JPH0810906Y2 - 記録再生装置の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば、フロッピーディスク装置をOA機器
等に取付けるのに最適な記録再生装置の取付装置に関す
るものである。

〔考案の概要〕

本考案は、フロッピーディスク装置等の記録再生装置
をOA機器等の取付フレームに取付ける際、ほぼコ字状の
シールドカバーを上方が開放されて同じくコ字状である
シャーシにねじ止めしてこのシャーシの上方を覆わせた
上、上記、シールドカバーに取付フレームをねじ止めす
ることにより、これらの取付けによるシャーシの変形を
防止できる上に、構造の簡素化を図ることができるよう
にしたものである。

〔従来の技術〕

従来は、フロッピーディスク装置をOA機器の取付フレ
ームに取付ける場合、フロッピーディスク装置のシャー
シを取付フレームに直接ねじ止めしていたために、ねじ
止め時の締付け力でシャーシに歪みや捩れ等の変形が生
じ易かった。

なおシャーシが変形すると、高精度に位置決めされて
いるフロッピーディスク装置のヘッドやターンテーブル
等に位置ずれや傾き等が生じて、これらのアライメント
に狂いが生じ、ヘッドのオフトラックやオフセット等の
問題を発生し、高密度の記録、再生を行えない等互換性
に悪影響を及ぼしてしまう。

そこで、本考案の出願人は、フロッピーディスク装置
のシャーシを取付け専用部材である中間フレームにねじ
止めし、この中間フレームをOA機器の取付フレームにね
じ止めするようにした先願例（実願昭61−152372号）を
先に出願している。

〔考案が解決しようとする課題〕

この先願例によれば、ねじ止め時の締付け力を中間フ
レームに吸収させることができるので、シャーシの歪み
や捩れ等の変形を防止することができる。

しかし、取付け専用部材として中間フレームを用いて
いるために、部品点数及び組立工数が多い上に、中間フ
レームが大きなスペースを取るために、OA機器に大きな
取付けスペースが必要であると言った問題点があった。

本考案は、取付け専用部材を用いることなく、シャー
シの歪みや捩れ等の変形を防止できるようにした記録再
生装置の取付装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の記録再生装置の
取付装置は、少なくとも記録媒体の記録再生ユニットが
その上方からねじでその上部に取り付けできるようにそ
の上方が開放されて断面がコ字状である記録再生装置の
シャーシと、その下方が開放されて断面がコ字状である
シールドカバーと、取付フレームとを有し、上記シャー
シの下部へねじ止めされる第１ねじ止め部と、上記取付
フレームへねじ止めされる第２ねじ止め部とを上記シー
ルドカバーの一対の側板に一体に設け、上記シールドカ
バーの第１ねじ止め部を上記シャーシの下部に下方から
ねじ止めして、上記記録再生ユニットを上記シールドカ
バーで覆わせると共に、上記シールドカバーの第２ねじ
止め部を上記取付フレームにねじ止めしたものである。

〔作用〕

上記のように構成された取付装置は、外部磁界をシー
ルドするシールドカバーが先願例の中間フレームを兼用
する構造であり、取付け専用部材を用いる必要がない。
そして、シールドカバーを介してシャーシを取付フレー
ムにねじ止めするので、そのねじ止め時の歪みや捩れ等
をシールドカバーで吸収させることができて、シャーシ
に歪みや捩れ等が生じない。しかも、記録媒体の記録再
生ユニットが上部にねじ止めされるシャーシの下部に、
シールドカバーの第１ねじ止め部を下方からねじ止めす
るように構成したので、シャーシに加工すべき多数のめ
ねじ孔のねじ立て面の一面化を図ることができる。

さらに上記のごとく構成された取付装置では、記録媒
体の記録再生ユニット等をシャーシの上部に取付ける作
業が極めて容易となり、部品コストの削減が可能とな
り、メンテナンスも容易となる。

〔実施例〕

以下、本考案を適用したOA機器等へのフロッピーディ
スク装置の取付装置の一実施例を図面を参照して説明す
る。

まず、記録再生装置の一例であるフロッピーディスク
装置１のシャーシ２は、アルミダイキャストや板金等か
ら成り、その上方は開放されて断面がコ字状を呈してい
る。またこのシャーシ２の前端には、合成樹脂等にて成
形され、カートリッジ挿入口３が設けられたフロントパ
ネル４が固着されている。そして、シャーシ２の上面2a
上には、スピンドル５、ターンテーブル６、上下一対の
磁気ヘッド７を有するヘッドアッセンブリ８、ヘッドア
ッセンブリ８を往復駆動するステッピングモータ９及び
リードスクリュー10が取付けられたモータブロック11、
ヘッドアッセンブリ８を案内するガイド軸12等が取付け
られている。また、シャーシ２の下面2b下には、スピン
ドル５及びターンテーブル６を回転駆動するスピンドル
モータ13、ステッピングモータ９やスピンドルモータ13
の駆動制御回路等が実装されたプリント基板14等が取付
けられている。

なお、モータブロック11、ガイド軸12及びプリント基
板14等は、シャーシ２に設けられたそれぞれ複数のめね
じ孔15、16及び17にそれぞれ複数のねじ18、19及び20に
よってシャーシ２の上方及び下方からねじ止めされてい
る。そして、このようにシャーシ２の上面2a上にねじ止
めされたモータブロック11及びガイド軸12によってヘッ
ドアッセンブリ８がシャーシ２の上面2a上に取付けら
れ、これらによって記録再生ユニット21が構成される。

そして、ディスクカートリッジ23がカートリッジ挿入
口３からシャーシ２の上部に挿入され、その内部に回転
自在に収納されている記録媒体であるフロッピーディス
ク24がスピンドル５及びターンテーブル６上に水平に装
着され、このフロッピーディスク24がスピンドルモータ
13によって高速で回転駆動される。そして、記録再生ユ
ニット21であるステッピングモータ９及びリードスクリ
ュー10によってヘッドアッセンブリ８が矢印ａ方向にガ
イド軸12に沿って往復駆動され、上下一対の磁気ヘッド
７によってフロッピーディスク24が半径方向に走査され
て、フロッピーディスク24の記録、再生が行われるよう
に構成されている。

そして、フロッピーディスク装置１の上部を覆うよう
にシャーシ２に取付けられて外部磁界をシールドするシ
ールドカバー27は、アルミニウム板等の板金のプレス加
工によって成形されたものであり、このシールドカバー
27は天板28、左右一対の側板29、30によって断面形状が
ほぼコ字状に成形され、更に背面板31等を一体に有して
いる。

そして、フロッピィーディスク装置１をOA機器（図示
せず）等の取付フレーム34に取付ける取付装置は、シー
ルドカバー27の両側板28、29を合計３個所でフロッピー
ディスク装置１のシャーシ２にねじ止めし、そのシール
ドカバー27を取付フレーム34に複数個所でねじ止めする
ように構成されている。なお、この際、取付フレーム34
は左右一対の側板35、36を有するものと、底板37のみの
ものと２種類使用され、両側板35、36をシールドカバー
27の両側板29、30に側方からねじ止めする側面固定方式
と、底板37を両側板29、30に下方からねじ止めする底面
固定方式との２方式が選択的に使用される。

次に、各ねじ止め部の詳細を説明する。

まず、シールドカバー27の一方の側板29の下端側の前
後２個所と他方の側板30の下端側の前後方向のほぼ中央
部の１個所との合計３個所に第１ねじ止め部40が設けら
れている。これらの各ねじ止め部40は両側板29、30の内
側に水平に切り起された突片41に上下方向に貫通された
ねじ挿入孔42を設けたものである。また、シールドカバ
ー27の両側板29、30の上記３つの第１ねじ止め部40より
低い位置の前後２個所の合計４個所に第２ねじ止め部43
が設けられている。これら第２ねじ止め部43は、両側板
29、30の下端縁から内側に水平に折り曲げられた４つの
突片44に上下方向に貫通された４つのめねじ孔45と、両
側板29、30の下端縁に水平方向に貫通された４つのめね
じ孔46とを有している。

次に、シールドカバー27をフロッピーディスク装置１
のシャーシ２の外側に第１図で矢印ｂ方向から水平にス
ライド嵌合させて、シールドカバー27の天板28、両側板
29、30及び３つの突片41で囲まれた空間内にシャーシ２
を相対的に挿入させる。そして、３つの第１ねじ止め部
40のねじ挿入孔42に下方から垂直に挿入した３つのねじ
47をシャーシ２に設けられた３つのめねじ孔48に下方か
らねじ止めして、シールドカバー27をシャーシ２に３点
でねじ止めする。なお、このシールドカバー27のシャー
シ２へのねじ止めにより、シールドカバー２の天板28、
両側板29、30及び背面板31によってシャーシ２の両側板
2cが上方、左右両側方及び後方から押え込まれて固定さ
れる。

次に、前記底面固定方式の場合は、実線で示すように
取付フレーム34の底板37の４隅に設けられた合計４つの
ねじ挿入孔49に下方から垂直に挿入した４つのねじ50を
シールドカバー27の４つの第２ねじ止め部43の４つのめ
ねじ孔45に下方からねじ止めする。

また、前記側面固定方式の場合は、１点鎖線で示すよ
うに取付フレーム34の両側板35、36に設けられた合計４
つのねじ挿入孔51から水平に挿入した４つのねじ52をシ
ールドカバー27の４つの第２ねじ止め部43の４つのめね
じ孔46にねじ止めする。

以上のように、この取付装置によれば、シールドカバ
ー27を介してシャーシ２を取付フレーム34にねじ止めす
るので、そのねじ止め時の歪みや捩れ等をシールドカバ
ー27で吸収させることができて、シャーシ２に歪みや捩
れ等が生じない。しかも、特に、シールドカバー27の３
点を３本のビス47でシャーシ２にねじ止めした３点支持
方式を採用したので、シャーシ２にシールドカバー27を
ねじ47でねじ止めす際及びシールドカバー27を取付フレ
ーム34にねじ50又は52でねじ止めする際に、シールドカ
バー27に歪みや捩れ等が発生しても、それがシャーシ２
に伝わらず、シャーシ２に歪みや捩れが生じることがな
い。従って、フロッピーディスク装置１のスピンドル
５、ターンテーブル６や磁気ヘッド７等のアライメント
に狂いが生じることが全くなく、磁気ヘッド７のオフト
ラックやオフセット等を未然に防止することができて、
フロッピーディスク24の高密度の記録、再生を行える。

更に、記録媒体であるフロッピーディスク24の記録再
生ユニット21が上面2a上にねじ止めされ、プリント基板
14が下面2b下にねじ止めされるシャーシ２の下面2b下
に、シールドカバー27の第１ねじ止め部40を下方からね
じ止めするように構成したので、シャーシ２には、記録
再生ユニット21、プリント基板14及びシールドカバー27
をそれぞれのねじ18、19、20及び47によってねじ止めす
るための多数のめねじ15、16、17及び48を上下方向であ
る一方向のみに加工すれば良い。従って、シャーシ２に
加工すべき多数のめねじ孔15、16、17及び48のねじ立て
面（タップ面）を一面化することができるので、これら
多数のめねじ孔15、16、17及び48をシャーシ２に同時に
簡単に加工でき、シャーシ２の加工コストを著しく下げ
ることができる。

また、シールドカバー27をシャーシ２に取付ける際、
シールドカバー27をシャーシ２に第１図で矢印ｂ方向か
ら簡単にスライド嵌合させることができるので、シール
ドカバー27の両側板29、30を弾性に抗して左右両側方に
無理に押し開いたりしなくても、シールドカバー27をシ
ャーシ２に簡単に取付けることができて、作業性が非常
に良い。

更に、シールドカバー27をシャーシ２にねじ止めした
状態では、シールドカバー27の天板28、両側板29、30及
び背面板31によってシャーシ２の左右両側板2cを上方、
左右両側方及び後方から押え込んで固定できるので、振
動、衝撃に対する特性の向上を図ることができる。

以上、本考案の実施例に付き述べたが、本考案は上記
実施例に限定されることなく、本考案の技術的思想に基
づいて、各種の有効な変更が可能である。

また本考案は、フロッピーディスク装置の取付装置に
限定されることなく、各種の記録再生装置の取付装置に
適用可能である。

〔考案の効果〕 本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

シールドカバーが先願例の中間フレームを兼用してい
て、取付け専用部材を用いる必要がないので、部品点数
及び組立工数が少なく、構造の簡素化及び低コスト化を
図ることができる。

先願例の中間フレームのような取付け専用部材を用い
ないので、取付けスペースを小さくでき、省スペース化
を図ることができる。

シールドカバーを介してシャーシを取付フレームにね
じ止めすることによって、そのねじ止め時の歪みや捩れ
等をシールドカバーで吸収させるようにして、シャーシ
に歪みや捩れ等が生じないようにしたので、記録再生装
置のヘッドやターンテーブル等のアライメントに狂いが
生じることがなく、ヘッドのオフトラックやオフセット
等を未然に防止することができて、高密度の記録、再生
を行え、互換性も向上する。

それでいて、記録媒体の記録再生ユニットが上部にね
じ止めされるシャーシの下部に、シールドカバーの第１
ねじ止め部を下方からねじ止めするように構成して、シ
ャーシに加工すべき多数のめねじ孔のねじ立て面の一面
化を図ったので、シャーシの多数のめねじ孔加工を同時
に簡単に行えて、シャーシの加工コストを著しく下げる
ことができる。

また本考案では、上方が開放されて断面がコ字状であ
るシャーシをシールドカバーに直接、取り付けるように
して、このシャーシの上部に取り付けられた記録再生ユ
ニットその他をこのシールドカバーで覆うようにしたか
ら、上記記録再生ユニットその他を着脱する作業は、単
にシールドカバーを取り外すだけで可能となる。しかも
シャーシはその上方が開放されているから、上記作業は
極めて容易に行うことができる。したがって本考案は、
シャーシの部品コストの削減や、メンテナンスの容易性
向上に寄与するところが大きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものであって、第１図
は全体の分解斜視図、第２図は取付完了状態の正面図、
第３図は第２図のIII−III矢視での平面図である。 なお図面に用いた符号において、 １……フロッピーディスク装置（記録再生装置） ２……シャーシ 2a……上面（上部） 2b……下面（下部） 18……ねじ 19……ねじ 21……記録再生ユニット 24……フロッピーディスク（記録媒体） 27……シールドカバー 28……天板 29……側板 30……側板 34……取付フレーム 40……第１ねじ止め部 43……第２ねじ止め部 47……ねじ 50……ねじ 51……ねじ である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも記録媒体の記録再生ユニットが
   その上方からねじでその上部に取り付けできるようにそ
   の上方が開放されて断面がコ字状である記録再生装置の
   シャーシと、その下方が開放されて断面がコ字状である
   シールドカバーと、取付フレームとを有し、 上記シャーシの下部へねじ止めされる第１ねじ止め部
   と、上記取付フレームへねじ止めされる第２ねじ止め部
   とを上記シールドカバーの一対の側板に一体に設け、 上記シールドカバーの第１ねじ止め部を上記シャーシの
   下部に下方からねじ止めして、上記記録再生ユニットを
   上記シールドカバーで覆わせると共に、上記シールドカ
   バーの第２ねじ止め部を上記取付フレームにねじ止めし
   た記録再生装置の取付装置。