JPH0810759A - 上澄液排出装置付きスカム除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スカム排出用パイプスキマー内に流入した上
澄液が滞留することなくスカムが上澄液とともに流下し
効率の良いスカム除去を実現することができる装置を得
ることを目的とする。 【構成】 回分式活性汚泥処理を行う単一の処理槽１の
水面上に、前記曝気工程停止時に残存する気泡を消泡す
べく処理槽１内の水面上全面に散水する散水装置６を配
設すると共に、スカム排出用パイプスキマーの溢流管の
内部をスカム排出方向に下り傾斜させたものである。 【効果】 スカム排出用パイプスキマー内に流入した上
澄液は滞留することなく浮遊するスカムを上澄液ととも
に円滑に流下し、効率良くかつ確実にスカム除去ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、単一の処理槽内で曝
気・沈殿・放流の工程から成るサイクルを繰り返して汚
水処理を行うバッチ式活性汚泥処理装置に適用される上
澄液排出装置付きスカム除去装置に関し、特に、処理槽
の水面上に浮遊したスカムを自動的に効率良く除去でき
るようにした上澄液排出装置付きスカム除去装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、曝気・沈殿・放流を繰り返す
バッチ式活性汚泥処理槽に装備される上澄液排出装置付
きスカム除去装置は、フロートにより水面上に浮上する
構造となっている。図４の（ａ）は例えば従来のデカン
ターの一部を構成するパイプスキマーの側面図であり、
図４の（ｂ）は図４のＣ−Ｃ断面図である。図におい
て、２０は回分式汚泥処理槽１内に装備されたスカム排
出用パイプスキマーであり、このパイプスキマー２０
は、回転式であって両端を盲板２２ａ，２２ｂにて封止
し長手方向一側面に２箇所の溢流口２３ａ，２３ｂを形
成した溢流管２１と、この溢流管２１の底部に連通接続
されたスカム排出用排出管２４とで構成されている。

【０００３】また、図５は従来のデカンターの機能説明
図であり、３０はデカンターを示し、このデカンター３
０は、スカムの流れ方向（矢印方向）に対し回転式のパ
イプスキマー２０と、このパイプスキマー２０に隣接し
て前後にスカム止めフロート２６、２６を備えた上澄液
排出用パイプスキマー２７を順次配置し、図示はしない
がそれぞれの回転式のパイプスキマー２０，２７にそれ
ぞれ連通接続された上澄液用の排出管またはスカム用の
排出管（図示せず）とで構成される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のデカンターは以
上のように構成されているので、図５に示すように、デ
カンター３０は、フロート２６、２６で水面上に浮上す
る構造であることから、回転式のパイプスキマー２０を
使用しないときは浮力が作用し、また図４の（ａ）およ
び（ｂ）に示すように、パイプスキマー２０を使用した
場合は、上澄液面上に浮遊するスカム２５が溢流管２１
の溢流口２３より上澄液と共に流入しパイプスキマー２
０内に上澄液が滞留する。従って、デカンター３０は、
図５に示す一点鎖線のように傾斜して、上澄液面上に浮
遊するスカム２５が流れずに下部の上澄液だけが流下し
てスカム除去機能を喪失し、回分式活性汚泥処理工程に
おける上澄水排水時に上澄液面上の浮遊スカムを自動的
に効率よく排出することができない等の問題があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、この発明は、スカム排出用パイ
プスキマー内に流入した上澄液が滞留することなくスカ
ムが上澄液とともに流下し効率の良いスカム除去を実現
することができる装置を得ることを目的としたものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係る上
澄液排出装置付きスカム除去装置は、スカム排出用パイ
プスキマーの溢流管の内部をスカム排出方向に下り傾斜
させたものである。

【０００７】請求項２の発明に係る上澄液排出装置付き
スカム除去装置は、上澄液面上部に散水装置を配設した
ものである。

【０００８】

【作用】この発明における上澄液排出装置付きスカム除
去装置は、上澄液面上に浮遊するスカムがスカム排出用
パイプスキマーの溢流管に設けられた溢流口より上澄液
と共に流入すると、上澄液はスカム排出用パイプスキマ
ー内に滞留することなくスカムとともにスカム排出用パ
イプスキマー内の傾斜部を流下して排水パイプよりスム
ースに放流される。さらに散水装置によって液面上面の
消泡が確実に行える。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の一実施例について説明す
る。図１（ａ）はこの発明の一実施例による上澄液排出
装置付きスカム除去装置におけるパイプスキマーの側面
図、図１（ｂ）は図１（ａ）のＡ−Ａ断面図、図２は図
１（ｂ）のＢ−Ｂ断面図であり、図３の（ａ）〜（ｄ）
はスカム除去工程の説明図である。図において、従来の
ものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を
省略する。

【００１０】先ず、図１および図２に示すように、スカ
ム排出用パイプスキマー２は回転式であって、溢流管３
内部の両端底部に傾斜部４ａ，４ｂを設け、この傾斜部
４ａ，４ｂを溢流管３の中央底部に連通接続されたスカ
ム排出用排出管２４との接続口に向けて下り傾斜に形成
し、傾斜部４ａ，４ｂの両端上部が溢流口２３ａ，２３
ｂに僅かに臨むように設定する。なお、傾斜部４ａ，４
ｂは溢流管３内部に傾斜パッドを装着して形成してもよ
く、あるいは溢流管３自体の両側底部を傾斜部に形成し
てもよい。

【００１１】この様に構成された、スカム排出用パイプ
スキマー２は、溢流管３内部両端に傾斜部４ａ，４ｂを
設けたことにより、溢流口２３ａ，２３ｂより流入した
スカムと上澄液は傾斜部に沿って生ずる流れにより溢流
管３内に滞留することなく、スカム排出用排出管２４に
向けてスムースに流下放流される。この場合、スカム排
出用パイプスキマー２に連通接続されるスカム排出用排
出管２４は、フレキシブルホース等から構成され、スカ
ム排出用軸パイプ５ａ（図３参照）に接続されている。
一方、図３に示す上澄液排出用パイプスキマー２７に
は、上澄液排出用排出管９の一端が連通接続されると共
にこの排出管９の他端は回動可能に軸支された上澄液排
出用軸パイプ５に連通接続されている。

【００１２】そこで、図３に示すように本実施例では上
澄液を排出する上澄液排出用排出管９に連通接続された
上澄液排出用軸パイプ５ｂの内部にスカム排出用軸パイ
プ５ａを配置して二重管構造とする排出集合管１０を構
成する。

【００１３】次に、本発明の上澄液排出装置付きスカム
除去装置によるスカム除去工程につき図３の（ａ），
（ｂ），（ｃ）および（ｄ）に示すスカム除去工程の説
明図を基に説明する。先ず、図３の（ａ）および（ｂ）
に示すように、回分式汚水処理槽１における曝気工程が
停止した際は液面上に多数のスカム状の泡が残存する
が、沈殿工程時に回分式汚水処理槽１の水面上に配設さ
れている多数の散水装置６によりシャワー６ａ，６ｂ…
を噴出させて、気泡に覆われている回分式汚水処理槽１
の液面全体にシャワー６ａ，６ｂ…を作用させることに
より液面上面の消泡を行う。次に、図３の（ｃ）および
（ｄ）に示すように、上澄液の排水工程時にシャワーに
よる消泡で液面上に残存するスカム２５は上澄水の排水
により生ずる流れでデカンター３０側へ移動する。ここ
で、デカンター３０のスカム止めフロート前面に設置さ
れている回転式パイプスキマーを、スカム２５がデカン
ター３０側へ移動するのを利用して適宜自動的に作動さ
せる。

【００１４】この場合、溢流口２３ａ，２３ｂよりスカ
ム２５と共に流入した上澄液は溢流管３内部に設けた傾
斜部４ａ，４ｂによりスカム排出用パイプスキマー２内
に滞留することなくスカム２５と共にスカム排出用排出
管２４に向けてスムースに流下放流される。同時に、上
澄液排出用パイプスキマー２７から排出される上澄液は
上澄液排出用排出管９を介して流下放流され、それぞれ
平行して流下されたスカムおよび上澄液は軸パイプ５
ａ，５ｂで構成された二重管構造の排出集合管１０に分
離導入され系外に放流される。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、曝気
工程、沈殿工程および放流工程を繰返し活性汚泥処理を
行う単一の処理槽の水面上に設けられたスカム排出用パ
イプスキマーを、長手方向一側面に溢流口を設けた溢流
管内に前記排出管に向けて下り傾斜の傾斜部とで構成し
たので、スカム排出用パイプスキマー内に流入した上澄
液は滞留することなく浮遊するスカムを上澄液とともに
円滑に流下し、効率良くかつ確実にスカム除去ができる
効果がある。さらに散水装置により、液面上面の消泡が
確実に行える効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図に示す（ａ）は、この発明の一実施例による
上澄液排出装置付きスカム除去装置におけるパイプスキ
マーの側面図であり、（ｂ）は図１のＡ−Ａ断面図であ
る。

【図２】図１（ｂ）のＢ−Ｂ断面図である。

【図３】図に示す（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）はこ
の発明の一実施例によるスカム除去工程の説明図であ
る。

【図４】図の（ａ）は従来のデカンターを構成するパイ
プスキマーの側面図であり、（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｃ断
面図である。

【図５】従来のデカンターの機能説明図である。

【符号の説明】

１ 回分式汚泥処理槽 ２ スカム排出用パイプスキマー ３ 溢流管 ４ａ，４ｂ 傾斜部 ５ａ スカム排出用軸パイプ ５ｂ 上澄液排出用軸パイプ ６ 散水装置 ６ａ，６ｂ シャワー ９ 上澄液排出用排出管 １０ 下部集合管 ２３ａ，２３ｂ 溢流口 ２４ スカム排出用排出管 ２５ スカム ２６ フロート ２７ 上澄水用パイプスキマー ３０ デカンター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上澄液面上に浮遊するスカムの放流側へ
   の移動方向に対し前後にスカム止めフロートを配置した
   上澄液排出用パイプスキマーと、前記スカムの上流側に
   配置された一方のスカム止めフロートに近接配置され、
   長手側面に前記スカムを取入れる溢流口を開口した溢流
   管の内部を前記溢流口よりスカム排出方向に下り傾斜さ
   せたスカム排出用パイプスキマーと、このスカム排出用
   パイプスキマーに接続されたスカム排出用排出管と、前
   記上澄液排出用パイプスキマーに接続された上澄液排出
   用排出管と、これらスカム排出用排出管および上澄液排
   出用排出管にそれぞれ接続された複数の軸パイプを内外
   に配置した二重管からなる排出集合管とで構成すること
   を特徴とする上澄液排出装置付きスカム除去装置。
2. 【請求項２】 前記上澄液面上部に、この上澄液面全面
   に亘って散水すべく散水装置を配設することを特徴とす
   る請求項１記載の上澄液排出装置付きスカム除去装置。