JPH079487A - 表皮付き発泡成形体の射出成形方法 - Google Patents

表皮付き発泡成形体の射出成形方法

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JPH079487A
JPH079487A JP5174643A JP17464393A JPH079487A JP H079487 A JPH079487 A JP H079487A JP 5174643 A JP5174643 A JP 5174643A JP 17464393 A JP17464393 A JP 17464393A JP H079487 A JPH079487 A JP H079487A
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JP
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resin
skin
mold
heating
cylinder
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JP5174643A
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Katsutoshi Sakashita
勝敏 坂下
Akira Yokota
明 横田
Masayuki Oishi
真之 大石
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮付きで高表面品質かつ軽量な積層発泡成
形体を射出成形する。 【構成】 表皮材を金型内に設置し、金型を閉じる工程
と、発泡剤を混合した樹脂をシリンダ内で加熱し、未発
泡状態の溶融樹脂とする工程と、該シリンダと該金型と
の間での加熱を多段階に制御し、該多段階のうち少なく
とも1つの段階以上で、該発泡剤を熱分解させ、多段階
に発泡開始状態あるいは未発泡状態の溶融樹脂をキャビ
ティに射出する工程と、冷却固化させ、表皮材と樹脂基
材とを貼り合わせる工程と、から成る表皮付き発泡成形
体の射出成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表皮付き発泡成形体の
射出成形方法に係わり、特に高表面品質で軽量な積層体
の一体成形に好適な表皮付き発泡成形体の射出成形方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表皮材と樹脂基材からなる積層体
の射出成形方法は次のものが知られている。 (イ)表皮材を成形用の金型内に設置し、加熱溶融した
熱可塑性樹脂をノズルからキャビティに射出し、固化さ
せることにより表皮材と樹脂とを貼着する、表面品質の
優れた積層体の射出成形方法(例えば、特公昭60−3
8250号公報参照)。
【0003】(ロ)従来の発泡射出成形法により予め成
形した発泡体に、接着剤を用いて表皮材を貼着する積層
体の成形方法(例えば、特開昭60−124239号公
報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の射出成形方法には次のような問題点がある。 (イ)に記載の積層体の射出成形方法では、樹脂表面の
ヒケ等を防止あるいは小さくするために、射出後の冷却
中、高い保圧圧力が必要である。そのため、金型に強く
押し付けられる表皮材は、模様変形などにより表面品質
が損なわれたり、場合によっては、表皮材内部に溶融樹
脂が浸透して商品価値を著しく低下させることがある。
また、樹脂部分は中実のため、大型部品では重量が大き
いという問題がある。
【0005】(ロ)に記載の積層体の成形方法では、樹
脂基材が発泡体であるため、大型成形品でも軽量化は可
能であるが、表皮材を綺麗に貼り付けるのは手間をかけ
ても難しい作業であり、接着強度も不十分になりやす
く、さらに貼り付け作業は多くの工数を必要とし、コス
ト上昇になる問題がある。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に着目
し、高級感のある表皮材の表面品質が損なわれず、かつ
軽量な積層体である表皮付き熱可塑性樹脂発泡体の射出
成形方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わる表皮付き発泡成形体の射出成形方法
において、第1発明は、表皮材を金型内に設置し、金型
を閉じる工程と、発泡剤を混合した樹脂をシリンダ内で
加熱し、未発泡状態の溶融樹脂とする工程と、該シリン
ダと該金型との間で加熱し、該発泡剤を熱分解させ、発
泡開始状態の溶融樹脂をキャビティに射出する工程と、
冷却固化させ、表皮材と樹脂基材とを貼り合わせる工程
と、から成ることを特徴とする。
【0008】第2発明は、表皮材を金型内に設置し、金
型を閉じる工程と、発泡剤を混合した樹脂をシリンダ内
で加熱し、未発泡状態の溶融樹脂とする工程と、該シリ
ンダと該金型との間での加熱を多段階に制御し、該多段
階のうち少なくとも1つの段階以上で、該発泡剤を熱分
解させ、多段階に発泡開始状態あるいは未発泡状態の溶
融樹脂をキャビティに射出する工程と、冷却固化させ、
表皮材と樹脂基材とを貼り合わせる工程と、から成るこ
とを特徴とする。
【0009】第3発明は、第1発明又は第2発明におい
て、該シリンダと該金型との間で加熱する手段は、剪断
発熱、電気抵抗加熱あるいは超音波加熱の手段のうち、
少なくとも1手段以上である。第4発明は、第3発明に
おいて、該シリンダと該金型との間で加熱手段である剪
断発熱は、ノズル部に設けられた溶融樹脂の流路抵抗部
である。
【0010】第5発明は、第4発明において、ノズル部
の流路抵抗部は、ロータリーバルブである。本発明に係
わる表皮付き発泡成形体の射出成形方法は、以上の構成
とした。
【0011】
【作用】上記構成による本発明の作用を説明する。本発
明の第1の特徴を有する表皮付き発泡成形体の射出成形
方法で、シリンダ内で発泡剤混合の樹脂は、樹脂の融点
以上でかつ発泡剤の熱分解温度以下に加熱制御されてい
るので、発泡に起因する体積変化、流動性変化等の問題
を生じることも無く、良い流動性を有してノズル部方向
に流れる。次に、シリンダと金型との間、例えばノズル
部で加熱されるが、制御された加熱により発泡剤が熱分
解温度以上となり、発泡剤の種類によっては、一部熱分
解を開始し、微量ながら発泡し始めることもあるが、ほ
とんどの溶融樹脂は未発泡に近い状態である。次に、金
型内のゲートからキャビティに射出充填されるが、金型
に接触する溶融樹脂、あるいは金型に設置された薄い表
皮材に接触する溶融樹脂は金型により融点以下まで急冷
され、未発泡あるいは極一部発泡の樹脂で、スキン層を
形成する。一方、急冷されないキャビティ内部の溶融樹
脂は発泡し、コアを形成する。この際、コア部の発泡に
より生じる発泡圧でスキン層は金型内壁面あるいは表皮
材内面に押しつけられ、スキン層はヒケ等を生ずること
がなく、また適度な発泡圧により、表皮材表面の変形、
変色等の品質低下も無い。取り出し後の製品は、高級感
のある表面品質を有する表皮材と、ヒケ等がなく高表面
品質でかつ充分な強度を有するスキン層および発泡して
軽量であるコアからなる樹脂基材とが良い接着状態の積
層体である。
【0012】第2の特徴を有する射出成形方法では、シ
リンダと金型との間での加熱において、加熱を多段階に
制御することである。多段階とは、2段階、3段階ある
いは目的により4段階以上で良い。また、加熱の制御は
少なくとも1つの段階で発泡剤の熱分解温度以上に加熱
し、他の段階では発泡剤の熱分解温度以下に加熱もしく
は未加熱である。
【0013】例えば、加熱を3段階に制御し、第2段階
でのみ発泡剤の熱分解温度以上に加熱し、加熱手段がノ
ズル部に溶融樹脂の流路抵抗部であるロータリーバルブ
による剪断発熱の場合についての作用を説明する。シリ
ンダ内で樹脂の融点以上でかつ発泡剤の熱分解温度以下
である所定の温度に制御された溶融樹脂は、まず第1段
階では、ロータリーバルブ通過時の剪断発熱が小さくな
るように制御されているので、未発泡状態でキャビティ
に射出される。第2段階では、ロータリーバルブ通過時
の剪断発熱が発泡剤の熱分解温度以上となる所定の加熱
に制御し、発泡開始状態でキャビティに射出される。ま
た、第3段階では、第1段階と同様に制御し、溶融樹脂
は未発泡状態でキャビティに射出される。この3段階に
加熱制御して射出充填により得られる製品は、高級感の
ある表面品質を有する表皮材と、所定の厚さで充分な強
度を有し、かつヒケ・ポアなどが無い高品質表面である
スキン層および発泡して軽量であるコアからなる樹脂基
材とが良い接着状態の積層体である。
【0014】ところで、剪断発熱による溶融樹脂の温度
上昇△Tは一般に次のようになる。すなわち、流路抵抗
部における圧力損失を△P、溶融樹脂の粘度をη、流路
抵抗部の形状係数をr、射出成形機の射出圧力をPi、
射出成形機の射出速度をViとすれば、 △T∝△P=
f(η,r,Pi,Vi) となる。これより、剪断発
熱による溶融樹脂の温度上昇は流路抵抗部における圧力
損失に比例し、この圧力損失は溶融樹脂の粘度、流路抵
抗部の形状係数、射出成形機の射出圧力、射出成形機の
射出速度により決まることが分かる。したがって、剪断
発熱の発熱量の制御、すなわち加熱の制御は、シリンダ
と金型との間、例えばノズル部に設けられた流路抵抗部
での流路面積の調整、溶融樹脂をキャビティに射出する
際の射出圧力、射出速度の調整により行うと良い。な
お、射出圧力の調整に当たっては、表皮材の表面品質を
損なわない圧力選定が必要である。
【0015】
【実施例】以下に、本発明に係わる表皮付き発泡成形体
の射出成形方法の実施例につき、図面を参照しつつ詳細
に説明する。 (実施例1)本実施例に係わる射出成形機の主要概略を
図1に示す。射出成形機10は、型締力55tのインラ
インスクリュー式であり、射出成形機本体11と、射出
成形機本体11のノズル部12に接続される金型13を
備えている。
【0016】射出成形機本体11に備えられたシリンダ
14は、上部には樹脂および発泡剤などからなる材料を
シリンダ14に供給するためのホッパ61が配設され、
内部には材料を混練し射出するスクリュー15、先端部
にはノズル部12、後端部には図示しない駆動制御装置
によりスクリュー15を図1において回転しつつ左右方
向に駆動するスクリュー回転モータ62、外周部でノズ
ル部12とホッパ61との間にはホッパ61より供給さ
れるシリンダ14内部の固体状態の材料を溶融させるた
めの個々に温度制御されるシリンダ部ヒータ63a、6
3b、63cを、それぞれ備えている。また、ノズル部
12の内部には、シリンダ14から金型13に向かって
溶融樹脂を供給するための流路16が設けられており、
この流路16の中間部分に剪断発熱を生ずる流路抵抗部
であるロータリーバルブ17が配設され、このロータリ
ーバルブ17のバルブ開度調整18を所定のバルブ開度
に制御することで、流路16の流路断面積が制御され
る。このバルブ開度調整18は、図示しない制御装置に
よりコントロールされる電動サーボモータ64でバルブ
開度が制御される。
【0017】ノズル部12と接続し、流路16を流れる
シリンダ内部で溶融した材料である溶融樹脂19がロー
タリーバルブ17を経て、ゲート68より射出充填され
る金型13は、固定金型65と可動金型66とからな
り、キャビティ67を形成している。
【0018】次に、実施例1の作動に関し説明する。本
実施例は、表皮材69を金型13に設置後、シリンダ1
4と金型13との間での溶融樹脂19の加熱手段とし
て、ノズル部12に設けた流路抵抗部であるロータリー
バルブ17による剪断発熱とし、射出工程中は発泡剤が
熱分解温度以上となるバルブ開度に制御する場合であ
る。この射出工程中のバルブ開度の制御を図2に、ま
た、本射出成形機10におけるバルブ開度とロータリー
バルブ17での剪断発熱による温度上昇との関係を図6
に示す。
【0019】まず、ADCA(アゾジカルボンアミド)
系の発泡剤を5phr混合したPP(ポリプロピレン)
樹脂をホッパ61より投入する。なお、このADCA系
の熱分解開始温度は200℃である。投入された混合樹
脂はシリンダ14内部で、シリンダ部ヒータ63a、6
3b、63cで加熱されるとともに、スクリュー15の
回転により剪断発熱で昇温するが、スクリュー15の前
方で溶融樹脂19は170℃に制御されており、溶融し
ているが未発泡状態である。
【0020】次に、スクリュー15により溶融樹脂19
は射出されるが、ロータリーバルブ17のバルブ開度調
整18はバルブ開度30%、すなわち流路16の断面積
が30%に絞られており、溶融樹脂19は通過時の剪断
発熱により約60℃昇温し、熱分解開始温度以上である
約230℃となり、発泡を開始しつつゲート68より射
出される。
【0021】発泡を開始した溶融樹脂19aは、予め内
面に表皮材69を設置されている可動金型66と固定金
型65で形成されるキャビティ67に射出充填される。
ここで、表皮材69は、成型後の表面となるPVC(ポ
リ塩化ビニル)系樹脂シートとポリオレフィン系発泡シ
ートとからなる積層シートである。溶融樹脂19aはキ
ャビティ67に射出され発泡を開始しつつあるが、混合
樹脂の融点より充分に低い温度に調整されている金型1
3の内壁面で急冷され、未発泡に近い状態で固化し、ス
キン層を形成する。また、表皮材69に接触する溶融樹
脂19aも急冷に近い速度で冷却され、発泡量が少ない
状態でスキン層を形成しつつ表皮材と強固に接着する。
一方、キャビティ67内部の溶融樹脂19aは冷却速度
が小さいために、充分に発泡して固化し、コアを形成す
る。この内部の発泡で生ずる発泡圧により、冷却時に樹
脂の熱収縮に起因するスキン層のヒケを防止しつつ、内
部は発泡度が大きく、軽量なコアとなる。
【0022】本実施例で得られる表皮付き発泡成形体の
断面を模式的に図3に示す。表皮付き発泡成形体80の
表皮材69は、表面側シートであるPVC系樹脂シート
の高級感のある表面品質を損なわれておらず、かつ綺麗
な状態で樹脂基材81に強固に接着している。また、樹
脂基材81は、外周部に緻密で充分な強度を有するスキ
ン層82と内部に発泡度の大きいコア83とからなる。
スキン層82には微細なポア84がわずかに存在してお
り、コア83には大きなポア85が多数存在している。
この充分に発泡しているコア83により、樹脂基材81
は極めて軽量であり、表皮付き発泡成形体80としても
軽量である。
【0023】(実施例2)本実施例では、実施例1にお
いて、射出工程のノズル部での加熱を3段階に制御し、
第2段階でのみ発泡剤の熱分解温度以上に加熱する場合
について、図1(前述)、図4および図6(前述)を参
照しつつ説明する。図4はロータリーバルブ17のバル
ブ開度調整18によるバルブ開度を示す。
【0024】本実施例で用いた射出成形機10、金型1
3、発泡材混合樹脂材料および表皮材69は実施例1と
同じであるので、作動に関し説明する。まず、表皮材6
9を金型13に設置し、閉じる。次に、シリンダ14内
部で、シリンダ部ヒータ63a、63b、63cでの加
熱とスクリュー15の回転による発泡材混合樹脂材料の
剪断発熱とで昇温するが、スクリュー15の前方で17
0℃に制御された溶融樹脂19は溶融しているが未発泡
状態である。
【0025】次に、溶融樹脂19はスクリュー15によ
り射出されるが、第1段階では、射出開始時にロータリ
ーバルブ17のバルブ開度調整18は、瞬時にバルブ開
度0%から100%に制御される。したがって、溶融樹
脂19はバルブ開度100%のロータリーバルブ17を
通過する時、剪断発熱により約20℃昇温(図6参照)
するが、発泡剤の熱分解温度以下の190℃であり、未
発泡状態でゲート68よりキャビティ67に射出され
る。第2段階では、バルブ開度は瞬時に100%から3
0%に制御され、溶融樹脂19は通過時の剪断発熱によ
り約60℃昇温し、熱分解開始温度以上である約230
℃となり、発泡を開始しつつキャビティ67に射出され
る。さらに第3段階では、バルブ開度は瞬時に30%か
ら100%に制御され、溶融樹脂19は未発泡状態でゲ
ート68よりキャビティ67に射出される。
【0026】この射出成形方法で得られる表皮付き発泡
成形体の断面を模式的に図5に示す。図5において、表
皮付き発泡成形体90の樹脂基材91は第1段階で未発
泡状態で射出後固化したスキン層92、第2段階で発泡
状態で射出後固化したコア93、第3段階で未発泡状態
で射出後固化したスキン層94から構成され、境界線の
ない一体成形品であるが、分かりやすくするために、ス
キン層92とコア93との想像境界を二点鎖線95に、
コア93とスキン層94との想像境界を二点鎖線96
に、それぞれ示す。また、ゲートからの射出を矢印68
にしめす。
【0027】本成形体においても、表皮材69は表面側
シートであるPVC系樹脂シートの高級感のある表面品
質を損なわれておらず、かつ綺麗な状態で樹脂基材91
に強固に接着している。また、樹脂基材91のスキン層
92は、未発泡であるのでポアなどが全く無く、かつコ
ア93の発泡圧によりヒケ等も無く、さらに制御された
所定の厚さを有しているので高強度である。一方、コア
93は良く発泡しており、大きなポア85が多数存在し
ている。さらに、第3段階で射出され固化したスキン層
94は、スキン層92と同様にポアなどが全く無く、成
形体に栓をするようなものであり、綺麗な外観品質であ
る。このようにして得られた成形体は、優れた表面品質
を有するとともに、高強度でしかも軽量である。
【0028】(実施例3)シリンダと金型との間で加熱
する手段が、ノズル部に設けた溶融樹脂の固定型流路抵
抗部につき説明する。図7に射出成形機本体の主要部概
要を示す。本射出成形機本体30と実施例1の射出成形
機10(図1参照)との違いは剪断発熱手段としての流
路抵抗部の違いであり、これに関し説明する。
【0029】シリンダ34の先端にねじ込み取りつけら
れたノズル部32は、内部に固定型流路抵抗部37を有
している。その流路抵抗部37の断面積は小さくされて
おり、所定の温度上昇、例えば本射出成形機では昇温6
0℃に設定されている。この場合での作動については、
発泡剤の熱分解温度以下の170℃に制御されている溶
融樹脂39はスクリュー35により射出されるが、固定
型流路抵抗部37を通過する際、剪断発熱により230
℃に昇温し、発泡を開始つつ流路36を経て、図示しな
いキャビティに射出される。これにより得られる成形体
は、実施例1と同様に外観品質に優れ、表皮材と樹脂基
材が高強度に接着し、軽量である。本実施例は、ロータ
リーバルブ等のない、一般的な射出成形装置でも行え
る。なお、多段階に制御する方法としては、射出圧力、
スクリュー速度等の制御と組み合わせて、固定型流路抵
抗部37通過時の温度上昇を制御すれば良い。
【0030】(実施例4)シリンダと金型との間で加熱
する手段が、ノズル部外周部に設けた電気抵抗加熱につ
き説明する。図8に射出成形機本体の主要部概要を示
す。前記実施例3との違いは加熱手段にある。すなわ
ち、本射出成形機本体40のシリンダ44の先端にねじ
込み可能なノズル部42は、その外周部に電気抵抗加熱
部47を有している。スクリュー45により射出する
際、発泡剤の熱分解温度以下、例えば190℃に制御さ
れている溶融樹脂49は、流路46を通過する際、電気
抵抗加熱部47により加熱され、発泡を開始つつ、図示
しないキャビティに射出される。これにより得られる成
形体は、実施例1と同様であり、目的とする高品質成形
体である。なお、多段階に制御する場合は、実施例3と
同様に、射出圧力、スクリュー速度等の制御と組み合わ
せて温度上昇を制御しても良い。この加熱手段を、超音
波加熱装置に置き換えても同様である。
【0031】以上の実施例により、本発明を開示した
が、表皮材、樹脂、発泡材は本実施例に限定されないこ
とは言うまでもなく、射出成形あるいは発泡射出成形に
通常使用される材料であれば、適宜使用できる。また、
装置については射出成形機について説明したが、同様な
成形機能を有する射出圧縮成形機、圧縮成形機などにも
適用できる。
【0032】さらに、射出する工程で、シリンダと金型
との間での加熱制御において、3段階に制御加熱し、そ
のうち一つの段階で発泡剤の熱分解温度以上に加熱する
場合を説明したが、ヒケ等の無い外観を得るために、部
品形状が複雑などでは、多段階に加熱し、そのうち二つ
以上の段階あるいは全部の段階で発泡剤の熱分解温度以
上に加熱しても良い。この、二つ以上の段階での加熱
は、異なる加熱温度とすることで、発泡度の異なるコア
で構成される樹脂基材としてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果をそうする。
表皮材を金型に設置後、射出において少なくとも一回
は、シリンダと金型との間で発泡剤の熱分解温度以上に
加熱された溶融樹脂を射出し、冷却固化後取り出される
表皮付き発泡成形体は、表面品質に関しては、表皮材が
元来有している高級感のある表面品質と、コア部発泡に
よりヒケ等の無いスキン層は優れた樹脂基材表面であ
り、商品価値の高い外観である。さらに、ノズル部等で
の多段階加熱制御の第1段階および最終段階を未発泡状
態射出にすると、スキン層はヒケもポアさえも無い優れ
た表面外観となる。
【0034】次に、本表皮付き発泡成形体は、コア部の
体積比率あるいは発泡程度を制御できるので、目的に応
じた軽量な成形体が得られ、特に大型部品では軽量化の
効果が大きく、同時に使用する材料コストの低減にもな
る。また、射出時間配分を設定するなどによりスキン層
の厚さも任意に制御可能であり、目的に応じた強度を有
する成形体が得られる。
【0035】さらに、表皮材と樹脂基材との界面状態に
ついては、射出時に溶融樹脂が所定の圧力のもとで接触
し、適当な発泡圧の下で固化するので、表皮材を損ねる
こと無く強固に接着され、使用中においても表皮材が剥
離することなく、充分な接着強度を有する積層成形体で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わる射出成形機の主要概略図であ
る。
【図2】実施例1に係わる射出工程中のバルブ開度の制
御に関する図である。
【図3】実施例1に係わる表皮付き発泡成形体の断面の
模式図である。
【図4】実施例2に係わるロータリーバルブのバルブ開
度を表す図である。
【図5】実施例2に係わる表皮付き発泡成形体の断面の
模式図である。
【図6】本発明に係わるバルブ開度とロータリーバルブ
での剪断発熱による温度上昇との関係を表す図である。
【図7】実施例3に係わる射出成形機本体の主要部概要
図である。
【図8】実施例4に係わる射出成形機本体の主要部概要
図である。
【符号の説明】
10 射出成形機 68 ゲー
ト 11 射出成形機本体 69 表皮
材 12 ノズル部 81、91
樹脂基材 13 金型 14 シリンダ 15 スクリュー 16 流路 17 ロータリーバルブ 18 バルブ開度調整 19 溶融樹脂 37 固定型流路抵抗部 47 電気抵抗加熱部 67 キャビティ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮材を金型内に設置し、金型を閉じる
    工程と、発泡剤を混合した樹脂をシリンダ内で加熱し、
    未発泡状態の溶融樹脂とする工程と、該シリンダと該金
    型との間で加熱し、該発泡剤を熱分解させ、発泡開始状
    態の溶融樹脂をキャビティに射出する工程と、冷却固化
    させ、表皮材と樹脂基材とを貼り合わせる工程と、から
    成ることを特徴とする表皮付き発泡成形体の射出成形方
    法。
  2. 【請求項2】 表皮材を金型内に設置し、金型を閉じる
    工程と、発泡剤を混合した樹脂をシリンダ内で加熱し、
    未発泡状態の溶融樹脂とする工程と、該シリンダと該金
    型との間での加熱を多段階に制御し、該多段階のうち少
    なくとも1つの段階以上で、該発泡剤を熱分解させ、多
    段階に発泡開始状態あるいは未発泡状態の溶融樹脂をキ
    ャビティに射出する工程と、冷却固化させ、表皮材と樹
    脂基材とを貼り合わせる工程と、から成ることを特徴と
    する表皮付き発泡成形体の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 該シリンダと該金型との間で加熱する手
    段は、剪断発熱、電気抵抗加熱あるいは超音波加熱の手
    段のうち、少なくとも1手段以上である請求項1又は請
    求項2記載の表皮付き発泡成形体の射出成形方法。
  4. 【請求項4】 該シリンダと該金型との間で加熱手段で
    ある剪断発熱は、ノズル部に設けられた溶融樹脂の流路
    抵抗部である請求項3に記載の表皮付き発泡成形体の射
    出成形方法。
  5. 【請求項5】 ノズル部の流路抵抗部は、ロータリーバ
    ルブである請求項4に記載の表皮付き発泡成形体の射出
    成形方法。
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