JP3176679B2 - 転炉の精練方法 - Google Patents

転炉の精練方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合吹錬転炉、いわゆる
上底吹き転炉で吹錬のさいに脱硫とマンガン鉱石の還元
を同時に効率よく行なう方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より鋼の脱硫は転炉吹錬中の酸化性
雰囲気では反応が期待できないために炉外精練によって
いた。すなわち、溶銑段階での脱硫処理、あるいは転炉
出鋼後の2次精練における溶鋼脱硫処理が行なわれてい
た。したがって、脱硫促進策としてはもっぱら溶銑脱硫
あるいは溶鋼脱硫における反応効率向上に力が入れられ
てきており、転炉吹錬における脱硫に関してはその取り
組みが全くなされてこなかった。
【0003】一方、溶銑脱燐技術の進歩と平行して転炉
レススラグ吹錬を利用したマンガン鉱石の溶融還元法が
開発され、その還元歩留向上のための努力がなされてい
るが、その改善手段は大気圧精練前提の中での攪拌強化
による(FeO)低減策が代表的なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、脱硫に
ついては炉外精練によっているため必然的に工程が増
え、それによる設備費増、要員増、さらにはエネルギー
ロスによるコストアップの問題を不可避的にはらんでい
るため、有効なコストダウンにつながりにくかった。
【0005】また、転炉内におけるマンガン鉱石の溶融
還元においては大気圧精練を前提としていたために、攪
拌強化を徹底しても(FeO)低減には限界があり、こ
れについても有効な改善手段が見いだしにくかった。し
たがってこれらの目的、すなわち脱硫とマンガン鉱石還
元を転炉だけで、しかも効率よく反応させるための手段
が強く望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであって、溶銑予備処理にて脱燐処理を施した
溶銑を複合吹錬転炉で脱炭しながらマンガン鉱石を投入
して還元するさい、吹錬末期にスラグ排滓を施すこと無
く底吹きガスの流量を0.1Nm3 /min・t以上で
攪拌しつつ、転炉内を400Torr以下に減圧して、
スラグのCaO/SiO2 を2.5以上に調整すること
により、溶鋼の脱硫促進とマンガン鉱石の還元を効率よ
く行なうことを特徴とする転炉の精練方法である。
【0007】
【作用】本発明者らは、転炉内の脱硫とマンガン鉱石還
元を同時に促進する方法として、転炉吹錬末期の炉内を
減圧状態にすることを考えた。すなわち、CO分圧1気
圧での[C]−[O]平衡で規定された現状の吹止条件
([O]、(FeO))に対し、炉内を減圧にしてCO
分圧を1より小さな値に制御した場合には、平衡論的に
現吹止条件より同一[C]における鋼中[O]とスラグ
中(FeO)がいずれも減少することを利用するもので
ある。鋼中[O]とスラグ中(FeO)が低減すれば還
元反応である脱硫とマンガン鉱石還元の同時促進が期待
できる。
【0008】そこで、転炉吹錬末期条件における炉内圧
力とスラグの(FeO)濃度の関係および脱硫率、マン
ガン鉱石還元率との関係について種々実験を重ねた結
果、図1に底吹ガス量0.15Nm3 /min・t、吹
止[C]:0.08〜0.1%、CaO/SiO2
3.0〜3.3の場合についてその例を示すように炉内
圧力の低減の程度に応じてスラグ中の(FeO)が低下
し、それに伴って脱硫率が向上し、マンガン鉱石の還元
率も向上することが判明した。特に400Torr以下
でその効果が急増する。なお、これらのデータにおける
(FeO)はスラグ中の全鉄量からこれがすべてFeO
になっているとして求めた値である(以下も同様)。
【0009】脱硫およびマンガン鉱石還元の反応効率を
向上せしめる理由は上記したようにスラグ中の(Fe
O)の低減にあるが、これは以下のように解釈される。
すなわち、転炉内で起こる脱炭反応は、(1)式で示さ
れる。
【0010】 [C]+[O]=CO(g)・・・・・・・・・・・・(1)
【0011】ここで、(1)式の平衡定数K1 は、炉内
CO分圧をpco、(1)式の標準自由エネルギー変化を
△G0 coとすると数1で示される。なお鋼中[C]、
[O]は活量に代えて近似的に用いている(数2におい
ても同様)。
【0012】
【数1】
【0013】数1からわかるように、平衡定数K1 は一
定温度の下では一定となる。したがつて、炉内圧力を低
減することは、pcoを低減することであるので、K1
よび[C]一定の条件から[O]を低下せしめることが
できる。一方、スラグ中(FeO)は溶鋼Feと溶鋼中
の[O]との間で(2)式の平衡が成立する。
【0014】 (FeO)=Fe+[O]・・・・・・・・・・・・・(2)
【0015】ここで(2)式の平衡定数K2 はスラグ中
FeO活量をaFeO 、(2)式の標準自由エネルギー変
化を△G0 FeO とすると数2で示される。したがってス
ラグ中(FeO)は[O]の低減とともに低減する。
【0016】
【数2】
【0017】このように、転炉吹錬末期を減圧にするこ
とにより、鋼中[O]と(FeO)の低減が図られるた
め、還元反応である脱硫とマンガン鉱石還元反応を促進
することができる。
【0018】図1の実験は、小型上底吹き転炉による結
果であり、底吹き攪拌を0.15Nm3 /min・t一
定、スラグのCaO/SiO2 を3.0〜3.3のほぼ
一定の条件の下で行なったが、本発明者らは、更に底吹
き攪拌力あるいはCaO/SiO2 を種々変化させて実
験した。すなわち、減圧による(FeO)の低減効果は
基本的に得られるが、より平衡に近い濃度まで(Fe
O)を低減するためには当然底吹き攪拌力が大きい方が
有利である。また脱硫反応、マンガン還元反応のいずれ
もスラグのCaO/SiO2 が大きいほど有利であり、
スラグ組成の制御が重要な操作要因になるためである。
【0019】図2は炉内圧力を200Torr一定、吹
止[C]:0.08〜0.11%、スラグのCaO/S
iO2 :3.1〜3.4のほぼ一定条件で底吹き攪拌力
を変えた実験の結果を示している。図からわかるように
脱炭最盛期以降の吹錬末期における底吹き攪拌力が0.
1Nm3 /min・tより小さくなると、(FeO)が
十分に低減せずに脱硫およびマンガン鉱石還元が十分に
は進行しない。したがって、減圧の効果を享受するには
0.1Nm3 /min・t以上の攪拌力が必要である。
【0020】つぎに、吹止[C]:0.08〜0.11
%で炉内圧力を200Torr一定、底吹き攪拌力を
0.15Nm3 /min・t一定としてスラグのCaO
/SiO2 を変えた実験の結果を図3に示す。図から明
らかなとおりスラグのCaO/SiO2 が2.5より低
い領域では脱硫、マンガン鉱石還元のいずれも反応の進
行が十分ではない。これは脱硫についてはCaO/Si
2 が大きいほどスラグのCaOの活量が増大して、
(3)式の反応が促進するし、マンガン鉱石還元反応は
CaO/SiO2 が大きいほど平衡Mn分配比(Mn)
/[Mn]が小さくなって還元が促進されるためであ
る。
【0021】 (CaO)+[S]=(CaS)+[O]・・・・・・・・(3)
【0022】なお、減圧と攪拌力の必要条件を与える時
期として、転炉吹錬末期と規定したが、具体的には、脱
炭最盛期が終わり脱炭速度が低下し始めるいわゆるCB
点以降をその対象とする。なぜなら、CB より高[C]
領域では供給された酸素の全てが[C]と反応するた
め、減圧によって脱炭促進する意味をなさないし、たと
えこの領域に適用したことを想定しても多量のガスの膨
張により操業が極めて困難となることが予想され、現実
的ではない。
【0023】また、本発明を、溶銑予備処理にて脱燐し
た溶銑に対象を限った理由は、脱燐しない溶銑に本発明
を適用した場合、前述したようにスラグの(FeO)が
通常吹錬より遥かに低くなるために脱燐が不可能になる
ことによる。したがって、本発明は、溶銑脱燐技術を前
提として成立する新しい製錬方法を与えるものである。
【0024】本発明の方法を実施するためには転炉の炉
内を減圧する設備が必要である。図4(a)はその例を
示す転炉の断面図である。上吹きランス5と底吹き羽口
6を有する上底吹き転炉であるが、通常の廃ガス回収の
固定ダクト4と炉口との間にスライド式のフード3を設
け、通常の吹錬時には開けておくが減圧時にはこれを下
降させてシールするようになっている。図4(b)はこ
の部分の拡大図である。
【0025】一方、固定ダクト4の先では廃ガス回収装
置へ導かれるOGダクト7から減圧ダクト8が分岐して
おり、それぞれの入口にはOGダンパー1、減圧ダンパ
ー2が設けられている。通常の吹錬時にはOGダンパー
1を開、減圧ダンパー2を閉とし、減圧時にはそれぞれ
の開閉をこれと逆にする。減圧装置は一般の真空脱ガス
装置の場合と同様にスチームエジェクターやメカニカル
ブースターポンプが用いられる。
【0026】
【実施例】減圧装置を設けた350tの上底吹き転炉で
成分C:3.90〜4.50%、Si:0.01〜0.
03%、Mn:0.20〜0.30%、P:0.09〜
0.11%、S:0.020〜0.030%の溶銑を吹
錬した。脱炭最盛期の終点(CB 点)までは、通常転炉
と同様に1気圧のもとで吹錬し、CB 点以降を減圧にし
て[C]=0.08〜0.11%で吹止めた。また吹止
温度は1620〜1660℃とした。底吹き攪拌は、吹
錬開始から吹止まで一定のガス流量を流した。操業条件
と結果とをそれぞれ表1と表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】比較例1は減圧工程がないもの、比較例2
は減圧の圧力が不足のもの、比較例3および4は底吹き
ガス流量が不足のもの、比較例5および6はスラグのC
aO/SiO2 が不足のものであるが、いずれも脱硫
率、Mn歩留が悪くなっている。
【0030】
【発明の効果】本発明に従い溶銑予備処理で脱燐処理を
施した溶銑を減圧条件で攪拌力とスラグ組成を制御しつ
つ吹錬することにより、吹錬中の脱硫が著しく促進され
るとともに添加したマンガン鉱石の還元歩留も大きく向
上するため、低硫鋼の製造が容易になるとともにFe−
Mn系合金の使用量削減に伴うコストメリットも得ら
れ、本発明がこの種の産業分野にもたらす効果は極めて
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】転炉吹錬末期の炉内圧力とスラグ中(Fe
O)、吹錬前後の脱硫率、およびマンガン鉱石還元率の
関係を示すグラフ
【図2】底吹き攪拌力とスラグ中(FeO)、吹錬前後
の脱硫率、およびマンガン鉱石還元率の関係を示すグラ
【図3】スラグのCaO/SiOとスラグ中(Fe
O)、吹錬前後の脱硫率、およびマンガン鉱石還元率の
関係を示すグラフ
【図4】本発明を実施するための装置を説明する転炉の
断面図
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 1/02 C21C 5/28 - 5/36 C21C 7/00,7/064 C21C 7/076,7/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑予備処理にて脱燐処理を施した溶銑
    を複合吹錬転炉で脱炭しながらマンガン鉱石を投入して
    還元するさい、吹錬末期にスラグ排滓を施すこと無く底
    吹きガスの流量を0.1Nm3 /min・t以上で攪拌
    しつつ、転炉内を400Torr以下に減圧して、スラ
    グのCaO/SiO2 を2.5以上に調整することによ
    り、溶鋼の脱硫促進とマンガン鉱石の還元を効率よく行
    なうことを特徴とする転炉の精練方法。
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