JPH0796720A - タイヤにおけるビードコア構造 - Google Patents
タイヤにおけるビードコア構造Info
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ビードコアの構成線材として、アラミド繊維
コード等の高張力を有する繊維コードをスチール製ワイ
ヤと組合せて用い、タイヤとしての強度、保形性、リム
への嵌着力を満足させた上で、軽量化を可能にするビー
ドコア構造を提供する。 【構成】 タイヤのビード部Ｂに配される環状のビード
コア１として、アラミド繊維コード等の高張力を有する
繊維コード３ｂとスチール製ワイヤ３ａとにより、少な
くともコア内径側の第１層１ａにはスチール製ワイヤ３
ａを配して構成し、リムへの嵌着による圧縮力で巻初め
部分に生じる剪断応力に対する強度を持たせ、嵌着力を
低下させないようにする。
コード等の高張力を有する繊維コードをスチール製ワイ
ヤと組合せて用い、タイヤとしての強度、保形性、リム
への嵌着力を満足させた上で、軽量化を可能にするビー
ドコア構造を提供する。 【構成】 タイヤのビード部Ｂに配される環状のビード
コア１として、アラミド繊維コード等の高張力を有する
繊維コード３ｂとスチール製ワイヤ３ａとにより、少な
くともコア内径側の第１層１ａにはスチール製ワイヤ３
ａを配して構成し、リムへの嵌着による圧縮力で巻初め
部分に生じる剪断応力に対する強度を持たせ、嵌着力を
低下させないようにする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてラジアルタイ
ヤ等の空気入りタイヤの構成要素であるビードコア構造
に関するものである。
ヤ等の空気入りタイヤの構成要素であるビードコア構造
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】タイヤの
構成要素の中で最も剛性の高いビードコア（１）は、図
７に示すように、タイヤのビード部（Ｂ）においてカー
カスプライ（２）の端末を係止してこれを支え、タイヤ
のビード部（Ｂ）をリム（Ｒ）上に嵌着した状態に保つ
という役割を有するものであり、通常このビードコア
（１）は、ピアノ線等のスチール製の線材、所謂ビード
ワイヤ（３）の集束体から構成されている。
構成要素の中で最も剛性の高いビードコア（１）は、図
７に示すように、タイヤのビード部（Ｂ）においてカー
カスプライ（２）の端末を係止してこれを支え、タイヤ
のビード部（Ｂ）をリム（Ｒ）上に嵌着した状態に保つ
という役割を有するものであり、通常このビードコア
（１）は、ピアノ線等のスチール製の線材、所謂ビード
ワイヤ（３）の集束体から構成されている。
【０００３】このビードワイヤ（３）の本数および断面
形状は、タイヤサイズやタイヤ構造の違い等によって異
なるが、例えば乗用車用タイヤの場合は、図７のように
２０本（縦×横＝４×５）あるいは２５本（縦×横＝５
×５）のビードワイヤ（３）を角形に積層したビードコ
ア（１）が用いられる。またバス、トラック用等のタイ
ヤの場合は、図８のように例えば５１本のビードワイヤ
（３）を６角形に積層したビードコア（１）が用いられ
る。
形状は、タイヤサイズやタイヤ構造の違い等によって異
なるが、例えば乗用車用タイヤの場合は、図７のように
２０本（縦×横＝４×５）あるいは２５本（縦×横＝５
×５）のビードワイヤ（３）を角形に積層したビードコ
ア（１）が用いられる。またバス、トラック用等のタイ
ヤの場合は、図８のように例えば５１本のビードワイヤ
（３）を６角形に積層したビードコア（１）が用いられ
る。
【０００４】しかして、一般の空気入りタイヤにおい
て、タイヤ軽量化の要求が高まるにつれ、ビードコアの
重量が問題になってきており、このビードコアの重量を
軽減することが望まれている。
て、タイヤ軽量化の要求が高まるにつれ、ビードコアの
重量が問題になってきており、このビードコアの重量を
軽減することが望まれている。
【０００５】そこで、スチール製ワイヤに代えて、これ
よりも比重が小さく軽量であって、しかも比較的張力の
高いアラミド繊維等の繊維コードをビードコアの構成線
材として用いることとしたものである。
よりも比重が小さく軽量であって、しかも比較的張力の
高いアラミド繊維等の繊維コードをビードコアの構成線
材として用いることとしたものである。
【０００６】しかしながら、アラミド繊維等のコード
は、スチール製のワイヤに比べて引張強度が弱く、また
剛性が劣り楕円に変形し易い欠点があり、またリムに対
して充分な嵌着力を確保できないといった問題がある。
は、スチール製のワイヤに比べて引張強度が弱く、また
剛性が劣り楕円に変形し易い欠点があり、またリムに対
して充分な嵌着力を確保できないといった問題がある。
【０００７】これについてさらに検討すると、ビードコ
アは、その構成線材として、スチール製ワイヤ、繊維コ
ードのいずれを用いるにしても、これらの線材を集束体
に形成するために、例えば縦×横を５×５に積層する場
合、５本の線材を平行に引き揃えてリボン状にしたもの
を５回巻き重ねるか、あるいは１本の線材を２５回５層
に巻くことにより作られる。そしてこれをビード部に配
してタイヤを成型し加硫することにりタイヤを製作する
が、通常ビード部の内径側の面がリム径に対し僅かに径
小となるように加硫成形される。
アは、その構成線材として、スチール製ワイヤ、繊維コ
ードのいずれを用いるにしても、これらの線材を集束体
に形成するために、例えば縦×横を５×５に積層する場
合、５本の線材を平行に引き揃えてリボン状にしたもの
を５回巻き重ねるか、あるいは１本の線材を２５回５層
に巻くことにより作られる。そしてこれをビード部に配
してタイヤを成型し加硫することにりタイヤを製作する
が、通常ビード部の内径側の面がリム径に対し僅かに径
小となるように加硫成形される。
【０００８】しかし、ビードコアの巻初めの部分にはワ
イヤ等の線材の重なりのための段差が生じており、この
部分に付着されたゴム層をリム面に嵌着できるように面
一に加硫成形するために、この巻初めの部分では余分な
ゴムを押し出す反力を受けた状態になる。また、ビード
部内径がリムベースの外径より僅かに径小に形成された
ものをリムに嵌着するため、ビード部内径側のゴム成形
層が圧縮されて、前記の巻始めの部位で剪断応力が発生
する。
イヤ等の線材の重なりのための段差が生じており、この
部分に付着されたゴム層をリム面に嵌着できるように面
一に加硫成形するために、この巻初めの部分では余分な
ゴムを押し出す反力を受けた状態になる。また、ビード
部内径がリムベースの外径より僅かに径小に形成された
ものをリムに嵌着するため、ビード部内径側のゴム成形
層が圧縮されて、前記の巻始めの部位で剪断応力が発生
する。
【０００９】しかるに、アラミド繊維コード等の繊維コ
ードは、スチール製ワイヤよりも圧縮力および剪断応力
に対して弱く、しかも繊維コードは高硬度、低破断伸度
の樹脂を含浸して固めて用いるのが一般的であるため、
コードを構成するフィラメントがコード内での動きが封
じられて束縛された状態になっている。
ードは、スチール製ワイヤよりも圧縮力および剪断応力
に対して弱く、しかも繊維コードは高硬度、低破断伸度
の樹脂を含浸して固めて用いるのが一般的であるため、
コードを構成するフィラメントがコード内での動きが封
じられて束縛された状態になっている。
【００１０】従って、前記のようにリムへの嵌着により
剪断応力を受けたときの破断抵抗が小さく、そのため破
断が生じたりして、リムへの嵌着力が低下あるいは不足
するものと考えられる。
剪断応力を受けたときの破断抵抗が小さく、そのため破
断が生じたりして、リムへの嵌着力が低下あるいは不足
するものと考えられる。
【００１１】一方、スチール製ワイヤは、図９の伸びと
荷重との関係を示すグラフに見られるように、アラミド
繊維コードに比して降伏点に達してからの延び大きく、
したがって前記のように剪断変形を受けても容易に破断
することがない。
荷重との関係を示すグラフに見られるように、アラミド
繊維コードに比して降伏点に達してからの延び大きく、
したがって前記のように剪断変形を受けても容易に破断
することがない。
【００１２】本発明は、上記に鑑みて、アラミド繊維コ
ード等の高張力を有する繊維コードをスチール製ワイヤ
と組合せてビードコアの構成線材として使用することと
し、タイヤとしての強度や保形性、およびリムに対する
嵌着力等を損なうことなく、軽量化を可能にするビード
コア構造を提供するものである。
ード等の高張力を有する繊維コードをスチール製ワイヤ
と組合せてビードコアの構成線材として使用することと
し、タイヤとしての強度や保形性、およびリムに対する
嵌着力等を損なうことなく、軽量化を可能にするビード
コア構造を提供するものである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】本発明は、タイヤのビー
ド部に配される環状のビードコアであって、アラミド繊
維コード等の高張力を有する繊維コードとスチール製ワ
イヤとにより、少なくともコア内径側の第１層にはスチ
ール製ワイヤを配して構成したことを特徴とするもので
ある。
ド部に配される環状のビードコアであって、アラミド繊
維コード等の高張力を有する繊維コードとスチール製ワ
イヤとにより、少なくともコア内径側の第１層にはスチ
ール製ワイヤを配して構成したことを特徴とするもので
ある。
【００１４】
【作用】上記のビードコア構造によれば、構成線材がス
チール製ワイヤとこれより比重の小さい繊維コードとか
らなるものであるため、構成線材の全部がスチール製ワ
イヤからなる従来のビードコアに比して軽量化を図るこ
とができる。
チール製ワイヤとこれより比重の小さい繊維コードとか
らなるものであるため、構成線材の全部がスチール製ワ
イヤからなる従来のビードコアに比して軽量化を図るこ
とができる。
【００１５】しかも、ビードコアの内径側の少なくとも
第１層には、剪断応力に対して強いスチール製ワイヤが
配されているため、適度の剛性や保形性を保ち、特にリ
ムに対する嵌着したときの圧縮力で、巻初めの部分に剪
断応力が生じても、構成線材が切断することはなく、リ
ムに対する締付け力を良好に保持できる。
第１層には、剪断応力に対して強いスチール製ワイヤが
配されているため、適度の剛性や保形性を保ち、特にリ
ムに対する嵌着したときの圧縮力で、巻初めの部分に剪
断応力が生じても、構成線材が切断することはなく、リ
ムに対する締付け力を良好に保持できる。
【００１６】それゆえ、ビードコアの構成線材としてア
ラミド繊維コード等の繊維コードを使用しているにも拘
らず、剛性や引張強度の低下のおそれはなく、保形性も
良好であって、充分な嵌着力を確保できる。
ラミド繊維コード等の繊維コードを使用しているにも拘
らず、剛性や引張強度の低下のおそれはなく、保形性も
良好であって、充分な嵌着力を確保できる。
【００１７】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
る。
【００１８】図１は断面四角形の円環状のビードコア
（１）が配されたビード部（Ｂ）の部分断面図であり、
ビードコア（１）の回りにカーカスプライ（図示せず）
の端部が例えば内側から外側へ向けて折返されて係止さ
れる。
（１）が配されたビード部（Ｂ）の部分断面図であり、
ビードコア（１）の回りにカーカスプライ（図示せず）
の端部が例えば内側から外側へ向けて折返されて係止さ
れる。
【００１９】ビードコア（１）は、その構成線材とし
て、スチール製ワイヤ（３ａ）と、アラミド繊維コード
等の比較的高張力を有する繊維コード（３ｂ）とを用い
て構成され、特にリムに対し嵌着される内径側の少なく
とも第１層（１ａ）には、従来同様のスチール製ワイヤ
（３ａ）が配され、残余層に繊維コード（３ｂ）が単独
で、あるいはスチール製ワイヤ（３ａ）と組合されて配
されている。
て、スチール製ワイヤ（３ａ）と、アラミド繊維コード
等の比較的高張力を有する繊維コード（３ｂ）とを用い
て構成され、特にリムに対し嵌着される内径側の少なく
とも第１層（１ａ）には、従来同様のスチール製ワイヤ
（３ａ）が配され、残余層に繊維コード（３ｂ）が単独
で、あるいはスチール製ワイヤ（３ａ）と組合されて配
されている。
【００２０】例えば、図１の実施例においては、内径側
の第１層（１ａ）をスチール製ワイヤ（３ａ）の配列に
して、他の第２〜４層の全てを繊維コード（３ｂ）の配
列にして積層した場合を示し、図２の実施例は、内径側
の第１層（１ａ）を含む周囲部をスチール製ワイヤ（３
ａ）にして、その内方部にのみ繊維コード（３ｂ）を配
した場合を示している。図３の実施例は、内径側から第
１層、第３層、第５層をスチール製ワイヤ（３ａ）と
し、第２層と第４層とを繊維コード（３ｂ）にして交互
に配した場合を示している。このほか、図４のように、
中間の層を全て繊維コード（３ｂ）にして実施すること
もできる。
の第１層（１ａ）をスチール製ワイヤ（３ａ）の配列に
して、他の第２〜４層の全てを繊維コード（３ｂ）の配
列にして積層した場合を示し、図２の実施例は、内径側
の第１層（１ａ）を含む周囲部をスチール製ワイヤ（３
ａ）にして、その内方部にのみ繊維コード（３ｂ）を配
した場合を示している。図３の実施例は、内径側から第
１層、第３層、第５層をスチール製ワイヤ（３ａ）と
し、第２層と第４層とを繊維コード（３ｂ）にして交互
に配した場合を示している。このほか、図４のように、
中間の層を全て繊維コード（３ｂ）にして実施すること
もできる。
【００２１】上記実施例のビードコア（１）は、構成線
材の本数を、縦×横を５×４または４×５の２０本にし
た場合を示しているが、５×５の２５本にして実施する
等、タイヤサイズやタイヤ構造に応じて適宜実施でき
る。
材の本数を、縦×横を５×４または４×５の２０本にし
た場合を示しているが、５×５の２５本にして実施する
等、タイヤサイズやタイヤ構造に応じて適宜実施でき
る。
【００２２】図５と図６は、トラック、バス用等のタイ
ヤにおけるビードコア構造において、少なくとも内径側
の第１層（１ａ）にはスチール製ワイヤ（３ａ）を配
し、残余の層に繊維コード（３ｂ）を配した実施例を示
している。
ヤにおけるビードコア構造において、少なくとも内径側
の第１層（１ａ）にはスチール製ワイヤ（３ａ）を配
し、残余の層に繊維コード（３ｂ）を配した実施例を示
している。
【００２３】特に図５は中央２層に繊維コード（３ａ）
を配した場合を示し、図６はスチール製ワイヤ（３ａ）
と繊維コード（３ｂ）とを交互に配した例を示してい
る。
を配した場合を示し、図６はスチール製ワイヤ（３ａ）
と繊維コード（３ｂ）とを交互に配した例を示してい
る。
【００２４】上記のような構造のビードコア（１）は、
その層構造によって、構成線材であるスチール製ワイヤ
（３ａ）および繊維コード（３ｂ）をそれぞれ１本巻き
して積層する場合と、スチール製ワイヤ（３ａ）と繊維
コード（３ｂ）とを予めリボン状に配列してこれを巻い
て積層する場合、さらにこれらを併用して積層する場合
とがある。第１層（１ａ）については、巻初め端がスチ
ール製ワイヤ（３ａ）が１本になる１本巻きとするのが
好ましい。
その層構造によって、構成線材であるスチール製ワイヤ
（３ａ）および繊維コード（３ｂ）をそれぞれ１本巻き
して積層する場合と、スチール製ワイヤ（３ａ）と繊維
コード（３ｂ）とを予めリボン状に配列してこれを巻い
て積層する場合、さらにこれらを併用して積層する場合
とがある。第１層（１ａ）については、巻初め端がスチ
ール製ワイヤ（３ａ）が１本になる１本巻きとするのが
好ましい。
【００２５】なお、スチール製ワイヤ（２ａ）および繊
維コード（３ｂ）には、タイヤのゴム成形体部分との接
着性をよくするためにゴム被覆を施しておく。また繊維
コード（３ｂ）については、ゴムとの接着性をよくする
目的で接着剤処理を施して用いるが、特に引張に対する
寄与率の大きい撚の少ない甘撚りのコードにして、繊維
が分離しない程度に接着剤処理を施して使用する。すな
わち樹脂加工により堅く固めてあると、剪断応力に対し
て弱くなるので、前記のように繊維が分離しない程度に
軽く接着剤処理を施しておくのがよい。
維コード（３ｂ）には、タイヤのゴム成形体部分との接
着性をよくするためにゴム被覆を施しておく。また繊維
コード（３ｂ）については、ゴムとの接着性をよくする
目的で接着剤処理を施して用いるが、特に引張に対する
寄与率の大きい撚の少ない甘撚りのコードにして、繊維
が分離しない程度に接着剤処理を施して使用する。すな
わち樹脂加工により堅く固めてあると、剪断応力に対し
て弱くなるので、前記のように繊維が分離しない程度に
軽く接着剤処理を施しておくのがよい。
【００２６】なお、高張力を有するコードとしては、ア
ラミド繊維コードが特に好適に用いられるが、他の高張
力を有する有機繊維コードを用いることもできる。これ
らはモノフィラメントのコードを使用することもできる
が、曲げや剪断応力に対する強度上は、マルチフィラメ
ントのコードが好ましい。
ラミド繊維コードが特に好適に用いられるが、他の高張
力を有する有機繊維コードを用いることもできる。これ
らはモノフィラメントのコードを使用することもできる
が、曲げや剪断応力に対する強度上は、マルチフィラメ
ントのコードが好ましい。
【００２７】上記のような構造のビードコア（１）を備
えたタイヤであると、ビードコア（１）の構成線材とし
て、その一部に比重が小さく軽いアラミ繊維コード等の
高張力を有する繊維コード（３ｂ）を使用しているため
に、ビードコア全部がスチール製ワイヤよりなる従来の
ビードコアに比して大幅に軽量化できる。しかも内径側
の少なくとも第１層（１ａ）には、剪断応力に対して強
いスチール製ワイヤ（３ａ）を配しているために、適度
に充分な剛性、保形性を保有するとともに、リムへの嵌
着による圧縮力が巻初めの部分に作用しても、破断が生
じることがなく、リムに対し充分な締付け力、嵌着力を
保ち、引張強度も従来品に比し劣ることはない。
えたタイヤであると、ビードコア（１）の構成線材とし
て、その一部に比重が小さく軽いアラミ繊維コード等の
高張力を有する繊維コード（３ｂ）を使用しているため
に、ビードコア全部がスチール製ワイヤよりなる従来の
ビードコアに比して大幅に軽量化できる。しかも内径側
の少なくとも第１層（１ａ）には、剪断応力に対して強
いスチール製ワイヤ（３ａ）を配しているために、適度
に充分な剛性、保形性を保有するとともに、リムへの嵌
着による圧縮力が巻初めの部分に作用しても、破断が生
じることがなく、リムに対し充分な締付け力、嵌着力を
保ち、引張強度も従来品に比し劣ることはない。
【００２８】下記の表１は、ビードコア（１）が図１の
構造のもの（実施例１）と、図２の構造のもの（実施例
２）と、図３の構造のもの（実施例３）と、ビードコア
（１）が図１と同じ５層構造で、その材質を全て金属製
ワイヤにしたもの（従来例）、および全てをアラミド繊
維コードにしたもの（比較例）を、重量、引張強度およ
び水圧試験の結果を比較したものである。
構造のもの（実施例１）と、図２の構造のもの（実施例
２）と、図３の構造のもの（実施例３）と、ビードコア
（１）が図１と同じ５層構造で、その材質を全て金属製
ワイヤにしたもの（従来例）、および全てをアラミド繊
維コードにしたもの（比較例）を、重量、引張強度およ
び水圧試験の結果を比較したものである。
【００２９】各実施例および従来例、比較例のタイヤサ
イズは、１１Ｒ２２．５ １４ＰＲとし、使用した繊維
コード（３ｂ）は、繊度１２０００デニールのアラミド
繊維コード、スチール製ワイヤ（３ａ）は、線径０．９
６ｍｍのワイヤとして構成した。
イズは、１１Ｒ２２．５ １４ＰＲとし、使用した繊維
コード（３ｂ）は、繊度１２０００デニールのアラミド
繊維コード、スチール製ワイヤ（３ａ）は、線径０．９
６ｍｍのワイヤとして構成した。
【００３０】また、表１中の重量比は、ビードコア自体
の重量比であり、従来例を１００として指数表示した。
また引張強度はビードコアの引張強度で、従来例を１０
０として指数表示した。
の重量比であり、従来例を１００として指数表示した。
また引張強度はビードコアの引張強度で、従来例を１０
０として指数表示した。
【００３１】水圧試験は、試験タイヤをリム組みして、
チューブ内に水を注入し加圧する方法で行ない、安全基
準に基いて設定された圧力値で破断が生じるか否かで判
定し、従来例を１００として指数で表示した。
チューブ内に水を注入し加圧する方法で行ない、安全基
準に基いて設定された圧力値で破断が生じるか否かで判
定し、従来例を１００として指数で表示した。
【００３２】
【表１】
【００３３】上記の結果から明らかなように、本発明の
実施例の場合、ビードコアの引張強度は従来例に比して
僅かに低下するが、特に水圧試験の結果では、リムに対
する嵌着力（タイヤ全体の強度）は殆ど遜色がなく、タ
イヤとしての性能を低下をさせずに、スチール製ワイヤ
のみのビードコアのタイヤに比して軽量化を図ることが
できた。
実施例の場合、ビードコアの引張強度は従来例に比して
僅かに低下するが、特に水圧試験の結果では、リムに対
する嵌着力（タイヤ全体の強度）は殆ど遜色がなく、タ
イヤとしての性能を低下をさせずに、スチール製ワイヤ
のみのビードコアのタイヤに比して軽量化を図ることが
できた。
【００３４】これに対し、アラミド繊維コードのみのビ
ードコアの場合（比較例）、大幅に軽量化できるもの
の、引張強度およびリムに対する嵌着力（水圧試験の結
果による）の低下も大きくなった。
ードコアの場合（比較例）、大幅に軽量化できるもの
の、引張強度およびリムに対する嵌着力（水圧試験の結
果による）の低下も大きくなった。
【００３５】
【発明の効果】上記したように本発明によれば、ビード
部の強度や保形性、さらにはリムに対する嵌着力を低下
させずに、タイヤの大幅な軽量化を図ることができる。
しかも内径側の少なくとも第１層にはスチール製ワイヤ
を配したことで、適度に良好な保形性や剛性を確保でき
るとともに、リムへの嵌着による圧縮力で巻初めの部分
に剪断応力が作用しても、構成線材の破断等したり、嵌
着力が低下するおそれがなく、充分な耐久性を有するも
のである。
部の強度や保形性、さらにはリムに対する嵌着力を低下
させずに、タイヤの大幅な軽量化を図ることができる。
しかも内径側の少なくとも第１層にはスチール製ワイヤ
を配したことで、適度に良好な保形性や剛性を確保でき
るとともに、リムへの嵌着による圧縮力で巻初めの部分
に剪断応力が作用しても、構成線材の破断等したり、嵌
着力が低下するおそれがなく、充分な耐久性を有するも
のである。
【００３６】
【００３７】
【図１】乗用車用タイヤのビードコア実施例を示す断面
図である。
図である。
【００３８】
【図２】ビードコアの他の実施例を示す断面図である。
【００３９】
【図３】ビードコアのさらに他の実施例を示す断面図で
ある。
ある。
【００４０】
【図４】ビードコアのさらに他の実施例を示す断面図で
ある。
ある。
【００４１】
【図５】大型タイヤ用のビードコアの実施例を示す拡大
断面図である。
断面図である。
【００４２】
【図６】同上の他のビードコアの実施例を示す拡大断面
図である。
図である。
【００４３】
【図７】従来のビードコア構造の断面図である。
【００４４】
【図８】従来の他のビードコア構造の断面図である。
【００４５】
【図９】スチール製ワイヤとアラミド繊維コードの伸び
と荷重の関係を示すグラフである。
と荷重の関係を示すグラフである。
【００４６】
（Ｂ） ビード部 （１） ビードコア （１ａ） 内径側の第１層 （３ａ） スチール製ワイヤ （３ｂ） 繊維コード
Claims (1)
- 【請求項１】タイヤのビード部に配された環状のビード
コアであって、アラミド繊維コード等の高張力を有する
繊維コードとスチール製ワイヤとにより、少なくともコ
ア内径側の第１層にはスチール製ワイヤを配して構成し
てなることを特徴とするタイヤにおけるビードコア構
造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5245136A JPH0796720A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | タイヤにおけるビードコア構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5245136A JPH0796720A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | タイヤにおけるビードコア構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0796720A true JPH0796720A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17129172
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5245136A Withdrawn JPH0796720A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | タイヤにおけるビードコア構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0796720A (ja) |
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-
1993
- 1993-09-30 JP JP5245136A patent/JPH0796720A/ja not_active Withdrawn
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