JPH08103416A - 傾向変動ベクトル分析を使用する患者警報検出方法 - Google Patents

傾向変動ベクトル分析を使用する患者警報検出方法

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JPH08103416A
JPH08103416A JP25145894A JP25145894A JPH08103416A JP H08103416 A JPH08103416 A JP H08103416A JP 25145894 A JP25145894 A JP 25145894A JP 25145894 A JP25145894 A JP 25145894A JP H08103416 A JPH08103416 A JP H08103416A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 患者の症状に応じてより適切な時期に警報を
発生できる傾向変動ベクトル分析を使用する患者警報検
出方法を提供する。 【構成】 患者に取り付けられたECG センサ12、圧力
センサ14、S P O2センサ16、温度センサ18で患者
の生理学的パラメータ値を測定し、システム・プロセッ
サ20に入力し、患者の状態を監視するとともに、オペ
レータ・インターフェース28と連係して測定した患者
の生理学的パラメータ値が安全範囲限界内にあるか否か
を判定し、生理学的パラメータ値が安全範囲限界外に出
ている場合には、生理学的パラメータ値の変化の関数で
ある傾向変動ベクトルの計算を開始し、傾向変動ベクト
ルと警報極限関数と比較し、傾向変動ベクトルが警報極
限関数を越えると、警報を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、患者の医療監視に係わ
り、特に、患者監視装置における警報検出のための改善
された傾向変動ベクトル分析を使用する患者警報検出方
法に係わる。
【0002】
【従来の技術】一般的に、患者監視装置は、例えば病院
の心臓治療室(coronary care unit)及び集中治療室(int
ensive care unit) において、患者の状態を監視するた
めに使用される。こうした装置は、典型的には、例えば
ECG(electrocardiograph: 心電計)センサや血圧センサ
や温度センサのような、患者に取り付けられた1つ以上
のセンサを備えたベッドサイド・モニタ(bedside monit
or) を含む。これらのセンサは、患者の様々な生理学的
パラメータを測定する。測定されたパラメータはシステ
ム・プロセッサによって処理され、ビデオ・ディスプレ
イ・スクリーン上に表示されることも、その後の分析の
ために記録されることも可能である。幾つかのベッドサ
イド・モニタから得られた患者の生理学的情報は、例え
ば看護ステーションに配置された中央ステーションに送
られることが可能である。
【0003】こうしたベッドサイド・モニタとセントラ
ル・ステーションは、生理学的パラメータを波形及び/
又は数値として表示することが可能である。患者監視装
置の別の重要な機能は、患者が注意を要することを1つ
以上の生理学的パラメータが示す時に、警報を発生させ
ることである。患者監視システムのディスプレイ・スク
リーンが常に観察されることは不可能なので、こうした
警報が必要である。警報は、典型的には、視覚的警報と
聴覚的警報の両方に訴えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示される従来の
警報基準指定方法では、例えば心拍数のような測定値に
関する上位閾値102と下位閾値104とが設定されな
ければならない。測定値が上位閾値102を越えるか下
位閾値104を下回る時には、警報が発生させられる。
前記両閾値の外側に測定値が短時間だけ出ても警告が発
生させられることがない除外範囲106、108を除い
て、これらの閾値は時間の推移に無関係に固定されてい
る。過剰な誤警報を防止すると同時に臨床的に許容可能
な結果を生じさせる閾値を選択することは、困難である
可能性がある。閾値が所期値に接近している時には、誤
警報が頻繁に発生する可能性があり、閾値が所期値から
離れている時には、臨床的に重要な警報条件が検出され
ない可能性がある。場合によっては、患者監視装置の使
用者が、患者の状態に急激な変化がある時に又は患者の
状態に緩慢な段階的悪化がある時に監視装置に警報を発
生させることを望むかもしれない。従来の固定された閾
値は、こうした状態を適切に検出しない。他の従来の方
法の中には、例えば固定遅延(fixed delay) やヒステリ
シスや不応期(refractory period) といった他の手法を
前記閾値と組み合わせているものがある。これらの手法
の組合せを使用する方法の問題点は、更に別の制約がそ
の処理に付加されるために、その方法の複雑性が劇的に
増大し、新たな機能を実現することがコスト的に見て不
可能になるということである。従って、単一の方法で複
雑なタイミング条件と閾値とを記述することが可能であ
ることが望ましい。より一層高度な様々な警報基準が提
案されている。例えば、J.S. Gravenstein(ゼイ.エ
ス.グラベンスタイン)他編「Essential Noninvasive
Monitoring in Anesthesia(麻酔による非侵害的モニ
タ)」(1980)中の「Thoughtful Alarms (思索する警
報)」と表題されたJ.H. Philip の論文(pp.191-201)
と、J.H. Philip (ゼイ.エッチ.フィリップ)の論文
「 Overview;Creating Practical Alarms for the Futur
e (総括:未来用実用警報の創設)」(1989) とを参照さ
れたい。比較的容易な患者監視要件を実現するには、こ
うした装置は複雑すぎると言えるだろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の相によっ
て、患者警報を検出するための方法が提供される。この
方法は、生理学的パラメータを表す値を測定するための
少なくとも1つのセンサと、このセンサで測定された測
定パラメータ値を処理して測定パラメータ値を表す情報
を与えるためのプロセッサとを含む患者監視装置におい
て使用される。本発明による傾向変動ベクトル分析を使
用する患者警報検出方法では、患者監視装置は、生理学
的パラメータを表す値を測定するステップと、測定パラ
メータ値が安全範囲限界内にあるかどうかを判定するス
テップと、前記測定パラメータ値が前記安全範囲限界外
に出る時に、測定パラメータ値変化と時間との関数であ
る傾向変動ベクトル(trend vector)の計算を開始するス
テップと、前記傾向変動ベクトルを警報極限関数と比較
するステップと、前記傾向変動ベクトルが前記警報極限
関数を越えるときに警報を発生させるステップとを実行
する。
【0006】前記警報極限関数は、傾向変動ベクトルの
計算の開始後に時間の推移と共に変化する変化極限を有
することが好ましい。様々な警報極限関数が正と負の傾
向変動ベクトルに対して使用されることが可能である。
短すぎて無意味である変化又は生理学的には起こり得な
い変化の範囲を典型的に限定する予め規定された除外範
囲の外に前記傾向変動ベクトルがある時にだけ、警報が
発生させられることが可能である。この傾向変動ベクト
ルは、安全範囲限界外にある新たな測定パラメータ値の
各々毎に計算される。測定パラメータ値が安全範囲限界
内に戻るときには、傾向変動ベクトルの計算が中止され
る。
【0007】本発明の別の相によって、患者監視装置
は、生理学的パラメータを表す値を測定するためのセン
サと、前記生理学的パラメータ値を処理するためのプロ
セッサとを備える。このプロセッサは、前記生理学的パ
ラメータ値が安全範囲限界内であるかどうかを判定する
ための手段と、前記生理学的パラメータ値が前記安全範
囲限界外に出た時に傾向変動ベクトルの計算を開始する
ための手段と、前記傾向変動ベクトルを警報極限関数と
比較するための手段と、前記傾向変動ベクトルが前記警
報極限関数を越える時に警報を発生させるための手段と
を備える。
【0008】患者監視装置はディスプレイ装置を含むこ
とが好ましい。この場合には、前記プロセッサは、生理
学的パラメータの測定値を表す情報を表示装置上に表示
するための手段を含む。このプロセッサは、前記パラメ
ータ値の変化の極性を示す方向を有し且つ前記パラメー
タ値の変化の大きさを示す長さを有する矢印として、デ
ィスプレイ装置上に傾向変動ベクトルを表示するための
手段を含むことが可能である。任意に、この傾向変動矢
印は色で大きさを表示してもよく、又は、前記パラメー
タの警報状態を表すために色が使用されることが可能で
ある。
【0009】本発明の更に別の側面によって、生理学的
パラメータを表す情報を表示するための方法が提供され
る。この方法は、生理学的パラメータを表す値を測定す
るための少なくとも1つのセンサと、この測定値を処理
するためのプロセッサと、ディスプレイ装置とを含む患
者監視装置において使用される。この患者監視装置は、
生理学的パラメータを表す値を測定するステップと、特
定の時間期間に亙っての前記パラメータ値の傾向変動を
測定するステップと、前記ディスプレイ装置上に前記傾
向変動を表示するステップとを実行する。
【0010】
【実施例】本発明の傾向変動ベクトル分析を使用する患
者警報検出方法を実施するのに適した患者監視装置のブ
ロック図が、図1に示されている。臨床監視装置として
のベッドサイド・モニタ10は、典型的には、患者のベ
ッドサイドに配置され、患者に取り付けられた1つ以上
のトランスデューサ又はセンサを含む。トランスデュー
サは、ECG センサ12と、血圧センサ14と、S P O2
ンサ16と、温度センサ18とを含むことが可能であ
る。こうしたセンサの数とタイプは任意である。これら
のセンサは、対象である様々な生理学的パラメータを感
知する。
【0011】上記センサによって得られた生理学的パラ
メータの測定値は、システム・プロセッサ20に送られ
る。典型的には、アナログ・センサ出力信号が増幅さ
れ、AD変換器(図示されていない)によってディジタ
ル・データに変換される。センサ信号を表すこのディジ
タル・データは、システム・プロセッサ20に送られ
る。システム・プロセッサ20は、患者の状態を監視し
使用者に情報を供給するために、システム・メモリ22
と、表示装置24(典型的にはビデオ・ディスプレイ・
スクリーン)と、ディスプレイ・コントローラ26と、
オペレータ・インターフェース28と連係して働く。シ
ステム・プロセッサ20は、例えば、モートローラ68
0x0マイクロプロセッサを含むことも可能である。
【0012】表示装置24上に表示される情報は、1つ
以上の生理学的パラメータの波形や、1つ以上の生理学
的パラメータの数値や、患者が注意を要することを示す
警報状態を含むことが可能である。上記センサによって
得られる生理学的パラメータ情報は、後で行われる分析
のためにシステム・メモリ22内に記憶されることが可
能である。患者の状態に関する情報は中央ステーション
に供給されることも可能である。図1に示されるタイプ
のベッドサイド・モニタの一例は、ヒューレット・パッ
カード社によって製造販売されるモデルM1176Aである。
【0013】本発明による「ベクトル・インタセプト法
(vector intercept method) 」と呼ばれる警報検出方法
が、図2と図3とを参照して説明される。図2に示され
るように、安全範囲限界が各々の生理学的パラメータに
関して設定される。この生理学的パラメータは直接測定
されたパラメータであっても、1つ以上の測定値から計
算されたパラメータであってもよい。計算されるパラメ
ータの例は、心拍数と心臓指数(cardiac index) とを含
む。この安全範囲限界は、公称パラメータ値42より高
い上限40と、公称パラメータ値42より低い下限44
とによって規定される。後で明らかになるように、適切
である場合には、安全範囲限界の上限40、下限44
は、誤警報率を大きく増大させることなしに、従来の警
報方法で使用される閾値の場合よりも公称パラメータ値
に近いことが可能である。測定値が安全範囲限界の上限
40、下限44の間にある場合には、警報が発生させら
れることはあり得ない。後述するように、測定値が上限
40を越えるか、下限44を下回る時に、傾向変動ベク
トル分析が開始される。
【0014】生理学的パラメータの測定値が、その生理
学的パラメータの安全範囲限界外に出る時は、図3に示
されるように、傾向変動ベクトル分析が開始される。傾
向変動ベクトル50は、傾向変動ベクトル分析開始から
の測定値の変化と、傾向変動ベクトル分析開始から経過
した時間とに依存する。大きさと極性の両方が測定値変
化に関連付けられる。典型的には、測定値は、例えば1
秒間隔のような周期的間隔において測定される。傾向変
動ベクトル分析開始後に、後述されるように傾向変動ベ
クトル分析が完了されるまで、生理学的パラメータの各
測定値毎に傾向変動ベクトルが計算されることが好まし
い。例えば、20秒という時間中に心拍数が80から9
0に変化する場合には、傾向変動ベクトルは、20秒と
いう時間内の10の測定値変化によって表されることが
可能である。
【0015】傾向変動ベクトル50は生理学的パラメー
タの測定値変化の値の近似値である。(ゼロ時間におい
て)生理学的パラメータ値が安全範囲限界外に出た後
に、周期的間隔を置いて測定値が得られ続ける。これら
の測定値から、生理学的パラメータ値が安全範囲限界外
に出た時点で測定された値に比例して測定値変化が計測
される。測定値変化の値が、図3に点60、62、64
等として示されている。傾向変動ベクトル50は、測定
値変化の値の直線近似であることが好ましい。好適な実
施例では、傾向変動ベクトル50を計算するために、従
来通りの最小自乗近似が使用される。傾向変動ベクトル
50は、新たな測定値1つ毎に計算される。
【0016】計算された傾向変動ベクトル50の各々
は、警報極限関数52又は54と比較される。警報極限
関数52、54は、典型的には、傾向変動ベクトル分析
が開始される時点を始点として、時間の推移に応じて変
化する。1つの実施例では、警報極限関数は最短間隔内
の最大許容変化と最長間隔内の最小許容変化とを結ぶ直
線である。或いは、警報極限関数52、54は、臨床的
に有意な変化を時間の推移に応じてグラフ化することに
よって得られることが可能である。一般的に、警報極限
関数52、54は時間の任意の関数であることが可能で
ある。警報極限関数は、正の測定値変化と負の測定値変
化とに関して、同一であっても異なっていてもよい。傾
向変動ベクトル50が適切な警報極限関数を上回らない
限り、警報は発生させられず、測定値の監視が続行され
る。傾向変動ベクトル50が警報極限関数の一方を上回
る時には、警報が発生させられる。警報極限関数が傾向
変動ベクトル分析開始後の各々の時間間隔毎に異なった
値を有する可能性があるということを理解されたい。従
って、例えば、時間が推移するにつれて警報極限が減少
させられることもあり得る。
【0017】傾向変動ベクトル分析は任意に除外範囲5
6、58を含むことが可能である。傾向変動ベクトル5
0が除外範囲56又は58の一方に含まれるときには、
警報は発生させられない。除外範囲56、58は、短す
ぎて無意味である変化か、生理学的にあり得ない変化
か、そうでない場合には警報が必要とされない変化を表
す。例えば、血圧が3秒以内に2倍になることはあり得
ず、従って、この条件での血圧警報は適切でないだろ
う。除外範囲56、58は、任意に規定されることが可
能であり、正の測定値変化と負の測定値変化とに関して
異なっていることが可能である。
【0018】傾向変動ベクトル分析は、終了されるまで
続けられる。この終了は2つの形のどちらか一方で生じ
ることが可能である。上記のように警報が生じさせられ
る時には、傾向変動ベクトル分析が終了させられる。或
いは、生理学的パラメータの測定値が図2に示されるよ
うな安全範囲限界内に戻る場合には、傾向変動ベクトル
分析が終了させられ、測定パラメータ値が安全範囲限界
内にあるかどうかを判定するために、測定パラメータ値
が通常通りに監視される。
【0019】本発明の警報検出方法の流れ図が図4と図
5とに示されている。好適な実施例の1つでは、本発明
の警報検出方法が、システム・プロセッサ20(図1)
上で実行されるソフトウェア・プログラムとして実現さ
れる。本発明は、例えば、C/C++プログラミング言
語の形で実現されることが可能である。
【0020】ステップ70において、測定パラメータ値
がシステム・プロセッサ20によって読み取られる。上
記のように、各センサの出力は周期的間隔でディジタル
・データに変換され、このディジタル・データはシステ
ム・プロセッサ20に供給される。ステップ72におい
て、測定パラメータ値が安全範囲限界内にあるかどうか
を判定するために、安全範囲の上限40と下限44とに
対して測定パラメータ値が比較される。測定パラメータ
値が安全範囲限界内にある時には動作は必要とされず、
その次の測定パラメータ値を読み取るためにプロセスが
ステップ70に戻る。
【0021】測定パラメータ値が安全範囲限界外に出る
場合には、傾向変動ベクトル分析が図5に示される通り
に開始される。次の測定パラメータ値がステップ74で
読み込まれる。ステップ76において、新たな測定パラ
メータ値が安全範囲限界の上限40、下限44と比較さ
れる。この新たな測定パラメータ値が安全範囲限界外で
ある場合には、傾向変動ベクトル分析がステップ78で
計算される。上記のように、最小自乗適合計算(least s
quares fit calculation) が使用されることが可能であ
る。この後で、ステップ80において、傾向変動ベクト
ルが除外範囲と比較される。傾向変動ベクトルが除外範
囲内である時には動作は必要とされず、プロセスがステ
ップ74に戻って、その次の測定パラメータ値を読み取
る。除外範囲が任意であり、用途によっては除外範囲が
使用されない場合もあるということに留意されたい。傾
向変動ベクトルが除外範囲外である時には、ステップ8
2において、この傾向変動ベクトルが適切な警報極限関
数と比較される。上記のように、典型的には警報極限関
数は時間の推移に応じて変化する。ステップ82の時点
において傾向変動ベクトルが警報極限関数を上回らない
時には動作は必要とされず、プロセスがステップ74に
戻って、その次の測定パラメータ値を読み取る。傾向変
動ベクトルが警報極限関数を上回る時には、ステップ8
4において警報が発せられる。この後で、傾向変動ベク
トル分析が終了させられる。
【0022】ステップ76を再度参照すると、測定パラ
メータ値のいずれかが安全範囲限界内にある時には、傾
向変動ベクトル分析が終了させられ、安全範囲限界の上
限40、下限44に対する測定パラメータ値の通常の比
較のために、プロセスがステップ70(図4)に戻る。
【0023】傾向変動ベクトルは、測定パラメータ値に
おける変化の極性を示す方向と測定パラメータ値におけ
る変化の大きさを示す長さとを有する矢印として、表示
装置24上に表示されることが可能である。任意に、こ
の傾向変動矢印は色で大きさを表示してもよく、又は、
測定パラメータの警報状態を表示するために色が使用さ
れることが可能である。
【0024】傾向変動ベクトルを含む患者監視装置の表
示の一例が、図6に示されている。この表示は、波形1
20、122や現在測定パラメータ値126、128、
130、132、134のような必要とされる任意の情
報を含むことが可能である。パラメータ値における傾向
変動の表示が、1つ以上の現在測定パラメータ値に関連
付けられる。図6の例では、測定パラメータ値が増加中
である時に上向き矢印140によって傾向変動が表さ
れ、測定パラメータ値が減少中である時に下向き矢印1
42によって傾向変動が表される。バー144によって
一定値が表示されることが可能である。或いは「up」
(アップ)もしくは「down」(ダウン)のような言葉に
よって、又は、他の任意の傾向変動標識によって、必要
とされる傾向変動の表示が示されることが可能である。
上記のように、上向き矢印140、下向き矢印142の
ような傾向変動標識の長さ及び/又は色が、大きさと警
報状態とを含む傾向変動の他の相を表示するために使用
されることが可能である。1つの実施例では、測定パラ
メータ値が上記のように安全範囲限界を超える時にだ
け、傾向変動標識が表示されることが可能である。別の
実施例では、傾向変動標識が常に表示される。傾向変動
標識の利点は、臨床医がモニタを見て、現在測定パラメ
ータ値が何であるかを知ることが可能であるばかりでな
く、特定の時間(例えば、過去15分間)に亙って測定
パラメータ値がどのようであったかを知ることが可能で
あるということである。
【0025】次に、本発明の傾向変動ベクトル分析を使
用する患者警報検出方法の利点を説明するために幾つか
の例が示される。第1の例では、患者が衰弱するにつれ
て、この患者の呼吸率(respiration rate)が段階的に低
下する。従来技術の場合には、低呼吸率の警報限界を越
えるのに1時間以上の時間を有する可能性がある。従っ
て、警報限界を越える時点までに患者が絶望的になって
いる可能性がある。大半の場合には上記警報限界が全体
的には適切であるかも知れないが、この場合には適切で
はない。上記の警報検出方法は、本発明が適切な結果を
もたらすように、傾向変動が現れるにつれて閾値を低下
させることと、より早期に警報を発することとによって
上記状態が検出されることを可能にする。警報が発せら
れたレベルに警報限界が最初に設定されていた場合に
は、数多くの誤警報が生じたことだろう。
【0026】第2の例では、麻酔された患者が、重大な
問題とはならない低い心臓収縮圧を有する可能性があ
る。一定の時間の後に、薬剤に対する反応が、患者の血
圧が急激に上昇することを引き起こす可能性がある。こ
の状態は一時的には容認可能であるが、従来技術の心臓
収縮圧警報の限界に達するのに要する時間である数分間
に亙ってこの状態が持続させられる場合には、患者が深
刻な損傷を与えられる可能性がある。開示された本発明
の警報検出方法によって、より早期の警報を結果的に生
じさせるように血圧の上昇に応じて閾値を低下させるこ
とと傾向変動ベクトルを調整することとによって、上記
状態が検出される。
【0027】第3の例では、ゼロの心拍数の測定値が、
患者が心室細動状態になっていることを示すか、又は、
一連の一過性の物理的運動現象(transient motion arti
fact) であるかも知れない。開示された本発明の警報検
出方法によって、最初に傾向変動ベクトルが除外範囲内
と計算され、警報は発せられないだろう。実際の緊急時
には、傾向変動ベクトルの後続の値が警報極限関数を上
回り、医師の介入が行われるように時間内に収縮不全警
報を生じさせるだろう。
【0028】本発明の好適な実施例であると現時点で考
えられるものが、説明され示されてきたが、特許請求の
範囲によって限定される通りの本発明の範囲から逸脱す
ることなく、上記実施例に対して様々な変更と変形が行
われることが可能であるということが、当業者には明ら
かだろう。
【0029】以上本発明の各実施例について詳述した
が、ここで各実施例の理解を容易にするために、各実施
例ごとに、要約して以下に列挙する。
【0030】(1).生理学的パラメータを表す値を測
定するための少なくとも1つのセンサ(12、14、1
6、18)と、前記測定値を処理してパラメータ値を表
す情報を得るためのプロセッサ(20)とを含む患者監
視装置10における患者警報検出方法において、生理学
的パラメータを表す値を測定するステップ(70)と、
前記パラメータ値が安全範囲限界(40、44)内にあ
るかどうかを判定するステップ(72)と、前記パラメ
ータ値が前記安全範囲限界外に出る時に、前記パラメー
タ値の変化と時間との関数である傾向変動ベクトル(5
0)の計算を開始するステップ(78)と、前記傾向変
動ベクトル(50)を警報極限関数(52、54)と比
較するステップ(82)と、前記傾向変動ベクトルが前
記警報極限関数を越えるときに警報を発するステップと
を含む傾向変動ベクトル分析を使用する患者警報検出方
法である。
【0031】(2).前記警報極限関数が、前記パラメ
ータ値が前記安全範囲限界外に出た後に時間の推移に応
じて変化する変化極限を有する前記1に記載の傾向変動
ベクトル分析を使用する患者警報検出方法である。
【0032】(3).前記患者監視装置が表示装置を含
み、前記方法が更に、前記表示装置上に前記傾向変動ベ
クトルを表示するステップを含む前記1に記載の傾向変
動ベクトル分析を使用する患者警報検出方法である。
【0033】(4).生理学的パラメータを表す値を測
定するためのセンサ(12、14、16、18)と、前
記パラメータ値を処理するためのプロセッサ(20)と
を含む患者監視装置であって、前記プロセッサが、前記
パラメータ値が安全範囲限界内であるかどうかを判定す
るための手段(72)と、前記パラメータ値が前記安全
範囲限界外に出る時に、前記パラメータ値の変化と時間
との関数である傾向変動ベクトル(50)の計算を開始
するための手段(78)と、前記傾向変動ベクトル(5
0)を警報極限関数と比較するための手段(82)と、
前記傾向変動ベクトル(50)が前記警報極限関数(5
2、54)を越える時に警報を発生させるための手段
(84)と、を備える患者監視装置である。
【0034】(5).前記傾向変動ベクトルを前記警報
極限関数と比較するための前記手段が、前記傾向変動ベ
クトルの計算を開始した後に時間の推移に応じて変化す
る限界と前記傾向変動ベクトルを比較するための手段を
含む前記4に記載の患者監視装置である。
【0035】(6).前記患者監視装置が更に表示装置
も含み、前記プロセッサが更に、前記パラメータ値の変
化の極性を示す方向を有し且つ前記パラメータ値の変化
の大きさを示す長さを有する矢印として前記表示装置上
に傾向変動ベクトルを表示するための手段も含む前記4
に記載の患者監視装置である。
【0036】(7).前記患者監視装置が更に表示装置
も含み、前記プロセッサが更に、前記パラメータ値の変
化の極性を示す方向を有し且つ前記パラメータ値の変化
の大きさを示す色を有する矢印として前記表示装置上に
傾向変動ベクトルを表示するための手段も含む前記4に
記載の患者監視装置である。
【0037】(8).前記患者監視装置が更に表示装置
も含み、前記プロセッサが更に、前記パラメータ値の変
化の極性を示す方向を有し且つ前記生理学的パラメータ
の警報状態を示す色を有する矢印として前記表示装置上
に傾向変動ベクトルを表示するための手段も含む前記4
に記載の患者監視装置である。
【0038】(9).生理学的パラメータを表す値を測
定するための少なくとも1つのセンサ(12、14、1
6、18)と、前記測定値を処理するためのプロセッサ
(20)と、表示装置(24)とを含む患者監視装置に
おける、前記生理学的パラメータを表す情報を表示する
ための方法であって、前記患者監視装置が、生理学的パ
ラメータを表す値を測定するステップ(70)と、特定
の時間期間に亙っての前記パラメータ値の傾向変動を判
定するステップ(78)と、前記表示装置(24)上に
前記傾向変動の表示を示すステップと、を含む生理学的
パラメータを表す情報を表示するための方法である。
【0039】(10).傾向変動の表示を示すステップ
を、前記パラメータ値が安全範囲限界外に出る時にだけ
行う前記9に限定されるような生理学的パラメータを表
す情報を表示するための方法である。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、測定し
た患者の生理学的パラメータ値が安全範囲限界内にある
か否かを判定し、その判定の結果が生理学的パラメータ
値が安全範囲限界の外に出ると、生理学的パラメータ値
の変化の関数である傾向変動ベクトルの計算を開始し、
傾向変動ベクトルを警報極限関数と比較して、傾向変動
ベクトルが警報極限関数を越えると、警報を発生するよ
うにしたので、患者の症状に応じた適切な処置が可能と
なり、患者の深刻な症状にいたることを未然に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に適した患者監視システムのブロ
ック図である。
【図2】本発明によって使用される安全範囲限界を示
す、時間の関数とした測定値変化のグラフである。
【図3】本発明によって使用される傾向変動ベクトルを
示す、時間の関数とした測定値変化のグラフである。
【図4】本発明による傾向変動ベクトル分析を使用する
患者警報検出方法のフローチャートである。
【図5】本発明による傾向変動ベクトル分析を使用する
患者警報検出方法の別のフローチャートである。
【図6】生理学的パラメータにおける傾向変動を表示す
る患者監視装置のディスプレイの一例を示す説明図であ
る。
【図7】従来技術で使用される警報極限を示す、時間の
関数とした測定値のグラフである。
【符号の説明】
10 サイドベッド・モニタ 12 ECG センサ 14 圧力センサ 16 S P O2センサ 18 温度センサ 20 システム・プロセッサ 22 システム・メモリ 24 表示装置 26 ディスプレイ・コントローラ 28 オペレータ・インターフェース 40 安全範囲限界の上限 42 公称パラメータ値 44 安全範囲限界の下限 50 傾向変動ベクトル 52、54 警報極限関数 56、58 除外範囲

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理学的パラメータを表す値を測定する
    ための少なくとも1つのセンサ(12、14、16、1
    8)と、前記センサで測定された測定値を処理してパラ
    メータ値を表す情報を得るためのプロセッサ(20)と
    を含む患者監視装置10における患者警報検出方法にお
    いて、 生理学的パラメータを表す値を測定するステップ(7
    0)と、 前記パラメータ値が安全範囲限界(40、44)内にあ
    るかどうかを判定するステップ(72)と、 前記パラメータ値が前記安全範囲限界外に出る時に、前
    記パラメータ値の変化と時間との関数である傾向変動ベ
    クトル(50)の計算を開始するステップ(78)と、 前記傾向変動ベクトル(50)を警報極限関数(52、
    54)と比較するステップ(82)と、 前記傾向変動ベクトルが前記警報極限関数を越えるとき
    に警報を発するステップとを含む傾向変動ベクトル分析
    を使用する患者警報検出方法。
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