JPH08104934A - アルミニウム合金フィン材 - Google Patents
アルミニウム合金フィン材Info
- Publication number
- JPH08104934A JPH08104934A JP24281194A JP24281194A JPH08104934A JP H08104934 A JPH08104934 A JP H08104934A JP 24281194 A JP24281194 A JP 24281194A JP 24281194 A JP24281194 A JP 24281194A JP H08104934 A JPH08104934 A JP H08104934A
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- Japan
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- fin material
- brazing
- strength
- aluminum alloy
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ろう付け後の熱伝導性と強度に優れたアルミ
ニウム合金フィン材を提供する。 【構成】 0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を超え
2.5wt%以下のFeを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下のN
i、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2種
を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物から
なるアルミニウム合金フィン材。
ニウム合金フィン材を提供する。 【構成】 0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を超え
2.5wt%以下のFeを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下のN
i、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2種
を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物から
なるアルミニウム合金フィン材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ろう付け後の熱伝導性
と強度に優れたアルミニウム合金フィン材に関するもの
であり、さらに詳しくは、特に、ろう付法によって製造
される熱交換器のラジエーター、ヒーター、コンデンサ
ー等のフィンとして使用されるものである。
と強度に優れたアルミニウム合金フィン材に関するもの
であり、さらに詳しくは、特に、ろう付法によって製造
される熱交換器のラジエーター、ヒーター、コンデンサ
ー等のフィンとして使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用熱交換器は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金製部材をろう付けして製造されてい
る。ろう材には、通常Al−Si系のろう材が用いら
れ,そのろう付温度は 600℃付近の高温である。ラジエ
ーター等の熱交換器は、例えば図1に示すように複数本
の偏平チューブ(1) の間にコルゲート状に加工した薄肉
フィン(2) を一体に形成し、偏平チューブ(1) の両端を
ヘッダー(3) とタンク(4)とで構成される空間にそれぞ
れ開口させ、高温冷媒を、一方のタンク側の空間から偏
平チューブ(1) 内を通して他方のタンク(4) 側の空間に
送り、偏平チューブ(1) およびフィン(2) の部分で熱交
換して冷却し、冷却後の冷媒を再び循環させる構造から
なる。
はアルミニウム合金製部材をろう付けして製造されてい
る。ろう材には、通常Al−Si系のろう材が用いら
れ,そのろう付温度は 600℃付近の高温である。ラジエ
ーター等の熱交換器は、例えば図1に示すように複数本
の偏平チューブ(1) の間にコルゲート状に加工した薄肉
フィン(2) を一体に形成し、偏平チューブ(1) の両端を
ヘッダー(3) とタンク(4)とで構成される空間にそれぞ
れ開口させ、高温冷媒を、一方のタンク側の空間から偏
平チューブ(1) 内を通して他方のタンク(4) 側の空間に
送り、偏平チューブ(1) およびフィン(2) の部分で熱交
換して冷却し、冷却後の冷媒を再び循環させる構造から
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、熱交
換器は軽量・小型化の傾向にあり、これを実現するには
熱交換効率の向上が不可欠であり、部材、特にフィン材
の熱伝導性の向上が望まれている。フィン材の熱伝導性
の向上には、合金成分を純アルミニウムに近づけた純ア
ルミニウム系合金フィン材が提案されている。しかし、
フィンを薄肉化した場合、純アルミニウム系合金フィン
材では、低強度のため、熱交換器の組付け時にフィンが
潰れたり、熱交換器として使用中に破壊してしまうとい
う問題がある。また高強度化にはMn等の合金元素の添加
が有効であるが、ブレージング(ろう付け)工程で600
℃付近まで加熱される際、添加元素が再固溶して熱伝導
性が低下するという問題がある。このように、ろう付け
後の熱伝導性と強度に優れたフィン材はいまだ開発され
ていない。本発明は、これに鑑み鋭意研究を行い、Feを
多量に添加し、さらに熱伝導性を低下させずに強度を高
め得る合金元素を添加することにより、ろう付け後の熱
伝導性と強度に優れたフィン材が得られることを知見
し、これを基に研究を進めて本発明を完成するに到っ
た。本発明は、ろう付け後の熱伝導性と強度に優れたア
ルミニウム合金フィン材を提供することを目的とする。
換器は軽量・小型化の傾向にあり、これを実現するには
熱交換効率の向上が不可欠であり、部材、特にフィン材
の熱伝導性の向上が望まれている。フィン材の熱伝導性
の向上には、合金成分を純アルミニウムに近づけた純ア
ルミニウム系合金フィン材が提案されている。しかし、
フィンを薄肉化した場合、純アルミニウム系合金フィン
材では、低強度のため、熱交換器の組付け時にフィンが
潰れたり、熱交換器として使用中に破壊してしまうとい
う問題がある。また高強度化にはMn等の合金元素の添加
が有効であるが、ブレージング(ろう付け)工程で600
℃付近まで加熱される際、添加元素が再固溶して熱伝導
性が低下するという問題がある。このように、ろう付け
後の熱伝導性と強度に優れたフィン材はいまだ開発され
ていない。本発明は、これに鑑み鋭意研究を行い、Feを
多量に添加し、さらに熱伝導性を低下させずに強度を高
め得る合金元素を添加することにより、ろう付け後の熱
伝導性と強度に優れたフィン材が得られることを知見
し、これを基に研究を進めて本発明を完成するに到っ
た。本発明は、ろう付け後の熱伝導性と強度に優れたア
ルミニウム合金フィン材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下
のFeを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下のNi、0.1wt%を
超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2種を含有し、残
部アルミニウムおよび不可避的不純物からなることを特
徴とするアルミニウム合金フィン材である。
0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下
のFeを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下のNi、0.1wt%を
超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2種を含有し、残
部アルミニウムおよび不可避的不純物からなることを特
徴とするアルミニウム合金フィン材である。
【0005】以下に、この発明のフィン材の合金元素の
役割および合金組成の限定理由について説明する。Si
は、それ自身が固溶硬化して強度を向上させるのに加
え、共存するFe、Ni、Co等の析出を促進して分散強化に
よる強度向上に寄与する。Siの含有量を0.3wt%を超え1.
2wt%以下に限定した理由は、0.3wt%以下では固溶硬化に
よる強度向上効果が十分でなく、1.2wt%を超えるとろう
付加熱時にフィンが溶融してしまうためである。Siの含
有量を0.4 〜0.8wt%にすると、特に安定した特性を示し
好ましい。
役割および合金組成の限定理由について説明する。Si
は、それ自身が固溶硬化して強度を向上させるのに加
え、共存するFe、Ni、Co等の析出を促進して分散強化に
よる強度向上に寄与する。Siの含有量を0.3wt%を超え1.
2wt%以下に限定した理由は、0.3wt%以下では固溶硬化に
よる強度向上効果が十分でなく、1.2wt%を超えるとろう
付加熱時にフィンが溶融してしまうためである。Siの含
有量を0.4 〜0.8wt%にすると、特に安定した特性を示し
好ましい。
【0006】Feは合金中に一定量固溶し、残りは金属間
化合物として析出する。固溶したFeは強度を向上させる
が、熱伝導性を大きく低下させる。析出したFeは分散強
化により、熱伝導性を低下させずに強度向上に寄与す
る。Feの含有量を 1.5wt%を超え2.5wt%以下に限定した
理由は、 1.5wt%以下では、後者の分散強化による強度
向上効果が十分に得られず、2.5wt%を超えると成形性が
低下し、フィンのコルゲート成形が難しくなるためであ
る。
化合物として析出する。固溶したFeは強度を向上させる
が、熱伝導性を大きく低下させる。析出したFeは分散強
化により、熱伝導性を低下させずに強度向上に寄与す
る。Feの含有量を 1.5wt%を超え2.5wt%以下に限定した
理由は、 1.5wt%以下では、後者の分散強化による強度
向上効果が十分に得られず、2.5wt%を超えると成形性が
低下し、フィンのコルゲート成形が難しくなるためであ
る。
【0007】Niは、熱伝導性を低下させることなく強度
を向上させ得る、本発明で見出した重要な添加元素であ
る。すなわち、Niは固溶硬化により強度を向上させる
が、同時に、Feの固溶量をNiの固溶量に相当する分だけ
減じさせる作用を有する。FeとNiでは固溶した際に、強
度の向上に対する効果はほぼ同じであるが、熱伝導性の
低下はNiの方が格段に少ない。そのため、前記Fe量を含
有した合金にNiを添加すると、熱伝導性の低下を押さえ
て、強度向上が果たせる。さらに、NiはAl-Fe 系の金属
間化合物を微細に分布させる効果を有する。通常 Al-Fe
系の金属間化合物は鋳造時に生じ、それが圧延中に分断
されて微細に分布するが、 Al-Ni系の金属間化合物も鋳
造時に生じるため、Niを添加した合金では Al-Fe系の金
属間化合物は Al-Ni系の金属間化合物に分断されながら
晶出する。このため Al-Fe系の金属間化合物は、Ni添加
により圧延時に微細に分断され易くなる。このように A
l-Fe系の金属間化合物が微細になると、強度が向上し、
さらに再結晶核の発生サイトとなる粗大金属間化合物が
消失して再結晶粒が粗大になり、ろう材の拡散が阻止さ
れる。Niの含有量を0.1wt%を超え2.0wt%以下に限定した
理由は、0.1wt%以下では前記効果が得られず、2.0wt%を
超えると成形性が低下してフィンのコルゲート成形が困
難になるためである。
を向上させ得る、本発明で見出した重要な添加元素であ
る。すなわち、Niは固溶硬化により強度を向上させる
が、同時に、Feの固溶量をNiの固溶量に相当する分だけ
減じさせる作用を有する。FeとNiでは固溶した際に、強
度の向上に対する効果はほぼ同じであるが、熱伝導性の
低下はNiの方が格段に少ない。そのため、前記Fe量を含
有した合金にNiを添加すると、熱伝導性の低下を押さえ
て、強度向上が果たせる。さらに、NiはAl-Fe 系の金属
間化合物を微細に分布させる効果を有する。通常 Al-Fe
系の金属間化合物は鋳造時に生じ、それが圧延中に分断
されて微細に分布するが、 Al-Ni系の金属間化合物も鋳
造時に生じるため、Niを添加した合金では Al-Fe系の金
属間化合物は Al-Ni系の金属間化合物に分断されながら
晶出する。このため Al-Fe系の金属間化合物は、Ni添加
により圧延時に微細に分断され易くなる。このように A
l-Fe系の金属間化合物が微細になると、強度が向上し、
さらに再結晶核の発生サイトとなる粗大金属間化合物が
消失して再結晶粒が粗大になり、ろう材の拡散が阻止さ
れる。Niの含有量を0.1wt%を超え2.0wt%以下に限定した
理由は、0.1wt%以下では前記効果が得られず、2.0wt%を
超えると成形性が低下してフィンのコルゲート成形が困
難になるためである。
【0008】CoはNiと同様な働きをするが、Niより熱伝
導性を若干大きく低下させる。またAl-Fe系の化合物を
分断する効果が小さい。本発明ではNiの代わりにCoを用
いたり、NiとCoの同時添加を行うことは可能であるが、
Niのみの添加の方が効果が大きい。Coの含有量を0.1wt%
を超え2.0wt%以下に限定した理由は、Niの場合と同じで
ある。ただし 0.1wt%を超えるNiと同時に添加する場合
は、Coの添加量は0.1wt%以下でも有効である。
導性を若干大きく低下させる。またAl-Fe系の化合物を
分断する効果が小さい。本発明ではNiの代わりにCoを用
いたり、NiとCoの同時添加を行うことは可能であるが、
Niのみの添加の方が効果が大きい。Coの含有量を0.1wt%
を超え2.0wt%以下に限定した理由は、Niの場合と同じで
ある。ただし 0.1wt%を超えるNiと同時に添加する場合
は、Coの添加量は0.1wt%以下でも有効である。
【0009】請求項2記載の発明は、0.3wt%を超え1.2w
t%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下のFe、 0.01wt%を
超え0.2wt%以下のZrを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下
のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2
種を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物か
らなることを特徴とするアルミニウム合金フィン材であ
る。
t%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下のFe、 0.01wt%を
超え0.2wt%以下のZrを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下
のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2
種を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物か
らなることを特徴とするアルミニウム合金フィン材であ
る。
【0010】すなわち、請求項2記載の発明は、請求項
1記載の発明のフィン材に、さらにZrを所定量含有させ
たフィン材である。Zrはろう付け時に生じる再結晶粒を
粗大化する働きを有する。再結晶粒が粗大化するとフィ
ンの垂下性が向上し、フィンへのろう拡散が抑制され
る。本発明のフィン材はFeを多量に含有しているため、
再結晶粒は微細になりやすい。そのため、ろう付け時に
生じる再結晶粒を粗大化するには、フィン材の最終冷間
圧延率を小さくする必要があり、コルゲート性等の観点
からフィン材の最終冷間圧延率が規定される(小さくで
きない)場合にZrの添加により再結晶粒の寸法をコント
ロールすることが有効である。その含有量を0.01wt%を
超え 0.2wt%以下に限定した理由は、0.01wt%以下で
は、上記効果が十分に得られず、 0.2wt%を超えて含有
させても、上記効果は 0.2wt%の添加と同等であり、逆
に熱伝導性を低下させる。
1記載の発明のフィン材に、さらにZrを所定量含有させ
たフィン材である。Zrはろう付け時に生じる再結晶粒を
粗大化する働きを有する。再結晶粒が粗大化するとフィ
ンの垂下性が向上し、フィンへのろう拡散が抑制され
る。本発明のフィン材はFeを多量に含有しているため、
再結晶粒は微細になりやすい。そのため、ろう付け時に
生じる再結晶粒を粗大化するには、フィン材の最終冷間
圧延率を小さくする必要があり、コルゲート性等の観点
からフィン材の最終冷間圧延率が規定される(小さくで
きない)場合にZrの添加により再結晶粒の寸法をコント
ロールすることが有効である。その含有量を0.01wt%を
超え 0.2wt%以下に限定した理由は、0.01wt%以下で
は、上記効果が十分に得られず、 0.2wt%を超えて含有
させても、上記効果は 0.2wt%の添加と同等であり、逆
に熱伝導性を低下させる。
【0011】請求項3記載の発明は、0.3wt%を超え1.2w
t%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下のFeを含有し、0.
1wt%を超え2.0wt%以下のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下の
Coのうち1種または2種を含有し、さらに2.0wt%以下の
Zn、0.3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSnのうち1種または
2種以上含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純
物からなることを特徴とするアルミニウム合金フィン材
である。
t%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下のFeを含有し、0.
1wt%を超え2.0wt%以下のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下の
Coのうち1種または2種を含有し、さらに2.0wt%以下の
Zn、0.3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSnのうち1種または
2種以上含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純
物からなることを特徴とするアルミニウム合金フィン材
である。
【0012】すなわち、請求項3記載の発明は、請求項
1記載の発明のフィン材に、さらに2.0wt%以下のZn、0.
3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSnのうち1種または2種以
上を添加したものである。これらの元素はフィン材に犠
牲陽極効果を付与するために添加するものであり、前記
限定値を超えて添加すると、いずれも熱伝導性が低下す
る。
1記載の発明のフィン材に、さらに2.0wt%以下のZn、0.
3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSnのうち1種または2種以
上を添加したものである。これらの元素はフィン材に犠
牲陽極効果を付与するために添加するものであり、前記
限定値を超えて添加すると、いずれも熱伝導性が低下す
る。
【0013】請求項4記載の発明は、0.3wt%を超え1.2w
t%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下のFe、0.01wt% を
超え0.2wt%以下のZrを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下
のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2
種を含有し、さらに2.0wt%以下のZn、0.3wt%以下のIn、
0.3wt%以下のSnのうち1種または2種以上含有し、残部
アルミニウムおよび不可避的不純物からなることを特徴
とするアルミニウム合金フィン材である。
t%以下のSi、1.5wt%を超え2.5wt%以下のFe、0.01wt% を
超え0.2wt%以下のZrを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下
のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2
種を含有し、さらに2.0wt%以下のZn、0.3wt%以下のIn、
0.3wt%以下のSnのうち1種または2種以上含有し、残部
アルミニウムおよび不可避的不純物からなることを特徴
とするアルミニウム合金フィン材である。
【0014】すなわち、請求項4記載の発明は、請求項
2記載の発明のフィン材に、さらに2.0wt%以下のZn、0.
3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSnのうち1種または2種以
上を添加した合金である。これらはフィン材に犠牲陽極
効果を付与するために添加するものであり、前記限定値
を超えて添加すると、いずれも熱伝導性が低下する。
2記載の発明のフィン材に、さらに2.0wt%以下のZn、0.
3wt%以下のIn、0.3wt%以下のSnのうち1種または2種以
上を添加した合金である。これらはフィン材に犠牲陽極
効果を付与するために添加するものであり、前記限定値
を超えて添加すると、いずれも熱伝導性が低下する。
【0015】次に、前記請求項1〜請求項4の本発明フ
ィン材に含有される不可避的不純物および前記以外の理
由で添加される合金元素について述べる。鋳塊組織の微
細化に有効なTiやB 等は、それぞれ 0.03wt%以下であれ
ば添加されていても差し支えない。またMn,Mg,Na,Cd,P
b,Bi,Ca,Li,Cr,K,V等の元素が強度向上や鋳塊割れ防止
や成形性向上等の理由で添加される場合、それぞれ0.03
wt%以下を必須条件とする。その理由は、前記各々の元
素は、いずれも熱伝導性を低下させるためである。さら
にCuは0.2wt%まで添加可能である。Cuの添加による熱伝
導性の低下は、Mn等の元素と比較して小さいが、0.2wt%
を超えて添加するとフィンの犠牲陽極効果が低下する。
ィン材に含有される不可避的不純物および前記以外の理
由で添加される合金元素について述べる。鋳塊組織の微
細化に有効なTiやB 等は、それぞれ 0.03wt%以下であれ
ば添加されていても差し支えない。またMn,Mg,Na,Cd,P
b,Bi,Ca,Li,Cr,K,V等の元素が強度向上や鋳塊割れ防止
や成形性向上等の理由で添加される場合、それぞれ0.03
wt%以下を必須条件とする。その理由は、前記各々の元
素は、いずれも熱伝導性を低下させるためである。さら
にCuは0.2wt%まで添加可能である。Cuの添加による熱伝
導性の低下は、Mn等の元素と比較して小さいが、0.2wt%
を超えて添加するとフィンの犠牲陽極効果が低下する。
【0016】以上、本発明フィン材の合金組成について
説明したが、本発明フィン材はベア材として用いること
もできる。また、ブレージングシートフィンの芯材とし
て用いることも可能で、その時のろう材には従来のろう
材がそのまま使用できる。ろう付け方法は、従来の非腐
食性フラックスろう付、フラックスろう付、真空ろう付
等、いずれも適用できる。本発明のフィン材を用いる熱
交換器は、自動車用のラジエーター、コンデンサー、エ
バポレーター、オイルクーラー等である。本発明のフィ
ン材は、半連続鋳造法にて鋳造した鋳塊を、熱間圧延
後、冷間圧延・焼鈍する工程でも、また、連続鋳造圧延
材を、冷間圧延・焼鈍する工程でも製造可能である。
説明したが、本発明フィン材はベア材として用いること
もできる。また、ブレージングシートフィンの芯材とし
て用いることも可能で、その時のろう材には従来のろう
材がそのまま使用できる。ろう付け方法は、従来の非腐
食性フラックスろう付、フラックスろう付、真空ろう付
等、いずれも適用できる。本発明のフィン材を用いる熱
交換器は、自動車用のラジエーター、コンデンサー、エ
バポレーター、オイルクーラー等である。本発明のフィ
ン材は、半連続鋳造法にて鋳造した鋳塊を、熱間圧延
後、冷間圧延・焼鈍する工程でも、また、連続鋳造圧延
材を、冷間圧延・焼鈍する工程でも製造可能である。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。表1に示す組成のアルミニウム合金を用いて、常法
によりフィン(板厚50μm、H14調質材)を作製した。
得られたフィンについて、ろう付加熱後の強度と導電率
を測定した。ろう付加熱は窒素ガス中で 600℃×5分の
条件で行った。結果を表2に示す。ここで、導電率は熱
伝導性の指標であり、フィンの導電率が5%IACS向
上すると熱交換器の熱効率は1%程度向上する。
る。表1に示す組成のアルミニウム合金を用いて、常法
によりフィン(板厚50μm、H14調質材)を作製した。
得られたフィンについて、ろう付加熱後の強度と導電率
を測定した。ろう付加熱は窒素ガス中で 600℃×5分の
条件で行った。結果を表2に示す。ここで、導電率は熱
伝導性の指標であり、フィンの導電率が5%IACS向
上すると熱交換器の熱効率は1%程度向上する。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1および表2より明らかなように、本発
明例品(No.1〜25) は、引張強さと導電率に優れた値を
示した。これに対し、従来例品のNo.26 は強度向上に有
効な合金元素が添加されていないため、引張強さが低下
した。またNo.27 は強度向上のため添加したMnがブレー
ジング(ろう付け)工程で再固溶したため導電率が低下
した。
明例品(No.1〜25) は、引張強さと導電率に優れた値を
示した。これに対し、従来例品のNo.26 は強度向上に有
効な合金元素が添加されていないため、引張強さが低下
した。またNo.27 は強度向上のため添加したMnがブレー
ジング(ろう付け)工程で再固溶したため導電率が低下
した。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のフィン材
は、ろう付け後の熱伝導性と強度に優れ、またZrを添加
したものは垂下性にも優れ、特にろう付法によって製造
される熱交換器のラジエーター、ヒーター、コンデンサ
ー等のフィンに使用して有効であり、工業上顕著な効果
を奏する。
は、ろう付け後の熱伝導性と強度に優れ、またZrを添加
したものは垂下性にも優れ、特にろう付法によって製造
される熱交換器のラジエーター、ヒーター、コンデンサ
ー等のフィンに使用して有効であり、工業上顕著な効果
を奏する。
【図1】ラジエーターを示す一部断面の斜視図である。
1 偏平チューブ 2 フィン 3 ヘッダー 4 タンク
Claims (4)
- 【請求項1】 0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を
超え2.5wt%以下のFeを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下
のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2
種を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物か
らなることを特徴とするアルミニウム合金フィン材。 - 【請求項2】 0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を
超え2.5wt%以下のFe、0.01wt% を超え0.2wt%以下のZrを
含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下のNi、0.1wt%を超え2.
0wt%以下のCoのうち1種または2種を含有し、残部アル
ミニウムおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
るアルミニウム合金フィン材。 - 【請求項3】 0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を
超え2.5wt%以下のFeを含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下
のNi、0.1wt%を超え2.0wt%以下のCoのうち1種または2
種を含有し、さらに2.0wt%以下のZn、0.3wt%以下のIn、
0.3wt%以下のSnのうち1種または2種以上含有し、残部
アルミニウムおよび不可避的不純物からなることを特徴
とするアルミニウム合金フィン材。 - 【請求項4】 0.3wt%を超え1.2wt%以下のSi、1.5wt%を
超え2.5wt%以下のFe、0.01wt% を超え0.2wt%以下のZrを
含有し、0.1wt%を超え2.0wt%以下のNi、0.1wt%を超え2.
0wt%以下のCoのうち1種または2種を含有し、さらに2.
0wt%以下のZn、0.3wt%以下のIn,0.3wt% 以下のSnのうち
1種または2種以上含有し、残部アルミニウムおよび不
可避的不純物からなることを特徴とするアルミニウム合
金フィン材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24281194A JPH08104934A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | アルミニウム合金フィン材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24281194A JPH08104934A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | アルミニウム合金フィン材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08104934A true JPH08104934A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17094647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24281194A Pending JPH08104934A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | アルミニウム合金フィン材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08104934A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1136581A1 (en) * | 2000-03-23 | 2001-09-26 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Method of manufacturing a fin material for brazing |
JP2002309329A (ja) * | 2001-04-10 | 2002-10-23 | Aisin Keikinzoku Co Ltd | 熱伝導性に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金押出形材 |
US6471794B2 (en) | 2000-05-19 | 2002-10-29 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Fin material for brazing |
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EP1693475A2 (en) | 2005-02-17 | 2006-08-23 | Furukawa-Sky Aluminum Corp. | Aluminium alloy fin material for brazing |
JP2009162450A (ja) * | 2008-01-09 | 2009-07-23 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | アルミニウム製熱交換器及びその製造方法 |
US7850796B2 (en) | 2007-08-20 | 2010-12-14 | Denso Corporation | Aluminum alloy fin material for brazing |
-
1994
- 1994-10-06 JP JP24281194A patent/JPH08104934A/ja active Pending
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