作される流体シリンダを、また前記ジャックレバー揺
動機構内の可動部材にその動きを検知するセンサーをそ
れぞれ設け、該センサーの検知信号と前記流路開閉手段
操作用のパターン信号とを比較する比較回路を設けてな
り、該比較回路に前記センサーの検知信号の入力がない
時織機を停止する

【０００７】

【作用】ジャックレバー揺動機構内のボークプレートに
設けられている可動フックとリーディングレバーに連動
する保持フックとの係合を、選択された流体シリンダー
によりリーディングレバーを付勢して操作アームの旋回
を行う。

【０００８】作動させる流体シリンダの選択は、織機内
に記憶されている織地の組織に基ずいて織機から出され
るパターン信号に基づいて電磁バルブを操作することに
より行なわれ、流体シリンダに作動の信号が出されると
同時にその信号は比較器にも入り、ジャックレバー揺動
機構の可動部の揺動を検出するセンサーからの信号と対
比され、両信号が併存したときは織機からの信号に基ず
いて正常に作動したことを知る。両信号が併存しなかっ
たときは織機が正常に働かなかったとしてドビー機を停
止する。

【０００９】

【実施例】本発明ドビー機の実施の一例を図面と共に次
に説明るする。

【００１０】図１に示すドビー機断面図において、ジャ
ックレバー１は固定軸２により揺動自在に支持され、そ
の先端に図示しないヘルドフレームに連なるワイヤーケ
ーブルの端部連結金具３を係止する。ジャックレバー１
に並設して固定軸４に揺動自在にく字形レバー５を揺動
自在に支持し、く字形レバー５とジャックレバー１とを
く字形レバー５に支点を有するレバー比調節アーム６で
連結する。同アーム６の自由端は適宜の係止手段が設け
られジャックレバー１との係止位置を変えることにより
く字形レバー５に対するジャックレバー１の揺動量を調
節することが出来るようにしている。

【００１１】く字形レバー５の先端には複数の板状体を
並設してなるボーク７をその中央部分において軸８で支
持し、ボーク７の上下両端には、可動フック９ａ，９ｂ
を軸１０ａ，１０ｂにより支持する。上記ボーク７を揺
動させるプッシャー１１は、ボーク７の両側に位置する
基板と、それを連結する上下のプッシングバー１１ａ，
１１ｂとよりなり、フレームに固定された軸１２に揺動
自在に支持されている。前記ボーク７の支持軸８とプッ
シヤー１１の支持軸１２とはそれぞれ独立しており、軸
８の両端部側方に左右の軸１２が位置する。

【００１２】プッシャー１１には、図２に示す如く、プ
ッシャー揺動用のロッキングレバー１５が枢支されてい
る。ロッキングレバー１５は後述する機構により左右往
復動しプッシヤー１１を軸１２を中心に揺動する。ロッ
キングレバー１５はその軸方向に延びるスライド溝１６
を有し、該溝１６内にカムシャフト１７に遊嵌したガイ
ドブロック１８を摺動嵌合している。カムシャフト１７
にはカム板１９が固定され、その両側にはカム板１９の
カム面に当接するカムフォロワ２０，２１がロッキング
レバー１５に設けられている。前記カムシャフト１７は
織機と連動して回転する。

【００１３】上記のジャックレバー１，く字形レバー
５，レバー比調節アーム６，ボーク７，プッシャー１
１，ロッキングレバー１５及び後述するリーディングレ
バー制御装置２５とによりジャックレバー揺動機構２６
が構成される。

【００１４】リーディングレバー制御装置２５を次に説
明する。前記ボーク７の前面に一対の支持軸２７ａ，２
７ｂによりリーディングレバー２８ａ，２８ｂ及び保持
フック２９ａ，２９ｂを設ける。リーディングレバー２
８ａ，２８ｂの周辺の装置は対称構造をなしているので
一方のリーディングレバー２８ａの周辺の装置につき説
明し、他方は同符号にｂを付して構造の説明は省略す
る。リーディングレバー２８ａは、軸位置より２方向に
延び、その一方を後述する流体シリンダ３０のロッド頭
部３１と当接する当接部３２ａとし、反対側に延びる延
長部３３ａと前記保持フック２９ａとの間にスプリング
３４ａを架け渡し、延長部３３ａの基部に設けたＬ字状
に屈曲したストッパー３５ａを保持フック２９ａに当接
している。

【００１５】リーディングレバー２８ａには切欠３６ａ
を設け、補助レバー３７ａのフック部３８ａを係止す
る。補助レバー３７ａは固定軸３９ａに揺動自在に支持
され、一端には前記補助レバー３７ａの切欠３６ａに係
止するフック部３８ａを、反対端にはフレームに固定し
た係止部材４０ａに係止されたスプリング４１ａを係止
し、常に先頭のフック部３８ａが切欠３６ａに噛み合う
ような方向に付勢されている。

【００１６】上記、切欠３６ａとフック部３８ａとの噛
み合いを解くためのシフターカム４２ａを軸４３ａによ
り支持し、シフターカム４２ａと補助レバー３７ａのカ
ムフオロワ４４ａとを当接させている。前記保持フック
２９ａ，２９ｂ間にスプリング４５を架け渡す。４６
ａ，４６ｂは補助フック２９ａ，２９ｂのストッパーで
ある。

【００１７】リーディングレバー２８ａ，２８ｂの当接
部３２ａ，３２ｂは側面から見た状態において重なって
いるが、該部分に対面して流体シリンダー３０をリーデ
ィングレバー２８の数に対応して設ける。流体シリンダ
ー３０は流路開閉手段としての電磁バルブ４７により流
路のオンオフがなされロッド頭部３１を突出し退没させ
ている。

【００１８】電磁バルブ４７の操作機構は次の如くであ
る。織機５０内に織物の柄組織に応じた緯糸開口の経過
を記憶させておき、その記憶による信号を電磁バルブ４
７に出力する。５１はセンサーで、図示の本実施例では
ジャックレバー１がヘルドフレームのワイヤーを引いて
旋回動したことを検知することが出来る位置に設けら
れ、その検知出力は比較回路５２に入る。比較回路５２
には、織機５０からの電磁バルブ４７を操作するための
パターン信号が電磁バルブ４７時に入るよう接続され、
両信号を共に検知したときには異常なしとし、パターン
信号のみを比較回路が検知し、ジャックレバー揺動信号
を検知しないときは揺動運動に異常ありとし、その結果
を織機５０に報じ織機５０を停止させる。

【００１９】次に、本発明装置のジャックレバー揺動機
構の作用につき説明する。

【００２０】織機５０からのパターン信号に基づいて、
所定の経糸を開口すべく選定された電磁バルブ４７が作
動し、流体シリンダ３０の頭部３１を突出する。このと
きシフターカム４２ａはその低部と補助レバー３７ａの
カムフオロワ４４ａとが接しているので補助レバー３７
ａのフック部３７ａはリーディングレバー２８ａの切欠
３６ａと係合している。

【００２１】一方シフターカム４２ｂは、その頂部を補
助レバー３７ｂのカムフオロワ４４ｂと接しているた
め、補助レバー３７ｂはスプリング４１ｂの弾発力に抗
して図１において反時計針方向に旋回しフック部３７ｂ
をリーディングレバー２８ａの切欠３６ｂから外してい
る。流体シリンダ３０の頭部３１の突出によりリーディ
ングレバー２８ｂは反時計針方向に旋回する。この旋回
により延長部３３ｂがスプリング３４ｂを引くため保持
フック２９ｂも反時計針方向に旋回し、その先端を可動
フック９ｂに係止する。この状態のとき織機運転と同期
して回転するカムシャフト１７の回転によりカム板１９
が回転しその両側のカムフオロワ２０，２１を介してロ
ッキングレバー１５を往復動し、その動きをく字状レバ
ー５，レバー比調節アーム６を介してジャックレバー１
に伝えヘルドフレームに連なるワイヤーケーブルを引
く。

【００２２】ジャックレバー１の揺動したことをセンサ
ー５１が検知するとその検知信号を比較回路５２に送
り、先に織機５０から電磁バルブ４７に対して出力され
たパターン信号と比較し両信号が共にあることを確認
し、もしこのときセンサー信号が検知されなければ織機
の運転を停止する。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、リーディングレバーを直接的
に制御する流体シリンダを設けているため、その作動に
高い信頼性が得られ、また、機構的に極めて簡単なもの
とすることが出来、運転の高速化を達成することが出来
た。

【００２４】また、流体シリンダを作動するパターン信
号とジャックレバー振動機構の可動部材の動きを検出す
るセンサーの検知信号との両信号を検知することによ
り、パターン信号が発せられたにもかかわらず、揺動運
動がないときは直ちに織機を停止することが出来るので
織物に不良品を出すことがない。

【００２５】更に、流体シリンダにエアシリンダを使用
したときはシリンダから排出されるエアによりトビー機
内を冷却することが出来、かつ、ドビー機内に風綿が侵
入するのを防止することも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明ドビー機の、ロッキングレバーを除いた
状態の縦断面図。

【図２】本発明ドビー機の、ロッキングレバーを含む一
部切除した状態の縦断面図。

【図３】本発明ドビー機の、リーディングレバー制御装
置の縦断面図。

【図４】本発明ドビー機の、信号回路の略図。

【符号の説明】

１ ジャックレバー ２５ リーディングレバー制御装置 ２６ ジャックレバー揺動機構 ２８ａ，２８ｂ リーディングレバー ３０ 流体シリンダ ４７ 電磁バルブ ５０ 織機 ５１ センサー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ジャックレバー揺動機構内のリーディン
   グレバーに、該リーディングレバー揺動用流体シリンダ
   を付設し、流体シリンダ作動時にリーディングレバーを
   揺動させることを特徴とするドビー機。
2. 【請求項２】 ジャックレバー揺動機構の可動部の動き
   を検知したセンサー信号と、リーディングレバー揺動機
   構作動用のパターン信号との両信号を受ける比較回路を
   有し、比較回路でセンサー信号の欠落を検知したとき、
   織機停止信号を発する織機停止回路を有することを特徴
   とするドビー機。
3. 【請求項３】 ジャックレバー揺動機構内のリーディン
   グレバーに、流路開閉手段により操作される流体シリン
   ダを、また前記ジャックレバー揺動機構内の可動部材に
   その動きを検知するセンサーをそれぞれ設け、該センサ
   ーの検知信号と前記流路開閉手段操作用のパターン信号
   とを比較する比較回路を設けてなり、該比較回路に前記
   センサーの検知信号の入力がない時織機を停止するドビ
   ー機。