JPH08100233A - 電解コンデンサ中低圧陽極用アルミニウム軟質箔及びその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ中低圧陽極用アルミニウム軟質箔及びその製造方法

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JPH08100233A
JPH08100233A JP23788494A JP23788494A JPH08100233A JP H08100233 A JPH08100233 A JP H08100233A JP 23788494 A JP23788494 A JP 23788494A JP 23788494 A JP23788494 A JP 23788494A JP H08100233 A JPH08100233 A JP H08100233A
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aluminum
weight
etching
foil
less
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JP23788494A
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Tsuyoshi Sakurai
強 櫻井
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチング時の粗大孔の形成を防止し電解エ
ッチング性を向上させて静電容量が高い優れた電解コン
デンサ中低圧陽極用アルミニウム軟質箔及びその製造方
法を提供する。 【構成】 アルミニウムの純度が99.98重量%以上
であると共に、Fe:0.001乃至0.005重量
%、Si:0.001乃至0.005重量%、Zn:
0.0015重量%未満、Cu:0.001乃至0.0
05重量%であり、残部がアルミニウム及び不可避的不
純物からなる純アルミニウム材により構成され、その表
面の酸化皮膜厚さが40Å以下であり、表面の結晶粒径
が45乃至65μmである。このアルミニウム軟質箔
は、前記組成の純アルミニウム材を、550〜500℃
の温度に7乃至15時間加熱する1回の均質化処理のみ
を行い、その後、このアルミニウム材を熱間圧延及び冷
間圧延により厚さが100μm以下の箔にし、最終焼鈍
を酸素濃度300ppm以下の雰囲気中にて焼鈍温度3
10乃至330℃、焼鈍時間1乃至20時間の条件で行
うことにより製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エッチング時に均一に
且つ適度に溶解して、静電容量を十分に高めることがで
きる電解コンデンサ中低圧陽極用アルミニウム軟質箔及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、従来、中低圧電解コンデ
ンサ用アルミニウム箔の製造に際しては、出発原料とし
て99.99重量%以上の高純度のアルミニウム地金を
使用しなければならないというのが常識であった。
【0003】これは、必ずしも理論的に明瞭な裏付けに
よるものではなく、むしろ、現実に低純度地金を原料と
して得たアルミニウム箔は、後にこれを電解エッチング
して表面の粗面化を図り、コンデンサ箔として利用せん
としても、アルミニウム箔中の不純物が粗面化の際に種
々の不都合をもたらすという実使用面での問題があった
ためである。
【0004】従来、性能面で安定したコンデンサ箔を提
供するために、主として地金の一層の高純度化と、アル
ミニウム箔に施すエッチング処理技術の改良が行われて
きたのもそのためである。また、軟質箔の場合は結晶粒
径を適当な大きさにすることにより静電容量の向上と強
度の向上が同時に求められている。
【0005】ところで、低純度のアルミニウム箔を使用
すると、不純物による粗大な析出物が箔表面に存在し、
エッチングを施すと粗大孔が生じるという難点がある。
このため、低純度のアルミニウム箔を使用すると、箔表
面の拡大を図ることができない。しかし、高純度のアル
ミニウム箔は高価であるため、得られる電解コンデンサ
用陽極箔も高価になるという欠点があった。
【0006】このような事情の下に、比較的低純度のア
ルミニウム箔を使用した電解コンデンサ用陽極箔とし
て、次のようなアルミニウム箔が開発され提案されてい
る。特開平4−247855号公報においては、Fe:
0.03重量%以下、Si:0.03重量%以下、C
u:0.01重量%以下、Al:99.93〜99.9
8重量%よりなるアルミニウム鋳塊を準備する。このア
ルミニウム鋳塊に、温度が590℃以上、加熱時間が3
時間以上の条件で均質化処理を施す。その後、熱間粗圧
延を施して、所定厚のアルミニウム板を作製する。この
アルミニウム板に1パスにおける圧下率が40重量%以
下であり、全パスにおける総圧下率が85重量%以上に
なるようにして、熱間仕上げ圧延を施す。また、熱間仕
上げ圧延終了時におけるアルミニウム板の温度を250
℃〜300℃として、アルミニウム板を巻き上げる。そ
の後、アルミニウム板を巻き戻しながら、冷間圧延を施
す。
【0007】一方、特公平1−38865号公報におい
ては、純度99.94重量%以上で、Fe:300pp
m以下、Si:300ppm以下及びCu:100pp
m以下のアルミニウムDC鋳塊を用いて、600℃以上
で3時間以上保持する均質化処理を行った後、直ちにほ
ぼ均質化温度と同じ温度で熱間圧延処理加工を開始し、
550℃から450℃に下る温度領域の通過を5分以内
で終了させる。そして、熱間圧延終了温度が310℃以
下となるように熱間圧延を行い、更に冷間圧延と最終箔
圧延を行うことによりアルミニウム箔を製造する。
【0008】特開平2−51212号公報には、Fe:
0.0013重量%、Si:0.0013〜0.003
0重量%、Cu:0.025〜0.0050重量%、不
可避的不純物:0.0030重量%以下で、残部Alの
鋳塊を、温度550〜600℃で均質化処理し、次いで
熱間圧延及び冷間圧延により所定の厚さの箔とした後、
この箔の表面を洗浄し、更に270〜380℃の温度で
焼鈍を行うことによりアルミニウム箔を製造する技術が
開示されている。
【0009】そして、これらの公知技術においては、電
解エッチング性及び陽極酸化性が向上すると記載されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各公報に記載された従来のアルミニウム箔には、次のよ
うな問題点がある。即ち、特公平1−38865号公報
及び特開平4−247855号公報に記載のアルミニウ
ム箔は、成分及び均質化処理等の製造条件を規定するこ
とにより、エッチング時の粗大孔の形成を防止して電解
エッチング性を向上させている。しかし、均質化処理を
590℃以上の高温度で行うため、電気化学的に安定な
Al6Feが電気化学的に不安定なAl3Feに変化して
いまい、エッチング時に粗大孔を形成していまい、電解
エッチング性が十分でない。このため、電解エッチング
後のアルミニウム箔は静電容量が十分ではないという問
題点がある。
【0011】特開平2−51212号公報は、成分条
件、均質化処理温度及び最終焼鈍温度を規定することに
より、エッチング時の粗大孔の形成を防止して電解エッ
チング性を向上させている。しかし、この従来技術にお
いては、最終焼鈍時における温度を規定しているだけで
あり、その最終焼鈍条件がエッチング時の粗大孔の形成
防止には不十分であるため、電解エッチング性が低く、
静電容量が高いアルミニウム箔を得ることができないと
いう問題点がある。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、エッチング時の粗大孔の形成を防止し電解
エッチング性を向上させて静電容量が高い優れた電解コ
ンデンサ中低圧陽極用アルミニウム軟質箔及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電解コンデ
ンサ中低圧陽極アルミニウム軟質箔は、アルミニウムの
純度が99.98重量%以上であると共に、Fe:0.
001乃至0.005重量%、Si:0.001乃至
0.005重量%、Zn:0.0015重量%未満、C
u:0.001乃至0.005重量%であり、残部がア
ルミニウム及び不可避的不純物からなる純アルミニウム
材であって、その表面の酸化皮膜厚さが40Å以下であ
り、表面の結晶粒径が45乃至65μmであることを特
徴とする。
【0014】本発明に係る電解コンデンサ中低圧陽極ア
ルミニウム軟質箔の製造方法は、アルミニウムの純度が
99.98重量%以上であると共に、Fe:0.001
乃至0.005重量%、Si:0.001乃至0.00
5重量%、Zn:0.0015重量%未満、Cu:0.
001乃至0.005重量%であり、残部がアルミニウ
ム及び不可避的不純物からなる純アルミニウム材を、5
50〜500℃の温度に7乃至15時間加熱する1回の
均質化処理のみを行い、その後、このアルミニウム材を
熱間圧延及び冷間圧延により厚さが100μm以下の箔
にし、最終焼鈍を酸素濃度300ppm以下の雰囲気中
にて焼鈍温度310乃至330℃、焼鈍時間1乃至20
時間の条件で行うことを特徴とする。
【0015】
【作用】本願発明者等はアルミニウム地金の高純度化に
よるコンデンサ箔の性能向上は、コストが上昇してしま
うため、近時の技術開発姿勢に反するという観点から、
アルミニウム地金の圧延の段階で可及的に不純物のコン
デンサ箔性能への悪影響を抑制すべく、種々実験研究を
重ねて本発明を完成するに至った。
【0016】本発明に係る純アルミニウム材は、上記課
題を達成するために、従来の特開平4−247855号
公報、特公平1−38865公報の純アルミニウムとは
異なり、均質化処理の条件を550〜500℃の温度で
7乃至15時間の加熱時間とし、この均質化処理を1回
のみ行うこととする。更に、この均質化処理条件に加え
て、最終焼鈍条件を詳細に検討してその最適条件を細か
く規定した。その結果、表面の酸化皮膜厚を40Å以
下、表面の結晶粒径を45〜65μmにすることによ
り、エッチング時の粗大孔の形成を防止して電解エッチ
ング性を向上させ、静電容量を高めることが可能になっ
た。
【0017】次に、本発明のアルミニウム箔中の各成分
の組成限定理由について説明する。アルミニウム純度 アルミニウムの純度は99.98重量%以上必要であ
る。これより低い純度では、不純物の量が多くなり、静
電容量の低下が生じるので好ましくない。
【0018】Fe Feは晶出物又は析出物としての金属間化合物を生成さ
せ、エッチング性の改善には不可欠な元素である。適正
な数及び大きさの晶出物又は析出物を生成させるために
は、Fe含有量を0.001乃至0.005重量%の範
囲に設定する必要がある。しかし、Fe含有量が0.0
01重量%未満では、晶出物又は析出物の数が不十分に
なって均一な適度のエッチング面が得られず、静電容量
の低下を生じる。また、Fe含有量が0.005重量%
を超えると、晶出物が大きくなりすぎて粗大なエッチン
グピットが発生し易くなり、静電容量の低下を生じる。
【0019】Si Siは、Feと同様に、晶出物又は析出物としての金属
間化合物を生成させ、エッチング性の改善には不可欠な
元素である。適正な数及び大きさの晶出物又は析出物を
生成させるためには、Si含有量を0.001重量%以
上に規制する必要がある。逆に、Si含有量が0.00
5重量%を超えると、晶出物が大きくなりすぎて粗大な
エッチングピットが発生し易くなり、静電容量の低下を
生じる。
【0020】Zn ZnはAlに添加させることによりエッチング性を向上
させる。その添加量を0.0015重量%以下としたの
は、Zn含有量が0.0015重量%を超えると適正な
エッチング条件の設定が困難となり、均一な適度のエッ
チング面が得られず、静電容量の低下が生じるためであ
る。
【0021】Cu Cuもまた溶解性に寄与するものであるが、0.001
重量%未満ではエッチング性の低下をもたらし、0.0
05重量%を超えるとエッチング後にCuが析出し、静
電容量の低下が生じる。
【0022】不可避的不純物 なお、他のMn、Cr、Ti等の元素は不可避的不純物
として0.001重量%程度までその含有が許容され
る。
【0023】表面の酸化皮膜の厚さ アルミニウム箔の表面に形成される酸化皮膜の厚さは、
40Å以下である。表面の酸化皮膜の厚さが40Åを超
えると、エッチング溶液に対する濡れ性が悪く、表面の
エッチング性が低下する。このため、アルミニウム箔の
表面積の拡大を図ることができず、静電容量の低下が生
じる。
【0024】表面の結晶粒径:45乃至65μm 表面の結晶粒径が45μm未満であると、表面の皮膜抵
抗にバラツキが生じるため、エッチングによる粗面化が
不均一となり、エッチングによる表面積の拡大を図るこ
とが困難である。このため、静電容量を高めることがで
きない。一方、表面の結晶粒径が65μmを超えると、
強度が低下する。このため、結晶粒径は45乃至65μ
mにする必要がある。
【0025】本発明に係る純アルミニウム箔は、鋳造−
均質化処理−熱間圧延−冷間圧延−洗浄−最終焼鈍の連
続する工程で製造されるが、各工程の条件は以下のよう
に設定する必要がある。
【0026】均質化熱処理工程 均熱温度は550〜500℃である。この均質化処理温
度が550℃を超えると、電解エッチング性に良好なA
6Feが電解エッチング性に悪影響を及ぼすAl3Fe
に変化してしまい、均一な適度のエッチング面が得られ
なくなり、静電容量の低下が生じる。また、均質化処理
温度が500℃未満では、析出物が増大し、均一な適度
のエッチング面が得られなくなり、静電容量の低下が生
じる。
【0027】均熱時間は7乃至15時間である。均質化
のための加熱時間が7時間未満では均質化処理の効果が
十分でなく、均一な適度のエッチング面が得られなくな
り、得られた陽極アルミニウム箔の静電容量が低下す
る。一方、均熱時間が16時間を超えると、粗大な析出
物が生じるため、均一な適度のエッチング面が得られく
なり、同様に静電容量の低下が生じる。
【0028】均質化熱処理の回数は1回とする。均質化
熱処理を2回以上行うと、冷却時に粗大な析出物が生じ
るため、均一な適度のエッチング面が得られなくなり、
静電容量の低下を生じる。
【0029】洗浄工程 箔の洗浄を有機系洗浄液を使用しナイロンブラシにより
箔表面に疵を入れないように、また残油量が5mg/m
2以下になるように行う。
【0030】最終焼鈍処理 最終焼鈍は、酸素濃度300ppm以下の雰囲気中にて
焼鈍温度を310乃至330℃にし、焼鈍時間を1乃至
20時間に設定して行うことにより、表面の酸化皮膜厚
が40Å以下、表面の結晶粒径が45μm〜65μmの
アルミニウム箔を得る。
【0031】最終焼鈍を酸素濃度が300ppmを超え
る雰囲気中で行うと、表面の酸化皮膜厚が40Åを超
え、エッチング溶液に対する濡れ性が悪くなり、エッチ
ング性が低下する。このため、エッチングによる表面積
の拡大を図ることができず、静電容量の低下を生ずる。
また、焼鈍温度が310℃より低い温度でアルミニウム
箔を焼鈍すると、表面の結晶粒径が45μm未満にな
り、前述の如く、表面皮膜抵抗にばらつきが生じるた
め、エッチングによるアルミニウム箔の表面積の拡大を
図ることができず、静電容量の低下が生ずる。330℃
より高い温度でアルミニウム箔を焼鈍すると、表面の結
晶粒径が65μmを超えてしまい、強度が低下する。
【0032】最終焼鈍時間は1乃至20時間に設定す
る。最終焼鈍時間が1時間未満では、表面の結晶粒径が
45μm未満になり、表面皮膜抵抗にばらつきが生じ
る。このため、エッチングによる表面積の拡大を図るこ
とができず、静電容量の低下が生ずる。最終焼鈍時間が
20時間を超えると、表面の酸化皮膜の厚さが40Åを
超え、エッチング溶液に対する濡れ性が悪く、エッチン
グ性が低下する。このため、エッチングによる表面積の
拡大を図ることができず、静電容量の低下が生ずる。
【0033】なお、本発明に係る製造方法を満足するア
ルミニウム材を270℃という低温度では20時間以上
加熱しても表面の結晶粒径は45μmにならない。ま
た、380℃という高温度の場合には、1時間未満の加
熱時間であっても、表面の結晶粒径は65μmを超えて
しまう。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について、詳細に説明
する。実施例1 先ず、成分組成による影響を比較した試験結果について
説明する。下記表1に示す化学成分を有するアルミニウ
ム箔について、同表に示す規定内の製造条件により均質
化処理まで終了させ、その後、熱間圧延、冷間圧延及び
洗浄工程のみで製品箔厚90μmのアルミニウム箔を製
造し、その箔を表1に示す条件にて最終焼鈍を行い、調
質をO材にした。得られたアルミニウム箔をサンプルと
し、表面の酸化皮膜厚、静電容量、強度及び表面の結晶
粒径を調査した。
【0035】
【表1】
【0036】酸化皮膜厚測定条件 純水1リットル中に、ほう酸50g+ほう砂100gを
含む溶液をアルミニウム箔上に接着したガスケットに注
入し、アルミニウム箔の対極を白金とし、LCRメータ
ーにて測定した。但し、測定周波数:120Hz、等価
回路:抵抗と並列、測定面積1.1cm2とした。
【0037】電解エッチング条件 純水1リットル中に、10体積%塩酸+0.1体積%硫
酸+2.2体積%塩化アルミニウムを含む電解液(温
度:40±1℃)を使用し、電流密度を0.45A/c
2にして、交流電圧(50Hz)を印加し、1分間エ
ッチングした。
【0038】化成処理条件 純水1リットル中に、リン酸:0.25ml及びリン酸
アンモニウム:1.4gを含む処理液により、液温が7
0±2.5℃、化成処理時間が8分、化成電圧が20V
の条件で、化成処理した。
【0039】静電容量測定 純水1リットル中に、ホウ酸:50g、クエン酸:50
g、アンモニア:50mlを含む処理液中で、液温を3
0±5℃の保持し、周波数:120Hzで万能ブリッジ
により静電容量を測定した。
【0040】強度測定 電解エッチング後に試験片(10mm幅×100mm長
さ)を圧延方向に平行に切り出し、チャック部とチャッ
ク部の間の長さが50mmになるように固定し、破断強
度を測定した。
【0041】結晶粒径測定 電解エッチング前の箔の表面を研磨し、電解エッチング
した後、ミクロ組織を観察した。この観察結果から線分
法により結晶粒径を測定した。
【0042】このようにして測定した表面の酸化皮膜
厚、静電容量、強度及び表面の結晶粒径の各測定結果を
前記表1に合わせて示す。この表1からわかるように、
本発明の実施例No.1〜4に係るアルミニウム箔は静
電容量及び強度が高い。本発明の範囲から外れる比較例
No.5〜12に係るアルミニウム箔は静電容量及び強
度のいずれかが低い。
【0043】実施例2 次に、均熱条件による影響を試験した結果について説明
する。下記表2に示す化学組成を有するアルミニウム箔
について、同表に示す条件の製造工程により均質化処理
まで終了させ、その後、熱間圧延、冷間圧延及び洗浄工
程のみで製品箔厚90μmのアルミニウム箔を製造し、
その箔を下記表2に示す条件にて最終焼鈍を行い、調質
をO材にした。得られたアルミニウム箔をサンプルと
し、表面の酸化皮膜厚、静電容量、強度及び表面の結晶
粒径を調査した。
【0044】
【表2】
【0045】酸化皮膜厚測定条件 純水1リットル中に、ホウ酸50g+ホウ砂100gを
含む溶液をアルミニウム箔上に接着したガスケットに注
入し、アルミニウム箔の対極を白金にして、LCRメー
ターにて測定した。但し、測定周波数:120Hz、等
価回路:抵抗と並列、測定面積:1.1cm2とした。
【0046】電解エッチング条件 純水1リットル中に、10体積%塩酸+0.1体積%硫
酸+2.2体積%塩化アルミニウムを含む電解液(40
±1℃)を用い、電流密度0.45A/cm2で、交流
50Hzにより、1分間エッチングした。
【0047】化成条件 純水1リットル中に、リン酸:0.25ml及びリン酸
アンモニウム:1.4gを含有し、液温70±2.5
℃、化成時間8分、化成電圧20Vで化成処理した。
【0048】静電容量測定 純水1リットル中に、ホウ酸:50g、クエン酸:50
g、アンモニア:50mlを含有する処理液を使用し、
液温30±5℃、周波数:120Hzの条件で、万能ブ
リッジにより静電容量を測定した。
【0049】強度測定 電解エッチング後に試験片(10mm幅×100mm長
さ)を圧延方向に平行に切り出し、チャック部とチャッ
ク部の間の長さが50mmになるように固定し、破断強
度を測定した。
【0050】結晶粒径測定 電解エッチング前の箔の表面を研磨し、電解エッチング
後、ミクロ組織を観察した。その結果から線分法により
結晶粒径を測定した。
【0051】表面の酸化皮膜厚、静電容量、強度及び表
面の結晶粒径の各測定結果を表2に合わせて示す。この
表2から明らかなように、本発明の実施例No.13〜
16に係るアルミニウム箔は静電容量及び強度が高い。
これに対し、本発明の範囲から外れる比較例No.17
〜21に係るアルミニウム箔は静電容量又は強度のいず
れかが低い。実施例3 次に、最終焼鈍条件の影響を試験した結果について説明
する。下記表3に示す組成のアルミニウム箔について、
同表に示す条件の製造工程により均質化処理まで終了さ
せ、その後、熱間圧延、冷間圧延、洗浄工程のみで製品
箔厚90μmのアルミニウム箔を製造し、その箔を表3
に示す条件にて最終焼鈍を行い、調質をO材にした。得
られたアルミニウム箔をサンプルとし、表面の酸化皮膜
厚、静電容量、強度及び表面の結晶粒径を調査した。
【0052】
【表3】
【0053】酸化皮膜厚測定条件 純水1リットル中に、ホウ酸50g+ホウ砂100gを
含む溶液をアルミニウム箔上に接着したガスケットに注
入し、アルミニウム箔の対極を白金として、LCRメー
ターにて測定した。但し、測定周波数:120Hz、等
価回路:抵抗と並列、測定面積:1.1cm2とした。
【0054】電解エッチング条件 純水1リットル中に、10体積%塩酸+0.1体積%硫
酸+2.2体積%塩化アルミニウムを含む電解液(40
±1℃)を用い、電流密度0.45A/cm2で、交流
50Hzを印加し、1分間エッチングした。
【0055】化成処理条件 純水1リットル中に、リン酸:0.25ml及びリン酸
アンモニウム:1.4gを含む処理液を使用し、液温7
0±2.5℃で、化成時間8分及び化成電圧20Vの条
件で化成処理した。
【0056】静電容量測定 純水1リットル中に、ホウ酸:50g、クエン酸:50
g、アンモニア:50mlを含有する処理液を使用し、
液温30±5℃で、周波数:120Hzの条件で、万能
ブリッジにより静電容量を測定した。
【0057】強度測定 電解エッチング後に試験片(10mm幅×100mm長
さ)を圧延方向に平行に切り出し、チャック部とチャッ
ク部との間の長さが50mmになるように固定し、破断
強度を測定した。
【0058】結晶粒径測定 電解エッチング前の箔の表面を研磨し、電解エッチング
した後、ミクロ組織を観察した。その結果から線分法に
より結晶粒径を測定した。
【0059】表面の酸化皮膜厚、静電容量、強度及び表
面の結晶粒径の各測定結果を表3に合わせて示す。その
結果から明らかなように、本発明の実施例No.22〜
25に係るアルミニウム箔は静電容量及び強度が高い。
これに対し、本発明の範囲から外れる比較例No.26
〜30に係るアルミニウム箔は静電容量又は強度のいず
れかが低い。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エッチング時の粗大孔の発生が防止され、均一にエッチ
ングすることが可能で電解エッチング性が優れたアルミ
ニウム箔を得ることができる。従って、エッチングによ
り表面積を拡大して高い静電容量を示す中低圧陽極用電
解箔の製造に供することができ、本発明を適用すること
により高性能の電解コンデンサを得ることができるとい
う工業上顕著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 9/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムの純度が99.98重量%
    以上であると共に、Fe:0.001乃至0.005重
    量%、Si:0.001乃至0.005重量%、Zn:
    0.0015重量%未満、Cu:0.001乃至0.0
    05重量%であり、残部がアルミニウム及び不可避的不
    純物からなる純アルミニウム材であって、その表面の酸
    化皮膜厚さが40Å以下であり、表面の結晶粒径が45
    乃至65μmであることを特徴とする電解コンデンサ中
    低圧陽極用アルミニウム軟質箔。
  2. 【請求項2】 アルミニウムの純度が99.98重量%
    以上であると共に、Fe:0.001乃至0.005重
    量%、Si:0.001乃至0.005重量%、Zn:
    0.0015重量%未満、Cu:0.001乃至0.0
    05重量%であり、残部がアルミニウム及び不可避的不
    純物からなる純アルミニウム材を、550〜500℃の
    温度に7乃至15時間加熱する1回の均質化処理のみを
    行い、その後、このアルミニウム材を熱間圧延及び冷間
    圧延により厚さが100μm以下の箔にし、最終焼鈍を
    酸素濃度300ppm以下の雰囲気中にて焼鈍温度31
    0乃至330℃、焼鈍時間1乃至20時間の条件で行う
    ことを特徴とする電解コンデンサ中低圧陽極用アルミニ
    ウム軟質箔の製造方法。
JP23788494A 1994-09-30 1994-09-30 電解コンデンサ中低圧陽極用アルミニウム軟質箔及びその製造方法 Pending JPH08100233A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000269092A (ja) * 1999-03-18 2000-09-29 Kobe Steel Ltd エッチング性に優れた電解コンデンサー電極用アルミニウム箔地およびその製法
JP2007146269A (ja) * 2004-12-21 2007-06-14 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサ
JP2012144809A (ja) * 2005-05-31 2012-08-02 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサ

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