JPH0810485A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

Info

Publication number
JPH0810485A
JPH0810485A JP6149834A JP14983494A JPH0810485A JP H0810485 A JPH0810485 A JP H0810485A JP 6149834 A JP6149834 A JP 6149834A JP 14983494 A JP14983494 A JP 14983494A JP H0810485 A JPH0810485 A JP H0810485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
washed
washing
placing
mounting portion
article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6149834A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideji Yanase
秀治 柳瀬
Toshihiro Tamura
敏裕 田村
Naoki Kitayama
直樹 北山
Takuya Noro
拓哉 野呂
Shigeki Yoshida
茂樹 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP6149834A priority Critical patent/JPH0810485A/ja
Publication of JPH0810485A publication Critical patent/JPH0810485A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】洗濯槽2内の底部に、クランク機構により高速
で上下動する載置部4を設けた。載置部4の上に被洗物
21を載せると、被洗物21は上下動する載置部4と衝
突を繰り返す。このときにたたき洗いが行なわれる。洗
濯水は被洗物21に散布され、洗濯槽の底部に溜まった
洗濯水は循環、散布される。被洗物21は洗濯水に浸す
必要がない。 【効果】ドラム回転式の洗濯方法よりも叩く速度を高速
にできる。よって洗濯時間が短い。攪拌式の洗濯方法よ
りも洗濯時の使用水量及び洗剤量が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚れた衣類等の被洗物
を洗う洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、洗濯機としては、次の方式が
実用化されている。すなわち、洗濯水を満たした洗濯槽
に被洗物を入れ、攪拌翼(パルセータ)又は攪拌棒を用
い洗濯槽の内部で水流を発生させ、洗濯槽内の被洗物の
汚れを洗濯水で洗い流す方法。また、水平な回転軸を備
えた回転ドラム内に被洗物と洗浄水を入れ、その回転ド
ラムを回転することにより、被洗物を回転ドラム内で攪
拌、落下させ、たたき洗いを行なう方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
パルセータ及び攪拌棒を用いる方法では、被洗物を洗濯
槽内で洗濯水に充分に浸すことから、洗濯水及び洗剤の
使用量が多いという問題点がある。また、回転ドラムに
よる方法では、回転ドラムの回転速度をあまり高くする
と、遠心力で被洗物が落下しなくなる。そのため、回転
ドラムの回転速度はある程度までしか上げられず、その
結果洗濯時間が長くかかるという問題点がある。
【0004】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、洗濯水量が少なく、洗濯時間も短い洗濯機
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る洗濯機は、衣類などの被洗物を収容
する洗濯槽と、前記洗濯槽内にあって、上下方向運動可
能に支持され、上面に被洗物を載せるための載置部と、
前記載置部を上下方向に往復運動させる駆動手段と、前
記被洗物に洗浄液を散布する散水手段とを備えたことを
特徴とするものである。
【0006】また、請求項2に係る洗濯機は、請求項1
記載の洗濯機において、前記洗濯槽は、前記被洗物の少
なくとも一部もしくは全部が水面上に出るような水量の
洗浄液を収容し得ることを特徴とするものである。ま
た、請求項3に係る洗濯機は、請求項1又は2記載の洗
濯機において、前記載置部は、斜めの上下方向に移動可
能に支持され、移動されることを特徴とするものであ
る。
【0007】また、請求項4に係る洗濯機は、請求項
1、2又は3記載の洗濯機において、前記駆動手段は、
さらに前記載置部に対して水平方向に往復運動させる手
段を含むことを特徴とするものである。また、請求項5
に係る洗濯機は、請求項4記載の洗濯機において、前記
水平方向に往復運動させる手段は、上下方向に往復運動
させる手段と所定の同期をとって動作することを特徴と
するものである。
【0008】また、請求項6に係る洗濯機は、請求項1
又は2記載の洗濯機において、前記駆動手段は、さらに
前記載置部に対して水平方向に往復運動させる手段を備
え、それによって前記載置部を垂直面内で略円若しくは
略楕円軌跡で運動させるか、又は直線部が上下方向直線
軌跡となる略半円若しくは略半楕円軌跡で運動させる手
段を含むことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項7に係る洗濯機は、請求項6
記載の洗濯機において、前記駆動手段は、さらに前記載
置部の運動軌跡経路を逆転切換可能に構成したことを特
徴とするものである。また、請求項8に係る洗濯機は、
請求項4乃至7の何れかに記載の洗濯機において、前記
駆動手段は、さらに前記載置部を上昇時に任意の高さ位
置で水平方向の移動の向きが異なる2つ以上の軌跡で運
動させる手段を含むことを特徴とするものである。
【0010】また、請求項9に係る洗濯機は、請求項8
記載の洗濯機において、前記駆動手段は、前記載置部の
垂直方向の移動周期と水平方向の移動周期を異なって構
成したことを特徴とするものである。また、請求項10
に係る洗濯機は、請求項1乃至9の何れかに記載の洗濯
機において、前記載置部は、その上面の被洗物の接触す
る部分に凹凸を形成したことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項11に係る洗濯機は、請求項
1乃至10の何れかに記載の洗濯機において、前記載置
部は、貫通する多数の孔部を備えたことを特徴とするも
のである。
【0012】
【作用】上記請求項1に係る発明の構成によれば、洗濯
槽内の載置部が高速で上下に往復運動することで、載置
部上の被洗物は載置部にたたかれることになる。すなわ
ち、被洗物は載置部の上下運動の移動上限(上死点)付
近で、被洗物は慣性により上方への運動を続けようとす
るが、載置部は下降を行ない、載置部と被洗物は離れ
る。やがて、被洗物は落下を始め、載置部に衝突する。
この時にたたき洗いが行なわれる。載置部の速度が充分
に速ければ、被洗物が落下途中で、上昇しつつある載置
部が上死点近傍に在るときに、衝突が起こり、衝突回数
を多くすることができる。その結果、洗濯時間を短縮す
ることができる。また、洗濯水量は被洗物が洗浄水を含
んでいればよく、全体が浸る必要は無い。このため、洗
濯に必要な使用水量及び洗剤の使用量を少なくすること
ができる。さらに、前記被洗物に洗浄液を適宜散布する
ことにより、汚れを被洗物から流し去ることができ、洗
い効果を高めることができる。
【0013】上記請求項2に係る発明の構成によれば、
請求項1記載の作用に加えて、洗浄水を洗濯槽内に溜め
ることができる。よって被洗物の少なくとも一部が洗浄
水に浸かることで汚れが洗い流される。上記請求項3に
係る発明の構成によれば、請求項1又は2記載の作用に
加えて、載置部は斜め上下方向に移動する。載置部上の
被洗物は横方向に力を受け、回転モーメントを生じる。
また、横方向に移動し洗濯槽内壁に押し付けられて上下
移動する。やがて押し付けられた被洗物の上端は崩れ、
全体として姿勢が変わる。こうして被洗物のたたかれる
部位が変化することで、むらのない洗いができる。
【0014】上記請求項4に係る発明の構成によれば、
請求項1、2又は3記載の作用に加えて、前記載置部は
水平方向にも往復運動する。その結果、載置部上の被洗
物は横方向にも力を受け、回転モーメントを生じる。や
がて被洗物は全体として姿勢が変わる。こうして被洗物
のたたかれる部位が変化し、むらのない洗いができる。
【0015】上記請求項5に係る発明の構成によれば、
請求項4記載の作用に加えて、前記載置部は垂直方向の
運動に対して、所定の同期をとって水平方向にも往復運
動する。よって、載置部は所定の軌跡を取って運動す
る。その結果、載置部上の被洗物には、所定の力を作用
させることができる。上記請求項6に係る発明の構成に
よれば、請求項1又は2記載の作用に加えて、前記載置
部は水平方向にも往復運動する。その結果、載置部上の
被洗物は横方向に力を受け、回転モーメントを生じる。
やがて被洗物は全体として姿勢が変わる。こうして被洗
物のたたかれる部位が変化し、むらのない洗いができ
る。また、前記載置部は垂直面内で略円又は略楕円軌跡
で運動する。その結果、載置部上の被洗物は所定の横方
向の力及び回転モーメントを受ける。また略楕円軌跡と
することで、上下運動より横方向の運動距離を短くで
き、洗濯機の横幅を少なく抑えることができる。また、
前記載置部は直線部が上下方向直線軌跡となる略半円又
は略半楕円軌跡で運動する場合において、載置部が垂直
に上昇運動することで被洗物を強くたたき洗いでき、載
置部が逆経路をとることで被洗物を柔らかくたたき洗い
できる。また、上記作用を同じ軌跡の運動により得るこ
とができる。
【0016】上記請求項7に係る発明の構成によれば、
請求項6記載の作用において、軌跡経路を逆転切換する
ことで、上記作用を切り換えることができる。よって簡
単な構成で、洗い方を切り換えることができる。上記請
求項8に係る発明の構成によれば、請求項4乃至7の何
れかに記載の作用に加えて、前記載置部は複数の水平方
向の向きに上昇する軌跡で上下移動を行なう。この結
果、被洗物は複数の横方向の力を受け、洗濯槽内で一方
向に押しやられることがなく、むらのないたたき洗いが
できる。
【0017】上記請求項9に係る発明の構成によれば、
請求項8記載の作用において、前記載置部は垂直方向の
移動に対してランダムに水平方向の往復移動を行なう。
この結果、被洗物は一定の向き及び大きさの横方向の力
を受けず、よって一方向に偏ってしまうことなく、たた
き洗いをむらなく行なえる。上記請求項10に係る発明
の構成によれば、請求項1乃至9の何れかに記載の作用
に加えて、前記載置部の上面の被洗物の接触する部分に
凹凸を形成したことで、被洗物の凹みにも力を加えるこ
とができ、よりむらなく洗える。また適度に洗浄水を保
持でき、汚れを流し去ることができる。また、被洗物と
の接触面の摩擦が増え、載置部から被洗物がずり落ちに
くくなる。
【0018】上記請求項11に係る発明の構成によれ
ば、請求項1乃至10の何れかに記載の作用に加えて、
孔部より被洗物に散布された洗浄水を早く流し去ること
ができる。また、孔部によって載置部の表面には凹凸が
形成され、被洗物の凹みにも力を加えることができ、よ
りむらなく洗える。また、被洗物との接触面の摩擦が増
え、載置部から被洗物がずり落ちにくくなる。
【0019】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図1は本発明の洗濯機の一実施例の構成を示す
一部断面図である。まず、全体構成を説明する。図1に
おいて、1は本体であり、その内部には被洗物及び洗浄
水を収容する洗濯槽2が設けられている。洗濯槽2の内
部には、たたき洗いを行なう載置部4が設けられてい
る。載置部4を支持及び駆動するための案内機構及び駆
動機構が、洗濯槽2の下部に配設されている。また、洗
い作業のための洗浄水を洗濯槽2内に供給する給水機構
である給水管19が洗濯槽2の上部に設けられている。
また、洗濯槽2内から排水を行なう排水機構が洗濯槽2
の下部に設けられている。また、洗濯槽2内で洗浄水を
循環し、散布する散水機構が洗濯槽2の下部から上部に
設けられている。
【0020】まず、上記の案内機構について説明する。
図1において、本体1に洗濯槽2がゴム等の弾性体3を
介して取付けられている。洗濯槽2の底面中央部には穴
部2bが形成され、その穴部には上からパッキン6と摺
動部材5が固定される。一方、板状の載置部4の下面に
は軸7が固定され、軸7の軸線は載置部4の上面に垂直
に設けられる。軸7の中央部は摺動部材5の内径部と嵌
合している。軸7の外径と摺動部材5の内径は適切に嵌
め合わされ、軸7はその軸方向の移動に対して滑らかに
案内される。また、軸7の中央部はパッキン6の内径部
とも嵌合し、洗濯槽2内の洗浄水の軸7の摺動部からの
漏水を防止する。
【0021】次に上記の駆動機構について説明する。洗
濯槽2の下端には、モータ8が固定されている。モータ
8の出力軸は軸7の軸線の略延長上にあり、円板9を固
定される。円板9の外縁部にはピン10によって、ロッ
ド11の一端が回動可能に固定されている。一方ロッド
11の他の一端はピン12によって軸7に回動可能に固
定されている。ここで、モータ8の出力軸、ピン10及
びピン12の回転軸は平行に設けられている。よって、
円板9から軸7にかけて連結された部材は、すべり子ク
ランク機構を構成する。モータ8を回転駆動すると、軸
7はその軸線方向に往復運動し、載置部4は上下移動す
ることになる。
【0022】次に上記の排水機構について説明する。洗
濯槽2の底面の外縁部には、円筒状の排水孔2aが設け
られており、排水孔2aの外径部は排水管13の内径部
に嵌め込まれている。排水孔2aの外径部と排水管13
の外径部には、弾性部材よりなるカバー20が密着して
取り付けられる。この結果、排水孔2aと排水管13の
相対移動が可能であって、尚且つこの部分よりの漏水を
防止している。排水弁14は三方に接続口があり、2つ
の接続口は互いに連通し、残りの1つの接続口の開閉を
行なう弁である。排水弁14の開閉のできる接続口には
排水管15が、他の2つの接続口には排水管13のもう
一端と管部16がそれぞれ接続されている。排水管15
の他端は本体1の外部に導出されている。よって排水弁
14を開くことにより、洗濯槽2の内部は排水孔2a、
排水管13、排水弁14、排水管15を介して外部と連
通する。同時に管部16につながる部分も排水弁14、
排水管15を介して連通し、排水が行なわれる。
【0023】次に上記の散水機構について説明する。上
記の管部16の他端は、洗濯槽2の底面とほぼ同じ高さ
に設置されたポンプ17の吸込口に接続される。ポンプ
17の吐出口には散水管18が接続され、散水管18の
他端は洗濯槽2の上方よりその内部へ導入される。その
開口部は水を散布するのに適した形状に、例えば偏平な
開口部に形成されている。さてポンプ17は洗濯槽2の
底面とほぼ同じ高さに設置されているので、排水弁14
を閉じることで、洗濯槽2内に溜まった洗浄水は、排水
弁14及び管部16を通り、ポンプ17の吸込口に達す
る。ポンプ17を運転することで、洗浄水は押し上げら
れ、散水管18を通過して洗濯槽2内へ戻される。こう
して、洗浄水は循環して使用される。
【0024】次に上記の給水機構について説明する。洗
濯槽2の上部には給水管19が本体1の側面を貫通して
設けられている。給水管19の一端は、洗濯槽2の上部
にあり、その開口部は水を散布するのに適した形状に形
成されている。また、他端は水道などの洗浄水の給水設
備(図示せず)への接続が可能で、必要に応じて、洗浄
水を洗濯槽2内へ供給できる。
【0025】本実施例によれば次の様に動作する。まず
概略を説明する。 (1) まず衣類等の被洗物21は洗濯槽2内へ投入され、
洗濯槽2の底面にある載置部4上に載せられる。ここで
給水管19より洗浄水が洗濯槽2内に供給され、被洗物
上に散布される。洗剤は被洗物と同時に、あるいは洗浄
水の供給と同時に洗濯槽2内に投入されるのが好まし
い。このとき、排水弁14は閉じられている。給水は少
なくとも被洗物の一部もしくは全部が水面上に出るよう
な水量まで行なわれる。より具体的には、被洗物の全体
に洗浄水が散布され、水位がポンプ17の吸込口より高
くなるまでは必要となる。
【0026】(2) 次にモータ8を駆動し、上記の案内機
構で案内された載置部4を上記の駆動機構によって上下
運動させる。これに伴い、被洗物21も上下運動する。
しかし、被洗物21は載置部4上に載っているだけであ
るので、モータ8の回転数が上がるにつれて、載置部4
上を跳ねることになる。そして被洗物21は載置部4に
落下するときにその上面で叩かれる。こうして、被洗物
21にはたたき洗いが行なわれる。
【0027】(3) 同時に、ポンプ17を駆動すること
で、上記の散水機構が働き、洗浄水は被洗物21上に散
布される。洗浄水は洗濯中、随時こうして散布され、ま
た循環、再使用される。また、洗濯中の被洗物21に散
布されることで、汚れが洗い流される。所定時間経過
後、モータ8及びポンプ17を停止させ、同時に排水弁
14を開き、上記の排水機構によって洗浄水は外部へ排
水される。
【0028】(4) 一方モータ8を駆動すると、すべり子
クランク機構により載置部4は上下運動するが、同時に
載置部4、モータ8等の駆動機構を支持する洗濯槽2に
は、力が作用し振動が発生する。洗濯槽2は本体1と弾
性体3で支持されることでこの振動を吸収する。また、
カバー20もある程度変形しその振動を吸収する。 (5) 上記の様に、洗濯水量は被洗物が洗浄水を含んでい
ればよく、全体が浸る必要は無い。このため、従来の攪
拌翼又は攪拌棒を用いた洗濯機の様に、被洗物全体を洗
浄水に浸ける方法に比べて、洗濯に必要な使用水量及び
洗剤の使用量を少なくすることができる。さらに、散水
機構により、洗濯槽内の洗浄水を循環して使用すること
で、より一層洗浄水の利用効率が高まる。さらに、前記
被洗物に洗浄液を適宜散布することにより、汚れを被洗
物から流し去ることができ、洗い効果を高めることがで
きる。このことによっても、使用水量を少なくできる。
【0029】(6) 次に載置部4の運動について図2を参
照しながら詳細に説明する。図2(a)、(b)及び
(c)の縦軸はそれぞれ載置部4の位置、速度及び加速
度を示し、図2の各図の横軸は円板9の回転角である。
モータ8の駆動力により、円板9は図1で反時計回りに
回転する。ロッド11の一端の位置は円板9上のピン1
0の位置によって決まる。一方ロッド11の他端の位置
は、摺動部材5によって拘束された軸7にあるピン12
の位置と、ロッド11の長さ(ピン10とピン12の中
心間距離)とで決定される位置にある。よってロッド1
1は、円板9の回転に伴い、ピン12を中心として揺動
運動しつつ、軸7を摺動部材5に沿って移動させる。
【0030】よって、モータ8を一定速度で回転させた
場合は、載置部4はつぎの様に運動する。モータ8の一
回転で近似的に正弦波状に変位しながら、載置部4は一
往復し、載置部4の移動速度は一往復を一周期とする略
正弦波状に変化する。すなわち、ピン10が最上部(位
置A)にあるとき、載置部4は最上部の位置(上死点)
となる。このとき、載置部4の速度は上向きから下向き
に切り換わり瞬間的に0となり、また載置部4の加速度
は下向きの最大値となる。円板9が反時計回りに略90
度回転し、ピン10が位置Cにあるとき、載置部4の位
置は上死点と最下部の位置(下死点)の略中間となり、
載置部4の速度は下向きに最大値となり、また載置部4
の加速度は下向きから上向きに切り換わり瞬間的に0と
なる。さらに円板9が反時計回りに略90度回転し、ピ
ン10が位置Bにあるとき、載置部4の位置は最下部と
なり、載置部4の速度は下向きから上向きに切り換わり
瞬間的に0となり、また載置部4の加速度は上向きの最
大値となる。さらに円板9が反時計回りに略90度回転
し、ピン10が位置Dにあるとき、載置部4の位置は上
死点と下死点の略中間となり、載置部4の速度は上向き
の最大値となり、また載置部4の加速度は上向きから下
向きに切り換わり瞬間的に0となる。
【0031】(7) 次に被洗物21の挙動について詳細に
説明する。被洗物21は、上記の運動をする載置部4上
に載せられている。よって、被洗物21は常に重力を受
けているが、載置部4の動きによる力も受ける。そし
て、載置部4の運動の下向き加速度が重力加速度よりも
大きくなる(以下では加速度条件という)と、被洗物は
載置部4から離れ、その時の載置部4の運動の速度の方
向と大きさを初速とする自由落下運動を行なう。やがて
載置部4の上面に衝突する。この時は、下記の(8) で説
明する速度で、被洗物21は載置部4に打ちつけられ、
被洗物21はたたき洗いされる。具体的には、上記の様
に載置部4の加速度が下向きの最大値となるのは、載置
部4の位置が上死点近傍である。よって載置部4の下向
きの加速度が上記の加速度条件を満足するのは、ピン1
0が位置Dから位置Aに動く途中であり、この時の載置
部4の速度は上向きになる。すなわち、その時の速度で
被洗物は投げ上げられる。ただし、この様な挙動を示す
のは、投げ上げられるまで、載置部4上に被洗物が載っ
ている場合であり、後述するように被洗物の落下位置に
よっては異なる挙動を示す。
【0032】(8) 次に被洗物の載置部4への衝突時の状
況を次のからで説明する。 被洗物21の投げ上げ速度が小さい場合、載置部4の
移動周期(載置部4の1往復の時間)が長い場合等に
は、被洗物21は載置部4の下降時に衝突する。この場
合には、被洗物21と載置部4の運動方向は同じである
ので、衝突速度は被洗物21と載置部4の速度の絶対値
の差となり、被洗物21の受ける力は小さくなる。
【0033】被洗物21が載置部4の上昇時に衝突す
る場合には、被洗物21と載置部4の運動方向は逆であ
る。よって、衝突速度は被洗物21と載置部4の速度の
絶対値の和となり、被洗物21の受ける力は大きくな
る。特にピン10が位置D近傍にあり、載置部4の位置
が上死点と下死点の略中間となる場合には、載置部4の
速度は上向きの最大値となり、被洗物21の受ける力も
特に大きくなる。
【0034】載置部4の移動周期が短い場合には、被
洗物21は載置部4の位置が上死点の近傍で衝突する。
この場合には、被洗物21と載置部4の運動速度は逆向
きであり、衝突速度は被洗物21と載置部4の速度の絶
対値の和となる。載置部4が上死点に近づく程、速度の
絶対値の和である合成速度は小さくなり、被洗物21の
受ける力も小さくなる。一方、被洗物21の落下時間が
短くなり、単位時間に叩く回数を多くできる。
【0035】(9) 次に、被洗物21と載置部4の衝突時
及び衝突後の挙動について説明する。被洗物は水分を含
んだ繊維であり、載置部4の表面は硬質部材よりなるの
で、弾性衝突とは考えない。この場合にも載置部4が上
記の加速度条件を満足したときに、被洗物21は再度投
げ上げられる。しかし、被洗物21と載置部4の衝突し
た時の載置部4の位置によっては最初と同様の初速では
投げ上げられず、次のからの様になる。
【0036】載置部4の位置が下降時に被洗物21が
衝突した場合は、載置部4が再度上昇し、上記の加速度
条件を満たすときに、被洗物21は再度投げ上げられ、
この動作を繰り返す。 載置部4の位置が上昇時で、上記の加速度条件を満足
する位置に到達するまでに被洗物21が衝突した場合も
同様に、上記の加速度条件を満たすときに、被洗物21
は再度投げ上げられ、この動作を繰り返す。
【0037】載置部4の位置が上昇時で、上記の加速
度条件を満足する位置から上死点までの間に、被洗物2
1が衝突した場合、載置部4の衝突時の位置の速度を初
速として再度投げ上げられる。この様な条件を満たす位
置は、載置部4の位置が上死点と下死点の略中間よりも
上死点に近づいた場合であり、載置部4が上死点に近づ
く程、速度は小さくなり、よって最初の時よりも初速は
低下する。
【0038】(10)また、効率的に洗いを行なうには下記
の様にするのが好ましい。すなわち、上記で説明したよ
うに被洗物21は載置部4と衝突を繰り返し、たたき洗
いが行なわれる。しかし、被洗物21が載置部4の上死
点よりも高く投げ上げられる場合には、被洗物21が上
死点に下降してくるまでは次の衝突は起こらない。よっ
て載置部4をいくら高速で往復させても、衝突回数が往
復回数よりも少なくなる。よって、被洗物21の投げ上
げられる高さは、上記の加速度条件を満たす載置部4の
位置と、その時の速度で決定されるので、これらの条件
から決定される被洗物21の上死点近傍まで落下する時
間と、載置部4の移動周期は略同じか移動周期をやや長
めにするのが効率的である。
【0039】(11)また、洗いのたたき力を強くするには
下記の様にするのが好ましい。すなわち、被洗物21を
たたく力は衝突時の合成速度に比例する。よって下記の
様に、載置部4の速度、移動周期、移動距離等を設定
し、洗濯に必要な力を得る。 被洗物21を高く投げ上げる。よって衝突時の落下速
度を大きくする。 被洗物21と載置部4の衝突位置を、載置部4が上死
点と下死点の略中間近傍とする。このときは載置部4は
上向きの最大速度となる。
【0040】被洗物21と載置部4の衝突位置を、載
置部4が上死点と下死点の略中間近傍から下死点に近づ
いた位置とする。このときは載置部4の速度は減少する
が、被洗物21の落下速度は増える。しかしこの様にす
ると、被洗物21の落下時間が長くなり、単位時間当た
りに衝突する回数は多くできない。すなわち、被洗物2
1をたたく力と単位時間当たりに叩く回数はおおよそ反
比例する傾向がある。
【0041】(12)よって上記の様にして、載置部4が高
速で上下に往復運動することで、被洗物21はたたき洗
いが行なわれる。そして載置部4の速度が充分に速けれ
ば、被洗物21が落下途中で、上昇しつつある載置部4
が上死点近傍に在るときに、衝突が起こり、衝突回数を
多くすることができる。一方、従来の回転ドラム方式で
は、遠心力によって回転ドラムの回転数の上限が制限さ
れ、1回のたたき洗いの間隔が短縮できなかった。さら
に、被洗物を回転ドラムで持ち上げる為の、実質的に洗
い作業を行なわない時間も必要であった。さらに、被洗
物は自然落下の重力によって叩かれるだけであるので、
ある程度の落下距離が必要となり、そのための時間も短
縮できなかった。しかし本発明では、1回のたたき洗い
の間隔は遠心力とは無関係に設定でき、またはね上げる
ことで被洗物を持ち上げるので、その時間も短くなり、
また重力だけでなく載置部4の移動による合成速度で叩
くため、落下距離も短くでき、その時間も短くできる。
その結果、洗濯時間を短縮することができる。
【0042】(13)一方、円板9の回転速度が遅いなど
で、載置部4が上記の加速度条件を満足しない時は、被
洗物21は載置部4の上面から離れない。よって、載置
部4の移動に伴い変化する加速度すなわち力を受ける。
この場合にはたたき洗いとはならず、非常に柔らかく優
しく洗うことになる。よって丁寧に扱う必要のある被洗
物の場合に適する。
【0043】(14)次に洗浄水の水位と洗いについて説明
する。洗浄水の水位によって下記に示す作用効果を奏す
る。 まず洗濯槽2内の洗浄水の水位が載置部4の下死点よ
りも下にある場合は、上記に説明したたたき洗いの作用
効果が得られる。この場合の被洗物21は給水管19及
び散水管18によって散布される洗浄水によってのみ濡
らされ、汚れは流される。また載置部4の移動に際して
の洗浄水の抵抗は軸7にかかる粘性抵抗だけであり小さ
い。また、使用水量も少なくて済む。
【0044】一方、洗浄水の水位が載置部4の下死点
を超える場合には、被洗物21は少なくともその一部は
洗浄水に浸されることになる。このとき、上記の作用効
果に加えて、次の作用効果が得られる。載置部4の移動
に伴い洗濯槽2内には水流が生じ、その水流によって被
洗物21はかき回され、載置部4との接触部は変化する
とともに、被洗物21はほぐされて、むらなく洗濯がで
きる。また、被洗物21の汚れは洗い流される効果もあ
る。
【0045】また、被洗物21が洗浄水中にある場合
には、上記に加えて次の作用効果をも奏する。すなわ
ち、被洗物21は洗浄水の粘性抵抗を受けるので、被洗
物21が載置部4から離れて運動する場合には、その速
度が低下する。また、被洗物21は洗浄水を介して載置
部4と衝突するので、たたき洗いの力は弱くなり、柔ら
かな洗いができる。また、被洗物21は洗浄水の粘性と
浮力により、水中で保持される状態となりやすい。よっ
て水位が低く被洗物21が投げ上げられるような条件で
も、被洗物21の移動は少なく、載置部4によって力を
受ける単位時間当たりの回数を増やすことができる。し
かしながら、載置部4には洗浄水の粘性抵抗だけでな
く、載置部4の形状により圧力抵抗も受けるため、載置
部4の形状、モータ8の出力及び各部形状は適切に設定
する必要がある。
【0046】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図3は本実施例の洗濯機の構成を示す一部断面図で
ある。図3において、本体1、弾性体3、摺動部材5、
パッキン6、軸7、モータ8、円板9、ピン10、ロッ
ド11、ピン12、排水管13、排水弁14、排水管1
5、管部16、ポンプ17、散水管18、給水管19、
及びカバー20は第1の実施例と同じである。第1の実
施例では載置部4が上下に往復運動していたのに対し、
本実施例では載置部24が傾斜して往復運動することが
異なる。よって第1の実施例の洗濯槽2及び載置部4に
代わって、洗濯槽22と載置部24がそれぞれ用いられ
る。また、軸7の支持状態が第1の実施例では垂直であ
ったのが、本実施例では垂直に対して傾斜している。よ
って、洗濯槽22と排水管13、散水管18及び給水管
19との関係は洗濯槽2と同じである。すなわち、給水
機構、排水機構及び散水機構の作用効果は第1の実施例
と同じである。
【0047】まず、案内機構について説明する。図3に
おいて、本体1に洗濯槽22がゴム等の弾性体3を介し
て取付けられている。洗濯槽22の底面中央部には傾斜
して穴部22bが形成され、その穴部には上からパッキ
ン6と摺動部材5が固定される。一方、載置部24の下
面には軸7が軸線を洗濯槽22の傾斜した穴部22bに
角度を合わせて固定され、その上面は水平に保持され
る。載置部24の上面には山形の凹凸が形成されてい
る。軸7の中央部は摺動部材5の内径部と嵌合してい
る。軸7の外径と摺動部材5の内径は適切に嵌め合わさ
れ、軸7はその軸方向の移動に対して滑らかに案内され
る。また、軸7の中央部はパッキン6の内径部とも嵌合
し、洗濯槽2内の洗浄水の軸7の摺動部からの漏水を防
止する。
【0048】次に駆動機構について説明する。洗濯槽2
2の下部には、取付け座22cが形成され、そこにはモ
ータ8が固定されている。モータ8の出力軸は軸7の軸
線の略延長上にあり、円板9が固定される。またモータ
8、円板9、ピン10、ロッド11、ピン12及び軸7
それぞれの関係は第1の実施例と同様であり、すべり子
クランク機構を構成する。よって、モータ8を回転駆動
することで、軸7はその軸線方向に往復運動する。即
ち、載置部24は垂直に対して傾斜して上下移動するこ
とになる。
【0049】本実施例によれば次の様に動作する。まず
概略を説明する。 (15)まず衣類等の被洗物21は洗濯槽22内へ投入さ
れ、洗濯槽22の底面にある載置部24上に載せられ
る。ここで給水管19より給水操作が行なわれるが、そ
の水位、洗剤投入等は第1の実施例と同じである。 (16)次にモータ8を駆動し、上記の案内機構で案内され
た載置部24を上記の駆動機構によって傾斜して上下往
復運動させる。これに伴い、被洗物21は傾斜して上下
往復運動する。しかし、被洗物21は載置部24上に載
っているだけであるので、モータ8の回転数が上がるに
つれて、載置部24上を跳ねることになる。そして被洗
物21は載置部24に落下するときにその上面で叩かれ
る。こうして、被洗物21にはたたき洗いが行なわれ
る。一方このとき、被洗物21は上下方向の力だけでな
く、水平方向の力も受ける。従って、載置部24との衝
突を繰り返す内に、載置部24上の被洗物21は固まり
の形を変えながら、徐々に洗濯槽22の側面に押しやら
れる。そして、最後には洗濯槽22の側面に当たって持
ち上げられ、持ち上げられた上端が内側に崩れ落ち、被
洗物21と載置部24との相対位置が変わる。こうして
被洗物21は別々の部分がたたかれて、洗いむらが少な
くなる。また、被洗物21は載置部24との衝突だけで
なく、洗濯槽22の内壁との衝突も起こり、第1の実施
例の様に載置部4との衝突だけに比べて、より多くの回
数でたたき洗いが行なわれる。また、載置部24と洗濯
槽22内壁との衝突により、被洗物21は回転モーメン
トを受ける。また載置部24の横方向の運動によっても
被洗物21は回転モーメントを受ける。よって回転モー
メントを受け、被洗物21は姿勢を変化させる。このこ
とからも、たたかれる部位が変化しむらなく洗濯される
ものである。
【0050】(17)同時に、第1の実施例の(3) 及び(4)
で説明したように上記の散水機構及び排水機構は動作す
る。また、弾性体3で支持されることで洗濯槽22の振
動を吸収する。 (18)本実施例においても第1の実施例の(5) で説明した
様に、使用水量は少なくできる。
【0051】(19)次に載置部24の運動について詳細に
説明する。本実施例においては、第1の実施例と同様の
構成のすべり子クランク機構が、すべり部材である軸7
の案内方向を傾けて設けられている。よって軸7の運動
方向が第1の実施例の上下方向から傾いたこと以外は第
1の実施例と同様に作用する。従って図3において、す
べり子クランク機構はモータ8、円板9、ピン10、ロ
ッド11、ピン12及び軸7からなる。円板9の回転に
伴い、ロッド11はピン12を中心として揺動運動しつ
つ、軸7を摺動部材5に沿って移動させる。よって、モ
ータ8の駆動力により、円板9が反時計回りに回転する
ときの、載置部24の運動すなわち、その変位量、速度
及び加速度は第1の実施例の載置部4の運動と同様にな
る。また、その変位量、速度及び加速度は水平及び垂直
方向に分解して考えられる。
【0052】よって、載置部24の垂直方向の位置、速
度及び加速度を図4(a)、図4(b)及び図4(c)
の縦軸に示し、各図において上向き方向をプラス、下向
き方向をマイナスとする。また、水平方向の位置、速度
及び加速度を図4(d)、図4(e)及び図4(f)の
縦軸に示し、各図において右向き方向をプラス、左向き
方向をマイナスとする。円板9の回転角を図4の各図の
横軸に示す。
【0053】まず、載置部24の上下方向の運動につい
て説明する。すなわち、モータ8を一定速度で回転させ
た場合は、載置部24はつぎの様に運動する。モータ8
の一回転で近似的に正弦波状に変位しながら、載置部2
4は一往復し、載置部24の移動速度は一往復を一周期
とする略正弦波状に変化する。すなわち、ピン10が軸
7の延長上の上部(位置A)にあるとき、載置部24は
上死点となる。このとき、載置部24の速度は上向きか
ら下向きに切り換わり瞬間的に0となり、また載置部2
4の加速度は下向きの最大値となる。円板9が反時計回
りに略90度回転し、ピン10が位置Cにあるとき、載
置部24の位置は上死点と下死点の略中間となり、載置
部24の速度は下向きに最大値となり、また載置部24
の加速度は下向きから上向きに切り換わり瞬間的に0と
なる。さらに円板9が反時計回りに略90度回転し、ピ
ン10が位置Bにあるとき、載置部24の位置は下死点
となり、載置部24の速度は下向きから上向きに切り換
わり瞬間的に0となり、また載置部24の加速度は上向
きの最大値となる。さらに円板9が反時計回りに略90
度回転し、ピン10が位置Dにあるとき、載置部24の
位置は上死点と下死点の略中間となり、載置部24の速
度は上向きの最大値となり、また載置部24の加速度は
上向きから下向きに切り換わり瞬間的に0となる。
【0054】次に、載置部24の水平方向の運動につい
て説明する。載置部24は斜めに直線往復運動している
ので、垂直方向と水平方向の運動は変位量、速度及び加
速度の大きさのみ異なり、その変化の傾向は同じであ
る。よって、上記の説明において上死点を右端、下死点
を左端、上向きを右向き、下向きを左向きとしたものが
横方向の運動となる。
【0055】(20)次に被洗物21の挙動について詳細に
説明する。被洗物21は、上記の運動をする載置部24
上に載せられている。よって、被洗物21は常に重力を
受けているが、載置部24の動きによる力も受ける。そ
して、載置部24の運動の下向きの加速度が重力加速度
よりも大きくなる(以下では加速度条件という)と、被
洗物21は載置部24から離れ、その時の載置部24の
運動の水平及び垂直方向の合成速度の方向と大きさを初
速とする自由落下運動を行なう。やがて載置部24の上
面に衝突する。この時は、衝突時の被洗物21の速度
と、その時の載置部24の水平及び垂直方向の合成速度
との合成速度で、被洗物21は載置部24に打ちつけら
れ、被洗物21はたたき洗いされる。具体的には、上記
の様に載置部24の垂直方向の加速度が下向きの最大値
となるのは、載置部24の位置が上死点近傍である。よ
って載置部24の下向きの加速度が上記の加速度条件を
満足するのは、ピン10が位置Dから位置Aに動く途中
であり、この時の載置部24の垂直方向の速度は上向き
になる。またこの時の載置部24の水平方向の速度は右
向きになり、水平方向の加速度は左向きとなる。よって
載置部24は右上向きの速度及び左下向きの加速度で運
動する。また、この時までの水平方向の加速度は左向き
に増加しており、被洗物21には載置部24との摩擦力
及び被洗物21の運動慣性力による右回りの回転モーメ
ントが生ずる。よって被洗物21は姿勢を変えながら、
その時の速度で右上向きに投げ上げられる。ただし、こ
の様な挙動を示すのは、投げ上げられるまで、載置部2
4上に被洗物が載っている場合であり、後述するように
被洗物の落下位置によっては異なる挙動を示す。
【0056】(21)次に被洗物21の載置部24への衝突
時の状況を説明する。 被洗物21の上向きの投げ上げ速度が小さい場合、載
置部24の移動周期が長い場合等には、被洗物21は載
置部24の下降時に衝突する。この場合には、被洗物2
1と載置部24の垂直方向の運動方向は同じであるが、
水平方向の運動方向は異なるので、衝突速度は被洗物2
1と載置部4の速度のうちの一方を逆にした合成速度と
なる。よって被洗物21が静止面に衝突するのに比べ
て、被洗物21の受ける力は水平方向には絶対値の和と
なり大きくなるが、垂直方向には絶対値の差となり小さ
くなる。
【0057】被洗物21が載置部24の上昇時に衝突
する場合には、被洗物21と載置部24の垂直方向の運
動方向は逆であり、水平方向の運動方向は同じである。
よって被洗物21が静止面に衝突するのに比べて、垂直
方向の衝突速度は被洗物21と載置部24の垂直方向の
速度の絶対値の和となり、被洗物21の受ける垂直方向
の力は大きくなる。一方水平方向の衝突速度は被洗物2
1と載置部24の水平方向の速度の絶対値の差となる。
この場合の被洗物21の受ける水平方向の力は載置部2
4の持つ速度により変化する。特にピン10が位置D近
傍にあり、載置部24の位置が上死点と下死点の略中間
となる場合には、載置部24の垂直方向の速度は上向き
の最大値となり、被洗物21の受ける力も特に大きくな
る。
【0058】載置部24の移動周期が短い場合には、
被洗物21は載置部24の位置が上死点の近傍で衝突す
る。この場合の被洗物21と載置部24の運動速度の関
係は上記の(21)のと同じである。ただし載置部24が
上死点に近づく程、載置部24の速度は小さくなり、静
止面に衝突する場合に近くなる。一方、被洗物21の落
下時間が短くなり、単位時間に叩く回数を多くできる。
【0059】また被洗物21の載置部24への衝突位
置は下記の様になる。すなわち、被洗物21は右向きに
投げられ、また右回りの回転モーメントが生ずるので、
被洗物21は右向きに移動する。さらに上記の(21)の
の場合は、載置部24は左向きに移動している。また、
上記の(21)の及びの場合は、載置部24は左端から
右向きに移動している途中であり、被洗物21を投げ上
げた位置に至る迄であれば、衝突する位置は被洗物21
が投げられた時の位置よりも載置部24上で相対的に右
に移動することになる。
【0060】(22)被洗物21と載置部24の衝突時及び
衝突後の挙動については、第1の実施例の(9) において
載置部4を載置部24に置き換えたのと同様になる。な
ぜなら既に説明したように載置部24の運動は水平及び
垂直方向に分解でき、被洗物21の投げ上げられる加速
度条件は垂直方向のみで決まるからである。よって、載
置部24の上下方向の運動による作用効果は第1の実施
例の(10)から(14)で説明したのと同様に得られる。また
横方向の運動による作用効果は、次の(23)で説明するよ
うに、上下方向の運動による作用効果に加えて得られ
る。
【0061】(23)横方向の運動による作用効果は下記の
通りである。すなわち、被洗物21は回転モーメントを
受けその姿勢を変化させる。よって載置部への衝突時に
たたかれる部位が変化しむらなく洗濯される。また、水
平方向の速度を持って衝突した場合には、被洗物21の
汚れは載置部と被洗物21の間で剪断力を受けて、剥が
しとられるように落とされる。よってより効果のある洗
いが行なえる。
【0062】(24)次に載置部24の上面に形成された山
形の凹凸による作用効果を説明する。すなわち、載置部
24の上面の凸部が被洗物21に生じたしわ等の凹部に
まで食い込んで力を及ぼすことができ、この作用によっ
てもむらなく洗濯することができる効果がある。この作
用は被洗物21を局部的に加圧する作用を持ち、その結
果、被洗物から洗浄水を絞り出して汚れを落とす効果が
ある。また、載置部24の上面の凹部には洗浄水が一時
的に滞留することができ、被洗物21が載置部24の上
面でたたかれる際に洗浄水を伴うことができる。よって
たたき洗いで落とされた汚れを流し出すことができ、よ
り洗い効果が高くなるものである。また、同時に凹部は
全面で被洗物21と接することは少なく、凹部と被洗物
21との間に生じた隙間へ洗浄水を流し出しやすい。ま
た、被洗物21との接触面の摩擦が増え、載置部24か
ら被洗物21がずり落ちにくくなる。
【0063】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。図5は本実施例の洗濯機の構成を示す一部断面図で
ある。図5において、本体1、弾性体3、摺動部材5、
軸7、モータ8、円板9、ピン10、ロッド11、ピン
12、排水管13、排水弁14、排水管15、管部1
6、ポンプ17、散水管18、給水管19、及びカバー
20は第1の実施例と同じである。第1の実施例では載
置部4が上下に往復運動していたのに対し、本実施例で
は載置部34が横方向にも往復運動し、略楕円軌跡で運
動することが異なる。よって第1の実施例の洗濯槽2及
び載置部4に代わって、洗濯槽32と載置部34がそれ
ぞれ用いられる。洗濯槽32内で載置部34を横方向に
移動させる機構が付加され、案内機構及び駆動機構が異
なる。よって、洗濯槽32と排水管13、散水管18及
び給水管19との関係は洗濯槽2と同じである。すなわ
ち、給水機構、排水機構及び散水機構の作用効果は第1
の実施例と同じである。
【0064】まず、案内機構について説明する。図5に
おいて、本体1に洗濯槽32がゴム等の弾性体3を介し
て取付けられている。洗濯槽32の底部には縦方向に穴
部32aが形成され、穴部32aの横側面には横方向に
横穴部32bが形成され、横穴部32bの反対側には止
まり穴部32cが形成されている。また、載置部34の
下面には軸7が軸線を垂直方向にして固定され、その上
面は水平に保持される。穴部32a内部には、軸7及び
従動部材37が組み合わされている。従動部材37は、
自身が横方向に往復移動可能に支持される一方で、縦方
向に軸7を移動可能に支持する部材である。そのため
に、角柱部材37aの側面に自身を案内するための軸部
37bを横方向に固定した形状を成し、その角柱部材3
7aには縦方向に貫通穴が穿たれている。その貫通穴に
は摺動部材5が固定され、摺動部材5の内径には、軸7
がその中央部で適度の隙間を持って嵌め合わされ、滑ら
かに上下方向に移動可能に支持されている。従動部材3
7の横方向に固定された軸部37bの外径部は、横穴部
32bに固定された摺動部材35の内径部に、適度の隙
間を持って嵌め合わされ、横方向に移動可能に支持され
ている。止まり穴部32cにはバネ33が入れられ、バ
ネ33の一端は止まり穴部32cの底面に接しており、
バネ33の他端は従動部材37の角柱部材37aの側面
に接している。バネ33は縮められた状態で取付けら
れ、洗濯槽32に対して従動部材37を図5において左
方向に付勢している。
【0065】一方、洗濯槽32の底部の穴部32aの入
口には、ゴムなどの変形可能な弾性体よりなるカバー3
6が密着して取付けられている。カバー36のほぼ中央
部には軸7の嵌まり込む開口部があり、その大きさは軸
7の外径よりも小さく設定されており、軸7の外径部と
カバー36の開口部は密着している。このため軸7の移
動に伴いカバー36は変形するが、洗濯槽32及び軸7
との接続部の密着性は保たれ、漏水を防止する。
【0066】次に駆動機構について説明する。洗濯槽3
2の穴部32aの下部には、モータ8が固定されてい
る。モータ8の出力軸は軸7の軸線のほぼ延長上にあ
り、円板9が固定される。円板9の外縁部にはピン10
によって、ロッド11の一端が回動可能に固定されてい
る。一方ロッド11の他の一端はピン12によって軸7
に回動可能に固定されている。ここで、モータ8の出力
軸、ピン10及びピン12の回転軸は平行に設けられて
いる。よって、円板9から軸7にかけて連結された部材
は、すべり子クランク機構を構成する。モータ8を回転
駆動すると、軸7はその軸線方向に往復運動し、載置部
34は上下移動することになる。
【0067】また、モータ8の出力軸には、円板9に固
定されたピン10及びロッド11と干渉しないように軸
方向の位置をずらしてプーリ38が固定されている。ま
た、洗濯槽32の横穴部32bの横には、プーリ39と
カム40がモータ8の出力軸と平行な回転軸41によっ
て回動可能に支持されている。プーリ39とカム40は
固定され、一体となって回動する。プーリ38とプーリ
39の外径の比は1:2に設定され、回転力は減速され
る。プーリ38とプーリ39には、無端状のすべりの生
じないタイミングベルト等のベルト42が巻き掛けられ
る。よって、モータ8の回転はプーリ38、ベルト4
2、プーリ39を介してカム40に減速して伝達され
る。また上記の様に、バネ33によって従動部材37は
付勢され、カム40の外周面は従動部材37の軸部37
bの端面に接触している。よってカム40の回転に伴
い、従動部材37はカム40の外形に倣って摺動部材3
5に案内されて横方向に移動する。よって従動部材37
に支持された軸7及び載置部34も横方向に移動する。
カム40の外形は略楕円形に形成され、その半径におけ
る長径と短径の差が従動部材37の横方向の移動量とな
る。また、ピン10が最上部(位置A)にある時に、カ
ム40の短径部と長径部の中間で従動部材37と接触す
るように設定される。
【0068】本実施例によれば次の様に動作する。まず
概略を説明する。 (25)まず衣類等の被洗物21は洗濯槽32内へ投入さ
れ、洗濯槽32の底面にある載置部34上に載せられ
る。ここで給水管19より給水操作が行なわれるが、そ
の水位、洗剤投入等は第1の実施例と同じである。 (26)次にモータ8を駆動し、上記の案内機構で案内され
た載置部34を上記の駆動機構によって略楕円軌跡を描
きつつ上下及び横方向に往復運動させる。これに伴い、
被洗物21は同様に運動しようとする。しかし、被洗物
21は載置部34上に載っているだけであるので、モー
タ8の回転数が上がるにつれて、載置部34の上下運動
により載置部34上を跳ねることになる。そして被洗物
21は載置部34に落下するときにその上面で叩かれ
る。こうして、被洗物21にはたたき洗いが行なわれ
る。一方被洗物21は載置部34の運動により、回転モ
ーメントを生じ、やがて全体として姿勢が変わる。こう
して被洗物のたたかれる部位が変化し、むらのない洗い
ができる。
【0069】(27)同時に、第1の実施例の(3) 及び(4)
で説明したように上記の散水機構及び排水機構は動作す
る。また、弾性体3で支持されることで洗濯槽32の振
動を吸収する。 (28)本実施例においても第1の実施例の(5) で説明した
様に、使用水量は少なくできる。
【0070】(29)次に載置部34の運動について詳細に
説明する。載置部34は略楕円軌跡を描いて運動する
が、その変位量、速度及び加速度は水平及び垂直方向に
分解して考えることができる。さて、載置部34の上下
方向運動は第1の実施例で説明したすべり子クランク機
構によって実現している。なお、軸7の位置は第1の実
施例では横方向に移動しなかったが、本実施例では軸7
の軸線がモータ8に対して横方向に移動する。しかし、
軸7の横方向の移動量は小さく、それに起因する載置部
34の上下方向運動の差も小さい。よって載置部34の
上下方向運動は、第1の実施例の(6) で説明した載置部
4の上下運動と近似的に略同様と見做せる。また、載置
部34の水平方向運動はすべり子クランク機構の運動と
同期して回転するカム40によって実現している。この
水平方向運動は垂直方向運動と同じく往復運動であり、
その位置、速度及び加速度の関係は上下方向運動と同様
の傾向を持って設定される。
【0071】よって、載置部34の垂直方向の位置、速
度及び加速度を図6(a)、(b)及び(c)の縦軸に
示し、各図において上向き方向をプラス、下向き方向を
マイナスとする。また、水平方向の位置、速度及び加速
度を図6(d)、(e)及び(f)の縦軸に示し、各図
において右向き方向をプラス、左向き方向をマイナスと
する。円板9の回転角を図6の各図の横軸に示す。
【0072】載置部34の上下及び水平方向の運動の位
置、速度及び加速度の関係は上記の通りである。モータ
8の回転による、載置部34の位置のみ上下及び水平方
向について説明する。図5において、モータ8の駆動力
により、円板9が反時計回りに回転した時、軸7は摺動
部材5に沿って垂直方向に移動するのは、第1の実施例
と同じである。また、案内機構及び駆動機構の説明中で
述べた通り、載置部34の水平方向の運動は、摺動部材
35に案内された従動部材37の横方向の運動となる。
【0073】よって、ピン10が位置Aにある時には、
カム40の短径部と長径部の中間で従動部材37と接触
する。すなわち載置部34が上死点になると、横方向に
ほぼ中央にくる。次にモータ8の回転により、円板9が
反時計回りに略90度回転すると、同時にカム40は減
速されて反時計回りに略45度回転する。このとき、ピ
ン10は位置Cにあり、カム40は短径部で従動部材3
7と接触する。よって載置部34の位置は上死点と下死
点の略中間となり、左端に来る。さらにモータ8の回転
により、ピン10が位置Bにくると、カム40の短径部
と長径部の中間で従動部材37と接触する。よって載置
部34が下死点になると、横方向にほぼ中央になる。さ
らにモータ8の回転により、ピン10が位置Dにくる
と、カム40は長径部で従動部材37と接触する。よっ
て載置部34の位置は上死点と下死点の略中間となり、
右端に来る。このようにして、載置部34は略楕円軌跡
を描き、その速度はほぼ軌跡の接線に沿ったものとな
り、その加速度はほぼ軌跡の中心を向いて運動する。
【0074】(30)次に被洗物21の挙動について詳細に
説明する。被洗物21は、上記の運動をする載置部34
上に載せられている。よって、載置部34の上下運動に
よる被洗物21の動きは第1の実施例の(7) において載
置部4と載置部34とし、速度及び加速度を上下方向の
速度及び加速度としたものと同様である。さらに、本実
施例では載置部34の水平運動による被洗物21の動き
がそれに加わる。すなわち、載置部34が加速度条件を
満たすと、被洗物21は載置部34から離れ、その時の
載置部34の運動の水平及び垂直方向の合成速度の方向
と大きさを初速とする自由落下運動を行なう。やがて載
置部34の上面に衝突する。この時は、衝突時の被洗物
21の速度と、その時の載置部34の水平及び垂直方向
の合成速度との合成速度で、被洗物21は載置部34に
打ちつけられ、被洗物21はたたき洗いされる。具体的
には、上記の様に載置部34の垂直方向の加速度が下向
きの最大値となるのは、載置部34の位置が上死点近傍
である。よって載置部34の下向きの加速度が上記の加
速度条件を満足するのは、ピン10が位置Dから位置A
に動く途中であり、この時の載置部34の垂直方向の速
度は上向きになる。またこの時の載置部34の水平方向
の速度は左向きになり、水平方向の加速度も左向きとな
る。よって載置部34は左上向きの速度及び左下向きの
加速度で運動する。また、この時までの水平方向の加速
度は左向きに減少しており、被洗物21には載置部34
との摩擦力及び被洗物21の運動慣性力による右回りの
回転モーメントが生ずる。よって被洗物21は姿勢を変
えながら、その時の速度で左上向きに投げ上げられる。
ただし、この様な挙動を示すのは、投げ上げられるま
で、載置部34上に被洗物が載っている場合であり、後
述するように被洗物の落下位置によっては異なる挙動を
示す。
【0075】(31)次に被洗物21の載置部34への衝突
時の状況を説明する。本実施例の場合の被洗物21は水
平方向の速度を持って投げ上げられることは第2の実施
例と同様である。よって被洗物21には第2の実施例の
(21)のからで説明したのと同様に力が働く。また被
洗物21の載置部34への衝突位置は下記の様になる。
すなわち、被洗物21は左向きに投げられ、また右回り
の回転モーメントが生ずるので、被洗物21は左向きに
移動する。一方、載置部34は下降時には、投げ上げ位
置よりも左に移動している。よってこのときに載置部3
4と被洗物21が衝突すると、載置部34上では相対的
な位置の移動は殆どない。従って、第2の実施例の様に
洗濯槽の内壁に押しやられることはなく、載置部34の
上面は有効にたたき洗いに活用される。また、被洗物2
1に働く右回りの回転モーメントは、左向き移動には逆
方向であり、載置部34上を移動しにくいものである。
【0076】また、載置部34の上昇時に衝突すると、
被洗物21は載置部34上で相対的な位置の移動を生じ
る。しかし、上記の回転モーメントの作用及び載置部3
4の位置関係により、第2の実施例程の移動はない。 (32)被洗物21と載置部34の衝突時及び衝突後の挙動
については、第2の実施例の(22)において説明したのと
同様である。よって載置部34の上下方向の運動による
作用効果は第1の実施例の(10)から(14)で、また水平方
向の運動による作用効果は、第2の実施例の(23)で説明
したのと同様に得られる。
【0077】また、載置部34の運動を縦長楕円運動と
することにより、載置部34の横の振れに対して縦方向
の移動量を大きくできた。その結果、洗濯槽32の横幅
をあまり大きくすることなく、効果的なたたき洗いがで
きる。また上下運動より横方向の運動距離を短くでき、
洗濯機の横幅を少なく抑えることができる。次に本発明
の第4の実施例について説明する。図7は本実施例の洗
濯機の構成を示す一部断面図である。本実施例において
は、第3の実施例において載置部34が略楕円軌跡で運
動していたものを、垂直移動を含む略半楕円軌跡で運動
するようにした。すなわち、本実施例の構成は第3の実
施例と下記の点が異なっている。図7において、モータ
8の出力軸には、プーリ38に代わってプーリ48が固
定されている。また、カム40に代わってカム43がプ
ーリ39に固定され、一体となって回動する。ここで、
プーリ48とプーリ39の外径は同じに設定される。ま
た、プーリ48とプーリ39には無端状の滑りの生じな
いタイミングベルト等からなるベルト42が巻き掛けら
れ、モータ8の回転はプーリ48、ベルト42、プーリ
39を介してカム43に同期して伝達される。第3の実
施例と同じく、カム43の外周面は従動部材37の軸部
37bの端面に接触しており、モータ8の回転によっ
て、カム43の外形に倣って、載置部34は横方向に移
動する。カム43の外形は略楕円形を短直径によって切
離しそこに短径を直径とする半円を結合した形状に形成
される。また、モータ8の回転方向は切換が可能に構成
されている。よって駆動機構の動作が異なるだけで、案
内機構、給水機構、排水機構及び散水機構の構成は第3
の実施例と同じである。
【0078】(33)次に載置部34の運動について詳細に
説明する。本実施例においては、第3の実施例と水平方
向の運動が異なる。略楕円軌跡部分は、第3の実施例と
略同様であるが、水平方向の移動周期が垂直方向の移動
周期に対して2分の1となる。垂直上下軌跡部分は、第
1の実施例と同様である。よって、載置部34の垂直方
向の位置、速度及び加速度を図8(a)、(b)及び
(c)の縦軸に示し、各図において上向き方向をプラ
ス、下向き方向をマイナスとする。また、水平方向の位
置、速度及び加速度を図8(d)、(e)及び(f)の
縦軸に示し、各図において右向き方向をプラス、左向き
方向をマイナスとする。円板9の回転角を図8の各図の
横軸に示す。なお、図8(b)及び(e)の破線は軌跡
の経路を時計回りに運動したときを示す。
【0079】上記の様に構成した載置部34の上面の中
心点(図7のP)の軌跡50は、楕円の長直径で切断し
た形状を成している。順を追って説明すると、まずモー
タ8が時計回りに駆動する時は、ピン10が円板9にお
いてほぼ真横の位置Dにある時、カム43はその長直径
部分で従動部材37と接触している。この時は載置部3
4は横方向には右端にあり、縦方向には略中央にあって
下降している。次いでピン10がほぼ真下の位置Bにあ
る時、カム43はその形状において半楕円と半円との接
合部の短直径部分で従動部材37と接触する。この時は
載置部34は横方向には左端に、縦方向には下死点にあ
る。次いでピン10がほぼ真横の位置Cにある時、カム
43は長直径部と反対側のその短直径部分で従動部材3
7と接触する。この時は載置部34は横方向には左端で
停止しており、縦方向には略中央にあって上昇してい
る。次いでピン10がほぼ真上の位置Aにある時、カム
43はその形状において半楕円と半円との接合部の短直
径部分で従動部材37と接触する。この時は載置部34
は横方向には左端にあって、右方向に動き出すところで
あり、縦方向には上死点にある。すなわち、下降時には
略楕円形状に動き、上昇時には垂直に直線運動する。こ
の様に運動する場合、上下方向は連続的動きとなるが、
水平方向には位置B及びAの近傍で運動の変化が大きく
なる。即ち、水平方向の加速度が瞬間的に大きくなる。
【0080】また、モータ8が反時計回りに駆動する時
は、上記の説明とは逆になり、上昇時には略楕円形状に
動き、下降時には垂直に直線運動する。 (34)次に被洗物21の挙動について詳細に説明する。被
洗物21は、上記の運動をする載置部34上に載せられ
ている。よって、第3の実施例の(30)と同様にして、載
置部34が加速度条件を満たすと、被洗物21は載置部
34から離れ、自由落下運動を行ない、やがて載置部3
4の上面に衝突する。
【0081】さて、モータ8が時計回りに回転するとき
は、載置部34は上昇時に直線運動する。このときに載
置部34の下向きの加速度が上記の加速度条件を満足す
るのは、ピン10が位置Cから位置Aに動く途中であ
り、この時の載置部34の垂直方向の速度は上向きにな
る。そして載置部34は上死点の近傍で、瞬間的に右向
きの加速度を生じる。この加速度により、被洗物21に
含まれた水分等による粘性摩擦力が被洗物21と載置部
34の間で無くなり、被洗物21は容易に動き出す。ま
たこのときに被洗物21には回転モーメントが生ずる。
よって被洗物21は姿勢を変えながら、その時の速度で
上向き又は右上向きに投げ上げられる。
【0082】次に、モータ8が反時計回りに回転すると
きは、載置部34は下降時に直線運動する。このときに
載置部34の下向きの加速度が上記の加速度条件を満足
するのは、ピン10が位置Dから位置Aに動く途中であ
り、この時の載置部34の垂直方向の速度は上向きにな
る。同時に載置部34は右向きの加速度を受ける。従っ
てこの時の水平方向加速度が、被洗物21と載置部34
の間の粘性等の摩擦力に打ち勝つだけの動きであれば、
その時点で被洗物21は投げ上げられる。またこのとき
に被洗物21には回転モーメントが生ずる。よって被洗
物21は姿勢を変えながら、その時の速度で左上向きに
投げられる。この場合には、上記の上昇時に直線運動す
る場合の上死点近傍の投げ上げに対して、早い時点で投
げ上げられる。
【0083】(35)次に被洗物21の載置部34への衝突
時の状況を説明する。本実施例の場合の被洗物21は水
平方向の速度を持って投げ上げられることは第2の実施
例と同様である。よって被洗物21には第2の実施例の
(21)のからで説明したのと同様に力が働く。また被
洗物21の載置部34への衝突位置は下記の様になる。
すなわち、モータ8が時計回りに回転し、載置部34が
上昇時に直線運動する場合には、第3の実施例の(31)と
同様にして、載置部34上では相対的な位置の移動は殆
どない。また上昇時の載置部34の位置は、第3の実施
例ほど水平方向に移動せず、このことからも相対的な位
置の移動が起こりにくい。また、モータ8が反時計回り
に回転し、載置部34が下降時に直線運動する場合に
は、上昇時には第3の実施例の(31)と同様にして、また
下降時には載置部34は水平方向には移動せず、載置部
34上では相対的な位置の移動は第2の実施例の様に大
きくない。従って第2の実施例の様に洗濯槽の内壁に押
しやられることは少なく、載置部34の上面は有効にた
たき洗いに活用される。
【0084】(36)被洗物21と載置部34の衝突時及び
衝突後の挙動については、第2の実施例の(22)において
説明したのと同様である。よって載置部34の上下方向
の運動による作用効果は第1の実施例の(10)から(14)
で、また水平方向の運動による作用効果は、第2の実施
例の(23)で説明したのと同様に得られる。また、本実施
例においても第1の実施例の(5) で説明した様に、使用
水量は少なくできる。
【0085】上記の様にして、モータ8を適度な速度で
回転させる場合には次の様に作用する。すなわち、モー
タ8が時計回りに駆動する場合には、被洗物21は上死
点近傍で動きやすくなり、載置部34の上昇時に衝突さ
せることで、そのたたき洗い効果が良くなる。また、被
洗物21が徐々に回転することにより、洗浄むらが少な
くなる。また、モータ8が反時計回りに駆動する場合に
は、被洗物21の載置部34から投げ上げられる時点を
早くできるため、載置部34の衝突する時点を早くで
き、載置部34の下降時に衝突させることができる。よ
って洗い効果がソフトになり、特に柔らかい布の傷みが
少なくなる。また、被洗物が徐々に回転し、洗浄むらが
少なくなる。
【0086】また、モータ8の回転速度が同じでも、載
置部34の移動軌跡の経路によって被洗物の落下状態を
変えることができる。よって、モータ8の回転方向を切
り換えることにより、上記の垂直上昇時によるハードな
たたき洗いと、上記のソフトなたたき洗いとを切り換え
ることができる。従って、モータの回転速度を調節した
り、カム形状を変えたり、載置部の移動距離を変えるこ
とに較べて、モータの逆回転させるという簡単な操作
で、洗い効果を変えることができ、複雑な構造を必要と
せず、安価で実用的な洗濯機とすることができる。
【0087】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、円板9半径、ロッド11長さ、モータ8の
出力軸とと軸7の相互位置関係等、すべり子クランク機
構の、移動量、速度、加速度等を決定する各変数は、様
々に組み合わせて適用することができる。効果的な洗
い、実用的な寸法、現実的な部品性能に合わせて決定す
れば良い。
【0088】また、本発明の各実施例において、洗浄水
の給水水位は、ポンプ17が機能するために、ポンプ1
7の吸い込み口より高くなるまでは必要としたが、ポン
プの種類、取付け位置等によってはこの限りではない。
少なくとも被洗物の一部もしくは全部が水面上に出るよ
うな水量まで行うことが重要であり、載置部との位置関
係から被洗物に適した洗い方となる様に水位決定すれば
よい。要するに少量の洗浄水でも効果的な洗いができ
る。
【0089】また、本発明の各実施例において、洗浄水
の循環機構として、洗濯槽の底部から洗浄水を採り入
れ、ポンプで洗濯槽の上部に押し上げる機構としたが、
他の方法でもよい。ポンプを用いることで、少ない水量
でも循環でき、また部品の入手も容易であり、簡単に実
現できる。例えば、ポンプを用いずに載置部と洗濯槽を
ピストンとシリンダーの様に用いて内部の洗浄水を上部
に押し上げて循環させても良く、この場合には、構成が
簡単にでき、部品数を削減できる。
【0090】また、本発明の各実施例において、洗浄水
の散布方法として散布口の形状を散布に適したものとし
たが、洗濯槽の上部の散水方法には様々な方法がある。
例えば、シャワーのように多数の小孔を備えた開口部を
持つ管材、その小孔を線状、面状に配置したもの、開口
部がノズル状になっているもの、スプリンクラーのよう
に機械的方法によるもの、噴水の様に下部から吹上させ
るもの等がある。要は、被洗物に洗浄水を散布できれば
よい。
【0091】また、本発明の各実施例において、排水弁
は排水側の開閉のみできる構造としたが、管路を切り換
える構造の弁でも良い。前者であれば、設計時の配置の
自由度が増し、構造が簡単になる。また、本発明の各実
施例において、ポンプ17は排水弁14と散水管18の
中間に設けたが、この限りではない。例えば、洗濯槽と
排水弁の管に設けてもよく、この場合には排水弁の操作
と組み合わせて用いれば、ポンプを洗浄水の循環だけで
なく、排水のためにも用いることができる。
【0092】また、本発明の各実施例において、載置部
の駆動機構はモータでクランクを回転させるすべり子ク
ランク機構を用いたが、リンク機構、カム機構、直動モ
ータ等の他の方法でも構わない。また、すべり子クラン
ク機構でも、モータの取付け位置は載置部を支持する軸
のほぼ真下としたが、これには限らないし、モータの回
転速度も特に限定はしない。すべり子クランク機構の諸
寸法によって変化するからである。要は載置部の速度及
び加速度が被洗物をたたき洗いできる条件を満足できれ
ばよい。
【0093】また、本発明の第1、3及び4の各実施例
において、載置部の形状は平板状とし、第2の実施例で
は山状に凹凸を設けた板としたが、実施例で説明した以
外にも様々に考えられる。例えば、第2の実施例の山も
円錐状、角錐状、三角柱を横にした形のもの、板にこれ
らの山形を逆にした凹部を設けたもの、これらの山形の
頂部を平坦或いは丸みをもたせた形状のもの等山形の形
状、大きさ、配置等は様々に考えられる。また、組み合
わせても良い。要は被洗物に対してたたき洗い行なう力
を加えればよいので、形状も円形、方形等適当に設定す
れば良い。また、その材質もプラスチック、金属等のあ
る程度の硬質材料であればよく。被洗物の衝突時に大き
な変形を生ずる様な材料でなければよい。
【0094】また、本発明の各実施例において、載置部
は板状部材としたが、被洗物を載せる上面から、下面へ
の貫通する孔部を備えていてもよい。この孔部の大きさ
は被洗物は通過できず、洗浄水は容易に通過できる様な
大きさ及び形状であればよい。例えば、直径数センチメ
ートル以下の円形、また孔部が矩形のすのこ状のもの、
また三角、星型等様々に考えられる。この様に構成する
ことで、洗浄水は載置部上面から下面へ通過し易くな
り、早く流し去ることができる。また、孔部による表面
の凹凸は、上記の(24)で説明した載置部の形状を凹凸を
設けたものとした場合の洗浄水を適度に保持できる作用
効果以外の作用効果を奏するものである。また、開口部
の比率も特に限定しないが、大きいほど、洗浄水は通過
し易くなる。また、洗浄水の水位が載置部の下死点より
も高い場合には、載置部が水面に達したときに洗濯槽内
に溜まった洗浄水が孔部を通過することで、載置部の移
動抵抗を減ずることができる。またこのとき、載置部に
より洗浄水は圧縮され、孔部を下から上へ通過した洗浄
水は噴出し、被洗物に再度散布されることになる。よっ
て、洗い効果が高くなるものである。また、洗濯槽の上
部にある散水機構からは被洗物の上部にしか洗浄水を散
布できないが、被洗物の真下にある孔部からも洗浄水が
噴出すれば、被洗物の下部からも洗浄でき、よりむらな
く洗浄できる。また、洗浄水の噴出の勢いで汚れを洗い
流すことができ、より洗い効果が高くなる。よって、孔
部の位置も限定するものではないが、被洗物の真下にも
あれば上記の作用効果を奏するものである。
【0095】また、本発明の各実施例において、載置部
の支持部材は軸と滑り軸受からなる摺動部材としたが、
転がり直動案内でもよい。また、駆動機構にリンク機構
を用いた場合には、リンクアームがこれに相当する。要
は少なくとも所定の方向に載置部を移動可能に案内でき
ればよい。好ましくは支持できるものであればなおよ
い。
【0096】また、本発明の各実施例において、洗濯槽
の形状は、被洗物を収容し、内部で載置部が移動できる
大きさがあり、洗浄水を漏れずに収容できればよく、特
に限定しない。また、材質は洗浄水及び洗剤に対して安
定で、被洗物の衝突に対して充分な強度があるものであ
ればよく、例えばプラスチック、金属等の硬質材料があ
る。
【0097】また、本発明の第3の実施例においては、
載置部34は略楕円軌跡で運動したが、これに限らな
い。例えば、カム40の短径部と長径部の半径での差
と、載置部34の垂直方向の移動量を等しくすること
で、載置部34は略円軌跡で運動する。このことによ
り、第3の実施例で述べた作用効果に加えて、被洗物2
1の受ける水平方向の力が大きくなり、第2の実施例の
(23)で述べた作用効果が大きくなる。
【0098】また、本発明の第3の実施例において、カ
ム40と円板9に設けられたピン10の位置関係を次の
様に構成してもよい。ピン10が最上部にある時に、カ
ム40の長径部が従動部材37と接触するように設定す
る。こうすることで、ピン10が最上部にある時、すな
わち、載置部34が上死点になると、右端に来る。載置
部34が中間に下降すると、ほぼ中央に来る。載置部3
4が下死点になると、左端に来る。載置部34が中間に
上昇すると、ほぼ中央に来る。この様に第2実施例と同
様な動作が実現できる。この場合は、カム40の形状を
変えることで、横方向の移動量が少なくても所望の速
度、加速度を得ることが容易となる。
【0099】また、カム形状及び上下往復移動との連動
を調整することで、載置部と被洗物の加速度、合成速度
を、被洗物の投げ上げ、衝突時で適切な値、方向に設定
できる。例えば横方向に投げ上げてむらなく洗う、衝突
時には合成速度をほぼ最大値に設定し強く洗う、等であ
る。また、本発明の第3の実施例において、カム40と
円板9に設けられたピン10の位置関係を次の様に構成
してもよい。すなわち、プーリ38及びプーリ39の直
径の比は1:2であったが、任意の比としてもよい。ま
た、このときベルト42はタイミングベルトでなく、滑
りの生ずるものでも構わない。上記の様に構成された場
合には、載置部34の上下方向の運動と、水平方向の運
動は同期しなくなる。また、減速されているので、本発
明の各実施例で述べたように一定の軌跡を描いて載置部
34は運動せず、様々な軌跡を描きながら運動する。カ
ム40と円板9に設けられたピン10の位置関係及び減
速比により、軌跡は変化し、円、斜め楕円、略直線、く
の字状、8の字状等になる。この場合においても、載置
部34の上面に載せられた被洗物21は、上下方向の力
だけでなく、水平方向の力も受ける。従って被洗物のた
たき洗いの効果は第3実施例で述べた通りであるが、そ
れに加えて次の作用効果が得られる。すなわち、被洗物
21が投げ上げられる時点の載置部34の水平方向の運
動は一定ではなく、様々に変化する。よって被洗物21
は様々な速度で、また上記の条件によっては異なる方向
へも投げられることになる。従って、被洗物21は一方
に偏り、固まるということがなく、均一にたたき洗いが
行なわれる。
【0100】また、本発明の第4の実施例において、載
置部34の移動軌跡は直線部を持つ略半楕円形状とした
が、直線部を持つ略半円形状としてもよい。この場合
は、上記の第3の実施例の変形例として説明した作用効
果が、第4の実施例の作用効果に加えて得られる。ま
た、本発明の第4の実施例においては、載置部34は右
端にある時に軸7はモータ8の直上に来るようにした
が、これには限らない。また第4の実施例において、カ
ム43の形状を円の部分を2分の1以上にし、楕円の部
分を2分の1以下にすれば、移動軌跡の直線部の移動時
間は略半楕円部の移動時間よりも長くなる。よって、モ
ータ8の回転が一定でも、被洗物21は直線軌跡で上昇
するときには直線上昇部で衝突し、略楕円の軌跡で上昇
するときには直線下降部で衝突させやすくなる。従って
第4の実施例の移動軌跡の方向によるたたき洗い効果の
差が出やすくなる。また、カム43の取付け角度を18
0度変えても良い。この場合も上記と同様の効果があ
る。ただしモータ8の回転方向と載置部34の移動軌跡
の方向は、第4の実施例では同じであったが、この場合
では逆になる。これらの場合には、載置部34の上死点
と下死点の近傍の移動軌跡が適当な形状となるように、
カム43の形状及び取付け角度を設定することが好まし
い。
【0101】また、本発明の各実施例においては、載置
部、駆動機構、散水機構などは1つの場合を説明した
が、複数個設けられていてもよい。その他、本発明の要
旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能
である。
【0102】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、高速で上
下動する載置部によって、その上の被洗物はたたかれ、
たたき洗いが行なわれる。従来のドラム回転方式の洗濯
機では、ドラムの回転速度を速くすると遠心力でたたき
洗いができなかった。しかし本発明では、載置部の速度
を速くしても、たたき洗いを行なえるので、速度を速く
することで、衝突回数を多くすることができる。その結
果、洗濯時間を短縮することができる。また、洗濯水量
は被洗物が洗浄水を含んでいればよく、洗濯にかかる使
用水量及び洗剤の使用量を少なくすることができる。さ
らに、前記被洗物に洗浄液を適宜散布することにより、
洗い効果を高めることができる。
【0103】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
係る発明の効果に加えて、洗浄水を洗濯槽内に溜めるこ
とができ、被洗物の一部がその洗浄水に浸かることで汚
れが洗い流される。よって洗い効果をさらに高めること
ができる。請求項3に係る発明によれば、請求項1又は
2に係る発明の効果に加えて、載置部は斜め上下方向に
移動することで、被洗物のたたかれる部位が変化し、む
らのない洗いができるものである。
【0104】請求項4に係る発明によれば、請求項1、
2又は3に係る発明の効果に加えて、被洗物はたたかれ
る部位が変化することで、むらのない洗いができるもの
である。請求項5に係る発明によれば、請求項4に係る
発明の効果に加えて、載置部を所定の軌跡を取って運動
させることができる。その結果、載置部上の被洗物に
は、所定の力を作用させることができる。
【0105】請求項6に係る発明によれば、請求項1又
は2に係る発明の効果に加えて、載置部が垂直面内で略
円又は略楕円軌跡で運動することにより、載置部上の被
洗物は所定の横方向の力及び回転モーメントを受ける。
被洗物のたたかれる部位が変化することで、むらのない
洗いができるものである。また略楕円軌跡とすることで
洗濯機の横幅を少なく抑えることができ、省スペース性
を有するとともに、材料も少なくて済み、原価を低減で
きるものである。また、前記載置部は直線部が上下方向
直線軌跡となる略半円又は略半楕円軌跡で運動する場合
において、被洗物の受ける回転モーメントにより、被洗
物は全体として姿勢が変わる。こうして被洗物のたたか
れる部位が変化し、むらのない洗いができる。また、載
置部が垂直に上昇運動することで被洗物を強くたたき洗
いでき、載置部が逆経路をとることで被洗物を柔らかく
たたき洗いできる。また、上記作用を同じ軌跡の運動に
より得ることができる。
【0106】請求項7に係る発明によれば、請求項6記
載の効果において、軌跡経路を逆転切換することで、上
記効果を切り換えることができる。この結果、複雑な構
成を取ること無く、洗い方の切換ができ、被洗物に適し
た洗濯機と成るものである。請求項8に係る発明によれ
ば、請求項4から7に係る発明の効果に加えて、載置部
はランダムに垂直方向及び水平方向の往復移動を行なう
ことによって、被洗物は一方向に偏ってしまうことな
く、たたき洗いをむらなく行なえる。
【0107】請求項9に係る発明によれば、請求項8に
係る発明の効果に加えて、簡単な構成で実現することが
できる。よって被洗物は一方向に偏ってしまうことな
く、たたき洗いをむらなく行なえる。請求項10に係る
発明によれば、請求項1から9に係る発明の効果に加え
て、載置部の上面の被洗物の接触する部分に凹凸を形成
したことで、被洗物の凹みにも力を加えることができ、
よりむらなく洗える。また適度に洗浄水を保持でき、汚
れを流し去ることができる。また、被洗物がずり落ちに
くく、洗濯槽と載置部の隙間に落ち込みにくくなる。
【0108】請求項11に係る発明によれば、請求項1
から10に係る発明の効果に加えて、孔部より被洗物に
散布された洗浄水を早く流し去ることができる。また、
凹凸により被洗物の凹みにも力を加えることができ、よ
りむらなく洗える。また、被洗物との接触面の摩擦が増
え、載置部から被洗物がずり落ちにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る洗濯機の構成を示
す一部断面正面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る載置部の運動を示
す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る洗濯機の構成を示
す一部断面正面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る載置部の運動を示
す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係る洗濯機の構成を示
す一部断面正面図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る載置部の運動を示
す説明図である。
【図7】本発明の第4の実施例に係る洗濯機の構成を示
す一部断面正面図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係る載置部の運動を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 本体 2、22、32 洗濯槽 4、24、34 載置部 5 摺動部材 7 軸 8 モータ 17 ポンプ(循環手段) 18 散水管(散水手段) 19 給水管(給水手段) 21 被洗物 5、7 支持部材 7、9、10、11、12 すべり子クランク機
構 7、8、9、10、11、12 駆動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野呂 拓哉 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 吉田 茂樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】衣類などの被洗物を収容する洗濯槽と、 前記洗濯槽内にあって、上下方向運動可能に支持され、
    上面に被洗物を載せるための載置部と、 前記載置部を上下方向に往復運動させる駆動手段と、 前記被洗物に洗浄液を散布する散水手段とを備えたこと
    を特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の洗濯機において、 前記洗濯槽は、前記被洗物の少なくとも一部もしくは全
    部が水面上に出るような水量の洗浄液を収容し得ること
    を特徴とする洗濯機。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の洗濯機において、 前記載置部は、斜めの上下方向に移動可能に支持され、
    移動されることを特徴とする洗濯機。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の洗濯機におい
    て、 前記駆動手段は、さらに前記載置部に対して水平方向に
    往復運動させる手段を含むことを特徴とする洗濯機。
  5. 【請求項5】請求項4記載の洗濯機において、 前記水平方向に往復運動させる手段は、上下方向に往復
    運動させる手段と所定の同期をとって動作することを特
    徴とする洗濯機。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の洗濯機において、 前記駆動手段は、さらに前記載置部に対して水平方向に
    往復運動させる手段を備え、それによって前記載置部を
    垂直面内で略円若しくは略楕円軌跡で運動させるか、又
    は直線部が上下方向直線軌跡となる略半円若しくは略半
    楕円軌跡で運動させる手段を含むことを特徴とする洗濯
    機。
  7. 【請求項7】請求項6記載の洗濯機において、 前記駆動手段は、さらに前記載置部の運動軌跡経路を逆
    転切換可能に構成したことを特徴とする洗濯機。
  8. 【請求項8】請求項4乃至7の何れかに記載の洗濯機に
    おいて、 前記駆動手段は、さらに前記載置部を上昇時に任意の高
    さ位置で水平方向の移動の向きが異なる2つ以上の軌跡
    で運動させる手段を含むことを特徴とする洗濯機。
  9. 【請求項9】請求項8記載の洗濯機において、 前記駆動手段は、前記載置部の垂直方向の移動周期と水
    平方向の移動周期を異なって構成したことを特徴とする
    洗濯機。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9の何れかに記載の洗濯機
    において、 前記載置部は、その上面の被洗物の接触する部分に凹凸
    を形成したことを特徴とする洗濯機。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10の何れかに記載の洗濯
    機において、 前記載置部は、貫通する多数の孔部を備えたことを特徴
    とする洗濯機。
JP6149834A 1994-06-30 1994-06-30 洗濯機 Pending JPH0810485A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6149834A JPH0810485A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 洗濯機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6149834A JPH0810485A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 洗濯機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0810485A true JPH0810485A (ja) 1996-01-16

Family

ID=15483686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6149834A Pending JPH0810485A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 洗濯機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0810485A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102978871A (zh) * 2012-12-21 2013-03-20 苏章群 一种喷淋式洗衣机
CN104532509A (zh) * 2014-12-15 2015-04-22 广西大学 一种洗袜子机
CN104975458A (zh) * 2014-04-04 2015-10-14 海尔集团公司 一种往复式洗衣机
CN104975455A (zh) * 2014-04-04 2015-10-14 海尔集团公司 一种往复式挤压式洗衣机
CN107217441A (zh) * 2016-11-14 2017-09-29 柴文龙 一种挤压式洗衣机
CN109137358A (zh) * 2018-08-17 2019-01-04 龙港乐家创新科技(深圳)有限责任公司 全自动挤压式洗衣机
CN109853189A (zh) * 2017-11-30 2019-06-07 无锡小天鹅股份有限公司 洗衣机及其控制方法、控制装置和计算机可读存储介质
CN113235256A (zh) * 2021-06-02 2021-08-10 李文燕 一种气囊挤压式微型洗衣机

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102978871A (zh) * 2012-12-21 2013-03-20 苏章群 一种喷淋式洗衣机
CN104975458A (zh) * 2014-04-04 2015-10-14 海尔集团公司 一种往复式洗衣机
CN104975455A (zh) * 2014-04-04 2015-10-14 海尔集团公司 一种往复式挤压式洗衣机
CN104532509A (zh) * 2014-12-15 2015-04-22 广西大学 一种洗袜子机
CN107217441A (zh) * 2016-11-14 2017-09-29 柴文龙 一种挤压式洗衣机
CN107217441B (zh) * 2016-11-14 2021-08-03 柴文龙 一种挤压式洗衣机
CN109853189A (zh) * 2017-11-30 2019-06-07 无锡小天鹅股份有限公司 洗衣机及其控制方法、控制装置和计算机可读存储介质
CN109853189B (zh) * 2017-11-30 2024-04-05 无锡小天鹅电器有限公司 洗衣机及其控制方法、控制装置和计算机可读存储介质
CN109137358A (zh) * 2018-08-17 2019-01-04 龙港乐家创新科技(深圳)有限责任公司 全自动挤压式洗衣机
CN113235256A (zh) * 2021-06-02 2021-08-10 李文燕 一种气囊挤压式微型洗衣机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9249534B2 (en) Laundry treating apparatus and method
JPH0810485A (ja) 洗濯機
EP2414577B1 (en) Washing method
KR101632210B1 (ko) 세탁장치의 제어방법
US5307651A (en) Washing machine
EP1626819B1 (en) A parts washer
KR20010015260A (ko) 자동 세탁기에서 세탁물을 롤링하기 위한 장치 및 방법
KR100216127B1 (ko) 세탁기
JPH09276582A (ja) 洗濯機
US4631934A (en) Washing machine
KR20030049818A (ko) 세탁기
CA2383046A1 (en) Apparatus for dispensing rinse water additive in an automatic washing machine
KR20010100621A (ko) 기울어진 세탁기의 외조 덮개
JPH0910475A (ja) 洗濯機
KR100465724B1 (ko) 드럼세탁기의 리프트
KR102229352B1 (ko) 댐퍼 및 이를 포함하는 세탁기
KR0171475B1 (ko) 세탁기
KR200219819Y1 (ko) 세탁조 외부날개를 구비한 드럼 세탁기_
KR100493308B1 (ko) 세탁기
KR100198582B1 (ko) 드라이 마크 표시 의류 세탁 코스가 내장된 전자동 세탁기의 세탁 장치
JP2018158313A (ja) 異物除去装置
KR100186735B1 (ko) 세탁기
JP3543033B2 (ja) 靴底洗浄装置
KR0171476B1 (ko) 1조식 세탁기
JPH10328464A (ja) 垂直運動をする洗濯部材を有する洗濯機