JPH0810276Y2 - 釣 竿 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は長さを調節できる釣竿に関するものである。

【従来の技術】

釣竿のリール後部における長さは、仕掛の遠投操作、
釣糸の捲取り操作、釣竿の保持操作等に応じた夫々の最
適な長さがあり、前記各操作に便利なようにその長さを
調節することが実開昭61−83871号公報及び実公昭50−1
9993号公報で知られている。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら前記公知の前者の方式は螺合による伸縮
調節であるため迅速に伸縮操作が困難であり魚釣り操作
に応じて直ちに対応できない欠陥があり、また後者の方
式は弾性を有する内筒の弾接作用を利用した摺動作用に
よる伸縮調節のため伸縮時の固定が不充分で操作中に内
筒が移動して長さが変化してしまう問題点がある。 このような現状に鑑み、本願考案は長さの調節操作が
迅速容易でかつ確実に伸縮固定できる釣竿を提供するこ
とを目的とするものである。

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、元竿に設けたリ
ール装着部の後部に伸縮元竿が伸縮自在に嵌合する嵌合
筒部を設け、前記嵌合筒部と伸縮元竿との嵌合部におけ
る外側に嵌合したものの内周面に軸方向に係合面を、端
部に係止縁を夫々形成し、また内側に嵌合したものに前
記係止縁に係止される係合筒を設けると共に該係合筒は
外側に嵌合したものに対して軸方向摺動自在でかつ周方
向に回動すると前記係合面に係合して固定される係止部
を形成したものである。 しかして伸縮元竿を元竿の嵌合筒部の外側に嵌合する
場合には嵌合筒部の基端部に係合筒を設けると共に伸縮
元竿の内周面に軸方向に係合面を、先端部に係止縁を夫
々形成し、また伸縮元竿を嵌合筒部の内側に嵌合する場
合には伸縮元竿の先端部に係合筒を設けると共に嵌合筒
部の内周面に軸方向に係合面を、基端部に係止縁を夫々
形成する。

【作用】

釣竿操作に応じて操作し易い最適の長さに伸縮元竿を
嵌合筒部に対して摺動引出し回動することにより係合筒
の係止部を係合面に係合せしめて伸縮元竿を嵌合筒部に
対して調節固定するものであり、その固定を解除すると
きは前記と逆に伸縮元竿を回動して係合筒の係止部を係
合面から脱すことより伸縮元竿は嵌合筒部に摺動自在と
なる。

【実施例】

本考案の実施例を図面について説明すると、リールシ
ート１を設けた元竿２のリールシート１の後部には細径
の嵌合筒部３が一体的に突出形成され、該嵌合筒部３の
基端部には周面を係止部４としかつ一部に切欠部４′を
有する係合筒５が設けられると共に嵌合筒部３の外側に
は元竿２と略同径状に形成された伸縮元竿６が嵌合され
ている。 しかして前記伸縮元竿６の切欠は元竿２の端面に当接
すると共にその内周面には係合筒５を係止する係止縁７
が設けられ、また伸縮元竿６の内周面の軸方向には係合
面８が形成されており、該係合面８は係合筒５の切欠部
４′と対向するときには係合筒５に対して伸縮元竿６を
軸方向自在にする一方、回動して係合面８が係合筒５の
係止部４と対向するときには係合筒５を係合して伸縮元
竿６をその位置において保持固定するように構成されて
いる。 また嵌合筒部３の元竿からの突出基部には前記係止縁
７に密着嵌合する間隙防止材９が一体的に設けられ、伸
縮元竿６を収縮状態に嵌合したときにガタなく嵌合でき
るように形成されている。 なお図中10は係合筒５の外端に螺着された内部に収納
される中竿の末端を支承する中栓であり、11は伸縮元竿
６の外端に嵌着した竿尻キャップであり、該竿尻キャッ
プ11には中栓10の操作孔11′が設けられている。 第５図は伸縮元竿６の係合面８を切欠状に形成すると
共に係合筒５の係止部４を突出状に形成した係合筒５と
伸縮元竿６との固定態様の変形例である。 また第６図乃至第９図に示す実施例は、伸縮元竿６の
係止縁７に係合面７′を形成する一方、嵌合筒部３は係
止縁７に緩く嵌合するように形成すると共に該嵌合筒部
３に前記係合面７′に密着嵌合する間隙防止材９を部分
的に軸方向に設け、伸縮元竿６の伸縮時は嵌合筒部３が
係合面７′に対向し、伸縮元竿６を回動してその係合面
８を係合筒５の係止部４に係合固定したとき、係止縁７
においても係合面７′が関係防止材９に密着し、伸縮元
竿６の伸縮位置の如何に拘らず、伸縮元竿６を係止縁７
部分と係合筒５部分の双方で固定できるようにしたもの
である。 第10図に示す実施例は、元竿２の後部に嵌合筒部３を
同径状に一体に連設形成し、該嵌合筒部３の内部に先端
に係止部４を有する係合面５を、基端に竿尻キャップ11
を夫々設けた伸縮元竿６を嵌合した場合であり、この場
合には嵌合筒部３の内周面の軸方向に係合面８が、また
基端部内側に係止縁７が夫々設けられている。 本考案は上記のように構成されているので、元竿２の
リールシート１後部の長さは、伸縮元竿６が第１図、第
６図及び第10図の最も収縮した位置から係止縁７が係合
筒５に係合する最大伸縮位置までの間において釣竿操作
のし易い任意の長さ引出し調節することができると共に
その位置において伸縮元竿６を回動することにより係合
筒５の係止部４は係合面８に係合してその調節位置を保
持固定するものである。

【考案の効果】

本考案は元竿のリール装着部後部において、伸縮元竿
を元竿に対して摺動自在に嵌合すると共に伸縮元竿の調
節位置の保持固定はその回動動作により係合筒の係止部
を伸縮元竿又は嵌合筒部の軸方向に設けた係合面に係合
することにより行うようにしたので、伸縮元竿の伸縮操
作が円滑迅速でしかも保持固定作用も確実にでき、従っ
てリール装着部後部の長さを仕掛の遠投操作、釣糸の捲
取り操作、釣竿の保持操作等の釣竿操作に応じて迅速容
易にかつ確実に最適な長さに調節保持して魚釣り操作を
行うことができる優れた特徴と実用性を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部切欠正面図、第２図は同要部の縦
断正面図、第３図は第２図Ａ−Ａ線断面図、第４図は第
２図Ｂ−Ｂ線断面図、第５図は本考案の別実施例の縦断
側面図、第６図は本考案の他の実施例の要部の縦断正面
図、第７図は第６図Ｃ−Ｃ線断面図、第８図は第６図Ｄ
−Ｄ線断面図、第９図は第６図Ｄ−Ｄ線おける伸縮元竿
の伸縮状態の断面図、第10図は本考案に更に他の実施例
の一部切欠正面図である。 １…リールシート、２…元竿、３…嵌合筒部、４…係止
部、５…係合筒、６…伸縮元竿、７…係止縁、８…係合
面。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】元竿に設けたリール装着部の後部に伸縮元
   竿が伸縮自在に嵌合する嵌合筒部を設け、前記嵌合筒部
   と伸縮元竿との嵌合部における外側に嵌合したものの内
   周面に軸方向に係合面を、端部に係止縁を夫々形成し、
   また内側に嵌合したものに前記係止縁に係止される係合
   筒を設けると共に該係合筒は外側に嵌合したものに対し
   て軸方向摺動自在でかつ周方向に回動すると前記係合面
   に係合して固定される係止部を形成したことを特徴とす
   る釣竿。
2. 【請求項２】元竿に設けた嵌合筒部の外側に先端に係止
   縁を形成した伸縮元竿を嵌合すると共に前記嵌合筒部の
   基端に係合筒を設けた請求項１記載の釣竿。
3. 【請求項３】元竿に設けた嵌合筒部の内側に伸縮元竿を
   嵌合すると共に該伸縮元竿の先端に係合筒を、嵌合筒部
   の基端に係止縁を夫々設けた請求項１記載の釣竿。