JPH08109417A - 連続焼鈍炉の雰囲気ガス置換法 - Google Patents
連続焼鈍炉の雰囲気ガス置換法Info
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- JPH08109417A JPH08109417A JP27185694A JP27185694A JPH08109417A JP H08109417 A JPH08109417 A JP H08109417A JP 27185694 A JP27185694 A JP 27185694A JP 27185694 A JP27185694 A JP 27185694A JP H08109417 A JPH08109417 A JP H08109417A
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- furnace
- annealing furnace
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋼板の連続焼鈍炉の雰囲気ガスを効率的に置
換する。 【構成】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部２、均熱
部３、徐冷部４、第１急冷部５、再加熱部６、過時効部
７、８、第２急冷部９の各部にそれぞれパージガスを導
入する際、以下の〜の手段を単独で、または組み合
わせて実施する。 各部へのパージガスの投入量を少なくとも１つの部
で多くし、各部内に圧力差を形成する。 各部上方から雰囲気ガスを断続的に炉外へ放散し、
各部の雰囲気ガスの局所的滞留域を実質的に消滅させ
る。 各部内のＯ2 濃度に応じてパージガスにＨ2 を混入
して各部へ導入し、炉内Ｏ2 濃度を低減する。 【効果】 炉内パージ時間を大幅に短縮することができ
る。
換する。 【構成】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部２、均熱
部３、徐冷部４、第１急冷部５、再加熱部６、過時効部
７、８、第２急冷部９の各部にそれぞれパージガスを導
入する際、以下の〜の手段を単独で、または組み合
わせて実施する。 各部へのパージガスの投入量を少なくとも１つの部
で多くし、各部内に圧力差を形成する。 各部上方から雰囲気ガスを断続的に炉外へ放散し、
各部の雰囲気ガスの局所的滞留域を実質的に消滅させ
る。 各部内のＯ2 濃度に応じてパージガスにＨ2 を混入
して各部へ導入し、炉内Ｏ2 濃度を低減する。 【効果】 炉内パージ時間を大幅に短縮することができ
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は鋼板（鋼帯）の連続焼鈍
炉における雰囲気ガス置換法、特に置換作業を効率良く
行うことができる雰囲気ガス置換法に関する。
炉における雰囲気ガス置換法、特に置換作業を効率良く
行うことができる雰囲気ガス置換法に関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車、家電製品等に用いる加工用冷延
鋼帯を熱処理するために、連続焼鈍が採用されている。
この連続焼鈍の中核をなす連続焼鈍炉は通常加熱部、均
熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、及び
第２急冷部に区分されており、鋼帯はこれらの各部を順
次通過することによって所望の加熱及び冷却を受ける。
これらのうち過時効部は、第１過時効部と第２過時効部
の２つに区分される場合もある。
鋼帯を熱処理するために、連続焼鈍が採用されている。
この連続焼鈍の中核をなす連続焼鈍炉は通常加熱部、均
熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、及び
第２急冷部に区分されており、鋼帯はこれらの各部を順
次通過することによって所望の加熱及び冷却を受ける。
これらのうち過時効部は、第１過時効部と第２過時効部
の２つに区分される場合もある。
【０００３】このような鋼板の連続焼鈍においては、鋼
板表面の酸化を防止するために、操業中の炉内雰囲気を
非酸化性雰囲気にすることが必要とされている。このた
め、定期修理後等の操業立上げ時に焼鈍炉内にＮ2 等の
不活性ガスを吹き込んで、炉内のＯ2 をパージする。
板表面の酸化を防止するために、操業中の炉内雰囲気を
非酸化性雰囲気にすることが必要とされている。このた
め、定期修理後等の操業立上げ時に焼鈍炉内にＮ2 等の
不活性ガスを吹き込んで、炉内のＯ2 をパージする。
【０００４】従来の雰囲気置換法は、例えば特公昭６２
−４８７２８号公報に記載されているように、焼鈍炉を
構成する各部毎に上下位置からＮ2 ガスを導入すると共
に、炉全体のほぼ中間部位置、例えば１次急冷部にブロ
アーを用いて炉内雰囲気を吸引し、炉内ガス流れをすべ
て炉中央部に向かう無駄の無い流れとし、Ｏ2 の炉内滞
留を減少させてパージ時間を短縮していた。
−４８７２８号公報に記載されているように、焼鈍炉を
構成する各部毎に上下位置からＮ2 ガスを導入すると共
に、炉全体のほぼ中間部位置、例えば１次急冷部にブロ
アーを用いて炉内雰囲気を吸引し、炉内ガス流れをすべ
て炉中央部に向かう無駄の無い流れとし、Ｏ2 の炉内滞
留を減少させてパージ時間を短縮していた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この雰
囲気置換法にも次のような課題が残っており、生産性向
上、省エネルギー化等の改善が望まれる。すなわち、炉
全体には流れが生ずるが、炉の角部等に局所的な滞留部
が残存し、この部分のＯ2 のＮ2 への置換効率が向上で
きない。また、ブロアーで吸引するため、設備費やラン
ニングコストの電力が必要である。さらに、Ｏ2 濃度が
１％以下の数千ｐｐｍオーダーになってからの濃度低下
に時間がかかる。
囲気置換法にも次のような課題が残っており、生産性向
上、省エネルギー化等の改善が望まれる。すなわち、炉
全体には流れが生ずるが、炉の角部等に局所的な滞留部
が残存し、この部分のＯ2 のＮ2 への置換効率が向上で
きない。また、ブロアーで吸引するため、設備費やラン
ニングコストの電力が必要である。さらに、Ｏ2 濃度が
１％以下の数千ｐｐｍオーダーになってからの濃度低下
に時間がかかる。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の連続焼鈍炉の雰
囲気ガス置換法は、以下の〜の通りである。
囲気ガス置換法は、以下の〜の通りである。
【０００７】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、各部へのパージガス
の投入量を少なくとも１つの部で多くし、各部内に圧力
差を形成することを特徴とする連続焼鈍炉の雰囲気ガス
置換法。
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、各部へのパージガス
の投入量を少なくとも１つの部で多くし、各部内に圧力
差を形成することを特徴とする連続焼鈍炉の雰囲気ガス
置換法。
【０００８】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、各部上方から雰囲気
ガスを断続的に炉外へ放散し、各部の雰囲気ガスの局所
的滞留域を実質的に消滅させることを特徴とする連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法。
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、各部上方から雰囲気
ガスを断続的に炉外へ放散し、各部の雰囲気ガスの局所
的滞留域を実質的に消滅させることを特徴とする連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法。
【０００９】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、各部内のＯ2 濃度に
応じてパージガスにＨ2 を混入して各部へ導入し、炉内
Ｏ2 濃度を低減することを特徴とする連続焼鈍炉の雰囲
気ガス置換法。
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、各部内のＯ2 濃度に
応じてパージガスにＨ2 を混入して各部へ導入し、炉内
Ｏ2 濃度を低減することを特徴とする連続焼鈍炉の雰囲
気ガス置換法。
【００１０】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、前記〜の置換法
の少なくとも２つを組み合わせることを特徴とする連続
焼鈍炉の雰囲気ガス置換法。
均熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第
２急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼
鈍炉の雰囲気ガス置換法において、前記〜の置換法
の少なくとも２つを組み合わせることを特徴とする連続
焼鈍炉の雰囲気ガス置換法。
【００１１】
【作用】本発明の基本的な考え方は、炉の角部等の局所
的な滞留部に対しては、局所的に攪拌力を向上させ、設
備投資が必要なハード改造ではなく、操業条件によるソ
フト上の変更で済ませ、Ｏ2 濃度が数千ｐｐｍオーダー
以下でのパージガス置換効率を上げるため、攪拌力上昇
という従来の物理的方法に加え、吸着・化学反応等の化
学的方法も取り入れるということである。これにより、
パージ時間の短縮による生産性の向上、パージガスＮ2
の低減、炉加熱費のランニングコスト低減を図る。
的な滞留部に対しては、局所的に攪拌力を向上させ、設
備投資が必要なハード改造ではなく、操業条件によるソ
フト上の変更で済ませ、Ｏ2 濃度が数千ｐｐｍオーダー
以下でのパージガス置換効率を上げるため、攪拌力上昇
という従来の物理的方法に加え、吸着・化学反応等の化
学的方法も取り入れるということである。これにより、
パージ時間の短縮による生産性の向上、パージガスＮ2
の低減、炉加熱費のランニングコスト低減を図る。
【００１２】第１発明では、各部でパージガスの投入量
を変更するだけなので既存の連続焼鈍炉が使用可能であ
り、設備投資が不要でランニングコストも増えない。ま
た、この炉内の圧力差によって炉内高圧部から炉内低圧
部へ雰囲気ガスの流れが生じ、効率的にＯ2 主体ガスで
ある大気を例えばＮ2 主体ガスであるパージガスに置換
することができる。
を変更するだけなので既存の連続焼鈍炉が使用可能であ
り、設備投資が不要でランニングコストも増えない。ま
た、この炉内の圧力差によって炉内高圧部から炉内低圧
部へ雰囲気ガスの流れが生じ、効率的にＯ2 主体ガスで
ある大気を例えばＮ2 主体ガスであるパージガスに置換
することができる。
【００１３】また、継続的に雰囲気ガスを各部上方から
放散すると、ガスの流路ができてしまい、炉の角部等に
雰囲気滞留部が生じてしまう。そこで、第２発明では、
一時的に炉上方からの雰囲気ガス放散を停止する。これ
により雰囲気流れが変わり、雰囲気滞留部が攪拌され
て、効率的にＯ2 ガスを例えばＮ2 ガスであるパージガ
スに置換することができる。これも雰囲気ガスの放散パ
ターンを変更するだけなので、設備投資が不要でランニ
ングコストも増えない。
放散すると、ガスの流路ができてしまい、炉の角部等に
雰囲気滞留部が生じてしまう。そこで、第２発明では、
一時的に炉上方からの雰囲気ガス放散を停止する。これ
により雰囲気流れが変わり、雰囲気滞留部が攪拌され
て、効率的にＯ2 ガスを例えばＮ2 ガスであるパージガ
スに置換することができる。これも雰囲気ガスの放散パ
ターンを変更するだけなので、設備投資が不要でランニ
ングコストも増えない。
【００１４】炉内Ｏ2 濃度が数千ｐｐｍオーダーになる
と、攪拌力の向上だけでは炉内Ｏ2濃度を効率的に下げ
ることはできないので、第３発明では、パージガスにＨ
2 を混入して各部へ導入してＨ2 とＯ2 の化学反応によ
りＨ2 Ｏを生成させ、これを炉温で気化させてＯ2 濃度
を効果的に低減する。
と、攪拌力の向上だけでは炉内Ｏ2濃度を効率的に下げ
ることはできないので、第３発明では、パージガスにＨ
2 を混入して各部へ導入してＨ2 とＯ2 の化学反応によ
りＨ2 Ｏを生成させ、これを炉温で気化させてＯ2 濃度
を効果的に低減する。
【００１５】前記第１〜３発明は相反するものではな
く、これらの少なくとも２つを組み合わせると相乗効果
によりＯ2 濃度を更に効率的に低減することができ、生
産性を著しく改善できる。
く、これらの少なくとも２つを組み合わせると相乗効果
によりＯ2 濃度を更に効率的に低減することができ、生
産性を著しく改善できる。
【００１６】以下、本発明の詳細について、図面を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【００１７】図１は第１発明を実施するための連続焼鈍
設備の配管例を示す。ここでは連続焼鈍炉のほぼ中央部
の第１急冷部５にＮ2 ガスを投入し、図２に示すように
第１急冷部５の内圧を前後の各部の内圧より高くして、
炉中央部から炉入側の加熱部２と炉出側の第２急冷部９
への流れを生じさせ、炉の角部付近に発生する滞留域を
攪拌してＯ2 ガスの排気を促進し、Ｎ2 ガスへの置換効
率を向上させる。第１急冷部５へのＮ2 投入量は炉容
積、投入箇所により適宜選定すればよいが、炉全投入量
の１〜３割程度であり、前後炉との炉圧差は１０〜１０
０ｍｍＡｑ程度あれば十分である。
設備の配管例を示す。ここでは連続焼鈍炉のほぼ中央部
の第１急冷部５にＮ2 ガスを投入し、図２に示すように
第１急冷部５の内圧を前後の各部の内圧より高くして、
炉中央部から炉入側の加熱部２と炉出側の第２急冷部９
への流れを生じさせ、炉の角部付近に発生する滞留域を
攪拌してＯ2 ガスの排気を促進し、Ｎ2 ガスへの置換効
率を向上させる。第１急冷部５へのＮ2 投入量は炉容
積、投入箇所により適宜選定すればよいが、炉全投入量
の１〜３割程度であり、前後炉との炉圧差は１０〜１０
０ｍｍＡｑ程度あれば十分である。
【００１８】図３は炉内のガス対流を模式的に示す。図
３（ａ）は従来法により常時炉上方から雰囲気ガスを炉
外へ放散する場合を示す。炉内に雰囲気ガスの通り道が
できてしまい、角部付近に雰囲気ガス滞留域１８が発生
する。これに対して、図３（ｂ）に示すように、第２発
明では一時的に炉の各部上方から雰囲気ガスを炉外へ放
散するのをやめる。すると、投入したＮ2 ガスが滞留域
へ流れ込み、雰囲気ガスを攪拌する。これにより炉の角
部付近の雰囲気ガス中Ｏ2 濃度を効果的に低減できる。
炉上方からの雰囲気ガスの放散と停止の間隔は炉容積、
放散箇所、放散ガス量により適宜決めればよく、特に制
約を受けるものではないが、おおむね５分〜２時間が好
ましく、放散時間を放散停止時間より短目にすると攪拌
力が一層向上し、好ましい。
３（ａ）は従来法により常時炉上方から雰囲気ガスを炉
外へ放散する場合を示す。炉内に雰囲気ガスの通り道が
できてしまい、角部付近に雰囲気ガス滞留域１８が発生
する。これに対して、図３（ｂ）に示すように、第２発
明では一時的に炉の各部上方から雰囲気ガスを炉外へ放
散するのをやめる。すると、投入したＮ2 ガスが滞留域
へ流れ込み、雰囲気ガスを攪拌する。これにより炉の角
部付近の雰囲気ガス中Ｏ2 濃度を効果的に低減できる。
炉上方からの雰囲気ガスの放散と停止の間隔は炉容積、
放散箇所、放散ガス量により適宜決めればよく、特に制
約を受けるものではないが、おおむね５分〜２時間が好
ましく、放散時間を放散停止時間より短目にすると攪拌
力が一層向上し、好ましい。
【００１９】炉内Ｏ2 濃度が数千ｐｐｍオーダーになる
と、攪拌力の向上だけでは炉内Ｏ2濃度を効率的に下げ
ることはできない。そこで、第３発明ではパージガスに
Ｈ2を混入して各部へ導入し、Ｈ2 とＯ2 の化学反応に
よりＨ2 Ｏを生成させ、これを炉温で気化させてＯ2 濃
度を効果的に低減する。この際、Ｈ2 Ｏの生成量が多く
炉内の露点（Ｄ．Ｐ．）が０℃以上になると、鋼板表面
にスケールが生成し易くなって、外観品質の極めて厳し
い鋼板では品質が低下することが懸念される。そこで
Ｄ．Ｐ．≦０℃の条件を満たすようにＨ2 を投入するこ
とが好ましい。ギブスの自由エネルギーと平衡定数Ｋの
関係より、式（１）数１が成り立つ。
と、攪拌力の向上だけでは炉内Ｏ2濃度を効率的に下げ
ることはできない。そこで、第３発明ではパージガスに
Ｈ2を混入して各部へ導入し、Ｈ2 とＯ2 の化学反応に
よりＨ2 Ｏを生成させ、これを炉温で気化させてＯ2 濃
度を効果的に低減する。この際、Ｈ2 Ｏの生成量が多く
炉内の露点（Ｄ．Ｐ．）が０℃以上になると、鋼板表面
にスケールが生成し易くなって、外観品質の極めて厳し
い鋼板では品質が低下することが懸念される。そこで
Ｄ．Ｐ．≦０℃の条件を満たすようにＨ2 を投入するこ
とが好ましい。ギブスの自由エネルギーと平衡定数Ｋの
関係より、式（１）数１が成り立つ。
【００２０】
【数１】
【００２１】式（１）より温度と各種気体の分圧の関係
を求めると、炉温によらずＯ2 はＨ2 と反応してＨ2 Ｏ
になることがわかる。このため、品質厳格材を含めて全
ての鋼板でＤ．Ｐ．≦０℃（＝Ｈ2 Ｏが３６００ｐｐ
ｍ）を満足するためには、式（２）数２の関係より、Ｏ
2 濃度が１８００ｐｐｍ以下になってからＨ2 を投入す
ることが望ましい。Ｈ2 の投入量は、Ｎ2 に混入する場
合には、０．１〜１％あれば十分である。
を求めると、炉温によらずＯ2 はＨ2 と反応してＨ2 Ｏ
になることがわかる。このため、品質厳格材を含めて全
ての鋼板でＤ．Ｐ．≦０℃（＝Ｈ2 Ｏが３６００ｐｐ
ｍ）を満足するためには、式（２）数２の関係より、Ｏ
2 濃度が１８００ｐｐｍ以下になってからＨ2 を投入す
ることが望ましい。Ｈ2 の投入量は、Ｎ2 に混入する場
合には、０．１〜１％あれば十分である。
【００２２】
【数２】 ２Ｈ2 ＋Ｏ2 → ２Ｈ2 Ｏ …式（２）
【００２３】以上の条件を満たしつつ、パージガスにＨ
2 を混入して各部へ導入すると、品質厳格材において
も、鋼板表面品位を低下させずに効果的にＯ2 濃度を低
減できる。Ｈ2 の導入は各部すべてに行うのが好ましい
が、１つの部、例えば第１急冷部に導入する場合には、
Ｎ2 へのＨ2 の混入比率を高めにしても、同様の効果が
得られる。
2 を混入して各部へ導入すると、品質厳格材において
も、鋼板表面品位を低下させずに効果的にＯ2 濃度を低
減できる。Ｈ2 の導入は各部すべてに行うのが好ましい
が、１つの部、例えば第１急冷部に導入する場合には、
Ｎ2 へのＨ2 の混入比率を高めにしても、同様の効果が
得られる。
【００２４】上記第１〜３発明の作用は相殺するもので
はなく、相乗するものなので、これらを併用するとＮ2
投入量が削減でき、炉内パージ時間も短縮できるので生
産性向上を図ることができる。
はなく、相乗するものなので、これらを併用するとＮ2
投入量が削減でき、炉内パージ時間も短縮できるので生
産性向上を図ることができる。
【００２５】
【実施例】図１に示す連続焼鈍設備において、定期修繕
後に連続焼鈍炉を操業立ち上げするために本発明を実施
した。比較例の結果も実施例と合わせて表１に示す。
後に連続焼鈍炉を操業立ち上げするために本発明を実施
した。比較例の結果も実施例と合わせて表１に示す。
【００２６】
【表１】
【００２７】注１）各部内の圧力差は、Ｎ2 ガスをパー
ジガスとして使用して各部に投入する際に、第１急冷部
の投入量を他部の投入量の１．１〜１．３倍にした。前
後各部との圧力差は１０〜１００ｍｍＡｑであった。但
し、炉内圧は炉の高さの中央部で測定した。
ジガスとして使用して各部に投入する際に、第１急冷部
の投入量を他部の投入量の１．１〜１．３倍にした。前
後各部との圧力差は１０〜１００ｍｍＡｑであった。但
し、炉内圧は炉の高さの中央部で測定した。
【００２８】注２）間欠放散は、各部上方の排出口より
雰囲気ガスの放散と放散停止を間欠的に行った。放散時
間は１０分〜１時間、放散停止時間は３０分〜２時間と
した。
雰囲気ガスの放散と放散停止を間欠的に行った。放散時
間は１０分〜１時間、放散停止時間は３０分〜２時間と
した。
【００２９】注３）Ｈ2 投入は各部のＯ2 濃度が１００
０ｐｐｍ以下で実施した。Ｈ2 の投入量は、Ｎ2 投入量
の０．１〜１％とした。パージ開始後のＨ2 の投入開始
までの時間は、５〜７時間であった。
０ｐｐｍ以下で実施した。Ｈ2 の投入量は、Ｎ2 投入量
の０．１〜１％とした。パージ開始後のＨ2 の投入開始
までの時間は、５〜７時間であった。
【００３０】注４）パージ時間は、パージを開始してか
ら完了する迄の時間である。パージ完了は、各部のＯ2
濃度が１００ｐｐｍ以下で判断した。
ら完了する迄の時間である。パージ完了は、各部のＯ2
濃度が１００ｐｐｍ以下で判断した。
【００３１】注５）Ｎ2 投入量は、パージ開始からパー
ジ完了迄に連続焼鈍炉に投入した全投入量を示す。操業
時のＮ2 投入量は含まない。
ジ完了迄に連続焼鈍炉に投入した全投入量を示す。操業
時のＮ2 投入量は含まない。
【００３２】注６）電力消費量は、比較例１を１として
相対値で示した。
相対値で示した。
【００３３】実施例は、比較例に比べてパージ時間が１
〜６時間／回短縮できた。雰囲気置換作業は平均月２回
生じるので、連続焼鈍炉の定常稼働率が０．３〜１．８
％向上し、鋼帯の熱処理量が０．３〜１．８％向上す
る。
〜６時間／回短縮できた。雰囲気置換作業は平均月２回
生じるので、連続焼鈍炉の定常稼働率が０．３〜１．８
％向上し、鋼帯の熱処理量が０．３〜１．８％向上す
る。
【００３４】
【発明の効果】本発明によれば、連続焼鈍炉の雰囲気ガ
ス置換法のパージ時間が従来に比べて著しく短縮できる
ので、パージ用ガス量、及び電力消費量が削減できる。
また、焼鈍処理の立上げ時間を大幅に短縮できるので、
熱処理の作業性が向上し生産性が増大する。本発明法
は、大幅な設備改造を伴わず、既存の設備・機械を使用
して実施できるので、ランニングコストが低い等のメリ
ットも大きい。
ス置換法のパージ時間が従来に比べて著しく短縮できる
ので、パージ用ガス量、及び電力消費量が削減できる。
また、焼鈍処理の立上げ時間を大幅に短縮できるので、
熱処理の作業性が向上し生産性が増大する。本発明法
は、大幅な設備改造を伴わず、既存の設備・機械を使用
して実施できるので、ランニングコストが低い等のメリ
ットも大きい。
【図１】本発明を実施するための連続焼鈍設備の配管例
を示す図である。
を示す図である。
【図２】連続焼鈍炉のＮ2 ガス投入量分布と内圧比の分
布の一例を示す図である。
布の一例を示す図である。
【図３】炉内のガス対流を示す図であり、（ａ）は常時
放散時、（ｂ）は放散停止時を示す。
放散時、（ｂ）は放散停止時を示す。
【図４】本発明によるパージ時間の短縮を具体的に示す
図である。
図である。
２ 加熱部 ３ 均熱部 ４ 徐冷部 ５ 第１急冷部 ６ 再加熱部 ７ 第１過時効部 ８ 第２過時効部 ９ 第２急冷部 １０ Ｎ2 ガス配管 １１ Ｈ2 ガス配管 １２ ガス混合器 １３ 排ガス配管 １４ 流量調整弁 １５ 放散ブロアー １６ 開閉弁 １７ パージガス流れ １８ 雰囲気ガス滞留域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 芳一 愛知県東海市東海町５−３ 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内
Claims (4)
- 【請求項１】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、均
熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第２
急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼鈍
炉の雰囲気ガス置換法において、各部へのパージガスの
投入量を少なくとも１つの部で多くし、各部内に圧力差
を形成することを特徴とする連続焼鈍炉の雰囲気ガス置
換法。 - 【請求項２】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、均
熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第２
急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼鈍
炉の雰囲気ガス置換法において、各部上方から雰囲気ガ
スを断続的に炉外へ放散し、各部の雰囲気ガスの局所的
滞留域を実質的に消滅させることを特徴とする連続焼鈍
炉の雰囲気ガス置換法。 - 【請求項３】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、均
熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第２
急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼鈍
炉の雰囲気ガス置換法において、各部内のＯ2 濃度に応
じてパージガスにＨ2 を混入して各部へ導入し、炉内Ｏ
2 濃度を低減することを特徴とする連続焼鈍炉の雰囲気
ガス置換法。 - 【請求項４】 鋼板の連続焼鈍炉を構成する加熱部、均
熱部、徐冷部、第１急冷部、再加熱部、過時効部、第２
急冷部の各部にそれぞれパージガスを導入する連続焼鈍
炉の雰囲気ガス置換法において、請求項１〜３記載の置
換法の少なくとも２つを組み合わせることを特徴とする
連続焼鈍炉の雰囲気ガス置換法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27185694A JPH08109417A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 連続焼鈍炉の雰囲気ガス置換法 |
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| JP27185694A JPH08109417A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 連続焼鈍炉の雰囲気ガス置換法 |
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-
1994
- 1994-10-12 JP JP27185694A patent/JPH08109417A/ja active Pending
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