JPH08102306A - 電球、車両前照灯用電球、車両前照灯および車両 - Google Patents

電球、車両前照灯用電球、車両前照灯および車両

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JPH08102306A
JPH08102306A JP6235583A JP23558394A JPH08102306A JP H08102306 A JPH08102306 A JP H08102306A JP 6235583 A JP6235583 A JP 6235583A JP 23558394 A JP23558394 A JP 23558394A JP H08102306 A JPH08102306 A JP H08102306A
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JP
Japan
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light
filament
airtight container
light emitting
bulb
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JP6235583A
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Inventor
Ariyoshi Ishizaki
有義 石崎
Tsutomu Watanabe
力 渡辺
Hiroshi Kamata
博士 鎌田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フィラメントが放射する赤外線を反射し、フ
ィラメントを再加熱して供給電力を節減し、ランプ効率
を向上させ長寿命化を図る。 【構成】 先端側に軸1a上にほぼ中心が位置する球状又
はほぼ焦点が位置する回転楕円体状の膨出部分1bを、基
端側に任意形状部分1cを、一体に形成した透光性気密容
器1と、その表面に形成した赤外線反射被膜4と、膨出
部分内のほぼ中心又は焦点間に位置するように配設した
第1の発光用フィラメント2及び任意形状部分に配設し
た第2の発光用フィラメント3と、第1の発光用フィラ
メントに対向して容器内に軸に沿って内装配設した遮光
板10と、した口金6とを具備し、遮光板は容器の壁面に
沿った曲面板で、第1の発光用フィラメントが遮光板の
球中心又は回転楕円体焦点から、その虚像を第1の発光
用フィラメントの外径D方向に 1/2D〜Dの範囲で設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ランプ効率を向上させ
た電球、車両前照灯用電球、車両前照灯および車両に関
する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲンガスを封入して成るハロゲン電
球は、たとえば車両前照灯用電球などとして、各種の分
野で利用されている。そして、この種の車両前照灯用電
球は、反射体に取り付けられ、このハロゲン電球から放
射された光を反射体によって前方に反射し、前方を照射
する形態で使用されている。また、上記車両前照灯用電
球は、走行ビーム用フィラメントとすれ違いビーム用フ
ィラメントを装着・具備しており、車両走行中は通常、
走行ビーム用フィラメントを点灯して遠方を明るく照ら
すようになっているとともに、対向車とすれ違う場合に
は、すれ違いビーム用フィラメントに切り換え点灯し、
前方照射の配光特性を右下向き(日本の場合)にし、対
向車に対する眩しさを減じるようになっている。
【0003】ところで、この種の車両前照灯用電球は、
フィラメントの白熱による発光を利用する光源であるた
め放熱量が多く、いわゆる放電灯に比べてランプ効率が
低い傾向にある。このようなランプ効率の問題に対して
は、前記ガラスバルブの外表面に、可視光を透過する赤
外線反射膜4を被覆形成し、発光フィラメント(発光
源)側から放射される赤外線を反射させ、放熱の低減に
よってランプ効率を向上させる手段が、たとえば特開平
4-19956号公報などに開示されている。
【0004】図8 (a)は、前記車両前照灯用電球の構成
例を側面的に示したもので、1は透光性気密容器、たと
えばガラスバルブ、2は前記ガラスバルブ1の軸方向に
内装・配置されたすれ違いビーム用フィラメント(第1
の発光用フィラメント)、3は同じく前記ガラスバルブ
1の軸方向に、前記すれ違いビーム用フィラメント2と
離隔して内装・配置された走行ビーム用フィラメント
(第2の発光用フィラメント)、4は前記ガラスバルブ
1の外表面に被覆形成された可視光を透過する赤外線反
射膜である。なお、この構成においては、すれ違いビー
ム用フィラメント2から放射される光強度を低減化する
ため、すれ違いビーム用フィラメント2近傍に,図示さ
れていなか遮光体(遮光板)が配設されている。ここ
で、遮光体(遮光板)は、一般的にガラスバルブ1内壁
面に沿った曲面(ガラスバルブ1内壁面と一定間隔を形
成する曲面)を成す曲板状である。
【0005】このような構成を採ることにより、ガラス
バルブ1の外表面に形成された赤外線反射膜4で、第1
の発光用フィラメント2から放射された赤外線は反射さ
れ、第1の発光用フィラメント2に帰還して再加熱す
る。したがって、第1の発光用フィラメント2の白熱化
が促進され、外部から供給される電力を節減することが
できるので、ランプ効率を向上することになる。また、
従来、無意識的に放射もしくは捨てられていた赤外線に
よる熱の放射も低減されるので、車両前照灯用電球の口
金部、あるいは車両前照灯用電球を装着(組み込み)す
る器具などに対する熱的な影響を少なくすることもでき
る利点がある。
【0006】なお、上述した車両前照灯用電球では、第
1の発光用フィラメント2がすれ違いビーム用フィラメ
ント、第2の発光用フィラメント3が走行ビーム用フィ
ラメントである。そして、この車両前照灯用電球の使用
形態は、走行ビームで走行する場合とすれ違いビームで
走行する場合とがあり、使用者の好み、使用地域、使用
時間帯、交通量などによって使い分けられる。ここで、
車両前照灯用電球は、仮に走行ビームである第2の発光
用フィラメント3を点灯させて走行する場合が多けれ
ば、赤外線反射膜4が形成されていても役に立たず、か
えってコスト高になることになる。また、すれ違いビー
ム用である第1の発光用フィラメント2を点灯させて走
行する場合が多ければ、赤外線反射膜4の効果を受ける
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記赤
外線反射膜4は、円筒状のガラスバルブ1外表面に形成
されているので、この赤外線反射膜4に対して遮光体
(遮光板)の近傍に配設されたすれ違いビーム用フィラ
メント2から放射される赤外線の入射角θが、図8(b)
に模式的に示すごとく、赤外線反射膜4の両端部4a,4b
に近付くに従って大きくなり、初期の設計どおりに効率
よく赤外線を反射できなくなる。さらに、上記赤外線反
射膜4は、すれ違いビーム用フィラメント2の近傍にの
み形成されているので、すれ違いビーム用フィラメント
2から放射される赤外線は、赤外線反射膜4非形成部を
介してガラスバルブ1外に透過することになり、車両前
照灯用電球全体のランプ効率を十分に向上させることは
できない。
【0008】さらに、前記構成の赤外線反射膜付き電球
では、次ぎのような問題も認められる。すなわち、すれ
違いビーム用フィラメント2から放射される光強度を低
減化するため、すれ違いビーム用フィラメント2近傍
に,たとえばMo製の遮光体(遮光板)を配設した場合、
この遮光体が良好な赤外線反射率を呈するため、前記赤
外線反射膜4による赤外線反射領域との間で、すれ違い
ビーム用フィラメント2帰還して再加熱に寄与する赤外
線量にばらつきが生じる。さらに言及すると、第1の発
光用フィラメント(すれ違いビーム用フィラメント)2
に戻る赤外線量が、遮光体側と非遮光体側とで異なるの
で、第1の発光用フィラメント2の温度は不均一化し
て、寿命の短縮化を招来るという問題がある。
【0009】したがって、本発明は、少なくとも一つの
発光用フィラメントから放射される赤外線を確実に反射
し、前記フィラメントへほぼ一様に帰還させ、これをほ
ぼ均一に再加熱するようにし、フィラメントの白熱を促
進させる一方、外部から供給する電力を節減して、ラン
プ効率を向上させるとともに、長寿命化を図ることが可
能な電球,車両前照灯用電球、車両前照灯および車両の
提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、軸方
向に延在し、先端側にはこの軸上にほぼ中心が位置する
球状もしくはほぼ焦点が位置する回転楕円体状をなす膨
出部分を、基端側には任意形状部分を、それぞれ一体に
形成した透光性気密容器と、前記透光性気密容器の表面
に形成された赤外線反射被膜と、前記透光性気密容器の
膨出部分内においてほぼ中心もしくは焦点間に位置する
ように配設された発光用フィラメントと、前記発光用フ
ィラメントに対向して透光性気密容器内に、その軸に沿
って内装配設された遮光板と、前記透光性気密容器の基
端側に配設された口金とを具備して成り、前記遮光板は
透光性気密容器の壁面に沿った曲面板で、かつ発光用フ
ィラメントが遮光板の球中心もしくは回転楕円体焦点か
ら、その虚像を発光用フィラメントの外径(D)方向に
1/2D〜Dの範囲で設定されていることを特徴とする電
球である。
【0011】請求項2の発明は、軸方向に延在し、先端
側にはこの軸上にほぼ中心が位置する球状もしくはほぼ
焦点が位置する回転楕円体状をなす膨出部分を、基端側
には任意形状部分を、それぞれ一体に形成した透光性気
密容器と、前記透光性気密容器の表面に形成された赤外
線反射被膜と、前記透光性気密容器の膨出部分内におい
てほぼ中心もしくは焦点間に位置するように配設された
第1の発光用フィラメントと、前記透光性気密容器の任
意形状部分内において前記軸にほぼ沿って配設された第
2の発光用フィラメントと、前記第1の発光用フィラメ
ントに対向して透光性気密容器内に、その軸に沿って内
装配設された遮光板と、前記透光性気密容器の基端側に
配設された口金とを具備して成り、前記遮光板は透光性
気密容器の壁面に沿った曲面板で、かつ第1の発光用フ
ィラメントが遮光板の球中心もしくは回転楕円体焦点か
ら、その虚像を第1の発光用フィラメントの外径(D)
方向に 1/2D〜Dの範囲で設定されていることを特徴と
する車両前照灯用電球である。
【0012】請求項3の発明は、軸方向に延在し、先端
側にはこの軸上にほぼ中心が位置する球状もしくはほぼ
焦点が位置する回転楕円体状をなす膨出部分を、基端側
には円筒状部分を、それぞれ一体に形成した透光性気密
容器と、前記透光性気密容器の表面に形成された赤外線
反射被膜と、前記容器の膨出部分内においてほぼ中心も
しくは焦点間に位置するように配設された第1の発光用
フィラメントと、前記容器の円筒状部分内において前記
軸にほぼ沿って配設された第2の発光用フィラメント
と、前記第1の発光用フィラメントに対向して透光性気
密容器内に、その軸に沿って内装配設された遮光板と、
前記容器の基端側に配設された口金とを具備して成り、
前記遮光板は透光性気密容器の壁面に沿った曲面板で、
かつ第1の発光用フィラメントが遮光板の球中心もしく
は回転楕円体焦点から、その虚像を第1の発光用フィラ
メントの外径(D)方向に 1/2D〜Dの範囲で設定され
ていることを特徴とする車両前照灯用電球である。
【0013】請求項4の発明は、軸方向に延在し、この
軸上にほぼ中心もしくはほぼ焦点が位置する球状または
回転楕円体状をなす複数の膨出部分を一体に形成した透
光性気密容器と、前記透光性気密容器の表面に形成され
た赤外線反射被膜と、前記透光性気密容器の一つの膨出
部分内においてほぼ中心もしくは焦点間に位置するよう
に配設された第1の発光用フィラメントと、前記容器の
残り膨出部分内において前記中心または焦点間から離間
した位置に配設された任意個数の第2の発光用フィラメ
ントと、前記第1の発光用フィラメントに対向して透光
性気密容器内に、その軸に沿って内装配設された遮光板
と、前記透光性気密容器の基端側に配設された口金とを
具備して成り、前記遮光板は透光性気密容器の壁面に沿
った曲面板で、かつ第1の発光用フィラメントが遮光板
の球中心もしくは回転楕円体焦点から、その虚像を第1
の発光用フィラメントの外径(D)方向に 1/2D〜Dの
範囲で設定されていることを特徴とする車両前照灯用電
球である。
【0014】請求項5の発明は、赤外線反射被膜は、少
なくとも第1の発光用フィラメント近傍の透光性気密容
器の表面に形成されていることを特徴とする請求項2,
請求項3もしくは請求項4記載の車両前照灯用電球であ
る。
【0015】請求項6の発明は、第1の発光用フィラメ
ントは、すれ違い用に供され、また第2の発光用フィラ
メントは、走行用に供されるように構成されていること
を特徴とする請求項2,請求項3もしくは請求項4記載
の車両前照灯用電球である。請求項7の発明は、前記請
求項2,請求項3,請求項4,請求項5もしくは請求項
6記載の車両前照灯用電球と、前記車両前照灯用電球を
所定の位置に配設した反射構体と、前記反射構体の全面
に配設された透明質前面カバーとを具備して成ることを
特徴とする車両前照灯である。
【0016】さらに、請求項8の発明は、請求項7記載
の車両前照灯を具備したことを特徴とする車両である。
【0017】本発明において、前記発光フィラメントに
対向する遮光板面の波長 0.8 2μm領域での全反射率を
赤外線反射膜の反射率と同程度にしておくことが好まし
く、また、たとえばサンドブラストで表面を、たとえば
中央部,中間部,両端部に分け、±30°,±30°〜±60
°,±60°以上と順次粗が増大するように粗面化してお
くことも望ましい。さらに、前記発光フィラメントの長
さを、従来よりも比較的短い 4〜 6mm程度に設定すれ
ば、本発明の目的であるランプ効率の向上、および発光
用フィラメント温度の一様性の確保などがより効果的に
達成される。
【0018】
【作用】請求項1の発明では、透光性気密容器の膨出部
分内に配設された発光用フィラメントから放射された赤
外線は、膨出部分表面に形成された赤外線反射被膜によ
って、漏れなく上記フィラメント方向に反射され、この
反射された赤外線で再加熱されるのでランプ効率が 1.3
〜 1.5倍程度も向上する。また、発光用フィラメントか
ら放射される光強度を調整する遮光板も、その設定位置
の規制によって、前記赤外線の反射量にむらなど発生す
ることが回避され、発光用フィラメント温度の均一性が
確保されるので、長寿命化が図られることになる。
【0019】請求項2の発明では、透光性気密容器の膨
出部分内に配設された第1の発光用フィラメントから放
射された赤外線は、膨出部分表面に形成された赤外線反
射被膜によって、漏れなく上記フィラメント方向に反射
され、この反射された赤外線で再加熱されるのでランプ
効率が 1.3〜 1.5倍程度も向上する。また、発光用フィ
ラメントから放射される光強度を調整する遮光板も、そ
の設定位置の規制によって、前記赤外線の反射量にむら
など発生することが回避され、発光用フィラメント温度
の均一性が確保されるので、長寿命化が図られることに
なる。
【0020】請求項3の発明では、透光性気密容器の膨
出部分内に配設された第1の発光用フィラメントから放
射された赤外線は、膨出部分表面に形成された赤外線反
射被膜によって、漏れなく上記フィラメント方向に反射
され、この反射された赤外線で再加熱される。さらに、
筒状部分内に配設された第2の発光用フィラメントから
放射された赤外線は、筒状部分に形成された赤外線反射
被膜によって、上記フィラメント方向に反射され、この
反射された赤外線で再加熱される。したがって、ランプ
効率が 1.3〜 1.5倍程度も向上する。また、第1の発光
用フィラメントから放射される光強度を調整する遮光板
も、その設定位置の規制によって、前記赤外線の反射量
にむらなど発生することが回避され、第1の発光用フィ
ラメント温度の均一性が確保されるので、長寿命化が図
られることになる。
【0021】請求項4の発明では、透光性気密容器の膨
出部分内に配設された第1の発光用フィラメントから放
射された赤外線は、上記気密容器の表面に形成された赤
外線反射被膜によって、漏れなく上記フィラメント方向
に反射される。さらに、前記容器の膨出部分内において
前記中心または焦点間から離間した位置に配設された第
2の発光用フィラメントから放射された赤外線も、上記
気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜によって、
少なからず上記フィラメント方向に反射される。そし
て、前記反射された赤外線で各発光用フィラメントは再
加熱され、ランプ効率が 1.3〜 1.5倍程度も向上する。
また、第1の発光用フィラメントから放射される光強度
を調整する遮光板も、その設定位置の規制によって、前
記赤外線の反射量にむらなど発生することが回避され、
第1の発光用フィラメント温度の均一性が確保されるの
で、長寿命化が図られることになる。
【0022】請求項5の発明では、少なくとも第1の発
光用フィラメント近傍の透光性気密容器の表面に形成さ
れた赤外線反射被膜により、第1の発光用フィラメント
から放射された赤外線は、漏れなく上記フィラメント方
向に反射され、ランプ効率が向上する。
【0023】請求項6の発明では、第1の発光用フィラ
メントは、すれ違い用に供され、また第2のフィラメン
トは、走行用に供されるように構成されているので、少
なくともどちらか一方のフィラメントから放射された赤
外線は、気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜に
よって、漏れなく上記フィラメント方向に反射される。
したがって、各々のフィラメント反射された赤外線で再
加熱され、ランプ効率が向上する。
【0024】請求項7の発明では、請求項1ないし6の
いずれか一記載のランプ効率が向上した車両前照灯用ハ
ロゲン電球は、全面に透明質前面カバーが配設された反
射構体の所定の位置に配設されており、上記ハロゲン電
球から主として放射された可視光は、反射構体によって
前方に反射され、透明質前面カバーを透過して前方を照
射する。
【0025】請求項8の発明では、請求項7記載の車両
前照灯は、車両に装着されて車両前方を照射する。
【0026】
【実施例】以下第1図〜第7図を参照して本発明の実施
例を説明する。
【0027】実施例1 図1 (a), (b)本実施例に係る車両前照灯用ハロゲン電
球の構成を異なる方向から斜視的に示したものである。
この車両前照灯用ハロゲン電球5は、透光性気密容器で
あるガラスバルブ1および鍔付き口金6とで構成されて
いる。ここで、ガラスバルブ1は硬質ガラスで形成され
ており、基端側が圧潰封止(図示しない)された片封止
構造をなしている。また、このガラスバルブ1の先端側
には、バルブ1の軸1a上に、中心がほぼ位置する(ほぼ
中心が位置する)膨出部分である球状部1bが形成されて
いるとともに、この球状部1bに連続して基端側に任意形
状部分である円筒部1cが一体に形成されている。なお、
前記膨出部分は、球の一部で形成されたもの、ガラスバ
ルブ1の軸1a上に焦点がほぼ位置する(ほぼ焦点が位置
する)回転楕円体状に形成されたもの、回転楕円体状の
一部で形成されてもの、もしくは複数の曲率を有する曲
線を回転させて得られる曲面からなるものなどの変形を
採り得る。
【0028】4は前記ガラスバルブ1の外表面(内面で
も可)に形成された赤外線反射被膜である可視光透過赤
外線反射被膜であり、たとえば酸化チタン(TiO2 )、酸
化タンタル(Ta2 O 5 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、
硫化亜鉛(ZnS2 )などからなる高屈折率層と、酸化ケイ
素(シリカ=(SiO2 )、フッ化マグネシウム(MgF2 ))
などからなる低屈折率層とを交互に、たとえば合計 9〜
50層の多層膜として構成したものであり、このような赤
外線反射被膜4は多層干渉作用により赤外線を反射し可
視光を透過する。
【0029】さらに、2は前記ガラスバルブ1内の球状
部1bのほぼ中心に内装されたタングステンからなる第1
の発光用フィラメント、3はガラスバルブ1内の円筒部
1cに内装された第2の発光用フィラメントであり、これ
らの発光用フィラメント2,3は前記ガラスバルブ1の
軸1aにほぼ沿ってそれぞれ配設されている。ここで、第
1の発光用フィラメント2はすれ違いビーム用フィラメ
ントであり、第2の発光用フィラメント3は、走行ビー
ム用フィラメントである。したがって、通常は、走行ビ
ーム用フィラメント3に比べてすれ違いビーム用フィラ
メント2の定格電力を小さくしてある。たとえば、規格
では、H4型式の車輛前照灯用ハロゲン電球の場合、電
源電圧12 Vに対し走行ビーム用フィラメント3は60 W、
すれ違いビーム用フィラメント2は55 Wとされている。
なお、前記すれ違いビーム用フィラメント2は、リード
線7および8に継線されており、また,走行ビーム用フ
ィラメント3は、リード線7および9に継線されてい
る。すなわち、上記リード線7は、共通リード線となっ
ている。なお、上記各リード線7、8および9は、ガラ
スバルブ1の基端側に形成された図示しない圧潰封止部
に封着され、外部に導出されている。ここで、前記ガラ
スバルブ1が石英ガラス製の場合には、各リード線7、
8および9は、圧潰封止部に封着されたMo(モリブデ
ン)箔を介して外部リード線に接続されている。
【0030】さらにまた、10は前記すれ違いビーム用フ
ィラメント2の近傍に内装・配置された遮光板10であ
り、この遮光板10は、車輛前照灯として用いられる場合
に前方照射の配光において、右上向きの光(日本の場
合)を遮断または減光するためのものであり、リード線
7に溶接などによって支持されている。ここで、遮光板
10は前記ガラスバルブ1の球状膨大部1bの壁面に沿った
曲面板状を成しており、かつ第1の発光用フィラメント
2が遮光板10の球中心もしくは回転楕円体焦点から、そ
の虚像を第1の発光用フィラメント2の外径(D)方向
に 1/2D〜Dの位置に設置・設定されている。
【0031】上記車輛前照灯用電球5の封止部には、鍔
付き口金6が被着されている。ここで、鍔付き口金6
は,円筒形口金本体11、この円筒形口金本体11に一体的
に設けられたフランジ12、他端部に3個のレグ端子 13
a, 13b, 13cが配設された構成を成している。そし
て、前記円筒形口金本体11が車輛前照灯用電球5の圧潰
封止部に被せられ、図示しない接着剤により接合されて
いる。また、前記レグ端子 13a, 13b, 13cは、車輛前
照灯用電球5の圧潰封止部より導出されたリード線7、
8および9と電気的に接続されており、前記共通リード
線7は、共通レグ端子に電気的に接続されているもので
ある。なお、上記ガラスバルブ1内には、ハロゲンガス
が封入されている。
【0032】上記構成の車輛前照灯用ハロゲン電球は、
赤線反射被膜4が少なくとも第1の発光用フィラメント
2近傍のガラスバルブ1表面に形成されていると、第1
の発光用フィラメント2から放射された赤外線が漏れな
く、前記第1の発光用フィラメント2方向に反射され、
ランプ効率が向上する。しかもこの際、第1の発光用フ
ィラメント2から放射される光強度を調整する遮光板10
も、その設定位置の規制によって、前記赤外線の反射量
にむらなど発生することが回避されるので、第1の発光
用フィラメント2温度も均一性が容易に確保され、長寿
命化が図られる。 実施例2 図2は本実施例に係る車輛前照灯用ハロゲン電球の構成
を側面的に示したものである。この構成例は、前記第1
の実施例の構成に比べ、ガラスバルブ1が球状膨大部1b
の外に、第2の球状膨大部1b′を備えている点を除き、
基本的に同一の構成を採っている。つまり、本実施例の
車輛前照灯用ハロゲン電球と第1の実施例との相違点
は、ガラスバルブ1の基端側の任意形状部分1cを、膨出
部分である第2の球状部1b′に形成した外は、前記実施
例1の場合と同じである。なお、第2の球状部1b′であ
る膨出部分は、球の一部で形成されたもの、ガラスバル
ブ1の軸1a上に焦点がほぼ位置する回転楕円体状に形成
されたもの、回転楕円体状の一部で形成されてもの、も
しくは複数の曲率を有する曲線を回転させて得られる曲
面からなるものなどがある。
【0033】そして、この車輛前照灯用ハロゲン電球の
場合も、赤線反射被膜4が少なくとも第1の発光用フィ
ラメント2近傍のガラスバルブ1表面に形成されている
と、第1の発光用フィラメント2から放射された赤外線
が漏れなく、前記第1の発光用フィラメント2方向に反
射され、ランプ効率が向上する。しかもこの際、第1の
発光用フィラメント2から放射される光強度を調整する
遮光板10も、その設定位置の規制によって、前記赤外線
の反射量にむらなど発生することが回避されるので、第
1の発光用フィラメント2温度も均一性が容易に確保さ
れ、長寿命化が図られる。
【0034】実施例3 図3は本実施例に係る車輛前照灯用ハロゲン電球の構成
を側面的に示したものであり、透光性気密容器であるガ
ラスバルブ1′を本体とする車輛前照灯用ハロゲン電球
5′と鍔付き口金6とで構成されている。車輛前照灯用
ハロゲン電球5は、ガラスバルブ1′が硬質ガラスで形
成され、基端側が圧潰封止(図示しない)された片封止
構造をなしている。そして、このガラスバルブ1′に
は、ガラスバルブ1′の軸1a上に、中心がほぼ位置する
膨出部分である球状部1bが一体に形成されている。な
お、膨出部分1bは球状の一部で形成されたもの、ガラス
バルブ1の軸1a上に焦点がほぼ位置する回転楕円体状に
形成されたもの、回転楕円体状の一部で形成されても
の、もしくは複数の曲率を有する曲線を回転させて得ら
れる曲面からなるものなどがある。
【0035】また、前記ガラスバルブ1の外表面(内面
でも可)には、赤外線反射被膜である可視光透過赤外線
反射被膜4が形成されており、材質、層数などは、実施
例1の場合と同じである。
【0036】さらに、前記ガラスバルブ1内の球状部1b
の軸1a上の中心にはタングステンからなる第1の発光用
フィラメント2が、前記中心から離間した位置には第2
の発光用フィラメント3が、それぞれ配設されている。
そして第1の発光用フィラメント2は、すれ違いビーム
用フィラメントとして機能し、第2の発光用フィラメン
ト3は、走行ビーム用フィラメントとして機能する。し
たがって、通常は、走行ビーム用フィラメント3に比べ
てすれ違いビーム用フィラメント2の定格電力を小さく
してある。たとえば、規格ではH4型式の車輛前照灯用
ハロゲン電球の場合、電源電圧12 Vに対し走行ビーム用
フィラメント3は60 W、すれ違いビーム用フィラメント
2は55 Wとされている。
【0037】前記すれ違いビーム用フィラメント2は、
リード線7および8に継線されており、また走行ビーム
用フィラメント3は、上記リード線7および9に継線さ
れている。すなわち、上記リード線7は、共通リード線
となっている。そして、前記各リード線7、8および9
は、ガラスバルブ1の基端側に形成された図示しない圧
潰封止部に封着され、外部に導出される。なお、ガラス
バルブ1が石英ガラス製の場合には、各リード線7、8
および9は、圧潰封止部に封着されたMo(モリブデン)
箔を介して外部リード線に接続されている。
【0038】さらにまた、10は前記すれ違いビーム用フ
ィラメント2の近傍に内装・配置された遮光板10であ
り、この遮光板10は、車輛前照灯として用いられる場合
に前方照射の配光において、右上向きの光(日本の場
合)を遮断または減光するためのものであり、リード線
7に溶接などによって支持されている。ここで、遮光板
10は前記ガラスバルブ1の球状膨大部1bの壁面に沿った
曲面板状を成しており、かつ第1の発光用フィラメント
2が遮光板10の球中心もしくは回転楕円体焦点から、そ
の虚像を第1の発光用フィラメント2の外径(D)方向
に 1/2D〜Dの位置に設置・設定されている。
【0039】上記車輛前照灯用電球5の封止部には、鍔
付き口金6が被着されている。ここで、鍔付き口金6
は,円筒形口金本体11、この円筒形口金本体11に一体的
に設けられたフランジ12、他端部に3個のレグ端子 13
a, 13b, 13cが配設された構成を成している。そし
て、前記円筒形口金本体11が車輛前照灯用電球5の圧潰
封止部に被せられ、図示しない接着剤により接合されて
いる。また、前記レグ端子 13a, 13b, 13cは、車輛前
照灯用電球5の圧潰封止部より導出されたリード線7、
8および9と電気的に接続されており、前記共通リード
線7は、共通レグ端子に電気的に接続されているもので
ある。なお、上記ガラスバルブ1内には、ハロゲンガス
が封入されている。
【0040】上記構成の車輛前照灯用ハロゲン電球は、
赤線反射被膜4が少なくとも第1の発光用フィラメント
2近傍のガラスバルブ1表面に形成されていると、第1
の発光用フィラメント2から放射された赤外線が漏れな
く、前記第1の発光用フィラメント2方向に反射され、
ランプ効率が向上する。しかもこの際、第1の発光用フ
ィラメント2から放射される光強度を調整する遮光板10
も、その設定位置の規制によって、前記赤外線の反射量
にむらなど発生することが回避されるので、第1の発光
用フィラメント2温度も均一性が容易に確保され、長寿
命化が図られる。 図4は、この実施例における変形例
であり、上記車輛前照灯用ハロゲン電球との構成上の相
違点は、第1の発光用フィラメント2と、第2の発光用
フィラメント3とが、ガラスバルブ1の軸1aに直交する
形でそれぞれ配置されている。ここでは、第1の発光用
フィラメント2がすれ違いビーム用フィラメント、ま
た、第2の発光用フィラメント3が走行ビーム用フィラ
メントであり、前記第1の発光用フィラメント2の近傍
位置側面側には遮光板10が内装・配置されている。この
遮光板10は、車輛前照灯として用いられる場合に前方照
射の配光において、右上向きの光(日本の場合)を遮断
または減光するためのものであり、前記実施例の場合と
同様に、第1の発光用フィラメント2に対して所定の位
置・関係を採って、リード線7に溶接などによって支持
されている。
【0041】実施例4 図5は本実施例に係るハロゲン電球の構成を側面的に示
したものであり、発光機構を内装した透光性気密容器、
たとえばガラスバルブ1を本体とする電球5″と鍔付き
口金6とで構成されている。電球5″は、ガラスバルブ
1が硬質ガラスで形成され、基端側が圧潰封止(図示し
ない)された片封止構造をなしている。そして、このガ
ラスバルブ1には、ガラスバルブ1の軸1a上に、中心が
ほぼ位置する膨出部分である球状部1bが一体に形成され
ている。なお、膨出部分1bは球状の一部で形成されたも
の、ガラスバルブ1の軸1a上に焦点がほぼ位置する回転
楕円体状に形成されたもの、回転楕円体状の一部で形成
されてもの、もしくは複数の曲率を有する曲線を回転さ
せて得られる曲面からなるものなどがある。
【0042】また、前記ガラスバルブ1の外表面(内面
でも可)には、赤外線反射被膜である可視光透過赤外線
反射被膜4が形成されており、材質、層数などは、実施
例1の場合と同じである。
【0043】さらに、前記ガラスバルブ1内の球状部1b
の軸1a上の中心にはタングステンからなる発光用フィラ
メント2′が内装・配設されている。前記発光用フィラ
メント2′は、リード線7,8に継線されており、この
リード線7,8は、ガラスバルブ1の基端側に形成され
た図示しない圧潰封止部に封着され、外部に導出され
る。ここで、ガラスバルブ1が石英ガラス製の場合に
は、リード線7,8は圧潰封止部に封着されたMo(モリ
ブデン)箔を介して外部リード線に接続されている。
さらにまた、10は前記発光用フィラメント2′の近傍に
内装・配置された遮光板10であり、この遮光板10は照射
の配光において、光の一部を遮断または減光するための
ものであり、リード線7に溶接などによって支持されて
いる。ここで、遮光板10は前記ガラスバルブ1の球状膨
大部1bの壁面に沿った曲面板状を成しており、かつ発光
用フィラメント2′が遮光板10の球中心もしくは回転楕
円体焦点から、その虚像を第1の発光用フィラメント2
の外径(D)方向に 1/2D〜Dの位置に設置・設定され
ている。
【0044】上記電球5″の封止部には、鍔付き口金6
が被着されている。ここで、鍔付き口金6は,円筒形口
金本体11、この円筒形口金本体11に一体的に設けられた
フランジ12、他端部に3個のレグ端子 13a, 13bが配設
された構成を成している。そして、前記円筒形口金本体
11が電球5″の圧潰封止部に被せられ、図示しない接着
剤により接合されている。また、前記レグ端子 13a, 1
3bは、電球5″の圧潰封止部より導出されたリード線
7,8と電気的に接続されている。
【0045】上記構成の電球は、赤線反射被膜4が少な
くとも発光用フィラメント2近傍のガラスバルブ1表面
に形成されているので、発光用フィラメント2から放射
された赤外線が漏れなく、この発光用フィラメント2方
向に反射され、ランプ効率が向上する。しかもこの際、
発光用フィラメント2から放射される光強度を調整する
遮光板10も、その設定位置の規制によって、前記赤外線
の反射量にむらなど発生することが回避されるので、発
光用フィラメント2温度も均一性が容易に確保され、長
寿命化が図られる。
【0046】実施例5 図6は、本発明に係る車輛前照灯の要部構成例を示す断
面図であり、5は前記実施例1にて例示した鍔付き口金
6を装着した車輛前照灯用ハロゲン電球、14は前記鍔付
き口金6を装着した車輛前照灯用ハロゲン電球5を装着
・収容した反射構体である。ここで、反射構体14は、反
射面 14aを形成するリフレクタ 14bと、このリフレクタ
14bの前面開口部の全面に取り付けた透明質前面カバー
(前面レンズ) 14cとで構成されており、リフレクタ 1
4bの背面頂部には取付孔15が形成されている。この取付
孔15には、前記車輛前照灯用ハロゲン電球5が差し込ま
れており、このハロゲン電球5は口金6に設けたフラン
ジ12を取付孔15の周縁に固定することにより、リフレク
タ 14bに対し所定の位置に位置決めして取り付けられて
いる。
【0047】上記構成の車輛前照灯は、前記の各実施例
でも説明したように、赤外線反射膜4によるハロゲン電
球5のランプ効率の向上、および遮光板10の配置位置の
選択に伴う発光用フィラメント2,3の温度むら解消な
どによって、長期間に亘って所要のすれ違いビームの照
射および走行用ビームの照射の機能を保持・発揮した。
さらに、図7は前記構成の車輛前照灯16を自動車に装
着した構成の要部を側面的に示したものでである。つま
り、車輛本体17の前照灯装着位置に、前記車輛前照灯16
を装備させた自動車である。
【0048】このように、前記車輛前照灯16を装着・装
備した自動車において、車輛前照灯16は、共通レグ端子
13bと他のレグ端子 13cとを直流12 Vの電源に接続する
と、共通リード線7と他のリード線8との間に電位差が
与えられるので,走行ビーム用フィラメント3に電流が
流れるので、この走行ビーム用フィラメント3が発光す
る。この光は周囲に放出され、ガラスバルブ1の球状部
1bおよび円筒部1cから外部に放射される。そして、この
光が球状部1bおよび円筒部1cの外面に形成した赤外線反
射被膜4を透過するときに、可視光が透過されるととも
に赤外線が反射される。
【0049】ここで、透過した可視光は、リフレクタ 1
4bの反射面 14aで反射されて前方に向かい、リフレクタ
14bの前面開口部に取り付けた前面レンズ 14cにより配
光が制御されて前方を照射する。この場合は、遠方に強
いビームが届くような走行ビームとなる。そして、前記
車輛前照灯用ハロゲン電球5の赤外線反射被膜4で反射
された赤外線は、ガラスバルブ1の内部に戻され、この
帰還した赤外線は走行ビーム用フィラメント3を加熱す
る。このとき、走行ビーム用フィラメント3はガラスバ
ルブ1の円筒部1cに収容されているので、主として円筒
部1cに形成した赤外線反射被膜4で反射された赤外線が
走行ビーム用フィラメント3に帰還される。よって、走
行ビーム用フィラメント3は電源から供給される電力エ
ネルギーに加えて、前記赤外線反射被膜4で反射された
赤外線による熱エネルギーが与えられるので、温度上昇
が促進され、白熱化が向上する。
【0050】一方、共通レグ端子 13bと他のレグ端子 1
3cとを直流12 Vの電源に接続すると、共通リード線7と
他のリード線9との間に電位差が与えられ、この場合は
すれ違いビーム用フィラメント2に通電されので、この
すれ違いビーム用フィラメント2が発光し、その光は周
囲に放出される。ただし、すれ違いビーム用フィラメン
ト2の近傍には遮光板10が配置されているので、この遮
光板10の方向に向かう光は遮断される。このようにし
て、外部に放射された光は、ガラスバルブ1の球状部1b
および円筒部1cから外部に放射され、その光は球状部1b
および円筒部1cの外面に形成した赤外線反射被膜4を透
過するときに、可視光が透過されるとともに赤外線が反
射される。そして透過した可視光は、リフレクタ 14bの
反射面 14aで反射されて前方に向かい、前面レンズ 14c
によって配光が制御されて前方を照射する。
【0051】この場合、前記遮光板10の作用により、前
方に向かう光の一部がカットされ、右上方向に向かう光
が遮断または減光されて対向車に対する眩しさを減じ
る。またこの場合は、比較的近い路面を照らすので、明
るさは前記走行ビームの場合と比べて暗くてもよく、こ
のため、通常は、走行ビーム用フィラメント3に比べて
すれ違いビーム用フィラメント2の定格電力を小さくし
てある。たとえば、規格ではH4型式のハロゲン電球の
場合、電源電圧12 Vに対し走行ビーム用フィラメント3
は60 W、違いビーム用フィラメント2は55 Wとされてい
る。
【0052】前記赤外線反射被膜4で反射された赤外線
は、ガラスバルブ1の内部に戻される。この場合、すれ
違いビーム用フィラメント2はガラスバルブ1に球状部
1b内にそのほぼ中心点に配置してあるから、球形をなす
全面で赤外線が反射されて中心に集光することから、す
れ違いビーム用フィラメント2に効果的に帰還する。す
なわち、円筒部1cに配置した走行ビーム用フィラメント
3に戻される赤外線に比べて、球状部1bに収容したすれ
違いビーム用フィラメント2に戻される赤外線の方が集
光するので帰還率が高く、よって反射赤外線によりすれ
違いビーム用フィラメント2が加熱される割合が高くな
る。また、前記すれ違いビーム用フィラメント2は、電
源から供給される電力エネルギーに加えて,前記赤外線
反射被膜4で反射された赤外線によって熱エネルギーが
与えられるので、温度上昇が促され、白熱化が向上す
る。
【0053】しかも、前記遮光板(遮光体)10は、球状
部1bの内壁面と相似的な曲面を成し、かつすれ違いビー
ム用フィラメント2に対して、選択された一定の位置関
係を採って配置・内装されており、この遮光板(遮光
体)10形態および位置設定により、赤外線反射被膜4で
反射される赤外線による熱の遮断も適度に制御され、す
れ違いビーム用フィラメント2温度むらの発生も容易に
防止される。つまり、すれ違いビーム用フィラメント2
は、遮光板10側および非遮光板側とによる温度差などが
解消され、長期間に亘って発光用フィラメント2として
の機能を保持発揮する。 なお、一般に自動車は、走行
ビームで走行する場合に比べてすれ違いビームで走行す
る機会の方が多いので、すれ違いビーム用フィラメント
2を球状部1bに収容すれば、使用頻度の高いすれ違いビ
ーム用フィラメント2に対するエネルギー効率を高くす
ることができるので、仮に走行ビーム用フィラメント3
を球状部1bに収容する場合に比べて、ランプ全体の電力
エネルギーを大幅に節減することができ、ランプ効率を
高くすることができる。
【0054】本発明は、上記実施例に限定されるもので
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採り得る。たとえば両端部に外部接続端子用口金を装着
して成る管形ハロゲンランプ、あるいはハロゲンを封入
成分としない遮光型の電球などであってもよい。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明では、透光性気密容器の
膨出部分内に配設された発光用フィラメントから放射さ
れた赤外線は、膨出部分表面に形成された赤外線反射被
膜によって、漏れなく上記フィラメント方向に反射さ
れ、この反射された赤外線で再加熱されるのでランプ効
率が向上する。また、発光用フィラメントから放射され
る光強度を調整する遮光板も、その設定位置の規制によ
って、前記赤外線の反射量にむらなど発生することが回
避され、発光用フィラメント温度の均一性が確保される
ので、長寿命化が図られることになる。
【0056】請求項2の発明では、透光性気密容器の膨
出部分内に配設された第1の発光用フィラメントから放
射された赤外線は、膨出部分表面に形成された赤外線反
射被膜によって、漏れなく上記フィラメント方向に反射
され、この反射された赤外線で再加熱されるのでランプ
効率が向上する。また、発光用フィラメントから放射さ
れる光強度を調整する遮光板も、その設定位置の規制に
よって、前記赤外線の反射量にむらなど発生することが
回避され、発光用フィラメント温度の均一性が確保され
るので、長寿命化が図られることになる。
【0057】請求項3の発明では、透光性気密容器の膨
出部分内に配設された第1の発光用フィラメントから放
射された赤外線は、膨出部分表面に形成された赤外線反
射被膜によって、漏れなく上記フィラメント方向に反射
され、この反射された赤外線で再加熱される。さらに、
筒状部分内に配設された第2の発光用フィラメントから
放射された赤外線は、筒状部分に形成された赤外線反射
被膜によって、上記フィラメント方向に反射され、この
反射された赤外線で再加熱される。したがって、ランプ
効率が向上する。また、第1の発光用フィラメントから
放射される光強度を調整する遮光板も、その設定位置の
規制によって、前記赤外線の反射量にむらなど発生する
ことが回避され、第1の発光用フィラメント温度の均一
性が確保されるので、長寿命化が図られることになる。
【0058】請求項4の発明では、透光性気密容器の膨
出部分内に配設された第1の発光用フィラメントから放
射された赤外線は、上記気密容器の表面に形成された赤
外線反射被膜によって、漏れなく上記フィラメント方向
に反射される。さらに、前記容器の膨出部分内において
前記中心または焦点間から離間した位置に配設された第
2の発光用フィラメントから放射された赤外線も、上記
気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜によって、
少なからず上記フィラメント方向に反射される。そし
て、前記反射された赤外線で各発光用フィラメントは再
加熱され、ランプ効率が向上する。また、第1の発光用
フィラメントから放射される光強度を調整する遮光板
も、その設定位置の規制によって、前記赤外線の反射量
にむらなど発生することが回避され、第1の発光用フィ
ラメント温度の均一性が確保されるので、長寿命化が図
られることになる。
【0059】請求項5の発明では、少なくとも第1のフ
ィラメント近傍の透光性気密容器の表面に形成された赤
外線反射被膜により、第1のフィラメントから放射され
た赤外線は、漏れなく上記フィラメント方向に反射さ
れ、ランプ効率が向上する。
【0060】請求項6の発明では、第1のフィラメント
は、すれ違い用に供され、また第2のフィラメントは、
走行用に供されるように構成されているので、少なくと
もどちらか一方のフィラメントから放射された赤外線
は、気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜によっ
て、漏れなく上記フィラメント方向に反射される。した
がって、各々のフィラメント反射された赤外線で再加熱
されるのでランプ効率が向上する。
【0061】請求項7の発明では、請求項1ないし6の
いずれか一記載のランプ効率が向上した車両前照灯用ハ
ロゲン電球は、全面に透明質前面カバーが配設された反
射構体の所定の位置に配設されており、上記ハロゲン電
球から主として放射された可視光は、反射構体によって
前方に反射され、透明質前面カバーを透過して前方を照
射することができる。
【0062】請求項8の発明では、請求項7記載の車両
前照灯は、車両に装着されて車両前方を照射することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の車輛前照灯用ハロゲ
ン電球の構成を示すもので (a)は斜視図、 (b))は側面
図。
【図2】本発明に係る第2実施例の車輛前照灯用のハロ
ゲン電球の構成を示す側面図。
【図3】本発明に係る第3実施例の車輛前照灯用のハロ
ゲン電球の構成を示す側面図。
【図4】本発明に係る第4実施例の車輛前照灯用のハロ
ゲン電球の構成を示す側面図。
【図5】本発明に係る第5実施例のハロゲン電球の構成
を示す側面図。
【図6】本発明に係る車輛前照灯の構成を示す側面図。
【図7】本発明に係る車輛前照灯を装備した車輛の構成
例を示す側面図。
【図8】(a)は従来の車輛前照灯用ハロゲン電球の構成
を示す側面図、 (b))は従来の車輛前照灯用ハロゲン電
球における赤外線反射膜に対する発光用フィラメントか
らの熱放射方向を模式的に示す模式図。
【符号の説明】
1,1′……ガラスバルブ 1a……ガラスバルブの軸
1b,1b′……球状膨大部 1c……円筒部 2…
…第1の発光用フィラメント 2′……発光用フィラ
メント 3……第2の発光用フィラメント 4……
赤外線反射膜 5,5′……車輛前照灯用電球 5″……電球 6
……鍔付き口金 7,8,9……リード線 10……
遮光板 11……円筒形口金 12……フランジ 1
3a, 13b, 13c……レグ端子 14……反射構体 1
4a……反射面 14b……リフレクタ 14c……全面レンズ 15……
取付け孔 16……車輛前照灯 17……車輛本体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延在し、先端側にはこの軸上に
    ほぼ中心が位置する球状もしくはほぼ焦点が位置する回
    転楕円体状をなす膨出部分を、基端側には任意形状部分
    を、それぞれ一体に形成した透光性気密容器と;前記透
    光性気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜と;前
    記透光性気密容器の膨出部分内においてほぼ中心もしく
    は焦点間に位置するように配設された発光用フィラメン
    トと;前記発光用フィラメントに対向して透光性気密容
    器内に、その軸に沿って内装配設された遮光板と;前記
    透光性気密容器の基端側に配設された口金とを具備して
    成り、 前記遮光板は透光性気密容器の壁面に沿った曲面板で、
    かつ発光用フィラメントが遮光板の球中心もしくは回転
    楕円体焦点から、その虚像を発光用フィラメントの外径
    (D)方向に 1/2D〜Dの範囲で設定されていることを
    特徴とする電球。
  2. 【請求項2】 軸方向に延在し、先端側にはこの軸上に
    ほぼ中心が位置する球状もしくはほぼ焦点が位置する回
    転楕円体状をなす膨出部分を、基端側には任意形状部分
    を、それぞれ一体に形成した透光性気密容器と;前記透
    光性気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜と;前
    記透光性気密容器の膨出部分内においてほぼ中心もしく
    は焦点間に位置するように配設された第1の発光用フィ
    ラメントと;前記透光性気密容器の任意形状部分内にお
    いて前記軸にほぼ沿って配設された第2の発光用フィラ
    メントと;前記第1の発光用フィラメントに対向して透
    光性気密容器内に、その軸に沿って内装配設された遮光
    板と;前記透光性気密容器の基端側に配設された口金と
    を具備して成り、 前記遮光板は透光性気密容器の壁面に沿った曲面板で、
    かつ第1の発光用フィラメントが遮光板の球中心もしく
    は回転楕円体焦点から、その虚像を第1の発光用フィラ
    メントの外径(D)方向に 1/2D〜Dの範囲で設定され
    ていることを特徴とする車両前照灯用電球。
  3. 【請求項3】 軸方向に延在し、先端側にはこの軸上に
    ほぼ中心が位置する球状もしくはほぼ焦点が位置する回
    転楕円体状をなす膨出部分を、基端側には円筒状部分
    を、それぞれ一体に形成した透光性気密容器と;前記透
    光性気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜と;前
    記透光性気密容器の膨出部分内においてほぼ中心もしく
    は焦点間に位置するように配設された第1の発光用フィ
    ラメントと;前記透光性気密容器の円筒状部分内におい
    て前記軸にほぼ沿って配設された第2の発光用フィラメ
    ントと;前記第1の発光用フィラメントに対向して透光
    性気密容器内に、その軸に沿って内装配設された遮光板
    と;前記透光性気密容器の基端側に配設された口金とを
    具備して成り、 前記遮光板は透光性気密容器の壁面に沿った曲面板で、
    かつ第1の発光用フィラメントが遮光板の球中心もしく
    は回転楕円体焦点から、その虚像を第1の発光用フィラ
    メントの外径(D)方向に 1/2D〜Dの範囲で設定され
    ていることを特徴とする車両前照灯用電球。
  4. 【請求項4】 軸方向に延在し、この軸上にほぼ中心も
    しくはほぼ焦点が位置する球状または回転楕円体状をな
    す複数の膨出部分を一体に形成した透光性気密容器と;
    前記透光性気密容器の表面に形成された赤外線反射被膜
    と;前記透光性気密容器の一つの膨出部分内においてほ
    ぼ中心もしくは焦点間に位置するように配設された第1
    の発光用フィラメントと;前記透光性気密容器の残り膨
    出部分内において前記中心または焦点間から離間した位
    置に配設された任意個数の第2の発光用フィラメント
    と;前記第1の発光用フィラメントに対向して透光性気
    密容器内に、その軸に沿って内装配設された遮光板と;
    前記透光性気密容器の基端側に配設された口金とを具備
    して成り、 前記遮光板は透光性気密容器の壁面に沿った曲面板で、
    かつ第1の発光用フィラメントが遮光板の球中心もしく
    は回転楕円体焦点から、その虚像を第1の発光用フィラ
    メントの外径(D)方向に 1/2D〜Dの範囲で設定され
    ていることを特徴とする車両前照灯用電球。
  5. 【請求項5】 赤外線反射被膜は、少なくとも第1の発
    光用フィラメント近傍の透光性気密容器の表面に形成さ
    れていることを特徴とする請求項2,請求項3もしくは
    請求項4記載の車両前照灯用電球。
  6. 【請求項6】 第1の発光用フィラメントは、すれ違い
    用に供され、また第2の発光用フィラメントは、走行用
    に供されるように構成されていることを特徴とする請求
    項2,請求項3もしくは請求項4記載の車両前照灯用電
    球。
  7. 【請求項7】 請求項2,請求項3,請求項4,請求項
    5もしくは請求項6記載の車両前照灯用電球と;前記車
    両前照灯用電球を所定の位置に配設した反射構体と;前
    記反射構体の全面に配設された透明質前面カバーとを具
    備して成ることを特徴とする車両前照灯。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の車両前照灯を具備したこ
    とを特徴とする車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010092807A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Yuichi Suzuki バルブに直角プリズムを備えたランプおよびそのランプを用いた照明装置

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