JPH079849Y2 - ベルトアキュムレーションコンベヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、傾斜ベルトアキュム
レーションコンベヤに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】アキュムレーションコンベヤとして、そ
の搬送手段をローラまたはホイール等によって構成され
たものが主形態で、これをアキュムレートさせる手段
が、前記ローラまたはホイールを制動させる手段構成が
主流であり、また、搬送手段と直接関連構成を断つ制
動、制止する手段をアキュムレートさせる技術が、例え
ば、実公昭５０−３７６６５号、実開昭５０−７４６８
９号、特公昭５３−８４３７号、特開昭５２−１３３６
８２号、特開昭５８−５９１１９号公報によって公開さ
れた技術がある。

【０００３】前記公開されたそれぞれの技術は、各々そ
の目的を達成させる構成並びにその効果をそれなりに備
えるものである。実開昭５０−７４６８９号において
は、エアチューブ１３上に載置された複数のチェーンレ
ール１４を上下動させることでコンベヤを搬送状態とア
キュムレーション状態に変換させる構造が開示されてい
る。しかし、ここに示されたエアチューブ１３はそれ自
体がチェーンを持ち上げる個々の領域において個々の領
域全体に渡って延びた比較的長く体積が大きくなる傾向
の構成であるため、このチューブへのエアーを供給や排
出を迅速にすることが難しい欠点を抱えている。 また、
特開昭５２−１３３６８２号公報に開示されたものは、
制動レール上で物品をアキュムレーション状態にする構
造であるが、この構成においてもローラ３９を上下動さ
せる手段はホース４６であり、実開昭５０−７４６８９
号の構造と同様な構成であり同様な欠点を抱えている。
すなわち、迅速な動作ができないことはアキュムレーシ
ョンコンベヤの処理能力の限界を示すものであるだけで
なく、特に傾斜させて使用する傾斜コンベヤを前提とし
たアキュムレーションコンベヤにおいては、正確なアキ
ュムレーション動作のためには、物品の制動並びに静止
作用の迅速性が要求されるものであり、上記した従来の
装置ではその十分な機能を発揮出来ない。

【０００４】したがって、本考案は上述の問題に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、迅速な
動作ができて且つ物品の制動も確実にでき正確なアキュ
ムレーションを可能にするベルトアキュムレーションコ
ンベヤを提供することにある。

【０００５】この考案は、上記の目的を達成させるため
の手段として、所望設定幅寸法を介して平行し、且つ、
２本のコンベヤ枠の内側に、無端のベルトを設置し、該
ベルトの作用往路面全長の両側位置に、そのベルトによ
って運搬物Ａを移動することを目的とした動作時におけ
る作用往路面よりも低い位置にプレートを平行設置し、
また、前記ベルトの作用往路面全長の下面に接触できる
ように、前記全長距離を所望する単位寸法となるように
複数に分割したスライダーベットを一直線状に連接配置
すると共に、各スライダーベットを該ベット前後端下部
においてリンクを介してコンベヤ枠に固定されたクロス
メンバに枢着して上下動可能に支持し、各々のスライダ
ーベットの下面に対して該スライダーベットの面積より
も小さい面積で接触するアクチュエータを設け、且つ、
該アクチュエータを作動させるセンサーを各スライダー
ベットにおける一つ前のスライダーベットの後端近くに
配置し、更に、コンベヤに最先端部にストッパーを設け
るとともに、各センサーによって次に位置するスライダ
ーベットのアキュムレーション時には、ベルトの作用往
路面の位置を両側のプレート位置よりも低い位置に降下
させ、このプレート上に運搬物をのせて駆動を切り離す
ことができるように構成して成るものである。

【０００６】この考案の傾斜ベルトアキュムレーション
コンベヤは、運搬物を、駆動されているベルトに乗せて
搬送すると、該運搬物はコンベヤの先端のストッパーの
ところまで搬送され、ここで停止し、後続の運搬物が次
々と最先端のスライダーベットの上部位置に停止され、
ある程度の数になるとスライダーベットの後端部に設け
たセンサーが運搬物を一定時間以上キャッチすると後列
のスライダーベットの下面に設けたアクチュエータの切
換バルブを作動してアクチュエータ内のエアーを排出さ
せスライダーベット及びベルトをプレートの位置より降
下させ運搬物をプレート上に載置させて搬送を停止す
る。

【０００７】従って、一直線状にベルトの下面に位置さ
せられているスライダーベットのワンゾーンにおいて最
終端近くに運搬物が一定時間以上停止するとセンサーは
それをキャッチして次ぎに連続されているスライダーベ
ットの下面のアクチュエータを収縮させて運搬物をプレ
ートに載置し、搬送を中止するが、後続の運搬物はベル
トの駆動により前進して来て下降しているスライダーベ
ットのプレートを滑って前進し、そのゾーンに一定量の
運搬物が縦列され、最終端部の運搬物をセンサーがキャ
ッチすると次ぎのゾーンのアクチュエータを作用させ搬
送を停止する。

【０００８】前部のスライダーベット上に位置するワン
ゾーンの最終端部の運搬物が移動してセンサーがキャッ
チできなくなると切換バルブが作動してポンプよりエア
ーを送りアクチュエータを膨張させスライダーベットを
ベルトとともにプレートの位置より上昇させて再び搬送
を開始するものである。

【０００９】スライダーベットが上昇する際にリンクが
図において時計廻りに回動するがリンクがピンに当接し
てこれ以上回動しないのでスライダーベットの上昇を規
制することができるものである。また、各スライダーベ
ットはそのベット前後端下部においてリンクを介してコ
ンベヤ枠に固定されたクロスメンバに枢着されて上下動
可能に支持された構成であるので、スライダーベットの
下面にアクチュエータは該スライダーベットの一部に当
接できる小さいものであっても、該ベット全体を上下動
させることができ、しかも、このアクチュエータを小さ
くできることによりエアーの供給、排気が迅速にでき、
スライダーベットの反応を素早くすることができる。ま
た、このように本考案はベルトにより搬送品を移動する
構成であり且つ平坦なスライダーベットにより支持する
構造であることから、搬送品の形状や剛性等を選ばずに
その適用範囲が広いものである。

【００１０】更に、プレートの上面に摩擦係数の大きい
板材を貼着、鋲止め等で全面に設けることにより通常の
ベルトコンベヤと同等の傾斜角を与えて使用することが
でき、且つ、プレート自体に摩擦係数が大きくなるよう
な加工を上面全長にわたって施すときは前記したような
別の板材を設ける必要がないものである。

【００１１】この考案は、前記のように前部のスライダ
ーベットの後端部まで運搬物が載っているときは後続の
スライダーベット上の運搬物はプレート上に載置させて
おくことができ、前部のスライダーベットが開放される
と再び搬送させておくことができるようにしたものであ
るが、ベルトにて搬送するコンベヤをアキュムレートで
きるようにしたのでコンベヤを傾斜させた状態で運搬物
をアキュムレートさせ、プレート上に運搬物を載置させ
るので傾斜した状態でも滑ることなく停止できるのでラ
インプレッシャーも発生しないものである。

【実施例】

【００１２】次に、この考案の実施例を図面とともに説
明すれば、所望設定幅寸法を介して平行し、且つ、傾斜
して設置した２本のコンベヤ枠１，１’の内側に、無端
のベルト２を設置し、該ベルト２の作用往路面全長の両
側位置に、そのベルト２によって運搬物Ａを移送するこ
とを目的とした動作時における作用往路面よりも低い位
置にアレート３，３’を平行設置するとともに、前記ベ
ルト２の作用往路面全長の下面に接触できるように、ベ
ルト２が十分乗る幅で運搬物を複数個（図においては５
個）のせることができる長さｌの複数のスライダーベッ
ト４をコンベヤのほぼ全長にわたって一直線状に連接配
置し、各々のスライダーベット４の前後端下部にリンク
５の上端をピン６をもって枢着し、リンク５の下端をコ
ンベヤ枠１，１’の上下の中間に交叉して固定したクロ
スメンバー７に設けた軸承８にピン１６で枢着し、軸承
８にはリンク５の上向回動規制用のストッパピン９を設
け、更に、スライダーベット４の前後近く下面でクロス
メンバー７上にアクチュエータ用のプラケット１０を固
定し、プラケット１０にアクチュエータ１１を取り付
け、該アクチュエータ１１の上面をスライダーベット４
の下面に接触させておくものである。

【００１３】各々のスライダーベット４の後端近くのコ
ンベヤ枠１，１’の側部にセンサー１２を配置し、該セ
ンサー１２を後続のアクチュエータ１１を作動する切換
バルブ１３にはエアーポンプ１４及びアクチュエータ１
１の配管を連結させておくものである。

【００１４】アクチュエータ１１、切換バルブ１３及び
エアーポンプ１４のそれぞれは適宜配管接続し、該エア
ーポンプ１４の作動によりアクチュエータ１１を収縮膨
張させるものである。また、コンベヤの最先端（ベルト
の前部）上下動自在にストッパー１５を設け、該ストッ
パー１５の駆動装置はコンベヤＢの前部に位置する他機
械等からの指示により作動させるようにしたものであ
る。

【００１５】更に、ストッパー１５の動作によって最前
部のスライダーベット４のアクチュエータ１１をバルブ
１３及びエアーポンプ１４を介して作動させるものであ
る。また、ストッパー１５が下降しているときはアクチ
ュエータ１１は膨張しているものである。

【００１６】図中、符合１７は駆動装置、１８は駆動ロ
ーラ、１９はモータ、２０はモータ１９の回転を駆動ロ
ーラ１８に伝えるベルトあるいはチェン等の運動伝達手
段、２１、２２はベルトあるいはチェン用のホイール、
２３はベルト２の張力を調整するテークアップ装置、２
４はリターンローラ、２５はコンベヤ枠１に取り付けた
脚体、２６は配管、２７はガイドレールを示すものであ
る。

【考案の効果】

【００１７】

【００１８】以上のべたように、本考案は各スライダー
ベットはそのベット前後端下部においてリンクを介して
コンベヤ枠に固定されたクロスメンバに枢着されて上下
動可能に支持された構成であるので、スライダーベット
の下面にアクチュエータは該スライダーベットの一部に
当接できる小さいものであっても、該ベット全体を上下
動させることができ、しかも、このアクチュエータを小
さくできることによりエアーの供給、排気が迅速にで
き、スライダーベットの反応を素早くすることができ
る。また、本考案はベルトにより搬送品を移動する構成
であり且つ平坦なスライダーベットにより支持する構造
であるので、搬送品の形状や剛性等を選ばずにその適用
範囲が広いものである。したがって、迅速な動作ができ
て且つ広範囲な形態の物品の制動も確実にでき、特に傾
斜タイプのアキュムレーションコンベヤの如く搬送面上
の物品に対して斜めに重力が作用するコンベヤにおいて
は、動作の反応性の良さが正確なアキュムレーションを
可能にするいう顕著な効果を奏するものである。 更に、
前記リンクの揺動角度を制御することでスライダーベッ
トの上下の移動位置を制御することも容易であり、搬送
品の種類に対応した調整も比較的容易に可能である基本
的構成であり使い勝手に優れている。

【図面の簡単な説明】

【００１９】図１は本願におけるコンベヤの平面図、図
２はコンベヤの側面図、図３は図１のア−ア線断面図、
図４は図３のイ−イ矢視図をしめすものである。

【符合の説明】

【００２０】 １，１’ コンベヤ枠 ２ ベルト ３，３’ プレート ４ スライダーベット ５ リンク ６ ピン ７ クロスメンバー ８ 軸承 ９ ストッパーピン １０ プラケット １１ アクチュエータ １２ センサー １３ 切換バルブ １４ エアーポンプ １５ ストッパー １６ ピン １７ 駆動装置 １８ 駆動ローラ １９ モータ ２０ 運動伝達手段 ２１，２２ ホイール ２３ テイクアップ装置 ２４ リターンローラ ２５ 脚体 ２６ 配管 ２７ ガイドレール Ａ 運搬物 Ｂ コンベヤ ｌ 長さ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所望設定幅寸法を介して平行し、且
   つ、傾斜して設置した２本のコンベヤ枠１，１’の内側
   に、無端のベルト２を設置し、該ベルト２の作用往路面
   全長の両側位置に、そのベルト２によって運搬物Ａを移
   送することを目的とした動作時における作用往路面より
   も低い位置にプレート３，３’を平行設置し、また、前
   記ベルト２の作用往路面全長の下面に接触できるよう
   に、前記全長距離を所望する単位寸法となるよう複数に
   分割したスライダーベット４を一直線状に連接配置し、
   各々のスライダーベット４の下面にアクチュエータ１１
   を設け、且つ、該アクチュエータ１１を作動させるセン
   サー１２を各スライダーベット４における一つ前のスラ
   イダーベット４の後端近くに配置し、更に、コンベヤ２
   の最先端部にストッパー１５を設けるとともに、各セン
   サーによって次に位置するスライダーベット４のアキュ
   ムレーション時には、ベルト２の作用往路面の位置を両
   側のプレート３，３’位置よりも低い位置に下降させ、
   該プレート３，３’上に運搬物Ａをのせて駆動を切り離
   すことができるように構成して成ることを特徴とする傾
   斜ベルトアキュムレーションコンベヤ。